財務省が27日発表した2009年12月の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出額は前年同月比12.1%増の5兆4128億円となった。リーマン・ショックに見舞われた08年9月以来、1年3カ月ぶりの増加に転じた。中国を含むアジア向けは2カ月連続で伸び、欧州連合(EU)向けも1年5カ月ぶりに増えた。世界経済の回復に支えられ、日本の景気は輸出主導で持ち直している。ただ企業収益の改善が設備投資や雇用の拡大に波及するまでには時間がかかりそうだ。
輸出額の伸びが2ケタに乗せるのは07年10月以来、2年2カ月ぶり。09年11月は中国向けとアジア向けが増加に転じたが、09年12月はEU向け、大洋州向け、中南米向けもプラスになった。品目別では自動車の輸出額が08年9月以来の増加となり、中国向けは過去最高を更新した。
09年12月の輸入額は5.5%減の4兆8675億円と14カ月連続で減少した。輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は5453億円の黒字で、11カ月連続で黒字となった。
外需、景気下支え 「二番底」回避か?
上記統計から輸出額が1年3カ月ぶりに前年同月比で増加に転じ、外需が国内景気を下支えする姿が鮮明になりました。中国を含むアジア向けの輸出増は今後も続きそうで、国内景気の「二番底」懸念は和らぎつつあります。
輸出額の回復をけん引しているのは中国。中国向けは08年12月に比べ約43%伸び、リーマン・ショック前の07年12月の9割強の水準まで持ち直してきた。自動車の輸出額が過去最高を記録し、非鉄金属やプラスチックといった素材分野も伸びている。
日本の輸出増は国内の生産拡大を支え、鉱工業生産指数が9カ月連続で上昇している。公共投資などの政策効果が薄れ、今年前半の成長率が鈍化する恐れはあるが、再びマイナス成長に転落するのは避けられるとの見方が強い。
景気二番底回避は、結構なのだが、それで喜んでばかりいられません。このままの状態を続けていれば、外需だのみになり、いつも世界の経済動向に左右される国になってしまいます。
日本という国は、資源が少なく、外国から原材料を輸入して日本国内の製造業でこれを、製品にして輸出することによって成り立っきたと言われています。いわゆる貿易立国論です。でも、これは、真っ赤な嘘です。金融危機直前でも、日本のDGPに占める貿易の割合は16%に過ぎませんでした。ドイツや、中国などこの数値は、40%を超えていました。
だから、日本は内需立国であり、決して貿易立国しているなどとはいえません。それに、今から10年以上前は、さらにGDPに占める貿易の割合は8%でした。これでは、完全に内需立国であり、どの方向からみても、貿易立国しているなどとはいえませんでした。日本が貿易立国だったのは、日本が非常に貧乏でどうしようもなかった、戦前の話です。
金融危機直前で、日本は、アメリカに次いで内需大国であり、消費大国でした。世界同時不況だったので貿易額がかなり減っていたということはありますが、今も、これらは基本的には変わっていません。それに、国内は、デフレ状況にあります。
だから、やはり、何が何でも内需を拡大させなければなりません。そのためには、日本国内で提供される、製品や、商品、サービスを新しくしなければなりません。要するにイノベーションです。それにしても、需要がなければ、これらもなかなか簡単に生まれてくるものではありません。やはり、何らかの形で需要を喚起する必要があります。その、最も簡単な方法は、政府支出を増やすことです。それによって、公共工事などを増やし、お金を市中に流通させて景気をある程度良くしておいてから、イノベーションによる成長を目指すべきです。政府支出は、必須だと思います。財源は国債を後数十兆発行したとしても、何ら問題はありません。、それに関しては、このブログに何回も掲載してきました。
本来こうしたことは、輸出でもできたかもしれません。実際、日本製造業は、革新的で、昔は関心的な製品を輸出してきました。でも、最近ではそのようなことはなくなってきたようです。19世紀型の技術の継続のものを目先を新しくしただけで輸出しているというのが実体だと思います。諸外国に比較すると、日本の消費者の水準はかなり高く世界のトップランナーになっています。そんなときに輸出ばかりしていれば、何も新しいものは生まれてきません。
やはり、世界のトップランナーである日本の消費者に満足してもらえる、商品や製品をつくりだす、イノベーションが必要です。日本の潜在的能力は素晴らしいものがあります。だから、わたしなどがこのブログに書いているようなことには、もう気づいていて、次世代のための小さな芽は国内にたくさんあるのではないかと思っています。皆さんも、そうした準備をしておいたほうが、良いと思います。他国の外需にばかり左右される国づくりなどごめんです。日本をまた、昔のように内需超大国にするべきです。そうしなければ、二番底どころか、いつ、三番底、五番底に見舞われるかわかったものではありません。
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