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2019年11月30日土曜日

【日本の解き方】IMFの「消費税引き上げ論」と真水「10兆円」の補正予算浮上…財務省の“絶妙”な対応―【私の論評】いまのところ、1月解散,2月選挙という可能性が最も高い(゚д゚)!

【日本の解き方】IMFの「消費税引き上げ論」と真水「10兆円」の補正予算浮上…財務省の“絶妙”な対応

テレビで報道されたゲオルギエワIMF専務理事の声明

 国際通貨基金(IMF)のゲオルギエワ専務理事は、日本の消費税率について「2030年までに15%、50年までに20%へ増税する必要がある」との見解を示した。

 こうした発言については日本の財務省の影響が大きいことはこれまでにも本コラムに書いてきたが、この時期に出てくる背景は何だろうか。

 専務理事の来日は、IMF協定第4条の規定に基づき、加盟国と毎年定例的に行っている経済に関する審査「4条協議」に合わせたもので、協議の終了と対日報告書の発表を受けて記者会見した。

 対日4条協議はIMF代表団が協議相手国を訪問し、経済・金融情報を収集するとともに、その国の経済状況および政策について政府当局者等と協議する。筆者も、現役官僚のときに協議に参加したこともある。日本側は財務省、内閣府等の課長補佐レベルの実務担当者が中心であるが、IMFの副専務理事、理事や事務局への出向者も多い財務省が日本側をリードし対応していた。

 対日報告書はIMFのものだが、日本政府、特に財務省の意向が盛り込まれることもしばしばだ。IMFとしても、日本政府の意に反することをあえて盛り込むのは政治リスクもあるので、日本政府の抵抗のないものを採用しがちだ。財務省も、あえて外圧を使ってでも消費増税を打ち出すのがいいと考えているフシもある。その結果、対日報告書に消費増税が盛り込まれることとなる。今回の専務理事の発言も、これまでと同じ背景だろう。

 なお、日本のマスコミが「ワシントン発」としてIMFのニュースを流すときは、IMF理事室がソースであることが多い。そこでは財務省からの日本人出向者が勤務しており、日本語で対応してくれるので、英語に不慣れな日本人駐在記者に重宝されている。

 今回の専務理事の発言も財務省からのレクの結果だろうが、今は補正予算で「真水」10兆円という意見が、自民党と公明党から出ている。

財務省からレクを受ける共産党議員団ら

 自然災害が相次ぎ、予備費の枠では抜本的な対応ができないことも理由の一つだが、本コラムでも指摘したように国土交通省の公共投資の採択基準が時代に合わなくなっていることもある。つまり、公共投資の費用便益基準の算出に必要な将来割引率が4%と高すぎるのだ。これを15年も見直さなかった国交省の怠慢もある。この見直しが大型補正予算を後押ししている。

 市場金利はマイナスなので、絶好の将来投資機会という主張に財務省は防戦一方だ。冒頭のようなIMF専務理事の発言を利用したいと思っても不思議ではない。さらに、補正予算は今の臨時国会ではなく、年明けの通常国会冒頭という時間延ばし戦術もありだ。後は、来年度予算との取引で沈静化を図るのだろう。

 もっとも、来年の通常国会冒頭での補正予算は、安倍晋三政権にとっては衆院解散の絶好の口実にもなりうるので、財務省の対応は政治的には絶妙だといえる。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】いまのところ、1月解散,2月選挙という可能性が最も高い(゚д゚)!

冒頭の記事で高橋洋一氏の結論部分の「もっとも、来年の通常国会冒頭での補正予算は、安倍晋三政権にとっては衆院解散の絶好の口実にもなりうるので、財務省の対応は政治的には絶妙だといえる」という結論は非常に興味ぶかいです。

高橋洋一氏は、年内の解散はないと見ているということだと思います。あるとすれば、来年の通常国会の冒頭であるとみているということです。

では、実際衆院の解散はあるのでしょうか。

公明党の山口那津男代表は27日、東京都内で講演し、年内や来年1月の通常国会冒頭での衆院解散に否定的な見方を示しました。12月に中国で予定される日中韓首脳会談をはじめとする外交日程を挙げて「重要な外交課題がめじろ押しだ。すっぽかして解散というわけにはいかない」と述べました。

開催国・チリの治安悪化で中止となった今月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を代替地で開催する可能性にも触れて「時期は予測がつかないが、日本の都合だけでは解散しにくい」と指摘しました。

山口氏は憲法改正論議を巡り、野党が主張する首相の解散権制約には慎重姿勢を表明しました。

その山口代表が29日の党会合で、28日夜に安倍晋三首相と会食したことを報告しています。「(国会)会期末、政府・与党で緊張感を持ってしっかり当たっていこうと確認し合った」と説明。両氏が一対一で夕食を共にするのは珍しく、公明党内では衆院解散などが話題になったのではないかとの臆測も出たそうです。

公明党幹部によると、28日の会食は首相からの呼び掛けで約2時間行われました。山口氏は首相と昨年11月に政権幹部らとともに夕食を共にしたことがあります。ただ、第2次安倍政権発足後の7年間近くで両氏が夜に2人で会食するのは初めてといいます。定期的な昼食会は首相官邸で行われています。

山口公明党代表と安倍総理

無論、「解散は時の首相の専権事項」で、安倍首相も訪米中の9月下旬の記者会見では「頭の片隅にも、真ん中にもない」とこれまでどおりの表現で年内解散を否定していました。

ところが、2夜連続で開催された衆参与党国対幹部との懇親会では、「あいさつと解散は急に来る」(10月8日)、「12月の選挙に勝ったことがある」(10月9日)と述べ、出席者をざわめかせました。

確かに、第2次安倍政権発足直前も含めた3回の衆院選のうち、2012年は12月16日(11月16日解散)、2014年は12月14日(11月21日解散)が投開票日で、いずれも自民が圧勝しています。このため、それまでは「単なる与太話」とされてきた12月15日衆院選説が、にわかに現実味を帯びてきました。

ただし、12月中旬選挙となると、11月には解散していなければならず、本日はもう11月30日なので、その目はほとんどなくなったと見るべきでしょう。

消費税増税を受け、衆院解散・総選挙は遠のいたとの見方が広がっています。政府・与党内では、来年秋以降との観測も多いようです。一方、増税の影響が顕在化する前の今年12月か来年1月の通常国会冒頭の解散も一部では取り沙汰されています

消費税は時の与党に国政選挙での苦戦を強いてきました。導入直後の1989年の参院選で自民党は大敗。10%までの引き上げを決めた旧民主党は2012年の衆院選で壊滅的敗北を喫しました。その後を受けた安倍内閣が連勝したことは、2度の増税延期と無縁ではありません。

そこで有力視されるのが来年秋以降です。「増税直後の選挙は負ける」とみて、東京五輪・パラリンピックを間に挟み、増税の影響を薄める狙いがあります。年明けからは五輪準備が本格化し、物理的にも解散が難しくなります。公明党が要請した軽減税率の仕組みは複雑で、「混乱が生じれば支持者が離れる」(同党関係者)との懸念もあり、こうした見方を後押ししています。

ただし、増税の影響が表れる10~12月期の国内総生産(GDP)の速報値が発表されるのは来年の2月17日です。このため「数字が出る前に解散を打った方がいいのではないか」(自民党関係者)との声もあります。野党側は立憲民主、国民民主両党が会派合流を決めたものの、離党の動きが出るなど臨戦態勢が整わず、与党にとっては好条件です。

1月解散となると、まさに選挙戦の最中にGDPの速報値が発表されることになるわけですが、その時に何の経済対策も打っていなければ、与党が大敗北となることが予想されます。

総選挙の開票開始後間もなく、自民党大敗の趨勢が判明、当選者もまばらな
ボードをバックに質問を受ける同党の麻生太郎総裁=2009年8月31日

しかし、そのときに真水の10兆円の対策を打つことを公約とすれば、話は随分と変わってきます。特に、先日もこのブログでも説明したように、現状では国債の金利はマイナスであり、国債を大量に刷ったとしても何の問題もありません。これは、多くの人に理解しやすいです。10兆円どころか、もっと多くを刷れる可能性もあります。

この対策とともに、日銀がイールドカーブ・コントロールによる現状の引き締め気味の金融政策をやめ、従来の姿勢に戻ることになれば、このブログにも以前掲載したように、マクロ経済的には増税の悪影響を取り除くこともできます。

安倍政権がこれを公約として、丁寧に政策を説明すれば、十分勝てる可能性はあります。来年秋以降ということになると、経済がかなり悪くなっていることが予想され、自民党の勝ち目は半減する可能性が大です。秋以降でなくても、選挙が後になれば、なるほど増税の悪影響がでてきます。

そうなると、いまのところ、1月解散,2月選挙という可能性が最も高いのではないでしょうか。

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2019年2月24日日曜日

【田村秀男の日曜経済講座】消費税増税素通りの無責任国会 デフレの悪夢を招き寄せるのか―【私の論評】IMFにも米財務省にも指摘された、日本の消費税増税の非合理(゚д゚)!

【田村秀男の日曜経済講座】消費税増税素通りの無責任国会 デフレの悪夢を招き寄せるのか

 今通常国会は小役人による厚生労働省の統計不正追及に終始し、国民経済を左右する10月からの消費税率引き上げはそっちのけだ。消費税増税はデフレという悪夢を招き寄せかねないのに、真剣な論戦がないのは国政の責任放棄ではないのか。

 「悪夢」と言えば、安倍晋三首相が先の自民党大会で旧民主党政権をそう決めつけた。首相はその前の国会施政方針演説で「デフレマインドが払拭されようとしている」と明言した。首相は、国民にとっての民主党政権時代の最大の悪夢はデフレ不況であることを念頭に、アベノミクスがデフレ病を克服しつつあると誇示したかったのだろう。

 ニュースを見ると、人件費や物流費の上昇を受けて今春以降、牛乳、ヨーグルト、カップ麺、高速バス運賃などの値上げが予定されている(18日付産経朝刊)。物価が全般的かつ継続的に下がるというのが経済学教科書でいうデフレの定義だが、生活実感には必ずしもそぐわない。

 物価がたとえ上がっていても、賃金上昇が追いつかないと、デフレ圧力というものが生じる。懐具合がよくないのだから消費需要が減退する。低販売価格を強いられる企業は賃上げを渋る。こうして物価が下落に転じ、賃金も道連れになる。それこそがデフレの正体だ。こじれると賃金が物価以上に下がる。

 政府がわざわざ国民生活をデフレ圧力にさらすのが消費税増税だ。モノやサービス全体を一挙に増税で覆いかぶせる。平成9年度、橋本龍太郎政権が消費税率を3%から5%に上げると、物価は強制的に上がったが、名目国内総生産(GDP)の成長が止まった。その後、物価下落を上回る速度で名目GDPが縮小する長期トレンドに陥った。



 上述したように、消費税増税後、産業界全体が賃金や雇用を減らすようになり、物価の全般的な下落と国民全体の所得減が同時進行する悪循環が起きた。グラフを見よう。旧民主党政権が発足した平成21年以降の名目GDP、GDP全体の物価指数であるデフレーターと日銀による資金供給(「マネタリーベース」)の前年同期比の増減率を比べている。旧民主党政権下では、リーマンショック後のデフレから抜け出せない中、23年3月の東日本大震災に遭遇するとGDP、物価ともマイナスに落ち込んだ。

 思い起こせば、旧民主党政権は確かに無策そのものだった。筆者は22年初め、経済学者の故宍戸駿太郎筑波大学名誉教授らとともに政権を奪取した旧民主党の鳩山由紀夫首相(当時)に直接会って、財政ばかりでなく金融でも量的拡大策をとるよう進言した。鳩山氏は大きな目をくるくる回しながら聞き入れ、「そうですね、金融緩和は重要ですね」と同意した。

総理大臣だった頃の鳩山由紀夫氏


 だが、日銀は一向に動かないままだ。しばらくたったあと、たまたま国会の会議室で出会った鳩山元首相に問いただすと、「官房長官を通じて、日銀に申し上げたのですが、断られました」とあっさりしたものだった。

 日銀の白川方明総裁(同)は金融政策ではデフレを直せないという「日銀理論」の権化のような存在だ。白川日銀が東日本大震災後、資金供給を増やしたのはつかの間で、資金を回収する引き締めに戻し、デフレを高進させた。

財務官僚は、うぶな旧民主党政権を消費税大幅増税の踏み台にした。野田佳彦首相(同)は言われるがままに消費税増税に向けた旧民主、自民、公明の3党合意を成立させた。税率を3%、2%の2段階で引き上げる内容だった。

 省内では「欧州でもそんな大幅な引き上げは景気への悪影響を懸念して避け、小刻みな幅にとどめる」との慎重論が出たが、幹部は「民主党政権の今こそ千載一遇の好機だ」と一蹴した。デフレを放置し、慢性デフレを悪化させる消費税増税にのめり込んだ旧民主党は、衆院総選挙で脱デフレと大胆な金融緩和を唱える安倍自民に惨敗した。

 安倍政権は異次元金融緩和を中心とするアベノミクスで景気を拡大させたが、26年度の消費税率8%への引き上げで大きくつまずいた。デフレーターもGDPも大きく落ち込んだあと、輸出主導で少し持ち直したが、昨年後半は2四半期連続で名目GDPが前年同期比マイナスになった。

 頼みの外需では米国景気拡大が止まった上、中国経済は昨年後半から減速が目立つ。トランプ米政権による対中制裁関税の追い打ちで中国の景気悪化は加速する情勢だ。安倍首相がそれでも消費税率10%を実施するなら、「悪夢」という言葉はブーメランになって自身を襲いかねない。

【私の論評】IMFにも米財務省にも指摘された、日本の消費税増税の非合理(゚д゚)!

日本の消費増税をめぐる議論は、全部嘘です。

「日本は1000兆円の借金を抱えていて財政が破綻する。財政再建のために、消費税を増税するしかない」これは、明らかな嘘です。

「日本は少子高齢化が進んでいて、社会保障の財源が足りないから、消費税を増税するしかない」これも、完璧な嘘です。

しかし日本のメディアでは、そのような「嘘の言説」だけ流します。結果として、そのような嘘が日本ではあたかも「まじめな議論」として通り、まことしやかに語られるどころか、様々な理由で増税に反対すれば、倫理的におかしいなどと批判されてしまうことすらあります。

逆に「消費税に関する議論は嘘ばかりだ」と声を上げると、白眼視される雰囲気さえあります。それは長い年月をかけて培われてきた、日本の「特殊な言論空間」以外の何者でもありません。

消費税の議論は、主に3つあります。
1 財政破綻論 
2 社会保障論 
3 景気論
このうち、1の財政破綻論が嘘であることは、2018年10月にIMF(国際通貨基金)が発表したレポートで世界中にバレてしまいました。これについては、このブログでも掲載したことがあります。
コラム:日本の純資産はプラマイゼロ、IMFの新国富論―【私の論評】財務省は解体し複数の他官庁の下部組織として組み入れ、そのDNAを絶つべき(゚д゚)!

IMFのレポートの内容は、私が従来から主張していたことと同じです。まず財政は、資産と負債の両方が書かれたバランスシート(貸借対照表)で見るものであり、資産と負債の差額である純資産(ネット資産)で判断するものです。

純資産で見ると、日本の財政はバランスが取れており、むしろ健全である、というのが私が主張してきたことです。

IMFレポートも、国の財政は負債だけでなく、資産と併せて見るべきものだと指摘しています。その観点から見ると、じつは日本の財政はG7中、カナダに次いで健全であることが示されています。

またIMFが発表するまでもなく、日本の財政が破綻状態にないことは、世界中の金融のプロたちはよく知っています。

その証拠に、世界で経済的リスクが高まると、決まって「リスク回避」や「安全資産への逃避」を理由に円通貨が買われ、円高になります。経済リスクがあるときに、財政破綻の可能性が高い国の通貨を買う人はいません。先進国のなかでも日本が財政破綻する可能性は低いと知っているから、安全な資産として円が買われるのです。

ところが、財務省は「1000兆円の国の借金」ばかりを喧伝し、マスコミも同じことしか書きません。

しかし借金の額だけを見ても、前述のバランスシートで判断しなければ国の財政のことはわかりません。増税を目論む財務省は、自分たちにとって都合の悪いIMFレポートには触れてほしくなさそうですが、このレポートは世界に向けて公表されたものであり、世界の誰でも読めるものです。

「日本の財政は破綻しそうにない」事実が世界に公開され、「財政破綻だから増税する」という財務省のロジックは、まったく根拠のないものであることが明確になりました。

次に、2 の社会保障論も全くの嘘です いま増税派は、財政破綻論から増税論を語るのは分が悪くなってきたと思ったのか、「社会保障費のための消費増税」という論点に軸足を移しています。

かいつまんでいえば「少子高齢化が進み、年金・医療などの社会保障の財源が足りなくなる。消費税を増税しなければならない」という論です。

しかし、この論も全くの嘘で、間違いといわざるをえません。なぜなら年金、医療、介護の3つの社会保障は、基本的には税ではなく「保険方式」で運営されているからです。実際、世界のいずれの国でも古今東西、社会保障を税で賄うなどという途方もない嘘を言ったのは、日本の財務省とそれに追随する日本のマスコミや識者だけです。

最後に、3 の景気論です。

安倍首相は、リーマンショック級のことがなければ消費増税を行なう、といっていますが、一ついえば世界経済、とくに英国のEU離脱の行方が心配です。

私は、英国のEU離脱は世界経済にリーマンショック級の影響を与える可能性がある、としてきました。その当時は「合意ある離脱」が前提であり、英国政府の予測では、GDPに与える悪影響は3・6~6.0%でした。

いまは「合意なき離脱」を覚悟せざるをえない状態であり、そのインパクトは二倍程度でしょう。であれば、まさにリーマンショック級になるのは避けられないと思います。

米中貿易戦争での中国の景気ダウンも心配です。

中国はまだ成長率6%台といっていますが、この数字が当てにならないのは誰でも知っています。本当に6%台なら景気対策の必要はないでしょうが、中国は20兆円台の減税をやろうとしています。

そのなかで、いま16%の消費税率(増価税率)を10%へ引き下げるとしています。あの中国ですら消費減税しようとしているのですから、これもリーマンショック級といって良いでしょう。

日本としては政策総動員を準備すべきであり、このタイミングで消費増税をするのは間違いです。リーマンショック時に「蚊に刺されたような」と楽観視し、適切な政策が打てずに大混乱したことを忘れてはいけません。

そうして、最後に米国財務省の動きも掲載しておきます。

米国財務省による米外国為替半期報告書に次のような記載があります、"In Japan, growth also has become more uncertain, with setbacks highlighted by a large, tax-induced contraction in the second quarter."

これを日本語に翻訳すると、

「第2四半期の消費税増税という政策的逆行(setback アベノミクスの経済成長路線を妨げた・逆行)のせいで景気後退してしまったので、日本の経済成長率の見通しはより不透明になりつつある」です。

この報告書の本編は以下のリンクからご覧いただけます。


第2四半期の消費税増税とは、2014年の4月の8%への消費税増税を指します。米国財務省は、これが失敗し景気後退したとはっきり述べているわけです。

米国財務省が日本に対して増税を延期しろって直接言うと内政干渉になってしまいますから、婉曲的な表現にして、その中で増税延期を迫っているとみるのが妥当な見方だと思います。これについては、日本のマスコミは完全無視です。

トランプ大統領はなぜ「日本の消費税」に怒るのか、安倍総理は理解しているのか?

このブログで過去にも述べたように、トランプ政権は、日本の消費税を日本の輸出産業に対する補助金のようにみなしていて、反対しています。さらに、米国では元々消費税は不公平な税制とみなしています。これに関しては下の【関連記事】のところに当該記事を掲載しておきますので、詳細を知りたいかたはこの記事をご覧になって下さい。

世界にリーマン級の危機が訪れているにもかかわらず、わざわざ増税するのには何か魂胆があると米国側にみられて、実際増税すれば、それへの対抗措置として日米通商交渉で関税を上げられてしまうということにもなりかねません。

以上に述べたように、これだけのリスクがあり、IMFと米国財務省からも指摘されているのに、なぜ来年消費税を10%に上げるのは異常といっても過言ではないです。

【関連記事】

コラム:日本の純資産はプラマイゼロ、IMFの新国富論―【私の論評】財務省は解体し複数の他官庁の下部組織として組み入れ、そのDNAを絶つべき(゚д゚)!

2018年10月14日日曜日

コラム:日本の純資産はプラマイゼロ、IMFの新国富論―【私の論評】財務省は解体し複数の他官庁の下部組織として組み入れ、そのDNAを絶つべき(゚д゚)!

コラム:日本の純資産はプラマイゼロ、IMFの新国富論

ロイター: Peter Thal Larsen

Peter Thal Larsen

企業を分析する際に、負債だけをみる人は真剣な投資家とは言えないだろう。しかし、こと国の分析となると、その国の富よりも債務にばかり着目するファンドマネジャーは多い。

国際通貨基金(IMF)は、国家財務の資産側にもスポットライトを当てることで、バランスを取り戻そうと努めている。

IMFが10日公表した世界経済生産の61%を占める31カ国の財政モニター報告書には、驚くべき指摘が並んでいる。公的部門の正味資産の合計額は101兆ドル(約1京1000兆円)に上り、合計国内総生産(GDP)の219%に相当する。一方、公的債務の合計は同94%であり、資産はその倍以上あるということになる。

巨額の借金を抱える日本の場合、負債額はGDPの283%に相当するが、その半分以上を日本銀行を含めた政府機関が抱えている。他の資産も考慮に入れて試算すると、日本の「純資産」はほぼプラスマイナスゼロになると、IMFは指摘している。

IMF Fical Motitor 2018に掲載されたグラフ

一方で、財政黒字を誇るドイツの場合、純資産はマイナスだ。

こうした分析は、完璧にはほど遠い。根拠となっているデータは統一性に欠ける。そして、資産と負債の全体像を把握しようとする中で、公的年金制度の将来的なコストや、地下に眠る自然資源の価値などについては、大胆な推計を用いることになる。また、国有企業や資産は簡単には売却できない。

だがそれでも、国の富をより明確に把握することは、いくつかのポジティブな効果をもたらす。1つには、純資産を増大させる公共投資と、借金で財源を作った補助金の区別が明確になる。また、よりよく資産を管理するよう国に圧力が加わる。

IMFがモニターした31カ国の資産利益率は、2010─16年において平均1.9%だった。これに加えて、GDPの3%程度の利益を搾り出すことができれば、先進国が徴収する法人税と同程度の歳入を手にすることになる。

こうした説明責任に対する政治的な消極姿勢が、公共資産に関する公式データの不備を招いているのだろう。

たがその中でも、一部の国は自ら範を示しつつある。ニュージーランドは、6月までの1年間で純資産が1300億ニュージーランドドル(約9兆4000億円)に達し、GDP比で45%と前年の40%から増加したと発表した。

IMFに背中を押され、他の国も、近くバランスシートの資産側について、より詳細な情報を投資家に提供し始めるのではないだろうか。

【私の論評】財務省は解体し複数の他官庁の下部組織として組み入れ、そのDNAを絶つしかない(゚д゚)!

つい一昨日このブログではかなりIMFを批判しました。その記事のリンクを以下に掲載します。
IMF「対日4条協議」の内幕 財務省が言わせる「日本は消費増税すべきだ」 ―【私の論評】愚かなIMFを緊縮財政に利用する屑組織財務省は解体すべき(゚д゚)!
IMFのラガルド専務理事(右)と会談する麻生太郎財務相(左)=4日、財務省

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では「IMFは1990年代から2000年代にかけて緊縮一辺倒であったことを12年に間違いだったと認めていた」ことを掲載しました。要するに、経済が悪化した国々が過去にIMFの融資を求めたのですが、そのときにIMFは財政均衡を重視して、それらの国々に緊縮財政をすることを条件に融資をしたのです。

その結果どういうことになったかといえば、IMFから融資を受けた国々すべてが、経済の悪化を是正することができずとんでもないことになったのです。

ところが、財務省はIMFの名前で自らの見解を述べることで外圧として利用できるので、最近の4条協議で、IMFが「日本は消費増税すべきだ」という意見を述べているのですが、まず財務省がそう言わせていると思って間違いないのです。

本来ならば、IMFはこうした財務省の悪巧みを見破って正しいコンサルティングをすべきなのに、財務省に唯々諾々と従い、財務省の言うとおりの「日本は増税すべき」などというとんでもないコンサルティングの結果を公表しているのです。酷いの一言につきます。この点では、絶対にIMFの馬鹿さ加減を許容することはできません。

それとは打って変わって、今回のIMFの報告書はまともな内容です。以下にそのリンク先を掲載しておきます。

 https://www.imf.org/en/Publications/FM/Issues/2018/10/04/fiscal-monitor-october-2018 …

この報告書では、中央銀行(日本では日銀)などを含んだ広義の政府部門のバランスシートでは日本はほとんど純債務はありません。さらに、最近の日本では日銀が市場からかなり国債を買い取っています。

日銀は日本政府の下部組織ですから、この国債は債務とはなりません。日本政府と日銀の統合(統合政府といいます)したBSでは、統合政府ベースでは、借金がないどころか、財政は黒字です。

こんなことを言うとまた、愚かな人々が「そんな馬鹿な」などと言い出すかもしれませんが、こんな一見理解しがたいことになるのは、過去の日本があまりにも長い間(20年以上)金融引締めを実行してきたからです。こんな、異常な状況は古今東西にみられません。

政府の資産と負債の両方を見るとという見方は比較的最近多くの政府で実施されるようになったので、IMFは先の報告書のような比較分析ができるようになりました。

統合政府ベースのBSは、それを作成している国は、まだ少ないです。そのうち、多くの政府が真の自国の財政などを分析するために作成しはじめたなら、IMFの報告書にも統合ベースのBSが掲載されることになるでしょう。

日本の純資産はプラマイゼロである、すなわち政府の借金はゼロであること示すブログ冒頭のロイターのビーター・サル・ラーセン(Peter Thal Larsen)ような記事はなぜか日本のマスコミでは、ほとんど報道されません。これと同じことは、日本ではいわゆるリフレ派という人々が20年くらい前から言ってきたことです。

このブログでも、ブログを創設したばかりの頃(2007年)から、掲載したきたことです。このIMFレポートは財務省の影響がほぼないので、こういう情報を日本のマスコミは報道すべきですが、財務省に忖度しているか、文字やグラフ読めないかのいずれかなのか、ほとんど報道されません。

さて、上の記事を読んだとしても、記事の中で「そして、資産と負債の全体像を把握しようとする中で、公的年金制度の将来的なコストや、地下に眠る自然資源の価値などについては、大胆な推計を用いることになる。また、国有企業や資産は簡単には売却できない」という部分を過大に受けとめる人も多いのではないでしょうか。

それこそ、日本政府の資産を昔の銀行の不良資産のように考え、「日本の資産は不良資産ばかりで、すぐに売ることもできないから、結局は日本は借金まみれなのだ」などと思い込むのは、勝手にしても、それをまともに確かめることもせずドヤ顔で周り吹聴する馬鹿で愚かな人や悪意に満ちた人も多いです。

実は日本政府の資産の7割以上が、現金または現金と同等ですぐに現金に換金できるものです。さらに他の資産も不良資産ではありません。かなり売りやすいものばかりです。現金にすぐに換金できるもののわかりやすい代表例としては、日本国国債があげられます。

日本国債は金利が非常に低いことはご存知でしょう。しかも、日銀が金融緩和のため市中銀行等からかなり買い取っているので、市場ではかなり不足しています。だから、日本政府が有する国債など販売すれば、すぐに入れ食い状態になります。

このような状態なら新規で国債を刷っても入れ食い状態になるのは明らかですが、緊縮を旨とする財務省はそんなことは絶対にしようとはしません。震災復興のときは、国債ではなく、復興税で賄うなどという、常軌を逸した、非常識を実行しました。このままだと、いずれ日銀の金融緩和にも支障をきたすかもしれません。

ブログ冒頭の記事では、「企業を分析する際に、負債だけをみる人は真剣な投資家とは言えないだろう。しかし、こと国の分析となると、その国の富よりも債務にばかり着目するファンドマネジャーは多い」としています。

全くその通りです。国の富よりも債務ばかりに着目するような、ファンドマネジャーは長い目で見れば、成果をあげられず、敗退するしかないのでないでしょう。

このような理屈は何もファンドマネジャーでなくても、まともな常識を持っていればすぐに理解できるはずです。例えば、遺産相続です。

遺産相続の時に、負債だけみて、負債が膨大にあるから、相続放棄するなどという人がいるでしょうか。細かいことはさておき、大局的には負債だけでなく、資産もみて、負債よりも資産の方が大きいとみれば、相続し、負債のほうが資産よりも大きければ、相続放棄をするというのが当たり前です。

しかし、財務省はこのような常識もないようです。私は財務官僚は優秀であると聴いていたのですが、彼らは負債ばかり強調して、資産のことはいわずに、しかもそれを前提として消費税増税をすべきだと言います。

最初は省益だけを追求しているため、悪意でそのようなことを言っているのかとも思っていましたたが、近年の財務省の数々の幼稚な不祥事などみているとあまりに社会常識に欠けているようにみえ、どうみても頭が悪いようにしか見えません。

東大を卒業して、難しい試験に合格して、将来を嘱望されて財務省に入るまでは、確かに彼らは世間一般よりも頭が良いのかもしれませんが、財務省に入ってからは財務官僚の慣行などに従っているうちに、社会常識すら破ってしまうように頭が悪くなっているのかもしれません。

特に、周りの他の官庁や、マスコミ、識者などが彼らにちやほやして、国民生活や経済に全く関係ないところで、いろいろ忖度をするので、自らを成長させる機会を失い、頭も財務省に入ってから月日を経るごとに悪くなってしまったのかもしれません。

先のIMFの報告書には、各国の財政政策の姿勢がより積極的なのか、あるいより緊縮的なのかの分析まであります。以下の図のFISCOは、1に近いほど景気の悪化に順応して財政政策を機動させているかということを示しています。狭義の政府部門のGDP債務比率によって財政政策の機動性が拘束されてるとも読めます。これは、財務省病の根源である、財務省忖度指数ともいえるかもしれません。


やはり、ここまで常識に欠ける財務省は解体して、複数の他官庁の下部組織にして、そのDNAを絶つというのが、日本にとっては一番良いことかもしれません。

中途半端に解体すると、彼らはゾンビのように復活し、他官庁を植民しまた緊縮病を日本中に撒き散らすことになります。

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2018年10月12日金曜日

IMF「対日4条協議」の内幕 財務省が言わせる「日本は消費増税すべきだ」 ―【私の論評】愚かなIMFを緊縮財政に利用する屑組織財務省は解体すべき(゚д゚)!

IMF「対日4条協議」の内幕 財務省が言わせる「日本は消費増税すべきだ」 


IMFのラガルド専務理事(右)と会談する麻生太郎財務相(左)=4日、財務省

国際通貨基金(IMF)は、日本に対する「4条協議」が終了したとして、報告書を公表した。IMFの分析はどのように行われるのか。その内容は妥当なのか。

 IMFは、IMF協定第4条に基づき、原則年1回加盟国の経済状況、財政・金融・為替などの政策を調査するが、これを「IMF4条協議」という。

 IMFのスタッフが加盟国を訪問し、加盟国政府・中央銀行などの担当者と協議する。この「協議」は、英語で「consultation」であるが、かつては「対日審査」などと訳され、あたかもIMFが日本に対して指導するような表現だった。

 ただし、IMFのスタッフといっても、その中には財務省からの出向職員の日本人もいる。筆者も役人時代に「4条協議」に加わったこともあるが、彼らに、内閣府、財務省、日銀の担当者が日本経済の現状を説明するというのが実態に近い。IMFのスタッフがまとめるペーパーには、当然のことながら、日本の事情に詳しい財務省からの出向職員の知見が大きく反映されるだろう。

 財務省にとっては、IMFの名前で自らの見解を述べることで外圧として利用できる。最近の4条協議で、IMFが「日本は消費増税すべきだ」という意見を述べているのは、まず財務省がそう言わせていると思って間違いないだろう。

 これは、ワシントン在住の日本のマスコミにも好都合だ。IMFのペーパーに関与した財務省からの出向職員に直接日本語で取材できるからだ。

 IMFとしても決して悪いことでない。IMFペーパーの内容について日本政府と見解が大きく異なると問題になりかねないが、財務省が事実上書いたことなら、そうした心配はない。

 しかしながら、IMFの信用を損なうおそれがある。というのは、IMFは1990年代から2000年代にかけて緊縮一辺倒であったことを12年に間違いだったと認めているからだ。今さら日本に対して消費増税という緊縮財政策をアドバイスするのは矛盾している。

 英国では最近まで緊縮指向で頑張っていたが、ついにメイ首相がリーマン・ショック後に導入された歳出削減などの緊縮政策を廃止すると報じられた。

 このニュースは海外では大きく扱われているが、日本のマスコミではほとんど報じられていない。今のタイミングでメイ首相の発言を報じれば、来年10月に予定されている10%への消費増税に悪影響が出て、新聞業界で待望している消費税軽減税率が吹っ飛んでしまうことを恐れているのだろうか。

 一方でIMFが日本に消費増税をアドバイスしたということについては日本のマスコミで報じられている。よく言われることであるが、これはいわゆる「報じない自由」ではないのか。

 しかし、これではマスコミが軽減税率欲しさで財務省に忖度(そんたく)しているのではないかと思われても仕方ないだろう。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】愚かなIMFを増税に利用する屑組織財務省は解体すべき(゚д゚)!

ブログ冒頭の記事で、高橋洋一氏は「IMFは1990年代から2000年代にかけて緊縮一辺倒であったことを12年に間違いだったと認めている」とありますが、その時の経緯を以下に掲載します。

過去に国際通貨基金(IMF)の緊急融資プログラムを実施して景気悪化の痛みを味わった国々は、2012年になってIMFが緊縮策のコスト計算を間違っていたとを認めたことで、憤懣(ふんまん)やる方ない気持ちでした。

アルゼンチン、インドネシア、韓国といった国々はかつて、IMFによる数百億ドルの融資と引き換えに厳しい財政支出の削減を義務付けられました。これらの国々は、IMFがようやくアジアや中南米の経済危機の際に犯した過ちから学びはじめました。

当時のインドネシアのギタ貿易相は「彼らは過去の出来事から学んでいる。我が国が1998年に経験したことは間違いなく過酷だった。その時期を生き延びた私は、われわれが被った困難が教訓となるよう期待する」と話しました。

当時のインドネシアのギタ貿易相

インドネシアはアジア金融危機が勃発した1997年に100億ドルのIMF融資に調印し、財政支出削減、増税、銀行閉鎖、引き締め的な金融政策といった経済プログラムに着手しました。IMFは、これらを実施すれば景気の悪化を抑制できると主張していました。

インドネシア経済は結局、98年に13%ものマイナス成長に陥り、IMFの予想した3%のプラス成長とは程遠い結果になりました。

IMFのストロスカーン前専務理事は2010年、IMFがアジアにおいて「過ち」を犯したことを認めました。

IMFのストロスカーン前専務理事 売春あっせんの罪に問われたが、後に無罪を言い渡された

IMFは2015年に発表した調査報告書で、厳しい財政緊縮策による経済への打撃は以前想定していた規模の3倍に及ぶ可能性があると指摘しました。

ラガルド専務理事は 2012年10月12日に東京で開かれたIMFと世界銀行の年次総会全体会合の冒頭で「助言というのは、受け取るのも与えるのも時として難しい」と述べました。

調査報告書と並行してIMFは、ユーロ圏債務危機に対処するため財政緊縮を促す従前の姿勢を緩和し、ギリシャその他の重債務国に早急な財政赤字削減を強いれば副作用を招くとの主張に転じました。

<緩衝剤>
IMFの報告書は、2009年の前後で緊縮策が先進国に及ぼす影響が著しく変化したことを示していました。09年以降、大半の主要先進国は政策金利をゼロ近くまで引き下げています。

通常なら、財政政策を引き締めても中央銀行が利下げという緩衝剤によりその打撃を和らげることができます。しかし現在は金利が限界まで下がったため、財政引き締めを相殺するために打ち出せる金融政策は乏しいです。

IMFのブランシャール調査局長は「現在は多くの国々が流動性の罠に陥っている。これは周知の通り、金融政策を使えないことを意味しないが、平時に比べて金融政策には大幅な制約がある。こうした場合、金融政策によって相殺されずに財政健全化の影響が直に出ることになる」と述べました。

1997年のインドネシアでは、IMFは財政赤字の削減と金融引き締めの両方を勧告。これが景気悪化を深刻化させたとの批判を招いてきました。

IMFは99年、インドネシア経済が予想よりはるかに悪化していることが明らかになった時点で、もっと素早く政策の緩和を許す余地があったことを認めました。しかし同時に、インドネシア政府がIMFの計画を適切に実行しなかったことを批判しました。

当時アジアにおけるIMFの評判には今でも泥が塗られたままで、アジア諸国は二度と救済を仰ぎたくないという理由もあって、総額約6兆ドルの外貨準備を積み上げていました。

<失敗が約束された戦略>
当時のアルゼンチンのロレンシノ経済財務相はIMFが失敗を認めたことについて、ユーロ圏危機に対する姿勢を改める「最初の一歩」になるはずだと語っていました。

経済財務相はIMFに寄せた公式声明で「IMFはまたしても失敗を約束された政策条件や改革戦略を支持している。これらは対象国における景気後退を深刻化させ、失業率を押し上げ、債務は持続不可能な道をたどって社会的な失敗も招くことになる」と訴えました。

アルゼンチンは過去10年間にIMFから合計約230億ドルの融資を受け、それを返済。現在はIMFが融資対象国に課す条件を声高に批判していました。

韓国は1997年にIMFから210億ドルの融資枠を与えられ、成長率が97年の5.7%から98年には3%に減速することを前提とした改革プログラムに合意しました。実際には韓国経済は98年に6%近くのマイナス成長に陥りました。

97年のIMFとの交渉で韓国代表団を率いた鄭徳亀氏は、IMFは通貨危機の診断を誤り、財政政策の問題だとして間違った改革案を処方したと指摘。「すっかり手遅れになってから消防団が到着したが、十分な水を積んでおらず火事の性質も正確に把握していなかったようなものだ。その結果、火事はますます大きくなった」と話した。

現在NEAR財団理事長の鄭徳亀氏 現在は文在寅政府の
一輪車政策」では経済問題は解決できないと批判している

IMFの示した処方箋から離れることによって成功を収めた国が少なくとも1つありました。

ボリビアの当時のアルセ経済・財務相は、IMFが他の国々で失敗を犯したのを見たため、ボリビア政府はIMFの勧告を無視することを決めたと説明。IMFの勧告と正反対の政策を実施したことにより、2005年に38%を超えていた貧困率を11年には24%強に抑え、一人当たり国内総生産(GDP)はこの間に倍増したと述べました。

財務相は「ボリビアでは国家の介入を強めることで、より良い富の配分を成し遂げた。われわれは市場をまったく信頼しておらず、2006年に市場主義経済を捨てた」と指摘。「IMF理事らの志は良いのだが、一部の局はIMF内で実施すべき改革にまったく耳を貸さない。ラガルド専務理事ができる最良の行動は、彼女の良い志を下のレベルまで浸透させることだ」と述べました。

過去にIMFは、経済が落ち込んでいる国に対して融資する条件として緊縮財政を課しましたが、これは上で示すようにことごとく大失敗しました。

経済が落ち込んでいる場合には、金融緩和と積極財政を適切に組みあせて実行すべきというのは、マクロ経済の基本中の基本です。両方とも実行すべきなのです。両方を実行していく過程において、その時々で、両者の効果にはそれぞれ特有のタイムラグがあるため、両者をうまく組みあせる必要があるのです。

しかし、経済が落ち込んでいる国々に対して、IMFは融資の条件として、緊縮財政で財政をたて治すという名目で、緊縮財政を強要したのです。しかし、これはことごとく失敗しました。

そうして、現在のIMFも日本の財務省の口車に乗って、日本に対して消費税増税を勧告する有様です。IMFの勧告など全く信用ならないと認識すべきです。

さらに、2013年には、財政切り詰め策の根拠となった唯一の論文が間違いであったことが明らかになっています。それについては、このブログでも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
「ごめんなさい」では済まされない! 財政切り詰め策の根拠となった論文に誤り 欧州連合の方針に疑問―【私の論評】 これは経済学者というか、科学者として許すまじ行為!!世界を日本を惑わした罪は大きい!!見せしめのために、学会から追放せよ!!日本は、消費税増税絶対にみあわせようぜ!!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事から一部を引用します。
2009年にギリシャ問題が発覚し、それが欧州財政危機問題へと拡大した際、欧州委員会は危機を回避する政策を策定するにあたってひとつの論文を参考にしました。 
それはハーバード大学のケネス・ロゴフ教授とハーバード・ケネディ・スクールのカーメン・ラインハート教授による「Growth in a Time of Debt(国家債務時代の経済成長)」という論文です。 
ケネス・ロゴフとカーメン・ラインハート

ロゴフ教授とラインハート教授は『国家は破綻する』という本の著者でもあり、日本でも知られています。
ところがマサチューセッツ大学アマースト校の博士課程に学ぶトーマス・ハーンドンがこの論文に書かれている結果を再現しようとしたところ、ロゴフ教授とラインハート教授が主張するような、「国家負債が90%を超えるとGDP成長が著しく鈍化する」という結果が得られませんでした。そこで彼の指導教授であるマイケル・アッシュ教授ならびにロバート・ポーリン教授とともに「結果がそうならなかった」という指摘をしました。

これが両者の間で論争を巻き起こしましたが、結局、ロゴフ教授とラインハート教授がエクセルのスプレッドシートを操作する際、コーディングのミスをした為、一部のデータが演算に反映されていなかったことが判明しました。 
ロゴフ教授とラインハート教授がエクセル操作上の凡ミスを全面的に認め、謝罪の声明を出すということで論争には終止符が打たれました。 
しかし切り詰め政策を強要されているギリシャやスペインの国民からすれば「間違いでした、ごめんなさい」ですまされることではありません。
この記事には、「ロゴフ教授とラインハート教授がエクセルのスプレッドシートを操作する際、コーディングのミスをした」などと掲載されていますが、それこそコピーをし間違えた程度のかなり杜撰なものだったそうです。

この記事には、当然IMFも影響されていました。しかし、これは完璧に間違いであったことが明らかになり、やはり従来からマクロ経済学の教科書に掲載さている「経済が落ち込んだときには、金融緩和と積極財政を適宜組み合わせて実行」ということが正しいということが再確認されています。

愚かなIMFを増税に利用する財務省。本当に屑組織です。こんな省は解体すべきです。

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2014年11月24日月曜日

今年度成長率はマイナスか 民間予測―【私の論評】IMFの10月時点の推計でも十分理解できる『増税推進バカの壁』!今回の選挙は、この『バカの壁』を崩すための選挙でもあると心得よ(゚д゚)!

今年度成長率はマイナスか 民間予測

NHK NEWS WEB



ことし4月に消費税率が引き上げられた影響で、7月から9月のGDP=国内総生産の速報値の伸び率が2期連続のマイナスとなったことから、民間の調査会社などは今年度の経済成長率の見通しを下方修正し、5年ぶりのマイナスになると予測しています。

民間の調査会社や金融機関合わせて10社は、今年度の経済成長率の最新の予測を発表しました。

それによりますと、物価の変動を除いた実質で、最も高い予測が前の年度と比べてマイナス0.4%、最も低い予測がマイナス0.9%で、全社が5年ぶりのマイナスを予測しています。

これは、4月に消費税率が引き上げられた影響で7月から9月のGDPの速報値が2期連続のマイナスとなったためで、各社が9月の時点の予測から成長率の見通しを下方修正しました。

一方、来年度については、安倍総理大臣が消費税率の10%への引き上げを1年半先送りすることを表明したことなどから、10社中7社が成長率の見通しを上方修正し、前の年度と比べて0.7%から2.5%のプラスに回復すると予測しています。

【私の論評】IMFの10月時点の推計でも十分理解できる『増税推進バカの壁』!今回の選挙は、この『バカの壁』を崩すための選挙でもあると心得よ(゚д゚)!
さて、消費税の10パーセント引き上げが、延期されたため日本の民間調査会社や金融機関合わせて10社が、今年度の経済成長率の最新の予測を発表しました。
以下にもう一つ気になる、統計数値をあげておきます。それは、1980年から2014年までの日本の経済成長の推移です。もう一つは、2010年から2019年までの日本経済の推移です。
無論2014年以降は、すべて予測です。どの機関による予測かといえば、IMFによる10月時点のものです。
この時点では、日銀の追加金融緩和はまだ発表されておらず、10%増税は織り込み済みだったと考えられます。
11月時点の推計はまだ発表されていませんが、追加金融緩和と、増税見送りがどのように評価されるか、新しい推計が出たらまた掲載させていただこうと思います。

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単位: %
数値はIMFによる2014年10月時点の推計
※実質GDPの変動を示す。
※SNA(国民経済計算マニュアル)に基づいたデータ

<出典>

この予測データでは、無論のこと金融緩和をせずに、10%増税は、予定どおりに実行すること織り込まれていると思います。このグラフを見る限り、IMFは今年の増税による景気の落ち込みを現実よりは低くみていたことになります。

日本国内の直近のデータでは、IMFの予測よりもはるかに下がっていることがわかります。しかし、今年の14年から5年後の2019年までの予測では、14年に下がってから、横ばいで推移することが予測されています。

通常の頭で考えれば、追加金融緩和をせずに増税を実施すれば、しばらく、経済が下がりっぱなしで二度と浮かびあがることはないと考えるのが普通です。IMFもそう考えたものと思います。

日銀黒田総裁は、当初増税に賛成で、自信満々でしたが、、7月から9月の数字の悪さに、自分の間違いに気付き、このままではとんでもないことになるということで、これを回避するために、自分の出来ることは、追加金融緩和であることと考え、追加金融緩和を決めたものです。

その後は、いっさい、再増税のことを一言も言わなくなったことが、その考えを如実に示しています。

それにしても、黒田総裁はまだ良いです。悪い数字が現実に出てしまった後、素直に自分の非を認め、その後は増税のことはいっさい口にせず、自分のできる事を実行しているからです。

それに対して、いわゆる財務省を含む多数派の増税推進派は、どうかといえば、誤りを認めるどころか、何の反省もないようです。彼らは、4月に景気が落ち込むのは、消費税増税の駆け込み需要の反動てあり、織り込み済みであるとしていました。

そうして、いずれ景気は回復軌道にのると明言していました。しかし、5月、6月になっても景気は回復シませんでした。その後の7月、8月、9月が過ぎて、速報値では景気が回復しないどころか、マイナス成長であったことがわかりました。

そうして、この調子では、上の記事でみてもわかるように、今年度は、マイナス成長であることがはっきりしました。

大人の常識としては、自分が何かを予測して、それが大幅にずれて現実の数字がはるかに悪かった場合、少なくとも謝罪するのがあたり前です。

しかし、彼らは誰も、それをしません。そうして、挙句の果てに、天気のせいとか、何とかのせいとか、未だに未練たらしい御託を並べています。


景気が悪くなることはIMFの予測もそうですし、まともな人間であれば、容易に想像がついたにもかかわらず、いわゆる増税賛成派は、全く珍妙な論理で、増税すべきとの結論を出していました。

最後の増税の有識者点検会合でも、上記の表のように、増税賛成が5人、反対派が3人という圧倒的多数派でした。

これが、五分五分というのなら、まだ理解できるのですが、それにしても、こういう馬鹿が圧倒的多数派の馬鹿を何と呼べば良いのでしょうか。

彼らには、イギリスに代表される最近の外国の失敗事例も、過去の二度の増税の失敗も、いやそれどころか、古今東西いずれの国でも、景気が悪い時ましてや、デフレのときに増税などして、成功した国はなく、すべて失敗だったという事実も全く耳に入りません。

こういうのは、養老孟司氏が書いた2003年の大ベストセラー『バカの壁』にちなんで、『増税推進バカの壁』と呼ぶのが相応しいです。
知らず知らずのうちに人は自分の周りに「バカの壁」を築いている
バカの壁とは、養老孟司氏の著書『バカの壁』に出てくる、人間の悲しい性を表す言葉です。

養老孟司氏によれば、結局我々人間は、自分の脳に入ることしか理解できないとしています。学問が最終的に突き当たる壁は自分の脳であるとしています。著者は、この状態を指して「バカの壁」と表現しています。知りたくないことは自主的に情報を遮断し、耳を貸さないというのも「バカの壁」の一種としています。その延長線上には民族間の戦争やテロがるとしています。また、このころから、日本の経済の停滞などもすべてこの理論で説明されるといいます。

現代人はいつの間にか、自分の周りに様々な「壁」を作ってしまった。例えば、情報は日々刻々変化し続け、それを受け止める人間は変化しないという思い込みや、個性や独創性を礼賛する風潮などはその典型例で、実態とは「あべこべ」だといいます。

養老孟司氏は、「バカの壁」は思考停止を招く。安易に「わかる」「絶対の真実がある」と思い込んでは、強固な「壁」の中に住むことになると戒めています。

まさに、増税推進派は、養老孟司氏が2003年から指摘していたように、強固な「バカの壁」を築き、今日まで積み上げてきたのです。そうして、今日明らかに増税のために、経済成長がマイナスになっているというのに、まだ誰も自分の非を認めようとしません。

やはり、こういうのを「真性増税推進バカの壁」と呼ぶべきです。

最近のアンケートでは、国民の7割が、「再増税に反対」という結果がでています。これは、圧倒的にその増税推進派が多い、政治家、官僚、マスコミ、識者とは大違いです。やはり、多くの国民は、こと増税に関しては、「バカの壁」を築いていない人のほうが多数派のようです。

こうした背景を考えると、今回の増税見送り、解散・総選挙では、「増税推進バカの壁」を高く築く、多数の政治家には、いくら説得しても、無駄であることを悟り、「増税推進バカの壁」を築く人が圧倒的に小数である、国民に信を問い、信任された場合、この「増税推進バカの壁」を取り崩す行動に打つて出ようとしているのだと思います。

そうです。私達は、今回の解散・総選挙は、この『増税推進バカの壁』を崩すための選挙でもあると心得るべきです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2013年11月14日木曜日

安倍首相発言が「最大の理由」=日中関係悪化で鳩山氏―香港TV−【私の論評】自らの馬鹿の壁を破れない鳩山!中国の馬鹿の壁をさらに高くする国際機関の馬鹿の壁!世界の秩序はバランス・オブ・パワーで成り立っている!!

 安倍首相発言が「最大の理由」=日中関係悪化で鳩山氏―香港TV−

「教育・社会に大きな貢献」香港城市大学、鳩山元首相に名誉法学博士号を授与、はっ? 

  鳩山由紀夫元首相は13日、香港城市大学で講演し、日中関係が国交正常化以来最悪の状態になった「最大の理由」は、過去の植民地支配などをめぐる安倍晋三首相の発言にあると主張した。香港のテレビが伝えた。

鳩山氏は「日本人として、私は(安倍首相の発言を)深く恥じる」と首相を厳しく批判した。安倍首相が一時、「(植民地支配を謝罪した)村山富市首相談話をそのまま継承しているわけではない」などと述べたことを指すとみられる。

日中戦争中の南京事件(1937年)に関して、鳩山氏は「日本人として、日本兵に惨殺された中国民間人1人に対しても謝罪する義務が私にはある」と述べた。この発言に対し、会場の聴衆から大きな拍手が送られた。

また、中国政府が主張する尖閣諸島問題の棚上げ論に対し、鳩山氏は改めて賛意を表明した。鳩山氏は12日、城市大から法学名誉博士号を授与された。

【私の論評】自らの馬鹿の壁を破れない鳩山!中国の馬鹿の壁をさらに高くする国際機関の馬鹿の壁!世界の秩序はバランス・オブ・パワーで成り立っている!!


鳩山氏結局、自らの馬鹿の壁を破ることもなく、また中国に利用されて、馬鹿な発言を繰り返しています。日本国内では、すでに鳩山氏の影響力はほんど消滅しました。あの民主党にですら、すでに鳩山氏の影響力はなくなりましたし、今後も復活することはないでしょう。

日本国内の鳩山氏の影響力は、ないどころから、今でマイナスの影響力しかないです。鳩山氏が真剣にものを語れば語るほど、彼の発言は誤りであり、信用できず、むしろいうことはできるだけ聴かないほうがまともというコンセンサスが日本の中では形成されていると思います。

ということは、鳩山氏が馬鹿なことを語れば語るほど、中国や日本の左翼系にとっては、不利益になるということです。

そんな鳩山氏にわざわざ、中国の大学の法学名誉博士号を授与し、中国の大学の世界的評価を貶めてまで、鳩山氏を利用せざるを得ない現在の中国は相当厳しい状況に直面していると考え得ざるを得ません。

ちなみに、香港上城市大学など、見たことも聴いたこともないので、少し調べてみました。まずは、下の画像をご覧ください。



この大学は、香港・九龍に本部を置く香港の公立大学です。1995年に設置されました。学部として、商学部、人文社会科学部、理工学部、クリエーティブメディア学部、法学部があります。それにしても、イギリス領だったときには、法学部などイギリスの法律をもとにして学ぶということで、意義もあると思いますが、現在の中国の領土となった香港での法学などあまり意義のあるものとは思えません。

そもそも、このブログでも過去に何回か掲載してきたように、中国は、民主化も、政治と経済の分離、法治国家がされていません。特に、法治国家化ができていない国の法学部など中国国内だけで通用するものであり、世界的視野でみれば、何の価値もありません。そんな法学部の法学博士という称号まさに、鳩山氏にふさわしいかもしれません。

このニュースのほかに、本日は中国関連でとんでもないニュースが入り込んでいます。そのニュースのURLを以下に掲載します。
中国「人権政策、評価された」と自賛 人権理事国当選で

国連総会で実施された人権理事会の改選選挙で中国が当選したことについて、中国外務省の秦剛報道官は13日の記者会見で「中国の人権への取り組みが進み、国際社会に十分に評価された」と述べた。 
 秦氏は「公正で客観的なやり方で人権問題を処理していく」と強調した。 
 中国の人権理入りをめぐっては、同国によるチベットへの抑圧政策に反対する団体などから批判の声が上がっている。(共同)
中国では、日本が数十年で、西欧諸国が数百年で成し遂げた社会構造変革はまだ実現されていません。特に、その中でも、日本が明治から昭和にかけて行った、社会構造変革は、西欧を手本としながらも、日本独自のものであり、それが今日の日本の社会の基本となっています。当然今でも、様々な社会問題があり、それがさらにデフレということで社会的に閉塞状況になっています。

しかし、それでも日本の社会は中国の社会構造よりもはるかにすすんでいます。西欧諸国などの先進国も、それぞれに問題を抱えつつも中国よりははるかにすすんでいます。日本や、西欧諸国は社会構造変革を行い、その結果として経済的中間層を増やし、これらが経済活動を活発にすることにより、経済成長をして、その結果社会活動も盛んになり、未だ不十分なところもありますが、豊かな社会を築きあげてきました。

しかし、中国は未だに、外国や華僑からの投資を大量に受け入れることにより、経済を成長させてはきましたが、社会は置き去りであり、未だに建国以来まともではありません。その結果、中国では政府によれば、3億人の中間層がいると発表されていますが、所得水準といい社会的な役割といい、未だ日本や、欧米などの先進国レベルの中間層は育っていません。

本来ならば、中国はまずは社会構造変革を最優先に行うべきであり、まずはその中でも、ある程度の民主化、政治と経済の分離、法治国家化を進めて、経済的中間層を育てるべきです。そうして、はじめてバブル崩壊後の中国の発展が展望できるはずです。

しかし、中国はそのような気はさらさらありません。それについては、先日もこのブログに掲載しましたので、その記事のURLを以下に掲載します。
中国政府への武装蜂起宣言の会議開催 人民解放軍の参加者も―【私の論評】中国の発展に不可欠の社会構造改革に、必須の政治改革を拒否する共産党中央政府に未来なし!習近平は、ラストエンペラーになる(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、中国は社会構造変革を行うためにも必要不可欠な、政治改革をするつもりがまったくありません。その部分に関連する部分のみ以下にコピペさせていただきます。
中国 共産党は8日、第18期中央委員会第三回全体会議(三中全会)の開幕を翌日に控え、いかなる政治改革も行わないとする文章を党機関紙・人民日報を通じて発表したとしています。 
そうして、共産党は中央党史研究室の名前で発表した文章の中で、中国は党の指導の下でのみ繁栄できると指摘。「中国の特色ある社会主義」の道を歩み続けると表明し、党による統治を脅かしかねない欧米式の政治システムを模倣することはないとの認識を示しています。
確かに、西欧式だけが最善といえるわけでもなく、欧米式の政治システムを模倣する必要はないかもしれません。しかし、まともな選挙もない現在の政治システムは根本的に間違えています。官僚しか存在しない現代中国はいずれ成り立たなくなります。中国独自のシステムでも良いのですが、現在の政治システムは大きな間違いであり、まずは政治改革をすることが必須です。

しかし、これに全く気づかないのが現在の中国の馬鹿の壁というものです。 しかし、先に述べたように、国際連合は、中国を人権理事会の理事国としていまいました。上記のように社会構造が遅れている中国においては、人権など擁護するなどの考えはもともとありません。

建国以来毎年平均2万件以上もの暴動が発生しており、ここ数年では毎年平均8万件発生されているといいます。それに、中国国内の人権無視の所業は、臓器売買、人身売買、公害問題、食害問題、モラル低下ということで、目にあまるものがあります。

こんな中国を人権理事会の理事国にした国際連合は、まさに中国の馬鹿の壁を高くするという、馬鹿の壁を構築しているとしか思えません。

日本では、国際機関というと、多くの人が、エリート集団とか、知恵の結集とか、世界の利害の関係を乗り越えた人類の知恵とか、なにやら理屈ぬきで利害を超えた「善の集団」と考えがちですが、そんなことはありません。そんなことは、IOCの行動をみていれば良くわかることです。所詮、国際機関による国際社会も個々の国のエゴのぶつかり合い場所にすぎません。

そもそも、国際連合とは、第二次世界大戦の戦勝国による体制を維持発展させるための機関であり、国連で未だに日本やドイツは敵国条項を適用されています。

そもそも、いわゆる国際機関は国連もおかしな組織であり、その他IMFや、OECDも、世界銀行もやっていることは変です。IMFの理事長のラガルドなどは、まだ民主党政権だった頃の日本に対して、財政再建を優先すべきことをアドバイスしていました。あの時点でのアドバイスは、デフレの中の財政再建ではなく、金融緩和であるべきはずです。

IMF理事長と野田元総理、絶妙のお馬鹿コンビ?


それにまだまだおかしげなこともあります。IMFは、経済が低迷する日本に対して、シミレーションの基となる経済モデルとして、何と農業中進国のモデルを提唱していました。これでは、工業先進国の日本には全くあてはまりません。

結局は、国際機関とはいっても、結局は様々な国のエゴの張りあいの場であり、国際機関の意思決定も各国の政治のかけひきで様々なことが決まっていると考えるのが妥当です。だから、人権意識の全くない中国が、人権理事会の理事国になるというへんてこりんで馬鹿なことがまかり通るのです。

そもそも、世界は、ウェストファリャ条約が締結された後の世界と少しも変わらず、世界の秩序は、世界のいくかつかの国のバランス・オブ・パワー(力の均衡)で成り立っているということです。従来は、5つくらいの世界の強国のバランス、冷戦時代は主に米ソのバランス、冷戦後はやはり複数の国のバランスの上に成り立っています。



世界の秩序は、各国の実力者が自国の国益を最優先に考えながらも、その中で世界が一定の秩序を保つように努力しているというのが真実です。この均衡が破れれば、戦争や紛争が発生します。

だからこそ、国際機関は実は国際秩序とはあまり関係なく、ほんとど成果もあげることなく、実際にはただの馬鹿の壁を築いているのが真相です。こういう機関に本当に優秀でまともな人間は存在しないのが当たり前です。無論、優秀な人もいますが、その能力は無駄に使われているだけです。国際機関の設立趣旨など、なんというか、鳩山の頭の中のお花畑と共通点がありそうです。

日本は、大国であることは間違いなく、好むと好まざるにかかわらず、強い弱いにかかわず、間違いなくパワーオブバランスの一角を占めています。このことを理解しなければ、国際関係は永遠に理解できません。外交も理解できません。このことに気がつき、国内問題では来年4月の増税をきめるという妥協をせざるを得なかった安倍総理ですが、国際的には着々と安全保障のダイヤモンド構築に布石をうちつつあります。近年にないまともな総理大臣だと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2013年7月17日水曜日

IMF会見「アベノミクスは世界のリスク」 困りモノの針小棒大報道―【私の論評】妄想にしがみつくIMFが主張するプライマリーバランス(財政バランス)重視が間違いであることは、市場が知っている。そうして近いうちに日本が最大の実証者になる(゚д゚)!

IMF会見「アベノミクスは世界のリスク」 困りモノの針小棒大報道

オリヴィエ・ブランチャード氏
「アベノミクスは世界のリスク」と、国際通貨基金(IMF)のエコノミスト、ブランシャール氏が述べたと報じられ、為替市場でもちょっとした話題になったようだ。

 IMFが9日に最新の世界経済見通し(WEO)を公表した際の記者会見で、ブランシャール氏は、「信頼できる中期財政計画と構造改革がないと投資家が不安に思う」という意味で、アベノミクスにリスクがあると発言した。

 ただし、IMFのホームページにある記者会見の様子をみると、40分の会見のうち1分程度の話だ。しかも、世界経済のリスクとして、以前からある欧州経済に加えて、中国経済の減速、米国の金融政策の出口問題とともに語られたもので、いわばIMFの「定番意見」ともいえる。

この記事の詳細はこちらから(゚д゚)!

【私の論評】妄想にしがみつくIMFが主張するプライマリーバランス(財政バランス)重視が間違いであることは、市場が知っている。そうして近いうちに日本が最大の実証者になる(゚д゚)!

国際通貨基金(IMF)専務理事 ラガルド
上の記事でも明らかなように、ブランチャード氏は、財政規律派です。そもそも、IMF専務理事のラガルドも財政規律派です。IMFも最近では、財政規律派は減っているという話を聴いたことがありますが、上の記事を見る限りでは、まだまだ幅を効かせているようです。

そうして、彼らの言っていることは全くの間違いであることははっきりしています。景気が悪くなったからといって、財政赤字を気にばかりして、政府が緊縮財政をすれば、ますます景気が悪くなります、そうして税収が減り、ますます赤字幅が大きくなります。そうして、赤字幅増えたからといって、ますます緊縮財政をすれば、また税収が減りますます赤字が増えることになります。



そんなことをしているうちに、自国だけでは賄えなくなり、外国から借金をすることになります。それでも、緊縮財政をやめなければ、ますます外国からの借金が増え、身動きできないことになります。これが、今日のギリシャや、スペインの有様です。ギリシャや、スペインなど、緊縮財政などせず、金融緩和、財政出動をしていれば、事態はここまで悪化しなかったはずです。しかし、EUの一員である、これらの国々は自分の国の意思だけで、これを実行できないという弱点がありました。



日本は、日銀の金融引締めにより景気が悪くなり、景気が悪くなったところに政府が緊縮財政ばかり行なってきたため、景気の悪さに拍車をかけて、デフレ・スパイラルの泥沼に沈んでしまいました。しかし、もともと、日本は世界に一番お金を貸し付けているような国ですから、外国から借金をせずにすみました。そうして、デフレになってから15年もの時を経て、ようやっと日本銀行が、金融緩和を始めました。

金融緩和の後には、財政出動を行います。これがアベノミクス第二の矢、財政出動です。緊縮財政をするのではなく、財政出動をするのです。これが、景気が悪いときの常道です。しかし、IMFは、この常道を否定してきました。

この常道の否定論にのりかかり、失敗したのが、今日のイギリスです。イギリスは、財政赤字解消を企図して、2011年に緊縮財政の一環として、付加価値税の大増税を行いました。そうしたところ、景気が落ち込み、特に若者雇用がかなり悪化しました。皆さん、一時イギリスでの若者の暴動が激化したことがあったことを覚えていらっしゃると思います。あれは、丁度景気が落ち込み、若者雇用がかなり悪化した時期に重なります。

これに関しては、以前にもこのブログに掲載したことがあります。その記事のURLを以下に掲載します。
【国際政治経済学入門】税収減、失業増…消費増税失敗 英の教訓―【私の論評】増税はまだ本決まりではない!!まだ防ぐ機会はある!!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、イギリスのIMFの財政規律主義は完全に間違いであるとの査証です。

もう、いい加減、IMFも景気が悪いときの財政規律主義重視すべきなどという頓珍漢な主張は取り下げるべきです。マクロ経済学上の常識からいっても、イギリス、ギリシャ、スペインなどの事例からいっても、財政至上主義は間違いであることははっきりしています。こんなことを主張し続けるとは、百害あって一利なしです。



彼らの主張は、まるで江戸時代の経済対策のようです。江戸時代の幕府の経済対策のほとんどは、例外も一部あるものの、倹約令です。民衆も、幕府もとにかく倹約ということで、この倹約によって、経済が良くなったためしは全くありません。

IMFは、日本の江戸時代の経済対策を主張し、多くの国々の経済を混乱におとしいれています。日本も、もう少しで、罠にはまるところでした。そうして、現在実体経済も上向きつつあります。IMFの主張をそのまま受け入れて、増税なんぞやっていれば、景気がさらに落ち込み、デフレスパイルの泥沼からぬけでるのに、さらに10年、20年かかってしまったかもしれません。

江戸時代の錦絵
ラガルドは、日本にきたとき、インタービュー答えて、財政規律の重要性を説いていました。どうしてこのようなことがまかり通るのか不思議でなりません。このような主張妄想以外の何ものでもありまん。

この妄想どこからでてきたかといえば、高橋洋一氏も指摘している、これを支える唯一の論文である、ラインハート・ロゴフ論文でした。

しかし、この論文は間違いであることが、この4月に明らかになっています。それについては、このブログでも紹介したことがありますので、そのURLを以下に掲載します。
「ごめんなさい」では済まされない! 財政切り詰め策の根拠となった論文に誤り 欧州連合の方針に疑問―【私の論評】 これは経済学者というか、科学者として許すまじ行為!!世界を日本を惑わした罪は大きい!!見せしめのために、学会から追放せよ!!日本は、消費税増税絶対にみあわせようぜ!!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下にこの論文が間違いであったことが判明した部分のみを掲載させていただきます。
 2009年にギリシャ問題が発覚し、それが欧州財政危機問題へと拡大した際、欧州委員会は危機を回避する政策を策定するにあたってひとつの論文を参考にしました。 
それはハーバード大学のケネス・ロゴフ教授とハーバード・ケネディ・スクールのカーメン・ラインハート教授による「Growth in a Time of Debt(国家債務時代の経済成長)」という論文です。 
ロゴフ教授とラインハート教授は『国家は破綻する』という本の著者でもあり、日本でも知られています。 
ところがマサチューセッツ大学アマースト校の博士課程に学ぶトーマス・ハーンドンがこの論文に書かれている結果を再現しようとしたところ、ロゴフ教授とラインハート教授が主張するような、「国家負債が90%を超えるとGDP成長が著しく鈍化する」という結果が得られませんでした。そこで彼の指導教授であるマイケル・アッシュ教授ならびにロバート・ポーリン教授とともに「結果がそうならなかった」という指摘をしました。
これが両者の間で論争を巻き起こしましたが、結局、ロゴフ教授とラインハート教授がエクセルのスプレッドシートを操作する際、コーディングのミスをした為、一部のデータが演算に反映されていなかったことが判明しました。
上記で、コーディングなる言葉を用いていますが、結局エクセルでデータの範囲指定を間違えたという凡ミスでした。

IMFが景気が悪化したとき、財政規律主義という阿呆な主張の根拠としていた、唯一の論文が間違いであったことが論破されたわけです。こんな馬鹿な主張を振り回し、IMFはこれからも、景気の悪い国をますます混乱させるつもりなのでしょうか?その裏側には、アメリカの金融機関などが張り付いているのかもしれません。経済が混乱すれば、良くなろうと、悪くなろうと、金融機関はそれを利用して、大儲けができます。こんなことを考えるとアベノミクスではなく、IMFこそ「世界のリスク」です。

日本でも、こうしたIMFの主張を真に受けた、財政規律主義者はかなり存在します。しかし、このように間違いが論破された論文などに依拠し続けるなど、IMFなども含めて、単なる妄想にしがみついている異常者とあまり変わりないのではないかと思います。日本では、このような妄想を信じることなく、金融緩和を実施して、次の段階では財政出動をして、デフレからものの見事に脱却してみせて、IMFの主張など完全に間違いあることを、実証するべきです。私は、そう思います。市場もそうみていると思います。皆さんはどう思われますか?

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