2023年1月29日日曜日

自衛官冷遇の衝撃実態、ししゃも2尾の「横田飯」 ネットでは「病院食ですか?」の声 岸田首相は心が痛まないのか 小笠原理恵氏―【私の論評】横田めしの「ししゃも」は「樺太ししゃも」!糧食を疎かにされる軍隊は勝てない(゚д゚)!

自衛官冷遇の衝撃実態、ししゃも2尾の「横田飯」 ネットでは「病院食ですか?」の声 岸田首相は心が痛まないのか 小笠原理恵氏

航空自衛隊横田基地の公式ツイッターに投稿された「朝食」の写真 クリックすると拡大します

 岸田文雄政権が「防衛力強化」「防衛費増加」を進めるなか、危険を顧みず、国防や災害派遣に日々邁進(まいしん)する自衛官の待遇改善を求める声が高まっている。GDP(国内総生産)比1%程度の防衛費を長年強いられたため、老朽化した官舎や隊舎がたくさんあるうえ、給与も警察官や消防士に比べて高いとはいえないのだ。さらに、国防ジャーナリストの小笠原理恵氏が、自衛官に提供される「食」の貧しさについて、驚きの現状を明らかにした。 (報道部・丸山汎)


 小笠原氏は25日、インターネット番組「百田尚樹・有本香のニュース生放送あさ8時!」にゲスト出演した。そこで紹介した、航空自衛隊横田基地の公式ツイッターの写真が衝撃的だった。

 「空自横田基地の栄養バランスのとれた昨日の食事 #横田飯を紹介します」という説明文とともに投稿されたのは、白米とみそ汁、ししゃも2尾、一握りの切干大根と明太子が並んだ「朝食」の写真だ。粗食をはるかに通り越している。これで激務に耐えられるのか。

 小笠原氏は「おかずのお代わりは許されず、カロリーを補うのはご飯のお代わりだけなんです」と語る。

 さらに驚くのは、小笠原氏が明かした自衛官らの反応だ。

 「『横田飯』の写真を見た、別の基地に勤務する20代後半の隊員は『ししゃもが2本も付くなんてすごいな。普通、朝食は1本ですよね』が感想でした。幹部自衛官は『皆さんが驚かれたことに驚いた』と語っていました。これが国民が知らない実情なんです」

 小笠原氏は2014年から「自衛官守る会」代表として、自衛官の待遇改善を訴え続けてきた。息子が入隊したある父親は怒り心頭だという。

 「私は真面目に税金もずっと払ってきた。でも、入隊した息子が電話で口にするのは、『おなかが空いた』『おかずが食べたい』と食事のことばかり。自衛官がこんな状況を強いられていることは許せない、と」

 横田基地には在日米軍も基地を置くが、米軍の食堂はビュッフェ形式だ。ある自衛官は「向こうは好きなものを自由に食べられる。あまりの差に悔しさが抑えられない」と本音を吐露したという。

 自衛隊では、食をめぐる〝不祥事〟も表面化している。

 21年10月には、空自那覇基地(沖縄県)の食堂で、40代の3等空佐が、規定の分配量を超える食パンと納豆を不正に複数回、取ったとして停職10日になっている。

 昨年6月には、空自入間基地(埼玉県)の食堂で、50代の1等空尉が、「パン2個」か「ご飯茶碗(ちゃわん)1杯」を選択する朝食で両方を手にして、停職3日の懲戒処分となった。

 ルールと違うかもしれないが、国民の負託に応えるために危険を顧みず任務を完遂する自衛官には、おなかいっぱい食べさせてあげたい。

 実は、ししゃも2尾の「横田飯」の写真が投稿されたのは21年11月のことだ。当時、ネット上で「病院食ですか?」「これで戦えるんですか。たくさん食べさせてあげて」と批判が殺到した。

 投稿の3日後には、当時の河野太郎防衛相が「自衛隊の糧食費」というタイトルでブログを更新した。隊員の「『栄養摂取基準』の見直しに着手」したとして、肉類を100グラムから160グラムに増量するなど改め、隊員(陸上勤務員)1人当たり1日899円だった糧食費を932円に増額したことも強調した。23年度予算案では、現在の物価高を受けて947円が計上されている。

 河野氏が動いたおかげか、その後、横田基地の食堂には「サーロインステーキ」ランチ(昨年4月)や、「照り焼きハンバーグ付き〝朝カレー〟」(同10月)など、ボリューム感あるメニューも登場している。

首相は「横田飯」に心が痛まないのか

 ただ、「問題の根本は変わっていない」と指摘するのは、元陸上自衛官である拓殖大学防災教育研究センター長、濱口和久特任教授だ。

 「現在、自衛隊では民間業者に食事を外部委託をしている基地も少なくない。問題が起きたのは、味や内容よりも金額を重視した結果だ」「岸田政権が昨年末、防衛費増額を含む『安保3文書』を閣議決定したのはいいが、自衛官の待遇改善や人員確保などについて実効性を伴う方策が書かれなかった。いくら高額な武器を購入しても、扱う人員やその糧食の部分がおろそかになるリスクは非常に大きい」

 夕刊フジでは、冒頭の「横田飯」を踏まえて、自衛官の糧食費や食事面の待遇改善などについて、空自広報と防衛省報道室に質問した。ともに1日あたりの糧食費の単価や、栄養摂取基準などを説明したうえで、次のように回答した。

 空自広報「隊員食堂での食事については、精強な隊員の育成及び部隊の士気高揚を図るため、各部隊の栄養士を中心に、隊員のし好に合わせた魅力的な献立を作成しています」

 防衛省報道室「引き続き、隊員が任務遂行に当たって必要な栄養を摂取できるよう、適切な食事の支給に努めてまいります」

空自や防衛省に大きな非があるとは思えない。

 月額129万4000円の歳費や、同100万円の「調査研究広報滞在費」(旧文書通信交通滞在費)の支給を受け、都心の一等地に高級ホテル並みの議員宿舎を持つ国会議員は、自衛官の待遇を認識しているのか。岸田首相は「横田飯」の写真に心が痛まないのか。

 小笠原氏は「自衛官は国を守るための体をつくる食費さえも切り詰められている。一般企業でこれをやったら、訴えられてもおかしくないのではないか。人を大切にしないで、どうやって国を守るのか」と語っている。

【私の論評】横田めしの「ししゃも」は「樺太ししゃも」!糧食を疎かにされる軍隊は勝てない(゚д゚)!

上の記事を読んだとき、最初は漠然と、「ししゃもが2尾」というなら、そんなに悪くもないと思ってしまいました。なぜなら、「ししゃも」は「本ししゃも」だろうと漠然と思ったからです。

ただ、それにしても変だと思いました。「ししゃも」をおかずにするくらいなら、他の魚や肉や卵にすれば、もっと沢山おかずが付けられると思ったのです。

しかし、上記の写真をみて、納得がいきました。これは、「本ししゃも」ではありません。明らかに「樺太ししゃも(カペリン)」です。「樺太ししゃも」は、キュウリのような匂いがすることから、北海道では「キュウリ」と呼ぶ人もいます。

本物のししゃもと樺太ししゃもは、見た目が良く似ているからという理由で代用品に選ばれた過去があります。そのため、普段魚をよく見ていない人には、見分けが付きにくいかもしれません。

本物のししゃもと樺太ししゃもを見分けるにはいくつかのポイントがあります。
本物のししゃも
鱗が大きくクッキリして見える
干物の状態だと口が大きく開いている
生の状態では、ふっくら丸みを帯びて背中は黄色がかった魚体。お腹側は銀白色だったり赤みがかっている。


樺太ししゃも(カペリン)

全体的に青みがかった銀色で、シュッと細長いスタイルをしており、まるで小さいサンマのように見えるものが多い。
干物のなると見分けが難しいですが、生の状態でよく見比べてみると違いが分かりやすいです。

本物のししゃもの代用品である「樺太ししゃも」は100g当たり200円程で取引されています。一方、本物の「ししゃも」は100g当たり600円程の値段がつきます。大きさや、その年の漁獲量によっては更に高騰することもあります。

「ししゃも」というと私自身は、この「ほんししゃも」のほうを思い浮かべてしまうのです。そうして、「ししゃも」といってもオスとメスでは、また違った味わいがあります。

オスのししゃもは、卵を産まない分全身がふっくらとして栄養豊富で旨味が強く感じられます。ししゃもの風味や旨味を感じたいのであればオスを選ぶのがおすすめ。

ししゃも独特の風味を感じやすいので生で食べる際にはオスを使う事が多いです。


メスの魅力は何といってもお腹に抱えた卵でしょう。ししゃもを食べるなら子持ちししゃもが良いと言う人も多いです。

樺太ししゃもは卵がプチプチとしていますが、本物のししゃもの卵は全く違います。卵のとろけるような食感が特徴で口当たりが滑らかです。メスのししゃもは水揚げ時期の中でも、10月前半~半ばは身と卵が半々程で、魚肉の旨味と卵の風味両方を味わえます。また、11月に入るとたっぷりと卵を持ち、濃厚な子持ちししゃもになります。

私自身は、どちらも好きで、どちらとも酒の肴にはピッタリです。

ただ、子持ちししゃもは、美味しいのですが、このほかコレステロールが多いので、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)や中性脂肪値が高いと指摘された人は気をつけたほうが良いでしょう。 なお、本ししゃもより、代用魚のからふとししゃもに多くのコレステロールが含まれています。

随分話がそれてしまいましたが、最初この記事を読んだとき、「ししゃも」という言葉から、2尾とはいえ、朝から随分良いものを食べていると思ったのですが、写真をみてこれは「ししゃも」ではなく「樺太ししゃも」であると気づいて、事の重大さに気づいた次第です。

上の記事にふれられているとおり、「樺太ししゃもが2尾」という状況は改善されたようではありますが、食費さえ切り詰めなければならないというのは異常です。しかも、平時においてこの有様なのですから、もし戦争にでもなったらどうなるのか暗澹たる気持ちになります。

実際、日本でも戦争中に南方戦線では、餓死した兵士が多いと聞いています。しかし、このような状況になったのは戦争末期のことです。特に、米軍は潜水艦等をもちいて、大々的に通商破壊を行ったため、日本自体が物資不足に陥り、軍隊ですら食糧にさえ事欠くようなったのですが、平時、戦中もそのようなことはありませんでした。

実際、昔の兵隊の写真などをみると、結構ふっくらした人もいたのに驚くことがあります。日本軍では、戦前・戦中では一人一日あたり最大で6合の米が食べられたといいます。当時米をこれだけ食べられたということは、貧乏な世帯では米も満足に食べられなかったことを考えると破格だったと思います。

これは、強い軍隊を作るには、まず兵隊に満足な食事を与えなければならないと考えたからでしょう。

これについては、ネットにも掲載されているので詳細はそちらをあたってください。おかずやデザートなど、結構種類も豊富であったことに驚かされます。

そのようなことよりも、軍隊とその食事の重要性は、切っても切り離せないところがあります。それについては、このブログにも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
安倍元首相、台湾のTPP参加を支持 中国へは自制ある行動呼び掛け―【私の論評】中国が台湾に侵攻すると考える人は、兵站のことを考えていない(゚д゚)!

詳細は、この記事をごらんいただくものとして、この記事より一部を引用します。 

戦史家のマーチン・ファン・クレフェルトは、その著作『補給戦――何が勝敗を決定するのか』(中央公論新社)の中で、「戦争という仕事の10分の9までは兵站だ」と言い切っています。
マーチン・ファン・クレフェルト
実は第2次世界大戦よりもはるか昔から、戦争のあり方を規定し、その勝敗を分けてきたのは、戦略よりもむしろ兵站だったのです。極言すれば兵士1人当たり1日3000kcalの食糧をどれだけ前線に送り込めるかという補給の限界が、戦争の形を規定してきました。そう同著は伝えています。エリート中のエリートたちがその優秀な頭脳を使って立案した壮大な作戦計画も、多くは机上の空論に過ぎません。

現実の戦いは常に不確実であり、作戦計画通りになど行きません。計画の実行を阻む予測不可能な障害や過失、偶発的出来事に充ち満ちているのです。

史上最高の戦略家とされるカール・フォン・クラウゼビッツはそれを「摩擦」と呼び、その対応いかんによって最終的な勝敗まで逆転することもあると指摘しています。 
そのことを身を持って知る軍人や戦史家たちの多くは、「戦争のプロは兵站を語り、素人は戦略を語る」と口にします。
この記事では、中国が台湾に侵攻することを想定して文章を書いています。中国は海上輸送力が未だ脆弱なため、一度に数万人の兵隊と、それに対応する食糧、武器弾薬しか台湾に送ることができません。

しかも、台湾軍はウクライナ軍より現代的な軍隊であり、中国がたとえ台湾に兵を送り込めたにしても、その後船舶で食糧などの物資を送り込もうにも、台湾の強力な対艦ミサイルで輸送船がことごくと撃沈されることが想定されるため、兵站が途絶えることが予想され、かなり中国の台湾侵攻は難しいのです。

それは守備の側も同じことです。台湾が中国に攻め入られた場合も、同じく兵站は重要ですし、特に守備する兵隊に日々3000kcalの食糧を提供し続けなければ、戦争に負けてしまうのです。ただし、台湾側は、中国の侵攻に備えて、物資も蓄えているので台湾側は有利なのです。

こういうことをいうと、中国は核もあるので、すぐに台湾など落とせると語る人もいるかもしれませんが、それは破壊と侵攻を取り違えているのです。

侵攻と破壊は別ものです。中国が台湾を武力で破壊するのは比較的簡単にできるでしょう。しかし、侵攻となると兵隊を送り込んで、制圧しなければならず、難易度はかなり高くなるのです。

上の記事では「高額な武器を購入しても、扱う人員やその糧食の部分がおろそかになるリスクは非常に大きい」としていますが、まさにその通りです。

「糧食の部分」をおろそかにする軍隊は、侵攻も守備もできないのです。

そのことは、ウクライナ戦争でも明らかになりました。ウクライナを10日で落とせると考えたプーチンは、兵站のことなどあまり考えていなかったようです。兵站が脆弱なロシア軍は初戦においては最前線の兵隊の糧食もままならない状態であったとも伝えられています。

現代でも、糧食をおろそかにする軍隊は勝てないのです。自衛隊もそうです。岸田首相はそのことを理解すべきです。

結局、このような状態になったのは、財務省が何かというと緊縮をしたがるからなのでしょうが、岸田首相はこうした財務省の緊縮姿勢にあらがって、自衛隊の兵站を満足なものにすべきです。

また、財務省の安全保障を理由に必要のない増税をすれば、日本経済が落ち込み、将来の安全保証にも事欠く事態に陥るのは明白であり、このような馬鹿真似をする財務省と対峙して、防衛増税もやめるべきです。

そもそも財務省はいずれの国でも、防衛費は節約したがるのが常であり、英国等においては、戦時の戦略会議には財務大臣は入れません。日本は、戦時ではありませんが、現在は新たな防衛3文書ができあがり、それを実行に移していかなければならない時期にあります。これを絵に描いた餅にしてはならないです。

このような時には、安全保障に関しては、財務省の主張などは、全部話半分に聞いた上で、すすめるべきなのです。なんでも財務省の言うことを聞いていれば、とんでもないことになります。それこそ、先の「横田めし」の「樺太ししゃも」が一尾ということになりかねません。

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