2012年11月17日土曜日

若者の雇用を奪うのは一体誰なのか?−【私の論評】根本原因は、デフレであってこれを解消しなければ何も解決されない!!

若者の雇用を奪うのは一体誰なのか?:

 新卒大学生の就職内定率の低下がおびただしいものになっている。2011年度(2012年春卒業)は改善されたというものの、それまでは下落する一方であり、ニュース等でも内定が取れない学生たちの悲哀の声を耳にしたものだ。

 この新卒採用を取り巻く厳しい状況は、これからも改善されていくのだろうか? それとも別のシナリオが待ち受けているのだろうか。

 『若者はなぜ3年で辞めるのか?』(光文社... 続きを読む

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新刊JP
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【私の論評】根本原因は、デフレであってこれを解消しなければ何も解決されない!!

長い間のデフレで賃金が減り続けているの世界でも先進国では日本だけ
最近確かに、就職内定率は、低下しているようです。このようなときには、上の城氏のような論調が必ずでてきます。上の記事での城氏の語っていることを以下にコピペします。
 こうした状況を打破するために、城さんは賃下げや解雇といった不利益変更のルール化が必要だとしている。新卒採用カット以外のアプローチでも雇用調整できるようになるから、新卒の就職難は緩和されることになるという考えだ。
 しかし、ここにも大きな溝がある。
 若者の雇用を改善しようとしても、当の政治家たちが動くとは考えられないというのだ。
 日本は民主主義国家であり、有権者一人一人に投票権が与えられているが、票を獲得するために、若者たちよりも数が多い高齢者の声のほうが優先されるだろうし、若者の投票率が低いこともそれに拍車をかけている。 
この中で、城氏が言うように、「賃下げや解決といった不利益変更のルール。若者の飛躍的な投票率の向上」を完璧に実現したとしても、それだけでは若者の雇用問題は、解消されません。なぜなら、若者の雇用を奪っている根本原因は、デフレだからです。世代間の社会保障費の格差も、結局はデフレによるところが大きいです。

就活女子。特に、女子の内定率は低い
ご存知のように、デフレは、物価が下げ、賃金が下げ、雇用も削減するからです。デフレは経済の癌とも呼ばれ、インフレなどとは違い、徐々に悪影響をを及ぼしていくため、なかなか認知されにくいところがあります。インフレの場合は、狂乱物価などといわれたように、物価が一気にかなり上昇したりするため、かなり認知しやすいです


GDPデフレーターの推移(1980~2012年) - 世界経済のネタ帳
国内総生産(GDP : Gross Domestic Product)とは、国内の生産活動による商品・サービスの産出額から原材料などの中間投入額を控除した付加価値の総額のこと。
GDPはその国の経済規模を示す際の、最も重要な指標のひとつである。
GDPデフレーター = 名目GDP ÷ 実質GDP × 100
消費者物価指数が国内で消費される商品・サービスの価格の変化を示すものであるのに対し、GDPデフレーターは国内の企業の利益や労働者の賃金など所得の変化を示す指数である。
しかし、デフレの場合、ハイパーデフレなどは古今東西の例などなく、最高でも、年率で2%くらいの物価下落が普通なので、意外と単年度などでは理解できず、長期にわたって、グラフなどをみて始めて認知できるものです。だから、デフレの真っ最中にあるときには、多くの人がなかなか認識できないというのが普通です。

インフレは、直裁的に認識しやすいが、デフレはそうではない!!
そうして、このブログでも、再三にわたり掲載させていただいたように、日本ではすでに、デフレ傾向になってからは、20年、統計上ではっきりと誰もが認めざるを得ないデフレになってからも、14年も経過しています。これは、古今東西に例もなく全く異常なことです。これに関して、以前このブログにも掲載したことがあるので、下に当該記事のURLと、関連部分のみ掲載しておきます。

マック、崩れた「勝利の方程式」:日経ビジネスオンライン―【私の論評】民間のデフレ対策もそろそろ限界、潔さではどうにもならない状況に!!
ちなみに、国際通貨基金(IMF)のデータベースをもとに、1980年以降に消費者物価が前年と比べて2年以上続けて下落した国を「デフレ経験国」とすると、ブルキナファソやマリ、中央アフリカなど、ほとんどが開発途上国です。先進国で、日本のようにデフレが続いた国はありません。 
リーマン・ショック後の消費者物価をみると、2009年は米国やスイス、台湾、ポルトガルなどでマイナスでしたが、10年にはアイルランドと日本だけが「デフレ経験国」になりました。そのアイルランドも11年には物価が上がり、デフレから抜け出しています。最早、デフレは、主要な先進国では、日本特有の現象になりました。デフレとは、このブログにも過去に何度か掲載してきたように、経済の癌とも呼ばれるような、経済の病です。日本では、このようなデフレを過去20年にもわたって、放置してきたということです。 
デフレを前提として、経済や、金融、そうして、企業活動などを考えるなどということは、根本的な誤りです。デフレ下では、企業がいくら努力しても、業績があげられない面があります。
マクドナルドなどの企業がいくら努力しても、なかなか業績があげられない状況に陥っているわけですから、多くの企業が、当然採用も控えるわけです。だから、若者の雇用がなくなるのも当然のことです。特に、新卒ということになれば、経験もなく、企業に入ってから再訓練・再教育をしなければならないので、なおさらです。

さらに、日本では、中央銀行(日本では、日銀)による、雇用枠の調整ということがほとんど理解されていません。これに関しては以前このブログにも掲載したことがあります。

若者雇用戦略のウソ―【私の論評】雇用と中央銀行の金融政策の間には密接な関係があることを知らない日本人?!

詳細は、上昇の記事をご覧いただくものとして、以下に一般的な雇用に関する中央銀行の役割に関するところだけコピペしておきます。
アメリカでは、雇用問題というと、まずは、FRB(管理人注:アメリカの中央銀行)の舵取りにより、大きく影響を受けるということは、あたりまえの常識として受け取られていますし。雇用対策は、FRBの数ある大きな仕事のうちの一つであることははっきり認識されており、雇用が悪化すれば、FRBの金融政策の失敗であるとみなされます。改善すれば、成功とみなされます。 
この中央銀行の金融政策による雇用調整は、世界ではあたりまえの事実と受け取られていますが、日本だけが、違うようです。日本で雇用というと、最初に論じられるのは、冒頭の記事のように、なぜか厚生労働省です。 
このブログでも、前に掲載したと思いますが、一国の雇用の趨勢を決めるのは、何をさておいても、まずは中央銀行による金融政策です。たとえば、中央銀行が、インフレ率を2〜3%現状より、高めたとしたら、他に何をせずとも、日本やアメリカのような国であれば、一夜にして、数百万の雇用が生まれます。これに関しては、まともなマクロ経済学者であれば、これを否定する人は誰もいないでしょう。無論、日本に存在するマクロ経済学と全く無関係な学者とか、マルクス経済学の学者には、否定する人もいるかもしれませんが、そんなものは、ごく少数であり、グローバルな視点からすれば、無視しても良いです。
上の内容をご覧いただければ、中央銀行、日本では日銀の金融政策が雇用に大きな関わりを持っていることが良くお分かりになると思います。一般に、日本では、雇用というと、すぐに厚生労働省の政策であると考えられがちですが、厚生労働省のできることは、すでに決まっている雇用枠の中で、雇用のミスマッチを是正することくらいしかできません。雇用枠に直接それも、速やかに影響を及ぼすことができるのは、日銀です。日銀の金融政策によって、その時々の雇用枠が定まります。上の城さんの論調も、心情的には良く理解できるのですが、雇用のミスマッチを是正するだけであり、雇用枠を変えることはできず、根本原因を取り除くことはできません。
日本だけが、マネタリーベースが異常に低い、これではデフレになるのが当たり前
それに、政府による、財政出動なども、雇用に大きな影響を及ぼします。デフレなどの最中には、政府は積極財政を行い、公共工事など積極的に行い、雇用を創出すべきなのです。にもかかわらず、政府は、この20年間もの間わずかの例外を除き、緊縮財政ばかりやってきました。公共工事なども、いまや、世界の他の先進国と比較すると最低水準にまで落ち込んでいます。デフレの最中に増税などすれば、さらに、緊縮財政を推進することとなり、さらに、デフレを推進し、物価が下がり、賃金が下がり、雇用も減少するだけです。この流れは、民主党政権になってから、「コンクリートから人へ」のスローガンによりますます、加速されました。

公共投資も80年㈹り低い状況、これではデフレになるのが当たり前
過去20年間、日銀は、金融引き締めばかりやり、政府もほとんど緊縮財政ばかりやってきました。これでは、デフレになるのが当たり前です。だからこそ、他の先進国が一時デフレになっても、すぐに抜け出したのに、日本だけが、デフレから抜け出すことができませんでした。

このようなことを20年も続けため、本来異常であるはずのデフレが、多くの人々にとって、当たり前になり、多くの人々がデフレを前提でものを考えるようになりました。これは、政治家はもとより、一般の人々も同じことです。ですから、若者の雇用を考えるにしても、デフレを前提として、上記のような論調がでてくるのです。しかし、これでは、何の解決にもならないということです。

根本的には、デフレを解消するしかありません。雇用問題を語るには、デフレ抜きでもの語ったり、考えたりしても根本的な解決にはなりません。

アメリカの投票を呼びかけるポスター
そうして、最近の政局をみてみると、デフレからの脱却、日銀のインフレ目標を3%にする、日銀法を改正するなどのことをはっきりあげて、デフレ解消をはっきり打ち出しているのは、安部自民党のみです。自民党の中でも、先日の総裁選で、こうしたデフレ脱却を謳っていたのは、安部総裁のみでした。そうして、不思議なことに、これだけ日本は、デフレに苦しめられているというのに、なぜか過去の選挙においては、デフレ脱却は、ほとんど選挙の争点にはなってきませんでした。安部総裁ですら、過去の選挙では、これをはっきりと争点にはしていませんでした。だから、過去の選挙においては、若者がかなり投票したとしても、雇用や賃金などとはあまり関係ありませんでした。しかし、今回は、少なくとも安部総裁は、はっきり争点にしています。

右安倍総裁、左は最近亡くなった政治評論家の三宅久之さん。三宅氏のご冥福をお祈りします。
次の選挙では、デフレ脱却を公約にする政党が勝利すれば、かなりの確率で本当に脱却できると思います。選挙も間近です。日銀に関しては、安部自民に限らず、他の多くの政党も、日銀法改正などに積極的です。上記のようなことも考え合わせると、若者の雇用を考えた場合、現状では、安部自民党に次の選挙で勝ってもらい、安部総裁になっていただき、上記のような政策を強力に推進していただくことが一番だと思います。

来月はいよいよ、衆議院議員選挙
太陽の党と、維新の会は、両方とも、平成14年4月からの増税に賛成しています。みんなの党は反対です。太陽の党と、維新の会は、みんなの党ぬきで、合流することを決めました。みんなの党は、やはり、増税など反対ということで、この点は譲れなかったのだと思います。当然のことと思います。

私は、次の選挙では、若者の雇用、日本国内の景気を考えた場合には、今のとろ安部自民党に勝っていただき、安部総理大臣を実現するほかはないと思います。次の選挙では、安部自民党が勝利する率がかなり高いようです。しかし、選挙は水ものです。やってみなければわからないものです。意外と伏兵があるかもしれません。

トリンプのキャンペーンブラ「投票率向上ブラ」こんな投票箱だったら、若者の投票率が向上するかも?
選挙での投票率が低いといわれている若者も、次の選挙は、自分たちの雇用や賃金が今後どうなるか、今まさに分岐点にあることをしっかり認識して、デフレ脱却を公約に掲げる候補者に投票すべきと思います。皆さんは、どう思われますか?

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2012年11月16日金曜日

野田首相には年内解散以外の選択肢はなかった! 旗を失った民主は「流れ解散」に向かい、安倍自民は第3極と手を握るとみた!―【私の論評】政局はさておき、デフレ克服を第一義とするにはそれなりの背景がある!!

野田首相には年内解散以外の選択肢はなかった! 旗を失った民主は「流れ解散」に向かい、安倍自民は第3極と手を握るとみた!:

党首討論で、野田首相は解散を口にした。これは、史上初の異例の出来事である。
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[ 長谷川幸洋「ニュースの深層」 ]
野田首相には年内解散以外の選択肢はなかった! 旗を失った民主は「流れ解散」に向かい、安倍自民は第3極と手を握るとみた! 

[長谷川 幸洋]

野田佳彦首相が11月16日の衆院解散を表明した。政府・民主党の三役会議では、12月16日の投開票も決まった。10月26日付コラムで都知事選とのダブル選になる可能性を指摘してから、私は『週刊ポスト』の連載コラムを含めて、一貫して年内解散の見通しを示してきた。それは的中した。

【私の論評】政局はさておき、デフレ克服を第一義とするにはそれなりの背景がある!!

さて、先日は党首会談で、野田総理が年内解散を確約しました。そうして、本日その通り解散が宣言しました。そうして、ここまでの政局の動き、私自身は予想もしていませんでしたし、そんな予想をするつもりもありませんでした。そもそも、政局そのものにはあまり興味がありません。

衆院が解散され、本会議場を後にする前議員
だから、ここまでの政局、今後の政局など、上の記事をご覧いただきたいと思います。他の政局関連の記事も読んだことがありますが、やはり、上記を書いている、長谷川幸洋氏のものが最も、信頼できそうです。こういう記事、やはり、実際にその時々で、政局の流れを正しく予測している人のものが一番です。

三木武雄氏
そうして、世の中には、「政局」ぱかり追いかける政治家は嫌いだとおっしゃる方も多いようですが、そうはいっても、政局に敏感であり、鼻が効くような政治家でなければ、大事はなせません。まして、政局に疎い政治家など問題外です。石原氏は、若い頃、政治家としては、史上最悪といわれる、三木武夫氏が総理だった頃、親衛隊長を務めていました。しかし、三木氏は、政局を嗅ぎ取る力はかなり優れており、その当時の田中角栄氏などを含めた政治家たちをかなり翻弄しました。こうした、政局の臭覚に関しては石原氏にも、受け継がれていると思います。

若い頃の石原慎太郎氏

こんなことを考えると、上で長谷川氏が述べているように、石原さんが第3局をまとめて、その第3局が、安部自民党と手を組むというシナリオは、十分に考えられるものと思います。そうして、これが、選挙後の民主党の勢力を極限まで、弱めるし、いわゆる戦後革新派、戦後保守派(両派とも、戦後体制を温存する守旧派という意味)を弱体化する上で最も効果がありそうです。

さて、政局の話はさておいて、この記事では、私自身が次の政治家に望むこと、またなぜそう望むかについて、以前にもこのブログに掲載したのですが、本日解散となったこともあり、選挙が現実のものになったので、ここに再度まとめて掲載しておきます。


そうして、ここで、私が「次の政治」ではなく、「次の政治家」と記載したことには、拘りがあります。次の政治に望むことということになれば、自己の政治の理想ということなります。であれば、安部総裁が、総理だったときにあげていた「戦後レジーム(体制、制度)からの脱却」という、いわゆる自民党の党是と同じことになります。そうして、その中には、当然憲法改正も含まれます。私自身は、最近憲法改正をしたばかりの、過去から通算すると、60回近くも改正を続け、終戦直後の憲法とは<、かけ離れたものになっている、ドイツのようになってほしいという望みがあります。そうして、はやく戦後を終わらせることです。今のままの日本であれば、いつまでたっても戦後は終わらず、100年内経っても、1000年経っても戦後のままです。もはや、戦前・戦中生まれよりも、戦後生まれのほうが、はるかに多くなって久しい現状で、そんな馬鹿な話はありません。

これが、私が政治に望むことです。しかし、考えてみて下さい、過去においては、様々な壁があったため、結局これを表看板に上げた、自民党も結局実現できず、そうして安部総理も、体調のこともあったとはいえ、退陣に追い込まれています。それだけ、障壁は高かったということです。そうして、この障壁を高くしているのは、たとえば、自民党の中の、あくまでも戦後体制を保持しようとする、戦後保守派、日本弱体化を旨とする、民主党の勢力、マスコミ勢力、それに、親米、親露、親中国、親北朝鮮、親韓国派などの圧力や破壊工作などです。ありとあらゆる、勢力が、結集したからこそ、この壁はかくも高く・堅牢なものになってしまったのです。

であれば、最終的には、これを目標とするにしても、そこに行くまでの一里塚(マイルストーン)をいくつか、設置して最終目的を達成するということが必要になってきます。一里塚をいくつにするのか、各々の一里塚をどの程度の期間で、突破するのかは、様々な考えがあるとは思いますが、一里塚を設置すべきというこの主張には、賛同される方も多いでしょう。なぜなら、民間企業でも、何か巨大なプロジェクトを実施するには、こうした一里塚を設置することが常識だからです。これを実施しなければ、プロジェクトメンバーが混乱して、一歩も前に進むことができなくなるからです。いままでの政治的混乱は、まさにこのようなことを実施しなかことに原因があります。

古代ローマの一里塚(マイルストーン
だからこそ、次の政治家には、しっかりと、一里塚を定めていただきたいのです。そうして、最初の一里塚は、何にすべきでしょう?それは、国民生活に多いに関わることであり、それを変えれば、日本国民の安寧に大きく寄与するものであることが、望ましいです。しかし、ただそれだけでは、マイルストーンにはふさわしくありません。やはり、「戦後レジューム」から脱却に最終的に直接結びつくものでなければなりません。そんな、都合の良いマイルストーンはあるのでしょうか?

それは、あります!!それは、「デフレからの脱却」です。ご存知のように、日本国は、デフレ基調になってからは、20年、統計上ではっきりと、デフレになってからは、14年目に突入しました。最近では、あのデフレの中でも、元気だった日本マクドナルドでさえ、業績を落していることを、昨日のブログに掲載したばかりです。あのシャープや、ソニーや、エルビーダも業績を落としています。特に既存産業や、地方などかなり疲弊しています。これらは、すでに、自助努力だけでは、どうにもならない水準に達しています。

説明を追加
このデフレから脱却すれば、雇用も安定し、円高も収束し、国民生活の安寧に大きく寄与します。そうして、企業活動もかなり活発になります。それに、このデフレを脱却する過程において、日本の官僚組織の最大・最強である、財務省や、日銀官僚の厚い壁を打ち破ることになります。そうして、これらを支援するマスコミや、その他の勢力を交えた、高い障壁に対してかなり大きな亀裂を生じさせることができます。まさに、デフレ脱却は、これに大きな楔を打ち込むことになるのです。そうすることにより、「戦後レジュームから脱却」にかなり近づくことができます。そうすることによって、国民、企業経営者も含めた、「戦後レジュームからの脱却」への世論形成もかなりしやすくなります。国民生活の安寧に寄与しないところで、たとえば、官僚支配からの脱却ができたとしても、世論は形成できません。

だからこそ、「デフレ脱却」を今後の日本の抜本的政治改革の最初の一里塚にするのです。最初の一里塚としては、これほど相応しいものはないと思います。そうして、最初の一里塚を突破したあかつきには、最終目的に向かって、大きな狼煙をあげれば良いのです。安部総裁が、こうした文脈で、これを最初の一里塚にすることを改めて宣言し(実質上宣言をしているのですが、大方のマスコミは、これをほとんど報道しません)、さらに、第3局を説得することができれば、上の記事でも掲載されているように、安部自民党と、第3局とが、提携するということも十分可能だと思います。そうして、安部総裁は、その方向に向かって着々と歩を進めています。私は、そうなって欲しいと思います。
日本はデフレのため、過去20年にもわたってGDPが横ばいだ
そうして、安部総裁がインフレ目処3%、日銀法の改正などを表明した直後に、野田さんの昨日の解散宣言があって以来、為替市場も、円安に動いています。このような状況の変化がなければ、年末には、日銀の最低の金融政策により、過去最高の円高を更新していたかもしせません。市場は、すでに、上の方向に動きつつあることを察知しているのです。

さて、私のこの考え、皆さんはどうお考えになりますか?


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2012年11月15日木曜日

マック、崩れた「勝利の方程式」:日経ビジネスオンライン―【私の論評】民間のデフレ対策もそろそろ限界、潔さではどうにもならない状況に!!

マック、崩れた「勝利の方程式」:日経ビジネスオンライン:


 2012年1〜9月期の既存店売上高が2.2%減となった日本マクドナルド。巧みな価格・商品戦略で外食の勝ち組に君臨していたマックに何が起きたのか。原田泳幸・会長兼社長兼CEO(最高経営責任者)が真相を語った。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20121112/239306/

【私の論評】民間のデフレ対策もそろそろ限界、潔さではどうにもならない状況に!!


皆さん、上の原田会長の語ったことをどう思われるでしょうか。私は、マクドナルドは、デフレになってからも努力をして、景気の悪さなどものともせず、ずっと好業績を維持してきました。素晴らしいことだと思います。



そうして、マクドナルドが、不況であっても成果を上げられたのには、それなりの背景があると思います。その背景とは、デフレとはいっても、強烈な円高であったため、世界中から食材を調達する日本マクドナルドに有利に働いてきたと思います。それから、デフレになる前から、店舗数もかなりあり、規模の利益を享受できる体制にあったことも幸いしていたと思います。

無論、これらが背景にあたことに付け加え、原田会長および、役員や、マクドナルドの社員たちの努力、創意工夫があったからこそ、ずっと好業績をあげられてきたのだと思います。詳細は、上の記事をごらんいただくものとして、以下に、原田会長自身の言葉をコピペさせていただきます。
10月からは店舗での商品提供のスピードを上げるために、レジカウンターのメニューをなくすという新たな策を打った。だが、この取り組みがインターネット上で批判的に取り上げられる騒ぎとなった。
レジカウンターのメニューに関しては、私も以前から、気にはなっていました。私は、大抵は、レジカウンターの上に掲示してあるメニューを見てから、注文するので、すぐ注文するのですが、確かに、レジカウンターにメニューが置いてあると、そのメニューを見てその場で考えるというお客さんも多く、それによって、お客さんの滞留がおこるということが、ままあったことは事実です。

そもそも、ファスト・フードで食事をするということは、高級レストランで食事をすることとは異なり、豊富なメニューからいろいろ選ぶとか、自分の拘りを満たすなどというものではなく、手軽に、素早く食欲を満たしたいというのが第一義であるので、こういうお客さんが、自分の前にいて、あれこれ時間をかけているのを見るとイライラしたこともあります。

確かに、外国のマクドナルドでは、カウンターにメニューはない。
私だと、ハンバーガーは、ハンバーガーだという考えですから、それなりのもので、美味しかったら、見つけものくらいの感覚で注文します。ファストフードの元来のありかたは、そういうことだと思います。だから、カウンター・メニューなどあっても、なくても良いです。混んだときに、ラミネート加工をしたメニューが見られるならそれでいいです。それに、諸外国のマクドナルドでは、カウンターにメニューを置いてあるところは、ありません。日本のマクドナルドだけが置いていたということです。

また、これからのこととして、新商品の絞込みをすることを語っています。
今後は新商品を絞り込み、マーケティングの手法も見直す。さらにビッグマックなど定番の既存商品の販促に力を入れることで巻き返しを図る。
これも、当然といえば、当然と思います。ファスト・フードでは、あまり新商品に力を入れることはないと思います。そもそも、ハンバーガーは、ハンバーガーですから、飽きない程度に時々新商品が出るとか、新商品が予想に反してかなり売れるというのなら、しばらく定番にするなどで良いと思います。そうして、できうるなら、既存メニューをさらに美味しくするなどのことも積極的にやっていただきたいものです。それに、諸外国やアメリカ国内でも、日本のマックのように新商品を頻繁に出していところはありません。

マックの新商品先行試食イベントのポスター
そうして、原田会長としては、市場に関して自分の見立て違いであると反省しておらるようですが、私は、現状では、それだけではなく、日銀のマクロ金融政策や、政府の財政政策に関しても、そろそろ、苦言を呈しても良い時期にさしかかっているのではないかと思います。

これは、経営者としては、格好が悪いです。景気が悪くても、胸を張って、「景気が悪くても、こんなに業績をあげています。こんなに頑張っています」という経営者のほうが、かなり格好は良いです。そうして、景気が少しくらい落ち込んだからといって、すぐに、景気のせいにする経営者など、格好も悪いして、自らの能力のなさを披瀝しているようなものでした。そうして、これは、10年くらい前までは、確かにしっかりあてはまったことだと思います。

しかし、現状では、かなり状況が異なってきています。すでに、デフレ傾向になってから、20年、統計上でも、はっきりとデフレとなってからも、10年以上継続しています。10年以上もデフレが続いた国など、歴史上はじめてではないかと思います。無論、日本では、まともな経済統計ができて以来はじめてのことです。



ちなみに、国際通貨基金(IMF)のデータベースをもとに、1980年以降に消費者物価が前年と比べて2年以上続けて下落した国を「デフレ経験国」とすると、ブルキナファソやマリ、中央アフリカなど、ほとんどが開発途上国です。先進国で、日本のようにデフレが続いた国はありません。

リーマン・ショック後の消費者物価をみると、2009年は米国やスイス、台湾、ポルトガルなどでマイナスでしたが、10年にはアイルランドと日本だけが「デフレ経験国」になりました。そのアイルランドも11年には物価が上がり、デフレから抜け出しています。最早、デフレは、主要な先進国では、日本特有の現象になりました。デフレとは、このブログにも過去に何度か掲載してきたように、経済の癌とも呼ばれるような、経済の病です。日本では、このようなデフレを過去20年にもわたって、放置してきたということです。

デフレを前提として、経済や、金融、そうして、企業活動などを考えるなどということは、根本的な誤りです。デフレ下では、企業がいくら努力しても、業績があげられない面があります。

シャープや、ソニーそうして、半導体のエルピーダなど、これだけの円高で、しかも、国内がこれだけ酷いデフレ状況では、最初から足枷、手枷をされながら、事業を営んでいるのと同じであり、これを異常なウォン安である韓国の凡庸なサムスンなどの企業と、単純比較するなど完璧な誤りです。

そうして、円高メリットや、国内で規模の利益を享受できる体制が整っていた、マクドナルドですら、とうとうこのデフレには、なかなか対応しにくくなってきたというのが、実情だと思います。ちなみに、マクドナルドでは、10月から、カウンターメニューを廃止したそうですが、その前の9月から、景気動向指数が、前月割れの状況にあり、景気後退局面に入っています。以下にそのグラフを掲載しておきます。マクドナルの不振の要因は、カウンターメニューがどうのこうの、新商品がどうのこうのと言う前に、こうした景気後退局面によるもののほうが、大きいのではないかと思います。


普通、大規模な自然災害があったような国では、自然災害によって、いっとき景気が落ち込みますが、復興で、国の公共工事はあるは、中央銀行は、復興のため、金融は緩和気味にするので、震災の次の年に景気後退局面がくるなどということはあり得ません。全く異常です。そうして、上の景気動向指数のグラフでは、さらに、12月に景気が落ち込むことを示しています。このままだと、マクドナルドも12月には、かなり業績を落とすことが予想できます。これは、異常中の異常です。日本のマスコミがこの異常状況を異常であると報道しないことは、ほんとうにどこか、とち狂っているのか、何かの陰謀ではないかとすら思えてくるほどです。本当に陰包かもしれません。

しかし、日本の場合は、政府は古今東西全く聴いたことのない(どこの国でも、建設国債などで賄うのが、当たり前のど真ん中)、復興税などという復興のための税金を導入しましたし、日銀は、先日も掲載したとおり、金融引締め路線を堅持しています。こんな異常な状況では、マクドナルドも、そろそろ限界が来て当たり前だと思います。

先日、このブロでは、上場企業の半分は、業績をあげていることを掲載しました。だから、日本の将来に悲観する必要はないという趣旨のことを掲載しました。しかし、半分の企業は、新たな事業をしているのであって、新規需要が見込めるため、成長しているという側面があります。これらの企業が将来を担っていくという側面は確かにあります。

しかし、だからといって、マクドナルドのような既存の事業も、工夫や努力次第で少しずつでも、伸びていける余地がないようでは、日本の先行きは、思いやられます。そうして、これは、何も企業の責任だけではなく、日銀の馬鹿な金融政策、政府の馬鹿な財政政策によるものが大きいです。なのに、マスコミは、民間企業の窮状をみて、上の記事のように、単なる企業経営者の見立て違いのようにしか報道しません。まったく、異常です。もう、普通の国のまともなマスコミの役割は、全く果たしていないと言っても過言ではないです。



この状況は、本当に異常です。多くの人々は、長く続くデフレ、異常になってから久しいマスコミ報道に慣れてしまい、なんとも思わなくなってしまっているのかもしれません。しかし、そんなことは、断じてありません。諸外国と比較すれば、日本の状況は、かなり異常です。私は、そろそろ、マクドナルドの原田会長はもとより、既存産業の経営者も、いわゆる格好良さ、潔さをかなぐり捨てて、政府の財政政策や、日銀の金融政策に苦言を呈しても良い時期に来ているのではないかと思います。主だった、日本の有名企業の経営者は、日銀や政府の政策のまずさを追求すべきです。こんなやり方は、民間営利企業などでは、許されないことであり、こんなことをつ告げているような企業は、すでに、市場から見放され、抹殺されているはずです。企業経営者も含めて、多くの人々による、まともな、世論形成をしていかなければ、失われた20年が、30年になることも十分考えられます。

そうして、自民党の安倍総裁は、現状では、一番こうした状況を理解していると思います。自民党の総裁選において、そのことは、十分理解できました。そうして、明日は、野田首相による、国会解散が予定されており、選挙も間近です。このように、国政に関しては、20年も放置された、デフレをまず克服する目処をつけることが、最優先課題です。しかし、この課題を克服することはたやすいことではありません。なぜなら、そこには、財務省や、日銀という官僚組織の高い険しい壁が立ちはだかっていて、結局古今東西にに稀にみる20年間もの間デフレ状況を放置してきたからです。もう、これ以上日本の既存企業が破壊され、日本人の雇用が奪われてく事態を座視するわけにはいきません。

デフレを克服するということは、この険しい壁を打ち砕くということです。私たちは、まずは、この経済の癌といわれる病を直し、官僚組織の最も険しい壁を打ち破るデフレ克服を第一義にあげる候補者に票を投じるべきと思います。そう思うのは、私だけでしょうか、皆さんは、どう思われますか?



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2012年11月14日水曜日

中国、強気姿勢から一転、対日制裁の撤回求める声「こちらの打撃の方が大きい」―【私の論評】撤回を求める声は、胡錦濤派の反撃か?!はたまた、習近平の完全勝利を意味するのか?いずれにせよ、中国首脳陣も予想だにしなかったことが、間近に迫っている!!

中国、強気姿勢から一転、対日制裁の撤回求める声「こちらの打撃の方が大きい」:

共産党大会にて、前列左から、胡錦濤、江沢民、温家宝。中央の立っているのは、習近平
中国の対日経済制裁でより大きな打撃を被るのは日本なのか、それとも中国なのか。これまで中国側は「日本の対中依存度の方が高いので、大きな打撃を受けるのは日本だ。中国は大したことはない」と強気一点張りだった。ところがここにきて、中国側から「中国の受ける打撃の方がむしろ大きい」と対日経済制裁の撤回を求める声が出始めてきた。

この記事の詳細は、こちらから!!

【私の論評】撤回を求める声は、胡錦濤派の反撃か?!はたまた、習近平の完全勝利を意味するのか?いずれにせよ、中国首脳陣も予想だにしなかったことが、間近に迫っている!!

上記のようなこと、最初からわかり切っていることです。何故今頃このような声がでてくるのか不思議です。最初からわかり切っていることは、上の記事に掲載されていること以外にもいくつもあります。本日は、まずは、それを掲載することからはじめます。

マスコミは、日本の対中国が減少していることを煽っているが?
まずは、日本の対中輸出は日本のGDPの2.79%に過ぎないというところから始めます。

上の記事では、以下のように掲載されています。
中国側が日本の打撃の方が大きいと主張してきた根拠は、日本の輸出の対中依存度が20%前後まで高まっているのに対し、中国の輸入の対日依存度はせいぜい10%強にしか過ぎないことだった。日本から輸入しなくても、その分は他国からの輸入で十分に補える、と一貫して強気の姿勢を見せていた。
これは、一体どのような統計を引っ張ってきたのか、わかりませんが、もっと理解しやすい日本側からみた統計があります。

日本から中国への輸出は、平成21(2009)年度における中国・香港向けの輸出額は約1415億ドルです。これだけみるとずいぶん大きいようにみえます。しかしながら、同年の日本のGDP(国内総生産)は約5兆ドルなので、そのわずか2.79%でしかありません。

これを企業活動にたとえてみると、年間1000万円の利益を上げている会社があるとします。その顧客の一つが倒産して、28万円の売上がなくなったのと同じです。多少の痛手ではり、営業部長は、社長に怒られるかもしれませんが、致命傷というほどではありません。

それに、日本企業が中国に部品を輸出して、現地子会社で組立をし、完成品を日本に逆輸入したり、欧米などに輸出したりする割合もかなりあるので、これらは中国がなくなっても、ベトナムその他で十分、代替が効ききます。こんなことを考慮すると、実際の損失はもっと小さいです。

それに、2、3%のGDP減少は、それほど珍しいことではありません。平成12(2000)年を基点として、平成22年(2010)年までの10年間で、GDP(名目USドルベース)が対前年で4%以上下がった年が3度もありました。

以下のような記事もありますが、以上のようなことを考慮すると、対中輸出などほとんど日本には、影響がないことを理解することができます。
日本の対中依存 対中国輸出3割減でGDPを0.6%押し下げ(1)
サーチナ 10月27日(土)12時36分配信
この記事を書いた人、何を考えてるいるのか、わかりません。1%未満のGDPなど、誤差の範囲内にすぎないと思います。この記事を書いた人は、中国が日本及ぼしている影響を明示しようと考えてこのような記事を書いているのでしょうが、特にまともな企業経営者とか、営業部長などが、読めば、いかに日本の対中依存度が低いかを明示しているにすぎません。これでは、逆効果です。


次に、中国からの輸入は2.44%、しかも代替が効く品が多いということを掲載します。

中国・香港からの輸入は、同じく平成21(2009)年度で約1236億ドル、GDPの比率にして2.44%です。そうして、中国からの輸入は、農産物や安価な工業製品が多いです。農産物なら多少値段が高くとも、高品質で安心できる国内産で代替できます。特に食料品は、最近の中国のものは、安全性の問題もありますから、他国から輸入したほうが良いかもしれません。

安価な工業製品も、中国製でなければならず代替できないなどというものは、ありません。国内産の高級品、あるいは東南アジア製などで十分代替可能です。


次に、日本の対中投資はGDPの1%強にすぎません。

平成21(2009)年度末での対外直接投資残高で見ると、中国向けは550億ドルでした。GDPに対しては1%強です。日本の対外投資残高は7404億ドルで、そのうちの7.4%に過ぎないのです。これは対米の四分の一、対西欧の三分の一の規模です。

中国政府がもし日本の資産を接収するような暴挙をしたとすると、日本はGDPの1%強を失うだけですが、その瞬間にすべての外国からの対中投資はストップすることでしょう。外国からの投資を接収してしまうような無法国家に投資しつづける愚かな国や企業があるはずはありません。すでに投資した分も回収にかかることでしょう。

それに、中国の反日的な態度は、何も最近に始まったことではなく、特に江沢民が体型的な反日教育をやりはじめてから、酷くなり、しばしば反日デモが繰り返されてきました。だから、中国への投資を控える企業も増えてきました。そのため、すでに、数年前から、日本から中国に対する直接投資は、減少しています。すでに、対中直接投資よりも、体インド直接投資のほうが増えています。日本の大方の企業経営者は、チャイナリスクを織り込み済みで、インドに直接投資をシフトしていたということです。

それと、極めつけは、中国GDPの十数パーセントが、日本との合弁企業などによるものである。

これは、中国が統計を発表しないので、正確なことはわかりませんが、昔から日本の企業が中国に進出し、近年では、加速していたので、少なくともこの位にはなっていることが十分考えられます。これは、誤差の範囲などというものではありません。今後このまま、中国が対日強行路線を続け、日本側が撤退したり、日本の企業だからといって、不買運動などやっていれば、中国の経済はかなり落ち込むことでしょう。

マスコミは、まるで、中国がなければ、日本が大変なことになってしまうように、日々刷り込みをしていますが、まったくそんなことは、間違いであることがはっきりしています。上にも、示したように、利口な経営者は、すでに数年前から、対中国直接投資を控えています。私は、もう数年前から、日本人で、中国幻想に酔っているやつは馬鹿だと、このブログに掲載してきましたが、最近の中国の様子を見ていると私の見立てはあっていたし、ますます、その思いを強くするばかりです。

上記の数字大部分が、平成21年の数字ですから、多少現在のものと違うこともありますが、論旨を変えてしまうほどの大きな差異は、ありません。詳細を知りたい方は、ネットで調べてみてください。念のため、掲載しておきます。

このようなことは、最初からわかっていたことです。わかった上で、このブログにも掲載したように習近平は、対日デモとせんかく上陸の指揮をとり、対胡錦濤、対江沢民対策をとって、うまくいくと思っていたに違いありません。そうして、胡錦濤、江沢民とも要職からは、完全引退ということで、勝利しちようにも見えます。しかし、実際はどうなのかは、まだ見えて来ません。今の時点で、中国内で対日制裁の撤回を求める声が出るということは、胡錦濤側が、最後のダメ押しをしたのか、はたまた、習近平が完全に権力を把握したので、最早、対日制裁は必要ないということなのか、まだはっきりしません。江沢民は、もともと、体系的な反日教育をしてきたということから、今回のこのような声を背後で操っているということは考えにくいです。

いずれにせよ、彼らの頭の中には、中国人民や、日本だとか、日本の国民などということは、まったくありません。とにかく、自分たちの都合で動いているだけです。中国人民や、日本の政府や日銀、ましてや、国民など、所詮バカなので、対日工作をしているので、自分たちの都合通り動くものと信じて疑っていません。それに、現日本政権など、少し強いことを言えば、オタオタするだけなので、どうにでもなると思っています。
麻薬中毒患者の写真、左は、使用前、右は使用後数年
しかしながら、彼らは、すっかり以下のような点を見失っています。現在中国は、日銀による手厚い補助により、麻薬漬けになっており、日本という麻薬から逃れられないような国体になっています。これに関しては、以前このブログにも掲載しています。そのURLを下に掲載しておきます。

中国は世界で最もストレスの大きい国に―【私の論評】日本の円高・デフレを終わらせ、中国麻薬漬け政策を終わらせ、中国に新社会秩序を打ちたてよ!!


詳細は、上の記事をご覧いただくものとして、この記事に関連した部分のみ解説します。

中国は、固定相場制というただでさえ、有利な状況の中で、日本銀行が、過去20年にもわたって、金融引締めで、円高・デフレ政策を続けてきたため、中国側からすると、景気が落ち込んだりした場合安易に元を擦り増ししても、ハイパーインフレになる恐れもないため、いままでは、簡単にマクロ経済・金融対策をすることができました。特に、円高であれば、中国は、日本から部品などかなり低廉で購入して、それを自ら製造した機器などに組み込み、輸出して大儲けをすることができました。それどころか、日本は、円高のため、日本で製造するよりも、中国で生産して、日本に逆輸入したほうが、コストが低くすむということで、中国への製造拠点移転などが進みしました。

日銀は、こうして、中国がいわゆる世界の第二の経済大国になることを担保し、協力してきたわけです。しかし、他国では全くあり得ないようなこのようなことが続いたので、経済は伸びましたが、社会構造の転換がすっかり遅れてしまいました。

そのツケが今、一気に回ってきたというのが現在の姿です。世界の工場はできないし、だからといって、中国独自の製造技術などまだ発達していません。労働者の賃金はあがる一方です。そうして、日銀のまるで中国の打ち出の小槌のような政策も効き目がなくなってきています。日銀は、ますます、金融引締めに走っていますが、中国の経済は停滞したままどころか、ますます、酷くなる勢いです。もう、安易な元擦り増しではいかんともしがたい状況になっています。もし、従来のように気楽に擦り増していたら、ハイパーインフレになることは必定です。

中国腐敗の象徴ともなった薄煕来一家
日本銀行は、過去長きにわたって、中国人民銀行東京支店のように、日本国内のデフレ・円高など完璧に無視して中国の経済発展に寄与してきましたが、ここにきて、日銀白川総裁、中国人民銀行周小川総裁、それどころか、習近平、胡錦濤、江沢民も予想しなかった事態が発生するかもしれません。それこそ、日銀白川総裁はまったく期せずして、中国社会構造の変革を促すことになるかもしれません。

本日は、野田総理と、安倍総裁の党首討論があり、野田総理が、16日に解散をするという意向を発表しています。安倍総理が生まれる可能性が高まってきました。もし、安倍総裁が総理になることができれば、デフレ対策を行います。その一環として、日銀法の改正を行うことは必至であるとみられています。

そうなると、日本銀行の金融引締め策は終わり、緩和政策に転ずることが十分予想されます。そうなると、中国にとって、打ち出の小槌が効かなくなるどころか、そもそも、なくなってしまうということです。要するに、麻薬が突然打ち切られるようなものです。重度の麻薬患者が、麻薬を突如打ち切られると、その中毒症状がかなり酷くなることは皆さんご存知だと思います。そうなれば、ただごとてはすみません。ただでさえ、経済が落ち込んでいるのに、単なる落ち込みどころではなく、経済が破綻するおそれすらあります。

そうなれば、ただでさえ、人民の憤怒のマグマが高まり、いつ噴火してもおかしくない中国は、とてつもないことになります。今の中国の指導体制は崩れ、新たな新秩序が生まれ、社会構造の変化が一気に進むかもしれません。そんな危機が迫っていることを中国首脳部は、誰も理解していないかもしれません。

このようなシナリオ、中国首脳部が理解してないのは、もとより、日本では、ほとんどの人が理解してないと思います。とはいいながら、一番理解しているのは、安倍総裁かもしれません。だからこそ、日銀インフレ目標3%、日銀法改正の意向を表明しているのだと思います。そうして、このシナリオは、十分あり得ると私は、思っています。皆さんは、どう考えられますか?




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2012年11月13日火曜日

日銀総裁、インフレ目標に否定的 「現実的でない」―【私の論評】インフレ目標を否定する、白川総裁本音炸裂!!マスコミはその協力者!!

日銀総裁、インフレ目標に否定的 「現実的でない」

日銀の白川方明総裁は12日、デフレ脱却に向けて日銀がインフレ目標を設定すべきだとの意見に対し「物価も賃金も上がらない状況が長く続いた日本経済では現実的でない」と述べ、否定的な見解を示した。共同通信が都内で開いたきさらぎ会で講演した。


日本の消費者や企業では「物価は上がらないのが普通だという感覚」が定着しているとして、白川総裁はインフレ目標を設定しても「いきなり人々のインフレ予想が高まることは起こり得ず、われわれが望むデフレ克服とは違う」と述べた。

その上で、経済成長には企業の新規事業の開拓が重要とし「思い切った規制緩和など政府の役割も大きい」と強調。

【私の論評】インフレ目標を否定する、白川総裁本音炸裂!!マスコミはその協力者!!

この発言、暴言以外の何ものでもないです。本当に困ったものです。やはり、日銀は本格的な金融緩和などまったくするつもりがなく、円高・デフレの守護神をこれかも続けると宣言しているようなものです。デフレを長い間許容していたから、物価も賃金も下がる状況が続いているのであって、因果関係が完全に逆転しています。白川総裁は、必要条件と十分条件の区別もつかないようです。そうして、これは、本音なのだと思います。しかし、ここまではっきりせずとも、このような本音は前から十分に推測できました。


たとえば、日銀は「資産買入れ等の基金」を10年10月に「創設」していますが、これは得体の知れない看板にすぎず、これはあくまでも日銀のバランスシート上で特別の項目を建てただけのことで、現実は、短期的な市場オペを行い、一部、株式投信、不動産投信インデックスを買い上げ、日銀が株式、不動産相場に介入してるだけです。短期的な市場オペとは、結局国債を買い取るにしても残存期間が1年から2年のばかりで、これでは、本格的な緩和措置にはなり得ません。マクロ的にみれば、現金をあちこちたらい回しにしているだけで、結局マネーサプライの総量は変わらないどころか、減少しています。そうして、結局金融引き締めめををしているということです。

全く愚かな政策です。中央銀行である日銀の行うべき金融政策はあくまでもマクロ政策であり、市場での相場形成は民間にまかせ、中央銀行は直接関与すべきではありません。

現在の日本では、最優先すべきマクロ政策は、脱デフレであり、日銀はお札を継続的に増刷する「量的緩和政策」を実施し、さらにインフレ目標を提示し、提示するだけではなくそれを実現するために責任を持つことです。責任を持つということは、期間も明示し、その期間に目標を達成できなけば、よほどの理由がない限り、白川総裁が辞任するということです。そうして、政府はこの日銀資金を再生・復興に役立てる戦略を立て、実行するということです。


ところが、日銀は「量的緩和」と「インフレ目標」に二つも明確にせず、「包括緩和」と「インフレのメド」と言い換えています。量の面では「基金70兆円」と言いながら、量的緩和の指標であるマネタリーベースは本年3月末、前年同期を下回りました。

日銀は「基金」を3月末までの1年間で17兆円増やしてあたかもお金を17兆円新規に刷ったかのごとく発表して、マスコミはこの情報を垂れ流ししてますが、これはトリックに過ぎません。現実には、マネタリーベースは6兆4000億円減少しました。結局日銀は実際には緩和とみせかけて、お金を吸い上げて引き締めています。その結果、2月14日の「1%のインフレのメド」発表でいったん円高是正に振れたマーケットもすぐに元に戻りました。


要するに、白川総裁のやっていることは、圧力や批判をかわしすための偽装緩和にすぎず、その目的はデフレ・円高を堅持するためとしかいいようがありません。これでは、一体日銀はどこの国の中央銀行なのかさっぱりわかりません。これでは、日本の経済は悪化する一方ですが中国やアメリカなど他国を利するだけです。

さて、このような日銀の挙動に関して、マスコミは以前から、いわゆる日銀の独立性を盾にとって、擁護してきましたが、最近さらに気になる動きがあります。それは、明らかに事実を曲解させるような動きです。

たとえば、昨日のWBSでは、以下のような画像が流されました。

この画像驚くべきことに、日本のマネタリーベース(市場に出回っているお金)が世界一であるかの印象を植え付けるようなものです。これをみると、大方の人は、あたかも日銀がかなりの金融緩和をやっているように曲解すると思います。これは、実額を示しているものなのでしょうか、それとも・・・・・・。とにかく、実額にしても、対比にしてもあり得ないことです。WBSは、このような誤解を招くような報道をしたことを謝罪するべきです。


わかりやすくするには、どこかを基準として、そこからどのように伸び率が変わったかを複数の国で比較すべきで。たとえば、2000年を100とすると、以下のようになります。このような表示の仕方が一番わかりやすいです。こうしてみると、いかに、日銀が金融緩和をしていないか、一目瞭然です。こういう表示をすべきです。


それにしても、WBSの表示、なぜあのようになるのか、理解に苦しみます。そうして、WBSでは日本は、流動性の罠にはまっているので、財政出動をしても効き目はなく、規制緩和や金利の引き上げをしろと報道しています。需要がないので、現状では金利が下がっているのに、無理やり金利を引き上げれば、需要はますます冷え込むだけです。WBSは、リチャード・クー氏などがでているときは、本当に良い番組だったのですが、最近は日銀御用メディに成り下がってしまったようです。

これからも、このような日本国や日本国国民をいたぶる金融政策を擁護するマスコミがはびこるものと思います。そうして、自民党安部総裁の日銀インフレ目標3%とか、日銀法改正の意向表明などほんど報道されません。一体誰のための日銀であり、誰のためのマスコミなのかわかりません。私たちは、このような情報、印象操作に惑わされるべきではありません。そう思うのは私だけでしょうか?皆さんは、どう思われますか?


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2012年11月12日月曜日

韓国大統領府の捜索令状取得、土地購入疑惑で検察当局 初の大統領府捜索も - MSN産経ニュース−―【私の論評】異例の捜査でわかる、韓国大統領の傍若無人なる振る舞いの背景は負け犬の遠吠え!!北朝鮮、中国も同じ!!

韓国大統領府の捜索令状取得、土地購入疑惑で検察当局 初の大統領府捜索も - MSN産経ニュース


韓国の李明博大統領の私邸用地の不正購入疑惑で、韓国メディアは11日、特別検察官が大統領府の警護所に対する家宅捜索令状を取ったと報じた。大統領府への家宅捜索は過去に例がなく、実行されれば史上初。早ければ12日にも捜索令状の執行を試みる可能性がある。

ただ、国家機関に対する捜索には当該機関の同意が必要とされ、特別検察官が大統領府側と捜索方法や時期について調整しているとみられる。捜索令状を提示して大統領府に妥協を迫り、資料を任意提出させる可能性もある。 疑惑は、李大統領が長男の李始炯氏の名義で土地を購入し、購入・・・・・・・・・

この記事の続きはこちらから!!

【私の論評】異例の捜査でわかる、韓国大統領の傍若無人なる振る舞いの背景は負け犬の遠吠え!!北朝鮮、中国も同じ!!

韓国の李明博が、竹島上陸や、天皇陛下に対する不遜な発言に関しては、このブログにも以前掲載しました。以下にその、記事のURLをコピペしておきます。

李大統領を竹島に上陸させたのは朴槿恵?!−【私の論評】アメリカ金融機関経済植民地韓国の教訓を活かせ!!
これに関しては、イ・ミョンバク氏の前の韓国大統領ノ・テウ氏が、崖から飛び降り自殺をしたとされていますが、これは、おそらく、旧悪露見のため、刑務所に入れられることを嫌い自殺したなどと、いわれています。イ・ミョンバク氏もそうなりそうな勢いです。なぜ、そうなるかといえば、やはり、失政がはっきりして、国民はおろか、韓国の有力筋からかなりの恨みをかっているからです。
在任中の失政にも、様々なものがありますが、その中でも、最大のものは、米韓FTA批准です。日本でも、TPPのことが問題になっていますが、これに対しては、私は、これが本当に自由貿易になるというのなら、にやるべきと思いまずか、どう考えてもそうではないようなので、大反対です。
TPPに関しては、私自身は、まだ内容がはっきりしないので、反対も賛成もしようがないというのが実態です。ただし、今のところ、自由貿易をうたいながらも、どうもそうではないようなので、とりあえず反対もしておけという立場です。まだ、交渉に参加もしていないですから、何ともいえないところがあります。

交渉に参加するだけでも、大反対の人もいますが、私自身は、交渉に参加すること自体は、反対ではないです。参加してみて、やはり、自由貿易でないというのなら、その時点で交渉を中止すれば、それで良いものと思います。他にもこのような協定などありますから、TPPだけ、交渉も駄目という理由が良く理解できません。


まあ、野田さんに関しては今までが、今までなので、最終決済者であるこの人にまともな判断などできないという不信感があって、大反対しているという側面があるのかもしれません。それに、外務官僚の不甲斐なさというのもありますから、不平等な協定を平気で結ぶ可能性を案じてのことかもしれません。であれば、理解できるところがあります。そういう危機を避けるために、最初からタッチしないという選択肢もあります。だからこそ、このブログでも、あまりTPP論議については掲載していません。私の考えでは、本当の意味で、自由貿易になるなら大賛成ですが、そうでなければ、大反対です。そうして、TPPについては現段階では、それ以上のことはいえません。


しかし、米韓FTAに関しては、はっきりしています。これは、韓国にとって、不平等な協定であることは、はっきりしています。国民にコンセンサスが得られていないうちに、批准してしまい、実際批准してみると、後からまずいことがホロポロ出てきて、現在に至っています。この詳細に関しては、本日の本題からはずれるので、上のURLの記事中に、米韓FTAに関する三橋貴明さんの動画がありますので、詳細は、こちらの動画をご覧ください。(この動画iPadでは、バグなどで、見えないことがあるようなので、見えない場合は、PCでご覧になってください)

こんなことから李明博は、国民から相当怒りをかっています。次の選挙では、必ず負けます。負ければ旧悪が露見するどころか、現在の時点でも、すでに旧悪が露見されて、検察当局が、大統領府への捜索をするかもしれないという状況に至っています。これらの情報は、すでに、李は、力を失っており、レームダック状態になっていたことを示しています。

だからこそ、以前のブログにも掲載したように、自らの立場を少しでも有利にして、あわよくば次の選挙にも勝てるように、起死回生をはかるため、それまでなかったような、竹島上陸をしてみたり、これも、それまではみられなかったような、日本の天皇陛下に対する罵詈雑言をやってみせたのです。


しかし、そんなことをしても、韓国にとっては、何も良いことはありません。ますます、日韓関係を冷え込ませ、日韓通貨スワップ協定拡大措置の終了は、形式的には、韓国側からのように装っていますが、その実、日本側が、延長要請がなかったため、終了となりました。韓国経済は、現在非常脆弱な状況にあります。だから、この拡大措置は、本来ならは続けたほうが良いに決まっています。しかし、李の大馬鹿な振る舞いによって、できなくなったということです。そりゃそうですね、いくら民主党政権そのもや、野田総理が大の新韓国的であっても、李の傍若無人な態度の後で、日本でも、韓国に対する厳しい世論が形成されたので、そんなことをできる雰囲気ではなくなりました。

それはさておき、李のあの振る舞いには、このような背景があったということです。まるで、負け犬の遠吠えのようです。そうして、このことは、何も韓国だけにあてはまることではありません。北朝鮮だって、中国だって同じことです。北朝鮮あたりも、あの状況です。非常に難しい、国家・経済運営を迫られています。だから、時々ミサイル発射などの遠吠えを発するです。

現代の中国だって、同じことです。習近平が、主席になっても、まだまだ、胡錦濤や、江沢民が厳然たる権力を持っています。このブログに掲載したように、習近平が、反日デモ、尖閣上陸の指揮をとったとされています。これに関しては、このブログでも以前掲載したことがありますから、そのURLを以下に掲載します。


【中国の本性】習近平氏が反日デモを指揮? 尖閣巡り「習VS胡」激化―【私の論評】犯罪者が国家元首になる国家とはいかに?!!

この記事をご覧いただければ、なぜ習が、このようなことをするかといえば、中国の多数派閥が、習近平、胡錦濤、江沢民の三つの派閥に結集し、壮絶な権力闘争をしたわけですが、中国共産党大会の様子をみている限りです、習は、確たる成果をあげることができなかったようです。権力と闘争だけであれば、まだ何とかなりますが、現在中国は非常にまずい状況にあります。

中国は世界で最もストレスの大きい国に―【私の論評】日本の円高・デフレを終わらせ、中国麻薬漬け政策を終わらせ、中国に新社会秩序を打ちたてよ!!

現在の中国の窮地上の記事をご覧いただければ、良く理解できるものと思いますので、ここにでは、改めて、詳細は解説しません。ただし、上の記事で掲載しなかったことを手短に述べると、実は、中国のGDPの実に、10数パーセントが、中国に合弁・提携などの形で参入した日本企業によって、占められているという事実があります。


それに、このブログでは、中国では、小さなものまで、含めると建国以来毎年平均2万件の暴動が起こっているという記事を掲載してきましたが、ここ数年ではとんでもなく増え、最近の報道では、20万件とか、多い報道では、30万件とするところもあるほどです。これだけ、多いとなると、もうこれは、暴動といより、内乱状況といっても良いと思います。

現在中国では、反日デモなどで、中国に対して日本企業は、及び腰になっています。また、中国国内では、こんなことは無視して、日本製品ボイコットなどをしています。こんなことでは、中国の経済がますます落ち込みます、そうして、打ち出の小槌であった、日銀が金融緩和政策をとりやめれば、大変なことになります。


こんな弱り目にたたり目の状況であるからこそ、習は、反日デモや、尖閣問題などで、負け犬の遠吠えのように吠えているです。強者は、決してこのようなことはしません。韓国は、次期大統になれば、この遠吠え若干弱くなると思いますが、あくまで、若干という範囲だと思います。


中国や、北朝鮮などは、指導者が変わりましたが、それでも、国内のゴタゴタが変わるわけではないどころかますます酷くなることが予想されるため、これから、ますます、反日行為、反日デモ、尖閣問題などますます先鋭化する可能性が大です。

私たち日本は、国内のゴタゴタを日本に向けて遠吠えして、自分たちを保身するようなものたちの言いなりになる必要など全くありません。このようなことをまともに受けていては、ますます日本か不利になるだけです。このような弱者に対しては、毅然とした態度で臨むべきです。そのために、日本も、安部総裁が語るように、「戦後レジューム」からの脱却や、憲法改改正はもとより、それ以外でも、現行法の範囲でもできることは、すみやかにできるようにすることが急務です。そう思うのは、私だけでしょうか?


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