2011年10月17日月曜日

まさにモビルスーツ! 米軍事メーカーが作った2アームの重機がスゴイ―【私の論評】本当に新しい技術は、他の産業からやってくる!!消費者ニーズを捨てよ!!

まさにモビルスーツ! 米軍事メーカーが作った2アームの重機がスゴイ


このほど米軍需製品メーカーが、従来の重機械に革命を起こすような画期的なマシンを発表した。そのマシンは巨大な2つのアームを持っており、これを操作することにより、土木作業をスムーズにこなすことができる。しかも今までの重機のようなレバーやボタンはなく、操作技術を習得するためのトレーニングも不要、誰でも簡単に操縦できるというのだ。まさにモビルスーツと呼ぶに相応しいマシンではないだろうか。

このマシンを開発したのは、軍需製品メーカー「レイセオン・グループ」の「サルコス社」だ。同社は過去に、装着するだけで驚異的な力を発揮できるパワードスーツなどを開発していたのだが、この技術を応用してまったく新しい重機械を誕生させた。

もっとも大きな特徴は、マシンに備え付けられた2つの巨大なアームだ。これにより従来の油圧式ショベルやブルドーザーでは困難であった、細やかな作業を行うことができる。また操作のために特別な技術を必要とせず、直感的に扱うことができるのも魅力のひとつである。

これはもう人気アニメ『ガンダム』に登場するモビルスーツといっても過言ではないだろう。映画『マトリックス・レボリューションズ』に登場する2足歩行型マシン「アーマード・パーソナル・ユニット(APU)」にも近いかもしれない。

なお、実用化については未定だ。いずれにしても、世界の土木作業および建築作業に革命的な変化を起こすに違いないだろう。

【私の論評】本当に新しい技術は、他の産業からやってくる!!消費者ニーズを捨てよ!!
さて、下は、マトリックスにでてきた、APUの模型です。


 下は、エイリアンにでてきた、モビル?スーツを自作したという代物です。すごいですね。

下は、皆さんご存じ、映画プレデターにでてくる、異星人のスーツ(模型)。そのうち、こんなものも、開発されて、史上最強の兵士なんてのもできるかもしれません。

さて、前置きはこのくらいにして、本題に入ります。上のAPUのような、マシン凄いです。これに類するものとしては、いわゆるパワーショベルがあります。


パワーショベルに関しては、このブログでは、例の中国の大列車事故があったときに、列車を埋めたり、また、掘り起こしたりしたときに、使われていたパワーショベルが全部日本製であったことを掲載したことがあります。なんで、こんなことになるかといえば、実は、パワーショベルは、技術水準が高いものなので、中国には製造できないし、製造するより、日本のものを輸入したほうか、安くつくので、全部輸入だそうです。何と、世界で、パワーショベルをつくっている国は、日本とドイツだけだそうです。

特に中国では、KOMATSUなど、日本のメーカーのものの独壇場といっても良いくらいです。おそらく、ドイツなどからでは、輸送費がかかってしまうので、日本ばかりという様相を呈しているのだと思います。KOMATSUの社長さん、中国からの輸入がかなり多いことと、過去にかなり輸出が伸びていたためでしょうか、テレビに出演していたとき、中国向けがまだまだ、伸びるということで、かなり鼻息があらかったのを覚えています。

しかし、こうした、日本と、ドイツの独壇場のパワーショベルも、上記のようなマシンがでてきたら、そうはいかなくなるかもしれません。なにせ、上のマシンを動かすのに、あまり熟練する必要もないようですが、パワーショベルには、熟練が必要ですし、それに、運転するにも、免許が必要です。上のマシンなど、現場まで運ぶまでには、免許がいるかもしれませんが、現地について、それを操作するには、免許もいらないかもしれません。

とにかく、今すぐにではないですが、このマシンが、大量生産されるようになったら、日本や、ドイツの独壇場状況も終わってしまうかもしれません。

それにしても、アメリカは凄いと思います。パワーショベルを改良するという発想では、このようなマシンはできなかったかもしれません。

パワーショベルも、アップルがiPhoneや、iPadで市場の一角を崩し、アッフルが一人勝ちしているように、このアメリカのメーカーに崩されるかもしれません。

この発想の違いは一体どこからやってくるのでしょうか?本日は、二つの側面から見てみようと思います。

まず一つ目は、ジョブズもいっていた、日本のメーカーが、アップルに負けっぱなしである理由と同じような理由によるものだと思います。


さて、ジョブズの語録は、様々なものがありますが、まずは、一言でいってしまうと、「消費者ニーズを捨てよ!!」というものがあります。一昔まえは、スーパーなどでも、様々な経営者が「消費者ニーズ、消費者ニーズ」を口を開けば言っていました。最近、そのようなことを言う経営者は、めっきりと減ってきたように思いませんか?それに、こんなことばかり言っている経営者が経営する企業は、のきなみ業績が悪いようです。

では、これが、間違いであることをジョブズの語録から引用します。

『消費者に、何が欲しいかを聞いてそれを与えるだけではいけない。』

『製品をデザインするのはとても難しい。多くの場合、人は形にして見せて貰うまで自分は何が欲しいのかわからないものだ。』

まったくジョブズ氏の言う通りだと思います。素人の消費者にリサーチして、彼らが欲しい(と思われる)ものを作っても、彼らは全く別のものを買うでしょう。それが今の日本の黒モノ家電です。試しに「どんな携帯電話が欲しいかを」顧客に聞いてみれば、以下のような答えしかかえってこないと思います。

絵文字が打てる、メールが片手で打てる、ワンセグは絶対欲しい、 防水がいい、おサイフ機能は必須、いろんな機能が付いていると楽しい……ETC……結果が世界に通用しないガラケーくらしか、でてきません。

そう答えた消費者が、ワンセグもなくお財布もない『iPhone』に殺到しています。素人の客に聞いて、彼らがどんなものが欲しいのか忠実に作っていく方法は、まったく無意味ということななのだと思います。簡単に素人が考えつくようなものは売れないということです。素人の客にそこまでの考察力があるのなら、その客はとっくに素人ではなくてプロの商品開発者や経営者としてやっていけるはずです。

要するに「素人 = ノーアイデア」なのです。できたものについてあれこれは言えるが、存在してないモノに対しては意見を期待しても意味がないのです。

つまり、本当の商品企画というものは、独創的に“ユーザーに思いつかないような斬新なコンセプト”がひらめくような人しかできないということだと思います。極論をいえば顧客の意見なんて聞く必要はないのです。まさに、消費者ニーズは無視しなければならないのです。顧客に凄い、と言わせればそれで良いのです。

にもかかわらず、日本の多くの開発者は、消費者ニーズを丹念に探って、開発をしようとするのだと思います。たとえば、コマツの開発者などが、工事現場などに赴き、実際にパワーショベルを使っている人たちに、意見を聴いてまわったとしても、既存のパワーショベルを改善するのには役立ちますが、全く新しい発想の上記のようなマシンはできないということです。

ただし、実際に、上記のようなマシンを作って、それを工事現場などの人々に見せるというのなら、話は別です。きっと、様々な改善案が見つかることでしょう。また、ユーザーによる新たな用途無視するというイノベーターのおちいりがちな、落とし穴にはまることもなくなります。

それから、これは、意外と知られていませんが、アッフルは、メーカーでありながら、工場をもっていません。開発者は、いろいろと考えたり、ブロトタイプをつくったりはしますが、それを大量生産するようなことは、すべて外注です。それに対して、日本のソニーとか、東芝、シャープあのサムソンですら、自社工場を持っています。工場を持たないということも、このようなことをやりやすくしている要因の一つであると考えます。

それから、第二点目は、ドラッカーも言っているように、もはや、新しい技術は、自ら属する産業内のみからやっくるわけではないということです。

これに関しては、以前もこのブログで掲載しました。詳細は、当該ブログをみていただくこととし、以下にその核心部分のみをコピペしておきます。
企業のパラダイム(規範)の変化として、あらゆる技術がそれぞれの産業に属し、逆にあらゆる産業がそれぞれ特有の技術をもつとされたのが、現在では、もはやいかなる産業、企業にも、独自の技術というものがあり得なくなってきた。産業として必要とする知識が、馴染みのない異質の技術からうまれるようになった。たとえば、通信で使われているファイバーグラスの生みの親は、ガラスメーカーであったり、新薬の生みの親は昔のように化学や生化学ではなく、今やバイオ・テクノロジーであることなどがあげられていました。
上のマシンは、軍事関連のメーカーが開発しています。従来の、パワーショベルなどのメーカーが開発したのではありません。軍事関連のメーカーでも、様々な技術を応用して、様々な兵器などを開発しています。それこそ、銃や機関銃、大砲、戦車でけではなく、軍事用ロボットとか、軍事用無人偵察機とか、様々な分野に及んでいます。

アメリカ軍のモビルスーツ。空を飛ぶ事以外は何でもできるという。
それに、無論、モビル・スーツのようなものも開発しているところもあります。おそらく、上の軍事関連メーカーは、パワード・スーツを開発していたそうですが、そこで、はたと気づいたのが、民生用の需要なのだと思います。軍事用の需要は限られています。しかし、これをパワーショベルのように使えれば、民生用の需要はかなりものが期待できます。

まさに、新たな技術は、自らの産業の中ではなく、他産業からやってくるという格好のケーススタディーだと思います。

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