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2017年7月24日月曜日

稲田問題のリーク源から、安倍内閣「倒閣運動」の深刻度が見えてくる―【私の論評】森・加計・日報問題の背後に財務省(゚д゚)!

稲田問題のリーク源から、安倍内閣「倒閣運動」の深刻度が見えてくる

稲田防衛大臣
   面白い資料が出てきた

森友学園問題、加計学園問題については、本コラムでそれぞれの問題の本質を明らかにしてきた。

森友学園問題では、当初の段階で公開入札手続きをとらなかったという近畿財務局のチョンボ(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51362)であり、加計学園問題では、50年以上獣医学部の新設を拒否してきた文科省告示の存在とそれを巡る既得権派と規制緩和派の争いである(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52245)、というものだ。

その問題本質の理解を妨げたのが、役所における公文書管理である。筆者にとっては、各種資料から、森友学園問題、加計学園問題について結論を出しているが、一般からみてそれらが分かりにくいのは事実だ。

森友学園問題では、「森友学園側の不正補助金授受」という形で事件化されて、ことが終わろうとしている。もちろん、この問題についてももろもろ論点はあるのだが、なにしろ「財務省の文書は破棄した」という言い方に終始したのは、政府への信頼を大きく損ねただろう。

実際、筆者は森友学園問題の構図を探るためにいろいろと資料をさがしたのだが、結局、鴻池議員の事務所のメモ(これは、各種資料と照らし合わせても信憑性が高いものである)に頼らざるを得なかった。本来であれば、財務省に管理されているしかるべき公文書をみれば直ぐわかることなのに、それがないゆえに解明に難渋した。

一方、加計学園問題では、その点かなり楽だった、当事者である文科省と内閣府双方の合意済みの特区諮問会議、ワーキンググループの議事録が残されており、それらと前川氏の記者会見や文科省からリークされたメモが齟齬していたからだ。筆者が本コラムで書いてきた問題の本質は、10日の閉会中審査での加戸守行前愛媛県知事の国会証言、14日に行われた京都産業大の記者会見で、結局明らかになった。

その後、週刊誌が、昨年11月17日、山本幸三行革大臣は蔵内勇夫日本獣医師会会長らと面談した際、「新設校は加計学園で決定した」という、抵抗勢力であった獣医師会側からのリークメモを報じた(ただし、これについて、蔵内氏自身が、その面談の際には、京都産業大学の名前も出ていたと、山本大臣に軍配を上げ、週刊誌報道を否定した→https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170720-00000004-tncv-l40)。

いずれにしても、加計学園問題は、森友学園問題に比べて公開されている議事録や資料が多いので、その解明は難しくなかった。

筆者は、加計問題でのいわゆる「石破4条件」について、文科省の挙証責任を指摘してきた(5月29日付け本コラム http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51868)。しかし、「石破4条件の挙証責任は文科省にはない」という。実際、前川喜平・前文科事務次官ほか、文科省関係者はそう主張してきた。

規制官庁側に挙証責任があるというのは、本コラムで書いたように役所の常識であるし、閣議決定された特区基本方針にも書かれている、にもかかわらずだ。

それについて面白い資料が見つかった。2005年7月12日の規制改革会議の議事録だ(http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/old/minutes/wg/2005/0712/summary050712_01.pdf)。そこには、課長時代の前川氏が登場している。ご一読いただければ分かるが、その当時から前川氏は「挙証責任」が理解できておらず、草刈隆郎規制改革会議議長から、規制改革会議への出入りを禁止されていたのだ。このような非常識な役人が次官になるというのが、文科省の最大の問題点だろう。

さて、前置きが長くなったが、今回は稲田防衛大臣の諸々の問題について解説を加えたい。

   支持率低下の理由は「女性」にアリ

まずは各種報道から時系列を整理しておこう。

昨年7月、国連平和維持活動(PKO)をしている南スーダンで政府軍と反政府軍の間で「戦闘」があった。

9月30日、フリージャーナリストが防衛省に、PKO派遣されている部隊の「日報」開示を請求

12月2日、「日報」の情報開示請求に対して、防衛省は「日報はすでに廃棄し存在しない」とし不開示を決定

12月16日、稲田防衛大臣が再調査を指示

12月26日、電子データが統合幕僚監部に存在

今年1月27日、稲田防衛大臣に対し電子データが統合幕僚監部存在していたことを報告

2月7日、日報公開

2月15日、《省内会議 陸上幕僚監部で電子データとして保管、保管データは公表しない方針》(?)

3月16日、衆院安全保障委員会において、陸上幕僚監部で日報が保管されていた疑惑に対して、稲田防衛大臣が「報告はされなかった」と答弁

3月17日、防衛省防衛監察本部による特別防衛監察が設置され、解明が進められることに

まず、国民との関係でみれば、日報自体は2月7日に公開されているので、大きな実害はない。どこの部署で保管されていたかどうかが議論になっており、これは部内では問題であるが、国民との関係では些細な問題である。しかも、その後、南スーダンからPKO部隊は撤収されているので、この点でも、安全保障政策上の問題はまずない。

もっとも、防衛省の部内問題であるとはいえ、稲田防衛大臣が国会で「虚偽答弁」をしていたのであれば、それは問題である。それが今クローズアップされているのは、森友学園問題で、弁護士時代の活動についての国会発言が訂正されたり、先の都議選での自衛隊に関する不適切な失言があったからだ。

特に、都議選での失言(「防衛省、自衛隊としても(自民党候補の応援を)お願いしたい」と発言したもの)は弁解の余地はないくらい酷いものだ。筆者はたまたま失言が行われた選挙区の住民であったが、この失言と隣接地区選出の豊田真由子議員の暴言によって、自民党への大きな批判が起こるのを身近に感じた。

なお、2カ月前までの安倍政権の高い支持率には、小泉純一郎政権以降と比べて、いくつかの特徴があった。

年代別でみると、他の政権では、一般的に高齢世代ほど支持率が高い傾向があったが、安倍政権は逆に若い世代ほど支持率が高かった。男女別でみると、他の政権では男女で支持率の差は少ないが、安倍政権は男性の支持率が高かった。第2次、第3次安倍政権は、10年前の第1次安倍政権と比べても、世代別政権支持率と男女別政権支持率は異なっている。

最近になって支持率が急落した要因は、女性の支持率がさらに下がったことが大きい。強引な国会運営に加えて、豊田真由子議員の暴言、稲田朋美防衛大臣の失言も背景にあると筆者はみている。

豊田氏の暴言は本当にひどいものだった。これで高齢世代の男性の支持も大きく失ったはずだ。筆者もあの発言がテレビで流れるたびに腹が立ったものだ。

また、稲田防衛大臣の失言もひどかった。ある女性芸能関係者は、ワイドショーのなかで「神妙になるべき会見で、稲田防衛大臣のつけまつげはその場にふさわしくない」と指摘していた。こうした点に女性は敏感である。

   一種の「クーデター」だったのか

話を稲田防衛大臣の国会における虚偽答弁に戻すと、国民への開示や安全保障政策上の問題というより、議員本人の信頼の問題だろう。ただし、これを文書管理の観点から白黒つけるのは難しい。公文書があったとしても、開示するのは難しいからだ。

もしかすると、稲田防衛大臣のいうとおり、大臣は日報問題について防衛省から報告を受けていなかった可能性もある。たしかに、2月7日には日報が公開されていることから、稲田防衛大臣には隠蔽するインセンティブはない。しかしながら、これほどまで防衛省からのリークがあること自体が、シビリアンコントロールの観点から考えても異常なことだと言わざるを得ない。

筆者の役人時代の感覚からいえば、「軍隊組織」に近いほど上から下までの統率が取れているものだ。その代表格は防衛省、警察である。その意味からいえば、森友学園では財務省から一切情報が出ないで、加計学園問題では文科省からのリークが出たのは、想定内の話だ(文科省の方が、より軍隊組織からは遠いという意味だ)。

もちろん、防衛省からも自己組織に有利なリークが行われることはあるが、今回のような防衛大臣を貶めるリークは聞いたことがない。これまで、防衛省は、どのような人が防衛大臣になったとしても、組織として必死に支えてきたはずだ。

一部には、特別防衛監察の結果があまりに酷く、稲田防衛大臣にまったく責任が及んでいない点から、防衛省内での一種の「クーデター」だったのではないかという意見もある。

また、一部のテレビ局が報じたが、日報問題の「監察結果の概要」が画像付きでスクープされたり、防衛大臣室でのやりとりで稲田防衛大臣が「けしからん」といった、という報道も気にかかる。

テレビのスクープ報道のキャプチャ
監察結果の画像付きスクープは、「監察結果の概要」が外部に漏れていることを示唆するし、「けしからん」が防衛大臣の口癖であることは、知っている人は知っている話だ。これは、ひょっとしたら、安倍政権の倒閣運動が、各省庁の段階ではなく、かなりの広範囲で行われている可能性も示唆しているのだ。

    もろもろぶっ飛ぶ

いずれにしても、稲田防衛大臣の下では、防衛省の組織統率が取れていないの事実であるので、仮に稲田防衛大臣が虚偽答弁をしていなくても、大臣失格であるのは間違いない。8月上旬の内閣改造を待たずに辞任する可能性もあるだろう。短期間であれば、首相が兼務するという方法もある。

さて、安倍政権の倒閣が行われた場合、経済政策にかなりの変化が起こることは、7月10日付け本コラム(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52245)で書いた。もちろん、教育の無償化を憲法改正で行うという議論もぶっ飛ぶだろう。

教育の無償化は、憲法改正なしでも立法政策として可能だという意見もあるが、その問題点は18日付け本コラム(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52319)で書いてある。

安倍首相は、教育を投資とみて教育国債を発行する考え方にも理解をしている。これは、23日に行われた日本青年会議所(JC)との会合でも明らかになっている(日経新聞「首相、教育国債「次代にツケ残さず」 無償化財源めぐり 可能性排除せず」 http://www.nikkei.com/article/DGXLASFK23H0B_T20C17A7000000/)。この点は、ポスト安倍といわれる政治家とは異なっていることに留意すべきである。倒閣というなら、もろもろのデメリットも考慮したうえでいうべきだろう。

こうした点も含めて、24日(月)と25日(火)の国会閉会中審査が安倍政権の支持率反転につながるのかどうか、注目したい。

【私の論評】森・加計・日報問題の背後に財務省(゚д゚)!

高橋洋一氏は、ブログ冒頭の記事で、「これは、ひょっとしたら、安倍政権の倒閣運動が、各省庁の段階ではなく、かなりの広範囲で行われている可能性も示唆しているのだ」と指摘しています。

これは、おおいにありそうなことです。何やら、今回の森友に始まり、加計で国会閉会中審査が開催され、さらに日報問題と立て続けに起こる、倒閣運動は従来にはみないスケールです。

これに対して、高橋洋一氏はこの倒閣運動が広範囲となっているその背景については掲載していません。しかし、ヒントは掲載しています。

最後のほうで、高橋洋一氏は、安倍政権の倒閣が行われた場合、経済政策にかなりの変化がおこることを指摘しています。さらには、教育無償化を憲法改正で行うという議論もぶっ飛ぶとしています。

さて、これらに関与する官庁はどこかといえば、それは無論財務省です。財務省はとにかく何が何でも、増税をしたいという立場です。

福田淳一 次期財務事務次官
ところが、今までのところ複数回にわたって、10%増税を安倍総理に阻止されてきました。そうして、このままだと永久に阻止されてしないかねないという危機感を持っていることでしょう。

そこで、財務省はこの危機を打開するために、当然のことながら安倍政権の倒閣運動に向かうという筋書きはかなり自然な成り行きです。

そうして、文科省や防衛省など単独では、とてもこのような動きはできません。しかし、財務省なら、政府の金を管理しているということで、他省庁にもにらみを利かすことができるし、他省庁が何かをしようとしても、結局予算がなければ、何もできないということで、予算を司る財務省にはなかなか頭が上がらないという現実もあります。

財務省と他の省庁との違い、特に文科省との違いについては、一昨日のこのブログにも掲載しました。その記事のリンクを以下に掲載します。
「石破4条件」の真相はこれだ!学部新設認めない「告示」の正当性示せなかった文科省―【私の論評】財務省のような粘りのない文科省の腰砕けを露呈したのが加計問題の本質(゚д゚)!
石破茂氏
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に文科省と財務省の違いを指摘する部分のみ引用します。
ところが、ここから文科省は猛烈なサボタージュを始めました。八田は内閣府を通じて文科省に検討状況を何度も尋ねたのですが、期限である「28年3月末」が過ぎても明確な回答はありませんでした。結局、WG会合が開催されたのは、期限の半年近く後の同年9月16日でした。 
ちなみに「需要見通し」は、「複数の微分方程式体系からなる数理モデル」です。獣医師は足りているということを文科省は微分方程式を書いて証明すれば良かったのです。しかし、これは、文系事務官僚の手に負える代物ではないです。 
しかし、何も自分たちでやらなくても、省外の誰か数学の得意な人に顧問にでもなってもらいその人にやってもらえば、それで良かったはずです。そうして、その結果を他の複数の人に検証してもらえばそれで良かったはずです。でも、彼らにはそれをしませんでした。 
本当は誰かに頼んで、やってもらったのかもしれません。しかし、いくら数理モデルにあてはめたにしても、本当に足りなければ足りないなりの結果しかでません。外部に頼んだにしても、外部の数理研究者なども嘘をつくわけにはいきません。 
そこで、文科省は諦めてしまったのでしょう。文科省はこの点においては、財務省には負けてしまうようです。財務省の場合は、このような場合でも無理をしてでも、何とか自分たちの都合の良い資料を作り上げます。 
たとえば、デフレなど景気の悪い時には、マクロ経済学的には、減税、給付金、公共工事などの積極財政をせよと教えていますが、財務省はこの教えに背いて、デフレ気味味の現状でも増税をするための根拠を何とかでっちあげています。 
そうして、増税の根拠をご説明資料にまとめて、政治家やマスコミなどに足繁くかよい説明をして、その根拠をまわりに信じ込ませ、とうとう8%増税を安倍政権に実行させてしまいました。しかし、この根拠はでっちあげだったことは、増税後の大失敗ですぐに暴露されました。 
この手口は、詳しく分析してみると、数理モデルを駆使するような高度なものではありません。良く分析するといくつもの錯誤の上に成り立っていることは確かです。たとえば、財政と税制の一体改革なるものを打ち出し、まともな医療や社会保障を受けたいのであれば、増税に甘んじなければならないなどと、多くの人の情感に訴えるものであったり、明らかな錯誤の上に成り立つものです。
財務省の嘘を暴く高橋洋一氏の番組
その手口の中心は、政府の負債だけに注目させて、資産を無視して、国の借金1000兆円であり、政府は借金塗れであるようにみせかけるというものです。また、統合政府という、日銀と政府を含めた尺度見た統合政府の財政状況なども無視です。これなど、民間企業では連結決算ということで当たり前になっていることですが、それが明るみに出れば、政府の借金など幻想に過ぎないということが国民知れてしまうで、財務省はおくびにも出しません。
財務省は、自分たちの省益を守り抜くには、ここまでやり抜くのですが、文科省にはこうした根気や、覚悟がなかったようです。さすがに、一流官庁といわれる財務省と最低といわれる文科省の違いです。(無論これでは、財務省も国民にとって良くはないのですが、目標に向かって執着心を持って、努力するという意味では財務省のほうが優れているという意味です)
この文科省に比較して、はるかに粘り腰の強い、財務省が、従来のように財務省単独で、安倍政権を手玉にとったり、場合によっては弱体化させ事実上の倒閣にもっていくことができれば、財務省の最大目標である「増税」を心おきなく実行できます。

菅官房長官と安倍総理
とにかく、安倍政権がなくなれば、その後は自民党政権であろうが、民主党政権であろうが、その他の政党や連立政権であろうとも、安倍総理とその側近以外はほとんどが増税派ですから、増税は簡単にできます。

彼らにしてみれば、10%増税など序の口で、最終的には25%増税を目指していることでしょう。しかし、このような財務省の試みに対して、安倍政権一度は8%増税で負けたものの、 増税延期を公約とした選挙で大勝して、増税を阻止したり、その後は選挙に頼ることもなく延長を一方的に決めてしまいまいました。

これでは、省是である「増税」を完璧に阻まれると認識した財務省は、最後の賭けにでたのでしょう。とにかく、安倍政権と刺し違えてでも、増税を成就させるという腹なのでしょう。

そのため、従来は主に財務省がコーディネートして、政治家や民進党などの野党、マスコミやいわゆる識者を動かし、増税キャンペーンに巻き込んていた状況から、やり方を変え、多くの省庁を巻き込むさらに広範な形で、安倍政権倒閣運動にのめり込んでいる状況なのでしょう。

高橋洋一氏としては、これを言いたかったのでしょうが、現状のところでは、確たる証拠もないので、ブログ冒頭のような記事のような書き方になったのでしょう。しかし、経済に少し詳しい人や、政局に詳しい人が読めば、おそらく私と同じ解釈になるに違いないです。

死に物狂いの財務省は、たとえ現役次官など複数の高級官僚のクビが飛んだとしても、各省庁を巻き込んで、安倍政権に挑み、何とか安倍政権をなきものにしようともくろんでいるのでしょう。

そうなると、今後も森友・加計、日報問題と同じようなことが続くものと考えられます。さて、次は何なのか、思いもかけないところから、また問題が発生するかもしれません。

現在の安倍政権は従来とは異なる「2つの武器」を手にしています。官邸(内閣官房)に「内閣人事局」を設置して各省幹部の人事権を掌握したことと、特定秘密保護法の制定です。今のところ、これを十分に使うには至っていませんが、今後は駆使することでしょう。これによって、官邸は官僚から政治力を奪い、政治主導に徹しようと考えています。

これに対して、霞が関全体が財務省をリーダーに、支配権を取り戻そうとスクラムを組んだか、組もうとしているのが現状です。

しかし、このような財務省の活動は本来許されるものではありません。そもも、財務省などの各省庁は、政府の下部機関にすぎません。会社でいえば、官邸は本部や本社のような存在です。各省庁は、財務部や総務部、あるいは小会社のような存在です。

それに、官僚は国民の信託を受けているわけではないですが、政治家は選挙によって国民の信託を受けて、政府を構成しているのです。

本部や本社が、下部組織であるはずの部や、小会社に支配されるようなことがあっはならないはずです。それでは、会社全体を統治することできません。

安倍総理も座して死を待つつもりは全くないでしょう。今後、官邸と財務省の間にはかつてなかった壮大な大バトルが始まります。この戦いに官邸が負ければ、10%増税が行われ、その他の緊縮財政が導入され、日本はまた失われた20年に突入し選挙など有名無実になり官僚支配が完璧に定着することでしょう。

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2017年4月26日水曜日

【復興相辞任】「#東北でよかった」 失言逆手…自慢ハッシュタグに共感広がる―【私の論評】今村が「身の丈知らず」の愚か者に成り果てた理由(゚д゚)!

【復興相辞任】「#東北でよかった」 失言逆手…自慢ハッシュタグに共感広がる

今村雅弘
 「#東北でよかった」。東日本大震災を巡る今村雅弘前復興相の「まだ東北で良かった」発言を逆手に取り、「東北に生まれて良かった」「東北を訪れて良かった」という趣旨のつぶやきや画像がツイッターに続々と投稿されている。

ツイッターは「#」を付けた単語をハッシュタグと呼び、これを付けて投稿すると、キーワードとして検索しやすくなる。

「#東北でよかった」のハッシュタグが付いた投稿には、東北各地で撮影された桜や紅葉の景色や、仙台七夕や青森ねぶた祭など東北の夏祭りなどの写真が「誇れる故郷」「東北の景色がすき」などのつぶやきとともに投稿されている。東北以外からエールを送る声も書き込まれている。

「失言が、#をつけたことで郷土愛に変わった。 失言する人がいる一方で、その失言を『東北の魅力を発信するハッシュタグ』にして、東北を盛り上げよう、応援しようとする人もいる。そんな国でよかった。こんなに泣けるハッシュタグは初めて」と書いた人もいる。

【私の論評】今村が「身の丈知らず」の愚か者に成り果てた理由(゚д゚)!

今回の今村雅弘の失言は、さすがにあり得ないと思います。マスコミが一部を切り取って報道をするのはよくあることで、今村雅弘の前回の失言はその要素が強く、あれでは激高するのも無理はなく、あれで辞任になるとは思いませんでした。

何しろ、テレビの画面では本の数分でしたが、実際には記者と今村氏のやりとりは、27回にも及んでいました。今村氏は当初、自主避難者の扱いについて国の考えを淡々と説明していたのですが、21回目のやり取りで、フリー記者が「責任持って回答してください」と迫ると、今村氏は「なんて君は無礼なことを言うんだ。ここは公式の場だ。撤回しなさい!」「人を中傷、誹謗(ひぼう)するようなことは許さない」などと怒りを爆発させたのです。

2人のやり取りは、何と27回も続いたのです。今村氏は4日夕方、復興庁でぶら下がり取材に応じ、「ちょっと感情的になってしまった。改めておわび申し上げ、今後はこういうことがないよう冷静、適切に対応していきたい」と語っていました。

しかし、今回の発言に関しては、いくらマスコミが切り取ったにしても、「まだ東北で良かった」などという発言はどう考えても不適切です。

以下に問題となった今村雅弘の発言の動画を以下に掲載します。


火消しに走ったというか、その場で素直に詫びた安倍総理の対応は良かったと思います。もし、あの場で、総理が何も発言をしなければ、後々かなり問題になったかもしれません。

この動画を見ていて、唖然としましたが、言い方をもっと変えるべきだったと思います。東京などで被害が起こるととんでもないことになるということを言いたければ、現在や過去の話ではなく、未来の話として、英文法でいうところ未来形で話をすべきだったと思います。

「東京で同じような地震や津波が発生した場合、さらに甚大な被害が起こることになるかもしれません」などと発言すれば、復興に関して広くアピールできたし、問題になることはなかったと思います。

しかし、「東北だから良かった」というのでは、どう考えても問題発言になるのは必至です。今村は、天変地異とはいえ、無辜の同胞二万が無念のうちに亡くなったあの大地震をなんと心得ているのでしょうか。大臣をやめるだけではなく、議員辞職し、被災地に対して謝罪行脚をすべきです。

到底まともな人の心を持っているとは思えない鬼畜の発言としか言いようがありません。

そもそも、今村といえば、2005年の郵政国会で郵政民営化法案に反対したことを原因に自由民主党から離党処分が下された政治家のうちの一人です。このときに離党処分になった多くの議員が復党しています。

2005年 08月 08日  参議院本会議 郵政民営化関連6法案採決

2005年、第44回衆議院議員総選挙において衆議院本会議で郵政民営化法案に反対票を投じた自民党議員は党議拘束に造反したとして、自由民主党の公認が与えられませんだした。党から公認されない中で衆議院議員となるには党の公認候補(または支援候補)に対立する候補として立候補するしかありませんでした。

離党勧告となった造反議員は将来における復党を目指し、その後の議員活動も政府案に賛成するなど自民党に賛同する行動をとっていました。

2006年9月26日、総理総裁が小泉純一郎から安倍晋三に交代し、造反無所属議員12人は首班指名でも安倍に投票し、自民党に賛同する行動をとり続けました。

そんな中、青木幹雄など自民党参議院幹部を中心に、造反組を復党させる案が浮上しました。10月に自民党の有力者の会合で造反無所属議員12人を復党させる案に賛成する意見が多数出たため、造反議員の復党が現実味を帯びてきました。以下が造反無所属議員のリストです。無論、今村雅弘の名前も掲載されています。


2007年の第21回参議院議員通常選挙において、地方に強固な支持基盤を持つ議員が多い造反組の協力が必要とする考えからです。造反議員としても復党となれば、自民党議員として自民党の会合に参加できることや政党助成金が受け取れるなど復党のメリットを享受できます。

一方、自民党内部からは造反組の選挙区に「刺客」として当選してきた議員や郵政民営化を訴えて初当選した新人議員を中心に復党に反対する意見も出ました。

2007年9月には誓約書を提出していなかった平沼赳夫元経産相も誓約書を提出せずに復党することが内定していると報道されました。そのため、離党勧告を受けた無所属造反組は全員復党が可能となる見込みとなりました。

8月の第1次安倍改造内閣・自民党役員人事において自民党選対総局長に就任した菅義偉は「私の仕事は首を切ること」と発言していること、また、麻生太郎自民党幹事長なども、片山さつきや佐藤ゆかりを党の主要ポスト(それぞれ党広報局長、幹事長補佐)から外すなどしています。

安倍政権は閣僚が不祥事を連続させるためガタガタの状態であり、このままでは衆院選に敗北することに危機感を覚えた自民党執行部は「次の衆院選では勝てる候補しか公認しない」「まぐれ当選の人物より、実力・実績のある人物を公認したほうが確実」という方針をとったため、いわゆる小泉チルドレンは次期衆院選においていっそう厳しい立場に立たされました。

しかし、安倍首相が9月12日に辞任し、後継首相に福田康夫がなり、事態は急変。後任幹事長である伊吹文明が平沼の求めている落選造反議員との同時復党は難しいとの趣旨の発言を行っています。結局、平沼は復党から「自民党でも民主党でもない第三極の結集」を掲げて2008年に落選した造反組らを中心とする「平沼グループ」を旗揚げし、復党にこだわらない方針へ転換しました。

このように、今村雅弘は郵政造反して自民党から離党を余儀なくされたのち、第一次安倍の時に温情で自民党に再度拾われた身です。にもかかわらず、居丈高になり、第二次安倍内閣で閣僚となり安倍総理に砂をかけるとは、とんでもないことです。今村は、第一次安倍の時に復党していなかったら今頃国会議員ですらないということも十分考えられました。

このようなことを考えると、安倍総理は今村の今回の失言に関しては、内心烈火の如く怒ったことでしょう。

今村は、二階派(志帥会)所属の議員ですが、二階氏は今村擁護発言をしています。今村復興相が26日、辞任しましたが、安倍首相は自らの任命責任を認め、国民に陳謝しました。
問題の発言から半日という異例の早さで更迭された今村復興相。安倍首相は政権へのダメージを最小限に抑えたい考えなのでしょう。

安倍首相は、「任命責任はもとより内閣総理大臣たる私にあります。こうした結果となりましたことに対しまして、国民の皆様に心からおわびを申し上げます。結果を出すことによって国民の皆様の信頼を回復したいと考えています」

現状では残念ながら与党自民党も、大半の議員は民進党と同レベルです。こういう愚か者を大臣にしてはいけません。共感能力を言語化でき、なおかつ政策センス主体で選んでほしいです。それにしても、人材が不足しているということがわかります。

吉野正芳新復興相
後任には「被災地に寄り添える人物」ということで、福島県選出の吉野正芳衆議院議員が就任しました。政府・与党内にもほとんど、今村復興相の発言に擁護論はないのですが、今村復興相が所属する派閥の会長、二階幹事長は「多少の思い上がりがあった」とする一方で、大臣辞任の必要性については懐疑的な見方を示しました。

自民党・二階俊博幹事長「言葉の誤解はない方がいいに決まっているけど、そういうことがあった場合にはいちいち首を取るまで張り切っていかなくてもいいんじゃないか」

今村復興相の発言は単なる「言葉の誤解」なのでしょうか。二階幹事長のこの発言も今後、波紋を広げそうです。

乾杯する自民党二階派の代議士ら。自民党の二階俊博幹事長(前列左から2人目)
から離れた場所で乾杯する今村雅弘復興相(右から2人目)=25日午後
そもそも、今村雅弘復興相辞任への引き金となった発言は、所属する自民党二階派が25日に開いたパーティーで飛び出したものです。東京電力福島第1原発事故をめぐる失言で窮地に陥った今村氏の「名誉挽回のチャンス」として、二階派が用意したひのき舞台がかえってあだになったのです。同派を率いる二階俊博幹事長の面目も潰れ、年に1度の華々しいパーティーは一気に暗転しました。

今村氏は、二階派所属の鶴保庸介沖縄北方相とともに、パーティーの行事として講演に臨みました。演題は「荒海を航(い)く! 強いニッポンを創ろう」。二階派の配慮に対し、勇んで約20分間、復興や防災への取り組みを語った今村氏でしたが、その中で東日本大震災の被害に関し「東北で良かった」と語ったのでした。

事態は直後に急変しました。講演後の懇親会に駆け付けた安倍晋三首相があいさつの冒頭で今村氏の発言を陳謝したのです。パーティーでの異例の首相の発言に会場の空気が凍りつきました。

にもかかわらず、二階氏の擁護発言です。このような甘やかしが、今村のような「身の丈」を知らない愚かな議員を生んでいるのではないでしょうか。

そもそも、造反議員を復党させたのは、選挙対策でした。そうして、今村が造反議員であるにもかかわらず、大臣になれたのは、今村に能力があったとか、功績があったなどということではなく、派閥の力学によるところです。

このようなことで、大臣になった人間はやはり、「身の丈」知らずの驕り高ぶりが生まれるのだと思います。まともな人が彼の立場であったら、日々感謝の気持ちを忘れることなく、とくかく自分に与えられた職責に日々邁進し、余計なことはしゃべらないと思います。

以前このブログではいわゆる「身の丈」を知らない人間について、掲載していた時期があります。最近は、掲載することもなくなりましたが、再度「身の丈」という言葉の重みを知る機会を得ることのできた出来事でした。

この「身の丈」という言葉、最近は死語に近いものがあります。あまりピンとこない方は、最近文筆家の古谷経衡氏が『意識高い系の研究』という書籍を出版しましたのでこの書籍を読んでいただけるとわかりやすいかもしれません。

この「意識高い系」とは「意識の高い人」のことではありません。あくまで、「意識高い系」です。これは、昔の言葉でいえば、「身の丈」を知らない人ということになると思います。

私は、この書籍を読んでそのように解釈しました。古谷氏は、Yahooニュースで安倍昭恵さんのことを典型的な「意識高い系」と評していました。昔風の言葉でいえば、安倍昭恵さんは「身の丈知らず」ということになると思います。

今村雅弘も典型的な「意識高い系」なのかもしれません。今村については、古谷はかなり痛烈に批判していました。今村についても「意識高い系」という観点から分析してもらえたら、結構興味深いものになるかもしれません。

いずれにせよ、現在は「身の丈」という言葉が死語になったためもあってか、あるいはそういう風潮があったからこそ、死語になったのかはわかりませんが、多岐にわたる分野で「身の丈」を知らない人が増えたようです。

今回は、たまたま、自民党の閣僚だった人についての話を掲載しましたが、民進党の議員にも総統「身の丈知らず」が存在します。官僚にも、大勢います。それだけに限らず、多くの分野でみられます。とにかく私自身は、自分の「身の丈」はいかほどのものか、良く点検して、今村のようにドツボにはまるようなことは避けたいと思います。

それにしても、世の中には「身の丈」を知らない人が大きな問題を起こしているようです。それについては、以下の【関連記事】のところに関連した記事を掲載します。

【関連記事】






2016年7月3日日曜日

英EU離脱、金融パニックでも安倍叩き!「アベノセイダーズ」の正体 田中秀臣(上武大学ビジネス情報学部教授)―【私の論評】左右双方に存在する正統保守主義を理解できない愚か者どもの戯言(゚д゚)!

英EU離脱、金融パニックでも安倍叩き!「アベノセイダーズ」の正体 田中秀臣(上武大学ビジネス情報学部教授)

5月5日、ロンドンで英国のキャメロン首相(左)と会談した安倍晋三首相

EU離脱か否かを問う国民投票がイギリスで行われ、賛成派がわずかに上回ったことで、同国のEUからの離脱が決定的になった。これから数年かけてイギリスはEUから離脱する手続きを進めていくことになるだろう。英紙『エコノミスト』を中心にして、様々な経済研究機関はイギリスのEU離脱は同国の経済成長率を押し下げ、しかもそれが長期間に及ぶと予測している。(総合オピニオンサイト iRONNA

筆者が見たところでも、2016年の直近で公表された経済成長予測ではマイナス成長は当たり前で、深刻なケースではマイナス5%以上にもなるとの試算がある。この数字はリーマンショック時をはるかに上回る。また出ていくイギリスだけではなく、EUにとっても経済的衝撃は深刻だろう。エコノミストの安達誠司氏は、むしろイギリスよりもEU側の損失の方が大きいだろうと指摘している(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48985)。

あるイギリスのジャーナリストは、「もう連合王国とはいえない」とTwitterに書いていた。これはイギリスでの投票結果をみると、EU残留はスコットランド、北アイルランドが圧倒的で、またEU離脱はイングランド、ウェールズに圧倒的(ただしロンドン市のシティなどは抜かす)であることを示唆している。実際にスコットランド、北アイルランドともに連合王国からの離脱が、今後加速化していくことは避けられない情勢だろう。

この「イギリスの終焉のはじまり」とでもいうべき状況は、つい先日までのEU残留の可能性の高まりをうけて、株価が上昇傾向にあった各国市場を直撃した。もっとも深刻だったのが、開票の時間帯にオープンしていた東京株式市場であり、日経平均株価は1286円33銭安の1万4952円2銭に下落した。下落幅、下落率ともに史上最大級に属するものだった。また為替レートの変動幅は7円以上をしめし、その乱高下幅はかってない大きいものであった。一時は1ドル99円台をつける円高になったが、現在でも円高域の中で不安定な動きを続けている。今後、米国やヨーロッパ市場にも同様の経済不安定化の波が押し寄せていくだろう。

EU離脱が経済に深刻なリスクをもたらす可能性を、安倍首相は伊勢志摩サミット前のイギリス訪問時に、キャメロン首相にその旨を伝えていた。また同様のEU離脱による深刻な経済リスクを(おそらく安倍首相の要求で)サミットの各国首脳宣言に明記することにもなった。だが、アベノミクスに批判的なマスコミや政党はこれを冷笑とともに受け取ったのは記憶に新しい。筆者はそのような「サミットやアベノミクスの失敗」を事実とは違う形で扇動する人たちを、本連載でも厳しく批判した。そのような政治的なスタンスに過度に立脚した扇動は、単純な事実や明瞭な論理を不透明にしてしまい、我々の経済や社会問題に対する判断を曇らせてしまうからだ。

例えば、なにか経済的問題や社会問題が発生すると、安倍首相の責任にする珍妙な現象を目にすることがある。通常は単なるネットでの奇怪な現象にしかすぎない。冗談もふくめて、そういうなんでもかんでも安倍政権のせいにする人たちのことを「アベノセイダーズ」と呼ぶ風潮もある。

写真・挿絵はブログ管理人が挿入 以下同じ
アベノセイダーズだけではなく、EU離脱問題を契機にしたアベノミクス批判は盛んである。安倍首相がイギリス訪問時に「キャメロン首相にEU残留を熱心に説いたのがイギリス国民の気質に逆らって、むしろEU離脱を促すことにもなりかねない」仮説を説いた著名経済学者もいた。安倍首相もイギリス世論を動かすほどの存在だとは驚きである。

また今回の株価の下落と円高によって、「アベノミクスの“化けの皮”がはがれた」などと非科学的な発言をいう人たちも多い。問題はイギリスのEU離脱という海外発の衝撃であり、アベノミクスがどうこうという問題ではないだろう。仮にアベノミクス以外の政策スタンスをとっていても今回の出来事は、株価下落や急激な円高をもたらしただろう。仮に安倍政権発足前の株価水準と為替レートの水準だったとしたら、日経平均は1万円台、ドル円は85円。株価は9千円台を割りかねず、また為替レートは1ドル70円台にまでになるだろう。「化けの皮」がはがれるどころか、日本経済の危機的状況はさらに深まったに違いない。


さて、不毛な議論に付き合うのはこれぐらいにして、今後の対策はどうすべきだろうか? まず日本だけに限って言えば、株価も為替レートもともに落ち着きを多少とも取り戻すと考えるのが無難だろう。もちろん今後、イギリスの経済情勢は不安定化し、また連合王国の分断が進んだり、他のEU諸国にも追随する動きがでればさらに世界経済の不安定化は増していく。そうなってくると今回のイギリスのEU離脱は、長期的な世界経済の押し下げ要因になっていくだろう。また中国、ロシアなどの新興国経済の低迷、米国経済の性急な利上げショックなど、世界経済の不確実性が急速に高まってしまう。

率直にいえば、日本は消費増税などにかかずらっている場合ではないのだ。政策的にできるベストの選択を行い、海外の経済リスクに備えるべきだ。例えば、消費増税は二年半の先送りではなく、事実上の「凍結」を目指すべきだ。またベストは5%への消費税減税である。

これに加えて、日本銀行は追加緩和を行うべきである。マイナス金利はマネーの量的な拡大とともになら明瞭な政策効果を発揮するだろう(マイナス金利だけの効果は限定的)。また最低賃金の引き上げを継続していき、労使ともにベアの引き上げを行うように政府も率先して調整することも必要だろう。もてる政策資源をフルに活用すべきだ。

もしアベノミクス以前(あるいは以下)の政策に戻ることを国民や政治家たちが選ぶとしたら、それは日本社会を分断していく深刻なショックをもたらすだろう。イギリスの問題は、日本の将来の問題にもなりかねない。

田中秀臣

【私の論評】"アベノセイダーズ"は正統保守主義を理解できない愚か者の所業(゚д゚)!

"アベノセイダーズ"とは、分野を問わずあらゆる出来事の責任を安倍晋三首相に求め「安倍のせいだ!」と叫ぶリベラル派等を揶揄する、ネットスラングです。

パリで同時多発テロが発生すると、「安倍のせいで次は日本がテロの標的になる」。北朝鮮が核実験を強行すると、「これは危機を煽って憲法改正を推し進めるための、安倍政権の陰謀だ!」と何でも安倍首相のせいになってしまいます。

2016年2月3日、元野球選手の清原和博容疑者が覚醒剤取締法違反容疑で逮捕されたのは、皆さんの記憶にも新しいと思います。このときは、同時期に持ち上がった甘利明経済再生相の辞任騒動と結び付けて「清原逮捕は、甘利辞任という政治的失点を覆い隠すための、安倍政権の陰謀だ!」との声がリベラル派から上がりました。もちろん、これがなんら根拠のない陰謀論にすぎないことはいうまでもありません。このように芸能ネタまで、安倍首相のせいになってしまいます。

何でも安倍首相のせいにしてしまうのは、簡単なことです。普段頭を使わない人が、何でも陰謀論や、安倍首相のせいにしてしまい、自分の頭で納得できないことを無理やり納得して、それですませるというのはありがちなことだと思います。アベノセイダーズもその類なのだと思います。

しかし、こうも頻繁にしかも何もかも「安倍のせい」とするリベラル派が多いのは、何か背景があるのだと思います。
その背景としては、安倍首相は現状の日本のいわゆる、リベラルや保守からみれば、保守なのかリベラルだかわかららず、ヌエ的のようにみえてしまうということではないかと思います。ただし、いわゆる保守層は"アベノセイダーズ"的な発言をあまりしないので、リベラルの"アベノセイダーズ的"な発言が著しく目立つようになっているのだと思います。

ちなみに、ここで私が使っているリベラルとか、保守という言葉は、言葉も本来の意味での「リベラル」や「保守」ではありません。現在の日本でいわれている「リベラル」や「保守」のことです。実はこの事自体が、「アベノセイダーズ」現象の背景にあるのではないかと思います。しかし、それは後で述べることにします。

「京都 鵺 大尾」(「木曽街道六十九次」の
内、歌川国芳画、嘉永5年(1852年)10月)
安倍政権の最大の特徴として、大胆な金融緩和を伴った「アベノミクス」が挙げられます。しかし、雇用が悪化したときに、大胆な金融政策をすべしと主張するのは西欧ではリベラルや左派です。

これは、このブログにも以前掲載したのですが、左派の経済学者の松尾匡さんは、「左派の立場こそ本来、金融緩和を重視するべき」と主張しています。松尾さんは朝日新聞のインタビュー記事において、以下のように述べていました。
欧米では左派は金融緩和に賛成という色分けが普通だ。金融緩和は雇用を拡大させる効果があり、それは左派が重視するものだからだ。一方、物価が上がってインフレになれば資産が目減りするから、お金持ちの階級が金融緩和に反対する。こういった人々の支援を受けた右派の政治家は普通、金融緩和については否定的だ。
朝日新聞デジタル 2015年2月16日
西欧の認識からすれば、安倍政権はなんと(欧米基準での)左派ということになってしまいます。そうして、安倍政権は、自らの支持層である保守派から反発を受けても、それに抗って政策を推し進めるという傾向があります。この傾向は、金融政策だけではありません。

2015年10月、日米をはじめとするアジア・太平洋地域の12ヶ国は、環太平洋経済連携協定(TPP)締結交渉で大筋合意に達しました。TPPに関しては、自民党の支持基盤のひとつである農業団体が「日本の農業が破壊される」として、これに反対してきました。安倍政権は、支持基盤からのそうした反対の声を押し切って、TPP批准にむけて進んでいます。

日韓関係においても同様のことが言えます。2015年12月、日本と韓国は「最終的かつ不可逆的に」慰安婦問題を解決することで合意しました。この合意に対し、日本の保守派からは「日本の名誉が傷ついた」として強い反発の声が上がっていました。

安倍首相の国家観にも注目する必要がありそうです。2015年に安保法制が成立した際、これに反対するリベラル派の間では、安倍首相をヒトラーになぞらえる言説が多く見られました。


しかし、評論家の古谷経衡さんは、安倍首相が意外にも多民族・多人種社会を肯定していることを指摘しています(『愛国ってなんだ 民族・郷土・戦争』 PHP新書)。安倍首相が著書『美しい国へ』のなかで、1998年サッカーW杯においてアルジェリア系のジダン選手はじめ移民の選手たちが活躍してフランスを優勝へと導き、フランス国家の英雄となったことを称賛しているからです。

安倍政権を積極的に支持している保守派も、こうした国家観を必ずしも肯定はしないでしょう。

このように、現状の日本のいわゆるリベラルや保守からすれば、安倍首相は憲法改正を推進する保守のようでありながら、リベラルでもありどっちつかずに見えるに違いありません。彼らからみれば、理解できない、きわめてヌエのような存在に見えるに違いありません。
安倍首相を既存の「保守」のカテゴリーに括ることができないからこそ、リベラル派や一部保守はこの得体のしれない安倍首相に、ほとんど生理的と言っていいほどの強い嫌悪と恐怖を抱いてしまうのではないでしょうか。ただし、保守層はアベノセイダーズ的な振る舞いはしないので、リベラル派の「アベノセイダーズ」がかなり目立ってしまうことになっているのだと思います。

宮崎哲弥氏は日本のリベラルを徹底的に批判している
おそらく現代日本において「リベラル派」とされてる人たちのことは本当は「新左翼」「ニューレフト」と呼ぶべきでしょう。従来の意味での新左翼は学生運動や成田闘争といったものに代表されるように、暴力的革命運動をする人々でした。ここに「言葉の暴力」という概念を持ち込むと、現代日本において「リベラル派」と呼ばれる人たちを新左翼と呼ぶのに値することに気づきます

彼らのネットの活動を見ていると「安倍のせい」どころか、「あべしね」というワードがちらほら出てきます。今の総理大臣安倍晋三氏に対して「死ね」という言葉を投げつけているわけです。暴言以外のなにものでもないでしょう。

「日本のリベラル」を「火炎瓶やゲバ棒を暴言に持ち替えた新左翼」と定義付けてしまえば、彼らはもはやリベラルではなくなります。スタンダードな意味での自由主義、中道左派を真のリベラルと呼ぶことができるでしょう。

いわゆる「アベノセイダーズ」は、「火炎瓶やゲバ棒を暴言に持ち替えた新左翼」もしくはそれに近いシンパであることが理解できます。

さて、私自身は安倍首相は保守的であると思います。それは、良くいわれる◯◯と、☓☓に賛成して、△△と□□に反対だから保守というような浅薄な見方による保守ということではありません。

言葉の本来の意味での保守ということです。それは、このブログにも以前掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。


金慶珠(キム・キョンジュ)東海大学教授
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下にこの記事から真の保守について引用します。
保守派というと、自民党が保守で野党は革新などという人もいますが、ご存知のように、このような分類は今や無意味になりました。さらに、人によっては、このような主張をする人が保守で、あのような主張をする人が革新やリベラルなどという人もいます。 
しかし、このような考えは根本的に間違いだと思います。主義主張そのものは、保守であるかないかを明確に区分するものではありません。 
それよりも、世の中の仕組みをどうするかというときに、「ステップを踏むなんてもどかしい」と「ウルトラCに賭ける」のが急進派、革命派であり、「ウルトラCなんかない」から「ステップを踏んでいくしかない」と考えるのが(反動ではない正しい意味での)保守派であり、中庸派であるということです。
コマネチ、オリンピックで10点満点。機械のように、
正確に技をこなすところはある意味怖いくらいだった。
そうして、民主主義の根本理念はケント・ギルバート氏が語るように「是々非々」であることを忘れるべきではないのです。世の中の仕組みを変えるときに、極端に走らず「是々非々」の民主主義というステップを踏む中庸主義が、保守主義と言えるでしょう。 
そういうステップを踏まずに、「誰の主張か」で物事を判断して、事を進めようとする人はそもそも保守ではないのです。 
それは、結局のところ真の保守ではないのです。世の中には、本当は保守はではないにもかかわらず、あたかも保守であるように振る舞う偽装保守などといわれる人々もいますし、そうではないまでも、主義主張がいわゆる保守派といわれる人々に似ているので、自分を保守とする自称保守という人もいます。 
偽装保守、自称保守の見分け方は簡単です。一見保守のように振る舞いながらも、「誰の主張か」にもとづき物事を考え、変化や進歩に対応するのに、ステップを踏まずに一挙に「変革」を求めるようなことをする人です。特に、この変革に際しては、社会や現実をよく確かめもせずに「制度設計」等で性急に対応しようとします。 
私たちは、このようなことにならないように、頭を使うべきです。そうでないと、「安倍死ね」と語る人々と大差がなくなってしまいます。
いずれにしても、"アベノセイダーズ"的発言は、真のリベラルや真の保守からは起こらないのであり、これらを発言する人たちは、 「火炎瓶やゲバ棒を暴言に持ち替えた新左翼」と一部の「偽装保守」及びそれらのシンパということになると思います。

イデオロギーに固まった、これらの人たちから見れば、確かに安倍総理はヌエのような存在にしか見えないでしょう。しかし、安倍総理はマネジメントの大家ドラッカー氏のいうところの「改革の原理としての保守主義」を実践しているのだと思います。


これについて、ドラッカー氏は以下のように語っています。
保守主義とは、明日のために、すでに存在するものを基盤とし、すでに知られている方法を使い、自由で機能する社会をもつための必要条件に反しないかたちで具体的な問題を解決していくという原理である。これ以外の原理では、すべて目を覆う結果をもたらすこと必定である。 
ドラッカー名著集(10)『産業人の未来』
改革のためのドラッカーの方法論は、“保守主義”です。しかし、昔がよいとして昔を懐かしみ、昔に戻せという思想ではありません。

英語では、保守主義は、コンサーバティズムです。しかし、この英語にも、昔に戻せ、という保守反動的なニュアンスがあります。そこで、“活力ある保守主義”という言い方がされたりします。ドラッカーも、これには困り、あるときは“正統保守主義”と言い、あるときは米国と英国の“伝統としての保守主義”という言い方をします。

本当の意味での保守主義は、第1に、過去のためのものではありません。正統保守主義とは、「明日のため」のものです。あくまでも未来志向のものです。

正統保守主義とは、第2に、なんらかの青写真に沿って社会を形成しようとするものではありません。なんらかの万能薬を服さしめようとするものでもありません。

それは、ケース・バイ・ケースで問題を解いていこうとするものです。医学にしても、万能薬を求めているあいだは進歩しませんでした。風邪には風邪、腹痛には腹痛の治療を求めてから急速な進歩が見られくました。したがって、それは、「具体的な問題を解決していくものです」。

正統保守主義とは、第3に、手持ちの道具、役に立つことが実証ずみの道具を使って問題を解こうとするものです。理想的な道具を新たに発明しようとしても無理です。「それは、既に存在するものを基盤とし、既に知られているものを使うものです」。

かくしてドラッカーは、改革のための原理は、保守主義たるべしととし以下のように語っています。
第一に、過去は復活しえないことを認識することが必要である。第二に、青写真と万能薬をあきらめ、目前の問題に対する有効な解決策をみつけるという、控え目で地味な仕事に満足することを知ることが必要である。第三に、使えるものは既に手にしているものだけであることを知ることが必要である。 
『産業人の未来』
安倍総理はまさにドラッカーのいうところの、「改革の原理としての保守主義」を実践しているのです。たとえば、金融緩和策です。これは、ドラッカーのいうところの「既に手にしているもの」です。金融緩和策は新しいもてのではなく、昔からマクロ経済学でも教えられているように既に実証された使えるものです。

何のことはない、リベラルな正統保守主義者も成り立つということです。正統保守主義者によるリベラルな発言や行動も成り立つのです。そもそも、社会を本当に変革するのは、すでに手にしているものによってだけです。これは、イノベーションも同じです。唯一の例外は、まだ手にしていない技術などを開発しつつ進めた巨大ブロジェクトであるアポロ計画だけです。

このような正統保守主義を理解できない人たちが、"アベノセイダーズ"に堕落しているというのが真相なのです。

結局彼らは、過去のニューレフトと同じく、破壊することはできても、創造することはできないのです。


安倍自民党に塩を送る民主党 お家芸の内ゲバ体質変わらず ―【私の論評】次の選挙で民主党は、PKO法案後の選挙で姿を消した社会党と同じ轍を踏む (゚д゚)!




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2016年5月21日土曜日

舛添都知事“絶命”危機 都議「6月辞任不可避」 都議会各会派徹底追及へ ―【私の論評】上下左右から辞任に王手で新潮流が生まれる可能性も(゚д゚)!




   東京都の舛添要一知事(67)の「政治とカネ」をめぐる問題で、新事実が次々と明らかになっている。まさに“疑惑の総合商社”状態だ。そんな中、都議会各会派も、6月議会で「豪華海外出張」や「公用車での別荘通い」「韓国人学校への旧都立高校貸し出し」など、数多の疑惑・問題を徹底追及する方針を固めた。都庁周辺では「6月辞任」説が流れ始めており、舛添氏は絶体絶命の危機を迎えている。

    前回会見(13日)以降、発覚した主な疑惑・問題は以下の通り。

    まず、舛添氏が代表を務めていた資金管理団体「グローバルネットワーク研究会」(現在は解散。以下、グローバル研究会)の収支報告書に、2012年8月、栃木県日光市の「宿泊費」約8万4000円が支出されていた。お盆の時期にあたり、「千葉県の温泉施設同様、政治資金を家族旅行に流用したのでは」という疑惑が浮上した。

    参院議員時代の13年、政治資金を使ってネットオークションサイト「ヤフーオークション(ヤフオク)」で、ブロンズの裸婦像や竹久夢二のリトグラフなどを購入していたことも分かった。「財テク疑惑」が投げかけられたが、舛添氏は「海外の方と交流する際のツールとして活用している」と説明した。

    政党交付金の「ネコババ疑惑」(週刊文春)も強烈だ。

    舛添氏関係の政治資金収支報告書によると、代表を務めていた新党改革比例区第4支部が解散する直前の14年1月、前出の「グローバル研究会」に計約526万円が寄付されていた。このうち、約429万円は税金が原資の政党交付金だった。

    グローバル研究会は14年7月末に解散したが、資金は現在の舛添氏の資金管理団体「泰山会」に寄付されていた。違法性はないようだが、事実上、国民の血税を還流したものといえる。

    事務所費の問題も重大だ。舛添氏は少なくとも新党改革の代表に就任した10年以降、自宅に事務所を構える自身の複数の政治団体から、毎月44万2500円、年間計531万円の家賃の支払いを受けていた。

    これらの疑惑・問題は、舛添氏に定着した「セコイ」「卑しい」「小さい」というイメージを、さらに補強した。

舛添氏の「韓国優遇」姿勢を決定付けるような資料も見つかった。

    夕刊フジは18日、独自入手した都の資料「都内外国人学校(認可校)の状況」をもとに、韓国人学校の充足率が100%未満で、「旧都立高校を貸し出すことに緊急性がない」(都議)という問題を報じた。

    舛添氏に対する不信感・嫌悪感の高まりを受け、都議会も放置できなくなってきた。6月1日に議会が開会されるが、野党会派を中心に徹底追及の機運が高まっている。

    こうしたなか、同月9日から始まる総務委員会での質疑が注目される。

    医療法人「徳洲会グループ」から現金5000万円を受け取ったとして、14年12月に知事を辞任した猪瀬氏も、総務委員会で窮地に追い込まれた。5000万円を模した白い箱をカバンに押し込もうとして、チャックが閉まらない“醜態”をさらした、あの委員会である。質疑は「一問一答」形式で行われる。

    舛添氏の辞職を求める文書を知事室に提出している、おおさか維新の会傘下の「東京維新の会」代表、柳ケ瀬裕文都議は「舛添氏の『6月辞任』は不可避の情勢だ」といい、続けた。

    「6月7日の代表質問と、8日の一般質問での厳しい追及は避けられない。舛添氏の答弁が不十分となれば、9日と13日に予定されている総務委員会が舞台となる。もし、舛添氏を担いだ自民、公明の両会派が総務委員会への招致を断ったら、都民が『何をやっているんだ!』と黙っていない。舛添氏をかばうことはできないだろう」

    都庁関係者も「自公会派には『参院選へのダメージを避けたい』という思いもある。一気に『舛添降ろし』の流れができるのではないか」と語った。

    永田町も注視している。

    自民党都連のメンバーで、危機管理に精通する警察庁出身の平沢勝栄衆院議員(東京17区)は「都民の信頼なくして知事職は続けられない。信頼がなければ誰もついてこない。神奈川県湯河原町の別荘に毎週通っていたのは、危機管理上も組織掌握上も大問題だ。首都直下地震などに即応できないうえ、都庁の組織は弛緩(しかん)し、緊張感がなくなる。ともかく、多くの都民は、舛添氏の説明にまったく納得していない」と語った。

【私の論評】上下左右から辞任に王手で新潮流が生まれる可能性も(゚д゚)!

舛添氏というと、最近では政治資金の問題ばかりが指摘されますが、それ以外にも問題があったことは事実です。そうして、それらの問題から、舛添氏が東京都知事には元々ふさわしくない人物であったと思います。

まず第一に、舛添氏は2010年当時、自民党を出て新党を旗揚げしています。その時自民党は舛添氏を離党ではなく、除名処分にしています。それについては以下の動画をご覧ください。



除名されるには、されるだけの理由があります。その理由は、比例当選したにもかかわらず、離党しようとしたからです。

舛添要一前厚生労働相が「離党-新党結成」の意向を固めたのは、執行部批判を先鋭化させるあまり党内で孤立、引くに引けなくなったという事情がありました。以下に、当時の新党結成に関する桝添氏のインタビューの動画を掲載します。



ただし、東京知事選では他に有力な候補者がいなかったため、自民・公明は舛添氏を応援しました。そもそも、これが失敗だったと思います。他にも、探せば舛添氏以上の候補者などいくらでもいたと思います。なぜ、他の候補者を擁立しなかったのか、今考えても本当に不思議でなりません。比例で当選したにもかかわらず、脱党したので除名した人間を応援ということは通常はあり得ません。

このようなことをしたことが、その後舛添氏を増長させてしまったことは、否めません。このことが、舛添氏に後でも述べる自身への万能感をさらに増長させたものと思います。増長した人間は、碌なことをしないと昔から決まっています。

次に、離婚2回、結婚3回という過去があります。確かに、結婚、離婚は個人のプライバシーに関わることであり、個人の問題であることです。しかし、個人の問題とはいいながら、一般人ならともかく、知事の候補者としてはいかがなものかと思います。

結婚生活もまともに送れない人が、知事として勤まるかどうかは甚だ疑問です。それも、二度も失敗しています。


これに関する記事を以下に掲載します。この記事は週刊ポスト2014年1月24日号のものです。舛添知事が知事になったときの東京都知事選の直前のものです。
『舛添要一の凄すぎる「女」と「カネ」 結婚3回、離婚2回、子供2人に愛人の子3人、現在「隠し子、養育費裁判」係争中』
首都の顔を決める都知事選挙。有力候補の一人と見られているのが無所属での出馬を表明した舛添要一・元厚労相(65)だ。実は舛添氏、類い稀な男性的魅力を持っているようで、「永田町イチの艶福家」として知られているのだ。 
舛添氏の最初の結婚は1978年、相手はフランス人女性だった。出会いは、舛添氏が東大法学部政治学科を卒業後、パリ大学研究所やジュネーブ高等国際問題研究所の研究員を歴任したヨーロッパ留学中のことだった。帰国後の1979年、舛添氏は31歳の若さで東大教養学部の助教授に就任。だが、プライベートも順風満帆とはいかず、1981年に破局を迎えている。 
1986年に再婚した相手はというと、いまや政治家として全国区の知名度がある片山さつき・参院議員だ。片山氏は大蔵省(現・財務省)入省後、フランス国立行政学院に留学。帰国後の27歳の時、東大助教授の舛添氏とお見合い結婚した。結婚当時は“ミス大蔵省”との呼び声も高く、後に女性初の主計官も務めた。そんな片山氏は結婚生活について、最近のインタビューでこう振り返っている。 
<舛添さんと結婚したことがそもそも間違いであったと思います。愛のない結婚をしてはいけないということ。私の人生における大変大きな間違いだった>(『婦人公論』2013年2月22日号) 
そう振り返る結婚生活はわずか2年3か月で終わりを告げる。離婚の理由を片山氏はこう打ち明けている。 
<慌しく始まった結婚生活でしたが、「平穏」だったのは最初の数週間だけ。「遅く帰ってきやがって!」突然、彼は怒鳴り始めたんです>(『週刊新潮』2010年5月6・13日号) 
一旦怒り始めると、舛添氏は怒鳴る、手当たり次第にモノを投げつける、そして、ある時にはいくつものサバイバルナイフを片山氏の目の前にズラーッと並べたこともあったという。 
<彼は、ナイフの収集が趣味だったんです。しかも、そのうちの一つの刃先を私に向けたことまであります。(中略)結局、結婚から3か月ほどで、弁護士に離婚を相談しました。すると、弁護士の調査で彼には愛人が、そして彼女が妊娠中であることも分かった>(同前) 
その「妊娠中の愛人」を仮にA子さんとしよう。A子さんが東大の学生だった時、舛添氏が指導教官という立場で知り合った。すぐに「もう妻(片山氏)とは別れるから」と舛添氏がA子さんに猛アプローチ。押されるまま付き合い始めたA子さんは1988年、男児を出産した。A子さんの知人が当時の状況を振り返る。 
「A子さんの存在を知って激怒した片山さんが、バッグに包丁を忍ばせてA子さんと舛添氏がいた部屋に怒鳴り込んできたことがありました。真っ先に部屋を飛び出した舛添氏が逃げ込んだ先は、もうひとりの愛人B子さんの部屋だったそうです」 
A子さんの子供を舛添氏が認知したのは1990年。認知するまでの2年間に、B子さんが女児を出産、さらに同時期に他に2人の女性とも交際していたことがわかったという。目まぐるしい女性遍歴の末、舛添氏が15歳年下の現在の夫人である雅美さんと再々婚したのは1996年だ。 
なお、その前年にB子さんは2人目の女児を出産した。もちろん父親は舛添氏。その後、雅美夫人との間には、2000年に長女、2003年に長男が生まれている。振り返ると、結婚は3回、離婚は2回。2人の愛人が産んで認知した子3人と、雅美夫人との間の子2人を合わせると、舛添氏には計5人の子供がいることになる。
週刊誌の記事ですから、大衆受けするように面白おかしく掲載しているのでしょうが、それを割り引いてみても酷いです。こういうハチャメチャな人が、東京都知事としてまともに勤まるとはとても思えません。

さらに、舛添氏は実務能力に関しても問題があったと思います。それは、舛添氏が高労働大臣であったときの、いわゆる「消えた年金」問題に関する方針です。この問題に関して、当時の舛添厚生労働大臣は、「最後の一人まで」年金問題をはっきさせると語っていたことです。そもそも、こんなことは絶対に不可能です。

これに関しては、当時のこのブログにも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
舛添大臣の窮地-年金問題への報道姿勢やブログの論調は誰の思う壺か?
この記事は、2007年12月16日のものです。当時は「消えた年金問題」で舛添大臣は窮地にたっていました。詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部をコピペします。
それと、舛添大臣と福田総理大臣にも欠けていた視点が一つだけあります。それは、いかに現代のような情報化社会になったとしても、科学技術が進んだとしても、人の記憶や事務処理には常にあいまいさが付きまとうということです。ですから、「最後の一人」まで、年金をハッキリさせるということは、絶対にありえないということです。 
これは、いわゆる戦後処理について歴史を紐解いてみるとわかることです。戦後処理とは、一端戦争が始まり、 戦争終結後の処理をいいます。その中には、 賠償問題や友好回復、治安回復、経済復興などです。第二次世界大戦、日本にとっては、大東亜戦争(太平洋戦争)の戦後処理は完全に終わったとはいえない状況です。戦後60年たった今でも厚生労働省の中で、どこかの部署で国内の事務手続きは継続されていると思います。人の記憶や、戦争当時の事務処理など誤りがつきものですから、なかなか終わらないのです。 
それどころか、大東亜戦争からすると、戦争そのものの規模や奥行きがはるかに狭い日露戦争の戦後処理が、大東亜戦争中、その後もしばらくは行われていたそうです。結局は終了しなかったようです。ただし、もうその当時の人で生き残っている人は誰もいませんし、その当時の関係者の子供にあたるような人でもすでにほとんどが死亡しているか、かなりの高齢になっているかで、事実上実施しても意味がないので、もうやっていないというのが実情です。大東亜戦争の戦後処理もなかなか終わらないでしょう。今後数十年は続くと思われます。そうして、解決されない案件をかなり残したまま、戦後処理自体をやっても意味がなくなる時代に入ったときに、戦後処理は未処理案件を多数残しながら、やめることになるでしょう。 
無論年金問題に関しては、戦後処理などとは根本的に違うし、簡単に比較することはできません。しかし、人間が行う事務処理という意味では同じです。平和な時代の、科学技術がどんなに進んでも、人間のやることですから、事務処理ミス、年金受給者が行方不明になるとか、記憶喪失なるとか、あるいはどこかに拉致されるとかは考えられます。自然災害で亡くなっている人もいるかもしれませ。健康で生きていたとしても、アルツハイマーになっているということも考えられます。戦後処理も年金問題も最後の一人まで、明確にできる時代は未来永劫にわたってこないでしょう。このような背景を持つ年金問題を舛添大臣を糾弾することで、解消されると思うのは完全な間違いです。糾弾の矛先が違っています。 
年金問題も簡単な事務処理ミスに関しては、問題外だし、これは責任を追及すべきですが、上記のような背景から最後の一人までハッキリさせるというのは無理だということを前提とし、新たに取り組むという姿勢が必要だと思います。そうして、ミスはいつでも起こりえるということを前提としながらも、ミスを生じさせるようなシステムは完全に破壊して、新たなシステム作りに取り組むべきです。
この記事に書いたように、そもそも年金のミスなど、最後の一人まで確認するなどということはほとんど不可能に近いことです。しかし、それを実行すると公言したのが、当時の舛添厚労大臣です。これでは、実務能力がないのではと疑われても仕方ないと思います。

この「消えた年金」ですが、最後の最後まで計算して全部あわせるなどのこと、とてもできるものではありません。結局、どうしてもわからないものが出てくるのは仕方ないことです。

この記事を書いた後、私はアメリカの年金では、このような「消えた年金」をどのように処理しているのか調べてみました。結局のところ、簡単にいうと、税務計算上で損金扱いできるようにして、処理していることがわかりました。

とにかく、一定のルールを定めて、ある程度のは調べてみて、そこから先どうしてもわからないだろうとルーリに照らしあわせて判断した場合、損金のような扱いをして、それ以上のことはしないのです。

これが、まともな判断だと思います。最後の一人、一円も違わないようにするようになどしたら、そのための経費と時間は膨大なものが必要になります。そんなことをすれば、役人が喜ぶだけです。こんなところから、実務能力には当時からかなり疑問符がつきました。

舛添氏の著書『赤いバラは咲いたか―現代フランスの夢と現実』
(弘文堂、1983年)の著者紹介 クリックすると拡大します
舛添氏というと、子供のころは「神童」といわれ、東大の学生時代の成績は抜群だったそうです。東大助教授の国際政治学者としてテレビに出始め、テレビ朝日系「朝まで生テレビ」などに出ていた頃は、舌鋒鋭い有能な学者に見えました。

しかし、それは所詮学者としての舛添氏の一側面に過ぎず、まともな企業でまともに働いたこともないためか、実務能力には欠けているといわざるをえません。しかし、自分ではそれを認識せず、自分は万能だと思い込んでいるのだと思います。

そのおごりが、記者会見などにも現れています。今回の疑惑が発覚した当初は、この自己万能感から、なんとでもなると高をくくっていたようです。しかし、やっと最近になって、そうではないことに気づきつつあるようです。しかし、腹の中では今でも何とかなると思っていると思います。

2009年9月17日 舛添前厚生労働大臣から事務引継を受ける長妻新厚生労働大臣

さて、次に舛添氏が、知事になってからリコール運動がありました。2014年当時、舛添知事が韓国を訪問し、朴槿恵大統領と会談しました。会談の時の様子が卑屈に見えたことや、 朴大統領に再度歴史問題について切りだされたり、「都民の90%は韓国が好き」といった趣旨の発言をしたことを受け、 都庁にはクレームが殺到しました。さらには舛添氏が国会議員でも外交官でもないのに外交に首を突っ込んだことへの反発もありました。

舛添知事が就任した2014年に都が策定した「東京都都市外交基本戦略」は中身が空っぽで、何を目指しているのかさえわかりません。これまでの外遊で成果を都に持ち帰ったことなどありません。そもそも外遊の目的自体が不明確で、遊びに行っているようなものでした。
骨子とはいえ、あまりに抽象的な東京都市外交基本戦略

舛添氏は、知事になる前から、韓国に対して常軌を逸したような、おもねる態度が何度も批判されていました。  

朴槿恵を訪問した舛添知事
これを受け、ネットでは舛添氏のリコール(解職請求)運動が始まっていました。ツイッターではハッシュタグ「#舛添東京都知事リコール」が登場し

「集まると思うし、集まって欲しい…舛添自身が国益を損なうようなことをしたわけで、
都民に限らず日本人なら怒る理由がありますからね」

などの意見が書き込まれていました。

さらには、2014年8月10日の16時から「日本侵略を許さない国民の会」による「(仮)舛添都知事リコールデモ」実施されました。

「日本の侵略を許さない国民の会」による舛添知事リコールデモ

無論、この時はまだリコールは解禁されていなかったので、署名などはおこなわれませんでしたが、舛添知事の解職請求(リコール)運動が就任後1年を経過した2015年2月12日に解禁されたことを受け、ネット上の右派系ブログや『ニコニコ動画』を中心に署名活動への参加を呼び掛ける動きが活発になっていました。

リコール運動への参加を呼び掛けている意見の多くは、舛添知事が「都市外交」を掲げて2か月に1回の割合で外遊を実施しており、特に姉妹都市であるソウル市長との会談で打ち出された道路陥没対策のノウハウ提供を始めとして中央レベルでの関係が冷え込んでいる韓国との関係改善に積極的な姿勢が攻撃対象とされていました。

このリコールを成立させるためには、結局のところ予め定められた期間である選挙管理委員会に届け出た当日から2か月以内に、予め定めらた150万以上の署名を集めなければならず、これは不可能に近く、今のところリコール申請書は、選挙管理委員会には提出されていません。

先月あたりから、舛添氏はかなり厳しく追求されるようになりましたが、その前からかなり問題のあったことは事実です。そうして、それは主にいわゆる右派のほうから、糾弾されてきました。


さて、先に掲載したリコール運動は右派系のブログ主宰者などのいわゆる「ネット右翼」系の人物が中心になっています。そのため、リコールを請求する理由も舛添知事が掲げる「都市外交」に対する反発が前面に打ち出されたものになっていますが、こうした主張が幅広い支持を集められるかには疑問がありました。

2年前の知事選挙で今回のリコール請求理由と政策的に最も近い公約を掲げていたのは田母神俊雄候補だと思われますが、田母神候補への投票者が全員署名したとしても成立ラインには遠く及びません。成立ラインを視野に入れるならば2位の宇都宮健児・3位の細川護熙両候補に投票した層からも支持を集められるような請求理由を掲げるのが現実的だと思われますが、リコール運動の中にそうした「呉越同舟」を模索する動きはほぼ見られない状態でした。

この運動とよく似た形でネットから立ち上がって成功を収めたものには、2005年(平成17年)に各方面からの猛反対を押し切って成立するも施行に至らないまま凍結・廃止された鳥取県人権侵害救済条例への反対運動がありました。

鳥取県人権侵害救済推進及び手続に関する条例は鳥取県の条例です。 2005年(平成17年)10月12日、鳥取県議会で可決・成立。2006年(平成18年)6月1日施行・2010年(平成22年)3月までの時限条例としていましたが、施行前の2006年3月28日に公布施行された「鳥取県人権侵害救済推進及び手続に関する条例等の停止に関する条例」により、「別に条例で定める日」までの間その施行を凍結。2009年4月1日に施行された「鳥取県人権尊重の社会づくり条例の一部を改正等する条例」により、施行されないまま廃止されました。

この際に反対運動の中心を担っていたのは右派・保守系のグループでしたが「条例に問題がある」と言う認識で一致する左派・革新系のグループと「呉越同舟」の協力関係を築くことに成功したのが大きな勝因の一つでした。

鳥取県人権条例について報道する当時の新聞

舛添氏に対するリコール運動は、今年の4月以前には、このような調子で絶望的でしたが、4月以降は、舛添氏の政治資金問題等が発覚して、状況は変わりました。4月に舛添知事の豪華海外出張の批判、韓国政府に都有地「貸し出し」の批判さらに政治資金にまつわる種々の批判が相次いでいます。

そうなると、これはいわゆるネット右翼の問題だけではなく、いわゆる左派・革新系の市民グループへもアピールできます。舛添知事の問題は、それこそ、左右上下関係なく、共有できる、都政の政治改革にもつながるかもしれません。

鳥取の人権救済条例を阻止したときのように、右派・保守系のグループが「舛添知事に問題がある」と言う認識で一致する左派・革新系のグループと「呉越同舟」の協力関係を築くことができたら、舛添知事リコールなどよりもはるかに強力な、都政の政治改革への道が開かれるかもしれません。

現在、いわゆる右派・保守系グルーブも、左派・革新グループもこの活動は停滞気味ですし、結局のところどちらもあまり成果を挙げられていないようです。

私は、敵を増やすより、仲間を増やすべきと常々思っています。これは、政治の世界でも、ビジネスの世界でも同じことです。都内の、左派・革新も、右派・保守も自分たちの目指すことで、一致点が見出すことができれば、舛添知事を辞任に追い込むために「呉越同舟」も厭わない態度が必要ではないかと思います。

都議会

都議会においては、野党は追求の構えを見せていますが、ブログ冒頭の記事とは異なり、与党側の自公はそうではないようです。以下にこれに関する日刊スポーツの記事を掲載します。
舛添知事に辞職求める声も「辞めさせられない」都議

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部を掲載します。
 自らの政治資金疑惑を第三者の調査に委ねる考えを示した東京都の舛添要一知事。都民からは辞職を求める声も高まっているが、都議会の過半数を占める自民、公明両党は静観の構えだ。住民による解職請求(リコール)は成立のハードルが高く、都議の一人は「知事が職務を続ける意向を示す限り、辞めさせることはできないのではないか」と話す。

野党の各会派は20日の記者会見を受け、「知事の資質に欠けている」として一斉にアピールを出した。6月1日からの議会では、説明責任を果たすよう求める考えだが、野党は知事に直接質問できる機会は少なく、都議の一人は「調査を待つという回答を繰り返すのではないか」と指摘する。 
 地方議会は、地方自治法に基づき関係者の出頭や証言、記録の提出を請求できる調査特別委員会(百条委員会)を設置できるが、目的は自治体の事務の調査に限られる。これまでに判明した政治資金の私的流用は知事に就任する前で、別の野党議員は「百条委で調べるのは難しく、まずは議会でただすしかない」と話す。 
 高額な海外出張費や公用車での別荘通いについてならば、百条委の設置も可能だ。しかし、本会議で出席議員の過半数の賛成が必要で、与党側の同意を得ることが難しいことから実現する可能性は低い。 
 住民によるリコールは都の場合、2カ月間で約150万人の署名を集めなければならず、これまで都知事に対するリコールが成立した例もない。 
 ある与党都議は「知事は致命傷が出ない限り、このまま逃げ切れると思っているのだろう。ただ、都民の批判が高まればわれわれも対応を考え直さなければならない」と話している。
このように、東京都議会も舛添知事を辞任に追い込むことは難しいようです。しかし、先ほど述べたように、都内の、左派・革新も、右派・保守も自分たちの目指すことで、一致点が見出すことができれば、舛添知事を辞任に追い込むために「呉越同舟」も厭わなければ、150万人分の署名を二ヶ月で集めることも、あながち不可能とばかりはいっておられない状況になってきています。

日本の政治の変革を促す発火点に?
これを成就させるためには、上下左右関係なく、それぞれの代表者が話し合いの場を持ち、半年から1年かけて、リコールの実施関する、戦略を練りに練って、目標を一つにして、密に連携して、迅速に行動すれば、あながち不可能ではありません。もし、都議会が結局何もできないようであれば、この動きに拍車がかかることになります。

このような行動をするようになれば、都政に上下左右関係なく、変革のための一致点がみいだされば、「呉越同舟」で協力しあう、土壌が生まれるかもしれません。

そうして、リコールがうまくいけば、それが、最初の都政変革の一里塚になるかもしれません。しかし、仮に失敗したとしても、次の段階では次の選挙ではさら増長した舛添が立候補したとしてもそれを阻むことに成功する確率はかなり高いというか100%に近いです。

そうすると、すくなくともオリンピックの頃には、舛添知事ではなく、他の知事で迎えられることになります。

いずれにせよ、この舛添騒動で、都政に新たな変革の風が吹くかもしれません。そうなれば、鳥取県の人権救済条例を阻止に関しては、全国に影響を与えるにはいたらなかったのですが、日本で最大の都市、世界でも有数の都市の東京での変革は、日本の政治にも大きな影響を与えます。

都議会が絡むより、都民の「呉越同舟」が、舛添氏辞任で一致して、動くようになれば、舛添氏が思わぬ形で、日本の政治の変革を促す発火点になるかもしれません。

【関連記事】






【関連図書】

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2016年3月18日金曜日

【お金は知っている】消費増税の災厄もたらす御用学者と無責任議員 自身の「誤り」にダンマリ ―【私の論評】増税推進派の似非論評に騙されない方法(゚д゚)!

【お金は知っている】消費増税の災厄もたらす御用学者と無責任議員 自身の「誤り」にダンマリ 

衆院第1委員室に到着し、質問者の民主・野田佳彦前首相(左)とあいさつ
しながら着席する安倍晋三首相=国会内で2016年2月19日午後0時58分

来年4月に予定されている消費税率10%への引き上げの中止は既成事実化しつつあるが、小欄や産経新聞などで消費税増税中止を主張してきた拙論はそれでよしとするつもりはない。デフレ下の増税・緊縮財政という国際的に見れば非常識きわまりない判断を繰り返す日本の経済知性の貧困さは解消しそうにないのだ。

たとえば、消費税増税を首相に勧めてきた日本の経済学者・エコノミストの財務省寄りの主流派多数が、自らの「誤診」についてダンマリを決め込んでいる。かれらは、増税による景気への打撃の深刻さやデフレ圧力の大きさを軽視し、2014年4月からの消費税率5%から8%への引き上げばかりか、民主党・野田佳彦政権時代の3党合意通り税率10%への再引き上げを15年10月から実施せよと安倍晋三首相に進言したのだった。

首相はそれを押し返し、17年4月に先送りしたのだが、景気条項を外してしまった。景気が悪かろうと、再延期はしないと約束させられたわけである。

8%への増税後、家計消費は低迷を続け、実質経済成長率は14年度に続き15年度もマイナスに陥りそうな情勢だ。この状況は橋本龍太郎政権による1997年度の消費税増税・緊縮財政後と重なる。国内総生産(GDP)の6割を占める家計が増税で痛めつけられる。さらに、アジア通貨危機という外部からのショックの追い打ちをかけられて企業の設備投資意欲が冷え込み、慢性デフレが始まり、現在に至る。

12年12月に発足した第2次安倍政権が打ち出したアベノミクスによって景気は浮揚しかけたが、またもや消費税増税と緊縮財政で失速させてしまった。

東大教授を中心とする主流派学者たちにはふんだんに国家予算をあてがわれている。財務官僚が仕切る政府の諮問機関のメンバーとして経済・財政政策に少なくない影響力を持っている。I教授は8%増税時には「増税しなければ国債相場が暴落する」と騒いだ。

財務官僚上がりの黒田東彦(はるひこ)日銀総裁はそれに唱和して国債相場暴落時には、日銀として対応できない、と首相に警告した。首相は専門家の見解を無視できず、前述したように17年増税に向け「不退転の決意」を示さざるをえなかった。

御用学者以上に責任が重いのは、政権と与野党を含む政治家である。日本経済再生不能の最大の犠牲者は現役、さらに次世代であるからだ。

ところが野党第1党の民主党執行部は野田前政権の増税法案という失政にほおかむりしたい。だから増税中止を言い出せないただの烏合(うごう)の衆である。内閣官房参与の浜田宏一エール大学名誉教授は10%への税率引き上げについて、「今の政権ではない人が主に決めたこと。増税したら船がガクっとくることがわかっている時に、3年前の船長と約束したのだからやりましょう、とは言えない」と語った(14日付ロイター)。

安倍首相は増税凍結を宣言すればよいだけだが、それだけでよいはずはない。 (産経新聞特別記者・田村秀男)

【私の論評】増税推進派の似非論評に騙されない方法(゚д゚)!

上の記事で、"日本の経済学者・エコノミストの財務省寄りの主流派多数"といわれる人たちのうちでも、より罪の重いと思われる、経済学者のリストについては、以前もこのブログに掲載したことがあります。そのリストを再度以下に掲載します。

「震災復興にむけて」
共同提言者・賛同者(2011年6月15日10:00現在)(敬称略)

伊藤 隆敏 (東京大学)
伊藤 元重 (東京大学)
浦田 秀次郎 (早稲田大学)
大竹 文雄 (大阪大学) 
齊藤 誠 (一橋大学)
塩路 悦朗 (一橋大学) コメント土居 丈朗 (慶応義塾大学)
樋口 美雄 (慶応義塾大学)
深尾 光洋 (慶応義塾大学)
八代 尚宏 (国際基督教大学)
吉川 洋 (東京大学)

(★印のついた方は「第3提言の賛成は留保」)
青木 浩介 (東京大学)
青木 玲子 (一橋大学)★ コメント赤林 英夫 (慶應義塾大学)
安藤 光代 (慶應義塾大学)
井伊 雅子 (一橋大学)
飯塚 敏晃 (東京大学)
池尾 和人 (慶應義塾大学)
生藤 昌子 (大阪大学) コメント石川 城太 (一橋大学)
市村 英彦 (東京大学)★ コメント伊藤 恵子 (専修大学)
岩井 克人 (国際基督教大学)
祝迫 得夫 (一橋大学)
岩壷 健太郎 (神戸大学)
宇南山 卓 (神戸大学)
大来 洋一 (政策研究大学院大学) コメント大野 泉 (政策研究大学院大学) コメント大橋 和彦 (一橋大学) コメント大橋 弘 (東京大学) コメント岡崎 哲二 (東京大学) コメント小川 英治 (一橋大学)
小川 一夫 (大阪大学)
小川 直宏 (日本大学)
翁 邦雄 (京都大学)★ コメント翁 百合 (日本総合研究所)
奥平 寛子 (岡山大学)
奥野 正寛 (流通経済大学)
小塩 隆士 (一橋大学)
小幡 績 (慶應義塾大学)
嘉治 佐保子 (慶應義塾大学) コメント勝 悦子 (明治大学) コメント金本 良嗣 (政策研究大学院大学)
川口 大司 (一橋大学) コメント川﨑 健太郎 (東洋大学) コメント川西 諭 (上智大学) コメント北村 行伸 (一橋大学)
木村 福成 (慶應義塾大学)
清田 耕造 (横浜国立大学)
清滝 信宏 (プリンストン大学)
國枝 繁樹 (一橋大学)
久原 正治 (九州大学)
グレーヴァ 香子 (慶應義塾大学) コメント黒崎 卓 (一橋大学)
黒田 祥子 (早稲田大学)
玄田 有史 (東京大学)
鯉渕 賢 (中央大学)
小林 慶一郎 (一橋大学) コメント小峰 隆夫 (法政大学)
近藤 春生 (西南学院大学)
西條 辰義 (大阪大学) コメント櫻川 幸恵 (跡見学園女子大学)
櫻川 昌哉 (慶應義塾大学) コメント佐々木 百合 (明治学院大学) コメント佐藤 清隆 (横浜国立大学)
佐藤 泰裕 (大阪大学)
澤田 康幸 (東京大学)
清水 順子 (専修大学) コメント新海 尚子 (名古屋大学) コメント鈴村 興太郎 (早稲田大学 / ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジ) コメント清家 篤 (慶應義塾大学)
瀬古 美喜 (慶應義塾大学)
高木 信二 (大阪大学)
高山 憲之 (一橋大学)
武田 史子 (東京大学)
田近 栄治 (一橋大学) コメント田渕 隆俊 (東京大学)
田村 晶子 (法政大学)
田谷 禎三 (立教大学)
中条 潮 (慶應義塾大学) コメント筒井 義郎 (大阪大学)
常木 淳 (大阪大学)
釣 雅雄 (岡山大学)
中田 大悟 (経済産業研究所)
中村 洋 (慶應義塾大学) コメント長倉 大輔 (慶應義塾大学)
畠田 敬 神戸大学
林 文夫 (一橋大学)
原田 喜美枝 (中央大学)
深川 由起子 (早稲田大学) コメント福田 慎一 (東京大学)★
藤井 眞理子 (東京大学)
藤田 昌久 (経済産業研究所)
星 岳雄 (UCSD)
細田 衛士 (慶應義塾大学)
細野 薫 (学習院大学) コメント堀 宣昭 (九州大学)
本多 佑三 (関西大学) コメント本間 正義 (東京大学)
前原 康宏 (一橋大学)
松井 彰彦 (東京大学)★
三浦 功 (九州大学)
三重野 文晴 (神戸大学)
三野 和雄 (京都大学)
森棟 公夫 (椙山女学園)★ コメント柳川 範之 (東京大学)
藪 友良 (慶應義塾大学)
山上 秀文 (近畿大学) コメント家森 信善 (名古屋大学)
吉野 直行 (慶應義塾大学)
若杉 隆平 (京都大学)
和田 賢治 (慶應義塾大学)
渡辺 智之 (一橋大学)

以 上
なお、このリストは、このブログに掲載した、高橋洋一氏の記事から引用したものです。
その記事のURLを以下に掲載します。
増税勢力はこうして東日本大震災を「利用」した~あの非情なやり方を忘れてはいけない―【私の論評】財務省、政治家、メディアの総力を結集した悪辣ショック・ドクトリンに幻惑されるな(゚д゚)!
被災地にかがみこむ若い女性
このリストそのものは、東日本震災の復興のために、復興税を用いるべきであると、積極的に提言したか、そこまでいかなくても、賛同した人たちです。このリストには、無論、上の記事で田村秀男氏が、I教授とした方も実名で含まれています。

そうして、このリストに含まれている人々は、その後8%増税を積極的に導入せよと提言した人々や、そこまでしなくても、賛同しました。

このリストを見て、自分の母校の教授などの名前が含まれていません。本当に良かったと思います。まあ、母校の経済学の先生たちは、単に経済学では主流派ではないということだけなのかもしれませんが、少なくとも、復興税などという、非常識で古今東西に例を見ない、愚かな提言などしていなかったことを知り、何やら誇らしい気持ちになりました。

さて、以下には、一昨年の8%増税のに関する意見を聴いた有識者会議に参加した人々のリストです。賛成、反対、条件付き賛成、賛否の表明なしの項目で分類してあります。



一昨年の消費税が8%に引き上げられた事は記憶に新しいです。その増税によって景気が非常に悪化した事は、現在では周知の事実です。

平成14年には、一時統計上では、「東日本大震災以上、リーマンショックに次ぐ」景気悪化がありました。下げ幅だけ見れば、あの悲惨なリーマンショック以上の景気悪化に見舞われたのです。

しかし、これは未だ序の口でしかありませんでした。結局今年度も10月-12月期はマイナスで、通年でもマイナスになりそうな状況です。今後さらに景気が悪くなりそうです。これは、消費税が5%に引き上げられた時もそうでした

税収増をお題目に8%へ引き上げられた消費税ですが、このままだと、日本経済が縮小して、税収は自然減を迎えるこになるでしょう。

賛成者は経済界の大物、国際資本関係者など、利権を食い漁って来た連中が多いです。彼らは己が利益の為に増税に賛成をし、なおかつ増税されても自分自身は、痛くも痒くもない人間達なのでしょう。

しかし、いわゆる民間エコノミストの中には、嘘を付き、過ちを謝罪せず、のうのう居座っている連中もいます。以下のような連中です。
熊谷亮丸(大和総研チーフエコノミスト)
武田洋子(三菱総研チーフエコノミスト)
菅野雅明(JPモルガンチーフエコノミスト)
高田創(みずほ総合研究所チーフエコノミスト)
熊谷亮丸

彼らが何をいい、何を間違ったか。そしてこの景気悪化を目前にしつつも、未だに増税に賛成という許すべからざる行為を行っているエコノミストがいるという事。

そもそも民間エコノミストとは、国が富むことにより、顧客にも富んでもらうため、に正しい政策提言を行い、間違った政策があれば批判を加える事が本来の使命だと思います。

経済予測だけエコノミストの仕事ではないはずです。とはいいながら、彼らの場合は、経済予測すら外しているので、全く論外です。しかも、あまりにも常識からかけ離れているということで、箸にも棒にもかかりません。こんな連中が、したり顔で、日々日本経済や金融について語っている事自体が全く信じられません。

国を貧しくし、顧客や潜在顧客等に対しても貧しくなるような道筋を作った人間達は、しかるべき批判を加えなければなりません。

有識者会議にて増税に反対したのは、片岡剛士氏(三菱UFJリサーチ&コンサルティング主任研究員)等、たったの六人です。

今の日本では、経済に関してはこのような非常にお粗末な状況です。大学・大学院の教授や民間エコノミストがこの体たらくです。

このような状況だからこそ、過去の日本は失われた20年というとんでもない停滞状況を迎えてしまったのです。そうして、愚かな消費税増税や、愚かな金融引き締めさえしなければ、日本はあのようなひどい停滞をしなかったはずです。

このようなことになってしまっのか、昨日のこのブログでは、以下のように掲載しました
最近の日本では、「体系知」を体得していない人々が増えたのだと思います。そのためでしょうか、過去の日本は、失われた20年というとんでもない状況に見まわれ、停滞しつづけました。
その記事のリンクを以下に掲載します。この記事をまだ読まれていない方は、是非ご覧になってください。
二度の世界大戦で敗れたドイツが、それでもヨーロッパの「頂点」に君臨し続ける本当の理由
ドイツのメルケル首相(左)は理系、フランスのオランド大統領は文系
 詳細は、 この記事をご覧いただくものとして、体系知とは、ドイツの大学の改革を行った、シュライエルマッハーによる概念です。体系知についてのみ以下にコピペしておきます。
シュライエルマッハーの考え方は、「知は体系知でなければ意味がない」というものです。オタクのように、断片的な知識を山ほど持っていても意味はない。それらの知識がどう関係しているのか。そうした「体系知」を体得しないと、知は完成しないという考え方です。
 8%増税など、平気で推進した人々のうち、本来指導的立場にある人たちは、それなりに頭もよく、優秀なはずなのに、なぜこのような誤りをおかしてしまったかといえば、彼らはそれなりに専門知識などは持っているのでしょうが、残念ながら、「体系知」を持っていないのだと思います。だから、平気あのような酷いことをしでかすのです。

上の記事で、私は「このリストを見て、自分の母校の教授などの名前が含まれていません。本当に良かったと思います」と掲載しました。

これは、おそらく偶然ではないと思います。私は大学を受験するときには、意図的に理系を選択しました。理系でも、理系中の理系である、理学部を選びました。

なぜそのようなことをしたかといえば、文系の大学や、総合大学の文系には、とんでもない教授がいることがおうおうにしてあるからです。はっきりいえば、いわゆる、反日的であるとか、左翼思想にどっぷりつかった連中です。

大学自体もなるべく、文化系に学部にもなるべくそういう人がいない大学を選びました。そうして、理系に進んだのは、こういう連中の感化を受けるのは絶対嫌だったからです。そうはいいながら、教養課程においては、文系の科目も履修しなければなりません。ですから、文系の科目を選択するときには、徹底的に担当教授の実績や、思考傾向など調べあげました。

その結果、自分の水準で、偏りがないと思われる人の科目しか履修しませんでした。そのせいですか、大学生活を日々清々しく過ごすことができました。

私の出身大学の経済学部の教授の名前が、先のリストに掲載されていないのには、そのようなことも関係しているのかもしれません。無論、私が学生だった頃は、随分昔なので、このリストに掲載されている人たちに習うなどということはないでしょうが、それにしてものリストに掲載させている人たちの、先生に習う可能性は十分あったと思います。

いずにせよ、習うべき先生をこのように選ぶということを真剣に行えば、多少とも「体系知」に近づくことができるのかもしれません。私の「体系知」など、非常に範囲も狭くて、お恥ずかしいものなのですが、それにしても、社会人になってから、大学で習ったことも随分役立ちました。

少なくとも、私のように、大学などで、受動的に学ぶだけではなく、習う先生を出来る限り、選ぶということで、体系知に近づくことはできるのだと思います。

ただし、どうしても入りたい大学に、とんでもない教授がいて、その教授の科目を履修しなければならない場合など、本当に辛いことだと思います。しかし、そん場合でも、きっと体系知を身に付ける方法はあるのだと思います。

たとえば、とんでもない教授の授業を受けざるをえなくても、ただ単に、受動的に授業を受けるのではなく、その教授の授業を鵜呑みにするのではなく、いわゆるクリティカル・シンキング(批判的思考)を持って受けるということが考えられます。


そうすることにより、批判的思考ながら、その教授の思考を徹底的に学び、試験や小論文では、無論、満点が取れるように頑張り、しかし、結果として、面従腹背で、クリティカル・シンキングの方法を徹底的に身に付けるなどのことが考えられます。

そうして、その他にも、昨日も示したように、体系的な読書をして、これはと思う人と、書籍の内容について話し合いをするなどのことをすれば、きっと、体系知の真髄を体得でき、それこそ、増税派の人々が一見まともなことを言っていたとしても、それに惑わされようなこともなくなると思います。

特に、体系的な読書をして、良い人に巡り合えれば、大学や大学院に行かなくても、「体系知」を体得し、知を完成できる機会を得ることができると思います。

たとえば、あのYouTuberとして有名な、Kazuyaさんなど、そうかもしれません。彼は、高卒だそうですが、それこそ、並の大学院卒の人などよりも、はるかに優れているところがあります。おそらく、読書など結構されているのだと思いますし、それに倉山満氏という人物に巡り会えたことが、彼をして「体系知」を体得させることにつながっているのだと思います。

倉山満氏(左)、Kazuya氏(右)
安倍総理は、長期政権を築くことができれば、増税を推進した財務省の高級官僚や政治家、増税推進一色だったマスコミ、上記の2つのリストに掲載されている人や、このリストから漏れている人でも、増税を推進したり、それに賛同した人たちをその罪の重さに準じてそれ相当の処断を何らかの方法でしていただきたいものです。

これを曖昧にしてしまい、そのようなことをしなければ、いつまたとんでもない経済政策が実行されて、日本が再び停滞することになってしまいかねないと思います。そうしてて、私たち自身も、ありとあらゆる方法をとって、似非論評には騙されないようにすべきものと思います。

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