2017年11月28日火曜日

【スクープ最前線】12・18、米の北朝鮮攻撃Xデー警戒 各国緊張の極秘情報、世界最強ステルス戦闘機6機投入の狙い―【私の論評】今回は、米の北攻撃が始まってもおかしくない(゚д゚)!

【スクープ最前線】12・18、米の北朝鮮攻撃Xデー警戒 各国緊張の極秘情報、世界最強ステルス戦闘機6機投入の狙い

金正恩氏に迫るF22。トランプ大統領の狙いは
 朝鮮半島の緊張が続いている。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が、平和的解決を求めた中国の「特使」と会わずに“追い返した”ことを受け、ドナルド・トランプ米大統領は北朝鮮を「テロ支援国家」に再指定したのだ。北朝鮮による「核・ミサイル開発」の加速化と、各国の情報当局が警戒する「北朝鮮攻撃のXデーは、12月18日の新月の夜前後」という情報とは。ジャーナリストの加賀孝英氏の緊急リポート。

 驚かないでいただきたい。今、次の極秘情報が流れて、各国の情報当局関係者が極度に緊張している。

 《米国は、北朝鮮が平和的解決を拒否したと判断した。トランプ氏がついに『北朝鮮への予防的先制攻撃』(正恩氏斬首作戦)を決断し、作戦準備を命じた。第一候補のXデーは12月18日、新月の夜前後》

 旧知の米軍情報当局関係者は「この裏には、3つの重大な理由がある」と語った。以下の3つの情報だ。

 (1)米本土を攻撃できる北朝鮮のICBM(大陸間弾道ミサイル)「火星14」の開発が、年内にはほぼ完了する。米国には時間がない。

 (2)北朝鮮は10月中旬から、核弾頭の量産体制に入った。日本や韓国、米領グアムの米軍基地を狙う、中距離弾道ミサイル「ノドン」「火星12」に搭載可能になる。日本と韓国に潜入した工作員(日本約600人、韓国約5万人)の動向が異常だ。急激に活発化している。

 (3)北朝鮮への経済制裁が効いてきた。軍部は飢餓状態だ。正恩氏はクーデターを阻止するため、父の金正日(キム・ジョンイル)総書記の命日である12月17日か、来年1月8日の正恩氏の誕生日前後に、日本海の北部か太平洋上で、核実験(水爆の可能性も)を強行、暴走する可能性がある。

 正恩氏は“狂気”に走っている。

 米韓両軍は12月4日から8日まで、朝鮮半島周辺で、史上最大規模の合同軍事演習「ビジラント・エース」を行い、戦闘機約230機が結集する。米軍からは、空軍や海軍、海兵隊などの兵士約1万2000人が参加する。

 ここに、米空軍の最新鋭ステルス戦闘機F22「ラプター」6機と、同F35A「ライトニングII」が3、4機投入されるという。

 問題はF22だ。

 同機は「レーダーにまったく映らない。過去撃墜されたことが一度もない。敵を100%倒す」(防衛省関係者)と恐れられる、世界最強の戦闘機だ。F22が、朝鮮半島に6機も展開すれば初めてである。その狙いは何か。

 米軍関係者は「正恩氏に対する『白旗を上げろ! 米国は本気だ!』という最後通告だ。正恩氏は『F22に狙われたら命はない』と理解し、脅えて震えているはずだ」といい、続けた。

 「米軍は2005年、極秘作戦を強行した。F22の原型である世界初のステルス戦闘機F117『ナイトホーク』を、平壌(ピョンヤン)上空に侵入させ、正日氏の豪邸に目がけて、急降下を繰り返した。正日氏は手も足も出ず、死を覚悟して震えていたとされる。その絶対恐怖を息子が忘れるはずがない」

 重大な局面が迫っている。

 ■加賀孝英(かが・こうえい) ジャーナリスト。1957年生まれ。週刊文春、新潮社を経て独立。95年、第1回編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム大賞受賞。週刊誌、月刊誌を舞台に幅広く活躍し、数々のスクープで知られている。

【私の論評】今回は、米の北攻撃が始まってもおかしくない(゚д゚)!

北朝鮮を「テロ支援国家」に再指定すると発表したトランプ米大統領(20日、ホワイトハウス)
ブログ冒頭の記事では、ドナルド・トランプ米大統領は北朝鮮を「テロ支援国家」に再指定した事実をあげています。しかし、その理由まではあげていません。これを知れば、北朝鮮問題は確かに重大な局面に迫っていることが理解できます。

アメリカのトランプ大統領は11月20日、ホワイトハウスで記者団に対し、北朝鮮を「テロ支援国家」に再指定することを決めたと発表しました。

なぜ再指定したのでしょうか。その理由を、トランプ大統領は11月8日、韓国の国会での演説の中で詳しく説明しています。北朝鮮を「監獄国家」と激しく非難、その実態についてこう言及したのです(以下、読売新聞11月9日付朝刊から引用)。

韓国国会で演説するトランプ大統領(右端)
この演説の詳細を知りたい方は、是非以下のリンクをご覧になって下さい。
https://ameblo.jp/study-houkoku/entry-12327005453.html
以下にこのトランプ大統領の演説の一部をピックアップしつつ、説明をします。

《北朝鮮の労働者たちは、耐え難い状況下で、へとへとになりながら何時間もほぼ無給で働いている。最近、すべての労働者が70日間連続での労働を命じられた。休みたいなら金を払わなければならない。》

かつて北朝鮮も「労働者の天国だ」と言われたことがありましたが、実際はとんでもないブラック国家なのです。

 国民もまた、劣悪な生活環境と飢えに苦しんでいます。

《北朝鮮の家族は、給排水もない家に暮らし、電気が来ている家は半分にも満たない。親たちは、息子や娘が強制労働に送られるのを免除してもらおうと教師に賄賂を贈る。1990年代には100万人以上が餓死した。今日も飢えによる死者が続いている。

 5歳未満の子供たちの約30%は、栄養失調による発育不良に苦しんでいる。北朝鮮政権は2012、13年に、その独裁者たちをたたえる記念碑や塔、像をこれまで以上に建造し、それに費やした費用は約2億ドルに上ったと見積もられる。これは、国民の生活改善に充てた予算の約半分に及ぶ。》


 栄養失調にあえぐ北朝鮮の子ども
一党独裁の共産主義国家である北朝鮮には労働組合を作る自由も言論の自由もありません。このため、こうした人権弾圧がまかり通っているのです。

北朝鮮の飢餓を理由に食糧支援を主張する「人権団体」もありますが、いくら日本や韓国を含む西側諸国が北朝鮮に援助をしようと、その援助は国民に届くことはありません。金正恩政権が続く限り、一部の特権階級以外は、飢餓に苦しむことになるからです。その仕組みをトランプはこう説明します。

《北朝鮮の経済の貧弱な成果の分け前は、ゆがんだ体制に対する見かけの忠誠心を尺度に分配される。残忍な独裁政権は、平等な市民を尊重するのとはまったくかけ離れたやり方で、国家への忠誠心といういい加減な指標で国民を値踏みし、点数をつけ、ランク付けする。

 最高の忠誠心を持つと評価された者は首都平壌に住める可能性がある。最低の評価を受けた者は飢える。ちっぽけな違反行為によって、たとえば、捨ててあった新聞に掲載された独裁者の写真に誤って染みを付けただけで、何十年にもわたって家族全員の社会的な地位が地に落ちることになる。》

北朝鮮は、金正恩「万歳」を叫ぶ政府幹部とその家族だけがまともな暮らしをすることができ、その他の大部分は飢餓に苦しむ、凄まじい「差別国家」なのです。

レイプ、拷問、処刑。9歳の子供も監獄に

北朝鮮では、金正恩政権を批判したり、金正恩の写真をずさんに扱った人、キリスト教の信仰を持った人は容赦なく「強制収容所」に送られます。しかも日本人を含む多くの外国人が、北朝鮮のスパイ活動のために拉致され、北朝鮮に拘束されています。

《北朝鮮では推定で約10万人が強制収容所で強制労働に従事させられ、日常的に拷問や飢餓、レイプ、殺人にさらされている。

 祖父が反逆罪に問われたために、ある9歳の男の子が10年間も監獄に入れられた事例が知られている。別の例では、ある生徒が金正恩(キムジョンウン)の伝記のほんの細かい一節を忘れただけで殴打された。

 兵士が外国人を拉致し、北朝鮮のスパイのための語学教師として従事させてきた。

 朝鮮戦争以前、キリスト教徒の拠点の一つだった地域では、キリスト教徒やほかの信仰を持つ人々は、今日、祈りをささげたり聖典を持っていたりしただけで、拘束され、拷問され、多くの場合、処刑されることさえある。》


日本人拉致被害者も大勢いることを忘れてはならない
この金正恩政権は同時に、女性の人権も平気で踏みにじる国でもあります。

《北朝鮮の女性は、民族的に劣等と見なされる赤ちゃんの中絶を強いられる。新生児は殺される。中国人の父親との間に生まれたある赤ちゃんは、バケツに入れて連れて行かれた。衛兵は、不純で生きる価値がないと言い放った。

 それなのに、中国は北朝鮮を支援する義務をなぜ感じるのだろうか。》

これほどひどい「監獄国家」の北朝鮮を懸命に支えてきたのが、中国なのです。訪中する日本の政治家は多いですが、北朝鮮の人権侵害に加担する中国の責任を正面から追及する人が少ないのは本当に残念なことです。

自由な朝鮮、アジアの平和のために

こうした人権弾圧を阻止するためトランプ政権は今回、北朝鮮を「テロ支援国家」に再指定し、さらなる経済制裁を科そうとしているわけです。
トランプはこう続けます。

《すべての責任ある国家が力を合わせて、北朝鮮の野蛮な体制を孤立させ、拒絶しなければならない。いかなる支援も供給も行ってはならない。受け入れてはならない。中国とロシアを含めたすべての国に対して、国連安全保障理事会の決議を完全に履行するよう求める。北朝鮮政権との外交関係を見直し、すべての貿易と技術協力の関係を断ち切るよう求める。》

経済制裁を主張しているが、トランプは話し合いを拒否しているわけではありません。

《朝鮮半島を空から見ると、南はまぶしく光り輝く国で、北には真っ暗な闇が広がっているのが分かる。我々は、輝き、繁栄し、平和な未来を望んでいる。だが、北朝鮮にとってのより明るい道程については、北朝鮮の指導者が脅しをやめ、核計画を解体してはじめて我々は話し合う用意がある。》

トランプは核開発を断念すれば、交渉する用意があると主張しています。その目的は「自由な朝鮮」の実現です。トランプは長い演説の最後をこう締めくくっています。

《我々はともに、自由な朝鮮、安全な(朝鮮)半島、家族の再会を強く望んでいる。南北が高速道路で結ばれ、親族が抱擁を交わし、核の悪夢が美しい平和への約束に取って代わることを夢見ている。

 その日が訪れるまで、我々は断固とした態度で警戒を続ける。北を注視し、朝鮮のすべての人々が自由に生きることができる日が来るよう祈るのだ。》

アジアの平和と北朝鮮国民の自由のため、金正恩政権には断固とした態度で核計画の放棄を求めると主張しているのが、トランプ大統領なのです。

そのトランプの方針に日本はどう対応するのでしょうか、金正恩政権による人権弾圧や核開発をこのまま放置するのでしょうか、拉致被害者をいかに救出するのでしょうか「監獄国家」北朝鮮の実態を踏まえた建設的な国会論戦を期待したいものです。

金正恩は、トランプ大統領が北朝鮮を「テロ支援国家」に再指定したことを軽く考えるべきではありません。なぜ指定したかといえば、それだけの要因があるからです。

この要因だけでも、すでに北朝鮮は米国から先制攻撃を受ける可能性はかなり高まりました。これにさらに、北がミサイルの発射実験や核実験を再度強行すれば、それは米国に対して先制攻撃をしかける大きな理由を与えることになります。米国としては、このような機会が訪れれば何らかの形で攻撃するだけです。

ブログ冒頭の記事を書いている加賀孝英氏は、どちらかというと、結構煽る方であり、昨年年末あたりでも、今にも米国による北朝鮮攻撃が始まるようなことを主張しました。それらは、ことごとく外れましたか、今回だけは当たる可能性が高まってきたと思います。12 月18日に本当に戦争が始まるかどうかは別にして、年末から年始のいずれかに起こっても何の不思議もありません。まずは、全核・ミサイル施設、当面韓国への脅威になりそうな部隊等に対するピンポイントの爆撃やミサイル攻撃が火蓋をきるでしょう。

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2017年11月27日月曜日

無法韓国が「慰安婦の記念日」制定へ 平昌五輪危機、拓殖大・藤岡教授「重大な『日韓合意』違反」―【私の論評】韓国は朝鮮戦争休戦協定の当事者ではないことを忘れている(゚д゚)!

無法韓国が「慰安婦の記念日」制定へ 平昌五輪危機、拓殖大・藤岡教授「重大な『日韓合意』違反」

慰安婦の記念日を法制化した韓国。北朝鮮の脅威を
前に、文氏は日本と連携する気があるのか?
韓国の暴挙が止まらない。同国国会は24日の本会議で、毎年8月14日を慰安婦の記念日とすることを盛り込んだ「慰安婦被害者生活安定支援法」の改正案を可決したのだ。米国の仲立ちで2015年、「最終的かつ不可逆的」な解決とした慰安婦問題の「日韓合意」を反故(ほご)にするような無法ぶりだ。朝鮮半島危機を前にして、韓国は日米韓連携を壊すのか。

 「日韓の対立構造をさらに強める、重大な『日韓合意』違反だ」

 「慰安婦問題の真実」を追究している拓殖大学の藤岡信勝客員教授は、こう指摘した。

 8月14日は、1991年に金学順(キム・ハクスン)さんが記者会見し、初めて元慰安婦と名乗り出た日で、「韓国による慰安婦捏造(ねつぞう)キャンペーンの原点となった日」(藤岡氏)といえる。

金学順(キム・ハクスン)
 問題の法案は、法制司法委員会で前日(23日)、可決された。ちょうど、公明党の山口那津男代表が安倍晋三首相の親書を持参し、文在寅(ムン・ジェイン)大統領と青瓦台(大統領官邸)で会談した日である。

 文氏は、山口氏に対し、来年2月に開幕する平昌(ピョンチャン)冬季五輪に合わせ、「安倍首相が訪韓してくれることを期待したい」と要請し、山口氏も「安倍首相に伝える」と応じた。

 日本への「ツラ当て」にも思える対応だが、このままでは、日本人の韓国に対する感情は悪化するばかり。平昌五輪の集客にも大きな影を落とすのは必至だ。

慰安婦の追悼施設「記憶の場」
 韓国の傍若無人ぶりは今に始まったことではない。昨年8月、ソウル市などが慰安婦の追悼施設「記憶の場」を造った。今年6月に来日した韓国国会の丁世均(チョン・セギュン)議長は、大島理森衆院議長らとの会談で、平昌五輪に来る日本人が少なければ、「(2020年の)東京五輪には韓国人を行かせない」と言い放ったという。

 韓国側は、天皇陛下のご訪韓にも関心を持っているとされる。北朝鮮の軍事的脅威が続くなか、「反日・反米・従北・親中」の文政権の言動を信用できるのか。

 藤岡氏も「とんでもない話だ。韓国がこれほど無礼を働いている最中に、天皇陛下がご訪韓されることなど、あってはならない。安倍首相も同様だ。韓国は、慰安婦を『反日ネタ』として、最大限のゆすり・タカリを続けようとしている。日本の弱腰が増長の一因となっている。政府は『経済的断交』も含めた強気の対応を検討すべきだ」と語っている。

 【私の論評】韓国は朝鮮戦争休戦協定の当事者ではないことを忘れている(゚д゚)!

韓国のこうした傍若無人な態度は昔からで、特に驚くこともないのでしょうが、それにしても先日も北の兵士が韓国に亡命したばかりで、北の脅威はますます強まるばかりなのに、日本に対してこのような暴挙に出るのはなぜなのでしょうか。

結論からいうと、文在寅をはじめとする韓国政府のトップは、馬鹿であり、時局をわきまえることができず、何でも国内の事情が世界に通用するものと思っているから、このような愚かなことをしてしまうのです。

今までのことからも、これはわかっていましたが、今回の韓国のこの傍若無人な態度から、ますます確信が深まり、これは断定しても良いのではないかと思います。

それにしても、なぜ今回特に傍若無人なのかを考えてみると、今回のトランプ米大統領のアジア歴訪において対応した各国指導者のうち、韓国の文在寅大統領が世界で一番対応に失敗したからです。これについては以前のこのブログにも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
米WSJ紙、文大統領を激烈批判「信頼できる友人ではない」 韓国メディアは狂乱状態―【私の論評】「北朝鮮版ヤルタ会談」から締め出された韓国(゚д゚)!
韓国文在寅大統領(右)との会談を終え、記者会見するトランプ米大統領
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、そもそも、今回のトランプ大統領の韓国訪問の韓国側不手際などで、トランプ大統領の韓国ないしは文大統領に対する信頼はますます大きくゆらいでしまいました。

そもそも、北朝鮮現体制崩壊後のアジアの秩序形成は主に日米中露の四カ国に定められことになるのですが、もし韓国がまともな国であり、文在寅大統領がまともな指導者であれば、新秩序のあり方について意見を言い、それを取りあげてもらうことくらいはできたかもしれません。しかし、トランプ大統領訪韓への対応のまずさで、それすらも考慮してもらえなくなりそうです。

そもそも、1950年の朝鮮戦争の停戦協定における休戦協定の署名者は、国連軍総司令官と、北韓軍最高司令官および中国人民志願軍総司令は含まれていますが、韓国は含まれていないという事実があります

朝鮮戦争休戦協定に署名する金日成、朝鮮人民軍最高司令官。
休戦協定に韓国の代表も、ソ連の代表も参加していない。
ですから、韓国が北朝鮮の体制が崩壊した後の秩序について、直接交渉することはできませんが、米国や日本に意見を言い、それをとりあげてもらうことはできます。中国や露にそのようなことを言ったとしても、全く取り上げることはないでしょう。

北朝鮮は協定の当事者として、休戦協定に参加していますが、これは無論当時ソ連の傀儡として参加しているわけで、現実にはすべてがソ連によって決められていました。

北朝鮮現体制崩壊後の朝鮮半島の新秩序に関しては、日米中露で大筋が決めらることになります。

極端なことをいえば、日米中露の合意があれば、北が崩壊した後は、南の韓国も帳消しにして、半島全体で統一した国をつくろうということもあり得るわけです。

韓国は日韓合意を無視するような態度を取り続けています。しかし、日韓合意はそれまでの日韓基本条約とは異なり、米国が仲介した合意事項です。それを守らないということは、まともな国としてはみなされなくなるということになります。

愚かな韓国は、今後朝鮮戦争停戦協定の当事者ではないということに今更気づくのかもしれません。 

そうして、韓国はまたゴールを動かすような行為に出ることでしょう。停戦協定の当事者になるべきだなどの強行な世論が巻き起これば、文在寅大統領は、当事者面をして、日米中露のように振る舞い、朝鮮半島のあるべき姿などを主張するかもしれません。

日韓合意を守らない韓国のことです、今後は朝鮮戦争停戦協定の当事者ではないことを忘れて、まるで当事者であるかのように振る舞い、日米中露の当事者らから呆れ果てられるような行動を繰り返し、ますます国際社会から孤立して浮き上がった存在になることでしょう。

このような馬鹿さ加減は、直接付き合ってみないとわからないものです。今後は、韓国の馬鹿さ加減を知る国々がますます増えていくことでしょう。

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2017年11月26日日曜日

中国は絶望的「格差」国家、民衆の怒りが爆発する日―【私の論評】新たな脆弱性を抱えた習近平体制(゚д゚)!

中国は絶望的「格差」国家、民衆の怒りが爆発する日
「中国の特色ある社会主義」は19世紀の帝国主義にそっくり

中国の農村の風景。中国では都市住民と農民の間に圧倒的な格差が存在する(資料写真)

 10月に中国・北京で第19回中国共産党大会が開催された。内外の注目は人事に集中し、話題は汚職摘発の先頭に立った王岐山の去就や、チャイナ7(政治局常務委員)に次の総書記になる可能性がある50代が入るかどうかなどに集中した。

 王岐山はチャイナ7に留まらなかったものの、その他の人事は習近平の思惑通りとなったことから、マスコミは一斉に「習近平への権力集中が進んだ」と報じた。

 習近平は3時間以上にも及ぶ演説の中で2つの指針を示した。1つは「新時代の中国の特色ある社会主義」であり、もう1つは「中華民族の偉大な復興」である。この2つの目標は、その底流において深く関連している。

生まれ落ちた時から格差がある

大手マスコミは全くと言ってよいほど非難しなかったが、習近平が「新時代の中国の特色ある社会主義」と言っているものは、とても歴史の審判に耐えうる代物ではない。まさに噴飯ものである。

 そもそも社会主義は人々の権利の平等と所得分配の公平を謳う思想であろう。根底に平等がなければ社会主義とは言えない。

 中国にはものすごい格差が存在する。共産党幹部と深いつながりを有する一部の富裕層が天文学的な富を蓄えた。そして、それに連なる人々も裕福になった。その子弟は海外に留学するとともに、ショッピングバックを抱えて銀座を闊歩している。

 だが、日本に観光旅行に来て銀座で爆買いできる層は、多く見積もっても13億人の1割程度であろう。だから日本に来る観光客の数が、人口が5000万人の韓国を少し上回る程度でしかないのだ。

 中国には都市住民と農民を峻別する戸籍制度が存在する。この制度は中国がものすごい格差社会になった原因の1つである。現在、都市戸籍の保有者は約4億人であり、農民戸籍は9億人。

 都市戸籍になるか農民戸籍になるかは、「おぎゃー」と生まれ落ちた時に決まる。都市戸籍を持つ親から生まれると都市戸籍、農民戸籍を持つ親から生まれると農民戸籍になる。それは武士と農民を分けていた日本の江戸時代にそっくりだ。21世紀になっても中世さながらの制度が存在する。

 農民戸籍を持つ9億人の中の約3億人が都市に働きに出ている。しかし、都市戸籍を有さないために、子供を都市の学校に通わせることができない。最近は都市郊外に農民工の子供のための学校が作られているが、これはまさにかつて南アフリカで行われていたアパルトヘイト(隔離政策)そのものと言ってよい。

 中国の都市の住宅価格が高騰し、バブル状態を呈していることはよく知られている。普通のサラリーマンが住宅を手に入れようとすると、勢い郊外に目を向けざるを得ない。だが、いくら安いと言っても、農民工が多く住む周辺には住みたくないと言う。それは子供を農民工が通う低いレベルの学校に通わせるわけにはいかないからだ。そのために少々狭くとも中心部に住む。これは中国で不動産バブルが崩壊しない原因の1つになっている。

維持される戸籍制度

中国共産党は戸籍制度が格差の原因になっていることをよく認識している。そのために、胡錦濤政権では「和諧社会」なるスローガンを作って、格差の是正に取り組もうとした。しかし、胡錦濤の政治力では分厚い既得権益の壁を崩すことはできなかった。格差は胡錦濤の10年間で一層拡大した。

 このような状況にあるから、もし習近平が本気で社会主義社会を建設したいのであれば、政権基盤が強くなった第2期目において、「和諧社会」の建設に邁進すべきであった。それこそが共産党の使命なのだ。

 しかし、習近平は格差是正に舵を切らなかった。「新時代の中国の特色ある社会主義」では戸籍制度を維持するつもりのようだ。

 また、現在、中国には不動産に対する固定資産税や相続税が存在しない。このことが都市に住む富裕層に、富を不動産に移して効率的に蓄えることを可能とさせている。固定資産税や相続税をかけることは、戸籍制度の廃止とともに格差是正の切り札になる。しかし、それは都市の富裕層から激しい反撃を受けることになろう。だから、それについての言及もない。

 つまり、「新時代の中国の特色ある社会主義」とは、ものすごい格差を固定し、それを維持する体制を言う。それによって強い中国を作るということだ。

 それは「社会主義」と言うよりも「絶対王政」と言い換えた方がよい。ビスマルクが唱えてもおかしくない「軍国主義」であり、「中華民族の偉大な復興」とは、格差に苦しむ庶民に対して国威を誇示して不満をそらすことを言う。まさに19世紀である。

共産党は民衆の反逆を恐れている

習近平の今度の演説は、中国共産党が都市に住む富裕層の利益を代表する政党であることを明言したものである。

 しかし、いくらきれいな言葉で糊塗しても、虐げられた庶民はその本質を肌感覚で見抜いている。その結果、共産党は民衆の反逆を恐れる政党になりさがってしまった。強権的に市民をコントロールし続けており、治安維持に要する費用が軍事費を上回っている。また、インターネットを通じて共産党批判が広がることが恐れ、それを押さえることに血道を上げている。中国ではビックデータとは、共産党に批判的な者をあぶりだす手法を言う。

 歴史的な視点に立つとき、習近平は第2期目において19世紀の帝国主義路線に舵を切ったと言ってよい。それは、日本の今後に対しても大きな影響を及ぼすことになろう。

【私の論評】新たな脆弱性を抱えた習近平体制(゚д゚)!

中国共産党の第19回党大会が開幕。政治報告をする
習近平総書記=18日午前9時6分、北京の人民大会堂

18日に北京の人民大会堂で開幕した中国共産党第19回党大会で、習近平(シーチンピン)総書記(国家主席)が行った政治報告は3時間半近くに及びました。かつての共産圏の指導者をほうふつとさせる長時間の演説は、「反腐敗闘争」を通じて党内の権力基盤を固めてきた習氏の自信の表れとも言えそうです

「同志のみなさん」。この日、人民大会堂の演壇に立った習氏がそう呼びかけたのは午前9時すぎ。習氏は時折せき込んだり水を飲んだりしたことはあったが、休憩を挟むことなく午後0時半まで話し続けました。

長時間にわたる報告に、壇上に並んだ党代表たちの中には急ぎの報告を受けたりトイレに行ったりするためか、たまらず中座する姿も。習氏の隣の席に座った江沢民元総書記(91)は報告中に大きなあくびをしたり、何度も腕時計に目を落としたりしていました。

習氏の右隣に座った胡錦濤(フーチンタオ)前総書記(74)が2012年の前回大会で報告にかけた時間は、習氏の半分以下の1時間30分余り。胡氏は報告を終えて自席に戻った習氏に自身の腕時計を示して、「長かったよ!」と言わんばかりにアピール。習氏は苦笑いを浮かべていました。

習近平は、今回の党大会で華々しく自らの支配を見せつけましたが、一部の観察者は、習近平が実は背伸びしているのではないかと考えています。

習近平は、第19回党大会という舞台を完全に支配していたし、彼の権力は集団指導体制を崩し、毛沢東や鄧小平のような存在になろうとしている。「習近平思想」は、今や「新時代」の指導原理となったのです。

習近平思想の書籍『習近平氏国政を語る』
習近平政権の最初の五年における反腐敗キャンペーンで、153万の党員が調査を受け、27万8千人が起訴されました。その中には、440人の部、省レベルの幹部、そして43人の中央委員が含まれています。

軍も、1万3千人の幹部がクビにされ、50人を超える将校が汚職によって投獄されました。習近平は、その結果、空席となったポストを埋めています。習近平によって補充された幹部は今や中央委員会の20%を占めます。

習近平は派閥闘争でも優位に立っています。25人の政治局委員のうち、17人が彼の仲間です。政治局常務委員会では、7人のうち、4人が習近平派に属します。そして、ここ数十年で初めて、後継者となる人物が常務委員会に入らなかったのです。このことは、習近平が2期10年の定年制を無視しようとしていることを示しています。

このような急速な権力の強化によって、何が起きるのでしょうか。一部の分析者は、習近平の支配が完全となった結果、それが脆弱性になると論じています。習近平は経済と外交を完全に司るため、いかなる挫折も彼個人が責められることになります。

習近平は、自らに対する反対を懸念しており、最近、ある党内文書が、党の指導、共産党の歴史、中国の伝統文化と国家の英雄に対する批判を禁止したといいます。それはつまり、習近平に対する批判を禁止するのと同義です。

習近平の野望は国内あるいは個人の権力に限りません。彼は党大会で中国が2050年までに技術、金融、安全保障において支配的な「近代化強国」になることを目標としてあげました。5年前、中国が目指していたのは地域強国でした。それが今や習近平は中国が新たなグローバル秩序を作ると言っているのです。

トランプの米国は難しい問題に直面しています。習近平は今やトランプの好意に報いるつもりだし、トランプ訪中を盛り上げ、盛大な歓迎儀式の後には、双方の家族を含めた写真写りの良い会合を開きました。トランプ=習会談の「達成事項」は北朝鮮問題と貿易でした。

トランプ訪中
中国の戦略家は伝統的に、実際の勢力よりも自らを弱く見せることで敵を驚かせるのが賢明であると論じてきました。このやり方は今や君主のように君臨する習近平には不可能です。彼は、表面の派手な強さの内側にある脆弱性を自覚しなければならなくなりました。

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2017年11月25日土曜日

官僚の裁量、もっと国会が「縛り」を 「森友」検査院報告にみる「やっぱり」―【私の論評】「もりかけ」だけなら、次の選挙で立民・希望はダブル消滅(゚д゚)!

官僚の裁量、もっと国会が「縛り」を 「森友」検査院報告にみる「やっぱり」

森友学園問題について、会計検査院が国会に報告した。今2017年3月6日、参議院予算委員会において会計検査院に森友学園に対する国有地売却について会計検査を行うように要請があり、それに基づき、会計検査院が検査したものだ。

その報告書の所見において、「国民共有の貴重な資産である国有財産は、適正に管理及び処分を行う必要があり、国有地の売却等に当たっては、財政法第9条第1項等の規定の趣旨を踏まえ、定められた手続を適正に実施して公平性、競争性、透明性等を確保し、かつ、十分な説明責任を果たすことが求められている」とし、「今回、会計検査院が検査したところ、検査の結果に示したように、国有地の売却等に関し、合規性、経済性等の面から、必ずしも適切とは認められない事態や、より慎重な調査検討が必要であったと認められる事態等が見受けられた」とした。

森友学園を巡る問題について、会計検査院は「十分な根拠が確認できない」とした

なぜ「入札」にしなかったのか

要するに、8億円余り値引きの算定に十分な根拠が確認できないうえ、検証に必要な資料が十分残されていないというわけだ。

筆者は、早い段階から本コラム(3月9日配信「財務省の『森友答弁』はおかしい~」)で、森友学園問題の本質は、財務省官僚に裁量を与えすぎて入札にしなかったり、文書の保存をしなかったりした事だと言ってきた。つまり、安倍首相や夫人の関与などはなく、財務省の地方組織である近畿財務局の杜撰な事務チョンボということなのだが、それが会計検査院の報告書でも確認されたといってもいいだろう。

そもそも、筆者は「入札」にしなかったことを事務チョンボの最たるものとしている。会計検査院の報告書では、その点には言及せずに、「入札」ではなく「随意契約」にした場合には各種見積もりや合理的な算定根拠が必要だが、それらを怠ったということで、問題指摘している。そもそも、入札であれば、そうした見積もりや合理的な算定根拠は不要で、入札手続きさえ適正にしておけばよかった。

会計検査院の所見のはじめのところで、「定められた手続を適正に実施して公平性、競争性、透明性等を確保」と書かれているが、それは言外に入札にしておけば良かったのに、というのが会計検査を実施した検査官の思いではないだろうか。

文書の保存がないのは酷い

野党は、これでもまだ首相や首相夫人の「関与」というのだろうか。実は、筆者が財務省の事務チョンボを指摘したのは9か月ほど前であるが、その時やそれ以降はマスコミや野党はもっぱら首相や首相夫人の「関与」と言い続けていた。そのため、財務省の問題がスルーされていた。そうしているうちに、5か月前に、近畿財務局は値引き売却価格で買い戻した。これは、森友学園の小学校設置認可申請の取り下げに伴うものだが、結果として値引き売却による国民の損失はなくなった。不当な値引きで安い売却でもあっても、安い同価格で買い戻したからだ。

もちろん、これで近畿財務局の事務チョンボが許されるわけではないが、国民には実損を与えていないと、近畿財務局は言い張るだろう。

しかし、文書の保存がないのは酷い。公文書管理は政省令に委ねられ官僚の裁量が大きいところだ。もっと国会で縛りをかけるべき分野であるので、国会はそうしたところでしっかり仕事をしてもらいたい。

++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわ ゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。著書に 「さらば財務省!」(講談社)、「『年金問題』は嘘ばかり」(PHP新書)、「ついにあなたの賃金上昇が始まる!」(悟空出版)など。

【私の論評】「もりかけ」だけなら、次の選挙で立民・希望はダブル消滅(゚д゚)!

私も、森友問題に関しては、かなりはやい段階で高橋洋一氏の以下の動画をみていたので、森友問題では、野党何もできないだろとうと踏んでいました。実際その通りになりました。以下にその動画を掲載します。


この動画は今年の3月30日のものです。高橋洋一氏は35分あたりのところで語っています。その部分のみを以下に掲載しておきます。

"
これは大阪の近畿財務局が関係している話です。このての案件は全国にあるんです。本省(財務省)は関係なくて、現場の話(財務局の話)なんです。

近畿財務局
(森友学園の土地の件で)朝日が非常に安く売ったのが問題だとさわいだり。安倍首相と首相夫人がからんでいるじゃないか。といっていたが関与はなかった。

とにかく、安倍さんをやめさす、という話と一部メディアが結託して、それに野党がのっかっている。という感じがしますね。

なので、本当の話をしますネ。国有財産については、ふつう ノンキャリの人がやるんです。今回の土地の件は、現場レベルで慎重にやるべきだった。というのが私の意見です。
この土地について、財務局の初期段階のミスがあたわけです。財務局としてやってはいけないいくつかのミスが積もり積もって今回の話になっている。

最初のミスを取り返すためにいろいろやって今回の騒ぎになっってしまった。問題になった大きな土地は、伊丹空港の発着経路のところ。

騒音問題があって、その土地の当初の担当は航空局だったのが騒音問題がなくなって、財務局にその土地の担当がまわってきた。その大きな土地のざっくり言って半分ぐらいを豊中市に売った。

豊中市に土地を売ったのは2009年。当時は、民進党が政権の時だった。(国土交通副大臣が辻本清美の時)その時、財務局は、その土地の値段を14億2千万円とした。

ここに最初のミスがある。実は、その大きな土地は、ゴミがうまっている土地だったのだ。それを財務局は、ゴミが埋まっている土地であると豊中市に言わなかった。

豊中市にいわずに、土地の値段を14億2千万円だと言った。ゴミがうまっている土地ならこんな価格にはならない。14億2千万円の土地の価格は、ゴミが埋まっていない場合の土地の評価額。
つまり 最初から財務局がゴミがうまっていることを正直に話して、その土地を入札にかけていれば、今回のような問題はおきなかった。当時 民進党が事業仕分けなどしていて補助金があった。その土地を豊中市が買うときに、国から補助金が14億円出た。

なので、残りの2000万円で豊中市は、その土地を買うことができた。こういうことが同じ場所でたくさんおきている。

だけど トラブルにしないですんだのは国から補助金が出たから。豊中市は、補助金が出て14億円ださずにすんだからもういいや。という話になってしまった。

もし、普通の業者が この土地を買うとなったときにはこれは訴訟問題になる。訴訟(そしょう)で訴えられたら、財務局が負ける案件だ。

さて、大きな土地の残り半分の土地の買い手を財務局は探していた。そこのそばの大阪音学大学に売ろうとしたがうまくいかなかった。そこですぐ出てきたのが森友学園さんだった。

そのときすでに豊中市の事例について財務局は、ゴミがうまっていたのはわかっていて、それを言わなかった。財務局が籠池さんに提示したのが年間賃料が4000万円。財務局はわかっていて、ふっかけた。

篭池氏
「ちょっと高いんじゃないの?」と籠池(かごいけ)氏が言った。ゴミがうまった土地だと籠池(かごいけ)さんにいえばよかったのに言わなかった。

ところが当然、籠池さんは実は、そういう問題のある土地だと最初から知っていたから、財務局の弱みを知っていて、値段をさげさせるために交渉する。

しかし、交渉がうまくいかないので、それで、籠池さんは、鴻池(こうのいけ)さんに相談に行った。

その時の 鴻池(こうのいけ)さんの交渉(こうしょう)記録がある。途中トラブルがたくさんあった。

財務局がゴミ処理の業者をよんで話をきいたら土地のゴミ処理に10億円かかると知った。つまり、土地を10億円で売っても ゴミ処理に10億円かかる。

これではしょうがないからゴミを埋め戻せという話になる。これを場内処分という。

ゴミがあると本当は土地は安いはずです。こういうことを知っていた籠池さんは、土地の賃料を4000万円から2000万円に安くしていった。

最初から 財務局が ごみ処分して、土地をきれいな形にしてから入札すれば何の問題も出てこなかった。

ぜったいに、あとでつつかれないように土地の入札をするのが鉄則なのですが、それをやらなかった。そこを籠池さんにつけ入れられた。

だから財務局が値段をさげてなんとかかんとか売った。という話です。ゴミが埋まっているのを知っていて、随意契約をしてしまったのが問題。

訴えましょうか?と言われたら財務省がビビりますからね。訴訟案件がある場合は、かならず記録をとっている。

鴻池さんの記録6枚と業者の記録1枚を見ればすぐわかる話なのです。
"

つまり、お役人さんたちは、ゴミがうまっているような土地の価値が0円のような土地でも、高いお金をふっかけて売ろうなんてことをしているのですね。

しかも、土地売買にかかわる政治家や官僚さんなどが儲かるように、最初に高くふっかけて土地の値段を数十億円にしておくというのが、詐欺の仕事の大事な第一ポイントになっているのでしょう。

そして、国の補助金というお金で「国が助けて出しておいたよ~」といえば、残りのお金しかださなくてすむ買い手は助かったと思っている。いずれにしても、二重にだまされているわけです。

0円ぐらいの安い土地に対して2000万円支払って買っているし、国から出た補助金の「数十億円」は もとは国民から預かった税金です。こうした補助金詐欺の案件が全国にあるということなのですね。

税金の無駄遣いをしていたのが財務局というか財務省と民進党だということがよくわかる話でした。この話に出てくる財務局が 豊中市に14億2千円万で売った土地の話。

それが辻元清美が国土交通副大臣の時にかかわっていた「野田中央公園」のことでしょう。

民進党(現:立憲民主党)の辻元清美のことは、やはり追及していかなくてはいけないということです。

この内容、もう随分前からわかっていたわけですが、それを野党や新聞もとりあげることなく、結局会計検査院の報告書が11 月であり、結局高橋洋一氏が語っていたことに近いことが行われていたということで、首相や首相夫人の関与は全くなかったわけです。

野党や新聞はこれからも追求を続けるつもりのようですが、一体誰を追求するというのでしょうか。やはり、首相、首相夫人なのでしょうか。それでは、本質をつくものとはいえません。

やはり、財務省を追求すべきです。しかし、なぜか新聞も野党も、財務省は追求しないようです。結局野党も新聞も財務省を追求するだけの能力がないということです。

そりゃそうです。安倍総理や、総理夫人を追求し続けても何も出てこなかったのですから、普通は追求をやめるか、矛先を変えるのが普通です。しかし、未だに矛先を変えないのは、結局財務省は追求しないということです。

財務省をはじめとする、官僚を責めない、あるいは責めることができないということは、結局のところ、政府を運用する役人は責められないということです。責めれば、野党も新聞などのマスコミも、独自の情報源もないし、他の情報源を見つける能力がないので役人を本格的に叩くことはできないのです。

経済のことでも、財務省に役人を徹底的に責めると、新聞も野党も経済が理解できていないので、役人から情報をもらえなくなることを恐れているのです。そもそも、経済情報役人の発表情報だけとしいうのが、日本のマスコミ・野党のお粗末なところです。

そうして、結局役人にとって都合の良いよう情報ばかりを集めたり、聴いているというのが、野党やマスコミの大部分なのです。

こんなお寒い、状況では野党もマスコミもやはり「もりかけ」を継続する以外に道はないのでしょう。

 立憲民主党と希望の党は両方あせせても議席数は130までいかない。これは大惨敗。
しかし、今回の衆院選では、特に元民進党は、立憲民主党と希望の党を合わせて、少なくとも議席数が130を超えていれば、少なくとも党勢を維持することはできました。

議席数が両方あわせて、100と少しという状況では、どうみても大惨敗です。この状況では、党をまともな状況にもっていくだけでも数年はかかるでしょう。にもかかわらず、あいかわらず「もりかけ」でお茶を濁すことしかできないとすれば、元民進党である立憲民進党と希望の党は、次の選挙で今度こそダブル消滅です。

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2017年11月22日水曜日

「イヴァンカ基金」報道でわかるマスコミの呆れた経済リテラシー―【私の論評】テレビに国際・経済報道を期待でないわけ?

「イヴァンカ基金」報道でわかるマスコミの呆れた経済リテラシー

イヴァンカ・トランプ氏

そもそも「イヴァンカ基金」ではない

トランプ大統領の長女で大統領補佐官を務めるイヴァンカ・トランプ氏が来日し、連日動向がメディアで取り上げられた。そのなかで物議を醸したのが、氏が主導した「イヴァンカ基金」に日本政府が5000万ドル(約57億円)を出資するとしたニュースだ。

国のトップクラスの名前を冠したファンドは珍しいようにも思えるが、そもそもこの基金の目的は何なのか。政府はどのような意味合いで57億円もの巨額を拠出することになったのか。

これについて、各メディアは「安倍首相 イヴァンカ氏基金に57億円」との見出しで報道した。これに否定的な反応を示した人々も少なくない。たとえば社民党の福島瑞穂参議院議員は、ツイッターで「安倍総理がトランプ大統領にプレゼントをしたように見えかねない。なぜこのタイミングなのか?しかも個人的なプレゼントではない。みんなの血税だ」と投稿。

たしかに報道の字面を見ると、安倍首相がトランプ氏一家のご機嫌取りに血税を使ったように取られてもおかしくない。

だが、実際のところ単なる「プレゼント」とは大きく違ったものだ。まず、メディアでは「イヴァンカ基金」と通称で呼んでいるが、正式名称は「女性起業家資金イニシアティブ」といい、イヴァンカ氏個人のファンドではない。途上国の女性起業家が直面する制約を解消することを目指し、ワシントンにある世界銀行に設置されている。

ちなみにこの拠出は'17年7月にすでに発表されていて、日本以外にもすでに12ヵ国が拠出を表明している。つまり、わざわざ今回の訪日に合わせて準備した資金ではないということだ。

ダブルで「おいしい」投資先

そして今回の出資について「血税をつぎこんでいる」というのも、再考の余地がある指摘だ。なぜならこの57億円は、税金主体の一般会計からも拠出できるが、普通であれば政府が保有する「外貨準備」から拠出するのが通例だ。

外貨準備とは、相場の急変動への対応や対外債務の返済に用いられる準備資産であり、そのほとんどが政府の外国為替資金特別会計という名目で保有されている。

外国為替資金特別会計は短期債券を発行し、その資金で外債を購入して運用している。こうして生まれた外貨準備の残高は1・2兆ドル(約137兆円)ほどで、税金そのものを拠出したわけではないといえる。

また、外貨準備は債券が原資であるから、一定の収益がある。現時点でその利回りは1・7%程度といわれるので、単純計算で年間204億ドル(約2・3兆円)の収益がある。

つまり、外貨準備の中から57億円を拠出するというのは、年間収益のわずか0・3%程度を出すだけにすぎない。しかもこの資金はあくまで「拠出」で、タダで寄付しているわけではない。「イヴァンカ基金」が成功すれば日本の国際的評価も上がるはずだ。

いわば、国が財テクで儲けたそのわずか一部を別の分野で再投資しているだけにすぎない。メディアの報道があまりに不十分なことには驚くが、それを鵜呑みにして過剰反応する国会議員にも呆れてしまう。

しっかりと国のおカネの仕組みについて学んでいれば、このようなことも発言しないのだろうが。

【私の論評】テレビに国際・経済報道を期待でないわけ?

昨年の大統領戦記では、ほぼすべての日本のマスコミがトランプ大統領の登場を予測することができませんでした。これには、それなりの背景があります。それは、今でも変わっていません。だからこそ、今回のいわゆる「イヴァンカ基金」についてもまともな報道ができないのです。そもそも、正しい報道をして欲しいと願うこと自体が間違いなのです。

民放では日々国際ニュースが流されているがその信憑性は?
今回は、主にテレビ報道について述べます。

そもそも、日本の特に大手メディアのワシントン支局に何人くらいテレビ局員いるのでしょうか。

これは、テレビ局によって多少の違いはありますが、基本的には2人です。支局長と平の人と、あとは現地採用の人です。あわせ、4人から5人というところです。NHKは、これよりは少しは多いくらいのものです。

この状況で、東京から送り込まれてニュースを日本全国に届けるわけですが、これでは、取材力がないわけです。では、どのようにして、選挙情勢分析してるいるのかといえば、それぞれ系列局と報道協定結んで報道をしているのです。

たとえば、米国ABCと日本のNHK、日本テレビとNBC、CBSとTBSが、報道協定を結んでいます。日本のテレビ局が、報道協定を結んだ先の米国のテレビ局が出した情報をそのまま日本で報道してしまいます。

米国のテレビ局は基本的にリベラルに占められていて偏っています。テレ朝などは、完全に米CNNの情報絶対に正しいという前提で、報道しています。

さらに、日本のテレビ局の、多くが駐在するワシントンにいるとさらに、それが全然わからなくなってしまいます。昨年の大統領選挙戦で、得票数見れば、ワシントンでは93%もクリントンに入れています。

ワシントンにいるとクリントンが勝って当然だという感覚になるのです。昨年の大統領戦では、トランプが勝利宣言をすることになったわけですが、これに対する日本のテレビ局の準備がほとんど出来ていませんでした。

クリントンが勝つから、クリントン側から勝利宣言を夕方中継するということで、キャスターはスタンバイ始めるわけですが、パスを取らないとそこには入れません。そうして、そのパスをクリントン側からしか取っていないと、急にトランプ勝ちそうだぞとなってももうトランプ側の勝利宣言の場には、行くことができないのです。

このような準備が全く不足していて、日本のテレビ局のほとんどが、トランプの勝利宣言をほとんど報道できなかったのです。これは、当時池上氏の選挙特番でもそうでした。

池上氏の選挙特番では、安藤ゆうこキャスターは現地に行ってから、日本で言われているように、ヒラー優勢ではなく、トランプ優勢であることを初めて気付き、突然レポートの内容が変えました。
一方で池上彰氏は直前に1回アメリカに行っにもかかわらず、ヒラリーが絶対に優勢という前提で、全部原稿準備していたので、特番の中では、ヒラリーに関することしか言えないような状況になっていました。

池上彰氏の米大統領選挙特番
日本のメディア、テレビ局は、このような手薄な状況で、アメリカの内情分析をしているのが実体なのです。

これは、本当に手薄で、その場で必要がなければ翻訳の人が常時いるわけではないですから、今日はニュースは無いというときには支局員は支局に詰めることもなく帰宅していまうのです。

そのため、アメリカで何か大きな事件が急に起こった場合には、支局長が支局員に電話して報道局来てもらわないと支局は機能しません。だから、急に大きな事件が発生すると、報道にタイムラグがおきてしまったりします。国内のように、泊まり番というのはいないのです。

ただし、NHKは泊まり番も存在しますが、その中には、中国人のスパイ等がなにくわぬ顔で潜り込んでいて、それが大きな事件が起こったときに偶然泊まり番をしていて、直後の報道がかなり偏っていたりすることもあるのです。

そもそも、日本のテレビ局は、情報分析能力自体が、かなり手薄なのです。あまりにも手薄なので、ある民法は、アメリカ大統領選挙はどうなるのかという番組では、自分の局の米国駐在員の話を報道するのではなく、日本人の商社関連の識者を呼んでき報道するというようなことをしていました。

本来商社の人に話を聴いても、正しい情報が得られるとは限らないのですが、それでもなぜそのようなことになかといえば、そのような商社員に毎月勉強会という形でアメリカ事情を語ってもらう勉強会をやっているからなのです。

この局の報道関連の人達は、きっと彼は情報を持っていて正しい判断をするに違いないと信じているようで、だからこそ勉強会をやっその情報を結構アテにするのです。

結構そういう有名商社の誰々という権威に結構頼ってしまったりするのです。これは、何も国際報道に限った話ではありません。例えば捜査系の報道、特捜部系の報道では、元特捜OBのコメンテーターの人が番組に登場することが多いです。

そういう人が勉強会をやっていて、後輩捜査員に対して「おぅどういうネタがあるんだ?」などと聴いて集めて報道ネタにするということが良くあります。昔若狭さんがそれやっていました。

経済ネタでは、例えば竹中平蔵氏がテレビ局の報道関係者を受講者に含む勉強会を主催していました。報道関係者は自分の足でネタを得るこもなく、そこから放送ネタを得てきて、報道するというようなことが行われていましたし、今でもそのようなことが行われています。放送局の報道は、このようにしてなされているわけで、これでは情報内容は偏ってしまいます。

そもそも、偏るというよりは、まともなリサーチャーもアナリストもいないということです。日本では、良くテレビなどはリベラル左翼側に偏向していると批判されることも多いですが、本当はそれ以前にこのような根本的な欠陥があるのです。

根本的には、思想が右か左などというレベルではなく、そもそもレベルが上か下という問題です。NHKがかなり偏向しているということで批判される人々も多いですが、さすがにNHKは少なくともレベル的には上です。それには、報道局に十分な予算が割かれているということが大きいです。

ある民放局では、どうせニュースなんかスポンサーまともに付かないし、儲からない部署ということで、赤字部門扱いされてしまい、その局の有名会長が報道局部門のリストラを実行してしまいました。それに他局も右ならえをしてしまい、全民放が過去にかなりリストラをやってしまいました。そのため、現在ではどの民放もそもそも報道局は、予算もあまりつかないですし、報道局などに在籍しても出世のためには良いことではないのです。

再び昨年の、米国の大統領選挙にもどすと、トランプを一生懸命支えたネットニュースのブライドバードニュースがあります。ここの報道など当時の日本のテレビは全く触れませんでした。しかし、あのニュースを視聴していれば、トランプ陣営がどう動いてるのだとか、どういうことをやろうとしているのか、すぐにわかりました。

このサイトは、米国内でも有名でしたし、日本国内でも米国事情通の間では有名でしたが、日本の民放関係者は、このサイトの存在も知らなかったのです。

テレビ局のブレーンになるようなコメンテーターのおじさんおばさんは、このようなサイトをチエックすることもなく、恣意的にコメントするだけです。まともな識者がブレーンになっていれば、勉強会をまともなり、上で述べたようなことにはならないはずです。ブレーン選びがそもそも間違っているわけです。

例えば毎月勉強会をしなくても、こういうことが起きたから、こういう本を出した先生を一回呼んで勉強会やりましょうということで勉強会をすれば良いのでしょうが、そのような形式では行われていません。レギュラー番組のキャスター等を呼んで勉強会をするというようなことが行われています。

日本の日米関係は重要であるとするマスコミの大統領の報道でさえこのような状況の中で行われていたということです。

米国大統領選の報道ですら、この体たらくですから、普段のニュースはもっと酷いのです。それこそ、日本の民放の報道は、ADさんが貧乏物語に支えられるといっても良いくらいです。

たとえば、昨年の大統領戦記でレディー・ガガの掲げた「love trumps hate」を誤訳してしまった人は、年収200万くらいで、極端んことをいうと段ボールで寝てて、ロケ弁をタレントさんが置いてったものを2つ3つ持って帰って家で食べる飢えをしのいでいるような人かもしれません。


テレビ局の正社員は20歳代でも、平均で900万1000万程の給料を守らているのが普通です。ところがその下で実務の仕事をしている人たちは、年収200万くらいで、ブラック的な環境に甘んじているわけです。これでは、取材もまともにできないです。

そもそも、現在ではコスト削減でもうカメラ出すこともできない程なのです昔は1日で3か所取材などのことがあって、ADの人たちも、仕事させすぎだろ殺す気かって怒ってたほどなのです。今は1日1回出動するかしないかです。

だから経済産業省とか省庁の取材系は、昔はカメラマンもいて、カメラマンが映像をとって取材は取材に集中できました。しかし、今は記者が自分で回すのです。
メモをとれないのでボイスレコーダーで録音しながら、自分でカメラで撮影するのです。

このような酷い状況の中で、こういうテレビ番組を見て政治家などがアメリカ情勢をもし判断しているとすると、これブラックジョークの世界です。政治家や、政府関係者はそもそも(民放ニュースを)信用すべきではないです。

外務省も金が無くて情報収集分析が全然出来ない状況で、人と会うためのお金ももらえないから困っているようなところがありますが、テレビ局もお金が無いから情報収集できない状況です。特に、現場の記者は全部自腹といっても良い状況です。
2000年より前は、逆に使い過ぎてたくらいでした。たとえば、ロシア、モスクワで一番羽振りがいいのはテレビ局の記者なんじゃないかってくらい遊んでいた時代がありました。

それが、ある日突然あるテレビ局の某経営者がいきなりリストラクチャリングを始め報道局の人を減らし、取材コストを下げるってことが始まったのです。この方は、もう亡くなられた経営者で渡辺恒雄さんの友人ですが、その人がそれで結構コストを下げて経営がうまくいったので、どの局もみなリストラに走り現在のような状況になってしまいました。

先にも述べたように、結局今の日本のメディアって右左という問題ではなく、能力が下になってさらに、下に下がり、調査も分析も全然出来ない状況の中で、結果的にアメリカの提携テレビ局の言っている情報を鵜呑みして、それを横文字を縦文字にするのも間違えるくらいの状況に置かれているということです。

上で述べたように、大統領選挙ですら、民放は、正しく報道できなかったわけですから、「イヴァンカ基金」に関して報道できないのは当然といえば、当然です。

新聞報道は、テレビ局とは状況が異なりますが、こちらもまともな報道ができない状況にあります。こちらは、すでにこのブログでも何度か述べていますが、いずれまた別の機会に現状を掲載していこうと思います。

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2017年11月21日火曜日

「日本は借金まみれ」という人の根本的な誤解―【私の論評】政府は不死身!日露戦争の戦費は外債で賄った(゚д゚)!

「日本は借金まみれ」という人の根本的な誤解

「政府の借金」と「家計の借金」は同じではない

村上 尚己 : マーケット・ストラテジスト

日本の経済メディアでは、「金融緩和・財政政策拡大をやりすぎると問題・弊害が起こる」という論者のコメントが多く聞かれる。

日銀は本当に「危険な金融緩和」を続けているのだろうか


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実際のところ2008年のリーマンショック直後から、米国の中央銀行であるFRBは、国債などの大量購入に果敢に踏み切り、それが一足早い米国経済の正常化を後押しした。その後、2012年の第2次安倍晋三政権誕生後の日銀総裁・副総裁人事刷新を経て日本銀行はFRB(米国連邦準備制度理事会)にほぼ4年遅れる格好で大規模にバランスシートを拡大させる政策に転じた。
これが、アベノミクスの主役となった量的質的金融緩和政策が始まった経緯である。筆者には日本のメディアがこれを正しく伝えているようには思われず、いまだに日銀は「危険な金融緩和」を続けているなどといわれている。
実際には、最も金融緩和に慎重とされたECB(欧州中央銀行)も含めて、多くの先進国の中央銀行は大規模な資産購入拡大を行っており、日銀もその1つにすぎないというのが投資家の立場での、筆者の見方である。つまり、雇用を生み出し国民生活を豊かにするために、米国などで実現している金融緩和政策が、日本でも2013年になって遅ればせながら実現しただけである。始めるのが遅かったのだから、FRBよりも日銀の出口政策が遅れているのは、やむをえない側面がある。
また、アベノミクス第2の矢とされた拡張的な財政政策は、政府部門の債務を増やす政策である。「日本の財政は危機的な状況にある」というのが通説になっている。
「借金が増え続けている」というフレーズだけを聞くと、不安に思う一般の人々が多いのは仕方ないかもしれない。たとえば年収500万円の人が、1000万円の借金を抱えることになれば、その負担が大きいのは確かだ。そして、日本は国民1人当たりの借金が数百万円に達するなどと頻繁に伝えられている。
しかし、メディアでいわれる「日本の借金」とは、個々の家計が抱える借金とはかなり異なるのが実情である。国民1人当たり数百万円の借金があるという言い方は、機械的に計算するとそういう数字が出てくるだけにすぎない。
これは、日本の財政状況の危機が深刻であるかのように政治的にアピールする方便の1つだと筆者は常々考えている。この事実を理解するには、政府・企業・家計という主体別にバランスシートを分けて考えたうえで、俗にいう「日本の借金」は、実は政府の負債であり、家計や企業から政府が借金しているという貸借関係を頭に入れる必要がある。
そうすると、「日本の財政状況は、家計が大規模な借金を抱えている状況」というイメージと実情がまったく異なることが理解できる。よく知られている話かもしれないが、政府部門では、2017年3月末時点で、借金である国債などが1052兆円の負債として計上されている。

政府は借金の一方、日本人は国債という資産を保有

だが、政府よりも大きなバランスシートを持つ金融機関と家計・企業によって、この1000兆円規模の国債(政府負債)の多くが「資産」として保有されている。つまり、政府は借金しているが、一方で日本人が「国債という資産」を保有していることになる。
実際に国債を大量に直接購入しているのは銀行、生命保険会社などの金融機関であり、約1000兆円の国債などを金融機関が資産側に保有している。
一方、家計・企業が国債を資産として保有している分は限られる。ここで、なぜ銀行や生命保険会社が国債を大量に保有するかを理解する前提として、金融機関と家計・企業のバランスシートの関係を理解する必要がある。
金融資産を蓄積している家計・企業の預金や保険料(将来の保険支払いに充当する)が、金融機関にとっての負債に相当するが、その見合いで金融機関は何らかの金融資産を保有しなければならない。その投資先が、1000兆円規模の安全資産である国債になっているわけである。
政府負債である国債をめぐる貸借関係を整理すると、家計・企業の預金(約1200兆円)を原資にして、金融機関を通じて、政府の負債である国債のほとんどが国民によって金融資産として保有されているということになる。要するに、政府部門は1000兆円の負債を、家計や企業などの国民から一時的に借りているだけである。
これを理解すれば、日本人全体でみれば、たとえば500万円の収入の家計が、収入の2倍の規模(1000万円)のローンを抱えているというイメージと、現実がまったく異なることが理解できるのではないか。「借金大国日本」のイメージはバランスシートの1面にフォーカスしているだけで、バランスシートの別の部分をみれば、家計・企業の収入は500万円あるが、同時に安全資産である1000万円の金融資産を保有していると言うこともできる。そういえば、日本は大変豊かな国である、と多くの方は感じるのではないか?

財政健全化に傾倒する「緊縮策」は危険な思想


「緊縮政策への傾倒克服を通じて日本人の生活はより豊かになる」――。筆者の見解をまとめた新著『日本の正しい未来 世界一豊かになる条件』が11月21日発売です。クリックするとアマゾンのサイトにジャンプします
米国の経済学者である、ブラウン大学のマーク・プライス教授は、財政健全化などを至上命題とする政策を「緊縮策(Austerity)」として、それに傾倒する考えを、危険な思想であると批判している。日本においては、金融市場・経済当局・メディアの関係者の多くが、この「危険な思想」にとらわれているように筆者には見える。安倍政権になってからの2014年の消費増税の失政により、脱デフレ完遂に時間がかかってしまった経緯などをみれば明らかに思える。
日本が「借金まみれ」というのは誤解で、むしろ実際には世界一の資産保有国である。財政赤字や公的債務問題は、日本の「有権者」が自ら選んだ政府に一時的に貸している資産(借金)が増えている、というだけである。そして政府から有権者である国民への借金返済ペースは、国民経済を豊かにするために、余裕を持って決めることができる。性急な増税が妥当な政策なのか、われわれ国民は冷静に賢く判断できると筆者は考えているが、「危険な思想」に傾倒した方々には、冷静な判断が難しいのかもしれない。
【私の論評】政府は不死身!日露戦争の戦費は外債で賄った(゚д゚)!

個人の借金と政府の借金は異なる
「日本は借金まみれ」という言説は間違いであるということは、ブログ冒頭の記事で十分に説明されいて、これ以上付け加えることはないようにも思います。

唯一付け加えると、政府は不死身のようなものですが、人の命には限りがあるということです。国という存在は、世代を超えて受継がれていくものですが、個人はそうではありません。

だから、国の借金を個人や家計の借金と同じように考えるのは根本的な間違いです。個人よりも、企業などの組織、さらに政府ともなれば、膨大な借金を長期間続けても問題はありません。だから、企業や政府はお金を潤沢に借りることができるのです。

逆に、短命な個人は、企業や国などと比較すれば、僅少な借金を短期間しかすることはできません。個人は、自らの収入などに見合った短期の借金しかできないし、してはならないのは当然のことです。

そうして、今の日本はブログ冒頭の記事にもあるように、政府は外国から借金をせず、国内から借金をしているだけです。逆に外国には世界で一番多く、お金を貸している国でもあるのです。

しかし、このような日本も昔は外国から借金をしていたときがあります。たとえば、日露戦争の戦費のほとんどは外国からの借金に依存しました。

そうして、日本政府の先達たちは非常に厚い信用を創ってきました。日本は1905年に日露戦争に勝利して戦争を終えました。しかし多額の借入を背負いました。次の年の1906年からイギリス銀行団とユダヤ人銀行家ジェイコブシフに戦費の借金返済をし始めました。

そしてなんと返済をし終えたのが日露戦争が終わってから82年後の、1986年だったのです。日露戦争の借金を返し終えたのは比較的最近のことです。日本人は借りたものは必ず返すのです。だからこそ、皆さん安心して国債を買うのです。そして日本政府はどんなに時間がかかろうとも必ず返済するのです。

日露戦争の戦地
日露戦争当時の日本は、そのような信用は勝ち得ていませんでした。日露戦争の費用は国家予算の8年分で国債を発行して賄われました。日露戦争の費用は総計で19億8612万円でした。当時の国家予算は2億5000万円だったので、8年分です。

この内、14億7329万円は国債で賄いました。4分の3は借金によって賄われたわけです。では、この国債を日本はどのようにして、消化したのでしょう。

それは、14億7329万円は国債の内、13億円が外債として、外国に引き受けてもらったのです。

しかし、日本の国債を外国に買ってもらうというのは困難なことでした。当時は世界中のほとんどの国が、ロシアと日本が戦争をすればロシアが勝つと思っており、負けると思っている国の国債を買うはずもありません。

この困難な仕事を引き受けたのが、当時、日本銀行の副総裁であった高橋是清なのです。日露戦争が開戦するとすぐに、外債募集のためにアメリカ、ヨーロッパに高橋是清は派遣されます。

高橋是清
当初のアメリカもヨーロッパも日本に投資(国債購入)をしませんでした。高橋是清は、まずアメリカに向かいました。

しかし、当時のアメリカは豊かな国だったのですが、未開の地が多く残る発展途上の国でもあったことで、アメリカ自身がヨーロッパから投資をしてもらっている段階であり、日本に投資をするような状況ではなかったので、外債の募集は難しかったのです。

当時の日本は担保になる資源も無く勝てる見込みも無くまだまだ、国際的な評価が低い状況でした。

次に高橋是清は、ヨーロッパに向かいますが、ここでも結果はあまり良くありません。

当然のことながら当時の日本は、国際的な評価が低くアジアの小国に過ぎなかったので、ロシアに勝てるわけはないと思われていることから、外債を買ってくれる国は現れませんでした。

さらにもう一つの理由が、日本には担保になるものがないことです。ロシアには、広大な国土と鉱山があったので、もし戦争に負けてもそれを取ればいいのですが、日本にはそれに当たるような資産はありませんでした。

よって、ヨーロッパ諸国は日本には金を貸さずに、ロシアにばかり投資をしていたのです。しかし、高橋是清は諦めずにイギリスに向かい成果をあげました。

なかなか外債が売れないままでしたが、日本は日露戦争の直前に同盟を結んでいたイギリスを当てにしていました。

しかし、イギリス人は日本人が思っている以上にシビアで、同盟は結んでも、お金を貸すことは渋り、同盟はあくまでもロシアの脅威から自国を守るためのもので、日露戦争での日本の勝利のためにお金を貸すことではないと考えていたのです。

それでも高橋是清は諦めず、イギリスの銀行家たちを説得し、なんとか500万ポンド分の国債を買ってもらいました。

政府から申し付けられていた額は1000万ポンドでしたが、それでも売れないよりは良かったのです。

やっとの思いで、イギリスで国債を発行できたことのお祝いで、イギリス人の知人が高橋是清を晩餐会に招待してくれました。この晩餐会で彼は、幸運にめぐり合います。

晩餐会には、アメリカ国籍ユダヤ人の銀行家ジェイコブ・シフも招待されていました。高橋是清はジェイコブ・シフに、日本の経済状態についてや、日本の国債を1000万ポンド発行しようとしていることを話しました。

アメリカ国籍ユダヤ人の銀行家ジェイコブ・シフ
すると、ジェイコブ・シフは、売れ残っている500万ポンドを引き受けると言いだしたのです。それには理由があり、当時のロシア帝政が、ジェイコブ・シフと同じユダヤ人を迫害していたのです。

日本と戦争をしてロシアの国力が弱まれば、ロシア帝政は倒れる。そのために、日本に加担しようと考えたのです。

ジェイコブ・シフの協力は、日本が日露戦争を続ける上で多大なる貢献となります。ユダヤ人の迫害を続けていたロシアに日本を勝たせたかった

ジェイコブ・シフは、ロシアにユダヤ人の迫害をやめさせるように様々な努力をしていました。

ヨーロッパ各国に働きかけたり、ロシア政府に抗議したこともあります。さらに、ジェイコブ・シフは、ロシア政府にお金を貸してもいました。

これには、お金を貸すからユダヤ人の迫害をやめてくれというメッセージでした。それでもロシア政府はユダヤ人の迫害をやめません。

このような経緯があり、ジェイコブ・シフは日本に加担することを決めたのです。

一方その頃、日本軍はロシア軍との激突を繰り返していました。日本軍は、1904年4月30日に鴨緑江の渡河作戦を行い、作戦は圧勝となり、日本軍は次々に占領していきます。

これにより、欧米での日本の人気は高まり、高橋是清はようやく当初の予定の外債を消化できたのです。

日本にとって、鴨緑江の渡河作戦は、外債のためにも絶対負けられない戦いでした。もしこの作戦で戦いに負けていれば、日本は外債が消化できず、戦闘が継続できなくなり敗戦していたかもしれません。それぐらい、日露戦争は綱渡り状態だったのです。

鴨緑江の渡河作戦の成功により、イギリスとアメリカで発行された日本の国債は、申込者が予定の数倍以上になり、発行銀行には何十メートルもの行列ができるほどの人気となりました。


日露戦争の軍費は予想をはるかに超え、外債は最終的に8200万ポンド発行されました。戦争前は、1000万ポンドの国債を消化させるのにあれだけ苦労したのに、最終的には、その8倍も発行・消化が出来たのです。

その多くは、高橋是清の功績によるもので、日露戦争は高橋是清の活躍で勝利したと言っても過言ではありません。

この当時と比較して、今の日本は外国からお金を借りているわけてばなく、ブログ冒頭の記事にもあるように、日本国内からお金を借りているわけです。日露戦争当時の日本から比較すれば、会社でいえば無借金経営をしているようなものです。

人と比較すれば、不死身な政府が日露戦争当時の日本のように、個人で借りる場合と比較すると破滅的な額を借りたとしても、返済は可能なのです。ましてや、今の日本は戦争をしているわけでもないし、日露戦争当時のように外国から借金をしているわけではありません。

そんな日本を借金まみれというのは、財務省による増税キャンペーン以外の何物でもありません。私は、このような陰湿な印象操作をする人は、病的であると思います。

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2017年11月20日月曜日

日本版トマホーク、政府が開発の方向で検討―【私の論評】日本がトマホークを持つということは、先制攻撃能力を持つということ(゚д゚)!

日本版トマホーク、政府が開発の方向で検討


 政府は、地上の目標を攻撃できる巡航ミサイルを開発する方向で検討に入った。

 防衛省が2018年度から研究を始める予定の対艦ミサイルに対地攻撃能力の付加を計画しているもので、日本が対地巡航ミサイルを本格的に開発するのは初めてとなる。敵に占領された離島の奪還が主目的だが、敵基地攻撃も性能上は可能で、北朝鮮への抑止力向上にもつながる見通しだ。

 巡航ミサイルは搭載したレーダーなどによって攻撃目標に向かう精密誘導兵器で、弾道ミサイルが放物線を描いて上空から飛来するのに対し、飛行機のように翼とジェットエンジンで水平飛行する。米国の「トマホーク」と共通点が多いことから、防衛省内では開発するミサイルを「日本版トマホーク」と位置付けている。

【私の論評】日本がトマホークを持つということは、先制攻撃能力を持つということ(゚д゚)!

上の記事にでてくる、米軍の「トマホーク」とは、全長:5.56m、直径:0.52m、速度:時速880km、射程:3000kmといわれています。

「トマホーク」は主にレイセヨン社が開発した巡航ミサイルであり、高い性能と実績を持っています。開発は1970年代にスタートして、1980年から対地・対艦攻撃用の兵装として前線に配備され始めました。トマホークミサイルは使用する目標によって主に二種類あり、対艦攻撃用、対地攻撃用に分類されます。

通常のミサイルは射程は150~200kmぐらいですが、速度はかなり速いです。トマホークの場合は速度は比較的遅いものの、北海道の最北端の稚内から九州までは余裕で飛んでしまうということになります。さらに、かなり低空で飛行するため敵のレーダーに発見されにくいです。

それほどの距離を飛ばすだけでも凄いですが、誘導させて3000km先の標的に命中させることができます。

この巡航ミサイルは、デジタル式情景照合装置を使い、最終的に誤差10mまでの精度で命中させるとのことです。とはいいながら、誤爆も多いと聞きます。

これはどうやら狙った建物などの標的に、子供などの民間人がいて巻き添えを食らったため、結果的に誤爆という報道に繋がっているようです。精度は高いのでしょうが、結果的には敵のみをピンポイントで狙うということはかなり難しいことのようです。

飛行するトマホーク
トマホークミサイルは様々なバリエーションがあるため、その威力も多岐にわたります。弾頭を変更できるので、破壊力は搭載されている種類によって変わります。核搭載型もあります。

対艦攻撃型弾頭は着弾による破壊と延焼で艦の機能を喪失させる能力を持っていました。その破壊力は凄まじく、1発で通常の艦艇はもちろんのこと、大型艦も戦闘不能に陥ります。

現在運用されている対地攻撃型の中には通常弾頭の他に戦車や装甲車などの車両を広範囲で破壊するために子爆弾を100個以上内蔵したものがあります。広範囲にわたって甚大なダメージを与えることができます。さらに、地下の目標を攻撃するための強化徹甲弾頭を搭載したものもあり、地下陣地の破壊などに使用されます。

このように地上攻撃型は陣地や車両を破壊するには十分な威力があり、軍事施設も機能を喪失させることが可能です。実際にアメリカ軍が対地攻撃に使用する時は、1、2発とかではなくかなりの数のトマホークを発射するので破壊力は凄まじいものになります。

以下に、湾岸戦争の開始以来、米軍が発射したトマホークの数を国別に表示した表を掲載します。


トマホークミサイルの値段は搭載する弾頭によっても違いますが、約1億円といわれています。2017年4月にアメリカがシリアを攻撃した時に打ったトマホークミサイルの数は59発です。これだけで60億円です。日本で開発するとしても、そんなには変わらない額になることが予想できます。

日本が日本版トマホークを開発することは、北朝鮮への抑止力になる事であり大賛成です。そうして、何よりも良いのは、ミサイルなので、北朝鮮などの敵を攻撃するにしても戦闘機で空爆するのとは異なり、人的被害がおさえられるというのが、良いです。

このブログでアメリカの戦略家である、ルトワック氏による日本の北朝鮮への対応は、先制攻撃か降伏しかないという内容を掲載したことがあります。ルトワック氏は、中途半端な対応は、許されないし、北朝鮮の誤解をまねくだけになるとしています。

中途半端な態度を取り続ければ、降伏したつもりはないのに、北は降伏したものとうけとり、日本に無理難題を押し付けくる可能性もあるのです。

そんなことにならないためには、日本は現実的な対応力として、北の拠点を攻撃する能力を持つべきだとルトワック氏は主張しています。

その一つの方法として、既存の戦闘機に装備品を買い足せば、あまり費用をかけることもなくすぐにも北朝鮮に対する先制攻撃ができるとしています。

北の防空体制は、無きに等しいので、実際これでも可能なのでしょう。そうして、これが北朝鮮に対する抑止力にもなるわけです。

さらに、日本がトマホークを開発すれば、戦闘機などと異なり、戦闘によって人を失うという危険性がさらにへるわけです。

このブログでは、先日、日本も数ヶ月以上も自力で巡航できる、水中ドローンや空中ドローンを開発すべきことを主張しました。これらと、日本製のトマホークや既存の戦闘機、艦艇などと有機的にネットワークで結びつければ、かなりの戦力になると予想されます。

米国の軍事用ドローン
日本は、日本独自の軍事力を持つべきです。日本や、敵国の人員をなるべく殺傷せずに、それでいて効果的にピンポイントで敵の要衝を攻撃して、戦闘力を奪うというような方式の新たな軍事力をもつべきです。

そのためにも、トマホークは役に立つと思います。「はやぶさ」などの高度な遠隔操作技術を持つ日本が、本格的にこれに取り組めば、日本がさらにピンポイントで正確に敵の標的を攻撃できるようになり、敵の戦闘員を殺傷することを最低限にしつつ、ミッションを遂行できるものを開発できる可能性が高いです。

それにしても、日本がトマホークを持つということになれば、それはルトワック氏がいうように日本が先制攻撃能力を持つことを示していることになります。日本がそのつもりではなくても、北朝鮮や中国はそう受け取ります。そうして、かなりの抑止力になることが期待できます。

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