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新年早々、納税者にとって実に不快な話題を取り上げる。昨年末から、ネット上では大騒ぎとなっていた「Colabo(コラボ)問題」である。
ご存じない方のために概略を説明しよう。
Colaboとは、虐待や性被害などを受けた少女たちの支援を行っている一般社団法人である。その代表理事を、ネット上ではつとに有名な〝フェミニスト〟である仁藤夢乃さんという人が、務めている。仁藤さんは33歳ながら、昨年11月には、政府が開催した「第1回 困難な問題を抱える女性への支援に係る基本方針等に関する有識者会議」の構成員にも選ばれている。
同じ昨年11月、この仁藤さん率いるColaboが「不当な会計をしていた」として、ツイッター上で「暇空茜」と名乗る男性が、東京都が2021年度に支出した委託料2600万円について住民監査請求を行い、都監査委員が調査していた。
一方、仁藤さん側は「デマや誹謗(ひぼう)中傷を行っている」として暇空さんを提訴した。
ご存じない方のために概略を説明しよう。
Colaboとは、虐待や性被害などを受けた少女たちの支援を行っている一般社団法人である。その代表理事を、ネット上ではつとに有名な〝フェミニスト〟である仁藤夢乃さんという人が、務めている。仁藤さんは33歳ながら、昨年11月には、政府が開催した「第1回 困難な問題を抱える女性への支援に係る基本方針等に関する有識者会議」の構成員にも選ばれている。
同じ昨年11月、この仁藤さん率いるColaboが「不当な会計をしていた」として、ツイッター上で「暇空茜」と名乗る男性が、東京都が2021年度に支出した委託料2600万円について住民監査請求を行い、都監査委員が調査していた。
一方、仁藤さん側は「デマや誹謗(ひぼう)中傷を行っている」として暇空さんを提訴した。
年末12月28日、住民監査請求の結果が出され、4日に東京都から公式発表された。
果たして、Colaboの会計報告について、都監査委は、不正を指摘する監査請求の主張について、車両のガソリン代など、多くが「妥当ではない」と退ける一方、領収書がない経費が計上され、領収書があっても疑義があるケースが確認されるなど、「本件精算には不当な点が認められ、本件請求には理由がある」として、都に対し、2月28日までに再調査などを指示した。
暇空さんの指摘の一部が認められたともいえる。
結果が公表された4日には、「Colabo問題」はツイッターでトレンド入りした。昨年末から、多くのユーチューバーが競ってこの経緯を動画に上げ、ネット上は一種の「祭り状態」にあったのだが、ここへ来てようやく、大手メディアでも報道され始めた。
Colaboに対するネット上の疑惑は、「女性などの〝弱者救済〟を理由に、税金が不適切な使われ方をしているのではないか」ということに集約される。都監査委が経費の再調査を求めた以上、こう非難されるのも致し方あるまい。
仁藤さんとColabo側は真摯(しんし)に対応し、状況を改善すべきである。
同時に、私が指摘したいのは国の対応だ。
昨年5月、「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」(略称『困難女性支援法』)が成立した。DVや性虐待など家族からの暴力、性暴力、性的搾取、離婚、貧困、心身の疾患や障害、居場所の喪失、社会的孤立、予期しない妊娠・中絶・出産、孤立した子育てなど、さまざまな困難を抱える女性を支援するという法の趣旨は結構だ。
しかし、この法律を、いわゆる「弱者ビジネス」を助長させる仕組みにしては断じてならない。その一歩として、前述の「有識者会議」の建て付けを全面的に見直し、メンバーも入れ替えて、「困難女性支援法」の乱用を防ぐ会議としてはいかがか。
■有本香(ありもと・かおり) ジャーナリスト。1962年、奈良市生まれ。東京外国語大学卒業。旅行雑誌の編集長や企業広報を経て独立。国際関係や、日本の政治をテーマに取材・執筆活動を行う。著書・共著に『中国の「日本買収」計画』(ワック)、『「小池劇場」の真実』(幻冬舎文庫)、『「日本国紀」の副読本 学校が教えない日本史』『「日本国紀」の天皇論』(ともに産経新聞出版)など多数。
果たして、Colaboの会計報告について、都監査委は、不正を指摘する監査請求の主張について、車両のガソリン代など、多くが「妥当ではない」と退ける一方、領収書がない経費が計上され、領収書があっても疑義があるケースが確認されるなど、「本件精算には不当な点が認められ、本件請求には理由がある」として、都に対し、2月28日までに再調査などを指示した。
暇空さんの指摘の一部が認められたともいえる。
結果が公表された4日には、「Colabo問題」はツイッターでトレンド入りした。昨年末から、多くのユーチューバーが競ってこの経緯を動画に上げ、ネット上は一種の「祭り状態」にあったのだが、ここへ来てようやく、大手メディアでも報道され始めた。
Colaboに対するネット上の疑惑は、「女性などの〝弱者救済〟を理由に、税金が不適切な使われ方をしているのではないか」ということに集約される。都監査委が経費の再調査を求めた以上、こう非難されるのも致し方あるまい。
仁藤さんとColabo側は真摯(しんし)に対応し、状況を改善すべきである。
同時に、私が指摘したいのは国の対応だ。
昨年5月、「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」(略称『困難女性支援法』)が成立した。DVや性虐待など家族からの暴力、性暴力、性的搾取、離婚、貧困、心身の疾患や障害、居場所の喪失、社会的孤立、予期しない妊娠・中絶・出産、孤立した子育てなど、さまざまな困難を抱える女性を支援するという法の趣旨は結構だ。
しかし、この法律を、いわゆる「弱者ビジネス」を助長させる仕組みにしては断じてならない。その一歩として、前述の「有識者会議」の建て付けを全面的に見直し、メンバーも入れ替えて、「困難女性支援法」の乱用を防ぐ会議としてはいかがか。
■有本香(ありもと・かおり) ジャーナリスト。1962年、奈良市生まれ。東京外国語大学卒業。旅行雑誌の編集長や企業広報を経て独立。国際関係や、日本の政治をテーマに取材・執筆活動を行う。著書・共著に『中国の「日本買収」計画』(ワック)、『「小池劇場」の真実』(幻冬舎文庫)、『「日本国紀」の副読本 学校が教えない日本史』『「日本国紀」の天皇論』(ともに産経新聞出版)など多数。
【私の論評】Colabo問題の本質は、日本の経済・支援政策のほとんどが減税ではなく、補助金で実行されること(゚д゚)!
沖縄で基地反対活動する仁藤夢乃さん |
大手メデイアは無論のこと、野党もいわゆる党派性の病理に蝕まれ、与党が関与することなら、信者が数万しかいないような、統一教会問題など大騒ぎしても、リベラル・左翼の関わる問題解決に関してはほぼ無視を決め込むという、平成から繰り返されてきた悪しき態度や行動には、本当に気が滅入る人も多いのではないかと思います。
この問題の本質は、あまり語られていませんが、日本では、政府や自治体が行う支援が、減税ではなく補助金や助成金によって行われることが多いことが根底にあるのではないかと思います。
このブログでは、日本では、政府の経済政策が他国に比較すると、主に補助金で行われ、減税はほとんど行われていないことを指摘してきました、最近も再度指摘したばかりです。その記事のリンクを以下に掲載します。政府、1人当たり2万6000円支給へ 税収上振れ分「人々に還元」/台湾―【私の論評】日本政府の財政の最大の欠陥は「死に金」が溜まっていく構造になっていること(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事から一部を引用します。
財政支出には補助金系と減税系の2つがあって、減税系は執行率がほぼ100%になります。税金を取らないだけだから簡単なのです。しかし、補助金系は支出するにおいては、様々な書類と手続きが必要となります。そのため、補助金系の支出は執行がスムーズにいかないときがあます。
通常、国際的にはOECDなどの資料を調べると、景気対策は「減税系」7で「補助金系」が3ですが、日本ではこれが逆どころか補助金のほうが圧倒的に多くなっています。景気対策は、減税で実行するのが一般的なのです。
日本だけが、補助金系が8で減税系が2です。そうして、今回の岸田政権では、ほとんど減税系がありません。要するに補助金系が10という感じで「かなり執行残がありそうだ」と最初から認識できました。
予算を積んでも執行できなければ意味がありません。岸田政権は、このような予算を意図的につくっているのかと疑ってしまいたくなるほどです。普通は、補助金系は増やさず、減税系を増やして素早く執行すべきなのです。
このような予算の策定方式の背景には「減税などすべきでない」などの前提があるのでしょう。だから、不自然なことになってしまうのです。まず入り口にそれがあるのでしょう。もう1つは、補助金系の方が官僚や政治家は喜ぶのです。減税よりも、補助金のほうが、いかにも仕事をしたという達成感があるのかもしれません。
岸田政権の予算は、「減税系が嫌だ」という財務省と、補助金系が好きな他省庁と政治家をうまく組み合わせたような感じです。
そうなると、限られたところにしかお金が流れず、世の中全体の経済の浮揚にはつながりにくくなります。
このColabo騒動は、日本の行政における予算執行の杜撰さを明るみにしたことで重要な意義を持っていると思われます。
今回東京都のチェックの甘さが浮き彫りになりました、行政を良く知っている専門家によれば、行政とはそういうもの、ということのようです。考えてみればそうでしょう。自分が苦労して稼いだお金でもなく、失敗したからと言って責任を取らされるわけでもないからです。しかも、政府による経済対策における補助金・助成金に関しては、実際には政府が行うわけではなく、東京都や他の市町村が実務を行います。補助金等をもらったことのある人なら、補助金等のお知らせなど、最寄りの市町村から通知されることをご存知だと思います。
そうなると、地方自治体の事務量は、半端なものではなくなります。通常の事務を行いつつ、さらに政府の経済対策に関わる事務を実施しつつ、場合によっては、都道府県や国の経済政策の事務もこなさなくてはならなくなります。
無論、地方自治体だけで、事務が回せなければ、外部の民間企業などの力を借りることになりますが、これは無論のこと、税金が投入されるのです。この外部機関がいい加減だったりして、大量の名簿が入ったUSBメモリを紛失したなどのこのとは時々報道されたりします。
東京都も同じく、そのような状況になってるはずで、これではチェックが十分でなかったといっても、それにはそれなりの理由があるのかもしれません。今後、十分に調査をすべきです。
現状の役所は予算の議会承認を受けて、予算項目ごとに支出し、決算で支出結果をまとめるだけの機関です。特に政府はそうです。
市町村のような地方自治体も、事業内容の妥当性を判断する機関としては事実上機能しておらず、予算書や決算書を作るための収支報告の辻褄を合わせるのが精一杯ともいえます。これは、最近ではコロナ感染対策における、各地の保健所の状況を振り返っていただければ、理解できます。
経済政策の実施手法として、日本でも、補助金等の多用ではなく減税を多様すべきであると主張する人は多いです。これを実現するうえでcolabo事件、非常に重要な転機になるのではないかと思います。というより、そうしなければならないと思います。そうして、これには財務省は大反対するでしょう。その理由は後で述べます。
colabo が話題になっていますが、それは氷山の一角にすぎないです。政府全体の支出の4割程度を占める中央政府でも似たような補助金等のバラマキ案件は沢山あります。これは、以下のサイトで確認できます。
試しに男女共同参画と入力してみてください。沢山の補助金、助成金によるバラマキ先が出てきます。これだけあれば、一つひとつの事業の妥当性を審査するのは難しくなるのは当然です。やはり、減税政策をもっと多用すべきです。
支援政策も減税を多用すれば、補助金、助成金への審査の時間を増やすこともできます。このままでは、税金が無駄に使われるだけではなく、本当に支援すべき事業や、困っている人たちの支援が滞ることになりかねません。
結局、日本の経済政策や支援政策などの多くが、減税ではなく、補助金等で実行されることが、Colabo問題のような数々の問題を助長しているのです。
補助金等にばかり頼っていれば、補助金等のための審査は際限なく増え必然的に甘くなるというか、事実上できなくなり、Colabo問題のような問題を生み出し、さらに執行漏れが多数出るのは最初から判りきったことで、余った大量の補助金等は財務省が特別会計等として溜め込み、「死に金」となるのです。
このような不合理なことは、一刻もはやくやめて、日本でも減税を多用すべ
きです。減税であれば、補助金等と異なり、税金をとらないだけですから、簡単に実施できますし、それに不正の温床となることもあまりありません。それでいて、確実にしかも素早く効果があります。
このような、政策転換をしない限り、Colaboのような問題は防ぐことは難しいでしょう。
今後、野党やマスコミがColabo問題を追求するなら、この方向性でも批判していただきたいものです。政府や役人を責めたてるのは結構だとは思いますが、それだけでは、この問題は永遠に解決しないと思います。しかし、おそらく野党・マスコミはこのようなことはしないでしょう。
このようなことは、調べてみれば、皆さんの身の回りでも、結構あると思います。私は、現在北海道札幌市に住んでいますが、北海道にはいわゆる「アイヌ利権問題」があります。ここでは、詳しくは述べませんが、怪しいアイヌ文化に多額の税金が使われていたりします。皆さんの地域においても、詳細に調べてみれば、なぜこんなことに、補助金や助成金が使われているのか理解に苦しむような事業が展開されている可能性も十分にあると思います。
それに関しては「暇空茜氏」のように声をあげる人がいなければ、いつまでも放置されることになります。やはり、特に地域の問題に関しては、地域の人たちが声を上げるべきです。
Colabo騒動を調べれば調べるほど、Colabo側の問題はもとより、構造的な問題が次から次へと出てきており、枚挙にいとまがありません。今後このブログでも順次指摘していこうと思います。
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