2025年6月3日火曜日

第二次小泉劇場の裏に潜む増税の罠:財務省の策略と国民の選択

まとめ

  • 第二次小泉劇場:小泉進次郎農相が2025年5月26日に打ち出した備蓄米放出政策(5キロ2000円程度)は、財務省の後押しで米価を下げる簡単な施策だが、増税への抵抗感を和らげる政治的ショーと見られる。
  • 石破の減税阻止:石破茂首相は消費税減税を拒否し、2025年5月21日の「消費税率のし変更に1年かかる」発言が「虚偽答弁」と批判され、朝日新聞の擁護記事も提灯記事として非難された。
  • 財務省の影響:財務省はIMFやOECD、民放メディアに天下った官僚を通じて増税を正当化し、減税には「財源」を強調するが補助金には黙る二枚舌が矛盾を示す。
  • 政治的不安定性:2024年10月の総選挙で自公は過半数を失い、農家離反や党内対立が火種。『東洋経済』は「劇場」が自民党凋落を招くと警告。
  • 国民の対抗策:政治家の矛盾を見抜き、複数の情報源で政策の意図を議論。選挙で減税を支持する候補に投票し、財務省やメディアの増税圧力に抗議の声を上げるべき。
現在「第二次小泉劇場」と呼べるような事態が進行している。小泉進次郎農林水産大臣が2025年5月26日に打ち出した、2022年・2021年産の備蓄米を随意契約で大手小売に渡し、5キロ2000円程度で店頭に並べる政策だ。米価を下げるこの施策は、実は簡単なことだ。特に財務省が裏についていれば、随意契約で流通をコントロールし、市場価格を抑えるのは驚くほど容易い。物価高に苦しむ国民への支援に見えるが、裏では増税への道を整える政治的ショーと見られている。

第一次と第二次の小泉劇場:父と子の違い


これは、父・小泉純一郎元首相が2001年から2006年に繰り広げた「第一次小泉劇場」を彷彿とさせる。あの時は、郵政民営化を旗印に大胆な改革を掲げ、国民の喝采を浴びたが、2年で終わり、事実上の再国有化に至った。純一郎氏は消費税増税を避け、財務省を失望させたが、息子・進次郎氏の今回の動きは、財務省の影が濃く、財政健全化や社会保障改革を支える増税路線の布石だ。

石破茂首相は消費税減税を頑なに拒み、社会保障の財源確保を優先する。2025年5月21日の党首討論で、消費税率の変更には「スーパーの経営者に聞くと1年かかる」と発言し、野党が求める減税の即時実施を遠ざけた。この「1年かかる」発言は、税率変更に伴う店舗のシステム更新に時間がかかるとする主張だが、2019年の軽減税率導入では迅速な対応が可能だった実績があり、複数の情報源で「虚偽答弁」と炎上した。

現実には、単純な税率変更の場合、大手銀行や大手小売の対応に1年は過大すぎる。大手銀行はクラウド勘定系システムや自動テストを活用し、1~2カ月(最速3~4週間)で対応可能。大手小売はクラウドPOSや電子棚札で1~2.5カ月(最速3~4週間)。2025年のIT進化により、2019年の6~8カ月から大幅短縮。バッチ処理は数日~1週間で済み、1年は複雑な政策を前提としたり、システム刷新を混同した誤解と言える。中小企業(ラーメン屋1~5日、数軒のスーパー1~2週間)に比べ規模ゆえにやや遅いが、最大3~4カ月で十分。

朝日新聞は5月22日、この発言を擁護する記事を掲載し、システム変更の複雑さを強調したが、過去の実績を軽視する提灯記事として批判を浴びた。国民の不信感は高まっている。

システム変更を理由にして、消費税減税をしたくないというなら、いっそのこと、消費税ゼロにすべきではないのか。これなら銀行は3~14日(最速1~3日)、小売は5~21日(最速3~7日)。

税率計算の無効化、クラウドシステム(API更新数分、テスト1~3日)、電子棚札(値札3~7日)、簡素な教育(1~7日)により、2019年の6~8カ月や単純減税の1~2.5カ月から大幅短縮。中小(ラーメン屋1~3日、スーパーチェーン5~14日)に比べ規模でやや遅いが、1カ月以内で十分だ。

さらに、石破は2024年10月13日のNHK討論で「日本の財政はギリシャ並み」と発言し、財政危機を強調して増税の必要性を訴えた。この発言は、ギリシャの債務危機(2010年代初頭)に言及し、国民に緊迫感を植え付ける狙いだが、その事実はなく、錯誤による過剰な危機感の煽りと批判された。国民の不信感は高まっている。

財務省の影響力と二枚舌の政治

IMF=国際通貨基金は2月7日、日本経済に関する審査を終了し、声明を発表。声明で国債の利払い費や、高齢化に伴う医療費などで債務が増加する懸念を示し、「明確な財政健全化計画が必要だ」と強調しました。


2024年10月の総選挙で自民党は下院の過半数を失い、政治は不安定だ。2025年税制改革は成長と持続可能性を掲げ、中小企業の投資インセンティブ延長や法人税調整を進める。国際通貨基金(IMF)は日本の高齢化と公的債務の増大を警告し、財政再構築を迫るが、日本の財務官僚が出向している影響で、増税路線の正当性を国際的に補強している。同様の動きは経済協力開発機構(OECD)にも見られ、財務省出身者が税収不足を強調する報告書に関与し、消費税率引き上げの必要性を訴える。さらに、財務省から民放メディアに天下った官僚が、報道を通じて増税の必要性をさりげなく後押しする。こうした元官僚は、経済番組や解説記事で財政規律の重要性を強調し、減税への慎重論を広め、世論を増税路線に誘導する。これらの国際機関やメディアの圧力は、財務省の戦略と連動し、国内の増税議論を後押しする。

石破の税政策は財務省の意向を色濃く反映する。2024年9月2日、総裁選を前に金融所得課税の強化に意欲を示した。同月22日の討論会では、法人税や所得税の引き上げ余地を主張。小泉は炭素税創設をぶち上げ、増税路線を後押しした。10月10日の衆院本会議では選挙を意識し、増税発言をぼかした。10月13日、NHKの日曜討論で消費税減税を「社会保障の財源が危うい」と一蹴。2025年3月28日、参院予算委員会で減税の効果検証をちらつかせたが、4月1日の記者会見で「適当ではない」と全否定。5月9日、経済対策で減税見送りを決め、5月12日には「減税は無責任」と切り捨てた。5月21日の減税のためのシステム変更には「1年かかる」発言は、朝日新聞の擁護記事にもかかわらず、減税を遅らせる口実として批判を浴びた。

単純な税率変更の場合、大手銀行や大手小売の対応に1年は過大すぎる。大手銀行はクラウド勘定系システムや自動テストを活用し、1~2カ月(最速3~4週間)で対応可能。大手小売はクラウドPOSや電子棚札で1~2.5カ月(最速3~4週間)。軽減税率の不在や2025年のIT進化により、2019年の6~8カ月から大幅短縮。バッチ処理は数日~1週間で済み、1年は複雑な政策やシステム刷新を混同した誤解。中小企業(ラーメン屋1~5日、数軒のスーパー1~2週間)に比べ規模ゆえにやや遅いが、最大3~4カ月で十分と見られる。


小泉の備蓄米政策は、財務省の後押しがあれば米価を下げるのは簡単な仕事であり、国民の生活を支えるように見えて、増税への反発を和らげる計算ずくの動きだ。第一次小泉劇場が国民の熱狂を背景に改革を押し進めたのに対し、今回は農家離反を警戒する自民党農林族との対立が火種だ。『東洋経済』は、この「劇場」が自民党の凋落を招くと警告する。国民の不満はSNSなどを含めた複数の情報源で爆発し、小泉の人気取りに冷ややかな視線が注がれる。

矛盾と国民の選択

議員が減税には「財源が足りない」と声を上げながら、補助金には黙る矛盾も見逃せない。たとえば、減税が議論されると、税収減による社会保障の危機を強調するが、農家への補助金や小泉の備蓄米政策のような支援策には財源の話を持ち出さない。この二枚舌は、財務省が減税を抑えつつ、政治的圧力で補助金を容認する姿勢を示す。財務省は財政規律を盾に減税を封じ込めるが、補助金は農協など政治的圧力で黙認する。この矛盾は、財務省の影響力を如実に示す。小泉の備蓄米政策は補助金的な性格を持ちながら、財源問題をうやむやにし、増税への道を開く。

第二次小泉劇場の幕はあがったが・・・・・ AI生成画像

2025年度の社会保障費は38.3兆円に膨らみ、消費税以外の「ステルス増税」も囁かれる。社会保険料引き上げや間接的な税負担増が検討され、国民の負担は増すばかりだ。石破の減税阻止と小泉の「劇場」は、財務省の増税路線を支える両輪だ。第一次小泉劇場が改革の熱気で国民を巻き込んだのに対し、第二次は財務省の戦略的な後押しを受け、増税への抵抗感を和らげる舞台装置に見える。財務省はIMFやOECD、民放メディアに天下った官僚を通じて、国際的・国内的に増税を正当化する。だが、複数の情報源での批判や農家の反発は、国民の不信感が根強いことを物語る。この動きが自民党の足を引っ張りかねない危険も潜む。増税への布石は着々と進むが、国民の目はごまかせない。

有権者としてどうすべきか。政治家の二枚舌を見抜く目を持つことだ。減税には「財源が足りない」と騒ぎながら、補助金には財源を問わない議員の矛盾に気づき、財務省の影響を疑うべきだ。複数の情報源で情報を集め、政策の裏に隠れた意図を議論することが重要だ。選挙では、増税路線を押し進める候補者を見極めこれを避け、減税や生活支援を本気で掲げる議員に票を投じる。農家や中小企業など、政策の影響を受ける声を直接聞き、団結して圧力をかけるのも有効だ。財務省の国際機関や民放メディアを通じた増税正当化、朝日新聞のような提灯記事にも目を光らせ、国民の負担増を押し付ける動きに抗議の声を上げる。増税への道は巧妙に進むが、われわれ有権者が目を覚ませば、その流れを止められるだろう。

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