2013年10月11日金曜日

「ニコポン宰相」の決断力に学べ 評論家、拓殖大学大学院教授・遠藤浩一―【私の論評】安部総理にとって増税は、今日の妥協や蹉跌か?目指すは「戦後体制からの脱却だ!そのために私たちができることは何だろう?

「ニコポン宰相」の決断力に学べ 評論家、拓殖大学大学院教授・遠藤浩一
桂太郎

≪没後百年の桂太郎を再評価≫

 明治末期の首相、桂太郎が没したのは、大正2(1913)年10月10日だったから、今日は、没後100年に当たる。

 ニコニコ笑いながら相手の肩をポンと叩(たた)いて懐柔していったことから、「ニコポン宰相」などと呼ばれた。そこには何となく揶揄(やゆ)の響きがある。なるほど伊藤博文や山縣有朋などと比べると、やや影が薄い印象で、近代日本政治史では脇役のように扱われてきた。

 しかし近年、小林道彦氏(北九州市立大学教授)の丹念な研究をはじめとして、再評価の動きが広がっている。

 徳富蘇峰は「桂公を誤解したる者の為(た)めに、其(そ)の誤解を悲しむ」と述べているが、桂の果たしたこと、果たし得なかったことについて、真剣に検討する必要があるのではないか。

 実際、宰相としての桂の業績は瞠目(どうもく)に値する。日英同盟締結、日露戦争の開戦と勝利、韓国合邦化による朝鮮半島政策をめぐる混乱の収束、関税自主権の回復、大逆事件の処理、そして立憲同志会(桂新党)の設立。個別に賛否はあろうが、ともあれ、これだけのことを1人の宰相が次々に成し遂げていったという事実は重い。

 通算在職2886日は憲政史上最長である。果たすべき目標を持つ宰相は権力への意志が明確だし、権力の方も決して彼を突き放そうとはしない。桂太郎こそ、明治国家を完成させた宰相だったといっていい。

 ただし、大きな決断には、常に激しい反対がつきものである。日英同盟は、日露協商論がこれに対抗した。日露開戦時も、開戦やむなしとする見方で要路はほぼ一致したにせよ、対露交渉については強硬論と慎重論が対峙(たいじ)した。戦後、賠償金や北樺太割譲を断念した講和について、一部の政敵は激しく批判し、世論もこれに煽(あお)られ激高して、暴動に発展した。日韓併合も強引に進めたわけではない。慎重な合意形成を経て日韓条約締結にいたったのである。

 ≪事決するや断乎として動かず≫

 対立が起これば、それは必然的に政争へと発展する。桂も、好むと好まざるとにかかわらず政争に巻き込まれていったし、その過程で、断念せざるを得なかった課題もあった。新橋から下関にいたる鉄道を広軌化し、朝鮮半島及び満州の鉄道と結んでヒトとモノの往来を緊密にしようとの構想は、結局、日の目を見なかった。

 “ニコポン”の綽名(あだな)が示すように、桂は調整型の政治家と目されている。確かに彼は、政治というものが調整や妥協の産物であることを熟知していた。

 が、調整や妥協それ自体を目的としていたわけではなかった。ひとたび事を決するや断乎(だんこ)として動かず、というのが彼の本質であり、したがって、“ニコポン”は決断した施策を遂行するための武器であった。今日の妥協や蹉跌(さてつ)は明日勝利するための準備にほかならなかった。

 晩年、政友会と競争しうる政党(立憲同志会)を自ら育てて、政党政治を軌道に乗せようとしたが、これは存命中に日の目を見ることはなかった。

 桂と西園寺公望が交互に政権を担当した「桂園時代」(明治39~大正2年)は、藩閥官僚政治から政党政治への過渡期だった。山縣の下で藩閥官僚ないし軍人として頭角をあらわした桂は、しかし藩閥官僚が主導する統治はやがて行き詰まり、政党政治に移行せざるを得ないと観念していた。政党政治を機能させるには、政友会のほかに強力な政党を育て、両者の競合関係の中で、全体として政党を鍛え上げる必要があると考えた。そこに憲政の要諦があるのであり、その意味で、憲政を擁護し閥族を掃蕩(そうとう)し得るのは自分を措いてないと、内心自負してもいた。

 ≪安倍氏本来の姿勢にも通底≫

 しかし、山縣を頂点とする藩閥官僚と政友会など既成政党からの挟撃にあい、既成政党が繰り広げた倒閣運動は国民運動へと発展した。万策尽きた桂は大正2年、第3次内閣を総辞職し、数カ月後、失意のうちにこの世を去る。最後の試みこそ失敗に終わったが、桂が藩閥官僚政治から政党政治への橋渡し役を務めようとした事実は見逃せない。

 こう見てくると、今日の政治指導者への示唆が少なくないことに気付かされる。


 安倍晋三首相も経済再建、財政の安定化、集団的自衛権行使、靖国神社参拝、教育再生、そして憲法改正など、多端かつ重要な課題について、決断したことを着実に実行していかなければならない立場にある。そうそう、政党政治の育成という百年来の課題もある。桂は政党政治というものの困難を見越したうえで、敢えてそれを引き受けようとした。


 安倍氏もおそらく、大衆民主主義における政治指導の困難を噛(か)みしめながら多くの決断を重ねているに違いない。その際、肝要なのは手段と目的の峻別(しゅんべつ)であり、ひとたび事を決するや断乎として動かずという桂と通底する(安倍氏本来の)姿勢ではないだろうか。(えんどう こういち)14:20 2013/10/08

【私の論評】安部総理にとって増税は、今日の妥協や蹉跌か?目指すは「戦後体制からの脱却だ!そのために私たちができることは何だろう?
上の記事で紹介している、桂五郎のすごさは、やはり以下の一文につきると思います。
『今日の妥協や蹉跌(さてつ)は明日勝利するための準備にほかならなかった』。

そうして、今日の安部総理にとっての最大の蹉跌は、来年4月からの消費税増税を決めたことだと思います。



なぜなら、来年4月からの増税はどう考えても、安部総理が考えている、経済対策とは相入れないないからです。安部総理の経済対策の三本の矢は、金融緩和、積極財政、経済成長です。金融緩和については、すでに今年の4月より、日銀が異次元の包括的金融緩和をしています。

その次の積極財政はまだ、現実には始動していませんが、国土強靭化などが予定されています。そうして、積極財政と増税は全く相入れないものです。増税は、積極財政の一環といえるものではありません。緊縮財政の方策です。積極財政をするというのなら、減税するのが本来の筋です。安部総理としては、これは、本来は絶対やりたくなかったことだと思います。

しかし、政局がらみで、忸怩たる思いで、増税せざるを得なかったものと思います。これに関しては、以前このブログにも掲載したことがありますので、その記事のURLを以下に掲載します。
【高橋洋一の俗説を撃つ!】消費税増税決定の過去そして未来―【私の論評】安倍総理は、平成15年度予定10%増税をしない!なぜなら、安倍長期政権を樹立して、最終的には「戦後体制からの脱却」を目指しているからだ(゚д゚)!
詳細はこの記事をご覧いただくものとして、以下に安部総理の今回の増税に関する、苦渋の意思決定に関する部分のみコピペさせていただきます。
もし、今回増税に踏み切れば何が起こったかといえば、国民からの支持は絶大なものになったかもしれませんが、自民党内部は分列することとなり、完璧に反安倍派が台頭することになったことでしょう。そうなれば、次の総裁選では、安部総理が勝てる見込みがなくなります。
増税が見送りになっても、安部長期政権は成立しなかったものと思います。おそらく、今期限りで安部総裁、総理は終わったと思います。
安倍総理は、増税しても、長期政権を狙うか、増税を見送り、短期政権で終わるのか、いずれかの道の選択を迫られたのです。
そうして、結局今回は苦渋の決断で、増税しても、安部長期政権を選んだということです。皆さんは、どう思われたかわかりませんが、私は、あの増税の発表の時に安倍総理は、心の中では泣いていたと思います。国民に対して申し訳ない気持ちでいっぱいだったと思います。
長期政権を狙うためとはいえ、国民に対して増税という形で負担を強いること、さらには、一方では金融緩和を行い、もう一方では、緊縮財政(増税は緊縮の一環です)を行うことの矛盾は安倍総理が一番理解していると思います。
上記に示したように、今回安部総理は、原則論に従って増税見送りをすることはできたと思います。しかし、現実の政局がそれを許さなかったということです。安部総理の目指す「戦後体制からの脱却」の一環でもある経済対策もそんなにすんなりとはいかないということです。私も、今回は、「戦後体制からの脱却」一里塚でもある、経済対策もそんなにすんなりいくものではないことを思い知らされました。
敵国条項は今でも生きている
桂の時代の日本は、小国で、経済的にもとるに足らない国ではありましたか、正真正銘の独立国でした。現在の日本は、戦後半世紀以上を経ているというのに、未だ「戦後体制」にどっぷりと漬かっています。国連では未だ第二次世界大戦の敗戦国である、ドイツと日本に対しては、敵国条項が生きています。


日本は、経済大国になったものの、未だ自国を自国の手だけで守ることすらできないという状態にあります。桂の時代とは異なるこの「戦後体制」のくびきの中での、まともな政党政治を成り立たせることは本当に困難なことです。「戦後体制からの脱却」を最終目的と考えた場合、安部総理の周りは自民党の内部はもとより、野党、そうして官僚そうして、マスコミもほとんどが敵です。というより、あまりにも長い間「戦後体制」にどっぷりと浸かってしまって、それが普通になり、「戦後体制」でない日本のことを想像することもできないような人々が日本の枢要な部分を占めてしまっているというのが実情です。

ソビエトは20世紀に崩壊

この幾重にも囲まれた、抵抗勢力に抗い、「戦後体制」を貫くことは、並大抵のことでできることではありません。時には、妥協したり、時には一歩進んで二歩後退ということも十分あり得ます。今回の増税だけではなく、これからも様々ことがあると思います。

しかしながら、現代の日本は桂の時代とずいぶん異なることもあります。それは、桂の時代にはなかった、インターネットがあるということです。それだけではなく、今では、スマホがあり、SNSもあり、いわゆる草の根の勢力が世論を形成するかなり、こともできるようになりました。たとえば、今年の参院選の赤池議員の誕生などは、象徴的な出来事でもありました。

1991年ソビエト崩壊の年に撮影したロシアの少女

ですから、私たちのこの困難な時代においても、桂の時代のような大変革を起こせる潜在的な可能性は、十分あります。ソビエト連邦が滅んだことは、皆さんは、ご存知のことと思います。このソビエト連邦が、崩壊するわずか数年前に、私は、20世紀中のソビエト連邦の崩壊の可能性を周りの人に話したことがあります。

その時の周りの人の反応は、「それはあり得ない」というものてした。しかし、現実には、ソビエトはこの世から消えました。その理由は簡単です、ソビエト体制は、時代の要請や、時代の流れにまったく沿っていなかったからです。無理な体制は、必ず崩壊するのです。

一見今日強固に見える「戦後体制」も、もう時代の要請や、時代の流れにはもう、沿ってはいません。アジア諸国も、中国、韓国を除いては、日本の再軍備化を強く望むようにさえなっています。

この時代の変化をみれば、「戦後体制」もいつまでも続くものではなく、いずれ崩壊するものと思います。その日は、戦後体制のほころびが目立ってきた、今日、意外と早いかもしれません。少なくとも、50年、100年などと言う人もいますが、そこまでいかないうちに瓦解すると思います。そもそも、欧米は、世界の経済の中心ではありません。経済の中心がアジアになるのははっきりしています。その中で、中国の台頭を許しておけば、世界の安定は保てません。米中二極体制など、中国の儚い夢に過ぎません。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか!(◎_◎;)

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2013年10月9日水曜日

日本の「成人力」世界で突出 「読解力」「数的思考力」トップ OECD調査―【私の論評】本当に重要なのは、モノでもカネでもない、新しい意味での「知識」だ!これがある限り日本は世界一!

日本の「成人力」世界で突出 「読解力」「数的思考力」トップ OECD調査

 社会生活で求められる成人の能力を測定した初めての「国際成人力調査」(PIAAC=ピアック)で、経済協力開発機構(OECD)加盟など先進24カ国・地域のうち、日本の国別平均点が「読解力」と「数的思考力」でトップだったことが8日、分かった。日本は各国に比べ、成績の下位者の割合が最も少なく、全体的に国民の社会適応能力が高かった。また、生産現場の労働者などいわゆるブルーカラーの能力が高いことも分かった。

 この調査はOECDが平成23年8月から翌年2月にかけ世界24カ国・地域の16~65歳の成人約15万7千人を対象に実施。日本では男女1万1千人を対象にして5173人が回答した。(1)社会に氾濫する言語情報を理解し利用する「読解力」(2)数学的な情報を分析し利用する「数的思考力」(3)パソコンなど「ITを活用した問題解決能力」-の3つの社会適応能力を調べた。




 それによると、日本は「読解力」の平均点が500点満点中296点で、OECD平均273点を大きく上回り1位になった。「数的思考力」も、OECD平均269点に対し日本は288点で、2位のフィンランドに6点の差をつけて1位だった。

 読解力と数的思考力の得点を「レベル1未満」から「レベル5」まで6段階にわけて分析したところ、日本は下位の「レベル1未満」と「レベル1」の解答者の割合が各国の中で最も少なく、逆に上位の「レベル3」と「レベル4」の割合が最も多かった。最上位の「レベル5」の割合は読解力で4番目、数的思考力で6番目だった。



 職業別にみると、各国では現場作業員や農林水産業者らいわゆるブルーカラーの平均点が、事務職やサービス業などいわゆるホワイトカラーの平均点に比べて明らかに低かった。しかし日本ではブルーカラーのレベルも高く、各国のホワイトカラーと同程度か、それ以上だった。

 一方「レベル1未満」から「レベル3」まで4段階で評価された「ITを活用した問題解決能力」については、日本は「レベル2」と「レベル3」の上位者の割合が35%にとどまりOECD平均の34%とほぼ同じだった。文部科学省では「ITの習熟度では課題が残ったが、全体的なレベルが高かったのは基礎基本を重視する義務教育の成果だ。このレベルを維持し、向上していきたい」としている。

【私の論評】本当重要なのは、モノでもカネでもない新しい意味での知識これがある限り日本世界一(゚д゚)!


上の調査の結果は、当然といえば当然です。最近日本の子供の学力は相対的に昔よりは落ちてる傾向がありますが、成人となるとこのくらいの差が出るのは当たり前です。

それは、何もこのような調査をしなくても、感覚的に理解できるところです。アメリカでは、地方や、労働者階層ということになると、かなり知的レベルは劣り、まともな話しなどできません。こんな言い方をすると、傲慢不遜に受け取られるかもしれませんが、日本と違って世界の他の国々は、明らかに階層があります。緩いきついだけで、多かれ少なかれ階層があります。特に、イギリスなどは、労働者階級の子供に生まれれば、偉くなるのは、教職か聖職者しかないというのが実情です。ただし、誤解のないように言っておきますが、私は階層社会が良いとか、悪いとか価値判断をするつもりはありません。現実として、日本以外の国には厳然として階層があるということを言いたいだけです。

イギリスのジェントルマンはもともとは、紳士という意味ではない、階層の呼び名である

それは、ドイツでさえ例外ではありません。ここが、日本と世界の他の国との大きな違いです。日本には、厳密な意味での階層はありません。貧乏人と金持ちがいるだけです。貧乏人が、一生続けて貧乏ということもありませんし、何代も続けて貧乏人ということもありません。

金持ちが、一生金持ちで、何代も続けて金持ちということもありません。だから、子供に対する教育も変わってきます。そもそも、子供たちが将来何になるかなどわからないものとしてし教育が施されます。しかし、日本以外の国であれば、かなり早い時期から、上の階層と下の階層の教育は、ある程度特定されてしまいます。

しかし、日本の場合は、戦前は天皇陛下の臣民となるべき、少国民に対して差別をしてはいけないという考え方から、戦後は、誤った民主主義の名のもとではありますが教育の公平性はある程度保たれる傾向がありました。

戦争中の週間少国民
こうした、基礎的な初等教育の他に、日本では企業に入ってからの教育があります。それは、何も大企業の体系的な教育だけではなく、中小企業でも、もっと規模の小さな企業でも、様々な形で行われています。特に、若者に対する教育は、それを研修という形で体系的に行うのか、修行ということで行うのかは、別にして必ず行われています。

とにかく、新卒とか、新人という考え方があり、特に若年者に対しては、きちんと職業訓練・教育をしなればならないという社会的コンセンサスが形成されています。

毎年4月に新卒を大量に採用するという雇用慣行は日本だけものもであり、海外にはない

これが、日本人の成人力を養う大きな原動力となっています。このあたりも、日本ではあまりに当たり前になっているので、この新卒や新人に対する扱いも世界的にみれば、特殊であることに気づかない人も大勢います。

そもそも、日本以外の国では、新卒などという考えはありません。企業は、必要があればその都度人を採用するというのが普通です。それも、「これこれの仕事が出来る人」という形で募集するのが普通です。だから、不況などになると、いわゆる新卒はかなり不利になります。真っ先に就職先がなくなります。しかし、日本では、不況であろうと、好況であろうと、毎年一定数の新卒を雇用する会社が優良企業とされます。

こうした、世界にない、日本独特の雇用慣行が、成人力の高さの基になっているものと考えます。そうして、新人・新卒の教育・訓練に関しては、単なる技能教育もさることながら、仕事に適用すべき知識も教えています。さらに、コミュニケーション教育にも時間が割かれています。特に、いわゆる現場での訓練のかなりの部分はコミュニケーションに割かれています。

特に知識に関しては、21世紀になってからその意味が変わっています。そうして、先進国のほとんどが、21世紀初頭に「知識社会に突入しました。「知識社会」はそれ以前の社会とはかなり異なります。知識社会の中心となる労働者は、テクノロジストと呼ばれ、肉体労働のみをするのではなく仕事に知識を適用する人々です。高度のテクノロジストの例としての脳外科医は、手先が器用でないとなれません、しかし手先が器用であるからといって脳外科医になれるわけではありません。仕事に高度の知識を適用しなければなりません。



これは、20世紀の後半にすでに多くの識者によって指摘されたことであったが、この間デフレであった日本では、デフレに対処することのほうの優先順位が高く、強く認識されてきませんでした。一部のIT企業のみが、知識社会にかなりうまく適用しています。多くの企業は、デフレ対応が大きな課題となり、これに対する対応が十分ではありませんでした。


新しい意味での知識という言葉定義のもとでは、知識は本の中にはないとされます。コンピュータでもたらされる、数値情報は、知識ではなく、情報とされます。新しい意味での知識とは、それらの情報を仕事や成果に結びつける能力を意味します。そして知識は、人間、すなわちその頭脳と技能の中のみに存在します。知識は事業そのものでもあります。物やサービスは、企業が持つ知識と、顧客が持つ購買力との交換の媒体であるにすぎません。


企業は、人間の質いかんによって、つくられも壊されもする人間組織です。肉体的労働はいつの日か、完全にオートメ化されるところまで機械によって行われるようになるかもしれません。あるいは大量の情報を活用したコンピュータが人間の頭脳のかなりの部分を代替することも考えられます。大量の情報処理では、人間はコンピュータよももはるかに劣っているかもしれません。しかし、知識そのものは、すぐれて人間的な資源です。

知識社会においては、いわゆる目に見える資産である、現金・預金、固定資産などだけではなく、情報、教育・企業文化・風土なども含めた目に見えない資産の拡張が重要になります。この資産を拡張するには現代的な意味での知識が最重要になります。

また、人間能力に関しては、ほかの者、特に同業他社と同じ知識を持つだけでは十分ではありません。そのような知識では、事業の成功に不可欠な市場におけるリーダーの地位を手に入れることはできません。既存の知識だけではなく、新たな知識の適用、知識そのものの改善・改革により他に抜きん出ること、すなわち、卓越性だけが利益をもたらします。

卓越性のみが利益をもたらす

経済的な業績が達成できるのは、すべて差別化の結果です。したがって、差別化の源泉、および事業の存続と成長の源泉は、企業の中の人たちが保有する圧倒的に優れた独自の知識ということになります。

さて、いろいろと知識社会について述べてきましが、いわゆる成人力とは、「知識」を得たり、創造したりする上での基となるものだと思います。これが優れているということは、知識社会においては、最大の優位性です。

知識社会においては、モノより金よりも、そうして情報よりも知識が重要です。この知識を得たり、創造したりする基がしっかりしている日本、やはり、凄いです。このような日本です、大東亜戦争の勝利者たちも、日本の凄さ、これは反面彼らからすれば、脅威でもあるわけですが、これを彼らは強く認識してからこそ、日本弱体化の方向で戦後体制を維持しようとしたのですが、子供や若年層の教育では、最近海外に負けている面はありますが、相変わらず、成人力は抜群に優れているということです。

この優位性は、なかなか他の国では、真似できないでしょう。いずれ、本当の意味で、日本が世界をリードする国になるのは必然です。経済の基は、今知識です。知識のない国は、優位性を発揮できません。

私はそう思います。皆さんは、どう思われますか?

【私の論評】

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2013年10月8日火曜日

日銀の追加金融緩和策への期待―【私の論評】資産バブルなど防ぐことはいくらでもできる!今は、それを恐れず、思いきった大金融緩和がすべき時だ!今やらないでいつやる?

日銀の追加金融緩和策への期待

日銀黒田総裁 黒田バスーカ第二弾はいつ発射されるのか?

最近、市場関係者と話をすると、彼らが日銀の追加緩和策の実施に期待をかけていることが分かる。その背景には、黒田総裁が「安倍政権が消費税率の引き上げを決断するのであれば、日銀としても援護射撃の用意がある」との趣旨の発言をしことがある。

財務省出身の黒田総裁とすれば、わが国の状況を考えると、最も重要なことは財政状況を立て直すこととの意識が強いのだろう。安倍首相がそれを決断する場合には、日銀としても可能な限り支援をしたいというのが本音だ。

一方、日銀は既に"異次元の金融緩和策"を実施しており、これから打てる金融手段は限られている。国債の買取り金額の増加や金融緩和策の時間軸を延長するなどが考えられるものの、その効果には疑問を唱える専門家も多い。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・<中略>・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

日銀の積極的な金融緩和策には、マイナス面があることは頭に入れて置くべきだ。有り余るほどの資金が供給され、それが何かのきっかけで投資資金となり、株式や不動産の市場に流れ込むと、株価や不動産価格を急速に押し上げることになりかねない。

それは、いわゆる"バブル"の発生だ。実力以上に株価などを押し上げると、価格が上昇している間は良いのだが、ピークを付けて下落する局面では、バランスシート調整による景気の落ち込みが発生する可能性が高い。それは90年代初頭のわが国の状況を振り返るまでもないだろう。

日銀が、財政状況の立て直しのための支援政策を行うのは分かるが、それが一定の水準を超えると、中長期的にはわが国経済にプラスにはならない。当然、日銀はそうした副作用を考えているはずだが、今後の政策運営にはそれなりの慎重さが必要だ。

この記事の詳細はこちらから!!

【私の論評】資産バブルなど防ぐことはいくらでもできる!今は、それを恐れず、思いきった大金融緩和をすべき時だ!今やらないでいつやる(゚д゚)!

バブル期の象徴?
さて、上の記事では、金融緩和をすべきとしながらも、弊害もある超金融緩和として、結局のところ煮え切らない記事になっています。しかし、過去のバブルを振り返れば、超金融緩和の弊害は少なく、今こそ超金遊郭輪の実施どきであることが理解できます。本日は、バブル期の写真とともに、掲載させていただきます。

バブル期は一般的には1987年から1990年までをいう。どのような経済状況だったかといえば、株価は1987年から1990年にかけて1万5000円くらいから上昇し、1989年12月29日の大納会の日に3万8915円となった。その後は1990年代後半まで2万3000円ほど下がった。

上の画像は、1989(平成元)年12月29日、東京証券取引所の大納会で、
日経平均株価の終値が3万8915円の史上最高値つけたときのもの。
マクロ経済はどうだったかといえば、名目経済成長率は5~8%、実質経済成長率は4~5%。失業率は2~2.7%程度、インフレ率は0.5~3.3%と今からは想像できないほど良い状況でした。これは、単に景気がかなり良いという水準です。この程度の景気の良さをもって、大バブルと称する国はどこにもありません。インフレ率3.3%はハイパーインフレなどからは、ほど遠い状況でした。

現在から見ると、景気が良いという状況のバブルに対する経済対策で、明らかに致命的な間違いがありました。その政策失敗でバブルの後遺症が大きくなってしまいました。そもそも、当時からバブルは日銀による金融緩和が原因であって、バブル潰しのためには金融引き締めは正しかったといわれていますが、それは全くの間違いです。

バブル時代の真相は、資産バブルだった(゚д゚)!

当時のバブルは、証券・土地規制の抜け穴によって、証券・土地のみで起こったことでしたた。一般物価は比較的安定していました。証券・土地の値上がり是正には証券・規制の適正化で十分でした。金融引き締めは余計なことでした。

当時は、株や土地の資産価格はかなり上がっていましたが、普通の財サービスの一般物価は上がっていませんでした。そもそも、インフレ率は0.5~3.3%で、バブルなどとはいえません。通常は、5%を超えるころから、バブルを警戒するようになります。

バブル期のクリスマスは?
当時散見されたのは、ほぼ違法ともいえる証券会社の営業でした。顧客に対して損失補填を約束しながら株式の購入を勧めていました。その株式の購入資金を顧客の自己資金でまかなうのではなく、銀行が融資するというパターンも横行していました。これは何も株式の購入に限らず、土地の購入でもよく見られた話でした。


そこで、当時の大蔵省内は、1989年12月26日、大蔵省証券局通達「証券会社の営業姿勢の適正化及び証券事故の未然防止について」を出し、証券会社が損失補償する財テクを営業自粛、事実上禁止しました。その効果は抜群で、89年末の最高値をつけた後直ちに株価は急落しました。

株式規制だけを適正化するのでは資金が土地に流れるといけないので、さらに大蔵省は90年3月には大蔵省銀行局長通達「土地関連融資の抑制について」を出し、不動産向け融資の伸び率を総貸出の伸び率以下に抑える措置をとりました。これで、株式と土地のバブルは消えました。


経済対策としては、これで十分でした。ところが、その頃、日銀も動いてました。日銀では、公定歩合の上げで「勝ち」、下げで「負け」という言い方でしたが、この表現を使えば、公定歩合については1980年8月9%から8.25%に引き下げて以来、87年2月に3%から2.5%に引き下げるまで10連敗でした。89年5月に2.5%から3.25%に引き上げて11連敗を食いとどめました。98年5月も勝ちでしだ。

この失敗はその後の日本経済にとって大きなものとなりました。バブル崩壊の損失を大きくしただけでなく、バブル潰しは正しかったと言い張り、その後の金融引き締めをすべて正当化してきたからです。日銀官僚には無謬性(絶対に間違わないということ)があるので、常に正しいといいますが、これは一度間違えると、無謬性にこだわるあまり、その後は間違え続けるということを意味しています。

バブル期の女の子たち、今は皆立派なお母さん
に!そうでない人も若干名、こりゃ失礼(゚д゚)!
実際、この無謬性は繰り返され、後に日本は、デフレに突入し、15年以上もの、古今東西稀に見る長期にわたるデフレスパイラルの泥沼に落ち込みました。そうして、当社を含め多くの企業が、日銀のデフレ政策・円高政策に翻弄され計画の変更を余儀なくさせられることになります。この間違いは長い間放置され結局日銀に鉄槌が下されるまでには、20年以上もの時を待たなければなりまんでした。

この大蔵省証券局通達「証券会社の営業姿勢の適正化及び証券事故の未然防止について」、「土地関連融資の抑制について」 は、現在も生きており、であればバブル期のような資産価格の極端な上昇はありえないわけです。

今見るとキモいバブル期の女の子たち?
このあたりが心配であれば、『株式売買」、「土地の売買」に関わるこのような通達法制化しても良いです。そうすれば、資産バブルが心配だからあまり金融緩和できないなどということはないわけです。

もし、現在金融緩和しすぎれば、資産バブルが心配だという理由でしないというのであれば、またバブル期と同じような間違いを犯します。バブル期の間違いは、一般物価はさほど上昇していないにもかかわらず、日銀が金融引き締めに転じたことです。

廃刊されて久しい『平凡パンチ』のバブル期の号

現在はデフレの真っ最中で、いくらアベノミクスで多少景気が浮揚したとしても、コアコアCPIは右肩下がりで下がり続けています。デフレの真っ只中です。それに輪をかけて、来年4月からの増税も決まりました。このような危機的状況の中では、超金融緩和が必須です。

半端な金融緩和をしても、景気が上向くことはありません。それは、このブログでも何回か紹介したように、イギリスの事例をみても、明らかです。イギリスにおいては、2011年に付加価値税(日本の消費税にあたる)を大はばにあげましたが、その結果、雇用、特に若者雇用が激減したため、イングランド銀行(イギリスの中央銀行)は、大規模な金融緩和に踏み切りました。


むむ。バブル期のAKB48? おニャン子クラブ

しかし、現在に至るまで景気は回復しておらず、本来財政再建をするために導入した付加価値税増税ですが、税収も減り、未だ財政再建の目処もたっていない状況です。かといって、もし、この金融緩和をしていなかったら、イギリス経済の打撃は現在よりも相当酷いものだったはずです。

このような時期には、上にあげたような資産バブルが生じないようにそれなりの手を打って、半年以内に超金融緩和をすべきときです。それに、金融緩和の手段として、なにやら禁じ手のように思われている方法もまだ、いくらでもあります。たとえば、増刷なども経済状況をみながら実施していくべきです。デフレ下の増税という緊急自体の現在、これをやらないでいつやるというのでしょうか。

バブル期のファッション
上の記事の筆者は、あまりにデフレ期間が長引き、それが当たり前のようになっていて、現在が危機のど真ん中にあることを忘れていると思います。超金融緩和は今から半年以内がやりどきです。それをほのめかしただけでも、安倍政権が誕生した直後のように株価は上昇します。今回の増税のマイナス面もかなりカバーできます。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2013年10月7日月曜日

財務省、日銀人事に次いで安倍官邸に2度目の"敗戦"―【私の論評】木下に勝利した安倍総理、自民党内でコンセンサスが取れている事柄に関しては安倍内閣は無敵か(゚д゚)!

財務省、日銀人事に次いで安倍官邸に2度目の"敗戦"

iPadで、SNSを縦横無尽に使いこなす安倍総理

「参りました。お説の通りです」---。

財務省はかつて予算編成、景気対策、税制改正をめぐる首相官邸や与党との折衝でこう言って、負けたふりをしながら、その実、己の考え方を7割方通してきた。政治家の自尊心をくすぐり、おだて上げて、財務省の主張の根幹を譲ることはあまりなかった。

だが今回、復興特別法人税を1年前倒しで廃止しようとする首相・安倍晋三や官房長官・菅義偉の強硬姿勢の前に、財務省は膝を屈しざるを得なかった。

安倍政権下で、財務省は今春の日銀総裁人事に次ぐ2度目の「敗戦」。民主党政権下に比べ、財務省の政権内のおけるパワーは弱まったのではないか。

消費増税、財務省は高をくくっていた!?

ひたすら目立たないようにしても、ネットで晒された木下財務事務次官

消費税を来年4月から5%から8%に引き上げることについて、財務省は安倍がどっち道、予定通り引き上げざるを得なくなるを高をくくっていたフシがある。

菅と密接に連絡を取り合う自民党幹事長・石破茂はこう言って、いらだっていた。

野田落ちる(゚д゚)!

「財務省は消費増税を野田さん(佳彦前首相)に決めさせ、安倍さんに上げさせ、それでダメだったら次は石破で、と考えているんじゃないか。政治家を使い捨てにするのは許さない。財務省は消費税を上げざるを得ないと高をくくっている」

石破睨む

石破が不快感を示すほどに、財務省が消費増税実施に自信を持つのも無理はなかった。

景気指標はかなり良くなっているのに加え、8月下旬、消費増税について有識者60人から意見を聴いた「集中点検会合」では約7割の人たちが予定通りの引き上げに賛成した。

消費増税を実施しないなら、見直し法案を秋の臨時国会に提出しなければならないのに、官邸から指示はなく、臨時国会の早期召集を目指す動きもない。

安倍の信任が厚い内閣参与の浜田宏一、本田悦朗が14年から1%ずつ5年間上げていく方法などを唱えた。

浜田参与

それでも、2016年に衆院選、参院選が行われる見通しという政治日程を考えれば、国政選挙が行われる年にも消費税を上げ続けなければならず、政治的にはあり得ない。

財務省の読みは正しかった。しかし---。

その読みは正しかった。

しかし、5兆円規模の景気対策の内容を詰める作業を始めると、状況は暗転した。

公共事業でお茶を濁そうとする財務省案に対し、安倍や菅は経産省が提示した復興特別法人税の1年前倒し廃止案やその後の法人減税に乗ってしまった。

公共事業なら1年限りで終わるが、法人減税に手をつけると先々まで税収減を招くことになる。

それを案じた財務省は自民党税制調査会や公明党税制調査会の幹部に

(1)復興法人税を前倒し廃止しても、給与アップにつながる保証はない
(2)復興所得税がそのままでは不公平感を生み、企業優遇という批判を受ける

などと説明した。

しかし、自民党税調会長の野田毅は早々に降り、表向き反対を唱えていた税調インナーのひとりは菅に電話し、「景気のことを考えるなら、前倒し廃止しかありませんね」と伝え、"抜け駆け"した。

公明党は与党税調でぎりぎりまで財務省の主張に沿った反対論を展開した。

だが、自民党の大勢が官邸になびくのを目の当たりにして矛を収めた。今、公明党内ではこんな反省の声が上がる。

「公明党が官邸のブレーキ役なんて言われるもんだから、財務省をはじめ官僚が次々と説明に来る。ついついそれに乗せられる幹部もいるが、役人に喜ばれても公明党にとっては一文の得にもならない」

財務省お得意の根回しも今回は奏功せず

「お前は主税局長か、総理秘書官か!」

政府与党内の調整の終盤、第1次安倍内閣で総理秘書官だった主税局長・田中一穂は、税調インナーの元官房長官・町村信彦から怒鳴られた。

町村は町村派会長として威厳を示そうとしているのに、官邸になびいてしまった財務省にいらだった。これを聞きつけた菅は田中に電話し、「怒られたんだって?国のためにやっているんだよな」とからかった。

安倍が今月1日に、予定通りの消費増税と景気対策を発表した後、毎日新聞と共同通信がそれぞれ実施した世論調査では消費増税賛成が反対を上回った。

共同調査では賛成53.3%、反対42.9%。内閣支持率は毎日新聞調査で9月比3ポイント減の57%となったが、共同調査では1.5ポイント増の61.8%となった。


消費増税を決定しても、ほとんど影響がなく、「復興特別法人税前倒し廃止で、支持率が5ポイント落ちる」という財務省幹部の「期待」は外れた。

これほど支持率が高い内閣だと、財務省が得意とする根回しは通じない。これに対し、安倍や菅は「財務省は失敗ばかり。財務省の主張と逆のことをやった方が上手くいく」として、勢いの乗る。財務省が次の戦いで勝利するためには発想の転換が必要だろう。(敬称略)

【私の論評】木下に勝利した安倍総理、自民党内でコンセンサスが取れている事柄に関しては安倍内閣は無敵か(゚д゚)!

国民不在の省益優先で増税キャンペーン

さて、消費税に関しては来年4月から8%の増税が決まってしまいました。これに関しては、結局財務省の木下次官が、自民党政権の安倍総理に勝利した形です。

上の記事のように、日銀人事に関しては、安倍総理の勝利は、間違いないですが、その後の増税ということで、結局は一勝一敗ということかと思っていましたら、実際は違っていました。

8%消費税のインパクトがあまりにも強かったため、上の記事にあるように、復興税の廃止、 それに法人減税というのもありました。これらは、いずれも財務省からすれば、減税ということで、勝利か敗北かといえば、敗北です。こんなことが、財務省の敗北になるのかという考えもあるかもしれませんが、木下財務次官は、第二次安倍政権発足直後、当時主計局長(予算編成を司る局の長)だった木下康司氏は、自衛隊に対して徹底的な予算、雇用のための歳出削減を行っています。

・自衛官の補充人員数を10000人から280人に大幅縮小
・防衛費1000億円増加を400億円に削減

このような事実から照らせば、財務省の敗北と言っても良いと思います。

来年4月からの増税以外の、攻防戦の成果を含めれば、安倍総理や自民党に対する見方は変わってきます。

事の是非は全く問わないものとして、新生第二次安倍自民党が金融・財政政策における、財務省との戦いを以下に整理してみます。
4月日銀人事              安倍自民党勝利
平成14年度4月から増税       木下財務省勝利
○5兆円経済対策               安部自民党の勝利
復興税廃止               安倍自民党勝利
法人税減税                安倍自民党勝利

今までの主だった5回の対戦中、安倍自民党の勝利は、4回、木下財務省の勝利は1回のみです。こうしてみてみると、安倍自民党の圧倒的勝利で終わっているではありませんか?しかも、5兆円対策から、この方一度も負けていません。

日銀人事に関しては、自民党内でも金融緩和すべきというマクロ経済的な背景を理解しない人もいました。しかし、自民党内には、いわゆる「上げ潮派」といい、財政再建を日銀が金融緩和をすることにより、経済を良くして、税収を増やして実現させようというグループがあり、このグループが、かねてより、日銀の無能ぶりについて強く指摘していました。また、近年、不況時のアメリカやEUなどの金融緩和が一定の効果を出していることが多くの人々に認識され、自民党内部にも随分浸透し、自民党内でも、金融緩和反対派は少数になっていました。だが、党全体のコンセンサスもあったため、日銀人事は成功したものと思われます。

さて、ここで、復興税に関して、振り返ってみます。これに関しては、下の西田議員の動画をご覧いただくと理解しやすいものと思います。



そもそも、大きな自然災害の復旧や復興においては、古今東西どの国においても、税金で賄うなどという思想はありません。税金で賄おうとしたのは、完璧なマクロ経済音痴の民主党政権(幹部としていおきます。幹部以外には反対した人も大勢いましたが、いかんせん幹部が馬鹿なのでこういう人がいたとしても、政党としては賛成)くらいなものだと思います。

何で賄うかといえば、普通は建設国債などの国債です。実際、関東大震災においても、復興税などではなく、国債で賄いました。しかも、その当時は、日本はまだ豊ではなかったので、国債を売り出しても、国内では消化しきれず、外国にも買ってもらいました。

逆の言い方をすれば、外国に買ってもらっても全額国債で賄ったのです。復興税ということになれば、どういうことになるかといえば、被災を受けた世代にばかり税金が集中して、不公平であるばかりか、ただでさえ、災害で経済が疲弊しているのに、さらに悪影響を及ぼすということで、まずは、絶対に復興税などありえません。

しかし、民主党は幹部であっても、一度も政権を担った政府に入っていたことのない人も多く、このあたりの常識には疎い人が多く、財務省などの甘言により、復興のための金はなく、特に建設国債などでは子孫に大きな負債を残してしまうし、かといって、金はないので復興税などにしなくてはならないなどというまったくの頓珍漢な理由で、復興税などをもうけ実施してしまいました。

なお、復興税に関しては、財務省が理由付けのために古今東西の復興税の成功事例を探してみたそうですですが、そのようなものはなかったということです。日本の過去にも、ローマ時代や、古代中国ですらそのような例はありません。

そうして、自民党内では、さすがに、復興税などは非常識というコンセンサスは成り立っていたのだと思います。ただし、西田議員も指摘するように、マクロ経済音痴の民主党に任せておけば、建設国債など発行する気はなく、放置しておけば、金がないから復興しないということになりかねないため、仕方なしに復興税の設置に協力したということだと思います。

しかし、安倍自民党政権になってからは、掌を返したように、復興税廃止に踏み切りました。復興税廃止に関しては、自民党内でも最初からコンセンサスが成り立っていたため、財務省が何を言おうとけんもほろろに、廃止に踏み切ることができたのだと思います。

法人税減税に関しては、マクロ経済的な背景からいえば、減税の根拠は脆弱なのですが、これは、随分前から財界側からの要望もあり、これに応えるという形で、自民党内では、コンセンサスが成り立っており、これも成功ということです。

ただし、来年4月の8%増税に関しては、そもそもマクロ経済的見て、デフレのときやデフレまでいかなくなても、不況期には、まずは経済成長をすべきであるという常識が自民党内にはまだまだ浸透していませんでした。これに関しては、国際的にも、先進国の多くや、IMF、OECDの機関なども、なぜか、不況期には緊縮財政をして財政再建を優先すべきという、根も葉もない理論に従っており、実際このハチャメチャ理論で、失敗した国々が多数でており、最近ではマクロ経済的な見方では当たり前の、不況のときには、経済成長というように考え方が元に戻ってきています。

しかし、この考え方は、残念ながら、まだ自民党では一般的になっていませんでした。だから、デフレというのに増税すれば、税収が増え、増えれば財政再建もできるはずという考え方から一歩も出ていない人が多く、残念ながら、減税見送りは少数派にすぎませんでした。そのため、安倍総理も長期安定政権を狙うという立場じょう、増税に踏み切らざるを得ませんでした。

自民党はこの日の屈辱を忘れるべきではない。この
屈辱が、民主党阿呆政権の誕生につながった(゚д゚)!
このように安倍自民党政権の、木下財務省との戦いにおける、仔細を分析してみると、自民党内でコンセンサスがまとまっている事柄については、いくら木下財務省が反対しようとしても、できず完敗していることが理解できます。

さて、来年4月の8%増税に関して、木下財務省が勝利したわけですが、これに関しては、増税すれば景気は落ち込むということは自体は自民党内部でコンセンサスがとれており、5兆円の経済対策をするということに対しては、反対の声などありません。これが、本当に不思議なところです。

景気が落ち込めば、税収は減るということは、誰にでも予見できます。税収が減れば、当然のことながら、財政再建は滞ります。社会保障につぎ込めるお金も減ります。そんなことが判っていれば、最初から増税しないければ良いということです。全く矛盾しています。しかし、自民党の中には、この矛盾に気付かない人がかなり多かったということです。

しかし、これを逆の側面からみれば、8%増税の危険性を今の時点では、自民党の大部分がさほど理解してはいないといいながら、経済が落ち込み、景気の腰を折ることを理解していて、5兆円の経済対策をするなどとしているということです。しかし、実際に蓋を開けてみれば、5兆円の対策など、焼け石に水であることがすぐにわかることになります。

ミス富士山に囲まれてご満悦の安倍総理

これを理解して、増税8%は間違いであったことを多くの自民党議員が真に理解することになれば、自民党は変わると思います。変わった自民党には、財務官僚も逆らえなくなります。そこから、日本の真の意味での政治主導が始まります。それが、「戦後体制からの脱却」の一里塚となもなります。そうして、私たちは、そのための手助けを世論形成という形でできます。それも、第一次安倍内閣の時と比較すれば、スマホや、SNSが進歩した現在、格段に強力な支援ができます。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2013年10月6日日曜日

イマドキカップルは「ウチ族」「ウチ充」? 定番化しているウチデートの実態―【私の論評】ちょっと待ってくれ、過去20年間デフレだったことを忘れていないかい!デフレは、本来の「ウチ充」の最大の敵であることを!(◎_◎;)

イマドキカップルは「ウチ族」「ウチ充」? 定番化しているウチデートの実態


近頃急増しているという「ウチ族」「ウチ充」。聞き慣れない言葉ですが、あの「草食男子」の名づけで有名な深澤真紀さんによるネーミングです。

「ウチ族」とは家のなかで恋愛や消費を楽しんでいる人たちで、自宅の生活環境を充実させて、豊かにポジティブに過ごしているのが「ウチ充」なんだそう。

そして20~50代の男女の60%以上が「ウチ族」だというアンケート結果まであります! さらに「ウチ族」の20代は、およそ3人にひとりは「ウチデート派」なんだとか。

ではみんな、ウチデートで何をしているの? アンケートによると、ウチデート派のマストアイテムは、以下の結果の通り。

1位 テレビ(54.8%)
2位 インターネット(45.2%)
3位 スマートフォン(45.2%)
4位 パソコン(38.7%)
5位 ゲーム (32.3%)

YouTubeなどで映像を観たり、情報を共有して楽しめるインターネット関連はイマドキのウチデートの必需品と言えそうですね!



さらに、同じく3人にひとりが、ウチのなかで恋人と会話をするときに「Eメールやショートメール、無料通信アプリを使う」と回答。こちらの結果にはちょっとビックリです。それほど広い家に住んでいるのか、それとも…?

なんにせよ、経済的で肉体的な疲労感もないウチデート。ゆっくり語らって相互の理解を深めるには最適です。

また、将来いい妻になることを彼にアピールできる絶好のチャンスでもあります。音楽やインテリアにこだわったり彼の好物でおもてなしをしたり、賢くオシャレなウチデートを楽しんでみては?

【私の論評】ちょっと待ってくれ、過去20年間デフレだったことを忘れていないかい!デフレは、本来の「ウチ充」の最大の敵であることを!(◎_◎;)


うち属とか、うち充は、現状のものと考えても良さそうです。これについては、他にも別の調査があります。それに関する記事のURLを以下に掲載します。

家デートの「ウチ充」増加で「デートスポット」は死語に

これに関しては、詳細はこの記事をご覧いただくものとして、以下に調査結果に関わる部分のみをコピペしておきます。
 マーケティング会社「ネオマーケティング」社の調査(20~50代の男女3831人)によれば、「自分はウチ族だ」と答えた人は全体の63.1%、一方「自分はソト族だ」と答えた人は16.8%と、圧倒的に「ウチ族」が多い結果となっています。 
 ※ウチ族=「ウチ充(家の中の環境の充実)」を優先したい人 
  ソト族=「ソト充(外出先など家以外の環境の充実)」を優先したい人 
 そして、「自分はウチ族だ」と答えた20代男女100人のうち、3人に1人が「恋人とのデートはウチ」(31%)と答えています。 
 ウチ族を自称する割にデートで家にこもる率は低いような気がしなくもないですが、実家暮らしでウチでのデートはしづらい等の事情を勘案すると妥当な数字なのかもしれません。
 さて、この動きカップルだけにとどまりません。主婦にも「うち充」がみられます。その記事のURLを以下に掲載します。
「ウチ充主婦」、ネットスーパーなどの「ウチ消費」に使う金額は年間12万円以上
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に概要だけ掲載しておきます。
マーケティングリサーチを行う株式会社ネオマーケティングは、今注目の「ウチ族」および「ウチ充(家の中の生活環境の充実)」をテーマにしたインターネットリサーチを実施。30代~50代の「ウチ充」主婦300人の調査結果を中心に結果をまとめた。 
同調査において、30代~50代のウチ充主婦を対象に、プライベートな時間を外出せず、ウチの中で過ごす理由を聞いた。その結果、圧倒的に多かったのは、「ウチが一番くつろげるから」(85.6%)という回答。ほかには、「ウチが好きだから」(40.1%)、「ウチの中でやりたいことがあるから」(38.0%)や、猛暑が続いた今年の夏らしく、「暑いから」(45.5%)といった回答に意見が集中した。一方、かつての巣ごもりをイメージさせるような「お金を使いたくないから」(19.9%)、「人に会うのが嫌だから」(15.4%)と回答した人は、意外にも少ない結果となった。 
休日のウチでの過ごし方について、1日を100%として、それぞれの割合を聞いたところ、割合が大きかったのは順に、「睡眠」(32.0%)、「インターネット」(17.6%)、「テレビ」(13.4%)、「食事」(13.4%)という結果になった。テレビを抜き去り、睡眠の次に大きかったインターネットの割合を時間に換算すると、実に4時間13分26秒となる。
ウチ充主婦
 ウチ充主婦が、ウチの中からインターネットで買い物をする年間消費額の平均は12万3684円 (1か月の消費金額×12か月分?で算出)と、ソト充(外出先など家以外の環境の充実)主婦の年間消費額の平均9万2970円より高く、ウチ充主婦の「ウチ消費」が活発であることがうかがえる。
ウチ充は、カップルのデートだけではなく、主婦にも広がりつつある一つの大きなムーブメントのようでもあります。

ただし、消費に関しては「ウチ充」の主婦が、「ソト充」の主婦より少し多いという程度で、あまり活発ではないようです。

私は、「ウチ充」という言葉を最初に見た時には、どちらかというと豊なイメージを想像しました。たとえば、家で本格的な料理をするとか、家のつくりが立派で、200年も持つような住宅とか、家の菜園で出来た野菜を食べるとか、そんなイメージを抱きました。そうして、日本も豊になりつつあるのかもしれないなどと想像しました。

その想像の根拠となったのは、ヨーロッパなどの住宅のイメージや、国内でもたとえばいわゆる昔の喫茶店ブームの終焉に結びついた、日本家屋の充実などです。いわゆる、普通の喫茶店は、昔本当に数が増えて、それこそ、今のコンビニよりもはるかに件数が多かった時期もあります。現在だと考えられないことだと思います。

なぜ、そんなに喫茶店が増えたかというと、その頃は、日本の住居も、オフィスなども狭くて、住居の場合だと、お客様が来ても応接室がないとか、オフイスの場合も狭くて、作業スペースがほとんどで、応接スペースがほとんどわなかったという事情があります。

2~3人のお客でさえも、それをもてなすため専用のスペースがなかったのです。だから、喫茶店は、その役割を果たしていたのです。2~3人以下のお客でも、じっくり話をする場合など、自宅に招くとなかなかゆっくりと話しができないので、喫茶店がその役割を果たしました。

事務所も同じで、たとえば、小さな会社の社長さんや、重役だと、会社ではそのようなスペースがないので、喫茶店で話をするというようなことが行なわれていました。

しかし、高度成長を終えた日本では、さすがに、2~3人くらいまでなら、何とか、応接スペースが、住居でも、オフィスでも持てるようになったということで、喫茶店ブームは去りました。

だから、「ウチ充」といった場合、住居などがさらにスペースが大きくなるとか、応接のための設備が整ったとか、あるいは、日本の住宅のほとんどが30年くらいの寿命だったのが、100年とか、200年とか持つようなものに変わりつつあるというようなイメージを抱いたわけです。

しかし、上のいくつかの記事を見ている限り、「ウチ充」は、まだまだその域にまで達していなかったようです。

特に、「ウチデート」はせっかく家でのデートなのですから、本来なら何か家での充実した時間ということになりそうですが、そうではなくて、一人でもできる、テレビ、ネット関連で占められています。主婦についても、似たような傾向です。多少消費は上向いてはいるようですが、それだけで、たとえば、家で実際に何かの活動を積極的に行うというようでもありません。家にいて、その家ならではというものを活用するというのではなく、どこでもできるスマホなどをしているというのであれば、これは、「充」という言葉を遣う事は本来はできないのではないかと思います。

これは、結局のところ、このブログにも以前紹介した「巣篭もり」消費の延長線上のライフスタイルでしかないように思えます。
危機「最も早く脱するのは日本」 麻生首相、年頭の決意-ピザ宅配業界から見た今年の経済動向は?
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事は、2009年の元旦に書いたものです。この記事では、家篭り、巣篭もりについて記事の一番最後に以下のように結んでいます。
家篭り、巣籠りが時代のキーワードに
最近、家籠り、巣籠りがキーワードになっており、昨年もクリスマスケーキの予約が例年よりもはるねかに多かったことがテレビなどでも報道されました。おそらく、金融危機などで、家籠り、巣籠りなど余儀なくされた人もいるのでしょうが、現状の昔と比較すれば、非常によくなった住環境での、家籠り、巣籠りなどは、見直されると思います。そうして、金融危機が去った後でも、変わらず、ライフスタイルの一つとして、生き残ると考えられます。それは、ピザ宅廃業に限らず、日本の産業構造にも大きな変化をもたらすものと思います。すべての、産業はこれに対応していく必要が出てくると思います。こうした、対応により内需も拡大され良い方向に向かっていくと思います。 
こうした、家籠り、巣籠りは時代のトレンドではなく、キーワードになってくる可能性が大です。このブログでは、このキーワードについても、これからも追いかけていき、掲載していきます。
この頃から年月はたち、麻生政権は、結局崩壊し、民主党政権になり、これも崩壊し、安部自民党政権が成立し、今年の4月には、日銀による異次元の包括的金融緩和が実施されました。しかしながら、この頃から、そうして現在でも、日本はデフレのまっただ中です。多くの人が、デフレ=不景気と考えておられるようですが、デフレと不景気は全く次元が異なります。

デフレは、明らかに不景気よりも悪い状況です。好景気、不景気は、あくまで正常な経済循環の中の事象であり、デフレは、正常な経済循環からは外れた、不景気よりもさらに悪い状態です。こうした、不景気よりも悪い状態が続いているからこそ、現在言われている「ウチ充」も、「ウチデート」も、「家篭り」、「巣篭もり」の延長線上でしかないのです。

これから、比較すると、アメリカの場合確かに、リーマン・ショック時の不景気ぶりは酷いものでしたが、日本のように長期デフレなどになったことは一度もありません。だから、新しい消費の動きも出てきやすかったのだと思います。実際、アメリカでは従来と全く異なる、スペンド・シフトという全く新たな消費潮流が台頭しています。それは、どのようなものかというのは、以前のこのブログでも掲載したことがありますので、その記事のURLを掲載します。
「棚が回る冷蔵庫のCM」に呆れる若者の話−【私の論評】本当の意味でのソーシャルが注目される時代
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、アメリカの9.11同時多発テロの頃から現れ、リーマン・ショック後に明らかにみられるような、消費の新たな潮流である、スペンド・シフトについて、掲載しました。以下に、その部分だけコピペさせていただきます。
自分を飾るより ⇒ 自分を賢くするためにお金を使う。
ただ安く買うより ⇒ 地域が潤うようにお金を使う。
モノを手に入れるより ⇒ 絆を強めるためにお金を使う。
有名企業でなくても ⇒ 信頼できる企業から買う。
消費するだけでなく ⇒ 自ら創造する人になる。
アメリカは、リーマン・ショックの震源地でもあり、この頃の経済の落ち込みは確かに酷く、人々に大きな絶望感が会ったのは事実です。しかし、そうした絶望感の中にありながら、人々は上記のような全く新たな消費潮流をつくりだす契機となりました。それにしても、こうした潮流ができあがったのも、いくら一時の落ち込みが激しくても、少なくともデフレなどが長期化するということはなかったので、消費潮流の変化も見られたのだと思います。

これに比較すると、日本は、その前からデフレだったのに、、リーマン・ショック後も日銀が金融緩和をしなかったため、さらにデフレ・スパイラルの底に沈み、震源地のアメリカや、直接影響を受けむたEUなど、金融緩和で回復したにもかかわらず、本来あまり影響をうけるはずのなかった日本が一人負けの状態になりました。

こんなことでは、新たな消費潮流が根付く余裕すらなかったということなのだと思います。

しかし、今年に入ってから、市場の好感によるものだけではなく、実際に日銀が、異次元の包括的金融緩和を敢行したため、景気は2年もすれば、浮揚しはじめ、デフレからの脱却の目処もたったかのように見られました。

しかしながら、残念ながら、来年4月からの増税が決まり、デフレの回復時期は間違いなく遅れます。これに関しては、以下の上念司氏の動画をご覧いただければ、ご理解いただけると思います。


この動画では、新宿から渋谷に行くつもりなのに、うっかり山手線外回りに乗ってしまったようなアベノ­ミクス。安倍政権への期待を未だに捨てていない上念司だからこそ、迷走を始めた経済政­策にモノを申すという内容です。

いずれにしても、アベノミクスによる経済の回復、そうしてデフレの回復は遅れることになりました。そうなると、いわゆる「ウチ充」「ウチデート」なども、「家篭り」「巣篭もり」消費の延長線上にすぎないものになり、消費の新たな潮流など生まれないのだと思います。

過去20年間もデフレだったことを考えれば、いわゆる「ウチ充」「ウチデート」などが、新たな消費トレンドとはならず、「巣ごもり消費」の延長線上にすぎないことも無理はないと思います。

本来の「ウチ充」である消費トレンドまで変えてしまうような「ウチ充」やはり、デフレが解消されるか、少なくとも数年で解消される目処がたったときに、生まれてくるのだと思います。

それにしても、少し前まで、日本は、デフレというのに、政府は緊縮財政、日銀は、金融引締めをしていました。しかし、今の日本は、増税により緊縮財政の道を選んだものの、日銀の金融緩和はそのまま継続されています。

であれは、デフレ回復時期は遅れますが、少し前までの日本とは異なります。ここに、ひよっとすると、いわゆる「ウチ充」がいろいろ変化していく可能性があります。というより、企業が積極的に比較的低価格で、コストパフォーマンスがかなり高い「ウチ充」の仕方など提案していけば、それを取り入れる消費者も増えてくることは十分考えられます。

そのようにして、消費を拡大する方向につなげることができれば、ひよっとすると、デフレからの脱却に民間企業も寄与できるかもしれません。

その意味で、まだまだ本格的な消費の潮流とはなっていない「ウチ充」ですが、今後もこの動きに注目し、様々な手を打っていくことが、新たなビジネスのチャンスになるかもしれません。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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