2011年10月1日土曜日

大学に行かなかった人が想像する『大学』のイメージとは? 「毎日飲み会している」「英語ペラペラ」「出会いだらけ」など―【私の論評】日本は、未だ本格的な学歴社会ではない‼

大学に行かなかった人が想像する『大学』のイメージとは? 「毎日飲み会している」「英語ペラペラ」「出会いだらけ」など

みなさんは大学に行きましたか? 何らかの事情があり大学に行かなかった人は、大学に通ったことのある人が想像する以上にいると思います。実は私もそのひとり。

大学に行ったことのない人にとっては、「大学」がどのような場所であるのかチンプンカンプンなのです。そこで何が行われているのか。どのようなシステムなのか。とにかく謎だらけなのが「大学」です。そもそも日本に数ある大学の名前も、大学野球や駅伝出場校しか知らないレベルです。

ということで今回は、私のまわりにいる「大学に行かなかった人」からかき集めてきた、彼らが思っている「大学像」をご紹介したいと思います。

まずは肯定的なイメージや疑問から。
・全員とりあえず頭がいいらしい。
・大学生はみんな英語がペラペラらしい。
・少なくとも英語がバリバリ読めるらしい。
・歴史とかも暗記しているらしい。
・ヤンキーがいないらしい。
・学生プロレスがさかんらしい。
・チアリーダーがいるらしい。
・授業に出なくてもいいらしい。
・よく会話に出てくる「単位」ってのは何だ?
・よく会話に出てくる「学部」ってのは何だ?
・高校の時に塾に通って勉強しまくったんだから、素直に尊敬する。
・広い広い教室みたいなところで、教授というのが話すらしい。
・美大生は全員デッサンがすごいうまいらしい。
・美大生はエプロンを着てベレー帽をかぶっているらしい。
・メガネをかけた「ハカセ」みたいなのがいるらしい。
・緑の芝生の「庭」みたいなところで、寝転びながら本を読んでいるらしい。
・よくメシを食う。「大盛り」や「特盛り」が大好きらしい。
・大学の中にレストランみたいなのがあるらしい。そこで昼めしを食べるらしい。
・ほぼ全員が、ミクシーやFacebookなどのSNSに登録しているらしい。
・好き勝手休んでもいいらしい。
……どうでしょうか? あっていますか?
続いては、やや否定的なイメージや疑問です。
・チャラいのがたくさんいるらしい。
・毎日のように飲み会をしているらしい。
・なぜゲロを吐くまで飲んでしまうのか。これが若さというものか。
・とにかく出会いだらけで、合コンも盛んらしい。
・男女ともに、恋人が2~3人ずついるらしい。
・性的に乱れまくっているらしい。
・サークルという部活動みたいなものがあるらしい。
・サークルの合宿というのが、また乱れたものらしい。
・勉強している学生がいないらしい。
・決まった教室がなくて、クラスというカンジではないらしい。
・パラパラを踊っている人が多いらしい。
・中高時代にマジメだった人も、大学に行ったらハジケてしまうらしい。
・親に仕送りをしてもらって、さらに遊び呆けている大学生がいるらしい。
・みんな流行の服を着ているらしい。
・男女交際がとにかく盛んらしい。
……どうでしょうか? こんなカンジなのでしょうか?

ほかにも「大学サッカーや大学野球の選手たちは、一日中練習しているのかな? どうやって生きているのか謎すぎる」や、「大学出てるから何でも出来る人だと思ったのに、高卒のオレよりバカっぽかったからショックだった」などの意見もありました。

ちなみに、大学に行かなかった人に「本当は大学に行きたかった?」と聞いてみたところ、これまた意見は半々。「実は大学に行きたかった。時間を戻せるなら、行ってみたい」という人もいれば、「大学になんて行かなくて本当によかった。バカになる」という人も。

プロレスラーの大仁田厚や西村修、のりピーこと酒井法子さんなどは、けっこう歳をとってから大学に入りました。また、過去には80歳になって東大の法学部を卒業した男性もいるのだとか。もし「実は大学に行きたかった」という人がいれば、今からでも遅くはないかもしれません。

ロケットニュース

【私の論評】日本は、未だ本格的な学歴社会ではない‼

立教大学での卒業記念写真
上の記事では、大学に行ったことのない人の感想ですから、当たっているものもありますが、そうでもないものもあると思います。

というより、日本では、特に先進国では、例を見ない程大学のレベルの差があり過ぎます。例えば、本日以下のような内容の記事がサイトに掲載されていました。

日本橋学館大学というFランク大の事業が凄まじいと話題に

詳細は、以下のURLを見ていだくものとして、とにかく教養での授業内容が、ほとんど小中学の復習であり、とても大学の授業内容ではありません。

高校の授業の復習というならわかりますが、これではとても大学のレベルではありません。

http://www.nihonbashi.ac.jp/life/pdf/s2011/s08-11.pdf

http://news020.blog13.fc2.com/blog-entry-1796.html

私は、三四流大学で、学生の学力レベルがかなり低くて、授業についてこれない、という話は前から聴いていましたが実際にこれ程とは、思っていませんでした。

私は、過去に大学新卒者のリクルートもやっていたことがありますが、どちらかというと一二流どころの一本釣りを主に行っていましたから、実体がここまでということは、了解していませんでした。

こんな状況を目の当たりにすると日本は学歴社会ではないという、かねてから私がこのブログで主張してきたことが正に査証されているのではないかと思います。

なぜなら、日本では、卒業した大学による格差というものはありますが、大学を卒業したという学歴そのものだかけでは、格差が生じないからです。

これは、アメリカなどの事例をみれば、良く理解できます。アメリカでは、大学卒という学歴は、有名なハーバード大学を卒業しようが、無名の州立大を卒業しようが、何の区別もありません。大学卒は、大学卒です。

大学の工学部なら、どこの大学の工学部を卒業していようが、同列ですし、区別も格差もありません。みな、同じような学力のレベルとして扱われますし、実際に、大抵は、ある一定の枠に収まっていて、特に有名大学の卒業生が飛び抜けて優秀ということは、ありませんし、無名大学の卒業生だからといって、極端に劣るということもありません。

ただし、大学院では、有名なのか無名か、有名であっても、具体的にどの先生に師事したかで、かなりの格差があります。私は、このような、アメリカのような社会が、本当の学歴社会だと思います。これは、本当に昔からそうです。おそらく、戦前からそうだったと思います。韓国の場合は、日本の戦前の影響を受けたのでしょうか、極端な出身大学格差主義です。特定の大学を出ていないと、まず、社会に出ても、出世はできません。ほとんどが、出身大学次第で決まってしまいます。だから、毎年、日本でも、韓国の大学入試のさわぎが、報道されるのだと思います。あの加熱ぶりは異常だと思います。

そのためでしょうか、米国では大学側も、特に入学は、比較的緩いですが、卒業は結構厳しいようです。やはり、大学卒の学歴に相応しい学力を要求するからでしょうか、、、、。ここは、日本とは違うところです。そういう事情を知らない人が、日本の中堅どころ以上の大学に入れないという理由から、アメリカの大学に留学しているようですが、そもそも、もとから語学の壁もあるためか、卒業するのは、数パーセントに過ぎないという話をきいたことがあります。

だから、アメリカの大学生は、かなり勉強するようです。というより、日本の一二流どころの大学に入学した学生のようには、知識がないので、長時間勉強せざるを得ないというのが本当のところだと思います。では、日本のように、小中学校の内容から復習をしてくれるところがあるかといえば、そんなところは、ないので、アメリカでは、あまりにも学力のない人は、どうせ卒業できないからということで、そもそも、最初から大学には行かないようです。

というところで、結論です、特に大学に行かなかった人に対する、アドバイスとして、私は、現代は富の源泉が、知識である高度知識社会に突入していますから、行ける機会があれば行った方が良いと、思います。

上智大学「ミスソフィアコンテスト2011」候補者
ただし、上記のことから、やはり、中堅どころ以上のところに行った方が良いと思います。それ以外のところに行っても、無駄だと思います。それに、大学というところは、普通の高校なみの学生数しかいない単科大学から、学生総数を1万を超える一つの町のような総合大学もありますし、学部も様々です。いわゆる、一つのイメーしではわりきれないと思います。それに、東大卒業生だって、毎年、3,000人を超えます。大学生の数もかなり多いですから、とても一筋縄でくくるわけにはいきません。このくらいの総合大学以上であれば、4年間過ごしても、卒業式なんかに行くと、ほとんど知らない顔が多く、まだ、これだけ知らない連中がいることに驚くほどです。北海道大学などだと、キャンパスが広大であるため、ある授業が終わって、次の授業に出ようとしても、距離がありすぎるため、普通に歩いていっては、絶対に間に合わないなんてこともまれではありますが、そんなこともあります。

それから、大学院ですが、これに関しても、日本は、いろいろです。有名大学の大学院だからといって、すべてが入るのが超難関というわけではありません。東大の大学院でも、結構入りやすかったりするところもあります。そのため、いわゆる学歴ロンダリングに利用されるところもあるくらいです。ただし、大学院レベルになれば、入れる入れないなど別にして、やはり、実力を磨けるところに行くべきだと思います。そうして、修士でやめておくのが無難だと思います。博士過程などにいけば、特殊なところは除いて、恐ろしい、ポスドクなどという事態にまきこまれかねません。まあ、大学院のほうは、行けたら行くくらいで良いかもしれません。

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2 件のコメント:

かせっち さんのコメント...

「大学に入ると、生物は化学になり、化学は物理になり、物理は数学になり、数学は哲学になる」

…大学1~2年の間は血反吐を吐くほど微分方程式を解かされた私が来ましたよ。だってこれができなきゃ工学部じゃやってけませんからね。数学の授業でも物理の授業でも手を変え品を変え、いろんな微分方程式が出されましたよ、ええ(遠い目)

ところで何ですか、あの科目は?コンピュータの使い方はともかくとして、英語は中学レベル、数学は小学校高学年レベル。これが大学で教えている内容とは余も末です。というか、あんな内容を教えなきゃいけない学生を排除するために入試があるんだと思うんですが…

要は、大学の粗製乱造ですね。大学の数が増えた一方で、子供の数は増えていない。となれば一昔前なら大学に入れなかったような子まで大学に入れるようになってしまった、というのが、大学生のレベルが下がったといわれることの一因にあるのではないでしょうか。

山田 豊 さんのコメント...

大学でも、教養の頃は、高校の復習という感じがしましたが、あれほどレベルは低くはなかったですね。復習とはいいながら、多重微積分もやったはずですし、高校の数学ができれば、その応用でなんとでもなるという感じはしましたが、あんなにレベルは低くはなかっです。
最近は、随分とレベルが落ちてきて、いわゆる国立大学でも、教養の時代には、やっていることは、昔から比べると落ちています。やはり、ゆとりの教育てしょうか?
地元にも3流私大がありますが、その私大生から明日心理学の試験だというので、どんな授業をやったのか、話をきいて、ものの10分で、問題予想してあげたら、私の予想は完璧にあたっていて、びっくりされました。
日本も、アメリカなみに学歴社会にしたほうがよいですね。つくづくそう思います。

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