2021年3月10日水曜日

緊急事態宣言再延長のウラ 東京都の重症者病床数の大幅修正、丁寧な説明で信頼回復すべきだ ―【私の論評】都知事は説明責任を果たさず、都民ならず近隣県民をも、混乱に陥れた!この責任は重大(゚д゚)!

緊急事態宣言再延長のウラ 東京都の重症者病床数の大幅修正、丁寧な説明で信頼回復すべきだ 

高橋洋一 日本の解き方


小池東京都知事

 菅義偉首相は首都圏1都3県を対象にした新型コロナウイルス緊急事態宣言を2週間再延長した。再延長や解除の基準はどこにあるのか。宣言が長期化することの悪影響はないのか。

 東京都は、2月下旬に重症者向けの確保病床のデータを突然増加させ、使用率を大幅修正した。修正後、使用率は33%に下がった。正直いって、筆者はこのデータ変更に大いに面食らった。

 そういう中で、小池百合子都知事は緊急事態宣言延長を要請した。データ中心で考えるなら、どうして重要データがこれまで変更されなかったのか、東京都は明確に説明すべきであり、他のデータの信憑(しんぴょう)性にも懸念を持たれないようにすべきだが、その説明が十分にされているとはいえないだろう。

 こうした状況、つまり不完全情報下における意思決定は難しく、いかなる検討がなされても基本データに信頼が置けないので、現状維持が継続されるのが原則だ。今回の緊急事態宣言の再延長も、こんなところではないだろうか。

 いろいろな情報では、官邸サイドでは当初、緊急事態宣言を解除したかったようだ。

 一方で、専門家の中には、解除やむなしとの考え方と慎重派がいただろう。誰しも先行きの見通しを完全に予見できないので、将来の懸念にはさまざまな意見が出てくるものだ。

 その中で、小池都知事は、重要データの変更と同時に再延長要請を行った。となれば、意思決定論のセオリーからみれば、現状維持、つまり再延長になるのは当然だろう。

 医師会なども、この流れでうまく政治的に振る舞い、再延長を主張した面もうかがえる。

 再延長を主張した意見のなかに、感染第4波の可能性を指摘したものもあるが、これは言い過ぎだ。現段階では「夏には台風が来る」くらいの意味しかない。はっきりいえば、第4波は来るだろうが、今の段階で時期を特定することはできない。

 3月上旬時点の東京都の新規陽性者数は250人程度でステージ2相当だ。医療体制も、病床使用率などで大幅に改善し、ステージ3相当だ。

 菅首相は当初ステージ3を目標にするとしており、政府分科会の尾身茂会長も同じように述べていた。

 それにもかかわらず、今回の再延長がなされたのは、重要データに信頼が置けなかったから、現実維持するしかなかったとしか、筆者には思えない。

 いずれにしても、重要データの信頼性の回復が急務であり、それがクリアできた上で、目標としてステージ2を目指すなら、それを明確にしなくてはいけない。

 もっとも、小池都知事は、豊洲市場問題でも定量的な安全基準よりも感覚的な「安心」を優先し、事態を混乱させたことがある。

 そもそも都は独自財源もあるので、国に依存せずに独自の緊急事態宣言を行ってもいいはずだ。そして、都による重要データ変更は今回だけなのか、信頼できる行政の確保のためにも丁寧な説明が必要だ。(内閣官房参与・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】都知事は説明責任を果たさず、都民ならず近隣県民をも、混乱に陥れた!この責任は重大(゚д゚)!

上手に管理をし感染予防しながら、飲食をするという手もあると思います。最近どの飲食店でも、席数を半分にして、向かい合いにならないようにするなど、工夫しています。

「黙食」などという言葉も出て来ました。私自身、コロナ以前から飲食店に行くと、特にお酒が入ると、大声大騒ぎになる人達も結構いて、あまりの騒音に辟易としたことも何度もありました。挙げ句の果に、「ワイドショー民」であることが、すぐにバレてしまうような、老人たちのトークにも辟易したことがありました。

居酒屋で、無音ということはあり得ないでしょうが、それにしても部屋を貸し切るというのなら別にして、他にも自分たちとは直接関係のないお客も結構いるということは、意識していただきたいと思うことがしばしばでした。静かに話をしようにも、騒音で会話がなりたたないこともしばしばあります。そのせいもあって、私自身は結構前から居酒屋等に行くことはあまりせん。

いわゆるバーに行くことはあります。まともなバーだとお客があまりに悪ノリして騒ぎすると、コロナ禍以前から、それとなく注意をするという店もあり、そういう店には安心して飲みに行けます。

確かに、大人数で行って大騒ぎするというと、問題だとは思いますが、1人で黙って食事するというのなら何も悪いことはないです。ポストコロナも睨んだ、生活を変えるという意味でも、上手に管理しながらやるという手もあるような気がします。

緊急事態宣言で、夜8時でお店が閉まるということになっていますが、だからといって、「昼ならばいいだろう」ということで昼にドンチャン騒ぎをしたら同じことで、夜の11時であろうが、黙って食べていれば、そちらの方がよほどリスクが低いはずです。

1人で黙って食べる、もしくは2人で行っても黙って食べるということであれば、問題ないです。大声で話して、そのときに唾が飛ぶというのが問題なのです。

都内では、数値的には、感染者数が下がってきていました。当初の目標はクリアしたにもかかわらず、結局緊急事態宣言は延長されてしまいました。これは経済的影響も含めて、驚いた方も多いのではないでしょうか。

科学的には本当に理解できません。普通に考えると、宣言をした1月には、「ステージ3になったら解除する」と言っていたのに、ステージ3になったら、今度は「ステージ2を目指す」ということで、わけがわからなくなってしまいました。それに、上の記事にもあるとおり、東京都の方でベッド数が急に増えましたが、これもデータベースに関わる仕事をしている人から見たら、混乱します。

様々なデータが変更になれば、実際に意思決定ができなくなってしまいます。病床が500床から1000床にポンと増えたということ自体が信じられないことです。なにか統計のとり方を変えたというのなら、その内容を説明したうえで、過去のデータのその内容で変更して、過去から現在に至るデータを同じ形式で示すべきです。それができないというのなら、データのとり方を変えるべきではありません。

政府としては、意思決定ができないから、解除という意思決定ができずに、緊急事態宣言も延長してしまった、せざるを得なかったのではないかと思います。

小池知事は「基準が違う」などと言っていましたが、「それでは他のデータはどうなのか?」という疑問が当然湧いてきます。もしこれで解除するという意思決定をしたとして、「基礎データはどうですか」と問われて東京都から出て来たものを全部聞かれたら、何が何なのかわからなくなってしまいます。説明ができなくなってしまうので、こういうときに意思決定ができなくなるのです。

そうすると現状維持をせざるを得なくなります。現状から変更するときには、必ず何らかの説明責任が生じます。しかし、現状から変更しなければ説明しなくていいという、消極的なスタンスになってしまう可能性があります。

これに関しては、東京都から出ているデータと、厚生労働省が出しているデータに齟齬があったと、厚生労働省側は「きちんとしたデータを出せ」と、以前から要求していたという事実もありました。当然のことながら、説明責任は都側にあります。

東京都の方から、「こういう理由で変えました」という説明は少しありましたが、それだけではなく、「他のこの部分は大丈夫です」、「ここはこうなっています」と細かく説明すべきです。こういう話では。厚生労働省がまずわからないですよね。データを出しているのは、東京都なのですから、東京都の方から、最初にきちんと説明してもらわないと、他の人を納得させることはできません。

そうして、飲食店や宿泊業の人は相当打撃を受け続けことになります。データに基づくのでは「感覚」が中心にならざるを得なくなります。以前の豊洲の「安全基準はクリアしているけれど、安心ではない」というわけのわからない話に近くなてしまうのです。

飲食店等の業者の方も予見の可能性がなくなって、不安になってしまいます。特にある程度先が見えていれば、いろいろと努力できますが、先が見えないのは最悪です。その不安でお店を畳んでしまう人たちが出て来てもおかしくないです。

信義則を重んじる小池百合子知事が早々に実行すべきは、統計データのとり方を変えたのであれば、コロナが都内発生した頃から、現在に至るまで、変えた方式で出し直すべきです。それが不可能というのなら、ある程度の根拠を持った数値を根拠にしつつ、新たに変えた数値でデータを開示すべきです。

それをしない限り、説明責任は回避できません。それをしないというのなら、都民を混乱させたということで、百条委員会にかけるのが筋です。筋を通さない、知事は信用できません。

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