2012年10月11日木曜日

グーグルがApp Storeに忍び込ませたスティーブ・ジョブズの名言―【私の論評】ジョブズ氏は、ドラッカーのイノベーションの原則を守り、さらに日本的な考え方でそれを補強していた!!

グーグルがApp Storeに忍び込ませたスティーブ・ジョブズの名言:


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グーグルのこういうところ、いいね。

上の画像はApp StoreにあるGmailアプリのスクリーンショットなんですが、よく見てみるとここに、ついこのあいだ亡くなってから1年が経ったアップルの創業者スティーブ・ジョブズの名言が載っていることをThe Next Webが発見しました。

その名言がこちら。日本語訳も一緒に。
That's been one of my mantras -focus and simplicity. Simple can be harder than complex. You have to work hard to get your thinking clean and simple. But it's worth it in the end because once you get there, you can move mountains.
集中することとシンプルであることは私の信念である。シンプルであることは複雑であることよりも難しい。思考を整理し、シンプルになるまで考えぬかなければならない。しかし、それにはものすごい価値がある。もし、それを達成することができれば、山をも動かせる。

今のいままで全然気づかれてなかったってことなのか、最近こうなったのかわからないですが、これを忍ばせたグーグルの担当者、粋なことしますね。

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The Next Web via ラシカル開発記
Gmail[App Store]
(鈴木康太)

【私の論評】ジョブズ氏は、ドラッカーのイノベーションの原則を守り、さらに日本的な考え方でそれを補強していた!!



上の記事に掲載されていた、以下の名言は、素晴らしいです。集中することと、シンプルさの重要性を力強く訴えています。何回読んでも、ぐっときます。
That's been one of my mantras -focus and simplicity. Simple can be harder than complex. You have to work hard to get your thinking clean and simple. But it's worth it in the end because once you get there, you can move mountains.
この名言に近いことは、ドラッカー氏も何十年も前から語っていることです。それに関しては、このブログにも掲載したことがあります。


詳細は、上のURLからご覧いただくものとして、この記事には、「イノベーションに成功するには3つの心得」、「イノベーションの三つのタブー」を掲載しています。


心得のうち、ドラッカーが、第一にあげているのが以下です。
第一に、集中しなければならない。複数の異なる分野でイノベーションに成功することはほとんどない。あのトーマス・エジソンさえ、発明を発明したといわれるほど発明の方法論に通暁しながら、電気の分野でしかイノベーションを行なわなかった。
 イノベーションには、勤勉、持続、献身を必要とする。集中することなくして、これらのものを手にすることはできない。知識は多分野のものを必要とするであろう。だが、目指すものについては、集中がなければならない。 
タブーの第一は、以下です。
 第一に、凝り過ぎてはならない。凝り過ぎは失敗の元であり、生産者側の自己満足にすぎない。懲り過ぎた財・サービスに大事な時間とおカネを使う者はいない。博物館で見せてもらえばよい。  
 大きな事業にしたいのであれば、時間もおカネもさほど余裕のない人たちが、気軽に買って気軽に使えるものでなければならない。ドラッカーは、組み立て方や使い方の凝ったイノベーションは、ほとんど例外なく失敗してきたという。 
凝りすぎてはならないという言葉を使っていますが、これは、要するにシンプルさを追求せよと言っているのと同じことです。

イノベーションには、『集中』と、『シンプル』が必須であることをまさに、ドラッカー氏が原理原則として示し、ジョブズ氏が、実践して見せたということだと思います。

ジョブズ氏がドラッカーの提唱した、イノベーションの心得と、タブーについて知っていたかどうかは、わかりませんが、それは別として、自ら実践していたということは間違いありません。


それから、ジョブズ氏は、日本文化にも傾倒していました。これも、以前このブログに掲載したことがあります。


詳細は、上のURLをご覧いただくものとして、庭園デザイナーであり、曹洞宗徳雄山建功寺住職でもある、枡野 俊明氏は、以下のようにジョブズ氏について語っています。
「ジョブズの手がけたアップル製品には一切の無駄がなく、枯山水のような美しさがあります。彼は、毎日鏡に向かい『今日が人生最後の日だとしたら、今日やることはこれでいいのだろうか』と問いかけたと言います。今やりたいことに集中する、まさに禅の発想です」 
私は、ドラッカーのイノベーションの原理原則をジョブズ氏が実践し、ジョブズ氏は、その原理原則を貫くために、日本文化に傾倒し、良いところを取り入れていたのだと思います。ドラッカーの名言には、他にも様々なものがありますが、私の好きなものに、"社会にone more thingを付け加えよ"というものがあります。社会に、もう一つ何かを付け加えることを生きがいにせよということです。これも、もともとの日本人の考え方に馴染むものだと思います。これも、イノベーションの本質を語っています。イノベーションとは、技術に関するものではなく、社会に関するものであり、社会を変えるものです。


そうして、現在の私たちは、ジョブズ氏の大成功をみるときに、特に日本文化が大きな役割を果たしていることをすっかり忘れているのではないかと思います。、

多くの人が、グローバル化とか、英語の能力向上だとか、皮相なことにとらわれすぎ本質を見失っていると思います。今の私達が、世界に通用するイノベーションを実践しようとした場合、まずは、日本文化の伝統を思い返すべきなのではないかと思います。ドラッカー氏が、「武士道とは死ぬことと見つけたり」という考え方を体現していたこと、常にシンプルさを追求していたことの根底には、昔の日本人の価値観や、物の考え方に大きな影響を受けていたという事実に思いを馳せるべきと思います。

皆さんは、どう思われますか?


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2012年10月10日水曜日

【国防最前線 日本が危ない】オスプレイ配備の必要性 認識も広報も弱い日本政府―【私の論評】オスプレイ配備大賛成!!あなたの考えは、本当に正しい情報にもとづき自らの意思で決定されていますか?

【国防最前線 日本が危ない】オスプレイ配備の必要性 認識も広報も弱い日本政府:




零戦が活躍していた昭和16(1941)年ごろ、海軍だけで1年間に200人を超えるパイロットが「事故で」殉職していたという話を聞いたことがある。

航空機の開発や運用のプロセスにおいて発生する人命という犠牲は、場合によって、戦死者よりも多いという。見方を変えれば、1つの航空機を作り上げるのは命懸けだということだ。

先日、米軍岩国基地で行われた、MV22オスプレイ体験搭乗に参加した。初めて目の前で見た機体は、まさに開発にかける執念の結晶だった。数々の苦難を経験しながらも、ここまで漕ぎつけたのは「将来の安全保障環境に必要不可欠」という国としての強い意志に他ならない。そこまでする必要性を追求してきた彼らにとって「安全性」を殊更に問う姿勢は、いまひとつピンと来ないのではないだろうか。

そもそも、航空機であれ、車であれ事故のリスクはある。100%安全なものはない。オスプレイ配備に反対する声は米軍基地を拒絶する訴えと混在している。だとすれば、いくら「事故率がとりわけ高いわけではない」とデータを示し、説明しても納得はされないだろう。

桜林美佐さんとオスプレイ
大体、わが国は米軍が導入するものについて(日米安保条約の運用上)干渉する権利はない。つまり、オスプレイ配備は既定路線であったにも関わらず、米軍普天間基地移転が滞ったことが問題を複雑化させたのである。

しかし、その身内の罪を顧みず、地元の同意に判断を預けるような姿勢は政治のエスケープと捉えられても仕方がないのではないか。つくづく、「国の責任とは何か」を考えさせられる。

現在運用しているヘリCH46と比べて、航続距離が約5、6倍、行動半径が約4倍になることの意味するところは大きい。空中給油をして朝鮮半島を無着陸で往復できることは半島有事の際の邦人救出にも有用であり、狭いスペースでも離着陸できることは、沖縄県・尖閣諸島をはじめとする、南西諸島防衛でも強力な戦力となる。

桜林美佐さん
もちろん、災害発生時には広範囲でスピーディーな輸送能力を発揮するだろう。海兵隊関係者は「(東日本大震災の)『トモダチ作戦』で使えていればもっと早く東北にたどり着けた」と残念がっていた。

CH46はすでに、開発・運用から50年近い。人間なら働き盛りだがヘリではすでに老齢だ。自衛隊だけではなし得ない防衛力を米側に期待する以上、すり減った靴を履かせ続けることは許されないだろう。

どうも日本政府全体としての認識も、理解を得るための執念も、まだ弱い気がしてしまうのだ。

■桜林美佐(さくらばやし・みさ) 1970年、東京都生まれ。日本大学芸術学部卒。フリーアナウンサー、ディレクターとしてテレビ番組を制作後、ジャーナリストに。防衛・安全保障問題を取材・執筆。著書に「誰も語らなかった防衛産業」(並木書房)、「日本に自衛隊がいてよかった」(産経新聞出版)など。

【私の論評】オスプレイ配備大賛成!!あなたの考えは、本当に正しい情報にもとづき自らの意思で決定されていますか?

さて、上の記事もっともですね。しかし、このようなことを言う人、たいていは男の人でたいていは、ある程度結構年がいっていて、いかつい感じの人が多いですが、桜林美佐さんだと女性でしす、なんというか、まだお若いですし、あたりが柔らかくで非常に良いです。このような人にもっと、オスプレイのキャンペーンをしていただきたいものです。

それにしても、マスコミは、反対意見ばかり掲載して、上記のような意見は無視します。そうして、岩国市で、「オスプレイ配備賛成集会」などあったことも報道しません。以下に、その模様の動画を掲載させていただきます。



オスプレイの凄さは、上の記事でも良くわかりますが、以下の動画もかなり理解しやすいです。是非ご覧になって下さい。



それから、オスプレイは、あのバイオハザードⅤにもでてきます。多少形が違いますが、基本的には、同じです。これは、バイオハザートⅣの一番最後にもほんの少しだけでてきていました。やはり、近未来的な雰囲気を出すためには、ヘリコプターではなくオスプレイを出したほうが効果的なのだと思います。下は、バイオハザードⅤのポスターです。

バイオハザート゜にも登場したオスプレイ風の飛行物体
さて、オスプレイの性能や安全性等については、他のサイトに詳細が記されていますし上の記事や、動画にもでていますし、このブログの過去の記事にも掲載しましたので、詳細は、これらを参照して下さい。今更、ここに再度掲載しません。

そんなことよりも、全く新しいタイプの飛行機など、いつの時代でも開発当初はかなり危険がつきまとうのは当たり前のことなのに、そういうことも、わからなくなってしまった日本のマスコミなどどうしてそうなったのか掲載します。

日本は、中国のスパイが3万人いると言われています。そのうちの1万人は、自分は中国のスパイであると意識しており、そのつもりで行動しています。残りの2万人は、そうとは知らずに、中国スパイに協力して動いているといわれています。

意図しているスパイのためには、いわゆる、「対日政治工作」というマニュアルがあります。これは、すでに、随分前に公になっています。やはり、これだけ、スパイの数が多いと粗悪な者も多く、日本国内では、広く流布されてしまいました。

この詳細を知りたい方は、以下のURLをご覧になってください。

http://www7b.biglobe.ne.jp/~senden97/spy_boshi_1.html

このマニュアルの中には、以下のような記述があります。

「偉大なる毛主席は「およそ政権を転覆しょうとするものは、必ずまず世論を作り上げ、まずイデオロギー面の活動を行う」と教えている。田中内閣成立までの日本解放(第一期)工作組は、 
事実この教えの正しさを証明した。 
 日本の保守反動政府を幾重にも包囲して、わが国との国交正常化への道へと追い込んだのは日本のマスコミではない。 
日本のマスコミを支配下においた我が党の鉄の意志とたゆまざる不断の工作とが、これを生んだのである」。
日本国内に暗躍する中国や北朝鮮の工作員は、すでに永田町、霞ヶ関などに表面上は日本人になりすますか、あるいは、日本人であるにもかかわらず、思想的には、中国、北朝鮮である人間がかなりの部分まで入り込み、日本を骨抜きにしてきています。

今や、工作員に動かされている政治家も多数います。これは、ときおり、外国人献金問題などで、思わぬときに表に出てきたことが過去に何回もありました。

そうして、今の日本は、このようなスパイ工作に関して、あまりにも無関心であり危機感が全くありません。。そうして、日本には、スパイを取り締まる法律「スパイ防止法」すらありません。そのため、日本はすでに随分前から「スパイ天国」となっています。



世界各国は、スパイ行為に対して最高刑(死刑、終身刑)で臨んでいます。アメリカなどでは、現在でも、ときどきFBIなどによって、スパイが摘発され、報道されることがあります。しかし、日本では、スパイ行為では逮捕すらできません。先日、松下政経塾を卒業した中国人がスパイ行為をしていたことを公安から内定されていた、中国人が日本から逃亡しました。日本では、スパイ行為をしていても、それだけでは逮捕できないので、結局はこういうことになることが多いです。

逮捕するとすれば、他の犯罪を犯していれば、それで逮捕するという以外に方法は、ありません。日本にはスパイ行為を取り締まる法律がないので、結果的にスパイ活動を行うことを「合法的」に認めています。そうして、これは、日本国家、さらには世界の平和を脅かすことにつながり、国際的な信用を失うことにもつながりかねません。日本は、スパイ行為を取り締まる法律「スパイ防止法」を早急に制定する必要があります。

こんな有様ですから、オスプレイ配備反対の世論づくりには、中国スパイ、北朝鮮スパイなど、日本国内で最大限に努力していると見て良いです。オスプレイを配備されて、一番脅威を感じるのは、中国です。北朝鮮は二番目に嫌がる国です。であれば、当然、中国は、日本のマスコミを支配下においた我が党の鉄の意志とたゆまざる不断の工作によって、徹底的にオスプレイ配備反対世論を盛り上げることでしょう。

沖縄にも、多数の中国スパイが入り込んで様々な活動をしているのは、すでに多くの人びとにとって周知の事実です。今回のオスプレイ配備反対運動にも、当然様々なところに入りこんでいます。

日本でのオスプレイ配備反対の世論は、このような背景があると見るべきです。そこで、オスプレイ配備絶対反対を集会など叫ぶ方々におうかがいしたいことがあります。あなた方が、反対と唱えることとなった根拠はどこからでてきたものでしょうか、マスコミですか?マスコミだけなら、集会で絶対反対を叫ぶというところまではいかないと思います。誰かから、間接的に吹きこまれていませんか?であれば、その吹き込んだ人は、日本にいる3万人のスパイの一人あるいは、その協力者であるという可能性が高いです。



マスコミは中国に取り込まれていると見て良いでしよう。取り込むにも、ハニートラップや、その他手練手管はいくらでもあります。こんな環境にある、私たちは、何を信じるにしても、判断するにしても、本当に正しい情報にもとづき自分の意思で決定しているのか、常に自らに問いかける必要があると思います。皆さんは、どう思われますか?



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2012年10月9日火曜日

編集委員・田村秀男 能天気過ぎる対中「金融協調」―【私の論評】アジア人民元経済圏により日本は草刈場になる!!

編集委員・田村秀男 能天気過ぎる対中「金融協調」



今週、東京で国際通貨基金(IMF)・世界銀行総会が開かれる。「国際金融協調」は表看板、実は会議の舞台裏で通貨をめぐる国益ゲームが展開される。その点、日本が最も警戒すべきはアジアの標準通貨として台頭する中国・人民元である。どうすべきか。

一国の通貨は他国のモノや資産の物差しになることによって、労せずして富を奪取できる。基軸通貨ドルが典型例で、米国はお札を刷ればいくらでも石油や金属資源を入手し、国債と引き換えに外国製品を買える。ドル安に誘導すれば、相手国の対米債権は目減りし、米国の対外実質債務は減る。

早い話、日本政府は外貨準備を主として米国債で運用しているが、約40兆円もの評価損を被っている。2011年末の米国の官民の資産総額は21兆ドル(約1650兆円)を超えるが、ドルが一律に5%下落すれば1兆500億ドル強、米国の年間の経常収支赤字の2倍以上の評価益を得る。米国はドル印刷機のおかげで簡単に借金を帳消しにできるのだ。

・・・・・・・・・・・<中略>;・・・・・・・・・・・・・・

日本の「お人よし」ぶりには目を覆う。野田佳彦政権はこの6月、人民元にとって初めての海外通貨との直接取引に応じ、人民元のアジア標準通貨化に手を差し伸べた。沖縄県尖閣諸島の国有化に対して、執拗(しつよう)で理不尽、国際法を無視した共産党主導の反日暴力デモによる日本企業破壊にもかかわらず、野田政権は中国との通貨スワップや円・人民元の直接取引拡大、中国国債の購入、人民元建て債券市場の育成などに協力する。目先の利益にばかり目を向け、中国のアジア通貨覇権を後押しする能天気ぶりである。

もともと、円はドル、ユーロに次ぐ国際通貨として認知され、企業も旅行者も世界の主要国のどこでも円で支払い、モノやサービスを購入できる。国債、社債、株式など円建ての金融資産は国際的に出回っている。

ところが、円建て貿易決済は主に本国と海外現地法人の間など日本企業同士に限られ、多くは依然としてドル建て決済である。他通貨に比べて大きく変動する円は日本企業ばかりでなく海外の企業や政府にとってもリスクが大きく、地域の標準通貨としては人為的に相場変動を管理、抑制する人民元に比べて巨大なハンディを背負っている。

このまま東アジアが人民元にのみ込まれてしまうと、日本の企業、金融機関とも人民元を手にしていないとアジア全域でビジネスができなくなる。中国共産党が指揮する人民元政策に翻弄(ほんろう)され、服従を余儀なくされる。経済の弱体化に伴い、日本は外交、安全保障面で不利になる。

野田政権が今すぐとれる対抗策はある。人民元の自由変動相場制への移行を対中金融協調の条件とせよ。人民元相場の操縦に批判を強める米国などと水面下でスクラムを組んで、北京と対峙(たいじ)する。IMF・世銀総会はその絶好の場なのだ。

この記事の詳細は、こちらから!!

【私の論評】アジア人民元経済圏により日本は草刈場になる!!



すでに、日本は、中国からかなり富を簒奪されていることはこのブログでも何回か述べてきました。それについては、以下の記事をご覧いただければご理解いただけるものと思います。

物価1%上昇「14年度の達成は困難」日銀総裁―【私の論評】やっぱりやる気ないんだ、一体どこまで国民を欺くつもりなのか?!!

詳細は当該記事をご覧いただくものとして、中国による日本からの富簒奪に関わる部分だけ以下にコピペしておきます。
これじゃ、ますます、国内景気は落ち込むし、年末にかけて、アメリカ、EUなども大規模な金融緩和を実施するなか、日本が追加金融緩和措置をやめれば、とてつもない円高になるのは目に見えていまます。本当に全く解せない発言です。これは、ひょっとして、先日中国人民銀行総裁の、日銀が大幅に金融緩和をすることについての懸念表明への答えなのでしょうか?日銀が中国からの指令で動いていると揶揄する人たちもいますが、こうなると、この揶揄も、揶揄ではなく真実味・現実味を帯びてきました。
中国は、日本という打ち出の小槌を最大限に活用した
これは、日銀が最近追加緩和措置を取りやめることの表明の内容をあげたものですが、本当にこの時期の緩和措置の取りやめに関してはまったく解せないです。本当に、中国人民銀行総裁の意向で動いているといわれても、言い訳できないと思います。

ここ20年近く、日銀がテコでも金融緩和に動かず、いろいろ取り繕ってはいるものの、結局は金融引き締めばかりしていたことは、まさに、中国にとっては僥倖でした。なぜなら、中国の元は、固定相場制という環境にあって、もし、不況になれば、元を大量に擦り増ししても、金融引き締めを実施し続ける円をしりめに、元の相対的価値が下がり円は相対的にあがり、日本への輸出はかなり有利になります。

そのため、元を大量に刷っても、ハイパーインフレになることなど一切心配せずに、日本への輸出や、日本からからの、工場や技術の移転を期待することができました。日本は、さらなる円高にあえぎ、日本製品は相対的に高くなり、中国への輸出がしにくくなりました。さらに、とてつもない円高のため、日本の工場や、人や技術などを中国に移転し、日本国内の産業空洞化に拍車をかけることになりました。


一方日本は、20年の長きにわたって、デフレが続き、本来だったら、同じ職について職位が同じであっても、経済がまともであれば、20年間で、給料は倍になり、インフレ分を差し引いても1.5倍くらいなるのが普通なのに、あろうことか、最近では下落傾向にあります。こんな国、先進国では、日本だけです。企業も、国内では設備投資をなるべく控え、投資をするとすれば、中国などの海外でした。

何のことはない、ここ20年ほどは、日本は、日本国内を犠牲にして、中国に奉仕し中国を世界第二位の経済大国に押し上げるのを支援したようなものです。もし、こうした日本の裏からの助けがなければ、中国は、第二の経済大国になるのには、まだまだ、時間がかかったものと思います。おそらく、あと20年はかかったかもしれません。

良く日本から中国に対するODAが問題にされますが、日銀による中国への奉仕活動は、その次元ではありません。そんなものは、累計では消し飛んでしまうくらの額になるはずです。本日も、結局日銀の悪口になりましたが、日銀は、これだけのことをしているということで、このボトルネットを粉砕しなければ、日本はいつまでも正常にはなりません。

しかし、最近ではこの打ち出の小槌のような日本の大盤振る舞いも、あまり効き目がなくなってきました。それは、中国がインフレで物価があがっても、不況状態から抜け出せないというスタグフレーションの状態に突入したからです。

中国富裕層がたむろするプランドショップ。日本人
はこういう見知らぬ人たちに知らずして奉仕している。
これまでのように元を気楽に擦りましたら、さらにインフレになり、しまいには、ハイパーインフレになる懸念もあります。この状態では、もはや日本の打ち出の小槌はききません。そうして、ここで、日本の打ち出の小槌の役割が終焉したかにもみえました。

しかし、そうではないのです。今度は、上の記事にもあるように、アジア人民元経済圏が成立したとすれば、さらに、日本の富が、簒奪されることになります。打ち出の小槌復活です。元取引きになれば、またぞろ、中国は、固定相場制という生ぬるい金融環境の中で、元を気楽に擦り増しして、日本から気楽に富を簒奪てきます。これによって、日本は、富を吸い尽くされ、それこそ、中国の草刈り場になるわけです。そうなると、中国は、世界第一の経済大国に迫る勢いになるか、20年後には、米国を追い越すなどということもあり得ます。

日本人は、日々働いてどこの誰かもわからない
中国の富裕層に奉仕しているとは知らない
こんなことは、到底容認できるものではありません。まさに、上の記事に掲載されているように、「人民元の自由変動相場制への移行を対中金融協調の条件とせよ。人民元相場の操縦に批判を強める米国などと水面下でスクラムを組んで、北京と対峙(たいじ)する。IMF・世銀総会はその絶好の場なのだ」ということなのです。

中国貧困層の家
これは、本当ににもっともなことです。いまや先進国すべてが、変動相場制であるにもかかわらず、中国だけが、固定相場制であって良いはずはありません。なのに、中国は、あるときは、先進国のような発言をし、都合が悪くなると、中国はまだ発展途上国であるように発言します。どっちつかずです。

先進国的発言をするなら、先進国なみに、民主化、政治と経済の分離、法治国家することと、その一環として、元を変動相場制に移行すべきです。それもしないで、元をアジアの機軸通貨にするなど、国際的な常識ではあり得ません。固定相場制にあるような国の貨幣をアジアの機軸通貨にするなど絶対にあってはならないことです。

中国富裕層住宅
日本はここしばらく、上記のように中国に便宜をとりはからってきましたが、それにさらに輪をかけて、「金融協調」などすることなど、とても考えられません。アジア人民元経済圏がなど、絶対に阻止すべきです。しかし、野田政権には、最初から到底無理なことです。なにせ、今のデフレの時期に、「増税に政治生命」をかけるなどと、豪語した輩ですから、ますます、日本を弱体化させる方向に舵を切るに違いありません。日本のことなど全く考えていません。自らの政権の延命と、次の選挙において、敗北するのは、はっきりしていますが、少しでも、負けを少なくすること、あわよくば、連立などで、自分だけ生き延びたいということしか考えていないと思います。

このような、野田政権、民主党政権には、一刻も早く退いていただき、まともな、経済対策ができる、政党・政治家に政権の座についていただきたいと思うのは、私だけでしょうか?


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2012年10月7日日曜日

衝撃予測!「中国は尖閣諸島に100人単位の活動家を上陸させる」 米専門家−【私の論評】尖閣の動きは、中国権力闘争だけでなく日本政局にも密接に絡んだ動きか?

衝撃予測!「中国は尖閣諸島に100人単位の活動家を上陸させる」 米専門家:


本当に千隻の中国漁船がきて、100人が上陸たてこもりということもあり得る
【ワシントン=古森義久】尖閣諸島に対する中国側の今後の動向について、米国議会調査局で長年、同問題について研究してきたラリー・ニクシュ氏(現戦略国際問題研究所上級研究員)は5日、産経新聞のインタビューに応じて、中国側が今後100人単位の「活動家」を尖閣に上陸させて立てこもり、日本側の実効支配に挑戦する見通しが強いとの見解を語った。

 ニクシュ氏はまず中国の今後の出方について「軍事力での尖閣攻略という方法はまだその能力を有さないこともあって、ここ数年は実行に移すことはないだろうが、一つの選択肢として当然考え、そのための軍備強化を図ってはいるだろう」と述べた。

尖閣上陸というと、いつも、柄の悪い男ばかりだが、たとえば、この写真のような
便衣兵(後述)を上陸させたら、世界的にも注目を浴びるかもしれないぞ!!
同氏は同盟国としての日本にとって当面、最も警戒すべきなのは「中国政府が軍人ではない工作員を『愛国活動家』というような形で組織し、100人から数百人単位を小艦艇で尖閣に上陸させ、テントを張ったりして立てこもらせ、日本側の実効支配を否定してみせる作戦だろう」と強調した。

この記事の続きはこちらから!!

【私の論評】尖閣の動きは、中国権力闘争だけでなく日本政局にも密接に絡んだ動きか?

この一連の動きは、中国政局、日本政局にも密接に絡んだ動きであると思います。中国に関しては、尖閣の動きは、中国の権力闘争の一貫であることは、間違いありません。ご存知のように中国次期主席である、習近平氏が、先月20日間にわたって、消息不明になりました。

習近平
その間に、反日デモも先鋭化しましたし、尖閣諸島をめぐる中国の動きも活発化しました。こうした動きからみて、中国共産党中央政府内の権力闘争は、私たちが、日本国内で行われている政局などは、単なるおためごかしのお遊び程度に過ぎない、激越なものであることを認識すべきです。日本では、選挙があって、政治かが選ばれますが、中国では選挙など中国建国以来なく、一応共産党大会で、首班が指名されることにはなっていますが、実質上その時々で、最も権力の強いものが、首班になるということです。


最近の中国の動きは、習近平が、すっかり権力を掌握して安定していたかに見えていた中国がそうではなかったということを如実に示しています。そうして、中国の権力闘争では、失脚する程度のことではなく、下手をすると命まで取られてしまうことにもなりかねません。こうした激越な権力闘争を乗り越えまがりなりにも、統一中国を維持するためには、「反日」を前面に出して権力の求心力を高める以外、いまの中国共産党には方法がありません。独自の政策が望めない習近平次期政権は、反日路線を継続せざるを得ません。日本企業は撤退か継続か、真剣に熟慮すべきときを迎えています。

こういう状況では、尖閣問題もさらに激越になっていくことは明らかです。上の記事のような事態は当然想定の範囲内です。さて、こうした中国の国内権力闘争は、日本の政局にも影響を与えています。それに関しては、日本国内の中国の権力闘争の激越を認識していないマスコミの報道などは、ただ現象面だけを捉えて、その本質は見抜いていません。だから、マスコミ報道は、おいておくとして、最近人気の『間違いだらけの日米近現代史』の著者である、憲政史家の倉山満氏の見方を以下に紹介します。


倉山氏のブログから一部以下に引用させていただきます。
 もはや小沢一派すら解散には反対。自分たちが落選するし、安倍総裁就任御祝儀があるうちの解散で自民党だけを勝たせるような動きに賛成するわけが無い。
 仮に、 
一、自民党が一致団結し、
二、小沢系や共産党や野党すべてが不信任案に賛成し、
 三、民主党から造反が出る、
という三つの条件を満たしたとしよう。(二と三が感動的なまでの希望的観測。一は、“今のところ”できる)
 以上のような状況で野田さんが不本意な解散に追い込まれたとする。
 私が野田さんなら、以下のことを考える。 
一、特例公債は何が何でも通す(財務省の歓心を買うため)。

二、「じゃあ、違憲だとまずいので定数是正をしましょう」などと後から言い出す。「あ、せっかく解散しようと思っているのに、邪魔するんですか?」などと言って見る。

三、上記の三条件が揃っってしまい、内閣不信任案が通る。自民党が政党助成金を受け取る前に即座に解散。軍資金が揃う前に勝負。
四、選挙序盤に某大国の便衣兵に尖閣諸島に上陸してもらう。しかも、占領してもらう。
 五、戦後初の防衛出動を発令。選挙どころではなくなる雰囲気にする(大震災の際の統一地方選挙のように)。
六、世論調査の様子を見ながら、適当なところで便衣兵に「恐れをなして退散してもらう」。ついでに、便衣兵なので北京政府は関係ない。www
七、自民党がまるで選挙活動をできなかったところで、大キャンペーン。(狂信的早期解散による自民党支持者によればマスコミは民主党の味方だったはず)
 早期解散による安倍自民党政権を迫る論者、ご都合主義的でばかばかしい。
 はっきり言っておく。特例公債の取引に年内解散を迫るバカが安倍さんのクビをしめるぞ!! 
反日デモを扇動していたのが、地元の警察署長だったことを暴露した報道
詳細は、倉山氏のブログ『倉山満の砦』をご覧になって下さい。

特に、倉山さんが上で指摘する、四、五、六など多いにありそうなことです。そうして倉山さんが、中国便意兵と関連づけたのには、それなりのわけがあると思います。それは、最近の中国大使に任命されたのは、木寺昌人官房副長官補(59)だからです。

この人選に中国各紙は、非常に好意的です。北京紙、新京報は木寺氏について「外交交渉経験は豊富だが、中国との交渉経験は多くない」と指摘。1991年~93年に外務省中国課(当時)に勤務したものの、中国語の研修を受けた「知華基地(チャイナスクール)」に属さないことなどを紹介しました。

同紙はその上で、「外交協調能力は極めて高い」とする日本メディアの評価を引用。北京青年報も「出色の協調能力は、かねてから広く好評を得ている」と伝えました。各紙は木寺氏が現在、首相官邸の一員であることに注目。野田佳彦首相の“側近”を起用したことを中国側に伝達する狙いがあり、「悪化している両国関係を改善しようという意図がある」などと分析しています。

チベット暴動のときに、チベット僧の衣服を持った人民解放軍の写真が撮影された。これに
よりチベット僧とされるものたちの乱暴狼藉は、解放軍の仕業であったことが暴露された。
木村昌人氏は、元々は外交官です。経歴などは、Wikipediaなどを調べていただくものとして、この時期に、元外交官、そうして、野田首相の側近を大使に任命するわけですから、これは、中国側も喜ぶわけです。おそらく、野田さんは、表舞台では、鷹派発言をして、裏では軟弱外交をする腹ではないかと思います。しかし、軟弱外交など、民主党政権が崩壊すれば、反故にしてしまえば良いですから、今更たいした影響もないのですが、それにしても、この大使の任命、倉山さんの上記のシナリオを十分あり得ることの、裏付けにもなると思います。

野田さん、少しでも政権の延命をはかるため、それに、次の選挙で負けるにしても、なるべく負けを小さくするためにも、上の倉山さんのシナリオを藁にもすがる思いで、採用するというシーンは十分に考えられます。

木村昌人氏
さて、確かに特例公債の取引に年内解散を迫ることには、あまり大きな意義は見出せないと思います。それに、当然当の安部さんも、「年内解散」を強調していますが、これは、少しでも民主党に対して負い目を与える作戦であって、何が何でも「年内解散」を迫るという考えはないものと思います。安部さんは、来年の衆参同時選挙に備えて、今から政権を担うつもりで着々と準備をすれば良いと思います。そうして、着実に政権交代をして総理大臣になっていただきたいと思います。

特に、いくら以前政権を長期間担っていたからといって民主党からの政権交代ということになります。そうなれば、なにもかも一気にというわけにはいかなくなります。何から具体的に手をつけたら良いのか、順番んはどうすれば良いのかなど、今から官僚などと、コミュニケーションを図りやるべきことはたくさんあります。ご存知のように、この手続きを欠いて大失敗したのが、民主党です。その教訓を生かすべきです。

そうこうするうちに、便意兵が尖閣に上陸ということにでもなれば、民主党は、これに対処できず、おたおたして醜態をさらし、さらに、国民からの支持を失うだけです。

これは、民主党が政権交代したときにも、あまりに性急なやり方を非難するために同じようなことを掲載したのですが、アメリカなどの二大政党制が、根付いている国では、政党が変わっても、政治の6割~7割は同じで、あとの3割~4割が変わるということで、政権交代のたびに何もかも180度変わるというわけではありません。その3割~4割だって、政権交代したからといって、すぐに変えるというわけではありません。

ブッシュ夫妻とオバマ夫妻
政権交代してから、すぐに変えるのではなく、昔なら1年間かけて、今だと半年くらいにもなってしまったようですが、できれば1年くらいたってから、少しずつ変えていくのが普通でした。この間、マスコミも政権交代してすぐの政府に対する批判は、謹んでいました。なぜなら、何か悪いことがあったとしても、それは、前政権のせいかもしれないからです。このようにして、政治の継続性を確保して、混乱を防いでいるのです。

日本では、二大政党制にはなっていませんし、おそらく、民主党は次の選挙で議席数を大幅に減らすでしょうから、ここしばらくは、二大政党制になるようなことはないと思います。

それにしても、アメリカの方式は、十分見習うべきと思います。とくに、民主党のように、政治の継続性を無視して、180度転換しようとか、そうしているように見せかけるためのパフォーマンスをしても意味はありません。

特に、政権交代による過度の期待を国民に持たせるべきではありません。まあ、これに関しては、国民も一度政権交代をして、過度に期待を裏切られているわけですから、あまり心配する必要はないのかもしれません。次の選挙で、過度の期待を抱かせる政党に何の疑いもなく、投票する人がいたとしたら、ただの馬鹿です。

どの政党が政権を担うにしても、初年度は、デフレ脱却+αで十分だと思います。約20年にも及ぶ、デフレに終止符を打つ目処がたてば、以前このブログにも掲載したように、大きな問題があったとして、5つ~6つに関しても、解消の目処がたちます。

考えてみれば、ここ10年は、民主党もその前の自民党も、デフレ解消に心血を注がなかったからこそ、結局、八方塞になり、身動きが取れなくなったのです。先ずは、デフレ解消が最優先課題です。

安部自民党新総裁には、すぐに政権交代するよりも、今から本当の意味での強固なシャドー・キャビネットを作っていただき、政権交代したあかつきには、着々と日本を良くするために頑張っていただきたいです。

さて、皆さんは、どう思われますか?



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2012年10月6日土曜日

物価1%上昇「14年度の達成は困難」日銀総裁―【私の論評】やっぱりやる気ないんだ、一体どこまで国民を欺くつもりなのか?!!

物価1%上昇「14年度の達成は困難」日銀総裁:


日本銀行の白川方明総裁は2012年10月5日の会見で、デフレ脱却に向けた「1%の物価上昇」目標の早期達成は、欧州の債務危機の影響などで国内景気が停滞していることから、難しいとの見方を示した。これまでは、消費増税が予定されている「2014年度を含めた遠くない時期に1%に達する」としていた。

日銀はまた、この日の金融政策決定会合で金融政策の「現状維持」を決めた。白川総裁は会見で、「9月に景気シナリオを下方修正し、物価も下方修正することになる」と話した。

【私の論評】やっぱりやる気ないんだ、一体どこまで国民を欺くつもりなのか?!!

白川総裁は、全くやる気がないようです。1%のインフレ目処を約束しておきながら、これすらも、実施せず、ただただ、日本国内のデフレと、円高を確実に守る、デフレ円高守護神の立場は絶対崩さないようです。一体どうなっているのでしょうか?現在デフレーターでみても、物価は下がりっぱなしで、とても1%なんて実現できる状態ではありません。ここで、追加緩和措置を打ち切ればとんでもないことになります。


EUの債務危機で、国内需要が停滞していることと、消費税による国内景気が停滞するというのであれば、通常は、金融緩和をするのが当たり前の真ん中です。白川総裁の言うことは、人間でいえば、癌治療をしている最中に、癌が悪化したので、有効な治療薬の投薬を中止しますといっていると同じようななものです。驚天動地の発言です。一体この人の頭の中はどうなっているのでしょうか?全く理解できません。どなたか、この常軌を逸した発言、その真意理解できる人がいたら、説明してください。

これじゃ、ますます、国内景気は落ち込むし、年末にかけて、アメリカ、EUなども大規模な金融緩和を実施するなか、日本が追加金融緩和措置をやめれば、とてつもない円高になるのは目に見えていまます。本当に全く解せない発言です。これは、ひょっとして、先日中国人民銀行総裁の、日銀が大幅に金融緩和をすることについての懸念表明への答えなのでしょうか?日銀が中国からの指令で動いていると揶揄する人たちもいますが、こうなると、この揶揄も、揶揄ではなく真実味・現実味を帯びてきました。

やっぱり、日銀は、海の向こうからの指示で動いているとしか考えられません。まあ、先日も述べたように、いまや中国は、スタグフレーションの領域に入っていますから、いくら日銀が金融引き締めを行ったところで、もう打ち出の小槌にはなりません。それにしても、中国人民銀行総裁の懸念表明にあまりに都合の良い返答ではありませんか。実際、こうしておけば、少なくとも、人民銀行総裁のご機嫌を損ねる心配はありません。しかし、そんなことで、本当に良いのでしょうか?

中国人民銀行総裁
まるで、外国の指示でうごいているかのようなこの発表の直前の日銀政策決定会議に、前原誠司財政相が出席していたはずなのに、前原さんも、この日銀の常軌を逸した暴走に対して何も抗議しなかったのでしょうか?一体何のために参加したのでしょうか?こういうときこそ、普段の番長ぶりを発揮して、徹底的に抗議すべきではなかったですか?その後、日銀の暴走を非難する声明も発表していません。

まるで、子供のお使いのような参加ですね。おそらく、金融政策のことなど何にもわからないで参加しているから、まともな発言ができなかったかもしれません。それとも、日銀の「独立性」を認めているから、思ったことを発言できなかったのかもしれません。日銀さぞや今頃、胸をなでおろしていることでしょう。

そういわれてみれば、Twitterでは、ある方が、「ウィークアップにて前原がデフレの原最大の原因は人口減少だと熱く語ってました。騙されに行ってるのでは…」とツイートしていました。デフレ、インフレとは、純粋に通貨貨幣の流通量の問題であって、人口とは全く関係ありません。全く理解できません。あの勝栄二郎元財務次官も、こんな珍説はさすがに、語っていませんでした。日銀は、この珍説、論文として最近発表したことはこのブログでも紹介しました。


それにしても、デフレの最大の原因は人口減という説は、完璧な間違いであること、すぐに看破できます。ちょっとやってみましょうか?

わかりやすくするため少し乱暴で、物騒ですが、極端に解説します。たとえば、今日本が、中性子爆弾(人間動物だけ殺傷し、他のものは傷つけないとされている)により、日本が攻撃されて、いきなり人口が半分になったとします。お金を含む有形無形の資産は、そのまま残ったとします。そうしたらどうなります?お金などは、そのまま残り人が半分になります。流通しているお金がそれまでの二倍あることになりませんか?そうして、二倍のお金は、生き残った人たちに移転します。また、相続税として国庫にもはいります。

こういうお金がいっぱいある状態を何といいますか?そう!!インフレです。この時点で、デフレ人口減説は完璧に破綻しています。それも、それまでの倍のお金が流通しているわけですから、ハイパーインフレですね。ただし、この場合、日銀は、このインフレをそのままにしておくわけはありえませんから、過剰なお金を回収して、中性子爆弾爆弾で人口が半分になる前から比較すると、半分にすることでしょう。

稀代のトンデモ本!!
いや、違うかな!!日銀の今のスタンスであれば、お金の流通量を半分にするのではなく、半分の7、8割にまで、減らして流通量を減らして、デフレ・円高路線を堅持することになるでしょう。

何しろ、人口が半分になれば、復興のため様々なことをして、人口が半分になっても、人々が豊かに暮らしていけるようにする必要があります。たとえば、必要のない建物を減らすため古い建物を壊したり、人口が半分になったことにより、場所によっては、地方自治体が、機能を失ったところもでてきて、たとえば、いくつかある村や町が維持できなくなり、一つの村に複数の村を併合したり、併合するだけではなく、併合した町のインフラを整備する必要がでてきます。また人口を増やしたりするため、様々ことにとりくまなければならくなります。また、人口が急激に増えてくれば、それなりにインフラ整備をしなければなりません。

そうなると、普通は、インフレになり、景気がかなり上向くかもしれませんが、今の日銀は、そんなことは、絶対にさせません。デフレ、円高路線で、日本が成長をするのをとめることでしょう。そんな馬鹿なと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、でも、それが、現実の現在の日銀のスタンスです。異常です。

さて、皆さんは、どう思われます。こんな日銀の暴走をいつまでも許容してはいけないと思うのは私だけでしょうか?

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2012年10月5日金曜日

危機の終わり遠い、緊縮で30年代型恐慌も-クルーグマン教授−【私の論評】日本は、はやくデフレから脱却して、世界に範を示せ!!

危機の終わり遠い、緊縮で30年代型恐慌も-クルーグマン教授

ポール・クルーグマン氏
10月3日(ブルームバーグ):ノーベル経済学賞受賞者で米プリンストン大学教授のポール・クルーグマン氏は3日、米国と欧州連合(EU)の金融危機の終わりは遠いとし、ドイツ主導の緊縮政策が1930年代のような経済恐慌をもたらす恐れがあるとの見方を示した。

同教授はベオグラードでの講演で、米国には「もう一弾の景気刺激」が必要で、金融当局は成長回復を支援するために「できることを全て」する必要があると指摘。欧州では単一通貨を救うため、財政同盟が必要だと述べた。

「欧州は緊縮には限界があること、これ以上の緊縮は社会を崩壊の縁に追いやるだけだということを認識しなければならない」とし、「各国に余りに多くの苦痛を与え過ぎたとドイツと欧州中央銀行(ECB)が気付くまで、いかなる国も繁栄しないだろう」と語った。

ECBも米連邦準備制度理事会(FRB)も危機対応策を打ち出している。ドラギECB総裁は無制限の国債購入の計画を示し、バーナンキFRB議長は量的緩和第3弾(QE3)実施を表明した。

クルーグマン教授は欧州について、「困難な状況にある国々への金融面の脅威・・・・・・・・・

【私の論評】日本は、はやくデフレから脱却して、世界に範を示せ!!

財政赤字だからといって、それを解消するために、増税するという考え方が正しいかどうかは、その時々の経済の状況によります。好況でインフレのときには、これは正しいです。不況で、デフレのときは間違いです。

そうして、このような間違いは、よくあることです。たとえば、日本では、通常の国であれば、不況ともみなされないような不況や円高に、輸出産業(当時は、輸出が日本全体のGDPに占める割合は8%)が悲鳴をあげ、これに対して、財政出動、金融緩和などを推し進めた結果、あのバブル崩壊を招いてしまいました。このときは、本来何もしないほうが良かったのです。おそらく、現在からみれば、多くの人が理解できると思います。その意味では、日本のバブルは決して必然的なものではありませんせでした。

次に、バブル崩壊後には、崩壊後5年くらい、最大限譲歩しても、10年くらいなら、緊縮財政、金融引き締めをしても無理はなかったた思います。しかし、ごく一部の例外を除いて、日本政府も日銀も、バブル以降ずっと緊縮財政、金融引き締めのやりっぱなしです。ちなみに、バブル崩壊後は、積極財政、金融緩和を同時に実施したということは一度もありません。一度バブルに落ち込んだらかと言って、今度は、とにかくバブルやバブル崩壊に少しでもつながりそうなことは、絶対にやらないというのが、ここ20年の日本です。まさに、「過ぎたるは及ばざるがごとし」の典型例といえます。

今世界は、恐慌を繰り返そうとしているのかもしれない
20年間もこのようなことを続けており、14年前からは、日本経済は、統計上でも完璧にデフレ状況になっているのに、いまだ、緊縮財政、金融引き締めを続けています。

しかし、この緊縮財政・金融引き締めは、どこかでやめなければなりません。それは昨日このブログに掲載した日本では、リチャード・クー氏が最初に言い始めた、「バランスシート不況」により、多くの民間企業が設備投資のための借金をしなくなったということがデフレの最大の原因であるためです。借金をしてまで、設備投資をしても自己資金を使えばできる範囲での投資しかしない、あるいは、不良債権処理のため、無借金経営をして、銀行に金を返すことばかりしているというのが、今の日本の状況だからです。個人でも同じように借金をあまりしなくなっています。

個人の生活では、借金をしないことは良いことのように思われますが、国という単位で借金をする企業、個人が少ないということは経済にとっては良いことでありません。誰も新しいことをしたくでも、できないということです。だから、まずは、国が積極財政をして、日銀も同時に金融緩和をする必要があるのです。そうして、まずは、国内のGDPそのものを増やす方向にもっていかなければなりません。そうでなければ、この不況からは、いつまでも脱出することはできません。


不況で、税収が減って、財政赤字になるからといって、税率をあげたとしても、GDPがますます減るだけで結局税収が減るだけで、ますます、財政赤字が増えるだけです。これは、当たり前の真ん中の、理論です。そうして、この理論は、2010年に日本でいえば、消費税にあたる、付加価値税を大幅増税したイギリスで、さらに不況が深刻化して、財政赤字改善の目処が全くたたない状況に追い込まれていることでも、実証されています。

そうして、上の記事のクルーグマン氏が語っているように、今のEU、アメリカなど多くの国々が、日本の二の轍を踏もうとしています。一体世界はどうしてしまったのでしょうか?


1930年代は、多くの国々が当時よりも豊かになって、GDPもはるかに大きくなったことを除いて、まるで今日と同じような状況にあります。そうです。不況になったから、財政赤字になり、これを解消するため、国によって、やりかたは異なるのですが、増税、緊縮財政、金融引き締めに走ったり、不十分な金融緩和でことたりとするという状況がまるでそっくりなのです。

世界は、1930年代の反省にたち、様々な経済学者などが、不況になれば、積極財政、金融緩和をすべきというマクロ経済学の理論を発展させてきたはずなのに、今の世界は、金融恐慌時代と同じような過ちを繰り返そうとしています。

1930年代に、日本は、同じく世界恐慌に飲み込まれ、さらに悪いことには、不況であるにもかかわず、緊縮財政、金融引き締めなどをして、経済がかなり落ち込んでいました。この落ち込みを日本では、昭和恐慌と呼んでいました。しかし、この状況を高橋是清が、典型的なリフレ政策によって、世界で一番はやく、収束させたことは、このブログでも掲載しました。

当時このように素早く、恐慌から立ち直ったのは、日本だけです。他国は、そうではありませんでした。アメリカなども、ずっと恐慌が続き、恐慌から立ち直ったのは、本格的な戦争がはじまってしばらくしてからでした。アメリカでは、大戦争を遂行するため、ヨーロッパや、太平洋に、大量の人員、大量の武器を送らなければならず、そのためには、かなりの財政出動、金融緩和をせざるおえず、実際それを実施したからこそ、恐慌から脱することができたのです。戦争がなかったとしたら、アメリカの不況はまだまだ長引いたに違いありません。

B25戦略爆撃機の最終組み立てライン
今の日本、これだけデフレが続いていれば、やることは、はっきりしています。他国が不況に陥るさなか、日本もデフレ政策を続ければ、とんでもないことになります。それは、日本だけがの問題ではありません。1930年代の日本は、経済的にみれば、まだ小さくとるにたらない存在でしたし、さらに軍備を拡張するためなど、日本国内のことだけで精一杯でした。そのため昭和恐慌を脱したとはいえ、国民の生活は豊かではありませんでした。しかし、今の日本は違います。

今世界のほとんどすべての国々が、同時に不況に陥れば、世界はまた、1930年代の世界に逆戻りです。そのようななかで、日本がデフレから脱出すれば、世界第二の経済大国に返り咲くことも可能性です。そうして、人口などから比較して、アメリカよりも規模の小さい国ですから、実質的に経済が最も強い国に返り咲くこともできるかもしれません。

そうなれば、日本は、世界経済の牽引車になることも可能です。さらに、牽引車になることができれば、日本の経済政策の正しさを証明することにもなり、他国も、自分たちの経済政策の過ちに気づき、まともな経済対策をとるようになり、世界経済も恐慌に陥らないか、陥ったとしても、昭和恐慌時代の日本のようにはやく立ち直ることができるうようになる可能性も高いです。

今まさに、日本はあらゆる意味で転換期にあると思います。日本は、もともと、大きな潜在可能性を秘めた国であるにもかかわらず、ここ20年間、デフレ政策を続けてきたために、一時的に疲弊しているにすぎません。そうして、このようなこと、日本では多くの国民、企業経営者、政治家など気づかずに、デフレを前提にものごとを考え方、八方ふさがりの閉塞感にさいなまされています。



今のような状況は、一刻もはやく終わらせ、国内だけではなく、世界に範を示すような日本になるべきです。そうして、このような文脈を理解していて、これを現時点で、最も実現することができそうな、リーダーは、現在では、安部自民党総裁だけです。残念ながら、自民党の他の総裁候補は、そのような考え方を持っていないことが、総裁選挙で明らかになったと思います。民主党などは、はなから圏外です。その他の野党のリーダーたちも似たり寄ったりです。

そう思うのは、私だけでしょうか?皆さんは、どうお考えになりますか?

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2012年10月4日木曜日

野村総研クー氏「今は消費増税すべきでない」(QUICK特別セミナー)―【私の論評】各界のリーダーが虚心坦懐にならなければ、日本は良くならない?!

野村総研クー氏「今は消費増税すべきでない」(QUICK特別セミナー) 

リチャード・クー氏
野村総合研究所の主席研究員のリチャード・クー氏は2日、QUICKと日本経済新聞社共催のセミナーで講演し「今は消費増税すべきではない」と指摘した。民間企業が実質ゼロ金利下でも借金の返済を優先する「バランスシート不況」の状態から脱しておらず、政府支出の抑制を進めれば景気が落ち込み、結果的に財政再建は失敗するとの見方を示した。
 民間の資金需要が乏しいことは「借金返済のトラウマがあるほか、キャッシュ・フローで設備投資できる状況になっているため」と説明。民間の資金需要を高める様々な努力が必要だと主張した。
 またバランスシート不況に陥っているのは日米欧に共通していると分析。欧州中央銀行(ECB)が欧州債務危機への対応として南欧諸国の国債買い入れ策を示したことについては「何もやらないよりはいいが、財政再建を買い入れの条件にしている以上、根本的な問題を解決するものではない」と指摘した。
この記事の続きはこちらから!!

【私の論評】各界のリーダーが虚心坦懐にならなければ、日本は良くならない?!

リチャード・クー氏といえば、このブログでも何回か、掲載させていただいたこともありますし、この方は、普通の日本人よりも余程日本のことを知っていて、新日・知日派の筆頭ともいえる方だと思います。

以下にクー氏の、昨年の動画を掲載させていただきます。



随分前、アメリカの格付け会社による日本の国債の格付けが下がったときは、「あり得ないことだ」と格付けに関する論評をしていたことを思いだします。

以前は、WBSという報道番組にも定期的に出演されており、その頃は、良くWBSを視聴していました。最近は、ほとんど見なくなりました。

なぜなら、この番組、それこそリチャード・クー氏や、植草氏が出演していたころは、比較的まともで、見る価値のある番組でしたが、最近では、まるで民主党政府広報室のような報道、マクロ経済・マクロ金融に関しても、ほとんど誤った報道しかしなくなり見る価値を失ってしまったからです。それでも、フェルドマン氏など時々まともなことを言っていたこともありましたが・・・・・・。本当は、この番組過去には、うちの会社のことも紹介していただいたこともあるので、あまり悪口はいいたくはないのですが、あの頃からすると、変質してしまったと言わざるを得ません。


クー氏は、日本でも一番最初に日本の不況の状況が、従来普通に見られたのとは、全く性質が違うものであることを看破した一人です。それは、上の記事にもあるように、バランスシート不況というものです。これに関しては、詳細は、上の記事のリンクからご覧になってください。

私が、バランスシート不況について、はじめて知ったのは、20年以上も前に、リチャード・クー氏がWBSでそのことについて話しているのを聴いたときです。

しかし、その当時は、聴いてもすぐには理解できず、とにかく今の不況は、古今東西のものとは性格を異にするものらしいということはかなり強く印象に残りました。そうして、リチャード・クー氏のような人物が語っていることなので、全く根拠も何もなく語っていはずはないと思いました。そうして、自分でクー氏の言うことが正しいのか、誤りなのかいずれ自分ではっきりさせたいと思いました。

そうして、わからないなりに、いつかわかろうと思い、新聞などの経済記事を良く読むようなりました。しかし、今から考えてみると、当時から新聞の経済記事などはまともではなかったのだと思います。だから、読めば読むほど、クー氏の言うことが理解できず、消化不良の日々に悩まされました。


それからしばらくは、新聞記事も読んだり、テレビの経済報道などみていましたが、さらに消化不良の深みに嵌り込むばかりです。それで、しばらくは、新聞記事は斜め読み、テレビの経済番組は見ないようにしました。

そうして、リチード・クー氏が雑誌に掲載した内容、そうして、テレビなどに出演したときには、必ず見るようにしました。そうして、雑誌や、テレビなどを見たときには、何となくわかったつもりになったのですが、それでも、消化不良状態が続きました。そうこうしているうちに、1年近くが経ちました。

そうして1年以上を経過して、あるとき、不意に理解できるようになりました。どうしてわかったかというと、高校時代に習った、マクロ経済・金融に関することを再度思い出し、頭の中でいろいろ簡単なシミレーションしてみたところ、本当は、クー氏の言っていることは、当たり前の真ん中であり、全く難しくも何ともなく、難しい経済・金融の理論など知らなくても、誰でも容易に理解できるということでした。

しかし、驚いたことに、当時バランスシート不況に関することを自分の周りの人に話してみても、かなり社会的地位が高い人でさえ、あるいは金融関係の人たちでさえ、ほとんど理解していないし理解できないし理解するつもりもないという事実に気づきしまた。

そんなものなかと思っていたら、つい、数年前ですか、リチャード・クー氏の記事がサイトに掲載されていて、「私が一番最初に、バランスシート不況について気が付き、それを当時の与党の人に話してみたが、その時にすぐ私の話を理解していただいたのは、麻生太郎、亀井静香、中曽根康弘氏の3名のみだけだったと語っていました。

無論、現在では、もっと多くの人が理解しています。谷垣元総裁や、野田首相などは全く理解してませんが、安倍新総裁などははっきりと理解していると思います。ただし、今でもほとんど理解していない人もかなり存在します。

バランスシート不況の本質を多くの人が理解して来なかったからこそ、日本のデフレは、かくも長く続いてしまったのだと思います。特に、民主党になってからは、民主党の構成員のほとんどの人がこれを理解しておらず、「コンクリートから人へ」などというお粗末なスローガンで、さらに日本の経済は落ち込んでしまいました。



少数の人が理解しても、実際に、バランスシート不況を打破するために、国家としてのまともな財政政策や金融政策を実行に移すのは困難だったのだと思います。しかし、この流れも変わりつつあります。クー氏のいうバランスシート不況の事実を退けた筆頭は、最近では、増税ツイン(双子)ともいわれる、野田総理と谷垣元自民党総裁にあの手この手で、増税路線を徹底に洗脳したとされる、元財務次官勝栄二郎氏でした。しかし、勝氏は、ご存知のように、本人はもっと長い間とどまって、増税を確定までもっていきたかったようですが、それもかなわず、結局退官しました。

これは、大蔵元老たちが、勝氏に引導を渡したとされています。もともとの大蔵省には、不況の時に増税するなどという考えなどなかったはずです。これは何も大蔵省元老がどうのこうのという前に、マクロ経済の理論からいっても、そのようなことは絶対すべきでないのは、自明の理でもあります。それに、最近では、イギリスの付加価値税増税が大失敗していることからみても、あまりに自明で、本来不況のときに「増税」という考えは、異常中の異常です。

そうして、バランスシート不況を理解していれば、今すべきことは、増税ではないことが容易に理解できるはずです。イギリスは、これを理解していなかったため、付加価値税の増税に踏切り、結局現在酷いバランスシート不況に陥っています。日本での、バランスシート不況を日本は、もとより、世界も理解していなかったため、日本は20年たっても、不況から立ち直ることができず、あいかわらず、デフレのままです。そうして、世界は、イギリスをはじめ、日本の二の轍を踏もうとしています。


今回、マクロ経済政策に関しては、ここ20年近く、全く出鱈目の記事を掲載し続けた、増税を後押ししてきた日経新聞が、リチャード・クー氏の公演を実施し、さらに、新聞紙面に取り上げたということは、今までの動きが変わってきているのかもしれません。

これから財務省の勝次官が退官になったような動き、たとえば、日銀の人事等にも何か変化がでてくる前兆なのかもしれません。それとも、日経新聞は、95%の出鱈目の他に、5%の正論を新聞紙面に掲載して、反対意見も掲載しているということで、アリバイづくりをしてるだけなのかもしません。だとすれば、あまりにも悲しすぎます。

いずれにせよ、あまりにも多くの人が、クー氏のいうことを理解していないのは事実です。どうしてこんなことになってしまうのでしょうか・・・・・。これには、当然大手新聞などの報道にも問題があるのですが、多く人が虚心坦懐になることができず、自分は何でも知っているという思い込み、驕り高ぶりがあるのかもしれません。

だれしも虚心坦懐になる時が必要!!
新聞、テレビで、自分は日本のことは何でも正しく完璧に知っていると思い込んでいるのかもしれません。そうして、中には、政府や、日銀、財務省などの誤った言い分ををネットで擁護するような発言ばかりする人たちもいます。それも、突っ込めばすぐに、ボロが出るような擁護をします。このような人たちを経済評論家の上念氏は、変態御用一般人と評して揶揄しています。驕り高ぶりここに極まれりという感がします。しかし、こういう極端な人たちは例外としても、多くの人が、しかも、特に各界でリーダー的地位にある人びとが、理解しなければ、いつまでたっても、日本は良くならないと思います。

そう思うのは、私だけでしょうか、皆さんはどう思われますか?



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