2011年3月21日月曜日

表紙に批判「原発恐怖心を煽る」 アエラ編集長がサイトでお詫び―【私の論評】煽り反日雑誌に明日はない?!

表紙に批判「原発恐怖心を煽る」 アエラ編集長がサイトでお詫び

週刊ポスト最新号の表紙

アエラ最新号の中吊り
   朝日新聞の週刊誌「アエラ」が、防毒マスクの写真付きで「放射能がくる」と表紙でうたったことに対し、批判が相次いでいる。同誌は、編集長がサイト上で「恐怖心を煽る意図はない」と釈明する事態になっている。

   2011年3月19日発売号のアエラで、首都圏の地下鉄などの車内中吊り広告にも、こうしたデザインが使われている。

対照的な2誌
   記事の見出しを見ると、「原発が爆発した」「最悪なら『チェルノブイリ』」「被爆したらどうしたらいい?」「『放射能疎開』が始まった」などとセンセーショナルなものが並んでいる。

   これに対し、ネット上では、恐怖心をあおり、風評被害につながるなどの批判も相次いだ。

   記事の内容については、東京大学のある研究室が、放射能遮断のため換気扇やエアコンを停止し、窓を開けないようにとするメールを他の研究室に出したなどと紹介している。記事では、再臨界の可能性も指摘しているが、必ずしも深刻な放射能汚染が進むと断言しているわけではない。最悪の場合のシミュレーションなどを紹介しながらも、「『福島』がチェルノブイリ級の事故になると現時点で予想する専門家は少ない」などと断ってはいる。

週刊ポストのポジティブさと対照的
   とはいえ、アエラ編集部にも、批判が寄せられたようで、編集部は2011年3月20日、ツイッター上で謝罪したほか、アエラのサイト上でも、尾木和晴編集長名で同じお詫び文を出している。

   そこでは、「編集部に恐怖心を煽る意図はなく、福島第一原発の事故の深刻さを伝える意図で写真や見出しを掲載しましたが、ご不快な思いをされた方には心よりお詫び申し上げます」と釈明している。

   ちなみに、ネガティブな「アエラ」に対し、週刊ポストの3月21日発売号がポジティブな内容だと、ネット上で話題になっている。表紙の見出しでは、「日本を信じよう」とうたい、自衛隊員が救出された赤ちゃんを手にほほえむ写真が載っている。そして、記事では、放射能漏れの危機にある原発が「制御困難」と紹介しながらも、別の見出しでは「私たちは必ず力強く蘇る」としているのだ。

【私の論評】煽り反日雑誌に明日はない?!




上は、震災時、都内の飲食店でアルバイトしていた女子大生が翌日、ツイッターに書き込んだエピソードです。

ちなみに、このかたのプロフィールは以下のようなものです。

名称 みき
位置情報 bunkyoku japan
自己紹介 東洋大学 英米文学科 あっとゆうまに4年生!!好奇心と恋心がエネルギーの源( ´ ▽ ` )ノ♡ハラハラどきどきワクワク大好きです。

この内容には、地震直後にiPhoneで見て感動しました。そうしてしばらくすると、日本国内の外国人の方の日本に対する驚嘆の声を、私自身もツイッターに以下のようにコメントしました。

「災害時の日本人の礼儀正しい態度に、外国人の方も驚いています。特に、略奪も混乱もなく、粛々として、自分の仕事にはげんだり、人を助けたり、譲ったりする姿に感動したようです」

週間ポストでは、上の女子大生のコメントを紹介し、その直後に以下のような文章で結んでいました。
日本人はこの震災からどう立ち直るのか。その問いの答えは、すでに出ているのかもしれない。3月11日午後2時46分以降、日本人が見せた日本人らしさこそ、この国をもう一度押し上げる、何よりの原動力である。
アエラと、週刊ポストの報道姿勢は鮮明に異なります。週刊ポストはなぜ、あんなにボジティブだったのでしょうか?

それは、はっきりしています。週刊ポストの編集長をはじめとする編集者など、日本人だからです。この日本人というのは、国籍や、生まれた国を示すものではありません。精神構造をいいます。日本人としての心を持っている人を意味します。

ところが、アエラの編集者は、日本人ではないといことです。無論、国籍や生まれた国のことを言っているのではありません。無論、日本人としての心を持っている人のことです。

日本人であるなしは、こうした雑誌の編集方針にもかなり影響を及ぼすということです。これは、何も、今回の地震報道に限ったことではありません。しかし、今回のような国難などがあったときに、鮮明に表にでるものです。

国籍、生まれた国を問わず、日本人として育った人が、まずは、日本人としての価値観、文化を身につけてなければ、いざ今回のようなことがあっても、まともな報道もできないということです。これは、何も、日本だけの現象ではないと思います。

アメリカ人が、アメリカの価値観と、文化を身につけていなければ、やはり、同じことになると思います。

私は、以前に日本酒のことをこのブログに掲載したときに、人が人として認められれるということはどういうことかという趣旨の文章を掲載したことがあります。それを再度以下に掲載します。
人が、人としてまともに扱われるということは、どういうことなのでしょうか?それは、その人が育った文化的背景を背負っているということを相手にさとってもらえか否かで決まるものです。背負っていることを認めてもらうことができれば、その人は世界中のどんな人からも、うとんじられることはありません。なぜなら、その人は、その人だけの存在ではなくなるからです、その人が、その文化を担っているというということは、もうすでに、その人だけのことではなく、その文化を背負っている人の文化圏に属する人全体を代表するものとして、相手に受け取られるからです。それどころか、すでになくなったご先祖様の考えをも代表するものとして受け取られからです。
そんな文化的背景のない人間に関しては、そのような背景を持たないサル同様の扱いしかされないのは当然のことです。
私は、菅さんが海外の会議に行っても、先進主要国のリーダーたちからまともに相手にされないのは、決して言葉だけの問題ではないと思います。いくら、お遍路に行ったとしても、彼は、おそらく、日本の伝統文化の背景からは程遠い存在なのだと思います。こうしたことは、いくら、外見を整えてみても、すぐに相手に悟られるものです。 
それは、思想や、イデオロギーなどとは無縁なものです。どんなイデオロギーがあったにしても、自分の属する文化を知らないものは、そうではない人々には、見透かされてしまいます。 
これはとりもなおさず、日本人であれば、日本の伝統文化を背負った人間と、他の国の人から認められない限り、まともな扱いはされないということです。今は、こんな簡単な理屈のわからない人があまりにも増えていると思います。
私は、アエラが、今回のような編集方針で、震災について報道したり、菅さんが何もできない、空き缶のようであることには、共通点があると思います。それは、菅さんにも、アエラの編集者には、日本の文化の背景が全くないか、希薄だということです。

それにしても、いざというときに、文化的背景というものは鮮明に出てくるものです。ただし、文化的背景とはいっても難しく考える必要はないと思います。一番は、自分の国の価値観や、文化を大事にする心だと思います。

現在は、これが本当になおざりにされています。これがしっかりしていなければ、今回のアエラのようにコミュニケーション障害のようなことを生ずるのは当然の事と思います。おそらく、これがしっかりしていなければ、いくら、勉強をして知性を磨いたり、一生懸命に働いてお金を儲けたとしても、外国の人からも認められないし、まわりの人からも認められないでしょう。

私は、心理学はあまり詳しいわけではありません。しかし、心理学用語のマージナルマンという言葉があります。これは、周辺人,境界人と訳されます。二つ以上の異質な社会や集団に同時に属し、両方の影響を受けながらも、そのどちらにも完全には帰属していない人間のことを指します。不安定で動揺しやすい行動様式を示します。

やはり、日本人なら、まずは、日本の伝統文化の背景を持っていなければ、マージナルマンになってしまうのだと思います。

マージナルマンは、いくら勉強しても、努力をしても、結局いざというときにはアエラのような見当違いの報道をするのだと思います。一生懸命に、英語を勉強して、だれよりも、英語ができるようになったとしても、いざ、アメリカに行ってアメリカ人を相手に仕事をするということになれば、相手から尊敬されることもなく、どちらかといえば、軽蔑され、交渉事もうまくいかなくなるのだと思います。

しかし、日本の文化的背景を持った人が、上記のツイッターの女子大生のように、見たままを素直に書いたり語ったりすれば、多くの人の共感を得たり、感動を与えたりすることができるという事だと思います。これは、何も国内ばかりではなく、海外に行っても同じことだと思います。

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2011年3月20日日曜日

『Google Mobile App』がより速く使いやすく改良されて大幅アップデート!―【私の論評】これなら、日々検索したくなるかも?

『Google Mobile App』がより速く使いやすく改良されて大幅アップデート!


二三日前に、これが、アップロードされていたのは、知っていましたし、実際やってみましたが、本日その内容をみてみて、素晴らしく良かったので、本日はこれについて掲載させていただきます。

さて、アップデートの内容をさっそく、アップルのサイトでみてみると、以下のような素っ気のない内容でした。


最先端の Google 検索機能を iPhone で!Google ゴーグル、音声検索、現在地機能を搭載しました。

バージョン 0.8.0.6023 の新機能
新しいユーザー インターフェースでアプリをすばやく切り替えられるようになりました。
左にスワイプすると、より詳しい検索を実行できます。
下にスワイプすると設定画面や Google のログイン画面に移動できます。
ヘルプ画面が新しくなりました。
一部の角に丸みを付けました。
バグを修正しました。

【私の論評】これなら、日々検索したくなるかも?
地震が発生した後、すべて地震に関連する内容の記事だったので、今日こそは、全く関係のない記事を掲載しようと思い。本日はこの内容です。上の内容では、あまりに素っ気ないので、もっと詳しく解説します。

スクリーンショットの下のほうに解列もいれてあるので、両方ご覧になってください。

iPhone スクリーンショット 1

iPhone スクリーンショット 2

iPhone スクリーンショット 3

iPhone スクリーンショット 4

iPhone スクリーンショット 5


iPhoneユーザーにとっては、『Google Mobile App』は重宝しているアプリの一つだと思います。

ワンクリックならぬ、ワンタップでGoogleに簡単にアクセスでき、無論音声検索もできます。左にスワイプするとメニューが表示されます。検索結果を見ている時に下へスワイプすると、検索バーが表示され、右にスワイプすると、画像、場所、ニュースなどの検索が可能です。

以前は、ページの上部にあった小さなリンクをクリックするようになっていましたが、これらのほうが、、はるかに使いやすいです。このスワイプ、最初更新しばかりのときには、すっかり見過ごしていました。本日実際やってみて、びっくりです。素晴らしいです。

前回の検索結果が保存されるので、一度アプリを閉じても、アプリを再度開いた時にすぐにまた見られます。新しく検索しても画面下のボタンをタップすれば、以前の検索結果へ戻ることも可能です。もちろん、GmailやDocs、Readerなど、Googleの他のサービスやWebアプリにもすばやく移動できます。

Gogglesや、音声検索、Gmailの未読メールの表示など、他の機能も大幅にアップデートされており、これまでのGoogle Mobile Appのアップデートに比べ、かなり大きな改良となっています。皆さんも是非、今すぐダウンロードしてご自分で確かめてみてください。

いままで、Google Mobile Appは、外出したときなどは使用していましたが、家では、もっぱらPCで検索していました。しかし、これなら楽しくて日々検索したくなりそうです。

なにせ、iPhoneの場合は、もともと、すぐに起動しますし、小さくて持ち歩きしやすし、PCよりははるかに速いなどの良さがありますから、これから、しょっちゅう使いそうです!!

Google Mobile AppはiOS対応で、もちろん無料です。

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2011年3月19日土曜日

東日本大震災と日本経済―【私の論評】増税論者が優勢であっても、回復が遅れるだけ!!日本経済は間違いなくV時回復する!!

東日本大震災と日本経済
東日本大震災と日本経済について、鈴木淑夫氏に対するインタビューがYouTubeに掲載されていましたので、本日はそれを掲載します。

鈴木淑夫氏は、日本のエコノミスト、政治家。衆議院議員 (2期)を務めた。経済学博士(東京大学)。鈴木政経フォーラム代表です。

日本銀行、また野村総研時代はエコノミストとして、また政治家になってからは新進党の小沢一郎党首の下で「明日の内閣」の大蔵経済企画大臣をつとめるなど、経済政策の提言を積極的に行ったことで知られましたた。

『金融政策の効果』で第10回日経・経済図書文化賞を受賞しています。

動画NO1.【鈴木淑夫インタビューNO32】
2011年3月11日(金)午後2時46分、三陸沖を中心として、マグニチュード9に及び巨大地震が、東日本を襲った。間髪を入れず被災地を大津波がやってきた。地震研究­者も経験がない想定外のことが起き、さらに福島にある原発がダメージを受けた。3月14日(月)、15日(火)には、株式市場が、1万円を割り込んで、一時8千2百円まで­売られた。日本経済の前途を読んでの、市場が反応した結果だ。今回の大震災が日本経済に与える影響を、戦後の日本経済を分析してきた鈴木淑夫博士に、緊急インタビューを試­みた。(佐藤弘弥記)


動画NO2.【鈴木淑夫インタビューNO33】
東日本大震災の後、円が売られると思いきやドルだけではなく、各国通貨に対し、円高で推移している。この理由について、鈴木淑夫氏は、世界が、日本が大震災から立ち直って­くると考えているからと明快に語る。さらにその時には、日本に膨大な規模の復興需要が生まれるから、世界の投資家たちは、そのことも見越して、円が買われていると分析する­。ただし日本社会の復興のプロセスが、機能するためには、無用な対立を乗り越えて、早急に復興財源を与野党が合意するような政治主導が前提になると語った。(佐藤弘弥記)


動画NO3.【鈴木淑夫インタビューNO34】
鈴木氏に、大災害下の日本の金利と物価、デフレの動向について聞いた。まず短期金利については下げ余地がない。長期金利については上がる傾向があるが、日銀はこれを押さえ­る政策を打つはず。デフレについては、既に大震災前に、中東の市民革命などの騒乱によって、原油価格の高騰があり、又食糧価格の上昇が続き、輸入コストプッシュ型の物価上­昇(企業が輸入原材料の上昇に押される形で)傾向が見られた。この状況下で大震災が来たため、デフレは早い時期に解消に向かうはず。企業は輸入価格の上昇に押される形で価­格に転嫁する。これによって消費者心理も冷えみ、景気にはマイナスに働く可能性がある。このような現在の基礎的条件を読んで、政府と日銀は景気が好転するために、大胆かつ­柔軟な政策で対応する必要がある。(佐藤弘弥記)


動画NO4.【鈴木淑夫インタビューNO35】
鈴木淑夫氏に、まもなく始まる戦後復興以来の大型復興計画について、全体の骨格を語ってもらった。まず鈴木氏は、自身が経験した戦後復興の経緯を踏まえて、今回の未曾有の­災害を、日本人が乗り越えることは間違いないと断言した。その証拠に、円が予想以上に買われている。災害直後に起こっている予想以上の円高も、日本に対する世界の評価と考­えるべき。もちろん、急激な円高は阻止しなければならない。しかしある程度の円高水準ならば、復興の過程で、復興原材料を安く購入できるというメリット(交易利得の発生)­もある。なるほど、経済学に精通した鈴木淑夫氏の冷静沈着な分析に感銘を受けた。(佐藤弘弥記)


【私の論評】増税論者が優勢であっても、回復が遅れるだけ!!日本経済は間違いなくV時回復する!!
私は、以前にもこのシリーズの動画は、良く参照していました。以前の円高のときも、鈴木氏の動画を掲載したことがあります。しかし、震災がおきてから、このシリーズの動画はみていませんでした。

本日たまたま、blekkoで検索していたら、ひっかかり、まさに正鵠を射た内容だと思い、ここに掲載させていただきました。:検索エンジンのblekko、なかなか良いです。これで、検索していなかったら、この動画は見てはいなかったかもしれません。

この動画を見て、地震が起こって以来、日本経済に関して、掲載してきた事柄は正しいと自信を深めることができましたし、この動画にはそれ以外のことも含まれています。皆さんも是非ご覧になってください。ただし、あまり含まれていないこともあります。それは、日本がもともと、財政破綻の淵にはないということです。これに関しては、鈴木さんもっと力説して欲しかったです。そもそも、財政破綻の淵にある国の通貨が買われるとか、期待感でアメリカの株価があがるとか、そんなことはあり得ない話なので、あまりに当たり前なので、特に強調はしなかったのだと思います。

それから、復興には、増税ではなく、建設国債や赤字国債をあてるべきであるとはっき言い切っていた点には、まさに我が意を得たりという思いがしました。当然の事だと思います。復興は一時のことですから、社会福祉などの足りない部分を補うなどというものとは全く性格が異なります。

今回の地震によって、いままで、先進国では最低水準にまで落ち込んできた、公共投資をせざるをえなくなるわけです。それも、震災の復興とあって、今後また同じような災厄が繰り返されないように、現在の最新の技術粋を集めた都市計画に基づき実施することになると思います。

特に今回の被災を受けたところは、最新鋭の現代都市に生まれ変わるわけです。これらの地域は、世界に先駆けた最新インフラを装備することになると思います。そうなれば、他の地域のモデルにもなるわけです。さらには、世界のモデルにもなります。一体どのような都市になるか、興味津々です。

増税した場合、私自身は、悲観的で、二度と日本は、デフレスパイラルから脱却できないかと思っていました。しかし、鈴木さんのこの動画を見て、ただでさえ、現在原油などの商品価格が上昇しているので、良い形ではないですが、デフレが終息する可能性が高いということを再認識したため、たとえ、最悪増税したとしても、いずれデフレは克服されることは間違いないと確信を得ました。

ただし、もしそうなれば、復興が進んでもすぐには、デフレ傾向が解消されず、遅れることになることでしょう。だから、増税は極力というより絶対に避けたほうが良いです。

それにしても、政治の世界では、菅首相が自民党谷垣総裁に入閣を要請するなど、何か、あいかわらず、おかしげな雰囲気ですね。菅さんと、谷垣さんは会談して、建設の復興には増税も視野にいれるということで合意しています。またったく、経済には、トンチンカンな二人です。

要するに今の政治家や、官僚は、変化に対応できないのです。そうして、金は天下の回り物ということがわかっていません。金を考えるときに、国単位、世界単位でものを考えるのではなく、家計や、一企業の会計のように考えているのだと思います。わかりやすくいえば、主婦感覚です。だから経済を考えるにも、全くトンチンカンになるのだと思います。困ったものです。

そうして、この鈴木さんは、衆議院議員であったこともあり、最後には、民主党から立候補して落選しています。この方が、当選していて、入閣して財務大臣になっていれば良かったのではないかとも思ったりしましたが、そうなっていれば、政治力学により、言いたいことも言えなくなってしまうので、価値ある情報源としては、かえって良かったのかもしれないと思います。

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2011年3月18日金曜日

「みんなで分け合えば、できること。」買い占めやめよう運動、始まる―【私の論評】買占めは、被災地だけでなく被災地以外の弱者にも大きな影響を及ぼします、絶対にやめましょう!!

「みんなで分け合えば、できること。」買い占めやめよう運動、始まる


今、首都圏を中心に問題となっているのが、食料・日用品の買い占め問題。ガソリンや乾電池なども、入荷した瞬間に売り切れてしまうため、慢性的な品切れ状態が続いています。

そんな状態を改善しようと、インターネット上では「買い占めやめよう運動」が始まっており、一枚のポスター画像が話題となっています。

「みんなで分け合えば、できること。」から始まるポスターには、トイレットペーパー12ロールで1000人分の被災者が助かったり、パン1斤で1家族分の食事がまかなえたり、お米5キロで120人分のおにぎりが作れたり……と、さまざまな「比較」が分かりやすく描かれています。

日常を維持するために買い占めてしまうと、すでに非日常な状態にある被災者の方々に、いつまで経っても物資は届きません。買う前に、このポスターを見て、もう一度考えてみると良いでしょう。日本人ならできる。ガンバレ、ニッポン!

【私の論評】買占めは、被災地だけでなく被災地以外の弱者にも大きな影響を及ぼします、絶対にやめましょう!!


上の動画は、デザイナーの松本隆応さんのデザインされたポスターを映像化したものです。

被災地でない場所で様々な商品の買占めが続出しています。買占めをしなくても普通に買うことが出来るのに買占めが起きてる為に必要としている人が困っています。

買占めをやめる事も被災地のみなさんへの協力だと思います。買占めはやめましょう!!

この動画は許可無く再配布・再利用可能です。どんどん広めて買占めをやめさせましょう!!

すでに被災地で、せっかく地震や津波で助かったにもかかわらず、命を落とされるかたもでています。計画停電であっても、電気が使えるとか、水道も断水していないような地域の方には、想像もできないような条件下で生活している被災者の方々が、たくさんいらっしゃいます。

買占めをするということは、この人々の生命を脅かすことにもなりかねません。これは、いくら間接的であって目には見えないとはいいながら、許されることではありません。

また、こうした買占めは、被災地の方々ばかりではなく、それ以外に住まれている方にも迷惑や、場合によっては脅かすことにもなりかねません。先日も、都内の一人暮らしのご老人の様子が写されていました。

このご老人、一人暮らしで、体力も落ちているので、遠くまで歩いて行くこともなかなかかなわず、食料品の調達はもっぱら近くのコンビニに頼っています。先日この方が、コンビニに買い物に行く姿が放映されていましたが、おにぎり、お弁当などすっかり棚から姿を消し、何かパンのようなものなど買っておられました。

ご当人も、「仕方ないですね」と当惑した面持ちでした。ガソリンの給油も制限されているようですが、車で遠くまで買い物に行くこともできる人が近くのコンビニで買占めをするとこういう事態を招いてしまうのです。

こうしたことが積み重なれば、大変な事態を招いてしまうことにもなりかねません。

こうしたときには、皆で助け合うのが本来の日本人の姿だと思います。買占めなどせずに、近くにご老人がいるなら買い物の手助けをするとか、遠いところまで、車で自分だけで買いもの行くなどせず、こうしたご老人も含めて他の人も乗せてあげるなどの手助けをすることを考えましょう。

本当にこのポスターや動画を見て欲しい方の中には、ひよっとしてネットに疎い方も多いのではないかと思いますが、ネットを通してこのポスターや動画の存在を知った人から積極的に働きかけをしてみるというのもいいかもしれません。

今、行政やマスコミだけでなく、被災地にいる方々からも「買占めをしないで」という声が挙がっています。自分ひとりくらい…その気持ちが大きな障害となり、結果として被災地への物資流通を妨げたり、被災地以外に住んでいる弱者の方々にさえ、悪い影響を及ぼしているのです。


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2011年3月17日木曜日

地震を延命に利用するハレンチ首相の視察パフォーマンス―【私の論評】民主党では、まともな復興は期待できない!!!

地震を延命に利用するハレンチ首相の視察パフォーマンス


   
スッカラ菅首相は、この未曽有の危機さえも支持率アップの材料にしようと考えているのだから許しがたい。

12日朝のヘリコプターを使った現地視察も、首相が突然言い出して決まったという。しかし菅の視察が、現場の作業を遅らせる一因になったというのだから、とんでもない話だ。

「福島第1原発の1号機は、すでに圧力上昇を抑えるために空気を放出しなければならない状態でした。しかし、菅首相が来たので現場は対応に追われ、空気の放出作業を遅らせたというのです。その結果、爆発したのだから最悪です」(霞が関関係者)

与野党党首会談も、菅のパフォーマンス以外の何ものでもない。会談が設定されたのは、原発1号機が高温となり危機的な状況の真っただ中。それなのに菅は与野党党首に「原発は大丈夫」と繰り返していた。

2度行った記者会見もひどい内容だった。現地では、まだ人命救出が最優先で行われている時なのに、スッカラ菅首相は、「あの時の苦難を乗り越えて、こうした日本が生まれたと言えるよう頑張っていただきたい」と自己陶酔していた。

揚げ句の果てには、蓮舫を節電啓発担当大臣に、辻元清美をボランティア担当の首相補佐官に任命。いつもの広告塔戦略である。政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏がこう言う。

「この危機でも『お友だち人事』なのかと呆れました。民主党内には官邸を経験した松井孝治氏や古川元久氏もいるし、与野党会談で協力を呼びかけるなら、阪神大震災や中越地震を経験した自公に助言を求めてもいい。今、必要なのは広告塔ではなく実践力です。自分に酔っているような記者会見もそうですが、危機管理は瞬間的にその人のホンネや性格が出る。菅さんの人間性がハッキリしました」

この男の卑しさは、どうにもならない。

(日刊ゲンダイ2011年3月14日掲載)

【私の論評】民主党では、まともな復興は期待できない!!!
12日の、しかも午前中の現地視察は、全く意味がないです。リスク管理の観点からも、あの時点での総理の視察は全く間違いだと思います。どんな場合でも、最も上の責任者は、対策本部に控えているのが当たり前です。

なぜなら、あの時点であれば、余震なども考えられ、まだまだ、震災の全容もわからし、ましてや原発ということになれば、全く未知数で、行けば何が起こるかもわからなかったからです。そんな時に、菅が行ってもまわりに迷惑をかけるだけです。

菅の立場であれば、現地に行くのは、ある程度、救難活動が終結し、そろそろ復旧にかかる時期が妥当です。

しかし、わざわざ地震発生の次の日に視察したのは、やはり上の記事のように、国民に迅速な対応を印象づけるための操作だと考えられます。困ったものです。

菅さんは、以前にもこのブログで掲載したように、完璧な経済オンチです。それに、与謝野氏は、デフレ・モンスターで、とにかく、何がなんでもデフレにすることしか考えません。

本日の与謝野氏の発言にも、私は、あきれ果て、もう二の句を告げません。ほんとうに、ただの認知症の老人すね。


ちなみに、与謝野馨経済財政担当相は本日、記者団に対し、外国為替市場での円急騰について「思惑先行型の極めて投機的な動き」と指摘した上で、「風評が投機筋から意図的に流されることは大変不見識だ」と投機筋による円買いの動きを批判しました。

市場では、震災被害に対する支払いに備え、国内保険会社が海外資産を処分してドルを円に転換しているという見立てが広がりました。しかし経財相は「全く根拠のない話だ」と否定し、「損保、生保に確認しても円への転換の動きは一切していない」と強調しました。

為替介入の可能性に関しては財務省の所管分野だとした上で「財務省もこういう円の動向は注意深く見守っていると思う」と述べた。

与謝野さん、現在のこの状況を理解出来ないのだと思います。投機筋がどう動こうが、今の段階で円高ということは、何を意味しているのかさっぱり理解不能なのだと思います。

この意味するところは、昨日のブロクにも書いたように、この円高は、市場関係者が、日本は地震によって財政破綻することもないし、デフレスパイラルが続いた日本においては、今後、復興のために巨額の投資をしなければならないような今回の震災は、日本経済がデフレスパイラルから抜け出す契機になるかもしれないという期待感のあらわれです。

こんなことは、菅さんも全く理解できないし、そんなことは、彼にとってはどうでも良いことで、ひたすら延命を願っているだけで、その彼が、三顧の礼を持って招聘した与謝野氏は、インフレ、バブル恐怖症の単なる認知症老人にしかすぎないというわけです。

もう、民主党、どうしようもありません。昨日のブログにも掲載したように、今回の震災での救難活動がはじまったら、菅さんは潔く退き、さらに今後の復興のためにも、選挙を行ない、民主党自体も国民の信を説い、その結果として、政権与党の座から退くべきです。そのほうが、日本の復興が正しい方向に導かれる可能性がはるかに高くなります。

民主党のままであれば、いずれ復興の過程で必ず、増税して、せっかく経済が復活する道筋をふさいでしまうことでしょう。自民党も、谷垣総裁のままでは、同じことです。自民党は、谷垣総裁をやめさせ、まともな経済感覚を持った人を総裁に据えなければ、まともな復興などできないです。

この地震、今は、悲しみばかりが多いですが、今後の政治を見直すためにも良いきっかけになるかもしれません。無論吉とでるか、凶とでるかは、私たち国民がどのような道を選択するかにかかっています。もう、参院選のときのように、マスコミの報道することばかりに翻弄されることなく、自らの手で情報を集め、自ら考え、何をすべきかを考える時期にきていると思います。

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2011年3月16日水曜日

円、79円台に上げ幅を縮小、一時最高値76円台前半―【私の論評】なぜ震災国日本の通過円が買われるのか?

円、79円台に上げ幅を縮小、一時最高値76円台前半


17日朝方の東京外国為替市場で、円相場は伸び悩み。9時時点は前日17時時点に比べると1円78銭の円高・ドル安の1ドル=79円14~17銭近辺で推移している。円は早朝に一時76円25銭近辺と最高値を記録した後、上げ幅を縮めている。円の最高値圏で輸入企業などが円売り・ドル買いを出しているという。

野田佳彦財務相が財務省内で記者団に対し為替介入について「神経質な動きが出ている。しっかりとマーケットを注視していく」と述べた。政府・日銀による円売り介入についてはコメントしなかったが、市場では介入警戒感が強い。

玉木林太郎財務官は「日本の投資家には本国送金の動きがない」と述べ、国内勢が海外資産を売って外貨を「円転」するとの市場の思惑をけん制した。

(注:この記事自体は、16日に書いたのですが、円相場に関しては、17日の朝の最新のものに差し替えました)

【私の論評】なぜ震災国日本の通貨円が買われるのか?
日本は、大震災にあったことは、誰もが否定できないと思います。しかし、こうした大災害に見舞われた日本の円が高騰しています。これは、一体どういうことなのでしょう?

結論からいいます。大前研一氏や、他の多くの人々がいうように、日本国は財政破綻の瀬戸際にあるという認識は間違っています。もし、そうであれば、今頃急速な円安に見舞われているはずです。

本日は、日本が財政破綻の淵にあり、今回の震災での復旧のために政府が巨大な支出をすれば、財政に大きな悪影響を与えるから、地震増税をすべしという主張には、正統な根拠がないことを掲載します。日本が財政破綻の淵にあるという認識は、3月11日に大震災にあっていないと主張することとほんど同じくらい間違っています。

まずは、以下の大前氏の動画をご覧になってください。原発のことについて、語っていますが、それに関してはまさに、正鵠を射た素晴らしい発言だと思います。


しかし、この動画の最後のほうの「1%増税」という発言は全くいただけません。大前研一氏も、日本が財政破綻の淵にあるという考えからこうした意見を述べているいます。しかし、この発言は、その前提からして間違いです。別な側面からみれば、これは、人々を惑わしていると思います。ある意味では、災害直後におこる流言飛語などとあまり変りないかもしれません。

大前氏のように世界的な権威が、自信たっぷりに、こうした増税を主張すれば、それに抗える人など滅多にいないでしょう。こうした、主張をする大前氏には、なぜ現在円高になっているのか、その背景を説明していただきたいです。

大前研一氏は、現在は経営コンサルタントとしての側面ばかりが強調されますので、もともとは、高速増殖炉を設計をしていた人であり、技術的な側面に関しては上の動画でもわかるように、素晴らしい慧眼の持ち主ですが、こと経済になるとそうではないという事だと思います。

さて、似たような事例では、どのようなことになったか、アメリカの事例をみてみましょう。

震災とは違いますが、2001年9月11日に発生した「米同時多発テロ」事件後の米ドルの急落でした。

そこで、この「9・11」後の動きをみてみましょう。

米国が震えたこの「9・11」の後、株式市場は1週間の休場を決めましたが、世界中で取引されている為替市場は閉じるわけにはいかず、米ドルは売り浴びせられました。


これに対して、米国は米ドルの防衛介入に動き、日本なども参加した「協調米ドル買い介入」が実現しました。

この違いはどこからでてくるのでしょうか?


最近では、1月のオーストラリアの洪水が記憶に新しいです。このときも、結局豪ドルはあげています。経済的悪影響が懸念され、対米ドルで1.02ドルから一時は0.98ドル台まで売られた豪ドルでしたが、下のグラフのように、最近は1.02ドル近くまで戻していました。

このように、被災国通貨が急落するのではなく、むしろ上昇することも多い理由として、復興需要を期待した買いや、不透明感が警戒されて資本取引が手控えられる中で、貿易取引の影響が大きくなるためといったことが、よく指摘されるところです。


このような理由もありますが、日本が震災直後からこのような円高になったのは、日本は経常黒字国であり、対外債権国だからです。さらに、3月末決算が目前に迫っているタイミングでもあり、国内への資金引き揚げ、キャッシュ化による円買いが発生しやすいという条件も重なったものと考えられます。

アメリカは、経常赤字国である、対外債務国です。経済からみれば、アメリカは日本とは全く反対の立場にあるわけです。いずれにせよ、日本が財政破綻の淵にあるというのなら、今の時点で、円高ということは全くあり得ないということです。

このブログでは、過去に何回も、日本は財政破綻の淵になどあるという考えは大間違いであることを掲載してきました。同じことを何回も書くことには、気も引けるのですが、上記のような大前研一氏のような方もでてきていますし、最近では、菅総理と、谷垣総裁が会談し、時限増税を行うことも視野に入れていることを聞き及び、かなりの危機感を感じたため敢えて再掲します。


このような、間違いは、日本国を一つの経済主体として全体をみることなく、企業であれば、そのPL(損益計算書)の一部分や、BS(貸借対照表)の一部分をみているからに他なりません。特に、日本国全体のBSをみればすぐに理解できる筋合いのものです。日本国が財政破綻の淵にあるなどという人は、政府の歳入・歳出だけをみて、財政危機などと叫んでいるだけで、これを人体にたとえると、指に大怪我をして、このままいけば、指を切り落とさなければならないかもしれないと大騒ぎしているのに似ています。指は、切り落とさないにこしたことはありませんが、たとえ指を切り落としたとしても、命に別状はないのに、さもさも、危篤状態にあるかのように騒ぎ立てているのと似ています。




上の図で、まずは、政府の【金融純負債】=【負債】―【資産】=1,001.8兆-481.9兆=519.9兆です。日本の2010年度のGDPは、約540兆円ですから、政府の純負債は、GDPの半分以下ということになり、これは、他の国と比較して、確かに金額ベースではかなり大きいですが、GDP比ではさほど大きくもなく、普通といっていいくらであり、財政破綻すると騒ぎたてるほどのことではありません。ちなみに、金融資産をこれほど持っている政府は世界でも稀であり、そのような統計はないのですが、おそらく、日本国政府が世界一でしょう。家計も、【金融純資産】=【資産】-【負債】=1,452.8兆-373.5兆=1,079.3兆という水準です。

それから、きわめつけは、対外金融純資産が、263.4兆円ということで、これは、過去20年間で世界一のレベルです。要するに、海外に貸し付けている金融資産が、どこの国よりも多いということです。

こんな国が財政破綻の淵にあると言えるのでしょうか?

現在原発が被災して、とんでもない状況にあるにもかかわらず、円高傾向にあるということは、市場では、この被災もいずれ終息するし、仮に最悪の事態を招いたとしても、日本は復旧するし、経済も復活することを予測しているのだと思います。

さて、日本は、ご存じのようにここ20年ほど、デフレの状況にあります。というより、デフレスパイラルの最中にあります。デフレスパイラルとは、以下にウィキペディアからその内容を

経済全体で供給過多・需要不足が起こって物価が低下する。商品価格が低下すると生産者の利益が減り、利益が減った分だけ従業員の賃金が低下する。また企業の利益が減ると雇用を保持する余力が低下するので、失業者が増える。従業員と家族は減った賃金で生活をやりくりしようとするため、あまり商品を買えなくなる(購買力の低下)。その結果商品は売れなくなり、生産者は商品価格を引き下げなければならなくなる。物価が下がっても名目金利は0%以下に下がらず、実質金利が高止まりし、実質的な債務負担が増す。債務負担を減らすために借金返済を優先する企業個人が増え、設備投資や住宅投資が縮小される。投資の縮小は総需要の減少へつながり、物価の低下をもたらす。
上記のような循環がとどまることなく進むことを「デフレスパイラル」と呼ぶ。政府による買い入れや物価統制など直接的な手段が有効であるが、現代の経済においては消費者物価の継続的な低下に対して金融緩和や量的規制緩和、為替介入などの金融政策で対処することが多い。所得税の累進性や社会保障はビルト・イン・スタビライザーの機能を持つため、物価の安定に機能するとされている。
一方で1980年代のレーガノミックス、サッチャリズムによる小さな政府政策以降、ワシントン・コンセンサスに見られる新自由主義や市場原理主義が先進主要国の政策に導入されており、ビルト・イン・スタビライザーの中心でもあった累進課税と失業者救済制度が「自由競争を損ない、経済活動を萎縮させる」と批判の対象とされて機能しなくなつつあり、2007年金融危機発生後の現在では世界規模でのデフレスパイラル発生が懸念されている。

世界的にみて、デフレスパイラル発生が懸念されている最中で、今の日本の状況で、減税をするというのなら、わかりますが、増税するというのは全く理解に苦しみます。

私は、地震が発生した直後に、このブログに日本の実体経済の見通しについて以下のように記載しました。

現在、災害のため企業活動も滞りがちになると想定され、経済にも悪い影響を及すと思います。しかし、先ほどは、地震が発生したばかりであるため、不謹慎であるため、述べはしませんでしたが、復旧がはじまれば、経済も上向くと思います。 
なぜなら、復旧に向けた公共工事で雇用も増えるからです。そのため、市中に出回るマネーも増え、デフレ克服のきっかけになるかもしれません。 
今後、1~2年くらいは、もともとアメリカあたりの景気が上向くこともあり、上記のようなこともあるので、景気も上向き、日本経済も堅調になることでしょう。 
それにつれて、税収も増えることになるでしょう。ここまでは、経済音痴の民主党がなにも考えずとも、成り行きで、そうなることでしょう。しかし、それから、先が問題です。 
復旧工事に目鼻がついた後の対応が問題です。先程述べたように、その時点で今回地震がなかったところの工事も着手すれば、本格的にデフレ克服の目はなもつくかもしれません。そうして景気が上向くどころか、インフレそうしてバブル傾向になるかもしれません。そうなれば、増税や緊縮財政をすれば良いわけです。 
しかし、ここで、それをしなければ、どうなるかといえば、せっかく上向きかけた景気がまた元にもどることになるでしょう。それどころか、民主党は、このタイミングで増税をすることでしよう。

そうなると、景気は、悪くなるどころか、ふたたび深刻な、デフレスパイラルになるでしょう。そうして、失われた20年の再来ということになると思います。
さて、以上のようなことを考えると、地震の復旧には、増税ではなく、地震国債などを発行すべきです。国債というと、おおかたのマスコミなどは赤字国債であると騒ぎ立てていますが、そんなことはないことをこのブログでは再三掲載してきました。このことを象徴するようなことが、本日もありました。

東日本大震災を受け、先進7カ国(G7)が財務相・中央銀行総裁による緊急の電話会合を週内にも開催する方向で調整に入ったことが16日、分りました。日本への支援策や世界的な市場の混乱回避が主な議題となる見通しです。

ロイター通信によると、G7議長国であるフランスのラガルド経済・財政・産業相は同日、記者団に対し「日本の国債発行にどのような形で貢献できるかを判断するため協議を要請した」と述べました。

ただし、日本国債は震災後も順調に消化されており、長期金利は安定(というより下がっているくらい)しているため、短期的には日本が金融面での支援を必要とする可能性は低いです。一方、外国為替市場では円高が進んでおり、一層の円高進行をけん制するG7のメッセージを期待する声もあります。

さて、本当に日本の国債が赤字国債であるとすれば、上記のようなことがあり得るでしょうか?これに関してもこのブロクでは、再三にわたって掲載してきています。特に、昨年の菅総理の海外デビューであるG20においての記事で、それに関して掲載しました。

要するに、日本の国債は、その96%を国内の機関投資家や、個人に購入してもらっているので、これを家庭にたとえると、国債を発行するということは、家の人からお金を借りているということと同じで、世帯では借金とはなりません。要するに、国単位では借金をしていることにはならないということです。世界の中で、国債を購入する国内の比率が高いのは日本をのぞけば、カナダくらいのものです。

これが、ギリシャあたりだと、日本と全く反対で、対外金融負債がかなりあり、国債も国内ではなく、外国から買ってもらっていたということです。日本とは、全く異なるということです。

先ほど述べたように、地震が発生した後でも、国債の金利は安定しています。そうであれば、今回の地震における復旧ば増税などとんでもないことで、地震国債によって賄うべきという結論になります。

もし、増税するということなれば、デフレスパイラルにまた巻き込まれることになってしまいます。さて、日本国民はどういう道を選択するでしょうか?ヒントになるものとして、最近の名古屋市議選で、減税日本が大躍進しています。

これは、象徴的です。これは、地震が起きた直後の選挙です。おそらく、日本は、地震の復旧にあたっては、減税、地震国債の発行でのぞみ、急速な復旧を目指し、さらには、デフレ克服まで狙っていくことが、最も良い方法であると考えます。増税は最低の下策です。

以上のように、財政破綻する国の通貨が、どんなことがあっても、高くなるなどという矛盾はあり得ないなど、今回の地震により、マスコミなどがほとんど報道しなかったようなことや矛盾が、明るみに出てくると思います。


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2011年3月15日火曜日

胡錦濤国家主席、天皇陛下に見舞い電報「早期復興を祈ります」―【私の論評】胡錦濤にも見放された菅?!!


今回の地震に関して哀悼の意をご表明された、天皇皇后両陛下

胡錦濤国家主席、天皇陛下に見舞い電報「早期復興を祈ります」

14日付新華社通信電によると、中国の胡錦濤国家主席が同日、天皇陛下に対して、東北地方太平洋沖地震における被災地への哀悼の意や、日本の早期復興への願いを記した電報を送っていたことが分かった。

胡錦濤主席
電報には、「中国政府と中国人民は、日本の東北地方で発生した大地震に心からお見舞いを申し上げるす。また、被災者の皆様におかれましては、深い哀悼の意を示すとともに、日本国民の皆様が1日も早く困難を克服し、再建が出来るようお祈り申し上げます」と記されており、中国政府による支援継続の方針を示した。

【私の論評】胡錦濤にも見放された菅?!!
菅首相
胡錦濤氏による、天皇陛下へのお見舞い電報は、四川地震のときに、日本から中国主席に対してお見舞いのメッセージを発信したのが、当時の福田首相であることを考えると、異例のことだと思います。現在の日本の対外的な代表は、菅総理です。その菅総理をさしおいて、天皇陛下への電報とは一体どのように解釈すれば良いのでしょうか?

それは、すでに胡錦濤氏としては、菅はもう総理としては命脈が絶たれたものと判断していることを意味していると思います。すぐに、総理ではなくなる人間に発信するよりも、陛下に発信したほうが良いという判断だったと思います。

ただし、面子を著しく、重んじる国柄ですから、中国の温家宝総理も同日、菅直人首相に慰問電報を打ち、中国政府を代表して日本政府および国民にお見舞いを述べたほか、日本側に支援を提供する意向を示ししました。同日、中国の楊潔チ外相も松本剛明外相に慰問電報を打ちました。

胡錦濤氏の頭の中には、あのAPEC日中首脳会談の記憶が残っていることと思います。これも、電報を菅総理ではなく、天皇陛下に発信したことの遠因ともなっていると思います。

この会談では、下の動画をみてもわかるように、菅総理は、メモから目を離さずに話しをしています。通常このような会談においてメモを見ながらということはあり得ません。メモを見るのは、実務者同士の会談に限られます。これは、大失態といえると思います。さすがの胡錦濤氏も、「何を考えているのか?」という面持ちで、凍りついたようになっています。


私は、以前このブログの日本酒に関する記事の中で、「人が人として認められる条件を以下のように掲載したことがあります。
人が、人としてまともに扱われるということは、どういうことなのでしょうか?それは、その人が育った文化的背景を背負っているということを相手にさとってもらえか否かで決まるものです。背負っていることを認めてもらうことができれば、その人は世界中のどんな人からも、うとんじられることはありません。なぜなら、その人は、その人だけの存在ではなくなるからです、その人が、その文化を担っているというということは、もうすでに、その人だけのことではなく、その文化を背負っている人の文化圏に属する人全体を代表するものとして、相手に受け取られるからです。それどころか、すでになくなったご先祖様の考えをも代表するものとして受け取られからです。 
そんな文化的背景のない人間に関しては、そのような背景を持たないサル同様の扱いしかされないのは当然のことです。 
私は、菅さんが海外の会議に行っても、先進主要国のリーダーたちからまともに相手にされないのは、決して言葉だけの問題ではないと思います。いくら、お遍路に行ったとしても、彼は、おそらく、日本の伝統文化の背景からは程遠い存在なのだと思います。こうしたことは、いくら、外見を整えてみても、すぐに相手に悟られるものです。それは、思想や、イデオロギーなどとは無縁なものです。どんなイデオロギーがあったにしても、自分の属する文化を知らないものは、そうではない人々には、見透かされてしまいます。 
これはとりもなおさず、日本人であれば、日本の伝統文化を背負った人間と、他の国の人から認められない限り、まともな扱いはされないということです。今は、こんな簡単な理屈のわからない人があまりにも増えていると思います。
菅さんや、民主党の面々が何もできないようにみえるのは、知識や情報がないとか、経験がない、国際感覚がない、国家観がないなどという前に、こうした伝統を背負っていないからです。いや、それどころか、それを壊そうとしているからです。

菅さんや、民主党の面々は、ひよっとしたら、胡錦濤氏に、総理や、議員などという前に、まともな人として認められていないのかもしれません。建国から60年しかない現代中国で、伝統などあまりない国の胡錦濤氏からみれば、いつも一つの中国として統合することに四苦八苦しており、統合の象徴としての天皇陛下がいらっしゃるが我が国は、うらやましくもあり、光輝いても見えることでしょう。無論そんなことは、立場上おくびもだせませんが・・・・・・・・。

菅さんは、親中派であり、民主党も親中派です。胡錦濤氏としても、こうした菅さんや、民主党は、本来中国にとって、益になるはずであって、より親交を深めたいと考えていたに違いないと思います。しかし、菅さんの態度や、民主党のあり方などみて、もうすでに菅総理の命脈は尽きているし、民主党は長いことはないと悟ったに違いありません。

中国と日本は現在、非常に悪い関係にあります。だかこそ、中国の主席としても、対決姿勢を明確にしなければならないという立場にあります。しかし、菅氏や、民主党には、明確な態度を示してもどうせ、近いうちに政権の座からおりるに違いないと踏んでいるに違いありません。もう、交渉の相手としてもみていないということだと思います。

だからこそ、今回は万世一系の天皇陛下に対して発信したのだと思います。それに、これは、菅首相や、民主党などとうに見限っているという意思表示も含んでいるのだと思います。

一部評論家などは、この地震の復興のため、与野党が手を組み一致協力してあたるべきなどと論評しています。確かに、それが筋だと思います。しかし、これだけ大きな国難にあたるのに、菅さんや民主党では難しいのではと思うのは私だけでしょうか?地震の救難などを最優先する今は、政権交代などしていれば、混乱するだけですが、救難作業が落ち着いたら、菅さん自身が自ら、退き民主党も再度国民の審判を受け、その後に与野党関係なく、復興に一丸となって進むべきではないでしょうか?

最後に、多くの人は、普段は天皇陛下のことは忘れているのでしょうが、今回のような地震による大災害や、その直前の政局による混乱などがあっても、他国のようには混乱しない日本の強みは、やはり、他国にはない天皇制を要とする日本固有の伝統文化があるからだと思います。こうした伝統文化がなければ、大地震に被災した日本、今頃風前の灯のようになっていたかもしれません。

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