北大西洋条約機構(NATO)のイェンス・ストルテンベルグ事務総長 |
北大西洋条約機構(NATO)のイェンス・ストルテンベルグ事務総長が今月末にも来日し、岸田首相との会談を調整していることが23日、分かった。複数のNATO関係者が明らかにした。インド太平洋を巡る安全保障の連携を強化する狙いがある。ストルテンベルグ氏は、日本政府が昨年末に改定した国家安全保障戦略への支持も打ち出す見込みだ。
事務総長の来日は2017年以来となる。ストルテンベルグ氏は日本に先立って韓国を訪問し、 尹錫悦ユンソンニョル 大統領とも会談する予定だ。
NATOは昨年6月に改定した戦略概念で、インド太平洋地域の安定に貢献する方針を鮮明にした。ウクライナ情勢が緊迫する中での訪問は、民主主義国家である日韓との連帯をアピールする狙いもある。
岸田首相との会談は、31日を軸に調整が進んでいる。台湾有事などを見据え、軍事的な手段と非軍事的な手段を組み合わせる「ハイブリッド戦」への備えなどで連携強化を確認するとみられる。
軍事力を増強する中国について、NATOは戦略概念で「挑戦」と新たに位置付けた。日本政府も国家安保戦略で「これまでにない最大の戦略的な挑戦」と明記した。防衛費でも、日本はNATO加盟国の目標と足並みを合わせ、防衛費と関係費の合算を現在の国内総生産(GDP)比2%とする閣議決定をした。NATO内には「NATOと日本は進む方向は同じだ」との認識が深まっている。
事務総長の来日は2017年以来となる。ストルテンベルグ氏は日本に先立って韓国を訪問し、 尹錫悦ユンソンニョル 大統領とも会談する予定だ。
NATOは昨年6月に改定した戦略概念で、インド太平洋地域の安定に貢献する方針を鮮明にした。ウクライナ情勢が緊迫する中での訪問は、民主主義国家である日韓との連帯をアピールする狙いもある。
岸田首相との会談は、31日を軸に調整が進んでいる。台湾有事などを見据え、軍事的な手段と非軍事的な手段を組み合わせる「ハイブリッド戦」への備えなどで連携強化を確認するとみられる。
軍事力を増強する中国について、NATOは戦略概念で「挑戦」と新たに位置付けた。日本政府も国家安保戦略で「これまでにない最大の戦略的な挑戦」と明記した。防衛費でも、日本はNATO加盟国の目標と足並みを合わせ、防衛費と関係費の合算を現在の国内総生産(GDP)比2%とする閣議決定をした。NATO内には「NATOと日本は進む方向は同じだ」との認識が深まっている。
【私の論評】日本からNATOへの働きかけを強め、主体的に日・NATO関係を強化してゆくべき(゚д゚)!
首相は、「日・NATO関係を新たなレベルに引き上げることで一致した。歴史的な意義を有するものだ」と成果を誇示しました。
さて、今回のNATO事務総長の訪日は、こうした岸田首相の発言に基づき、より具体的な日とNATOとの関係を深めるためと考えられます。
昨年日本だけではなく、韓国、豪州、ニュージランドを初めてグローバルなパートナーとして招待したNATOにとって、脅威と価値観を共有する安全保障プラットフォームとしての課題は、地域の枠を超えて影響力を強める中国だけではありません。
そこでは、サイバー・宇宙空間、認知領域における安全保障上の公共財の安全確保、そして、気候変動の影響に対する協調的行動、更には、将来の装備体系に大きな影響を与える、人工知能(AI)、量子コンピューターなどの新興・破壊的技術の実装化など、パートナー国に対して、幅広い協力の可能性が数多く示されています。
今後、他のパートナー国と共に、日本にも、NATOとの協力拡大のためのロードマップが準備されると見られますし今回の事務総長の日本訪問はまさに、これに関するものと考えられます。
日本政府はどのような対応を行うのでしょうか。岸田政権は安全保障関連の三文書(国家安全保障戦略、防衛大綱、中期防衛力整備計画)を年末に改定しました。
平和を守る抑止力を格段に向上させる歴史的な決定を歓迎したいです。政府の最大の責務は国の独立と国民の生命を守り抜くことです。岸田首相が決断し、与党と協力して、安倍晋三政権でさえ実現できなかった防衛力の抜本的強化策を決めた点を高く評価します。だだし、防衛増税を言い出したことには、はっきり言って幻滅しました。
日本としては、新たな安全保障戦略の方向性を踏まえつつ、積極的かつ主導的に、NATOとの協力メカニズムを活性化するべきです。
インド太平洋地域には、NATOのような集団安全保障機構は存在しませんが、価値観を共有し、地域の枠を超えたパートナー国の関与を導くことによって、米国を中心とする二国間同盟のネットワークをより強化し得ることになります。
その一方で、NATOは、防衛的な組織であり、コンセンサスに基づく地域機構であるため、将来的にも、NATO側から、欧州域外に位置する日本に対して、より積極的なアプローチをかけてくることはないでしょう。
その一方で、NATOは、防衛的な組織であり、コンセンサスに基づく地域機構であるため、将来的にも、NATO側から、欧州域外に位置する日本に対して、より積極的なアプローチをかけてくることはないでしょう。
ここでは、日本からNATOへの働きかけを強め、インド太平洋地域におけるNATOの更なる関心や関与を引き出し、主体的に日・NATO関係を強化してゆくという能動的な姿勢が求めらています。
そのためには、日本の戦略的なメッセージのグローバルな発信が不可欠であり、改訂された三文書は、日本の安全保障面でのコミュニケーションの道具として、重要な役割を果たすことが期待されます。
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