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2016年7月10日日曜日

【参院選】「右翼勢力が改憲と軍事化画策」警戒強める中国メディア…背景に南シナ海で米との軍事行動恐れる?―【私の論評】選挙の争点は中国封じ込めの是非も大きい(゚д゚)!


南シナ海に設置された新空港には中国南方航空の
エアバスA319型機が着陸した(新華社通信ウェブサイトより)
中国国営新華社通信は10日、参院選の投票開始後に「自民党と公明党をはじめとする改憲勢力が(憲法改正の国会発議の要件となる)3分の2以上の議席を獲得できるかが焦点となる」との記事を配信し、高い関心を示した。

新華社は、多くの日本メディアが、参院で改憲勢力が3分の2を確保できる可能性があると報じていることにも触れた。

中国の通信社、中国新聞社は10日、「安倍(晋三首相)をはじめとする日本の右翼勢力は“平和憲法”の9条改正を画策し、日本の軍事化を進めようとしてきた。自民党は民意の反発を恐れ、まず緊急事態条項を創設して改憲の先鞭(せんべん)をつけようとしている」と報じた。世論には改憲への反対意見も強いとして、「自民党は選挙期間中、改憲の議論を避けて経済や暮らしの問題を重点的に訴えた」とも指摘した。


北京の日本研究者は、中国が参院選に高い関心を示している理由について「日本で憲法が改正されれば、南シナ海などで米国と一緒に自由に軍事行動を取れるようになり、中国に対する軍事的脅威が一挙に高まると認識しているためだ」と分析した。

【私の論評】選挙の争点は中国封じ込めの是非も大きい(゚д゚)!

中国は相変わらず、頓珍漢で奇妙奇天烈な報道を繰り返すばかりです。改憲勢力が(憲法改正の国会発議の要件となる)3分の2以上なろうがなるまいが、これは日本の選挙であり、日本の選挙に関して嘴をはさむのは、単なる内政干渉に過ぎません。

しかし、それにしてもなぜこのような報道をするかといえば、やはり、選挙によって日本が変わって、中国にさらに強力に対峙することになるかもしれないことを極度に恐れているということです。

しかし、日本の選挙がどのような結果になろうと、中国には直接関係のないことです。それに、中国は日本のことを心配するよりも自国内の心配をするべきです。

本日も以下のようなニュースがありました。
中国 5年間で党政府幹部120人が自殺・異常死
7月2日に自殺した劉小華・広東省党委副書記
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、中国では習近平のいわゆる「腐敗撲滅運動」が始まってから、確かに自殺者が多いです。それについては、このブログでも以前から掲載していることです。その記事のリンクを以下に掲載します。
中国、高官ら40人超不審死 事実上「粛清」との声も 汚職撲滅キャンペーンで―【私の論評】二種類の亡霊が示す、中国の政治権力闘争は命がけであることと出鱈目さ加減!こんな国に将来はない(゚д゚)!
当時自殺した遼寧省高級人民法院(高裁)の女性副裁判長、徐安生氏(55)
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事は2014年11月5日のものです。あれから、すでにもう二年目に入っているというのに、中国では未だ高官の不審死が相次いでいるということです。

最近の舛添元東京都知事の辞任をみるまでもなく、日本ではたとえ腐敗があったにしても、自殺したり、不審死に至ることは稀で、それなりの手続きを経て辞任ということになります。

それだけ中国の権力闘争は激烈だということです。そうして、なぜ激烈になるかといえば、そもそも習近平など中国の為政者の統治の正当性が低いからです。

そもそも、中国では建国以来選挙は一度も行われたことがありません。あくまで、指名で要職が決まります。その意味では、中国には国民の付託を得た、政治家は一人も存在しません。全部が、官僚です。

日本では、議会制民主主義という制度によって、正当な手続き経て、政治家が誕生します。選挙という手続きを経た議員による政府や国会によって、政治が行われるので、統治の正当性は中国などよりはるかに強固です。そんな制度が運用されているような国では、中国のような激烈な権力闘争など起こることはありません。

中国のような国では、どこのだれともわからない統治の正当性の低い、馬の骨が何らかの手段で権力を得て、より強い権力のものが要職についているので、その権力が揺らげば、激烈な権力闘争が始まるのです。

このような中国に、日本の選挙がどうのこうのと言う資格など全くありません。日本人としては、中国には、この件に関しては「おととい来やがれ」と言ってもさしつかえないと思います。

それにしても、中国が内政干渉まがいの批判さえするほど、改憲勢力が3分の2を確保できる可能性を恐れているということです。そうして、それは、上の記事にもあるように、南シナ海での日米による集団的自衛権の行使を脅威に感じているということです。

そうして、なぜそれを恐れるかといえば、昨日もこのブログに掲載したように、中国は南シナ海を戦略型原潜の聖地にし、ここに戦略原潜を潜ませ、ここから原潜のSLBM(潜水艦発射型核弾頭)の米国までの射程距離内に原潜を定期的に航行させ、常時米国をSLBMの標的にすることを狙っているからです。

このことによって、中国は将来米国と対等の核戦略を実現することを目論んでいます。そのためには、中国は南シナ海を実効支配し、自分たちの内海にする必要があります。

しかし、日本が南シナ海で、米国とともに集団的自衛権を行使すれば、この目論見は限りなく実現不可能になります。

実際、このブログでは以下の様な記事を掲載したことがあります。
海自哨戒機、南シナ海飛行拡大へ…中国をけん制―【私の論評】これは中国にとってはかなりの脅威、南シナ海の中国の艦船と潜水艦の動きが丸裸に(゚д゚)!

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部引用します。
防衛省・自衛隊は、アフリカ・ソマリア沖で海賊対処活動に参加したP3C哨戒機が日本に帰還する際の飛行ルートを見直し、フィリピンやベトナムなど南シナ海に面する国の基地を優先的に経由させる方針を固めた。
高度な監視能力を持つP3Cの飛行範囲が、中国が「領海」と主張する南シナ海で拡大する見通しだ。「上空飛行の自由」の保護にもつながり、米軍が中国の人工島周辺で実施している巡視活動を日本が独自に支援する活動といえる。
日本の憲法が改正されたりすれば、このような活動がさらに強化され、日本が南シナ海で常時対潜哨戒活動をすることになるかもしれません。

そうなることを中国は一番恐れているのです。なぜなら、日本の対潜哨戒能力は、世界一の水準だからです。なぜそうなったかといえば、日本は米ソ冷戦の最中で、ソ連の戦略型原潜の哨戒活動により、かなりの経験を積むことができたからです。

当時のソ連は、オホーツク海を原潜の聖域としました。この海域は比較的深いところが、多くそこに戦略型原潜を潜ませれば、米国などに発見されることなく、隠密裏に行動することができたからです。

そうなると、核戦争で、ソ連内のICBM基地がことごとく米国に破壊されたとしても、戦略原潜のSLBMは生き残り、米国に報復することができるからでした。

ロシアの戦略型原潜
しかし、こうしたソ連の原潜に対して、日本は独自で対潜哨戒活動を実施し、それでかなりの経験を積んだため日本の海上自衛隊の対潜哨戒能力は世界一の水準となったのです。

ちなみに、海軍戦略における聖域(せいいき、英語:bastion)とは、友軍の海軍部隊が安全に活動できるよう堅固に防備された海域のことです。典型的には、そうした海域は友好国の海岸線によって部分的に閉ざされ、機雷による防護、センサーによる監視、さらに水上艦艇、潜水艦、哨戒機によって厳重な哨戒が実施されています。

冷戦期を通じて、ソビエト海軍の弾道ミサイル潜水艦隊にとって、聖域戦略は重要な戦略となっていました。北方艦隊によってバレンツ海が、太平洋艦隊によってオホーツク海がそれぞれ聖域化されました。両方の海域は今日のロシア海軍にとっても重要であり続けています。

中国の新型戦略原潜「晋級」(094 SSBN)
この日本の自衛隊が南シナ海で中国潜水艦の対潜哨戒活動にあたれば、中国にとっては非常に脅威です。中国の核戦略が水の泡のとなって消えてしまう可能性すらあります。

それを中国は、極度に恐れているのです。

それにして、日本の正しい進路は、中国を観察していると良くわかります。中国が本当に嫌がることこそ、日本の正しい道です。中国が大喜びして絶賛するような選挙結果であれば、日本にとっては良くないということです。今回の選挙の結果は、正しい進路を国民が選ぶことになって欲しいです。選挙の開票結果など、現在テレビで徐々に報道されつつありますが、なにやらそちらの方向性にいくような気配です。

そうなれば、日本国民は正しい選択をしたということになると思います。今回の選挙の争点は、中国封じ込めの是非を国民問うということでもあったといって過言ではないと思います。

【関連記事】

【7・10参院選 私はこれで投票する】国防に無知な政党・個人には投票しない KAZUYA氏―【私の論評】明日の選挙では、中国の顕な野望を無視する政党、個人には投票するな(゚д゚)!




2016年6月27日月曜日

英国離脱「リーマン級の経済危機」を避けるために、いま日本政府がすべき5つのことを示そう―【私の論評】投票のときの候補者見極めの方法をはこれだ(゚д゚)!

英国離脱「リーマン級の経済危機」を避けるために、いま日本政府がすべき5つのことを示そう


高橋 洋一



 参院選。各党の実力を見極める3つのポイントはここ

選挙期間中は、メディアも街中も政策のウィンドウショッピングと化す。どの政党がどのような政策を我々国民に売ってくれるのか、国民はどの政党の政策を買うのか。もちろん、すべての政策が一致する政党はまずないだろう。すると、どの点に力点を置くのか、になるが、これは個人の問題となる。

選挙ではいろいろな政策を見なければいけないが、大きなポイントは、安全保障と経済である。選挙公約を見ても、いろいろ書いてあるから、判断に迷ってしまうだろう。

そこで、安全保障と経済について、単純な質問を三つ考えてみよう。それらについて各党がどう考えるかを見ることで、どの政党に投票すべきかが簡単にわかる。各党によるテレビ討論では、そうした疑問に答えてくるときもあるので、それを参考にしてもいい。

まず、安全保障では、「自衛隊について合憲か違憲かのどちらと思うか」という質問がいい。高校や大学で憲法を習うと、自衛隊は違憲であると教わることが多い。

実際の憲法学者の大半は、自衛隊は憲法違反であるとしている。筆者が学生時代にも自衛隊は憲法違反であると習った。

しかし、社会人になったら、自衛隊は合憲であることを前提として社会の仕組みができていることがわかった。もし自衛隊が違憲であれば、将来は自衛隊をなくすべきだ。しかし、自衛隊が合憲であれば、このまま自衛隊があっていい。

ちなみに、自民、公明、おおさか維新は自衛隊を合憲としている。共産は一貫して自衛隊は違憲という立場だ。民進は自衛隊が合憲という立場である。民進は共産とこの参院選では共闘しているので、両党から推された候補者は股裂き状態になる。

具体的には、個別的自衛権の行使についてである。民進党は自衛隊合憲、個別的自衛権の行使も問題ないとしている。ただし、共産は自衛隊違憲としているので、個別的自衛権も行使できない、という立場だ。となると、両党は、一体国防をどのように行うのだろうか。

 安保も経済も、民進党はまったくなってない

26日のフジテレビの「報道2001」で、共産党の藤野政策委員長は「自衛隊は憲法違反」と明言した。NHKの「参院選特集」では、藤野氏は「軍事費は戦後、初めて5兆円を超えた。人を殺すための予算ではなく、人を支え育てる予算を優先する改革が必要だ」と述べた。

NHK日曜討論「参院特集」より

この発言には驚いたが、事実を言うなら、他国の軍隊と日本の自衛隊は異なり、人殺しはしない。むしろ、災害救助を中心に行っているので、人助けである。

人殺し防衛費というのは、共産の本音が出たのだろうが、さすがにこの発言は酷いので、これからも藤野氏が出てくるかどうかわからない(編集部注:藤野氏は後日発言を取り消した)。この共産の暴言に対して、自民、公明、おおさか維新などは良識的な反論をしていた。

次に、経済では「新卒者の就職率を高める政党はどこか」がいい質問だ。経済はいろいろな角度から見ることができるが、雇用の確保が最も重要である。雇用の確保ができないと格差問題も解決しない。職がない人と職がある人では格差が最も大きくなるからだ。

雇用の確保が大切といい、就業者数が増えていることや全国各地で有効求人倍率が1を超えているというと、すぐ非正規が増えているだけとか、賃金がまだ上がっていないという人がいるが、その人たちの意見は争点そらしであるから、注意しよう。

非正規でも増えているほうがいい。なぜなら、非正規になる前は無職だからだ。

それに「賃金、賃金」というが、無職から有職になってもはじめの賃金は低い。そのために平均の賃金を見ると下がって見えるが、いままでと同じ賃金の人がほとんどで、そこに無職で賃金なし、ではなく、平均より安い賃金の人が増えているので、下がって見えるだけだ。

このあたりの経済理論からの説明は、2015年12月21日の本コラム「民主党は雇用政策のキホンすら知らないのか…安倍政権批判のつもりが、自らの経済オンチっぷりを露呈」(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/47022)を読んでいただきたい。

 イギリス離脱のインパクトをどう見積もるか

最後に、経済分野ではここをみよ、という点を。「イギリスのEU離脱に対してどのような政策をするか」という質問は、各党の危機管理能力を示す質問だ。

まず、現状認識としては、先週の本コラムに書いたように、英国離脱が経済に与える影響は、リーマンショック級と思ったほうがいい(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48953)。

EU離脱というかつてない事態がイギリスで起こるわけで、今後のEU離脱交渉の中で予想外のことが起こるたびに、ポンドや株が売られ、円高が進みかねない。

離脱の手続きの行方はまったくわからない。EUに通知してから、2年を原則として正式に離脱が決まるが、EU側は速やかに通知すべきとする一方、肝心のイギリス側は、誰がそれを決めるのかさえ明らかでない。

キャメロン首相は10月までに辞めるが、次期首相候補とされるボリス氏は「離脱交渉を急がない」としている。この不透明感は、あらゆるビジネスを停滞させる。その停滞が不況をもたらす可能性があるのだ。

さらに、その過程の中で、EUの緊縮財政に反対する国、たとえばスペイン、イタリア、ギリシャなどの、さらなるEU離脱を誘発しかねない。そうなったら、それこそ金融混乱は繰り返して起こることとなる。

かつて、リーマンショックの際に「ハチに刺された程度」と対策を怠り深刻な円高不況を招いた過去を忘れてはいけない。

イギリスEU離脱は連鎖反応を起こし、アメリカ経済、日本経済、世界経済を悪くする可能性がある。その二の舞を避けるためには、その影響度はリーマンショック級と見ておくほうがいい。これはあくまで危機管理上の問題なので、そう見るしかないわけだ。

 「雇用」「賃金」の読み解き方

雇用は、正規雇用などの既得権のコア部分ではその変化はわかりにくく、新卒者などの既得権がなく限界的なところでの変化に顕著に表れやすい。

大学の就職率は、文科省・厚労省方が公表しているが、2016年は97.3%と、統計を取り始めた1997年以来で一番高い数字だ。実は、大学の就職率は前年の失業率に依存している(下図)。




前年の失業率が1%低下すると、就職率は3%程度上昇するという関係になっている。景気と失業率の間には、逆相関の関係がある(オークンの法則)から、これは景気がいいと新卒者の就職が楽になるという単純な事実だ。

なお、民主政権時代の2010~2012年の就職率は91~93.6%であった。データから見れば、安倍政権のほうが就職率は高くなっている。

もちろん、就職率なんてどうでもいいという人もいる。一流大学であれば、景気に関係なく就職はあまり困らないし、就職できるかどうかは景気より個人の能力と考える人は、就職率は考慮対象にしていない。

26日のテレビ討論では、自民は雇用の成果を強調したが、民進は、雇用ではなく賃金に話をすり替えた。これでは、経済政策の基本がわかっていないことが明白になってしまう。

 イギリス離脱のインパクトをどう見積もるか
最後に、経済分野ではここをみよ、という点を。「イギリスのEU離脱に対してどのような政策をするか」という質問は、各党の危機管理能力を示す質問だ。まず、現状認識としては、先週の本コラムに書いたように、英国離脱が経済に与える影響は、リーマンショック級と思ったほうがいい(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48953)。
EU離脱というかつてない事態がイギリスで起こるわけで、今後のEU離脱交渉の中で予想外のことが起こるたびに、ポンドや株が売られ、円高が進みかねない。

離脱の手続きの行方はまったくわからない。EUに通知してから、2年を原則として正式に離脱が決まるが、EU側は速やかに通知すべきとする一方、肝心のイギリス側は、誰がそれを決めるのかさえ明らかでない。

キャメロン首相は10月までに辞めるが、次期首相候補とされるボリス氏は「離脱交渉を急がない」としている。この不透明感は、あらゆるビジネスを停滞させる。その停滞が不況をもたらす可能性があるのだ。

さらに、その過程の中で、EUの緊縮財政に反対する国、たとえばスペイン、イタリア、ギリシャなどの、さらなるEU離脱を誘発しかねない。そうなったら、それこそ金融混乱は繰り返して起こることとなる。

かつて、リーマンショックの際に「ハチに刺された程度」と対策を怠り深刻な円高不況を招いた過去を忘れてはいけない。

イギリスEU離脱は連鎖反応を起こし、アメリカ経済、日本経済、世界経済を悪くする可能性がある。その二の舞を避けるためには、その影響度はリーマンショック級と見ておくほうがいい。これはあくまで危機管理上の問題なので、そう見るしかないわけだ。

 イギリス離脱対策。私ならこうする

その意味で、2017年度からの消費増税の見送りは日本にとっては正解だった。

その判断の前提であった安倍首相の「ひょっとしたらリーマンショック級のことが世界に起こりうるリスクがある」というのは(発言当初はさんざんと非難されたが)、結果として慧眼であったといえよう。もし消費増税を決めた後で、イギリスがEU離脱になったら目も当てられないことになっていたはずだ

筆者の考える危機対応策は以下の通りである。

1. 消費増税は延期ではなく、凍結にすべき。

2. 日銀の政策決定会合を臨時で開催して、量的緩和30兆円

3. 参院選後の補正予算で、財政支出 60兆円(20兆円×3年)。財源は、埋蔵金、財投債、国債。支出対象はインフラ整備、減税+給付金。

4. 事実上無制限の為替介入。そのために、今の介入枠を参院選後の補正予算で引き上げる。

5. 1と2、1と3はセット。前者がヘリコプターマネー、後者は非不胎化介入となって効果がある。

26日のテレビ討論では、英国ショックについて、自民の稲田政調会長から「安定政権、国際協調」、民進の山尾政調会長から「円安、株高に依存したアベノミクスからの転換」、共産の藤野政調会長から「アベノミクス転換、内需を強く」、公明の石田政調会長から「国際協調、政治の安定」、おおさか維新の下地政調会長から「大型補正予算、大型金融対策、為替介入の明確化」という対応策が出された。

正直言って、自公からの対応策は抽象的で、日本として何をやるのかが明確でない。民共はアベノミクスの否定であるが、第一、第二の金融政策、財政政策を否定したら、リーマンショック後の対応より酷い、無策である。この両党は危機管理能力がないと言わざるを得ない。おおさか維新だけが及第点をあげられる、と現時点では言っておこう。

【私の論評】投票のときの候補者見極めの方法をはこれだ(゚д゚)!

いつもながら、素晴らしい高橋洋一氏の分析です。来る参院選において、私達が誰に投票すれば良いのかを判断する上で、上の記事を読んでいるかいないかでは、大きな差がでてしまうことと思います。そんなこともあるので、上の記事長いのですが、全文引用させていただきました。

さて、上の記事に関しては特段付け加えることもないのですが、皆さんにより良くこの記事をご理解いただき、選挙のときの判断材料の縁としていただくために、若干説明を加えておきます。

特に、一番最後のほうのイギリス離脱対策に関する部分に関して若干の説明を加えようと思います。

1. 消費増税は延期ではなく、凍結にすべき。

高橋洋一氏は、凍結にすべきということを主張していますが、今後の政治日程などを考慮に入れると、今回の増税延期は実質上の凍結に近いものです。そのことに関しては、以前このブログでも掲載しましたので、その記事のURLを以下に掲載します。
次の消費増税にむけて財務省が打った「布石」〜「給付型奨学金」をめぐる唐突な態度変更の理由―【私の論評】負けたふりの安倍総理!年内衆院解散でデフレ根絶か?


詳細は、この記事をご覧いただくものとして以下に今回の増税は実質的な凍結に近いものであることのみを以下に引用します。
一部の経済学者など、日本は成長しないという人もいますが、これ暴論です。過去の日本がデフレでないにもかかわらず、経済成長しなかったのなら、この話も理解できまが、デフレのまっただ中では、成長しないのが当たり前です。
いずれの道を選ぶべきかといえば、当然のことながら、本当は財務省にとっても、景気が上向くまで、積極財政を実行することです。 
しかし、現在の財務省はそんなことはおかまいなしに、とにかく何が何でも増税するという姿勢は崩していません。
そのことは、安倍総理の「増税見送り」という言葉にも現れています、結局のところ未だ財務省は全面敗北はしていないので、「増税凍結」とはならなかったのです。ただし、これは実質的には、「凍結」と同じです。安倍総理は、「負けたふり」をしているのです。 
なぜなら、増税予定だった17年4月から2年半後の2019年10月といえば、安倍首相の自民党総裁任期である18年9月を過ぎてしまいます。実務的にも19年10月から増税しようとすれば、ぎりぎり19年3月ごろまでに決断すれば良いことになります。 
いずれにせよ安倍首相の任期が終わった時点なので、10%への増税をするかどうか本当に決めるのは、安倍総裁の任期が延長され首相に留任しないかぎり、次の首相という話になります。次の首相が誰になるか分からないのに加えて、次期首相が安倍首相の約束を守るかどうかもわかりません。 
いまの衆院議員の任期は18年12月です。それまでに衆院選があればもちろんですが、任期満了で総選挙になったとしても、選挙結果次第で、最終決断する19年3月時点では自民党政権が続いているかどうかさえも分かりません。 
つまり2年半後の政権が決まっていないのだから、増税がどうなるかは当然、分かりません。結局、はっきりしているのは「いまの安倍政権が続いている間は増税しません」という話だけなのです。 
延期というなら、次は実施できる条件がそろっていなくてはならないはずですが、そんな条件はいま安倍政権の手元にはありません。だから、これは再延期というより実質的には「安倍政権による凍結」というべきです。
 さて、安倍総理はこの記事でも述べたように"負けたふり"をしていると考えられるわけですが、これはかなり良いやり方です。はっきり凍結と言ってしまえば、財務省も身構えて、あるゆることで非協力的になるかもしれませんが、「延期」という言葉を使っているので、財務省の面目も保たれるわけです。

以下の2つの政策を合わせて、高橋洋一氏はヘリコプターマネーとしています。

1. 消費増税は延期ではなく、凍結にすべき。

2. 日銀の政策決定会合を臨時で開催して、量的緩和30兆円

ヘリコプターマネーとは、あたかもヘリコプターから現金をばらまくように、中央銀行あるいは政府が、対価を取らずに大量の貨幣を市中に供給する政策のことをいいます。米国の経済学者フリードマンが著書「貨幣の悪戯」で用いた寓話に由来しています。中央銀行による国債の引き受けや政府紙幣の発行などがこれにあります。


中央銀行は通常、市場に資金を供給する際、対価として民間金融機関が保有する国債や手形などの資産を買い入れます(買いオペレーション)。ヘリコプターマネーの場合、そうした対価を取らずに貨幣を発行するため、中央銀行のバランスシートは債務だけが増え、それに見合う資産は計上されず、債務超過の状態になります。その結果、中央銀行や貨幣に対する信認が損なわれる可能性があるため、平時には行われません。

ただし、現在の日本は8%増税の悪影響で、個人消費が落ち込み、GDPの伸び率が低い状況にあります。インフレ率もかなり低いです。さらに、英国のEU離脱などの悪影響も見込まれるため、とても平時といえるような状況ではありません。であれば、当然のことながら、ヘリコプターマネーを実施すべきです。

日本がデフレから完全脱却を目指し、しかももう20年近くデフレ傾向なのですから、そこから完璧にしかも素早く脱却することを目指すなら、今こそがヘリコプターマネーの実施どきです。しかも、国債の信任はあつく、ほとんど金利がゼロです。今をのがして一体いつ実行するというのでしょうか。

以下の2つの政策を高橋洋一氏は、"非不胎化介入となって効果がある"としていますが、これについての説明がないので以下に解説しておきます。

1. 消費増税は延期ではなく、凍結にすべき。

3. 参院選後の補正予算で、財政支出 60兆円(20兆円×3年)。財源は、埋蔵金、財投債、国債。支出対象はインフラ整備、減税+給付金。

そもそも「非不胎化」という日本語は、「非」と「不」の二重否定が「胎化」に被さっており、こなれていません。もともと「不胎化」は、sterilizeの経済学での訳語です。sterilizeとは、無力化するとか無効化するという意味である。「非不胎化」は、その否定でunsterilizeの訳です。

これらの英語で議論されていたころは、固定相場制が当たり前であり、いずこの政府も中央銀行の資金を使って、為替介入をしていました。



何やらこの解説だと消化不良をおこしてしまう方もいらっしゃるかもしれません、結局どういうことかといえば、ざっくり言えば1.3.の政策を実行することにより、政府や日銀は特段為替介入など何もしなくても、円安傾向にもっていけるということです。

以上高橋洋一氏の記事に解説を加えました。

以上のことを良く理解した上で、各候補者の声を聞けば、誰がまともなことを言っているのか、良くご理解いただけるものと思います。特に、経済に関してはそうです。

以上のことを良く理解しないで、投票すれば、良かれと思って投票した結果が、とんでもないことになりかねません。そんなことのないように、皆さんには是非上の内容を熟知した上で、投票をしていただきたいと思います。

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2016年6月24日金曜日

【英EU離脱】世論見誤った責任重く…辞意表明のキャメロン氏 将来に禍根―【私の論評】英国EU離脱によって、参院選はさらに与党に有利になった(゚д゚)!

【英EU離脱】世論見誤った責任重く…辞意表明のキャメロン氏 将来に禍根



英国民投票で欧州連合(EU)離脱が決まったことを受けて、24日に退陣を表明したキャメロン首相。英国経済に大きな打撃を与え、EUを弱体化させかねない離脱は世界経済を大きく動揺させた。自ら残留を主張しながら国民投票の実施に踏み切り、将来に禍根を残す結果を招いた責任は重大だ。

キャメロン氏は国民投票を巡るテレビ討論会で、一般市民から「残留を訴えるならなぜ国民投票を実施するのか」と疑問を投げ掛けられたが、その狙いは、与党保守党内にくすぶるEU懐疑勢力を世論の力で一気に封じ込め、自らの基盤を固めることだった。

24日、ロンドンで、国民投票で離脱派が勝利したことを受け、演説するキャメロン英首相
2014年のスコットランド独立を巡る住民投票を容認し、独立反対を勝ち取った経験を踏まえて、もう一度同じような手に出たといえる。しかし、大英帝国の歴史を背景とする独立意識、EUが英国経済の発展を阻害し、EU官僚が決める規則に縛られているという国民の不満は、キャメロン氏の想像を超えていた。

【私の論評】英国EU離脱によって、参院選はさらに与党に有利になった(゚д゚)!

なぜイギリスがEUを離脱したがっているのかについては以前のこのブログも掲載しましたので、それについてはその記事をご覧になってください。
英EU離脱なら「リーマン超え」衝撃波 超円高90円台 株価大暴落も 残留派女性議員射殺…―【私の論評】衝撃波はイギリスではなく日銀によってもたらされる(゚д゚)!
英国の欧州連合離脱をめぐる国民投票が迫る中、ロンドンのテムズ川で
船から残留を訴える活動家たち  写真はブログ管理人挿入 以下同じ
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下にこの記事で掲載したチャートを以下に掲載します。



この三枚のチャートをご覧になると、「離脱派の主張」、「残留派の主張」、「イギリスがEUを離脱した場合の日本への影響」が簡単にお分かりになるものと思います。

さて、日本への影響については、この記事でもすでに書きました。イギリスのEU離脱による影響は多かれ少なかれあるものと思います。しかしながら、もしリーマン・ショックのような甚大な悪影響があるとすれば、それはイギリスのEU離脱によるものというよりは、日銀の金融政策の不手際によってもたらされるであろうことを掲載しました。

なぜなら、リーマン・ショックがそうだったからです。リーマン・ショックのときは、日本以外の主要国の中央銀行がリーマン破綻による経済の悪影響を克服するため、大々的に金融緩和を行いました。

ところが、世界で日銀だけが、それを行わなかったたため、あのような円高、さらに深刻なデフレを招いてしまいました。そのため、リーマン・ショックの震源地であるアメリカや、サブプライムローンなどを手がけた投資銀行が多数存在したイギリスは、比較的早く経済を立ち直すことができました。

ところが、日本だけが日銀が金融緩和に踏み切らなかったため、日本の証券会社はサブプライムローンなどほとんど手を染めていなかったにもかかわらず、日本だけが長期間景気が落ち込み、デフレスパイラルのどん底に落ち込み、一人負けの状況に落ち込みました。


あのとき、日銀が他国と同規模の金融緩和策を実行すれば、日本だけがあのような一人負けになるどころか、リーマン・ショックそのものもなかった可能性があります。あったにしても、一時的な景気の後退程度ですんだかもしれません。

しかし、日銀がまともな金融政策をしなかったために、あのような自体を招いてしまいました。だからこそ、このブログでは、リーマン・ショックを「日銀ショック」と呼称しています。そうして、この呼称こそ、事実を的確に示していると思います。

そうして、今回ももし、イギリスがEUを離脱して、ユーロやポンドが下落したり、あるいは経済が停滞したときに、日銀が正しい金融政策を実行しなかった場合、それこそ、リーマン・ショック級の災厄に日本が見舞われる可能性は十分あると思います。

安倍総理は伊勢志摩サミットでリーマン・ショック級の災厄を予言
していたが、マスコミや野党はその発言をことごとく否定していた。
また、イギリスのEU離脱の影響が日本にも影響を及ぼした場合、財務省が主管する、財政政策が正しくなければ、リーマン・ショック級の災厄が日本を襲う可能性も十分あります。

現状では、8%増税の悪影響が継続している日本において、消費税10%に引き上げていたとしたら、かなり悪影響があり、これもリーマン・ショック級の災厄となった可能性が大きいです。

昨日は、選挙の票読みには定評のある浅川博忠氏の参院選の票読みについて掲載しました。結論からいうと、浅川氏は、自民の圧勝を予測しており、27年ぶり単独過半数獲得になる可能性を指摘していました。私もそう思います。

そうして、なぜそのようなことになったのについては、やはりあまりにも不甲斐ない民進党代表の岡田氏の行動がその根底にあることを掲載しました。詳細は、昨日の記事をご覧いただくものとして、岡田氏は安倍政権の真の救世主であるとまで酷評しました。

それでは、今回のイギリスのEU離脱に関してはどうなのでしょうか。

まずは、この件について、以下のような声明を発表しています。

「リーマン級」リスクを警戒=英国のEU離脱で-日本政府 
杉山晋輔外務事務次官
英国の国民投票で欧州連合(EU)からの離脱が多数確実となったことを受け、日本政府は経済への深刻な影響を懸念している。政府関係者は24日、取材に対し「リーマン・ショック級のリスクが発生する可能性がある」として、警戒に全力を挙げる方針を示した。 
杉山晋輔外務事務次官は記者団に対し「誠に残念だ。さまざまな影響が出てくるので、緊張感を持って適時適切に対応していく」と述べた。 
 これに先立ち世耕弘成官房副長官は同日の記者会見で「金融や為替市場に及ぼす影響を懸念している。急激な変動は望ましくなく、市場の安定が極めて重要だ。動向をしっかり注視していきたい」と述べた。(2016/06/24-13:49)
さて、岡田氏はどのような発言をしているのか、民進党のサイトから以下に掲載しておきます。

【代表談話】英国のEU離脱について

  
民進党代表 岡田克也

 本日、英国のEU残留の是非を問う国民投票の結果が判明した。英国民の判断ではあるが、EU離脱が確実となったことは大変残念である。世界経済はもとより、国際政治、欧州社会全体に与えるであろう甚大な影響を強く懸念している。 
 すでに為替、株式市場が大きく混乱している。短期的には、日本政府・日銀は、ドル資金供給など各国と協調した行動をとるとともに、急激な為替変動については適切な対応を行うなど、円高・株安のショックを緩和するための措置を迅速に講じることが必要である。 
 より重要なのは中長期的な対応である。この3年半、安倍政権は円安・株高という恵まれた経済環境のもと、金融緩和と財政出動に大きく依存し、成長戦略、構造改革を怠ってきた。その結果が、実質0.8%という低成長であり、二度にわたる消費税増税の先送りである。 
 私は選挙戦の中で、円安・株高を牽引車とするアベノミクスは、最近の円高・株安によって潮目が変わり、今や行き詰っていると繰り返し指摘してきた。今回の英国のEU離脱によって、円高・株安が更に進む可能性は極めて高い。アベノミクスの宴は終わった、と言わなければならない。 
 気がかりなのが、GPIFが運用する国民の年金資金である。すでに5兆円とも言われる損失が、今回の混乱で更に拡大する。これまでの含み益が消え去り、年金資金に穴を空ける危険性が高まっている。多くの国民は、この運用姿勢に大きな不安を抱いており、それが消費の減退を招いている。安倍政権は、速やかに運用実績を公開するとともに、2倍に引き上げた株の運用比率を引き下げるべきである。 
 英国のEU離脱というリスクを乗り越え、持続的な経済成長を実現するには、今こそ経済政策の転換が必要である。子ども・子育て、教育などの人への投資、年金など社会保障の充実の約束通りの実施、所得の公正な分配と格差の是正などによって、国民が安心して生活し、将来に希望が持てる社会をつくる。そのことが、消費を伸ばし、投資を生み、成長につながる。民進党は参院選を通じて、この「分配と成長の両立」を訴え続けていく。
岡田氏は、アベノミクスの宴は終わったとして、案にこれから外的要因で日本経済が悪化する懸念を述べています。これでは、伊勢志摩サミットのときに安倍総理が語った、リーマンショツク級の危機が起こりえることを暗に認めています。

それとGPIFについても述べていますが、私自身も本当は官僚が年金の運用に関わることには反対なのですが、かといって、年金の運用実績などは長期でみるべきであって、何か懸念があるとすぐにやり玉にあげるというのは関心できません。

そうして、最終的に「分配と成長の両立」を標榜して経済政策の転換が必要としていますが、その方法としては所得の公正な分配と格差の是正が経済を伸ばすとしています。しかし、これだけではとても経済が成長するとはとても思えません。

結局のところ、岡田代表のこの主張は、大方の国民にとって、イギリスがEUを離脱したので、景気は悪化すると主張しているだけの内容です。

これでは、また岡田代表は、安倍政権に塩を送るようなことをしているようなものです。本来ならばここで、具体的な金融政策や財政政策などをあげるべきでした。岡田代表はどこまでも、マクロ経済音痴のようです。

日本は、金融緩和、増税延期、大型補正予算とやるべきことをやらなければならず、補正予算と増税延期はもうすでに決まっています。後は黒田日銀総裁が追加金融緩和を実施するだけの状況です。

日銀黒田総裁
日銀が、大規模な追加金融感を実施した場合、日本はまたリーマン・ショック級のような災厄に見舞われることはないと思います。そうなれば、それは安倍政権による成果ということになります。やはり、今後の安倍政権の行末は日銀の追加金融頼みということになりそです。

このようなことから、今回のイギリスのEU離脱が決まったことは、何やら、参院選に安倍政権にとっては有利になるような雲行きです。

多くの場合、景気が低迷すると、与党の支持率が下がります。景気が良ければ国民は、政府の継続を選択します。閉塞感が続けば、「変化」を求めて、新たな政権を求めます。過去日本の長期政権は、すべて好景気と重なっています。経済が落ち込んでいるときは、短期で終わっています。

安倍内閣になってからやや経済が持ち直しました。増税によって、消費は落ち込み、GDP は伸びなかったのですが、雇用は劇的に改善しました。それが安倍内閣を支えています。しかし、今回のイギリスのEU離脱になり、円高株安の流れが来ると、安倍政権にはマイナスであると考えられます。

ただし、一概にそうともいえません。なぜなら、今回のイギリスのEU離脱は、岡田代表が主張しているように、外的要因が大きく、特別な有事とみるべき事態だからです。そうなると、有事に強いのは自民党です。長い間の与党の経験から、過去の危機対応能力にはそれなりの実績があります。

さらに、多くの国民には、まだまだ民主党時代の経済政策の失敗のイメージがこびりついています。閉塞感を感じながらも、では民進党に任せるか、という感覚になる人は少ないです。東日本大震災や、同時に発生した原発事故などの有事にみせた、当時の民主党の体たらくぶりも多くの有権者の脳裏にこびりついています。

以上のことを考えると、イギリスのEU離脱により、参院選はさらに与党に有利、野党に不利ということになりそうです。

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2016年6月20日月曜日

【2016参院選】ジャーナリスト青山繁晴氏「安倍首相から打診あった」 自民から比例代表で出馬へ―【私の論評】青山繁晴の伝説と、主張はこれだ(゚д゚)!


参院選に自民党から比例代表で立候補する青山繁晴氏=20日午後、大阪市内
 参院選(22日公示、7月10日投開票)に、自民党から比例代表で立候補する民間シンクタンク「独立総合研究所」社長でジャーナリストの青山繁晴(しげはる)氏(63)が20日午後、大阪市北区の帝国ホテル大阪で記者会見し、「日本は既得権益でがんじがらめ。それを打ち壊し、経済も社会も汚れた政治も変えるためには、僕自身の人生も壊さざるを得ないと考えた」などと出馬の動機を語った。

 青山氏は、元共同通信記者で退社後に同研究所を設立。テレビの報道番組にも出演し、政治や外交、安全保障など幅広い分野で積極的に発言している。

 会見では、今年1月に世耕弘成官房副長官から打診を受け、先週には安倍晋三首相からも「参院選に出てもらいたい」と電話があったことを明かした。

 政党名は明かさなかったものの記者時代から立候補の誘いはあったとし、これまでは「政治家は嫌い。自分を売り込むことを優先する生き方はなじまない」と断ってきたと説明した。

 会見は青山氏自身が進行役を務め、冒頭で立候補の経緯を説明。その後、記者からの質問に応じ、約1時間20分にも及んだ。

【私の論評】青山繁晴の伝説と、主張はこれだ(゚д゚)!

多くの人には、本日このニュースはサプライズだったのではないかと思います。しかし、実は、一般の人にはわからない形ながら、ご自身のブログ「青山繁晴の道すがらエッセイ/On the Raod」には、出馬について考えていることをすでに掲載していました。

その記事の、URLを以下に掲載します。13日の時点で掲載していました。
正直、悩んでいます。
私は、この記事を読んで、おそらく青山繁晴氏は、出馬するのではないかと考えていました。

そうして、今日の青山氏出馬のニュースです。本日、このブログをみてみると、ブログのトップに青山氏の出馬への掲載のほどが掲載されていました。以下にそれをそのまま掲載させていただきます。


みなさん、ずっと一緒に考えてきましたね。ついに一緒に立つときが来ました。たったひとつの日本で分かれて争うことを克服し、これまでの利権も私利私欲もみな超えて、ジャパンオリジナルの民主主義の国造りを一緒にやりましょう。
1期しかやりません。悪しき職業政治家にならないためです。
政治献金は個人・企業団体を問わず1円たりとも受け取りません。「政治はボランティアだ」という始まりにしたいからです。
経済のタブーを破ります。農業の輸出産業への大転換、日本にはできないはずだった資源産業の勃興、それらを通じて日本とアジアの経済新生を志します。
安全保障・外交のタブーを破ります。拉致被害者の生還、竹島と北方領土の回復、尖閣諸島の防衛を、一新した手法で実行します。
動機
おのれを売り込みたくないから、政治家だけにはなりたくなかった。
それが急転、出馬を決意したのは、みずからの人生を壊してしまってでも国難に立ち向かい、国益にのみ身を尽くし切ろうと不肖ながら考えたからです。
いまは国難なのか。
みんなが日本経済とご自分の生活、仕事、家族の今日と明日が心配でならない。
百人を超えるかもしれない同胞(はらから)を救出できないまま、そのご両親が高齢化し、沖縄県でも島根県でも北海道でも、そして東京都の小笠原諸島までぼくらの領土が脅かされている。
これを国難としっかり捉え直すことが、ぼくらの再出発ではないでしょうか。

プロフィール
1952年兵庫県の神戸市生まれ、加西市育ち。姫路市の淳心学院中高卒。慶應義塾大学文学部中退、早稲田大学政経学部卒。共同通信社に入社し、徳島支局、京都支局で事件記者、大阪支社で経済部記者を経て東京本社政治部。総理官邸、外務省、防衛庁などを担当し「昭和天皇の吐血」、「日米安保の再定義」など歴史的スクープを連発。三菱総合研究所の研究員に転身後、日本初の独立系シンクタンクの独立総合研究所を創立、代表取締役社長・兼・首席研究員に就任。海上保安庁政策アドバイザー、総務省消防審議会委員など多くの公職を無償で務める。東京大学教養学部、近畿大学経済学部、防衛省幹部研修、消防大学校、関東管区警察学校で教鞭も執っている。テレビ・ラジオ参加「水曜アンカー」(関テレ)、「たかじんnoマネー」(テレビ大阪)、「ザ・ボイス」(ニッポン放送)など多数、ベストセラー「ぼくらの祖国」、「壊れた地球儀の直し方」など多数。趣味もモータースポーツ(A級ライセンス)、アルペンスキー、スキューバダイビング(PADIライセンス)、乗馬、映画など多彩。妻はメタンハイドレート研究の青山千春博士。男の子二人、愛犬ポメラニアンの青山繁子。東京都港区在住。

青山繁晴氏は、最近ではあまりこのブログでは引用していませんが、数年前までは、良くその意見など掲載させていただいてました。特に、あの「水曜アンカー」は毎週のように視聴させていただいていました。

あの番組が終わった後からも、YouTubeの「動画」は良く視聴させていただいていました。その中でも、良く視聴しているものを以下に掲載させていいだきます。



この動画、今月6日のものです。そのため、参院選出馬については全く触れていません。おそらく、何週間後かのこの動画でも、その決意のほどを述べられるのではないかと思います。


さて、以下には、他のメディアには掲載されていない青山氏の伝説や、その主張など掲載させていただきます。

伝説の数々
がんが見つかっても約束した相手に迷惑をかけるといけないからと3ヶ月も仕事を続行 
大腸がんの手術完了後5日で仕事を再開 
がんになった後体内年齢が2歳若返る 
スキー中、不慮の事故で腰骨を複雑骨折。しかしコルセットを装着して翌日から予定通り仕事を続行 
福島第一原発事故の後、カメラを持って単身で福島第1原発を取材。なんと事故後初めて現場入りし取材した民間人とのこと。 
イラク戦争の取材中、新生イラク軍に逮捕されるも近くに隠れていたアメリカ兵に声をかけて解放される 
仕事上駆使している英語は取り立てて勉強して習得したものではない。本人曰く「15分集中して聞いていれば外国語だろうが大方聞き取れるようになる」 
青山氏愛用パソコンの取引価格は5億円強 
60歳を超えても日本各地だけでなく世界中を飛び回り、戦闘機にも乗る 
防衛省の高官と直接交渉して硫黄島の普段は立ち入れない地域へも入って取材をする
主張
自衛隊の国軍化には賛成しているが、核兵器の保有については、戦いに無関係である一般市民を無差別に殺傷してしまう危険の高さから、核保有反対が少数意見になろうとも命ある限り核(兵器保有)に反対するとしている。 
靖国神社は私的な施設にしておくのではなく、国家と国民によって護持する事が不可欠であるとしついる。 
反日工作によって、在米中国人・韓国人による在米日本人への嫌がらせが深刻化しており、彼らの子供への吊るし上げなどの酷い虐め行為が横行していることを憂い、彼らを救うべく活動している。 
日本人の戦後の自虐史観を払拭すべく、日本の協力を受けて祖国インドを独立に導いた英雄スバス・チャンドラ・ボースの名を冠した『チャンドラ・ボース・ジャパン大学』の創設を安倍晋三首相に提案し、日本とインドを行き来しながら創設活動を行っている。
日本にとって夢の資源とされるメタンハイドレート。その開発の障害となっているのは技術的問題ではなく、既得権益なのかもしれません。テレビなどでもお馴染みのシンクタンク経営・青山繁晴氏が、独自に調査活動を続けていました。独立総合研究所では、これを採掘するための特許も取得しています。
 久々に、インパクトのある候補者がでてきたと思います。おそらく、当選することになると思います。参議院議員になられたら、どのような活躍をするのか今から楽しみです。

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2016年5月9日月曜日

【2016参院選】憲法学者の小林節氏が出馬表明 「国民怒りの声」設立 「反安倍政権」旗印に10人以上擁立目指す―【私の論評】無論参院選でかなりの惨敗を喫して有名無実になるだけ(・・;)

【2016参院選】憲法学者の小林節氏が出馬表明 「国民怒りの声」設立 「反安倍政権」旗印に10人以上擁立目指す 

テレビのキャプチャ画像 小林節氏はつい最近まで改憲論者だった

憲法学者の小林節慶応大名誉教授(67)が9日、都内で記者会見し、夏の参院選比例代表に政治団体「国民怒りの声」を設立して出馬する考えを表明した。安全保障関連法廃止や言論の自由確保、憲法改正阻止などを掲げて「反安倍晋三政権」を訴えた。公職選挙法で政党に準じた選挙運動ができる「確認団体」とするために、小林氏も含め候補者10人の擁立を目指す。

小林氏は記者会見で、安保関連法を成立させた安倍政権を「公然と憲法を破った。立憲主義の危機だ。戦争の危険を現実のものにした」などと批判し、打倒を宣言。「安倍政権の暴走を止めたい」として、参院選で自民、公明両党の与党や民進、共産両党などの野党でもない「第三の旗」として無党派層の受け皿となる意向を示した。

具体的な政策としては、来年4月の消費税率10%への引き上げ延期、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設反対、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の再交渉、原発廃止、戦争法廃止、「憲法改悪」反対などを掲げた。

小林氏は民進党や共産党、市民団体などの集会に積極的に参加し、安倍首相の政権運営を批判していた。参院選改選数1の1人区では「野党統一候補」の擁立を積極的に促し、民進党の一部議員らと野党間で比例代表の統一名簿をつくることも画策したが、民進党執行部は統一名簿への参加を拒否していた。

【私の論評】無論参院選でかなりの惨敗を喫して有名無実になるだけ(・・;)

統一名簿方式による野党共闘を唱え続けてきた憲法学者の小林節・慶大名誉教授が、きょう、新党を発足させた。党名は「国民怒りの声」。
 基本政策は― 
1、言論の自由の回復(メディアへの不介入)
2、消費税再増税の延期と行財政改革
3、辺野古新基地建設の中止と対米再交渉
4、TPP不承認と再交渉
5、原発の廃止と新エネルギーへの転換
6、戦争法の廃止と関連予算の福祉・教育への転換 / 改悪労働法制の改正等により共生社会の実現
7、憲法改悪の阻止
7月の参院選挙には小林代表自ら比例区に立候補します。
小林節氏の政治団体「国民の怒りの声」に関して、石平氏が以下の様なツイートをしています。
全く、石平氏の言うとおりです。私自身は、当然のことながら、全く怒っていないですし、怒っていない国民がほとんどだと思います。ごく一部のパヨク連中が、怒っているようなポーズをみせているだけだと思います。

一部のパヨクにしても、安倍政権を打倒するための政治的に駆け引きとして、怒って見せているだけだと思います。 誰も本気で、怒りまくっている人などいないと思います。ごく一部の他社に操られ、扇動されやすい人が、わけもわからず怒っているだけでしょう。

しかし、これに対していわゆる「リベラル」派の人たちが、今朝から喜んでこのニュースをリツートしているのが、散見されました。本当に煽られやすいだけの鈍感な連中だと、思ってしまいました。

最近は、安倍政権をひきずりおろすためなら、もうネットの揚げ足取りレベルや安手の陰謀論まで持ち出す始末ですから、ある意味、ネタが尽きてきたので、小林節氏はこのような愚挙にでたのかもしれません。

それにしても、小林節氏の書籍は読ませていただいたこともありますが、それこそ自民党と安倍氏に対する尋常ではない恨みと言いのでしょうか、極端なことをいうと親の仇とでもいうのでしょうか、そういった鬼気迫るものを感じますが、なぜそこまで恨むのか正直いって私には全く理解しかねます。

私自身は、あのお坊ちゃん大学の成蹊学園で何不自由なく育って大学生の時からクルマ乗って箱根に行っていた安倍さんに関しては、とてもそこにヒトラー的な要素を見出すことはできませんし、個人的には好きでも嫌いでもありません。そうして、到底安倍総理が戦争を推進しているとは思えません。

学生時代の安倍晋三氏 右のダッフルコートを着た青年
とはいいながら、経済政策や安全保障などに関しては、決してベストとは思っていませんが、他の人よりははるかにましだとお思っているので、安倍政権を支持しているだけです。それ以上でもそれ以下でもありません。そもそも、安倍総理を好きか、嫌いかと言われても、個人的には直接会って長時間話したこともないですし、二三度遠くから、見たことがある程度です。

だから、好きにも嫌いにもなりようがありません。ただただ、安倍総理がかかげる政策が決してベストではないものの、他の人よりはましということです。もっと、こうしたら良いではないかと思うこともしばしばありますが、それでも、私は政治家ではないので、国会で直接モノをいうこともできないわけですから、少しでも自分の考えに近い安倍政権を支持しているのです。

しかし、そもそも、政治というのはこういうものではないかと思います。何から何まで自分の思い通りなどできるはずもありません。それがしたければ、自ら政治家になって与党になり、それでも駄目です。何もかも自分の思い通りということなら、独裁者になるしかありません。そのようなことは、今の日本というか、先進国などでは、全く不可能です。

こんなことを考えると、小林節氏が「国民怒りの声」などの政治団体を創設して、参院選に出馬しても、小林節氏が思うように、安倍政権を打倒することなど不可能としか思えません。

そもそも、小林節氏は、もともとは改憲派であったはずです。それに関しては、このブログにも以前掲載したことがあります。

その記事のリンクを以下に掲載します。
反安保の急先鋒となったあの憲法学者の「いかがわしさ」を明かそう ~わずか2年前は「解釈改憲論者」。だから彼らを信用できない!―【私の論評】虚実皮膜の間も成り立たない180度時代に逆行した転換(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、一部以下に引用します。
小林教授と岡田代表に共通しているのは、程度の差こそあれ、集団的自衛権について当初は容認していた姿勢を後になって修正し、否定する。ところが「転向」を外に向けて説明しない点である。 
意見を変えてはいけないとは言わないが、少なくとも小林教授や岡田代表はなぜ変えたのか、本人が説明すべきではないか。私はこれほど重要な問題で、小林教授のように正反対に意見を変えておきながら「私が言ったとはとうてい信じられない」と国会で居直る姿勢には、それこそ信じられない思いがする。 
発言自体を「なかったことにする」姿勢は政治やジャーナリズムの世界だったら、完全にアウトだ。学者の世界ではそれが通用するのだろうか。そんな学者のいかがわしさを明白な証拠をもって世間に示したのは、間違いなく小林教授の功績である。
この記事にも掲載したのですが、以下に改めて、小林節氏の主張の変化について掲載しておきます。

小林節氏は、改憲派から護憲派に転じた理由について、私が知り得る範囲では、「孫娘がどうとか」という理由にもならない理由を語ったことはありますが、まともに説明したことはなく、これでは説明責任を果たしたとはいえない状況です。


小林節・慶応大教授は、かつて産経新聞に政府の責任で解釈変更が可能と寄稿し、わずか2年少し前にも集団的自衛権行使を認めるべきで、憲法改正をせずに政府の解釈変更で可能と公言していました。いまでも市場に流通している自身の教科書で、「自衛軍」合憲説を唱え、無限定に集団的自衛権行使を容認する説をとっていました。

しかし、安保反対派メディアがこの点に触れることはまずありません。現在、小林名誉教授は、限定的であれ集団的自衛権を容認する解釈変更は一切許されないし、集団的自衛権容認は政策的にも愚かで専守防衛に徹すべき、という主張に変更しています。
「政府は憲法の立法趣旨に照らして、集団的自衛権を自らの解釈で自制していますが、このままだと日本は、他国に攻められたときに自分たちだけで自衛しなくてはいけません。『襲われたら同盟国が報復にゆく』というメッセージを打ち出せる集団的自衛権は、他国の侵略を牽制する意味においてもメリットがあります。 
だから、改めて『日本は集団的自衛権を持っている』と解釈を変更するべきでしょう。今の日本は海外派兵を自制しているため、自国が侵略されそうなときは同盟国である米国に助けてもらえる一方、米国が侵略されそうなときには助けにいけない。日米安保条約は片務条約になっています。これまで日本は、9条のお陰で日米安保にタダ乗りし、米国の傘下で安心して経済発展に邁進することができた。 
でも、これだけの大国になった今、それでは済まないでしょう。今後、集団的自衛権を認めれば、日米安保が強化され、日本の領土をより安全に守ることができるようになるはず。」 
――憲法を改正しなくても、集団的自衛権は現段階でも解釈次第で行使することができるというわけですね。 
「できます。ただし、念のため制約を持たせるとすれば、同盟国からの要請だけで海外派兵を決めるのではなく、国連議決とさらに事前に国内で国会決議も行うようにしたほうがいいと思います。」 
出典:「権力者はやりたい放題、国民の義務ばかりが増える 日本人が知らない自民党憲法改正案の意義とリスク ――小林節・慶應義塾大学法学部教授に聞く」(ダイヤモンド・オンライン2013年7月26日)

このように、自身の中で矛盾を抱えている人が、畑違いの参院選に出馬しても、新たな潮流を創りだすことは不可能です。そのあたりは、さすがの民進党も少なくとも選挙の基本は、心得ていて「国民の怒りの声」は民進党執行部は統一名簿への参加を拒否されています。

この状況では、無論参院選でかなりの惨敗を喫して、「国民の怒りの声」は有名無実となることでしょう。まさに、箸にも棒にもかからないとはこのことです。出馬する方々は、全員泡沫候補となり、誰一人当選する人いないでしょう。そもそも、小林節氏も、ほとんど知名度がありません。

自分では、昨年の安保法案で国会で公聴人陳述をしたり、メディアでかなり取り上げられたり、さらには自らも公演をして歩いたので、知名度は相当あると思っているのかもしれませんが、おそらくパヨクの方々でも知らないという人がほとんどだと思います。

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