2010年11月6日土曜日

八ツ場ダム、建設中止方針を撤回 国交相「予断持たず検証」―【私の論評】影響の大きいものは当面はすべて前政権の方式を踏襲するのが、二大政党制の前提条件だ!!

八ツ場ダム、建設中止方針を撤回 国交相「予断持たず検証」


馬淵澄夫国交相は6日、大沢正明群馬県知事らとの懇談会で、同県の八ツ場ダムの建設について「私が大臣のうちは『中止の方向性』という言葉に言及しない。予断を持たず検証を進める」と述べ、前原誠司前国交相が表明した中止の方針を事実上、撤回。さらに建設の可否を検証した結果が出る時期は「12年度予算案に反映できる時期で(来年の)秋ごろだ」と説明、建設継続を求めてきた大沢知事らは発言を評価した。ただ八ツ場ダム中止は民主党がマニフェストで掲げる目玉政策の一つだっただけに、野党からは「見解を覆しておいて、何ら理由を述べないのは極めて不誠実だ」(石破茂自民党政調会長)と厳しい批判が出ている。

前原氏が表明した中止路線を引き継いだ馬淵氏は、これまで「全国のダム事業は予断なく検証する」としながらも、八ツ場ダムはマニフェストに基づき中止すると明言していた。

しかし流域6都県は、治水や利水の上で必要として建設を強く要求。ダム検証の工程が示されていないとして本年度分の負担金の支払いを留保するなど国との対立を深めており、馬淵氏は自治体や住民側との話し合いを進める視点から中止の方針を棚上げ、検証結果に従う考えを示した。

【私の論評】影響の大きいものは当面はすべて前政権の方式を踏襲するのが、二大政党制の前提条件だ!!
八ッ場ダムについては、私は、前から継続して行うべきだと思っていました。それには、主に二つの理由があります。

まず、一つめは、現在はデフレの真っ只中にあります。デフレ克服の一助としても、この工事はやり抜くべきと思います。バブルの時代などには、必要もないのに「ハコモノ」行政などが行われ、とんでもない無駄遣いが行われていました。

そのためでしょうか、その後日本では、「公共工事=悪者」というイメージが定着して、歴代の政権が、緊縮財政ばかり行ない、公共工事を控えるようになりました。これは、バブル以降麻生政権だけが例外でした。そのため、現在日本の公共工事は、先進国中で最低レベルの水準にあります。そのため、デフレからいつまでも脱却できないばかりか、数年後には、耐用年数を過ぎた橋、トンネル、ダムなど多数でてくるようになります。だからこそ、これでは経済対策という意味あいからも、現在は大規模な公共工事である八ッ場ダムの工事はすべきものと思います。

それと、もうひとつの理由としては、政治の継続性の側面です。アメリカは、二大政党制が息づいています、今回中間選挙で民主党は惨敗でした。共和党が大幅に議席を伸ばしました。しかし、アメリカの場合、政治の継続性の原則が守られており、たとえ、民主党から共和党政権に変わるようなことがあっても、変わるのは、3割くらいであり、あとの7割は政治の継続性の原点から、政権が変わったからといって、ガラリと政治の内容が変わるわけではありません。7割程度は、どちらであても継続されるのです。

日本でも、政治の継続性の観点から、この程度のかなり大きな公共工事の場合は、政権が変わったからといって、手のひらを返したように取りやめるのはまったく間違いです。混乱のもとです。本日は、テレビでこのダム工事の関係者らが話しをしているところか報道されていて、「前政権は猫の目のように変わるといわれていたが、現政権は万華鏡のようだ」としていました。言いえて妙だと思いました。

私は、政治の継続性の観点から、本当に大きなものですでに前の政権が実施していることに関しては、次の政権も良い悪いは、別にして、当面継続するのが筋だと思います。それでは、改革にならないではないかと言われる方も多いと思いますが、私は、そんなことはないと思います。それは、現在の民主党を見ていただければ分かることだと思います。

前政権のやっていたことの3割も変えることができたでしょうか?ここで、変えるということは、本当に変えることを意味します、政治主導の看板をあげたり、事業仕分けのパフォーマンスをすることではありません。民主党の、政治主導はどうなりましたか?普天間基地問題はどうなりましたか?安全保障の問題で根本的に何を変えましたか?雇用の問題では何がかわりましたか?経済では? 本当に、3割変えるということは、本当はすごい熟慮とエネルギーが必要なのです。実際オバマ大統領だって、その3割をめぐって、頑張ったにもかかわらず、今回の中間選挙では惨敗です。しかし、レーガン氏も、クリントン氏も中間選挙で惨敗した次の大統領選挙では大勝利でした。これから、どうなるかなんてわかりません。そうです、中間選挙で勝った、共和党は、今度は批判さらされるということです。

もともと、政権交代したからといって、前政権のやってきたことが何から何まで、変わってバラ色の未来が開けるなんて思っていた人たちは、政治的に未成熟というか、幼稚だったということです。それは、無論民主党の幹部の面々もそうですし、有権者もそうだったということです。

私は、特に前政権がすでに新しいくやりはじめたことで、非常に大きなこと、特に、日本の人口の1/10以上に影響を及ぼすような大きなことは、変えるべきではないと思います。変えるとすれば、それはよほとの特殊案件であり、それこそ、変える3割の中に含まれるべきものと思います。

八ッ場ダムは、流域6都県が影響を受けるわけですから、おそらく、1,000万人以上の人々が影響を受けるわけです。これは、人口の1/10以上に影響を及ぼすものと思います。

八ッ場ダム以外にも、普天間基地の問題なども、確実に日本の1/10以上の人々に大きな影響を与えます。それに、外国との約束もあります。こういった、問題に関しては、民主党は、「将来的にはどうするかは未定ではありますが、政治の継続性の観点から、普天間に関しては前政権の方針を踏襲します」という声明を発表して、そのまま継続し、その後は多くの国民からのコンセンサスを得るというような形で事を進めるべきだったのです。民主党は拙速すぎました。

現在は、大昔の明治維新のような時代とは異なります。あの時代であれば、180度近くも転換しなければならない背景がありました。しかし、現在の先進国では、そのようなことはできませんし、実際やってしまったり、やらなくても、やる姿勢をみせれば、長期政権とはなりえません。これが、現在の先進国の責任のある政権のあり方です。おそらく、二大政党制でなくても、これはあてはまると思います。

もう民主党は、大転換をやる姿勢をみせて、無様に失敗していますから、次の機会はないでしょう。特に、日本国解体法案などに関しては、多くの人がその意味まで含めて、良く理解した場合、人口の1/10以上もの人が賛同するなどとは思えません。これに、関しては、まだまだ、多くの人が理解してはいないと思います。なぜなら、わずか、1年半ほど前までは国会議員ですら良くわからなかった人も大勢いたようです。しかし、時がたてば、その意味も多くの人が理解すると思います。

はっきりいえば、今更八ッ場ダムの再開をしたとしても、この大きな方向性は変わらないと思います。というより、民主党政権の拙速さを多くの国民に印象付けたと思います。民主党の命脈はもう絶たれたと思います。次の政権は、民主党の犯した過ちの数々を真摯に学んで政権運営をするべきと思います。そうでないと民主党の無様な失敗を繰りかえすことになると思います。

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