2021年3月7日日曜日

海警法「国際法に合致」 対日関係重視、対話解決訴え―中国・王毅外相―【私の論評】日本の潜水艦隊は、今日も海中の最前線で戦い、日本を中国から守っている(゚д゚)!

 海警法「国際法に合致」 対日関係重視、対話解決訴え―中国・王毅外相


 中国の王毅外相は7日の記者会見で、沖縄県・尖閣諸島周辺で頻繁に活動する海警局の武器使用権限を定めた海警法に関し「特定の国を対象にしたものではなく、完全に国際法に合致する」として、正当性を訴えた。一方で、王氏は日中関係を重視し懸案を対話で解決していく方針を強調した。

 海警法が2月に施行された後、日本では海警局による武器使用への懸念が高まっている。これに対し、王氏は「武力によらず、海上の紛争を友好的に話し合いで処理することが中国政府の一貫した立場だ」と主張した。


 王氏は「中日関係の改善は両国民だけでなく地域の平和と安定にプラスだ」と指摘。「あらゆる問題について双方は対話を通じて理解を深め、信頼を築くことができる」と語った。


 また、今夏の東京五輪・パラリンピック、来年の北京冬季五輪・パラリンピックに関し「双方は互いに支持し、友好を深める機会とするべきだ」と述べた。習近平国家主席の訪日への言及はなかった。


【私の論評】日本の潜水艦隊は、今日も海中の最前線で戦い、日本を中国から守っている(゚д゚)!


岸防衛相は26日の閣議後の記者会見で、中国の海上保安機関・海警局などの船が沖縄県の尖閣諸島に上陸する目的で島に接近した場合、「凶悪な罪」だと認定し、自衛隊が、相手を負傷させる可能性のある「危害射撃」を行える場合があるとの見解を示しました。 

危害射撃の法的根拠として、岸氏は警察官職務執行法7条を挙げました。具体的にどのような場合に認められるかは、「海警の船舶がどのような行動をとるかによって変わってくる。個別の状況に応じて判断する」と述べるにとどめました。

海警船の領海侵入などには、海上保安庁が対処できない場合に限り、防衛相が海上警備行動を発令して自衛隊が対応に当たります。

海上警備行動で自衛隊に認められる武器の使用基準は、警職法7条などが準用されます。同条項は正当防衛と緊急避難のほか、3年の懲役・禁錮以上の「凶悪な罪」の現行犯を制圧する場合などに限り、危害射撃を認めています。

先月25日の自民党の国防部会などの合同会議で、政府側は海上保安庁の海上保安官が、「凶悪な罪」を理由に海警船などへ危害射撃できる場合があるとの法解釈を示していました。加藤官房長官は26日の記者会見で、海保による危害射撃が認められるケースについて、「非常に精緻せいちな整理をしなければならない」と述べました。

警職法に基づく武器の使用は国内法の執行などに必要な範囲での実力行使であり、外国からの武力攻撃に対する自衛権に基づく武力行使とは区別されています。

以上は、あくまで、尖閣諸島付近においての小競り合いを想定した発言だと思います。

しかし、本格的な戦闘になった場合はどうなるのでしょうか。その場合にも、日本は備えをしていて、中国海軍といえどもそれを簡単に打破することはできません。

尖閣を含む南西方面などで、海自は今日も中国潜水艦との熾烈な戦いを繰り広げています。日本の海自だけでありません。東、南シナ海の周辺国では今、潜水艦を巡る争いが激化しているのです。日米中国は無論のこと、他国の潜水艦も加わり、争いが激化しているのです。無論、争いとはいっても、本当に魚雷などで打ち合っているという意味ではありません。情報収集をしたり、互いに相手を牽制しあったりなどをしているということです。

たとえば、日米の潜水艦隊は、すでに中国の空母何度も模擬訓練で撃沈しています。無論、中国海軍の探索を乗り切った上で、何度も模擬訓練で撃沈しているのです。もちろん、中国の潜水艦に対しても何度も模擬訓練で撃沈していることでしょう。

潜水艦乗組員たちが、今日も海中の最前線で戦い、日本を守っている

このブログにも掲載したように、12月3日には、台湾で初の国産潜水艦の着工式典が開催された。第二次世界大戦時建造の米国製潜水艦では中国潜水艦には太刀打ちできないためです。また、南シナ海で中国の相次ぐ人工島建設に困っているフィリピンは、フランスから潜水艦を導入する可能性が高まりました。このブログでも掲載したように、台湾が日本の潜水艦に迫る潜水艦を製造できれば、今後数十年間にわたり中国の侵入を阻止できます。

そうして海自は昨年10月14日、最新型3000tの潜水艦のたいげい型潜水艦1番艦「たいげい」を、三菱重工業神戸造船所で進水させました。

「大きな鯨=大鯨(たいげい)」に由来するこの最新型潜水艦は、そうりゅう型11番艦『おうりゅう』から採用された蓄電と放電の効率がよいリチウムイオン電池と、シュノーケルによる吸排気で発電できる新システムにより長期潜水行動が可能になりました。さらに、敵艦を探知するためのセンサー(ソナーシステム)が新開発により開口拡大し、探知能力が格段に向上しています。

特筆すべきは、このたいげいから、艦内の男女の動線が整理され、女性隊員が安心して乗艦できるようになったことです。

また、そうりゅう型から採用されたX舵の採用で水中での運動性が高まり、海底に着底する時でも舵が痛むことがありません。X舵と十字舵で大きく違うのは操作性で、少ない操作で細かな動きが出来ます。

南西諸島東側の西太平洋には最深部7000mの海溝がありますが、西側の尖閣諸島のある東シナ海の平均深度は180mです。海自潜水艦隊の主戦場である浅海の東シナ海に、そうりゅう型潜水艦は最適です。

呉基地に出動待機する最新鋭X型舵が特徴的なそうりゅう型潜水艦。AIP式で長期の潜水行動が可能。左から三番目がリチウムイオン電池搭載の11番艦おうりゅう

日本は戦略兵器を持っていませんが、潜水艦は唯一、戦略兵器に近い性格の装備です。潜水艦は実は最強の海軍兵器で、究極のステルス艦です。特に日本の潜水艦は、ステルス性に関しては、世界一です。

探知は難しく、魚雷一発で空母、揚陸艦などの艦艇を無能化できます。そのため、敵艦隊はその海域に潜水艦が一隻でもいると入って来ません。その海域にいるかいないかをあやふやにするのが、海自潜水艦部隊のコンセプトです。そうして、このコンセプトは、対中国において、最も効果があります。なぜなら、中国の対潜哨戒能力は、日米に比較してかなり劣っているからです。

これは陸戦ならば、凄腕の狙撃手が一個歩兵大隊を足止めできるのと似ています。狙撃手であり、忍者であり、切り札となるのが海自の潜水艦隊です。有事のとき、日本の潜水艦隊がどう戦うのかをシミュレーションしてみます。

偵察衛星、無線傍受、サイバー情報戦、その他等で得たインテリジェンス情報から、中国海軍が尖閣奪取必至と判断され、中国沿岸基地では海軍の出動準備がなされたとの情報が入ったとします。

南西諸島各港に前方配備されたFFM2くまのクラスが、数隻全力で尖閣北方海域に出撃。そこで、左舷後方ハッチから機雷をばら撒くと、今度は全速で南下し、掃海母艦と合流。海自のFFM艦隊と掃海母艦が尖閣付近に機雷原を作り、南西諸島各海峡を機雷封鎖します。

空母いずもとイージス艦まやの機動艦隊が南西諸島東側海域に入ったとき、そうりゅう型潜水艦、たいげい型潜水艦は青島、上海の軍港と南西諸島の間に潜んで、中国空母艦隊を牽制します。

現在、中国空母は対潜哨戒機を持たず、艦載機J15も対潜爆弾を持っていません。護衛しているフリゲート艦たちの対潜能力も低いので、中国空母近くに海自潜水艦が行ければ、確実に撃沈できます。

海上自衛隊は長年、ソ連潜水艦と戦って来て、その対潜哨戒能力のレベルは恐ろしいほど高いです。その経験を対中潜水艦戦に投入していますから、浅海に潜む音の大きい中国潜水艦はそうりゅう型搭載の18式魚雷で撃沈できます。

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上の写真は、呉基地に集合した海自の主力艦です。手前の潜水艦2隻が、そうりゅう型しょうりゅう(左)、そうりゅう型おうりゅう(右)。後方左の艦番号179が最新鋭イージス艦まや。おうりゅうの右上にマストが見えるのが、将来F35Bを搭載する空母いずも型かが。写真右の艦番号229が、FFMに移行する旧型艦のあぶくま型護衛艦あぶくま。もしここにFFM2くまのがいれば、尖閣有事の際に出撃する海自艦隊の全艦艇となります。

現在、海自の方が中国より戦闘力はかなり高いです。海中戦は日本のほうが有利です。そこに18式新魚雷を搭載した、たいげい型が投入されれば盤石です。

これに対して中国海軍は六隻の093型潜水艦に静粛性を高めた改造を施し、さらに現在、新型潜水艦095型を建造中です。この両型は原子力潜水艦であるため、構造上はどうしてもある程度騒音が出るため、ステルス性では劣ります。

海中での行動期間は原潜だけあって、海自のそうりゅう型、たいげい型をはるかに上回っています。とはいいながら、新型の「そうりゅう」型潜水艦からは、鉛蓄電池とAIPを設置している空間に大型のリチウムイオン電池を積むことで、それまで最大2週間程度だった潜航期間が「格段に伸びる」とされています。リチュウムイオン電池は鉛電池に比べ蓄電量が2.5倍あり、高速航行に適しています。

それに、原潜といえども、乗組員は人間ですから、いくら長期間潜航できるし、水や空気は海水から原子力のエネルギーで精製できるとはいいながら、食料は補給しなければならないのと、乗組員は適切な期間をおいて交代しなければなりませんし、定期的に艦もメンテナンスが必要です。

そうなると、原潜といえども定期的にいずれかの港に寄港しなければならないため、原子力のえるルギーが無尽蔵ともいえるほどに、長期間使えるということ自体は、あまりメリットはなくなってきました。

中国海軍は、これまで優位だった海自潜水艦戦略に迫ろうとはしています。ただ、日本の潜水艦や対戦能力が中国を上回っている状況今後数十年にわたって、覆すことは不可能です。

最新潜水艦「たいげいに」は、海自で初の女性潜水艦乗員5名が乗船する予定です。大和撫子が日本の海を守るのです。

昨年10月29日海上自衛隊呉基地にて、実習訓練を終え、女性の潜水艦の乗組員が初めて誕生

こうした備えがあれば、中国が本格的に軍事力を行使して、尖閣を奪取しようとしても不可能です。具体的にいえば、尖閣に人民解放軍や民兵が上陸したとしても、尖閣付近に日本が機雷を敷設し、近くの海域に潜水艦が潜み、尖閣諸島を包囲してしまえば、中国軍は補給ができなくなり、陸上部隊はお手上げになるだけです。

航空機による補給も考えられますが、中国の戦闘機はステルス性に劣るため、これもすぐに撃ち落とすことができるので、輸送機を援護することもできません。

そのようなことを知っているからこそ、中国は「海警法」などを作り、王毅外相は、これを「国際法に合法」であるなどと吠えまくり、中国国内向けのプロパガンダをしているとともに、日本がその圧力に負けることを期待しているのでしょうが、それは無理筋というものです。そうして、そのことは日本でもあまり知られておらず、あたかも日本が劣勢であるかのように認識されています。

日本は上で述べたように中国に対する備えをしているのですが、潜水艦の行動は昔からいずれの国においても隠密にするのが普通ですから、この情報があまり一般には普及していないので、国民からみると、政府は尖閣に対して無為無策のようにみえるだけです。

ただし、確かに外交面では自民党には二階氏のように親中派、媚中派の政治家も多いので、ことさら中国との対立を避ける傾向があるのも事実です。そのため、外交面では、中国に対して及び腰にもみえますし、ウイグル人弾圧等に対してもはっきりと、人権侵害であると非難することはしていません。これは、政府も改めていくべきでしょう。それと、日本が中国に対して強力な潜水艦隊を持っていることも、国民にわかりやすくアピールしていくべきでしょう。

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