2011年10月21日金曜日

過去最高益更新の大手コンビニを待ち受ける“復興需要後”という課題―【私の論評】本当に怖いのは、増税とTPPだ!!

過去最高益更新の大手コンビニを待ち受ける“復興需要後”という課題


コンビニ各社の業績が絶好調だ。


今年2~8月期では大手4社のうち、セブン-イレブン・ジャパン、ローソン、ファミリーマートが、いずれも営業利益で過去最高益を達成。残るサークルKサンクスも販売管理費の削減などにより営業利益は前年同期比26.3%の大幅増益となった。


上期業績が好調な理由は大きく二つある。

一つは猛烈な出店攻勢だ。セブンイレブンは今期1200店という過去最多の出店を予定している。ローソンも株式上場以来最多となる750店舗、ファミリーマートもエーエムピーエムから転換する290店を含めれば790店の出店で過去最高となる。

二つ目は昨年10月にタバコが3割超値上げしたことによる増収効果だ。既存店売上高の増収率に占めるタバコの押し上げ効果は下記の通りだ。

セブンイレブンの既存店売上高は前年同期比で8%増加したが、その内のタバコが6.5%を占める。ローソンは6.4%増加したうち、タバコが6%強。ファミリーマートに至っては、4.9%増加したうち、タバコが7%弱。つまり、タバコの増収を除けば減収なのである。

しかし、国内のコンビニ数はすでに4.4万店に上り、飽和状態に近づきつつある。また、今秋にはタバコ値上げ効果は一巡。これまでの業績押し上げ効果は期待できない。

タバコ特需がなくなった今、各社が期待を寄せるのが復興需要である。

「復興需要は最低でも一年間は続く」(ファミリーマートの上田準二社長)、「建設中心の復興需要を中心に1年半~2年は続く」(ローソンの新浪剛史社長)と見る。

さらに震災でコンビニの利便性が注目され、これまでは利用が少なかった女性や高齢者などの来店が増えた結果、利益率が高い総菜や弁当などが売れている。

こうした中、例えば、ローソンは今期、生鮮コンビニを全店舗の約半分に当たる5000店舗に増やし、女性やシニア層を取り込む構えだ。

だが、不安要素もある。

欧州の金融危機や円高による景気悪化懸念がそれである。さらに復興需要が終わった後には、「今のままでは国内の空洞化が進み、大不況という最悪の状況になる」(新浪・ローソン社長)との危惧もある。

女性、シニア需要についても、コンビニで購入する傾向が定着するかどうかは未知数だ。

少なくとも、食品スーパーなどの攻勢が高まりそうだ。

ダイエーは中食を充実した24時間営業の「フーディアム」を展開。コンビニよりも安い価格と品揃えで真っ向勝負を挑む。

イオンも首都圏で展開する小型食品スーパー「まいばすけっと」で出店攻勢をかける。現在の約220店舗を、13年度末に600店に拡大する予定だ。

いずれにせよ、コンビニ各社は足元の好調に浮かれることなく、震災特需後を見据えなければならない。ITインフラの拡充、サービスの強化、商品開発力の向上、さらに海外展開など、次なる成長基盤の強化が必要だ。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 松本裕樹)

http://diamond.jp/articles/-/14531?page=2

【私の論評】本当に怖いのは、増税とTPPだ!!
上の記事、週間ダイヤモンド編集部の見解ということで、やはり、マスコミ特有の表面しかみない、間口も狭く奥行きも浅い記事です。今のマスコミ、本当にこの程度しか経済に関する認識がないのか、あるいは、自ら利得を得るために、安易に財務省の広報をしているだけなのでしょうか?いずれにしても、最早国民のためのマスコミではないと断言しても良いと思います。

現在のコンビニの好況の要因を単に、復興需要と出店攻勢としています。しかし、実は、震災がおこる前から、各大手コンビニは、本年は、かなり強気でした。コンビニに限らず、デパートもかなり強気でした。それは、なぜかといえば、以前のブログにも掲載したように、今年はもともと、内需が拡大する機運があったからです。

震災の復興需要はこうした大きな流れを加速し、維持したに過ぎません。最近のコンビニの好調を単に、震災の復興需要によるものとするのは、まさに浅薄な見方であるとしかいいようがありません。そもそも、地震が発生する前から、コンビニ各社が今年は、大規模出店に踏み切る予定であったことは、どうやって説明をつけるというのでしょうか?

それから、コンビニ各社は、震災特需後を見据えなければならないなどとしていますが、これも、浅薄です。日本政府が、増税とか、性急なTPP加入さえ実行しなければ、原油高、材料高などで、多少の不安材料はあるものの、円高基調ということもあり、これらは相殺され、デフレが払拭された可能性が大です。そうなれば、比較的景気の良い状況が、数年は続いたかもしれません。

それも、リーマンショックの直前までの、外需主導型の景気浮揚で、いわゆる「実感なき経済成長」ではなく、「多くの人々が実感できる経済成長」になっていた可能性があります。

これに関しては、全く今の民主党政権とは関係なく、おそらく、日本では過去20年間デフレ基調であり、経済の復元力からいって、上向く状況にあったものと思います。それと、経済対策などは、すぐに打ってもあまり効果がない場合もありますから、ひょっとすると、麻生政権時代の景気拡大策が、多少とも影響していたかもしれません。ただし、これに関しては、断言はできません。こういうときこそ、計量的なマクロ経済学が役に立つかもしれません。ただし、ここでは、本題ではないので、これに関しては、詳細を述べることはしません。

経済の復元力とは、たとえば、かなり長い間景気の良い状況が続いた場合は、さしたる理由もないのに、経済が下向いたり、逆にかなり長い間景気の悪い状況が続いた場合(まさに今の日本)場合は、さしたる理由もないのに景気が上向いたりする状況のことをいいます。

これは、日常生活を考えてもわかることです。たとえば、多くの人が、以前より海外旅行に行くだとか、以前よりも、夜のみに行く回数を増やしたりとか、通常よりも立派な住宅を建ててしまうなど、景気が良いので、ついつい普通よりは、贅沢な生活をしてしまった後には、ある程度飽きがきて、今度はしばらく、消費を減らすなどいうことがあります。そうすれば、景気は、さしたる理由もないのに、下向きます。こんな場合は、実体経済がそうなっているのであり、こんなときに、大規模な財政対策や金融政策をしても、なかなか消費は上向きません。

私は、現在のアメリカは、この状況だと思います。金融危機も、公的資金を投下して、しのぎ、リーマンショックも基本的には同じように対処してきたアメリカです。ここしばらく、何がなんでも、景気対策によって、景気が下向いたり、雇用状況が悪化しないようにしてきました。特に、住宅や、個人消費が下向くことを無理やり防いできました。だから、今度は、多くの人が、さしたる理由もなく、消費を控える傾向にあるのだと思います。だからこそ、経済の復元力からいって、ここしばらく人々は、さしたる理由もなしに、消費を控える傾向にあるのだと思います。こうした、経済の復元力からいって、ここしばらく不景気が続くと思います。これに関しては、すでにアメリカの統計などにも現れています。中国などもこの典型だと思います。

逆に、日本は、20年近くもデフレ状況が続き、多くの人々は、この20年間、消費を控えてきました。海外旅行なども、このデフレ20年間の最初の10年間は、あまり関係なく、伸びてきましたが、後半の10年間は、横ばいから、減速してきています。住宅なども、本来なら、もっと多くの人々がたてることを望んでいたものが、建築を控えてきました。特に、この10年間は、いわゆる、節約は、多くの人々の基本的なライフスタイルになっていました。しかし、この節約も、長々と続けていれば、これも飽きてしまいます。ここぞというときは、贅沢したいとか、そろそろ家も建て替えたいとか、しばらく海外旅行に行かなかった人が旅行に行きたくなったりします。そうして、さしたる理由もないのに、景気が上向きます。

多くの人が、好景気が続くと、その好景気は、永遠に続くと思い込み、また、反対に不景気が続くと、その不景気が永遠に続くと思い込むものです。しかし、これは、孤高東西どこの国の経済でも、当てはまったことはないです。好景気が続けば、いつか不景気に、不景気が続けば、いつかは好景気になるというのが、経済学上の常識です。

デフレの最中には、政府が、大幅な財政支出をしたり、日銀が金融緩和をするというのがマクロ経済学的にいって、当たり前なのですが、過去の歴代の政権は、小渕氏と、麻生氏以外は、すべて、緊縮財政をしてきました。日銀といえば、増刷拒否など、基本的には、金融引き締めをしてきました。

そんなときに、多くの流通業が、様々な兆候から、本年は、経済の復元力からいって、今年はかなり伸びると考えて、積極出店や、増床の計画を年度当初から持っていました。そうして、3月には、地震が発生しました。流通各社は、年度当初の計画を変更するどころかさらに積極策に打ってでました。震災自体は悲惨なものですが、その後の復興需要は、さらに、伸びることを予想していたのです。そうして、現在の状況はまさに、そのとおりに事態が進んでいるというわけです。おそらくは、年度末までは何があっても、今の勢いで進ә6;と思います。

ただし、来年は、どうなるかは、わかりません。それは、上の浅薄な記事が、掲載しているようなことではありません。復興需要に関しては、いままさに始まったばかりであり、少なくとも、2年~3年は続くものと思います。この復興需要は、流通業も年度当初には、計算に入れていなかったと思いますので、現在の業績の良さは、年度当初の計画をはるかに上回っていると思います。まさに、地震という自然災害によって、政府の対策などもあり、これによってあたかも平時に財政出動を行うような効果があったということです。

さて、この状況もっと続けるべきなのですが、上の記事では全く触れていない、本当に心配なのは、増税です。それに、TPP加盟です。このどちらも、せっかくデフレから脱出しようとしいる日本の経済に対して、デフレに引き戻すという効果があります。増税ならびに、TPP加入をしばらく見送れば、黙っていても、日本経済は、回復し、デフレから脱出して、良い方向に向かっていくはずでした。それに、震災復興需要が重なり、黙っていても、来年あたりから、しばらく景気の良い時期が続き、数年間、税収もかなり増えたと考えられます。

さて、流通各社は、増税と、TPP加入に関してはどのように考えているのでしょうか?私は、増税も、TPPにも反対の立場であると思います。無論、増税はデフレを助長するということで反対でしょう。TPPに関しても、結局は、より安いものが入ってくるということで、これもデフレを助長するということで反対だと思います。

一体、過去の20年にいかに、コンビニ業界が創意工夫を重ねてきたのか、政府、日銀は理解しているのでしょうか?上では、特にこれについては、書きませんでしたが、いまでも、デフレ基調であることには、変わりはないのですが、その中で、特にコンビニ業界がこれだけの最高益をあげるということは、それだけ努力をしてきたという証です。

財務省を含む日本国政府や、日銀がこれらの1/10の工夫もすれば、今頃日本のデフレは、完璧に克服されていたものと思います。特に、財務省は、何の努力も工夫もなく、一番取りやすいところが、一番安易な方法で、金をむしりとろうとしています。それに、政府は、迎合しています。全く、史上最低、最悪の政府です。現政権は、それに輪をかけて、TPP加入でデフレに拍車をかけようとしています。全く愚かで、馬鹿としかいいようがありません。このまま、何の検討もなく、反対議論もきかずに、これらを実行してしまえば、後世の歴史家から、もっとも愚鈍な政府であったと酷評され、歴史に汚点を残すことは間違いのないところだと思います。

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