2011年10月26日水曜日

日本の人口増加率 過去最低に-【私の論評】人口減解釈への警鐘!!インフレ、デフレは、人口の増減とは全く関係がない!!デフレ人口減説は、都市伝説なみのヨタ話に過ぎない!!

日本の人口増加率 過去最低に 


去年10月に行われた国勢調査の結果が確定し、日本の総人口は1億2805万7352人と、前回5年前の調査に比べて増加率は0.2%にとどまり、これまでで最も低い伸びとなりました。

 それによりますと、去年10月1日現在の日本の総人口は1億2805万7352人で、前回5年前の調査に比べておよそ28万9000人増えました。しかし、増加率は0.2%にとどまり、国勢調査が始まった大正9年以来、最も低い伸びとなりました。また、日本の世帯数は、前回に比べておよそ238万4000世帯多い、5195万504世帯で、初めて5000万世帯を超えました。1世帯当たりの人数では、4人以上の世帯が減少する一方、1人の世帯が全体の32.4%と最も多くを占めています。

一方、都道府県別の人口で、人口が増加したのは、増加率の高い順に、東京、神奈川、千葉など9つの都府県。人口が減少したのは、減少率の高い順に、秋田、青森、高知など38の道府県となっており、今回増加から減少に転じたのは、栃木、静岡、三重、京都、兵庫、岡山の6つの府県でした。

【私の論評】人口減解釈への警鐘!! インフレ、デフレは、人口の増減とは全く関係がない!! デフレ人口減説は、都市伝説なみのヨタ話に過ぎない!!
さて、このニュース朝日新聞は、どのように伝えているかといえば、以下のようなものです。
日本人の人口1億2535万人、減少に転じる 国勢調査

2010年10月1日現在の国勢調査の確定結果で、日本人の人口は1億2535万8854人になり、05年の前回調査より37万1294人(0.3%)減った。国勢調査は5年に1度実施している。日本人と外国人で分けた統計を取り始めた1970年の調査以降で、減少に転じたのは初めて。総務省が26日に発表した。 
外国人を加えた総人口は1億2805万7352人で、前回調査から0.2%にあたる28万9358人増えた。
http://www.asahi.com/national/update/1026/TKY201110260392.html 
一体どうなっているのでしょうか?なぜ、朝日新聞の報道はこうなるのでしょうか?全く理解できません。何か仕掛けがあるのだと思います。何が何でも、日本の力を弱めたいと思う朝日新聞の魂胆が良く見えるような記事だと思います。

そうは、いっても、少子高齢化傾向であるのは、間違いないことであり、いずれ、本格的に人口減になるときがやってきます。その時になって、人口減の解釈をめぐって、ますます、異常な経済論議ともいえないような、経済論議がなされる可能性があるので、ここに警鐘を鳴らしておきます。

それは、デフレ人口減説というトンデモ説です。これは、経済学を無視したとんでもない理論ですが、そのようなトンでも理論であるばかりではなく、世界中を探しまわっても、これを裏づけるようなデータは存在しません。おそらく、これから、正統派マクロ経済学とは、無縁のトンデモない衒学者どもが、日本のデフレは、人口減が原因であるから、いたしかたないという説を吹聴しまくると思います。そうして、新聞もその尻馬にのって、馬鹿な説を流布しまくることになると思います。そんなことになる前に、この馬鹿な説を論破しておきます。

インフレ・デフレというのは純粋な貨幣現象です。人口減、人口増など全く関係ありません。マネタリストのミルトン・フリードマンも「インフレデフレはすべて貨幣現象である」と語っています。というより、これは、どの経済学者も認める当たり前の事実です。これを認めない人は、経済学者とも、呼べない輩です。これは、経済学では当たり前の真ん中の、普通の経済学のテキストにも掲載されているようなことです。これが、崩れたら、経済学など最初から成り立ちません。



少し難しくなりますが、経済学の話をします。

一般に、貨幣を増やすインセンティブを起こせば需要が大きくなります。貨幣を減らすインセンティブを起こせば需要は小さくなります。当たり前のことですね。

貨幣供給力は、capital(K)  labor (L) 、A を技術によって変わる変数として、F(K.L)は、関数とすれば、供給力はY=AF(K.L)として表記できます。

その時点での供給力に対して貨幣量が大きくなり需要が大きくなればインフレになり、貨幣量が少なければ需要が小さくなってデフレになるだけです。本当にそれだけの話です。






上の話、少し小難しくなってしまいましたが、何も、こんな難しいことで、表わすまでも、なく、常識で考えれば、わかります。人口減になり、それに比例して、生産活動などが、減少すれば、当然経済は小さくなりますが、それをもってデフレなどとは、言わないことは、中学生でもわかる理屈だと思います。それに、かつての、中国のように、人口ががどんどん伸びていくと、経済は、成長しますが、それをもってインフレとはいいません。全く、別次元の問題です。人口減が、デフレの原因とのたまう輩は、結局いろいろな策をろうしてこれを否定しているだけです。これは、鶏が先か、卵が先かの議論にもなりません。もともと、関係ないわけですから。

人口減や、人口増になっても、貨幣の流通のバランスが崩れなければ、デフレにもインフレにもなりません。人口減のときに、人口減とは全く関係なく、何らかのことにより、貨幣の流通のバランスが崩れれば、そのときは、デフレになったり、インフレになったりします。人口にみあった貨幣の供給量が少なければ、デフレになるし、多ければインフレになるだけの話です。

現在の日本では、政府が緊縮財政をしたり、日銀が増刷拒否をしているため、ここしばらく、デフレ状況が続いています。そんなときにたまたま、人口減の傾向にあるからといって、人口減がデフレの原因であるとはいえません。デフレ人口減説を唱える連中は、最近の日本のこの状況のごく一部のデータをきりとってきて、デフレ人口減説を唱えているだけです。日本でも、過去には、人口増であるにもかかわらず、デフレ傾向になったことはあります。これは、無視して、最近のデータばかりとりあげて、このような説を唱えることは合理的ではないし、科学的な態度でもありません。

それに、たとえば、スウェーデン、デンマーク、フィンランド、ニュージーランドのような、もともと、人口が少ない国は、この説に従えば、人口の多い国に比較すれば、デフレになりやすいということでしょうか、それに、人口の伸びが今でも著しいインドや、東南アジアの国々などでは、インフレになりやすいということでしょうか。そんな馬鹿な話はないです。人口増になろうが、デフレになったり、人口減になろうが、インフレになっているなどいう事例はゴマンとあります。そもそも、関係ないわけですから、最近の日本の状況のみをデータとして取り出して、デフレ人口言説を唱えることは、全くの不見識であるどころか、見当違いもはなはだしいです。

日本がここしばらく、デフレなのは日銀が貨幣量を供給に対して増やそうとしないからです。貨幣量が増えると国民が予想すれば需要は必ず大きくなります。それがインフレ予想というものです。需要の構成要素は消費、投資、政府支出、純輸出です。

消費は所得の増加関数で実質金利の減少関数です。日銀が貨幣を市場にばら撒けば名目所得の上昇期待が生まれ、実質金利は名目金利ー期待インフレ率ですから実質金利が下がれば貯蓄するより消費した方が得です。よって消費は増えます。

設備投資は実質金利の減少関数ですから、企業がおカネを借りやすくなります。インフレ期待があれば収益の名目値が上がる予想ができますので企業は積極的に設備投資するでしょう。純輸出はインフレ期待があれば通貨安になりますから、純輸出は上がります。よって、日銀がマネーを増やせば需要は増えます。

日本のデフレの原因は人口減少とは、全く関係ありません。日銀がマネーを出さない(増刷拒否の姿勢を崩さいない)ことと、それに、政府が緊縮財政をしていることです。そして日銀がインフレそのものを許容しないことが原因です。まるで、インフレにさえならなければ、自分達の責務を果たしていると思い込んでいるようです。

最近、円高傾向ですが、円高なるものは、いろいろな要素があって、予測することは難しいですが、少なくとも6割型は、予測のつくものです。その6割とは、要するに、もともと、デフレであり、日本国内外を含めて、円の流通量が少なかったところに、震災が発生し、その震災からの復興のため、大規模な円の需要が増えているにもかかわらず、日銀が、増刷拒否の姿勢を崩さないからです。それに、無論、政府も緊縮財政をしているからです。全く愚かなことです。

このブログでは、過去に、世界一金融資産を外国に貸し付けていて、政府の金融資産も他国にはみられないほど、膨大であり、さらには、国民の家計における、現金・預金も膨大であり、しかも、政府の借金のほとんどが、国外からではなく、日本国内からであるようなこの日本国が財政破綻などするはずがないことに関しては、何回も掲載してきました。

しかし、デフレ人口減説の間違いについては、掲載してきませんでした。しかし、人口減が顕著になりつつある、現在いずれ、このような説を多くの政治家や、官僚、偽経済学者や、マスコミが言い立てることを懸念しています。それに、すでに、そのような説を掲載する書籍なども出回っています。しかし、デフレの原因が人口減であるという説は、どのような立場にある人間の発言にせよ、全く間違いであり、このような人間が発する言葉を真に受けるべきではありません。これは、都市伝説や、錬金術、永久機関と同じようなヨタ話にすぎません。

そうして、このような発言の源流をたどれば、財政破綻説と同じく、財務省の高級官僚あたりということになると思います。彼らは、省益どころか、自分のことしか考えていないのだと思います。とにかく、税金でもなんでも、あまり頭をつかわず、簡単にむしりとれるところからとって、自らの保身や、老後の贅沢三昧に備えることしか頭にないのだと思います。これに同調する輩も、すべて、そのおこぼれにあずかりたいとか、単に騙されている連中ばかりだと思います。困ったものです。わたしたちは、このような者たちの、言説に惑わされないにすべきです。

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2011年10月25日火曜日

スティーブ・ジョブズ氏:すし職人が明かすサービスへのこだわり 「おいしかった。またね」が最後に―【私の論評】あなたなら、明日死ぬということなったら、何を食べたいですか?

スティーブ・ジョブズ氏:すし職人が明かすサービスへのこだわり 「おいしかった。またね」が最後に


ジョブズ氏が最後に注文した握りずし。(すしゲタの左上から時計まわりで)しめサバ、穴子、タイ、ウミマス=2011年10月18日、パロアルト(米カリフォルニア州)の陣匠で堀山明子撮影



米アップルの共同創業者、故スティーブ・ジョブズ氏(5日死去、享年56)が死期を予感し、ごく親しい友人を招いて“お別れ会”を繰り返したすし屋が米カリフォルニア州シリコンバレーのスタンフォード大近くにある。2人のすし職人、金子典民さん(46)と高橋一郎さん(39)が共同経営する「陣匠(じんしょう)だ。高橋さんが取材に応じ「決して泣き言を言わない人だった」と病と闘う姿を語った。すし職人が見たジョブズ氏とは。


【私の論評】あなたなら、明日死ぬということなったら、何を食べたいですか?
本日は、ここしばらく、何回か、ジョブズ氏関連のことをこのブログに掲載してきたので、掲載するのは、ためらわれたのですが、結局掲載することにしました。
陣匠内部
最近、アメリカでも、本当に和食が食べられる店が増えてきたようです。今から20年ほど前までは、和食といって、結構もてはやされていても、実際は、ごく一部のインテリ層しか食べていないという感じて、一般人からは程遠いような感じでしたが、最近ではそうでもないようです。だからこそ、ジョブズもこのように足しげく通ったのだと思います。

ちなみに、陣匠のランチの写真を以下に掲載しておきます。




2品選ぶランチセットは$16です。庶民には結構厳しい価格かもしれません。

大きな地図で見る

454 S. California Avenue, Palo Alto, CA 94306
  650-321-3454

上の記事を読んで思い出したのが、昔、雑誌に掲載してあった記事のことです。どの雑誌かいまでは忘れてしまいましたが、死刑囚が最後に食べる食事というものです。その記事の細かい内容は、忘れしまいましたが、何でも、アメリカでは、死刑囚の最後の食事は、本人が食べたいものを食べられるようにしているという話です。ただし、最近では、テキサス州では、この最後の食事が廃止されたそうですが、いまだに他の州では、これを死刑囚の特権として認めているようです。

そうして、その記者は、その記事の最後のほうで、やっぱり、日本人なら、寿司だろうが、アメリカ人ならステーキということになるだろうと、書いていました。

死刑囚だと、大抵は、健康に支障はないので、食べたいものを食べたいという欲求があるのだと思います。ジョブズ氏は、病気だったので、本当の意味での最後の食事はなかったかもしれません。実質上の食事がほとんど、最後の食事だったのではないかと思います。日本人としては、そうであって欲しいと思ってしまいますし、本当にそうだったら、本当に嬉しいです。

アメリカ人も和食を最後の食事に選んでくれる人もでてきたということかもしれません。ジョブズは、日本に対する造詣も深い人でしたから、こんなこともアリかなと思います。

死刑囚の最後の食事といえば、私の記憶では、10年ほどまえに、ハーゲンダッツのアイスクリームを食べたいといった囚人がいたということがなんとなく記憶に残っています。

それから、あの映画グリーンマイルでは、映画で出てくる黒人の最後ののぞみは、フレッド・アステアと、ジンジャー・ロジャースのでてくるミュージカル映画をみることでした。この黒人この映画をみて「二人は天使だ!!」と叫びながら、涙を流していたのが印象的でした。以下に、その映画にでてきた、実際の映画のシーンを掲載しておきます。


本当に、人間の最後ののぞみには、いろいろなものがあるようです。

それから、2年くらい前に、イギリスで囚人の最後の食事を再現したものがサイトに掲載されていたのを思い出しました。それは、今もあるかどうか、確認してみましたら、ありました!!説明は、ともかく、その写真だけ以下に掲載します。

フライドチキン、ポテト、スープなどアメリカンな食事です。

そのほか、いいろいろと、とても風変わりな食事が掲載されていました。それについては、もしご覧になりたければ、以下のURLでごらんになっください。

http://rocketnews24.com/2009/08/13/%E6%AD%BB%E5%88%91%E5%9B%9A%E3%81%8C%E6%9C%80%E5%BE%8C%E3%81%AB%E9%A3%9F%E3%81%B9%E3%82%8B%E9%A3%9F%E4%BA%8B%E3%81%A8%E3%81%AF%EF%BC%9F/

最後の食事にしては、少ししょぽすぎますね。中には、ほとんど食事らしい食事でないものもありますが、明日死ぬと思えば、食欲もわかないからかもしれません。もともと、イギリスなどは、普段から食生活がイタリアなどと比較すれば、お粗末ですから、いたとかたないのかもしれません。これに関しては、実話をもとにして製作された映画"Letters of Dead men"(第二次世界大戦中のイタリアの山中の模様を描いたもの)で、銃殺刑をいいわたされたイタリア人が、最後に、ワインとパンを所望していて、それを銃殺を実施する側のドイツ軍将校が認めてやってたのを思い出します。こちらのほうが、余程ましです。

しかし、いずれにしても、こんなのは、私なら、絶対に嫌です。やはり、最後の食事ともなれば、ジョブス氏のように寿司あたりが良いとおもいます。それに、一合で良いですから、本当に美味しいお酒がついていれば、いうことはありません。それよりも、何よりも、これは、囚人には許されないことなのでしょうが、やはり、親族や、友人知人と最後の食事をともにしたいです。そういう暇(いとま)を人生の最後にもつことができる、それが人として最高の幸せだと思います。ジョブズ氏もそうであったと信じたいです。だからこそ、最後の食事を摂るときには、囚人であってはないらないと思います。

ジョブズ氏は、一般にはあまり知られていないですが、仏教徒です。そうして、このブログにも掲載しましたが、ジョブズ氏は、日本の武士道の精神でもある、「武士道とは死ぬこととみつけたり」といういわゆる「葉隠」の精神ともいえるような、精神を持っていたようです。そのような、ジョブズ氏であったからこそ、最後の食事は寿司だったのだと思います。

ジョブズ氏は、生前に「死を意識した生き方」を語っていました。それは、決して、消極的なものではなく、日本の武士道精神のような、積極的な生き方でした。明日死ぬと思えば、囚人でさえなければ、やることは山のようにあると思います。

まずは、世界を変えること、あるいはそこまでいかなくとも、社会やコミュニティーや、もっと些細なことについてもとにかく良いほうに変えることを、見込みのある人にそのエッセンスを伝え、自分の遣り残したことをやってもらいたいと思うに違いありません。しかし、見込みのある人が考え違いをしていれば、それを是正しようとして、多くのマスコミや、伝記の作者さえも指摘したような、ジョブズ氏のように辛らつな言葉になることもあるかもしれません。

あるいは、世話になった人たちに、今生の別れの言葉を伝えたいと思うにちがいありません。そうして、短い時間の中でも、できることは、すべてやっておきたいと思うに違いありません。また、明日死ぬとおもえば、それまで、悩んでいたような事柄がほんの些細なことに見えてくるに違いありません。これこそが、ジョブズ氏の「死を意識した生き方」を意味するものです。そうして、ジョブズ氏は文字通りこれを実践したと思います。

私たち日本人は、武士道的な生き方を忘れがちですが、やはり、ジョブズ氏のように、「死を意識した生き方」を実践して、"one more thing"を追求していくべきです。

以下は、以前のブログにも似たような内容を掲載したものですが、ここにもう一度、ジョブズ氏に敬意を評して掲載します。

時代の歩みは止まりませんし、テクノロジーであれ、どんな分野であれ、世界をよりよいものにする One more thing は生み出される時を待っています。

次の One more thing を作るのは私でありあなたであり、志のある多くの人々です。

それは iPhone や iPad のような発明かもしれませんし、新たな商品の開発かもしれないです。新しい著作、人を感動させる音楽、誰かの人生を変える小さな一言かもしれません。あるいは、日々わたしたちが取り組んでいるいる仕事かもしれません。しかし志のある人たちが全員がそれを追い求めることで、世界はちょっとだけ良い場所になるはず。そうして、多くの人がそう信じて行動すれば、より良い社会になるはずです。私は、そう信じています。

Thanks you Steve Jobs for making the world a better place. We will continue in your footsteps to make insanely great stuff. May you rest in peace.

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2011年10月24日月曜日

消費者が不信感を持つほど高額な日本版ジョブズ伝記本3990円 / 北米では940~1370円―【私の論評】この現象は、ジョブズだけではない!!日本では、欧米の名の通った著者の書籍は、目ん玉が飛び出るくらい高い!!たとえば、ドラッカーも例外ではない!

消費者が不信感を持つほど高額な日本版ジョブズ伝記本3990円 / 北米では940~1370円



先日、iPhone4SのSIMフリー版が、定価の倍以上の価格でオークションやショップで売られているという記事をお伝えした。アップル社が正規に売っているものではなく転売されているものなので、いくらボッタクリ価格だったとしても消費者は文句は言えない。

しかし、今回に限っては消費者から文句の「も」の字くらいは言ってもいいのではないだろうか? 2011年10月5日に亡くなったスティーブ・ジョブズ氏のオフィシャル伝記本が北米で10月24日に発売されるのだが、それの日本語訳版(講談社)が驚くほど高額なのである。なんと北米版の約3倍の価格である。

【スティーブ・ジョブズ伝記本のAmazon価格】
北米  17.88ドル(約1370円)
英国  12.50ポンド(約1520円)
伊国  22.99ユーロ(2440円)
独国  24.99ユーロ(約2600円)
日本  1995円×上下2冊=3990円
※2011年10月23日の為替相場で計算

翻訳と権利購入にお金がかかっているとはいえ、北米版の3倍の価格って尋常ではない気がするのだが……。また、この本は確実にミリオンヒットすると言われており「確実に売れる」とされている。もちろんジョブズ氏は注目の人だし、購入したいと考えている人も多いはず。

それならば薄利多売とまではいかなくても、もっと購入しやすい価格設定にしてほしいものだが、消費者からするとファンの足元を見たような価格設定に思えるのも確かである。同書は電子版も発売されるのだが、日本だけ電子版が書籍版と同等の価格なのも批判されている。以下は、この価格設定に対するインターネットユーザーの声である。

・日本版ジョブズ伝記本3990円に対するインターネット上の声
「ジョブズの死を冒涜する価格設定だな。潰れろ」
「日本人は高くても流行に飛びつくからな」
「どこの中間搾取のせいで電子と紙媒体が同じ値段になってるのよ」
「うまいわー。海外有名人の追悼伝記おいしすぎて、死の商人だわー」
「信者は文句言いながらも喜んで買うから問題ないだろ」
「俺達は英語版で読むから関係ないけどな」
「翻訳は言い訳にならん。ドイツ版と同じぐらいの値段ならわかる」
「これ買う奴は自分は馬鹿ですって公言するようなもんだよね」
「米語の勉強にもなるから、未翻訳のかっとけ」
「日本だけ電子書籍がハードカバーとほぼ同額。予想通りの展開だわ」
「日本のボッタクリは世界でも最悪なレベルだろ。俺はkindleで買うから関係ないけど」
「この手の絶対売れる本はおいしいよな」
「日本はバカが多いから搾取され続ける。歴史的円高でもこれ」
「上下巻商法多すぎ」
「こういうベストセラーはすぐブックオフで買える」

ちなみに北米で売られる電子版の価格は11.99ドルなので、日本円にして約940円。日本では電子版が書籍と同等の値段で売られるといわれているので、ほぼ3990円で売られることになる。940円と3990円、およそ4倍の価格差がある。出版社にも言い分があると思われるが、どうしてそんなに高額なのか説明がない限り、消費者からボッタクリと言われてもおかしくない価格差だ。

この件に関して出版業界に詳しいA氏に話を聞いたところ「絶対に売れる本は出版社にとってまたとないチャンスです。できるだけ高額で売りたいものの、1冊で数千円もする本は消費者の反感をかう可能性がある。なので上下巻に分けて購入しやすいように思わせるやり方はよくやることですよ。内情を知らないので今回の講談社がそうとは言いませんが」と語っていた。



【私の論評】この現象は、ジョブズだけではない!!日本では、欧米の名の通った著者の書籍は、目ん玉が飛び出るくらい高い!!たとえば、ドラッカーも例外ではない!
それにしても、ジョブズの伝記本が日本だけが、こんなに高いのは異常です。それに、上の写真は、アメリカの本屋のでの写真と思いますが、もともと、安いだけではなく、本屋さんの裁量で、30%オフの値引き販売しています。日本では見られない風景です。

本屋で、値引き販売できないのは、日本には、再販売価格維持(さいはんばいかかくいじ、英語: resale price maintenance)という制度があるからです。これは、ある商品の生産者または供給者が卸・小売業者に対し商品の販売価格を指示し、それを遵守させる行為である。再販売価格維持行為(再販行為)、再販売価格の拘束とも呼びます。

要はメーカーが小売業者に対し商品の小売価格の値段変更を許さずに定価で販売させることをいいます。

再販売価格維持は、流通段階での自由で公正な競争を阻害し、需要と供給の原則に基づく正常な価格形成を妨げて消費者利益を損なうため、資本主義経済を取る国の多くでは、独占禁止法上原則違法とされています。但し例外的に一部商品については一定の要件の元に再販行為を容認している場合があり、それを再販制度と通称しています。

書籍に限らず、日本では、様々なものが値引き販売できないようになっています。これを他国と比較したのが、以下の表です。

主要各国の概況
書籍雑誌新聞音楽備考
フランス時限再販(2年)、値幅再販(5%)
ドイツ時限再販
ノルウェー
オランダ
デンマーク
オーストリア
日本
(※=詳細不明)
上記の通り書籍は7ヶ国、雑誌は5ヶ国、新聞は3ヶ国で再販行為が容認されています。ただし、ドイツやフランスでは時限再販や部分再販で弾力的運用を図っています。音楽ソフトの再販行為を容認している国は日本だけです。
とにかく、日本では、著作権にからむ商品に関しは、実質上値引きして販売することはできないということです。こういうことが、まかり通っているので、上の記事のジョブズ氏の伝記本も法外な価格になるのだと思います。おそらく、この手の本は、時間の経過とともに、すぐに売れなくなってしまい、儲けがすくなくなってしまうという事情があるだと思います。それにしても、こうした、今となっては、不可思議な慣習としかいえないようなことまでして、出版社などや著者を守る必要はどこにあるのでしょうか?
さて、上記で話題なった書籍の表紙を以下に掲載します。



海外では、ほとんどが、分冊にしていないというのに、日本では、わざわさ゜分冊にしています。これは、もう、高く売らんがための、方策としかいえないと思います。


下の写真は、英語版です。表紙に余計なことがかかれていなくて、非常にシンプルで、分冊でもなく、日本語版よりはるかに良いと思います。



それにしても、このような書籍の販売方法は、日本では珍しくありません。特に、海外の世界的に名の通った著者によるものや、著者がそうではなくても、ジョブズのような超有名人を題材とした、伝記などは、大抵そうです。
ドラッカーの書籍もその傾向があります。たとえば、ドラッカーの『マネジメント』はその典型ですz90;これは、何と、三分冊です。一冊2,250円ですから、三冊合計で、6,750円です。








































これは、高すぎだと思うのは、私だけではないと思います。 それに下の写真をみていただければ、おわかりいただけるように、日本の書籍だと帯がついています。この帯も無駄といえば、無駄だと思います。海外では書籍や、CDに帯をつけてうるところなどありません。日本独特の慣習です。この帯は、販促費などに含まれているのでしょうが、いずれにせよ、無駄です。これは、各書店で工夫して、店内ポップでもだせばそれですむことだと思います。 この『マネジメント』私が、学生の頃は、確か、2分冊で、一冊5,000円くらいだったと思います。そのため、両方あわせて、1万円前後だったと思います。だから、おいそれと、購入することはできませんでした。

やはり、あまりにも高いせいでしようか、当時からあまり売れなかったとみえて、その当時から、いわゆる、「エッセンシャル版」というのが販売されていました。これは、今でも販売されています。その表紙の写真が下です。


これは、価格は、2,100円です。これは、無論、内容を要約したものです。現在、『もしドラ』ブームに牽引されたせいでしょうが、この『マネジメント』も売れていますが、売れているのは、ほとんどがこちらの「エッセンシャル版」です。この要約は、無論、『マネジメント』を翻訳した人が実施して、その要約の内容も、無論、ドラッカー氏が認可したものです。しかし、かといって、あくまで、要約版は要約版です。このエッセンシャル版を読んでいて、良く判らないことがありましたが、最初は、自分の読みが浅いとか、あるいは、内容が経営に関するものだったので、自分には経験がないので理解できないのだろうと思っています。

ところが、学生時代に、丸善で、ドラッカーの英語の書籍が、三冊まとめて、ハードボックスに入ったセットものが、数千円で販売していたので、購入しました。確か、『マネジメント』、『乱気流時代の経営』、『経営者の条件』でした。そうして、『マネジメント』は要約版でありませんでした。その頃までに、これらの本の日本語版を何回も読んで頭に入っていたので、英語のものも、あまり難なく読むことができました。

特に『マネジメント』を英語で要約版でないものを読んでわかったのが、やはり、エッセンシャル版などては、省略されている説明があるので、非常に理解しやすかったということです。そうして、最初、日本語のエッセンシャル版で読んだときに関じた、読みが浅いとか、経験が少ないから理解できないということはありせんでした。やはり、翻訳により意味が掴みにくくなっていたこと、さらには、要約版ということで、事例などの内容が省略されていたり、解説が省略されていて、理解しにくくなっていたのだと思ます。

このブログにも、掲載したことがありますが、私は、ドラッカーの『マネジメント』を米国アマゾンから、電子書籍で購入しました。これは、いわゆる、rivised editionということで、ドラッカーの原本をもとにしているのですが、ケース・スタディーなどは、あまりに古いものにかえて、新しいものに変えています。事例が、新しいのでますます、理解しやすなっています。それに、驚いたことに、価格、千円ちょっとでした。これは、以前も掲載しましたが、iPadや、iPhoneなどでも読めますし、特に、iPhoneにいれておけば、軽いし、本当に重宝です。iPhoneは、いつでも持って歩くので、いつでも読みたい時に、読めます。これは、本当に良いです。それに、iPhoneであれば、わからない単語がでてきても、すぐに検索できたりします。



しかし、ジョブズの伝記といい、ドラッカーの書籍といい、日本でだけこのような超高価で販売されるということは、非常に問題があるのではないかと思います。ある意味では、消費者をないがしろにするだけではなく、文化や学問を阻害しているかもしれません。

私は、上の記事で、掲載されているような、高い日本語版のジョブズの伝記よりも、低価格で、検索などもできて便利な、英語の電子書籍版をダウンロードしようと思います。そうして、無論iPhoneにも入れようと思います。こちらのほうが、私にとってずっと良いです。

以前、このブログでは、アマゾンの日本語電子書籍が日本に進出してくることを掲載し、アマゾンの優位性を示し、日本の業界は、アマゾンに席巻されてしまうかもしれないようなことを掲載したことがあります。しかし、このような、書籍販売の不合理の実体をみてしまうと、ある意味では、それも致し方ないことと思えてきます。上記にあげたもののほかにも、いろいろな不合理、規制などが、出版業界等にもあるのだと思います。アマゾンの日本語書籍進出を契機にこうした、日本の書籍業界の不合理な仕組みや、規制など、一掃されて、より、ユーザーのニーズに近いものに生れ変わることを望みます。

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2011年10月23日日曜日

<世論調査>80%が「中国社会の道徳は後退した」と回答=少女ひき逃げ放置事件―中国―【私の論評】経済よりも社会を優先する日本、その正反対の中国!!?

<世論調査>80%が「中国社会の道徳は後退した」と回答=少女ひき逃げ放置事件―中国

病院で治療をうける悦悦ちゃん
2011年10月、環球網は悦悦ちゃんひき逃げ事件に関するネットアンケート調査の結果を報じた。回答者の80%が「中国社会の道徳は大きく後退した」と感じていることが明らかとなった。
13日、広東省仏山市で2歳の少女・悦悦ちゃんが犠牲になったひき逃げ事件があった。車は悦悦ちゃんにぶつかったことに気がつきつつもそのまま走り去ったが、その際、後輪で再び少女をひいている。
その後、7分間に18人もの通行人が通り過ぎたが、誰も少女を助けようとはしなかった。その間に別の車がもう一度、悦悦ちゃんをひいている。事故後、悦悦ちゃんは集中治療室(ICU)で治療を受けたが、死亡した。
事件は中国社会の冷たさ、道徳の崩壊を示すものとして大きな注目を集めた。環球網は環球世論調査センターと合同でネットアンケート調査を実施したが、80%が「中国社会の道徳は大きく後退した」と感じていることが明らかとなった。
「礼儀の国」中国でなぜ道徳が失われてしまったのか?「拝金主義の蔓延が原因」との回答が44%を集め、最多となった。続いて32%の「刑罰が軽すぎる」が2位となっている。
悦悦ちゃんを救出して、表彰されたお婆さん

アメリカ、WallStreet紙にもこの事件に関連して以下のような記事が掲載された。
【北京】中国広東省で2台の車にひき逃げされた王悦ちゃん(2歳)が、21日亡くなった。ひかれた悦悦ちゃんのそばを十数人が通りながら助けようと しなかった様子が監視カメラで映し出されていたことで、急激な社会的変化のなか中国人の共感力がどうなっているのかという議論が再び強まっている。
1週間前、王悦ちゃんが最初の車にひかれた後、徒歩やバイクの18人が救助もせず通り去った。7分後に年配の廃品回収者の女性が安全な場所に移し親を捜しにいくまで放置されたのだ。
この情景をとらえた監視カメラの映像はインターネットに投稿されて、多くのメディアの論説で取り上げられ、ソーシャル・メデイアのサイトに何百万という意見が寄せられた。
ツイッターに似たミニブログ「新浪微博」で、メディア研究家のゾゥ・クイ氏は「中国の最も不道徳な面がさらけだされた」と書いた。
なぜ通行人が女児を助けなかったかについて、経済成長で頭がいっぱいになっていると今の風潮を問題視する意見もあった。
「中国人にとって今一番大事なのは、カネを稼ぎ自分の利益を追求することだ」と山東行動科学研究所のジン・リアン氏。「中国の教育では倫理を教えない。人間の行動を決める上で環境は非常に重要だ。今の中国は病んでいる」と語った。
法律上の問題を指摘する声もあった。中国では他人を助けた「よきサマリア人」が、後で非難されたり訴えられる事件がいくつも起きている。
最も有名なのは2007年に南京で起きた事件だ。転んで足の骨を折った年配の女性を助けて病院に付き添った若い男性が訴えられたのだ。裁判所はこの男性に女性の医療費の40%を支払うように命じた。「常識的に考えれば、もし転倒したことに何らかの関わりがなければ救助するはずがない」というのがその理由だった。
王悦ちゃんの事件を受け、多くの中国の法律の専門家から、負傷したり病気の他人を助けた人に法的保護を与える、米国のいくつかの州のような法律を作るべきだとの声が上がっている。
それに加え、困っている人を助けなかったり、助けることを拒んだ人を罰する法律も必要だと主張するズー・ヨンピン弁護士のような人もいる。
同弁護士は、「ほとんどの中国人の親は自分の子どもたちに関係のないことに関わるな、トラブルを避けなさいと教える」と指摘、救助しないことを罰する法律は、中国の親が子どもの教育を変えるまでの「倫理的な指針」になると語った。
記者: Josh Chin
【私の論評】経済よりも社会を優先する日本、その正反対の中国!!?
 この事件、日本でも珍しくテレビ局なども報道し、日本でも、多くの人が知るところとなりました。あまりの酷さに、一体どうなっているのかと憤りを覚えた人も多かったと思います。

この事件に関して、日本人が憤りを覚えるのには、歴史的な背景があります。

まず、日本では、昔から大多数の人が、経済よりも社会を優先するという気風があったということがあります。これは、ドラッカー氏も指摘しているところです。

ドラッカー氏を扱った雑誌のグラビア

一方中国では、鄧小平氏によって改革解放へのスタートが切られ、確かに、改革は進んだのですが、その改革の考え方が、完璧に経済優先で「富める者から富め」というもので、社会のことは完璧に無視したものであり、社会は完璧になおざりされました。

現在の惻隠の情を忘れた民を多数つくりだした元凶となった鄧小平

生涯に三度の失脚(奇しくもうち二回は学生が起こした暴動が一因)を味わったためでしょうか、鄧小平は中国共産党の指導性をゆるがす動き(すなわち、自らに敵対する動き)には厳しい態度で臨み、1989年6月には第二次天安門事件で学生運動の武力弾圧に踏み切りました。この事件については初め趙紫陽総書記などが学生運動に理解を示したのに対して、軍部を掌握していた鄧小平が陳雲、李先念ら長老や李鵬らの強硬路線を支持し、最終的に中国人民解放軍による武力弾圧を決断したといわれています。こんな人間ですから、社会の安定など最初から、眼中にはなかったと思います。だからこ、建国から今にいたるまで、平均すると、年に2万回もの暴動が中国国内で、起こっているのです。

一方、日本では、ドラッカー氏が指摘したように、政治家、官僚はもとより、そもそも多くの人々が社会を優先してきました。しかし、そのことに対して反論する人もいるかもしれません。確かに、社会を良くするという考えは最近では、以前と比較すれば、ないがしろにされているところがあります。

ただし、それは程度問題であって、最近の多数の日本の愚かな政治家や、官僚などは別として、多くの普通の人々が社会を未だに最優先していることは、変わっていないと思います。その査証として、あの地震と、大津波の直後での震災地での人々の忍耐強さ、礼儀正さ、秩序だった行動に関しては、このブログでも掲載したことがあります。

もうひとつ、これは、このブログにも以前掲載したことですが、ほとんどのメディアが報道しないし、したとしても、歪曲して報道しますが、結局のところ1994年から、日本での犯罪件数は、減り続けているという事実です。

確かに、凶悪な事件も後を絶ちません。しかし、凶悪な事件も含めて、日本では、20年近くも一方的に減り続けているという事実があります。ときどき、起こる異常犯罪は、こうした傾向があり、さらに目立つということです。中国あたりだと、あまり珍しくもないわけです。社会を重視するという考え方は、日本人なら、あまり意識しなくても、そう考えるように子供の頃から躾けられているのだと思います。それは、日本人なら、遺伝子のようになっていて、あまりにも当たり前なので、自分たちが社会を重視しているという考えは希薄かもしれません。だから、制度的にも、法律的にも、かえって遅れをきたしてしまうのかもしれません。

確かに、目先で見ると、イギリスやフランスなどの国のほうが、社会保障制度が充実していて、社会を大事に考えているようにも見えますが、これらの国では、特に犯罪がここ10年間犯罪が減り続けているなどということはないです。これらの国とて、社会保障制度を充実する前までは、筆舌に語りつくせないほど、社会が混乱して、疲弊したからこそ、その反省もこめて社会保障制度を充実させたのです。

実際、これらの国での、心身障害者に対する扱いなど、いまでこそ、その片鱗もありませんが、昔は、筆舌に尽くしがたく酷い時もありました。しかし、日本では、昔から社会を重視する傾向があり、助け合いの精神もあり、社会が安定してきたからこそ、これらの国のほど充実させることはなく今に至っているとろこがあると思います。物事には、何でも裏表があるということです。

いずれにせよ、犯罪が継続して減り続けている社会は安定しているといえます。そうでない、国は、不安定であるといって良いと思います。そうなると、日本の社会は、もともと、犯罪率が低くて、安定しているのですが、さらに、近年犯罪が減って、ますます、安定しつつあるということです。(ただし、マスコミはおかしな報道の仕方をします。例えば、コンビニ強盗が増えたとか、外国人犯罪が増えたとか・・・・。しかし、良く考えてみてください、従来から比較すれば、コンビニ件数、外国人数は飛躍的増えています。であれば、犯罪も増えるのが当たり前です)

とにかく、上記の中国のような事件は、安定した社会を持つ日本では起こりえないと思います。第一皆さん、誰かが倒れて、血を流しているのを見て、自分以外に周りに人がいなかったらどうしますか。まずは、救急車を呼ぶとか、誰か助けを呼ぶとか、なにかはするはずです。これは、日本人なら、特に意識しなくても誰もがする行動だと思います。いや、それどころか、義務でさえあると感じるに違いありません。

私は、日本のあの奇跡の経済発展も、根底には社会を重視するという考え方があったから達成できたのであり、それなしにはありえなかったことと思います。日本の経済成長が頂点にあった、大阪万博のあった年には、、日本のGDPが20%以上の伸びであり、史上最高でしたが、中国はいまだにその域まで、達していません。これからも、ないと思います。

大阪万博のシンポル「太陽の塔」
その頃の日本には、いわゆる、「1億総中流」といわれるまでの平等主義が行き届いていました。しかし、中国では、最初から平等主義などなく、格差を助長するような改革を推進してきました。現在の中国の経済発展の停滞は、一時的なものではなく、これから恒常的なものになります。これは、社会を無視してきたつけであり、そのつけの代償として、幼児がひき逃げされた現場に遭遇しても、何もしないようなとんでもない人々が増えたのです。

中国古来の「見義勇為(正義のために勇敢に戦う)」「惻隠之心(惻隠の情)」といった美徳はすでに現代中国では、根絶に瀕しているのだと思います。そうして、これは文化的事象ではなく、政治的事象だと考えられます。なぜなら、この現象が単なる改革解放だけではなく、中国共産党とその政権が一貫として政治や法律の手段で『見義勇為』の士と『惻隠之心』を堅持する人々を残酷に弾圧してきた結果によるものでもあると考えられるからです。

中国のチベット弾圧に対して抗議する人々
中国の東トルキスタン弾圧に抗議する女性たち
古今東西を問わず、一国が繁栄するためには、まずは、安定した社会が重要です。それがなければ、安定した実体経済を築くこともできません。そうでなければ、経済も一時は、繁栄したように見えても、必ず破綻します。逆に社会さえ安定していれば、経済はいつの時代にも、一時は、不振に陥ることはありますが、いずれ、経済の復元力によって、必ず、元にもどります。

とにかく、今のままの中国では、もう発展のための"のりしろ"はほとんどないと考えるべきであると考えます。中国は、私達が、漢文などで学んだ、徳のあふれた古代の中国とは違います。現代中国では、こうした規範なども、共産主義の名の下に投げ捨ててしまいました。今は、結局、金持ちだけが、幅をきかせ、金がすべての尺度です。そうではない人々も多数存在しますが、そういう人々は、社会の隅に追いやられて、社会の表舞台にでてくることはありません。とにかく、この体制何かの形で体制を変えない限り、いずれどこかで破綻をきたすことは明らかだと思います。

逆に日本は、最近では、政治家や官僚が愚かな施策ばかりで、デフレを助長するようなことはばかりしています。だから、経済も一向に良くならず、デフレも克服されるような兆しが全く見えてきません。しかし、日本の多く人々が、従来からのように社会を重視する限りにおいては、いずれ、経済もかなず政府が何をしなくても、逆に棹差すようなことしかしなくても、いずれ、経済の復元力からいって、多少遅れることがあっても、必ず、良くなります。

現在の政権など、歴史の悠久の流れの中に咲いた一時の徒花に過ぎません。1,000年に一度の震災や津波、原発事故でさえ、悠久の歴史を持つ我が国の歴史からみれば、ほんの一時のことに過ぎません。朝廷をはじめとする私たち日本人の日本の雅(みやび)な伝統文化、それに勤勉で実直な国民性は、古から今に至るまで、継承されてきました。これからも悠久の歴史の中に燦然として輝き続けるどころか、さらに輝きを増すことでしょう。そうして、こうした勤勉と実直さを強く継承してきた東日本の人々も近いうちに、復興をなしとげ、悠久の歴史の中で共に燦然と輝くことになることでしょう。

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2011年10月22日土曜日

Blogger読者向けの動的ビューに対応しました!!―【私の論評】動画ビューを楽しくするため、最近特に写真を多くしました!!

Blogger読者向けの動的ビューに対応しました!!

Blogger で、お気に入りのブログを新しい 7 種類の方法で閲覧できるようになりました。
  • Classic: 従来のテンプレートを今風にアレンジしました
  • Flipcard: 写真をページにタイル状に表示します
  • Magazine: すっきりと洗練された編集スタイルのレイアウトです
  • Mosaic: 画像やテキストをさまざまなサイズでモザイク状に表示します
  • Sidebar: メールの受信トレイのような表示で、閲覧ページをすばやくスクロール、表示できます
  • Snapshot: 投稿をボードにピンで留めたようにインタラクティブに表示します
  • Timeslide: 投稿を時系列に沿って縦に表示します
動的ビューを使用すると、お気に入りのブログをより簡単に閲覧できます。また、まだ読んでいない過去に書かれた投稿を簡単に見つけることができます。
ブログの投稿者は、動的ビューで表示するようにブログを設定し、ブログの投稿の種類に応じて最適なデフォルト ビューを選択できるようになりました。ブログをデフォルト以外のビューで表示するには、ツールバーから別のビュー スタイルを選択します。ビューによっては、スクロールするとツールバーが折りたたまれる場合があります。そのような場合、ツールバーを再び表示するには、ツールバーが折りたたまれたあたりにカーソルを合わせます。
閲覧しているブログでページが有効になっている場合は、次の図のようにプルダウン メニューにオプションが表示されます。
メニュー投稿者が従来の Blogger テンプレートが使用している場合でも、URL に「/view/」、その後にビュー名を追加すると、動的ビューを使用してブログを表示することができます。たとえば、buzz.blogger.com をモザイク ビューで表示するには、アドレスバーで URL を buzz.blogger.com/view/mosaic に変更します。
動的ビューでは最新のソフトウェア技術を使用しているため、Internet Explorer 8 以降、Firefox 3.5 以降、Chrome、Safari など、一般的なブラウザの最新バージョンが必要です。いずれのビューでも右上で検索を利用できます。

Classic

クラシック
  • [前の投稿] リンクの代わりにスクロール機能を採用しました。
  • キーボード ショートカットを使用して、投稿間をすばやく移動できます。前の投稿に移動するには J キー、次の投稿に移動するには K キーを押します。矢印キーを使用して投稿間を移動することもできます。
  • スクロールすると、次々に投稿が読み込まれます。

Flipcard

フリップカード
  • いずれかのカードの上にカーソルを合わせると、投稿のタイトルとコメント数が表示されます。下にスクロールすると、その他の投稿が続けて読み込まれます。
  • カードをクリックすると、投稿が全画面表示されます。前の投稿に移動するには J キー、次の投稿に移動するには K キーを押します。矢印キーを使用して投稿間を移動することもできます。
  • Esc キーを押すか、[すべての投稿に戻る] をクリックすると、フリップカード ビューに戻ります。左上にある [Recent]、[日付]、[投稿者]、[カテゴリ] をクリックすると、並べ替えられます。

Magazine

雑誌
  • 先頭の(最新の)ブログの上にカーソルを合わせると、ハイライト表示され、コメントのバルーンのアニメーションが表示されます。
  • 「X」を選択すると閉じて、デフォルト ビューに戻ります。

Mosaic

モザイク
  • 個々のタイルをクリックすると、その投稿が展開され、ページ幅いっぱいに表示されます。もう一度クリックすると、投稿が折りたたまれ、元の位置に戻ります。
  • タイルの正確な場所はブログを読み込むたびにランダムに決定されますが、日付順に左上から右下に表示されます。
  • タイルを展開したら、↑キーや↓キー、J キーや K キーを使用して移動することができます。
  • このビューはタブレットでの表示用に最適化されており、画面の回転に対応しています。

Sidebar

サイドバー
  • 左側のサイドバーは日付順の投稿の一覧です。各投稿にはコメント数とサムネイルが表示されます。
  • J キーや K キー、矢印キーを使用して、投稿間を移動することができます。

Snapshot

スナップショット
  • このビューでは、画像のある投稿だけが表示されます。
  • 写真をクリックすると投稿ページが全画面で表示され、下部に [前] と [次] のナビゲーション リンクが表示されます。
  • いずれかの写真にカーソルを合わせると、投稿の抜粋が表示されます。

Timeslide

タイムスライド
  • このビューでは、ブログのコンテンツが次の 3 つの領域に分けられます。
    • 左の列: 投稿の抜粋が付いた拡大写真、タイトル、抜粋が日付順に表示されます
    • 中央の列: 投稿のタイトルと抜粋のみが表示されます
    • 右の列: 個々の投稿のタイトルのみが表示されます
  • このビューで投稿を検索すると、検索結果がハイライト表示されます。
動的ビューの有効化の詳細については、こちらをご覧ください。


【私の論評】動的ビューを楽しくするため、最近特に写真を多くしました!!

上の記事では、いろいろ、文章で説明していますが、下の動画で見たほうが、遙かに解りやすいです。是非ご覧になってください。


Bloggerでブログをつくっていれば、どのような形式でレイアウトで作っていようと、上のビューの形式で見ることができます。ですから、無論私のブログももちろん、この動的ビューでご覧になることができます。これは、なかなか良い方式だと思います。ブログ作成者は、自分も含めてですが、ブロクに、いろいろ盛り込みすぎて、閲覧者からすると、少しうるさいとか、逆に物足りないとかいろいろあると思います。そんなときに、ユーザーが自ら見たいビューで見られるといういうことは、非常に便利で良いと思います。

上記のようなつまらない理由で、見てもらえないより、様々な形式のビューを提示できるということで、Bloggerの試みは、素晴らしいものと思います。


ちなみに、上の、記事にもリンクを掲載しましたが、以下のURLからそれぞれのビューに飛ぶことができます。


さて、この動的ビュー(Dynamic View)確か、9月27日に発表があったのですが、実際にみたりさわったりしたのは、2週間ほど前です。そうして、このビューを楽しくするには、何といっても、写真や動画を多くすることだと確信しました。

そのため、ここ2週間ほどは、意図して意識して、写真と動画を多くしてみました。そうして、実際に動的ビューをみてみたら、本当に楽しいものになったと思います。

皆さんも、是非ご覧になってください。ただし、スマホや携帯、iPadではご覧になれません。それから、パソコンでも、低スペクのものは無理ですし、ブラウザはIE8、Chrome、Firefoxなどの最新のものが必要になります。

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