2011年10月6日木曜日

前アップルCEO、スティーブ・ジョブス氏死去―【私の論評】ジョブスの半生を写真でたどって見えてくるものは?!!日本人が忘れた世界?

前アップルCEO、スティーブ・ジョブス氏死去


前アップルCEO、スティーブ・ジョブズ氏死去米電子機器大手アップルの創業者、スティーブ・ジョブズ氏が死去した。56歳。ジョブズ氏は体調不良を原因に8月に米アップルの最高経営責任者(CEO)職を辞任していた。


ジョブズ氏は1976年にアップルを共同創業し、パーソナルコンピュータ「Apple」や「マッキントッシュ」などを発表、同社を世界的な企業に押し上げたが、社内的な対立で85年に退社。86年に設立したピクサー・アニメーション・スタジオは、多くのヒット作を出して、世界屈指の映像制作会社となった。


97年、経営悪化で苦しむアップルの経営トップに復帰し、2000年には最高経営責任者(CEO)に就任した。復帰後は斬新なデザインのパソコン「iMac」を大ヒットさせ、携帯型デジタル音楽プレイヤー「iPod」で音楽事業をパソコンと並ぶ事業の柱に育てるなど、業績を急回復させた。


その後も、07年に発売したスマートフォン(多機能携帯)「iPhone」、10年のタブレット型情報端末「iPad」と、革新的な製品を次々と世界に送り出し、同社をパソコン大手から、デジタル家電やメディア配信事業を含むIT企業の雄へと変貌させた。11年4~6月期決算では売上高と最終利益で過去最高を更新、アップルは株式時価総額で世界最大のIT企業となった。


一方で、04年に膵臓がんが発覚。半年程度の療養後、仕事に復帰したものの、11年1月から再び病気療養で休職し、8月にはCEOを辞していた。


【私の論評】ジョブスの半生を写真でたどって見えてくるものは?!!日本人が忘れた世界?
ジョブズの死は、なかば予想できたことでしたが、本当に、残念です。本当に、現代アメリカが産んだ、典型的な、起業家精神溢れる、すばらしい経営者です。さて、経歴とか、その他については、他のサイトでさんざん報道されているでしょうし、これからも、報道されるでしょうから、そんなことは、他のサイトにお任せすることとして、私のブログでは、写真で簡単にジョブスの半生をたどるとともに、ジョブスが思い出させてくれる、日本人がすっかり忘れてしましたようにも見える事柄を掲載します。特にジョブスが私たち、日本人に垣間見せてくれた世界のことを最後に掲載します。
1976年 Apple設立  Apple Iのキーボードに触っている右の人物が若かりしジョブズ。共同設立者のスティーブ・ウォズニアック

ジョブズらによって制作されたApple I。は自分のワーゲンを売り、PCのパーツを購入し制作したそうです。

1977年 「Apple II」販売開始1977年6月5日、1,298ドルで発売。

Apple IIは爆発的に売れ、1984年には設置ベースで200万台を超え、莫大な利益を生んだ。 写真は1979年だそうです。

1984年 「Macintosh」発売  最初、Macの売れ行きはいい感じでしたが、は競争力のある機能性が不足していたことから、次第に低迷してしまいました。

1985年 Apple社から追放  会長職以外の全ての権限を失った。

同年、新しい会社NeXT(ネクスト)を創業。同時にアップルに辞表を送った。

ネクスト社のオフィスで話をするジョブズ

1986年 PIXERを買収  Apple を追放されたジョブズ氏が1986年2月4日、Pixar を買収したしました。買収当初は赤字が膨らんで大変だったようですが、現在では世界を代表するアニメーションスタジオに成長し、ジョブズ氏はディズニーの個人筆頭株主となっています。

1991年 結婚  スタンフォード大学のMBAで学んでいた9歳下のローレン・パウエルと結婚し、3月8日にヨセミテ国立公園のホテルで挙式、同年の9月には息子のリードが生まれた。

1996年 Appleに特任顧問として復帰  アップルがNeXT社を4億ドルで買収、ジョブズは、アップルに非常勤顧問という形で復帰した。

1997年 Appleの暫定CEOに就任  就任以来、赤字続きのアップルのために自分はピクサー社の収入があるとし、一貫して給与は毎年1ドルしか受け取っていないことは有名な話。


1998年 「iMac」発売

高いデザイン性と斬新なコンセプトが話題を呼び、アップルの復活を印象づけた。

2001年 「Apple Store」オープン Apple初の直営店がヴァージニア州 マクレーンにオープン。

同年、2001年 PowerBook G4、iPod、OS X 10.0が発売される。

2002年 フラット型iMacを発表フラットパネル搭載のアイマックを披露するジョブズ

2003年 「iTunes Music Store」オープン

2004年 膵臓がん手術を受ける「みんなに知らせなければならない個人的な話がある、そしてこれは自分から直接みんなの耳にいれたいと思う。この週末、私は膵臓から癌性腫瘍を摘出する手術を受けた。」と、病室から社員に向けてメッセージを送った。

携帯音楽プレーヤー「iPod(アイポッド)」の新製品発表記念イベントで、ロックバンド「U2」のボーカリスト、ボノ氏(左から2番目)やギタリスト、ジ・エッジ氏(右端)らとポーズをとるジョブズ

2006年 Disneyの筆頭株主にDisneyがPIXERを買収、ジョブズがDisneyの筆頭株主となった。

ニュヨーク五番街に開店したアップルストアにて

2007年 iPhoneを米国で発売2007年1月9日にサンフランシスコで開催されたイベントで、スマートフォン(高機能携帯電話)「iPhone」を披露

2008年 「Macbook Air」発売この頃、ジョブズの痩せ
過ぎを理由に健康面での噂が多く出回るようになる。

2009年 肝臓移植をうけるジョブズは療養のため1月から6月まで休暇をとることに。この間、ジョブズがCEOのまま、ティム・クックが暫定業務を行うことになる。

2010年 この年iPad発売。同年6月にiPhone 4を発表。デザインの欠点により
持ち方によって電波受信感度が悪くなるとう問題が発生。ジョブズはこれに
対するユーザーからのメールに「そんな風に持つのを避ければいいだけだ。」と返信。

新型iPhoneを発表するジョブズ
アップルストア銀座 スティーブ・ジョブズ氏追悼の様子

さて、このジョブスの生き様、何があっても動ぜす、次々と新たな展開を実行していくこの力の源は一体どこから湧いてきていたのでしょうか?評論家でいろいろな人がいろいろな論評をしていますが、私は、これらの人々がほとんど触れないことで、私達日本人も縁が深いものの考え方があると思います。それをかいまみせてくれるのが、以下の動画です。


これは、スタンフォード大学で行われた、ジョブスの伝説のスピーチと言われるものです。この動画は、以前もこのブログに掲載しました。YouTubeにこの動画に対するコメントが掲載されていましたので、それを以下に掲載します。
今、ジョブズが大変なこのときに、今この地球にいて、同じ空気を­吸っているなら、このスピーチをいろんな人に読んでもらいたい。­もう時間は限られているから。
同時に、もう一度ジョブス自身にに届けてあげたい。 
感動して涙が溢れるスピーチです。 
《君たちが持つ時間は限られている。人の人生に自分の時間を費や­すことはありません。誰かが考えた結果に従って生きる必要もない­のです。自分の内なる声が雑音に打ち消されないことです。そして­、最も重要なことは自分自身の心と直感に素直に従い、勇気を持っ­て行動することです。心や直感というのは、君たちが本当に望んで­いる姿を知っているのです。だから、それ以外のことは、全て二の­次でも構わないのです》
が一番心に響くスピーチです。 
神様がいるとしたら、もう少しだけジョブズの姿を地球にとどめて­おいて欲しいです。
この動画に関して、詳細は、動画そのものをご覧いただくものとして、ジョブスは、このスピーチで、「死を意識した生き方」を提唱しています。このことは、以前にもこの動画と共にブログに掲載したことがあります。詳細は、当該ブログをみていただくものとして、以下にその核心部分のみをコピペしておきます。
ジョブスは、上の動画の中で、「死を意識すること」の意義、特にポジティブな面を強調していました。これは、日本の武士道の中の「葉隠れ」の思想とも根本では相通じるところがあります。まさに、「武士道と云ふは死ぬ事と見つけたり」という言葉を真の意味で実践しているようです。葉隠れは、一部の人々が曲解しているように、死を美化するものではありません。というより、まさに、上の動画でスティーブ・ジョブスが「死を意識すること」の意義と似ています。というより、生まれ育った環境や活躍してる舞台がIT業界であることなど葉隠れの思想がでてきた時代背景とは大きく異なるので、表現や、出てくる行動が少し異なるようにみえても、本質的には同じだと思います。 
今の多くの日本人が忘れてしまったこのような生き方、少なくとも、少し前までは、多くの日本人の理想とした生き方、彼の生き方は、それを私たちに思い出させてくれます。だからこそ、日本でもジョブスに人気があるのだと思います。今日本では、産業に活気がありません。ジョブスがやってきたような、イノベーションは、少し前までなら日本が行っていたと思います。私は、そのようなイノベーションが行われなくなった今の日本、背景にはジョブスのような一昔前の日本人が理想とする生き方を多くの日本人が忘れてしまったからではないかと、危惧しています。 
さて、そう思って現在のジョブスを見ると、あの有名なプレゼンでみせる、黒を基調とした服装、ジーンズという飾らないいでたち、なにやら、戦に挑む日本の古武士のようにも見えてきます。あの全身全霊を傾けて、ものごとに取り組む姿勢とエネルギーは、本質的には「葉隠れの思想」から沸き出でてくるものであることが、理解できます。今の若い世代には、「葉隠れ」と言っても、ほんどの人が何のことかも理解していないようです。いつから、日本の優れた世界に誇るべき伝統文化が、継承されなくなってしまったのか!!本当に残念なことです。
さて、ジョブスが、こうした日本の古の武士の生き方に近い、人生観、思想を持っていたということは、意外と日本でも、アメリカでも、あまり指摘されることはありません。特に、今の日本では、こうした「葉隠」の思想など、全く忘れ去られたかのようでもあります。゜

これにみならず、ジョブスは、風貌やライフスタイルは、まさに、アメリカ人そのものですが、起業家に特有の資質として、ドラッカーが語っているものがありますが、私は、まさに、これを体現したのがジョブスだと思います。

ドラッカーは、起業家精神について、以下のように語っています。
「起業家精神とは、個人であれ組織であれ、独特の特性をもつ何かである。気質ではない。実際のところ私は、いろいろな気質の人たちが、起業家的な挑戦を見事に成功させるのを見てきた」(ドラッカー名著集(5)『イノベーションと企業家精神』) 
起業家精神というと、100人に1人が持つという感覚である。100人に1人の気質、100人に1人の才能としかねない。ドラッカーは、そこがそもそもの間違いだという。それは、気質でも才能でもない。 
ただし、一つだけ起業家精神に向かない気質がある。確実性を旨とする気質である。それはそれで立派な気質だが、企業家には向かないという。 
しかし、意思決定を行なうことができるならば、学習を通して、企業家として企業家的に行動することができるようになる。起業家精神とは、気質ではなく、行動であり、同時に姿勢だからである。 
イノベーションは、才能とも関係がない。起業家精神の才能などはなく、方法論が必要なだけなのである。それが今、ようやく各所で開発中である。 
ドラッカーは、起業家精神はインスピレーションとも、ほとんどあるいはまったく関係ないという。逆にそれは、厳しく、組織的な作業である。 
企業家に天才的なひらめきがあるというのは、神話にすぎない。ドラッカー自身、60年以上にわたっていろいろな起業家と仕事をしてきた。ベンチャーを立ち上げた人もいれば、社内企業家もいた。どの人も働き者だったという。天才的なひらめきを当てにするような人は、ひらめきのように消えていったという。 
イノベーションは、変化を利用することによって成功するのであって、変化をもたらそうとすることによって成功するのではない。 
ということは、変化を当然のこととして受け止めることである。日本人にとって、諸行無常を旨とすることは、おなじみなのではないか。 
 「本人が自覚しているか否かにかかわらず、あらゆる仕事が原理にもとづく。起業家精神も原理にもとづく。起業家精神の原理とは、変化を当然のこととすることである」(『イノベーションと企業家精神』)
さて、この諸行無常という言葉、私達日本人なら、本来誰もが、直感的に理解できるものだったと思います。アメリカ流の合理精神と、もののあわれをも含む日本流の武士道的な精神とをあわせもったジョブス。だからこそ、人生を通じて、エネルギッシュであり、本当に時流に適合して、最期まで、生き抜くことができたのだと思います。こうした精神なしに、ジョブスがこれほど、社会を変革できたかどうかは、はなはだ疑問です。

今の日本人、やはり、上記のジョブスのような、精神を持った人も多いので、未だに、イノベーション力は世界トップ水準にあるのだと思います。しかし、それも、薄れてきいるような気がして残念でありません。日本でも、意図して、意識して、このような生き方をみなおしていくべきです。

それにしても、当代一といっても良いくらいの起業家が逝ってしまったのは、本当に残念です。しかし、いつ死ぬか判らないという覚悟が根底にあったからこそ、ここ数年のジョブスもあのような素晴らしい活躍が来たのだと思います。そうして、彼の最期の考えは、「やり抜いた」という感慨に満ちたやすらかなものであったと信じたいです。そうして、アップルもこれからも、私達の期待に応える企業でありつづていただきものです。ジョブスがなくなっても、彼の考え方を未来永劫にわたって、継承していただきたいものです。そうして、特に、私たち日本人は、ジョブスの生き方から、日本的な物の考え方が優れていることを学びとるべきだと思います。
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