2025年6月9日月曜日

中国の野望を打ち砕け!南鳥島を巡る資源と覇権の攻防

まとめ
  • 中国海軍の挑発: 2025年6月7日、中国海軍の空母「遼寧」など4隻が南鳥島周辺の日本EEZ内を航行、8日にEEZ外で戦闘機・ヘリコプターの発着を確認。防衛省は初の事案として警戒監視を強化。
  • 南鳥島の資源: 日本最東端の南鳥島のEEZに、レアアース・レアメタルを含むマンガンノジュール約2億3000万トン(コバルト75年分、ニッケル11年分)が存在。2026年以降の商用化を目指す。
  • 中国の戦略: 中国は「第2列島線」を防衛ラインとし、米軍牽制と遠洋作戦能力強化を狙う。EEZ侵入は資源調査や牽制の意図が疑われる。
  • 深海底採掘のルール: 中国は国際海底機構(ISA)で深海採掘のルールを主導。2023年、21カ国が一時停止を支持する中、中国は資源・軍事・外交的影響力拡大を推進。
  • 日米の対応: インド太平洋戦略に基づき、日本は南鳥島の資源を経済安全保障の柱とし、米国はUNCLOS批准や環境保護で中国を牽制。南シナ海の前例を教訓に、深海の中国支配を阻止。
中国の挑発:南鳥島EEZへの侵入
中国空母「遼寧」

2025年6月8日、防衛省統合幕僚監部は中国海軍の動向を公表した。空母「遼寧」を含む4隻が、6月7日、小笠原諸島の南鳥島南西約300キロの日本の排他的経済水域(EEZ)内を航行したのだ。翌8日、EEZ外の公海上で「遼寧」から戦闘機やヘリコプターの発着が確認された。防衛省によると、中国空母がこの海域に進出したのは初めてだ。中国は小笠原からグアムに至る「第2列島線」を防衛ラインとし、米軍の太平洋進出を封じる戦略を進める。空母の運用能力を磨き、遠洋での作戦力を強化する狙いは明白だ。海上自衛隊の護衛艦が監視にあたり、危険な行動はなかったが、防衛省は警戒を続ける。この動きは、日米の「インド太平洋戦略」が掲げる「自由で開かれたインド太平洋」への挑戦である。

南鳥島の秘宝:資源大国への可能性

南鳥島沖の海底に眠るマンガンのジュール

南鳥島は日本最南端の島だ。このEEZには膨大な宝が眠る。東京大学と日本財団の調査で、レアアースやレアメタルを含むマンガンノジュール約2億3000万トンが確認された。コバルトは国内消費の75年分、ニッケルは11年分。電気自動車の電池に欠かせない資源だ。これらは日本を「資源小国」から「資源大国」へと変える可能性を秘める。来年から実証試験が始まり、2026年以降の商用化が視野に入る。中国のEEZ侵入は、資源調査や牽制の意図を疑わせる。国際法上、EEZでの軍事行動は議論の的だ。日本は、この宝を守り抜く覚悟が必要だ。

中国の深海支配:国際ルールへの挑戦

深海に翻る中国旗 AI生成画像

中国は太平洋の公海で、深海底採掘のルールを握ろうと動く。国際海底機構(ISA)や国連海洋法条約(UNCLOS)の場で主導権を確保。深海底を「戦略的フロンティア」と位置づけ、資源確保、軍事技術、外交的影響力の拡大を狙う。2023年のISA会合では、採掘ライセンスや技術規則を自国に有利に進め、議論を主導した。南シナ海で人工島を築き、環境を破壊した中国には前科がある。技術取得には他国からの不正な移転が指摘される。米国はISA未加盟で発言力が弱い。日米は環境保護を盾に、中国の動きを牽制しなければならない。深海が「第二の南シナ海」となる危機が迫る。

日本とインド太平洋地域での使命:未来を切り開く

自民党「自由で開かれたインド太平洋戦略本部」の会合

日米の「インド太平洋戦略」は、海洋の自由とルールに基づく秩序を掲げる。中国の南鳥島での挑発や深海底での動きは、この戦略への直接の挑戦だ。南シナ海の軍事拠点化は、航行の自由を脅かした前例である。深海資源の支配が次の戦場となる恐れがある。日本は南鳥島の資源を経済安全保障の柱とし、ISAで透明なルール作りを主導する。米国はUNCLOS批准で発言力を高め、日本は都市鉱山技術で深海依存を減らす。2023年、21カ国が深海採掘の一時停止を支持。環境保護のうねりは中国を抑える力だ。南シナ海の過ちを繰り返さず、深海を中国の独壇場にしない。日本は団結と覚悟で、資源大国への道を切り開くのだ。

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