2018年10月12日金曜日

IMF「対日4条協議」の内幕 財務省が言わせる「日本は消費増税すべきだ」 ―【私の論評】愚かなIMFを緊縮財政に利用する屑組織財務省は解体すべき(゚д゚)!

IMF「対日4条協議」の内幕 財務省が言わせる「日本は消費増税すべきだ」 


IMFのラガルド専務理事(右)と会談する麻生太郎財務相(左)=4日、財務省

国際通貨基金(IMF)は、日本に対する「4条協議」が終了したとして、報告書を公表した。IMFの分析はどのように行われるのか。その内容は妥当なのか。

 IMFは、IMF協定第4条に基づき、原則年1回加盟国の経済状況、財政・金融・為替などの政策を調査するが、これを「IMF4条協議」という。

 IMFのスタッフが加盟国を訪問し、加盟国政府・中央銀行などの担当者と協議する。この「協議」は、英語で「consultation」であるが、かつては「対日審査」などと訳され、あたかもIMFが日本に対して指導するような表現だった。

 ただし、IMFのスタッフといっても、その中には財務省からの出向職員の日本人もいる。筆者も役人時代に「4条協議」に加わったこともあるが、彼らに、内閣府、財務省、日銀の担当者が日本経済の現状を説明するというのが実態に近い。IMFのスタッフがまとめるペーパーには、当然のことながら、日本の事情に詳しい財務省からの出向職員の知見が大きく反映されるだろう。

 財務省にとっては、IMFの名前で自らの見解を述べることで外圧として利用できる。最近の4条協議で、IMFが「日本は消費増税すべきだ」という意見を述べているのは、まず財務省がそう言わせていると思って間違いないだろう。

 これは、ワシントン在住の日本のマスコミにも好都合だ。IMFのペーパーに関与した財務省からの出向職員に直接日本語で取材できるからだ。

 IMFとしても決して悪いことでない。IMFペーパーの内容について日本政府と見解が大きく異なると問題になりかねないが、財務省が事実上書いたことなら、そうした心配はない。

 しかしながら、IMFの信用を損なうおそれがある。というのは、IMFは1990年代から2000年代にかけて緊縮一辺倒であったことを12年に間違いだったと認めているからだ。今さら日本に対して消費増税という緊縮財政策をアドバイスするのは矛盾している。

 英国では最近まで緊縮指向で頑張っていたが、ついにメイ首相がリーマン・ショック後に導入された歳出削減などの緊縮政策を廃止すると報じられた。

 このニュースは海外では大きく扱われているが、日本のマスコミではほとんど報じられていない。今のタイミングでメイ首相の発言を報じれば、来年10月に予定されている10%への消費増税に悪影響が出て、新聞業界で待望している消費税軽減税率が吹っ飛んでしまうことを恐れているのだろうか。

 一方でIMFが日本に消費増税をアドバイスしたということについては日本のマスコミで報じられている。よく言われることであるが、これはいわゆる「報じない自由」ではないのか。

 しかし、これではマスコミが軽減税率欲しさで財務省に忖度(そんたく)しているのではないかと思われても仕方ないだろう。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】愚かなIMFを増税に利用する屑組織財務省は解体すべき(゚д゚)!

ブログ冒頭の記事で、高橋洋一氏は「IMFは1990年代から2000年代にかけて緊縮一辺倒であったことを12年に間違いだったと認めている」とありますが、その時の経緯を以下に掲載します。

過去に国際通貨基金(IMF)の緊急融資プログラムを実施して景気悪化の痛みを味わった国々は、2012年になってIMFが緊縮策のコスト計算を間違っていたとを認めたことで、憤懣(ふんまん)やる方ない気持ちでした。

アルゼンチン、インドネシア、韓国といった国々はかつて、IMFによる数百億ドルの融資と引き換えに厳しい財政支出の削減を義務付けられました。これらの国々は、IMFがようやくアジアや中南米の経済危機の際に犯した過ちから学びはじめました。

当時のインドネシアのギタ貿易相は「彼らは過去の出来事から学んでいる。我が国が1998年に経験したことは間違いなく過酷だった。その時期を生き延びた私は、われわれが被った困難が教訓となるよう期待する」と話しました。

当時のインドネシアのギタ貿易相

インドネシアはアジア金融危機が勃発した1997年に100億ドルのIMF融資に調印し、財政支出削減、増税、銀行閉鎖、引き締め的な金融政策といった経済プログラムに着手しました。IMFは、これらを実施すれば景気の悪化を抑制できると主張していました。

インドネシア経済は結局、98年に13%ものマイナス成長に陥り、IMFの予想した3%のプラス成長とは程遠い結果になりました。

IMFのストロスカーン前専務理事は2010年、IMFがアジアにおいて「過ち」を犯したことを認めました。

IMFのストロスカーン前専務理事 売春あっせんの罪に問われたが、後に無罪を言い渡された

IMFは2015年に発表した調査報告書で、厳しい財政緊縮策による経済への打撃は以前想定していた規模の3倍に及ぶ可能性があると指摘しました。

ラガルド専務理事は 2012年10月12日に東京で開かれたIMFと世界銀行の年次総会全体会合の冒頭で「助言というのは、受け取るのも与えるのも時として難しい」と述べました。

調査報告書と並行してIMFは、ユーロ圏債務危機に対処するため財政緊縮を促す従前の姿勢を緩和し、ギリシャその他の重債務国に早急な財政赤字削減を強いれば副作用を招くとの主張に転じました。

<緩衝剤>
IMFの報告書は、2009年の前後で緊縮策が先進国に及ぼす影響が著しく変化したことを示していました。09年以降、大半の主要先進国は政策金利をゼロ近くまで引き下げています。

通常なら、財政政策を引き締めても中央銀行が利下げという緩衝剤によりその打撃を和らげることができます。しかし現在は金利が限界まで下がったため、財政引き締めを相殺するために打ち出せる金融政策は乏しいです。

IMFのブランシャール調査局長は「現在は多くの国々が流動性の罠に陥っている。これは周知の通り、金融政策を使えないことを意味しないが、平時に比べて金融政策には大幅な制約がある。こうした場合、金融政策によって相殺されずに財政健全化の影響が直に出ることになる」と述べました。

1997年のインドネシアでは、IMFは財政赤字の削減と金融引き締めの両方を勧告。これが景気悪化を深刻化させたとの批判を招いてきました。

IMFは99年、インドネシア経済が予想よりはるかに悪化していることが明らかになった時点で、もっと素早く政策の緩和を許す余地があったことを認めました。しかし同時に、インドネシア政府がIMFの計画を適切に実行しなかったことを批判しました。

当時アジアにおけるIMFの評判には今でも泥が塗られたままで、アジア諸国は二度と救済を仰ぎたくないという理由もあって、総額約6兆ドルの外貨準備を積み上げていました。

<失敗が約束された戦略>
当時のアルゼンチンのロレンシノ経済財務相はIMFが失敗を認めたことについて、ユーロ圏危機に対する姿勢を改める「最初の一歩」になるはずだと語っていました。

経済財務相はIMFに寄せた公式声明で「IMFはまたしても失敗を約束された政策条件や改革戦略を支持している。これらは対象国における景気後退を深刻化させ、失業率を押し上げ、債務は持続不可能な道をたどって社会的な失敗も招くことになる」と訴えました。

アルゼンチンは過去10年間にIMFから合計約230億ドルの融資を受け、それを返済。現在はIMFが融資対象国に課す条件を声高に批判していました。

韓国は1997年にIMFから210億ドルの融資枠を与えられ、成長率が97年の5.7%から98年には3%に減速することを前提とした改革プログラムに合意しました。実際には韓国経済は98年に6%近くのマイナス成長に陥りました。

97年のIMFとの交渉で韓国代表団を率いた鄭徳亀氏は、IMFは通貨危機の診断を誤り、財政政策の問題だとして間違った改革案を処方したと指摘。「すっかり手遅れになってから消防団が到着したが、十分な水を積んでおらず火事の性質も正確に把握していなかったようなものだ。その結果、火事はますます大きくなった」と話した。

現在NEAR財団理事長の鄭徳亀氏 現在は文在寅政府の
一輪車政策」では経済問題は解決できないと批判している

IMFの示した処方箋から離れることによって成功を収めた国が少なくとも1つありました。

ボリビアの当時のアルセ経済・財務相は、IMFが他の国々で失敗を犯したのを見たため、ボリビア政府はIMFの勧告を無視することを決めたと説明。IMFの勧告と正反対の政策を実施したことにより、2005年に38%を超えていた貧困率を11年には24%強に抑え、一人当たり国内総生産(GDP)はこの間に倍増したと述べました。

財務相は「ボリビアでは国家の介入を強めることで、より良い富の配分を成し遂げた。われわれは市場をまったく信頼しておらず、2006年に市場主義経済を捨てた」と指摘。「IMF理事らの志は良いのだが、一部の局はIMF内で実施すべき改革にまったく耳を貸さない。ラガルド専務理事ができる最良の行動は、彼女の良い志を下のレベルまで浸透させることだ」と述べました。

過去にIMFは、経済が落ち込んでいる国に対して融資する条件として緊縮財政を課しましたが、これは上で示すようにことごとく大失敗しました。

経済が落ち込んでいる場合には、金融緩和と積極財政を適切に組みあせて実行すべきというのは、マクロ経済の基本中の基本です。両方とも実行すべきなのです。両方を実行していく過程において、その時々で、両者の効果にはそれぞれ特有のタイムラグがあるため、両者をうまく組みあせる必要があるのです。

しかし、経済が落ち込んでいる国々に対して、IMFは融資の条件として、緊縮財政で財政をたて治すという名目で、緊縮財政を強要したのです。しかし、これはことごとく失敗しました。

そうして、現在のIMFも日本の財務省の口車に乗って、日本に対して消費税増税を勧告する有様です。IMFの勧告など全く信用ならないと認識すべきです。

さらに、2013年には、財政切り詰め策の根拠となった唯一の論文が間違いであったことが明らかになっています。それについては、このブログでも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
「ごめんなさい」では済まされない! 財政切り詰め策の根拠となった論文に誤り 欧州連合の方針に疑問―【私の論評】 これは経済学者というか、科学者として許すまじ行為!!世界を日本を惑わした罪は大きい!!見せしめのために、学会から追放せよ!!日本は、消費税増税絶対にみあわせようぜ!!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事から一部を引用します。
2009年にギリシャ問題が発覚し、それが欧州財政危機問題へと拡大した際、欧州委員会は危機を回避する政策を策定するにあたってひとつの論文を参考にしました。 
それはハーバード大学のケネス・ロゴフ教授とハーバード・ケネディ・スクールのカーメン・ラインハート教授による「Growth in a Time of Debt(国家債務時代の経済成長)」という論文です。 
ケネス・ロゴフとカーメン・ラインハート

ロゴフ教授とラインハート教授は『国家は破綻する』という本の著者でもあり、日本でも知られています。
ところがマサチューセッツ大学アマースト校の博士課程に学ぶトーマス・ハーンドンがこの論文に書かれている結果を再現しようとしたところ、ロゴフ教授とラインハート教授が主張するような、「国家負債が90%を超えるとGDP成長が著しく鈍化する」という結果が得られませんでした。そこで彼の指導教授であるマイケル・アッシュ教授ならびにロバート・ポーリン教授とともに「結果がそうならなかった」という指摘をしました。

これが両者の間で論争を巻き起こしましたが、結局、ロゴフ教授とラインハート教授がエクセルのスプレッドシートを操作する際、コーディングのミスをした為、一部のデータが演算に反映されていなかったことが判明しました。 
ロゴフ教授とラインハート教授がエクセル操作上の凡ミスを全面的に認め、謝罪の声明を出すということで論争には終止符が打たれました。 
しかし切り詰め政策を強要されているギリシャやスペインの国民からすれば「間違いでした、ごめんなさい」ですまされることではありません。
この記事には、「ロゴフ教授とラインハート教授がエクセルのスプレッドシートを操作する際、コーディングのミスをした」などと掲載されていますが、それこそコピーをし間違えた程度のかなり杜撰なものだったそうです。

この記事には、当然IMFも影響されていました。しかし、これは完璧に間違いであったことが明らかになり、やはり従来からマクロ経済学の教科書に掲載さている「経済が落ち込んだときには、金融緩和と積極財政を適宜組み合わせて実行」ということが正しいということが再確認されています。

愚かなIMFを増税に利用する財務省。本当に屑組織です。こんな省は解体すべきです。

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