2021年2月20日土曜日

米海軍の太平洋「最恐」兵器?、巡航ミサイル原潜オハイオ―【私の論評】オハイオにも弱点はあるが、それを日本の通常型潜水艦で補えば無敵となる(゚д゚)!


 

巡航ミサイル潜水艦「オハイオ」が米海兵隊の戦闘強襲偵察用舟艇と統合訓練を行う様子=2月、沖縄沖

香港(CNN) 米海軍がこれまで就役させた中で最大の潜水艦「オハイオ」。冷戦期に生まれた同艦は、1回の集中攻撃で十数都市を破壊する火力を備えて実戦投入されたものの、近年は核ミサイルを外して運用されている。 


だが、オハイオが太平洋で活動する「最恐」かつ最も万能な米軍の兵器プラットフォームであることに変わりはないかもしれない。

  バイデン米政権は現在、同盟国や「自由で開かれたインド太平洋」の防衛を重視する姿勢を示しており、海軍兵器でその姿勢を鮮明にしている。 

1月下旬から2月上旬の2週間を振り返ると、米政権は誘導ミサイル駆逐艦に台湾海峡を通過させることで、台湾防衛への変わらぬ決意を表明。同駆逐艦は続けて、南シナ海における中国の領有権主張に対抗するため西沙(パラセル)諸島に向かった。米国はまた、南シナ海での演習に巨大空母を派遣したほか、最新鋭駆逐艦のひとつを日本に派遣した。

 そして先々週には、東アジア地域でオハイオの姿を公開し、排水量1万8000トンの巡航ミサイル潜水艦が沖縄周辺で米海兵隊と共同訓練を行う様子を見せつけた。

 英ロンドンの王立防衛安全保障研究所に所属する海軍の専門家、シドハース・カウシャル氏はオハイオや姉妹艦の「ミシガン」、「フロリダ」、「ジョージア」について、ミサイルと兵士を同時に敵の領域近くまで運べる万能艦だと指摘する。

 この点は中国のような敵国と比較する場合に重要だろう。中国は強力な対艦ミサイル能力を保有するが、対潜防衛力はまだ更新と強化の途上にある。

 「多くの火力を迅速に運搬」 

オハイオ潜水艦は今はもう核ミサイルを搭載していないが、米海軍のすべての潜水艦と同様、原子力を動力とする。現在の呼称は「巡航ミサイル搭載原子力潜水艦(SSGN)」で、原子炉によってタービン2基に蒸気を送り、その力でプロペラを回すことで推進する。 

海軍によると、その航続距離は「無制限」。連続潜航能力の唯一の制約となるのは、乗組員の食料を補給する必要性のみだ。

 オハイオは比較的大型の艦体や動力ゆえに、トマホーク巡航ミサイルを154基も搭載できる。これは米誘導ミサイル駆逐艦の1.5倍以上、米海軍の最新鋭攻撃型潜水艦の4倍近い。

         トマホークミサイルが2018年の試験で米海軍の潜水艦から発射される様子。
         オハイオ級巡航ミサイル潜水艦はトマホーク154基を搭載できる

 トマホーク1基では、爆発力の高い弾頭を最大1000ポンド(約450キロ)搭載可能だ。

 米海軍の元大佐で、米太平洋軍統合情報センターの作戦責任者を務めたこともあるカール・シュスター氏は「SSGNなら多くの火力を迅速に運搬できる」と指摘する。

「154基のトマホークは甚大な打撃を正確に与えることができる。いかなる米国の敵もその脅威を無視できない」(シュスター氏) 

その火力の威力が披露されたのは2011年3月、潜水艦フロリダが「オデッセイの夜明け作戦」で100発近いトマホークをリビア国内の目標に発射した時のことだ。SSGNが戦闘で使用されたのは初めてだった。

 ただ、リビアは中国とは異なる。中国人民解放軍海軍(PLAN)はリビアにはない対潜戦兵器を数多く持ち、その能力を向上させつつある。

 中国は近年、対潜哨戒機やフリゲート艦、攻撃型潜水艦といった増大する海軍戦力に大量のリソースを投入してきた。いずれも敵の潜水艦を撃沈するのが目的だ。

 こうした戦力拡充にもかかわらず、冷戦時代に潜水艦大国でなかった中国は依然として遅れを取り戻す段階にある。しかも、対潜戦では数に加えて経験も必要となる。

 もしオハイオが太平洋のただ中に展開している場合、中国の対潜部隊はより陸地に近い場所で活動するように設計されたため、探知はいっそう難しくなるという。

 ただし陸地に近い場所であっても、オハイオはステルス能力ゆえの優位性を持つと、アナリストらは指摘する。米艦隊の他の攻撃型潜水艦に比べて静粛性が高いことから、陸地に近い海域であっても中国が探知するのは至難の業になりそうだ。

 つまりオハイオなら、内陸部の目標により近いところまで対地攻撃ミサイルを運搬できる。

「SSGNはそのステルス能力のおかげで前方展開して、敵防衛領域の奥深くにある目標を攻撃することが可能だ」(カウシャル氏)

 新たな脅威に適応する オハイオはこれまでに建造された潜水艦の中で屈指の静粛性を誇る。

 1970年代に構想され、大陸間弾道ミサイル「トライデント」を搭載する初の核ミサイル潜水艦として就役したオハイオは、一時は戦略抑止の代名詞だった。 

オハイオ級18隻はいずれも24基のトライデントを装備し、各トライデントにはそれぞれ独立した目標を設定した核弾頭が最大8発搭載されていた。理論上、1隻の潜水艦による1回の発射で旧ソ連の複数の都市を消滅させることも可能だった。

 これらの潜水艦は一度に数カ月連続で潜航するように設計されており、ソ連が核ミサイルで米国の領土を攻撃した場合に浮上して、壊滅的な反撃を加えることを任務としていた。

 海中では深くまで潜航して静かに待機することで、ソ連の監視を困難にした。これにより抑止力としての価値を保っていたと言える。

 しかし、冷戦終結で米ロ間の緊張が和らぐと、これほど多くの弾道ミサイル潜水艦を保有する必要性は薄れた。オハイオ、ミシガン、フロリダ、ジョージアの4隻はいったん退役が決まったものの、海軍はその後、4隻のステルス能力をテロ対策支援に振り向けることができると判断した。

 これはつまり、特殊部隊を収容するスペースをつくることを意味していた。

 SEALなどの海軍特殊部隊員を66人収容できるよう、核ミサイル搭載用のスペースは寝台やバスルームに改装された。 

ミサイル発射管は艦に出入りする潜水士のため、注水や排水ができるロックアウトエリアに改造された。小型潜水艇に乗っての出動も可能だ。

 また改造後の艦内には指揮統制所として使うスペースや設備があり、海中に潜みつつ、付近の海岸での作戦に指示を出すことができる。

 オハイオは4隻のうちで最初に巡航ミサイル潜水艦に改造され、2007年にSSGNとして初の任務に就いた。 

その後はワシントン州のキットサップ海軍基地を拠点に活動し、太平洋のグアム島にある潜水艦基地に前方展開されることが多い。

 太平洋の緊張 

オハイオとその乗組員150人超は先々週、沖縄沖で第3海兵遠征軍の偵察部隊と共同訓練を行った。沖縄を含む島嶼(とうしょ)ラインは「第1列島線」と呼ばれ、中国が太平洋の外海に部隊を展開するために通過しなくてはならない障壁を指す。

 米海軍第7艦隊によって提供された写真には、オハイオが小型艦艇やティルトローター機「オスプレイ」に乗った海兵隊員と連携する様子が写っている。

 オハイオの艦長を務めるカート・バラグナ大佐は声明で、「海兵隊と訓練するたびに我々の能力は研ぎ澄まされる。地域の課題に柔軟に対応し、戦闘で実証済みの能力を展開して、日々の競争や危機、紛争で勝利することができるようになる」としている。

【私の論評】オハイオにも弱点はあるが、それを日本の通常型潜水艦で補えば無敵となる(゚д゚)!

最近では、中国の海軍力が強化されたことを報道する記事は多いですが、それをほとんど無効にしてしまうような米軍の軍事力を示す、上の記事のようなものはあまりみかけません。

そのためでしょうか、多くの人が中国海軍の脅威をことさら煽られてしまう結果になっている点は否めません。無論、中国の軍事力を侮るべきではありませんが、等身大に見るへきです。

そうして、米海軍は未だに中国海軍の攻撃を無効化してしまう能力を持っているのは確かです。例えば、中国の空母や強襲揚陸艦を含めた打撃群が、台湾に侵攻しようとした場合、米国最大の巡航ミサイル原潜オハイオ型一隻で、中国の打撃群を全部撃沈することも可能です。

その後も、台湾付近の海域にとどまり、警戒にあたることも可能です。運悪く人民解放軍が、上陸したとしても、巡航ミサイルオハイオが台湾を包囲して、上陸した軍の補給を絶てば、上陸部隊はお手上げになります。

このような強力な通常兵器巨の攻撃力を備えた大潜水艦を米国は、4隻も保有しているのです。そうして、他の原潜も、その攻撃力・破壊力はそれぞれに凄まじいものがあります。米軍はこうした原潜を70隻以上も所有しています。そうして、米軍の最大の強みは、世界一の対潜哨戒能力です。

こうした強力原潜と、優れた対潜哨戒能力により、米海軍は中国海軍を未だに圧倒しています。

仮に米海軍と、中国海軍が武力衝突をすれば、初戦で中国の艦艇は潜水艦も含めてほとんど撃沈されてしまうでしょう。

中国海軍潜水艦隊の主軸を務める「039」型 画像:中国国防部

ただし、米軍最恐兵器といわれる、オハイオ級原潜にも弱点はあります。これは、オハイオ級原潜だけというよりは、すべての原潜の弱点ともいえます。

原子力は基本的には蒸気機関です。原子力の熱源で高温高圧の蒸気を発生させ、その蒸気から動力を取り出します。蒸気でタービンを回転させる事により取り出すのですが、回転数が高すぎるので、減速させる必要があります。その減速機の歯車が擦れる音が大きく、外に漏れる音源となります。

更に、原子炉に冷却水や、蒸気の元となる水を送り込むポンプの音があります。これらは装置類の工作精度や設計に依存するところもありますが、低騒音にするには高い技術とノウハウが必要です。

それと配管を冷却水や蒸気が流れる音もします。勿論どちらも今はそれなりの対策がされているのですが、それにしても構造的な問題なので、どうしてもそれがネックになります。

そのため原潜の場合は、現状ではどうしても原子力を使わない通常型潜水艦には、静寂性(ステルス性)で劣るのです。

上の記事では、「米艦隊の他の攻撃型潜水艦に比べて静粛性が高い」としていますが、米国が所有しているのは例外的にスウェーデンから乗組員ごと導入た通常型潜水艦一隻を除いて、すべてが原潜です。

これは、正確に述べると、「オハイオ級原潜は、米艦隊の他の攻撃型原潜に比べて静寂性が高い」ということです。

ただし、それにしても相対的には静寂性が高いので、対潜哨戒能力が低い中国には探知されにくいのは事実です。どの程度発見されにくいのは、軍事機密なので、はっきりしたことはわかりませんが、たとえば台湾近海で頻繁に動き回れば、中国海軍に探知される可能性はあります。

予め一箇所に潜み、攻撃の必要性があれば、攻撃してすぐに移動して、また潜むということを繰り返すというのであれば、中国海軍はなかなか発見できないでしょう。

そのため、台湾近海を自由に動き回り、情報を収集するという任務などには不利です。

そういいながら、中国の潜水艦はかなり騒音が出て、米軍にはすぐに探知されやすいので、これが米軍を圧倒的に有利にしています。

昨年の5月に、太平洋艦隊所属の潜水艦の少なくとも7隻が西太平洋派遣されたことを米軍の異例の公表からも、米軍は有事の時には、特に海洋での有事の時には最初に潜水艦隊を用いる戦術に変えたと認識すべきです。私自身は、ずっと前から変えていると思います。海洋で、わざわざ初戦で空母打撃群を派遣して、中国海軍に格好の的を提供する必要性などありません。

ただ、手の内をわざわざバラす必要もないので、黙っていただけだと思います。ただ、コロナ禍に中国につけこまれることを防ぐため、わざわさ公表したのです。この公表の裏には、以上で述べたことを、それとなく中国に伝える目的もあったと思います。

ちなみに、日本は米国とは異なり、すべての潜水艦は通常型です。特に、最新型はリチュウム・バッテリーを動力源として、静寂性というか、ほとんど無音です。さらに、最新型以前の潜水艦では、2週間連続して水中を航行することができたのですが、最新型ではそれをはるかに上回るそうです。具体的な数値は、これまた軍事秘密ですが、はるかに上回ることは確認できます。

最新型以前の潜水艦でも、静寂性はかなり高いので、日本の潜水艦のほぼすべてを中国側探知できません。そのため、中国が尖閣諸島に武力侵攻してきた場合、潜水艦隊を派遣すれば、中国の空母や強襲揚陸艦を含む打撃群を撃沈することができます。

運悪く上陸されたにしても、潜水艦隊で尖閣を包囲して、補給を絶てば上陸した人民解放軍もしくは民兵はお手上げになります。

ただ、日本の潜水艦は通常型であり、しかもオハイオのように攻撃力は高くはないという弱点があります。しかし、静寂性(ステルス性)においては世界一です。

攻撃力の高い米原潜と、静寂性の高い日本の通常型潜水艦が組めば、世界最強の潜水艦隊ができあがることになります。

日本の潜水艦が、静寂性を活用して、自由に動き周り情報を収集し、米原潜はその情報を活用して敵を攻撃するなどの協同が理想的です。

世界最高水準の潜水艦開発・探知技術を持つ日米にとって、ノイズの多い中国製潜水艦の追跡は比較的容易です。一方中国はこの分野でまだ遅れを取っており、(対潜)哨戒機の配備数最近は増やしていますが、日米に比較すると決定的に少ないです。

日米は中国潜水艦の音紋(スクリューが出す個別の雑音)もすべて把握し、加えて米軍は日本列島~台湾~フィリピンにSOSUS(潜水艦音響監視システム)までも構築しているため、日米にマン・ツー・マンで追尾されていて、ほぼすべての行動が把握されているといっても過言ではない状態です。

無論、日米は以上を意図して、意識して、合同訓練を行っていることでしょう。ただ、中国が尖閣を何度も挑発してもこれを放置すれば、日本が無敵であるはずの潜水艦を出してくることはないという間違った認識を与えるかもしれません。

日米合同演習

こうしたことを防ぐためにも、日米は尖閣で合同で潜水艦隊による尖閣諸島包囲演習を行うべきです。

日本の潜水艦が情報収集を行い、米軍のオハイオ級の原潜で仮想的を攻撃する演習などを尖閣諸島付近で大々的に行えば、中国海軍はパニックに陥るでしょう。

それどころか、南シナ海の中国軍基地も維持できなくなると懸念するようになるでしょう。是非実現すべきです。

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