まとめ
- 安倍昭恵氏の電撃外交:2025年5月29日、昭恵氏が政府の関与なしにプーチン大統領と面会。ロシアの厚遇と国営テレビの放映で注目を集めたが、日本政府は困惑し、公式外交とのズレが議論を呼ぶ。
- 麻生太郎の戦略:麻生氏が昭恵氏の国際活動を後押しし、米国との同盟を軸にFOIPを推進。2025年5月、FOIP戦略本部を設置し、トランプ政権や保守勢力との連携を強化。
- チベット問題への関与:2025年6月3日、昭恵氏が世界チベット議員会議に出席し、中国の漢化政策に懸念を示す。安倍元首相の理念を継ぎ、中国へのメッセージを発信。
- 清和会の魂と保守派のチャンス:2024年に解散した旧清和会の復活を目指し、高市早苗氏や麻生氏らが保守派を結集。石破首相の弱い立場と「千載一遇の大チャンス」が清和会の魂を甦らせる可能性
- 世論の賛否と課題:昭恵氏の政府を介さない行動は、安倍理念の継承と評価される一方、米欧との同盟や日中関係に矛盾するとの批判がXで交錯。清和会再結集には政府との調整が必要。
プーチンとの面会が巻き起こした波紋
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安倍昭恵氏(63)が2025年5月29日、ロシアでプーチン大統領と電撃的に面会したニュースは、日本中を驚かせた。政府や外務省の関与なしに実現したこの会談は、詳細が謎に包まれ、波紋を広げた。プーチン氏は昭恵氏を厚遇し、大統領公用車でボリショイ劇場まで送る異例の対応を見せた。ロシア国営テレビは、プーチン氏が安倍元首相の功績を称え、昭恵氏が涙する場面を放映した。だが、日本政府は事態を全く把握しておらず、官邸も外務省も慌てて情報を集めた。林芳正官房長官は「政府としてコメントする立場にない」と述べ、困惑を隠せなかった。
麻生太郎の戦略と外交の裏舞台
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昭恵夫人とプーチン会談に同席した薗浦健太郎元衆院議員(左) |
この面会の裏には、麻生太郎・自民党最高顧問(84)の存在がある。麻生氏の側近、薗浦健太郎元衆院議員が同席し、調整役を務めた。薗浦氏は2023年、昭恵氏がトランプ夫妻と面会した際も立ち会った人物だ。麻生氏はトランプ前大統領との強いパイプを持ち、昭恵氏の国際活動を支えている。プーチン氏が安倍元首相の死後、昭恵氏に弔意を示していた事実を知った麻生氏が、今回の訪ロを後押ししたとみられる。
麻生氏の外交戦略は明快だ。米国との同盟を軸に、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」を推進し、中国やロシアと現実的に渡り合う。2025年5月、自民党は麻生氏を本部長とするFOIP戦略本部を設置。トランプ政権や保守勢力との連携を強化し、中国の拡大を牽制する。麻生氏周辺では、昭恵氏を駐米大使に推す声も上がった。石破茂首相が対米外交で独自のルートを持たない中、2025年1月20日に第47代米大統領に就任したトランプ政権との交渉力を高める狙いだ。実現性は低いが、安倍元首相の遺産と麻生氏の影響力が日本外交に色濃く残る。
チベット問題と中国へのメッセージ
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「世界チベット議員会議」に出席した安倍昭恵夫人 最前列左から四人目 |
昭恵氏は2025年6月3日、東京の「世界チベット議員会議」に出席。「チベットの文化と自然が守られるように」と述べ、安倍元首相の姿勢を引き継ぎ、中国の漢化政策に懸念を示した(共同通信、2025年6月4日)。チベット問題は、中国による支配とチベット人の自治運動に端を発する。1949年以降、中国はチベットを支配。1959年のチベット動乱でダライ・ラマ14世がインドに亡命し、漢化政策でチベット人の文化が抑圧される。国際社会はこれを人権問題として注視するが、解決は遠い。昭恵氏の参加は、中国への強いメッセージとなった。彼女は2024年、女性のエンパワーメントをテーマにした国際会議で講演し、ジェンダー平等を訴えた。東京の飲食店「UZU」を通じ、地方創生や日本文化の普及にも取り組む。これらは安倍元首相の遺志を継ぎ、彼女自身の信念を反映し、国内外で評価される(朝日新聞、2024年10月15日)。
安倍の魂復活と保守派の「千載一遇の大チャンス」
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自民党の公式組織「自由で開かれたインド太平洋戦略(FOIP)本部」の会合 |
世論では、昭恵氏の政府を介さない行動や中国への姿勢に賛否両論がある。Xでは、プーチン氏との面会が米欧との同盟を重視する日本の立場と矛盾するとの声が上がる。チベット問題への関与も、日中関係の緊張を高めるとの懸念がある。石破首相は小泉進次郎農相のコメ対策で支持率を回復し、2025年6月のG7サミットでトランプ大統領との関税交渉が成功すれば、衆参同日選に突き進む。以前このブログても述べたように、自民党は野党の候補者不足や立憲民主党の調整失敗を背景に、元落選者や不出馬者を再起用し、選挙戦を優位に進められる。2024年にスキャンダルで解散した旧清和会は、59人のメンバーのうち20人しか残らず、39人が落選または不出馬となったが、ベテラン再起用の強みは大きい。
高市早苗氏が主導する自民党の公式組織「自由で開かれたインド太平洋戦略(FOIP)本部」が2025年3月に再始動し、麻生氏や旧安倍派の西村康稔氏、萩生田光一氏ら保守派が結集。石破首相は保守派の復活を抑える力を持たない。この「千載一遇の大チャンス」—千年に一度の貴重な機会—が訪れれば、保守派が団結し、清和会(安倍)の魂が自民党内で甦る可能性が高い。昭恵氏のプーチン氏との面会やチベット会議への参加は、安倍元首相の外交理念—日ロ平和条約への意欲や中国牽制—を体現し、保守派の心を掴む。麻生氏の後押しは、トランプ政権とのパイプ強化やFOIP本部を通じた保守の結集を促す。だが、彼女の政府を介さない行動は、石破首相や穏健派との軋轢を生む。Xでは、彼女の行動が清和会の再結集を刺激する「チャンス」と見る声と、外交の混乱を招くとの懸念が交錯する。安倍の魂を甦らせるには、政府との調整と強いリーダーシップが欠かせない。
2025年、トランプ政権が始動する中、麻生氏と昭恵氏の動向は日本の対米・対ロ・対中外交を左右する。彼女の行動は、安倍の魂を呼び覚ます火種となるか、それとも外交の波乱を招くか。日本の未来を占う鍵が、ここにある。
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