強固な日米関係を築いた安倍氏(右)とトランプ氏 |
日米の政界で激震が続いている。7月8日に安倍晋三元首相が暗殺され、米時間8月8日(日本時間9日)にはドナルド・トランプ前米大統領のフロリダ州の邸宅に米連邦捜査局(FBI)の家宅捜索が入った。国際投資アナリストの大原浩氏は緊急寄稿で、親密だった元首脳が狙われた2つの事件について、「共通点」や「つながり」があると指摘する。
FBIの家宅捜索についてジョー・バイデン大統領は、「事前にFBIから説明を受けておらず、司法省独自の考えだ」と強調したが、良識ある米国民のほとんどはそのような「言い訳」を信じていないであろう。
実際、FBIは民主党政権に絡んだ多数の「疑惑」はスルーしてきたといえる。アフガン撤退の大失敗、ロシアとの駆け引きでやられっぱなし、さらにはインフレ対策も効果を現さず、景気後退の足音も聞こえるなど、追い詰められたバイデン政権の「中間選挙における救済」を目指した捜査だといわれても仕方がないであろう。
2020年にバイデン氏が大統領就任し「政権政党」となったにもかかわらず、前大統領のトランプ氏をなぜこれほど恐れるのか。民主党と結託したかのような偏向メディアやビッグテック(巨大IT)がどんな情報を流そうとも、「国民の支持」がトランプ氏に集まっているからだろう。
トランプ氏はクリーンな政治家だといえる。本業の不動産ビジネスでのやんちゃなイメージが災いしているが、大統領職では年間40万ドル(約5500万円)の給料を四半期ごとに連邦政府の機関へ直接寄付することによって、「実質的に全てを返納」していたという。
「金で動かない」大統領が、米国の巨大な既得権益層にとって極めて不都合であることは言うまでもない。大統領になるまで政治経験が全くなかったトランプ氏は、政治家としての過去のスキャンダルも皆無に等しい。だから、議事堂襲撃事件で騒ぎたてたわけだ。
安倍氏も「政治で稼ぐ」必要など全くなかった。それゆえ、既得権益層の思い通りにならずに憎まれるというのもトランプ氏と似ている。
安倍氏暗殺事件は、いつの間にか「政治と宗教」の問題にすり替えられたが、偏向メディアを中心としたプロパガンダは真実を覆い隠すための煙幕だとも思える。山上徹也容疑者の個人的恨みによる単独犯であるとの話が流布しているが、本当にそうであろうか。
1865年のエイブラハム・リンカーン大統領暗殺事件は、熱烈な民主党支持者の犯行との印象が強いが、実際には同時に要人を複数暗殺することで政権転覆を狙ったクーデターだった。暗殺犯が大統領の背後に近づけたのは、警備担当者が酒場にしけこんでいたからだという。
1963年のジョン・F・ケネディ大統領暗殺もリー・ハーベイ・オズワルドの単独犯だと発表された。しかし、ビルの屋上にいたはずの彼が撃てるはずがない、車列前方からの銃弾がケネディの額に当たる瞬間がフィルムに残されている。
安倍氏の暗殺でも、銃弾2発のうち1発が消え去っている。
JFK暗殺の捜査資料はトランプ氏が2017年に公開を指示したが、関係者の抵抗があったようで一部にとどまった。バイデン政権下で21年に全ての機密情報が公開される予定だったが、22年末、つまり「中間選挙の後」に延期された。
安倍氏暗殺事件も、「単独犯説」一辺倒でいいのか。安倍氏の存在が邪魔だったのは「アベノセイダーズ」だけではない。外国政府などにも動機がある。われわれは暗殺事件の「背景」をもっと真剣に考えるべきではないだろうか。
■大原浩(おおはら・ひろし) 人間経済科学研究所執行パートナーで国際投資アナリスト。仏クレディ・リヨネ銀行などで金融の現場に携わる。夕刊フジで「バフェットの次を行く投資術」(木曜掲載)を連載中。
FBIの家宅捜索についてジョー・バイデン大統領は、「事前にFBIから説明を受けておらず、司法省独自の考えだ」と強調したが、良識ある米国民のほとんどはそのような「言い訳」を信じていないであろう。
実際、FBIは民主党政権に絡んだ多数の「疑惑」はスルーしてきたといえる。アフガン撤退の大失敗、ロシアとの駆け引きでやられっぱなし、さらにはインフレ対策も効果を現さず、景気後退の足音も聞こえるなど、追い詰められたバイデン政権の「中間選挙における救済」を目指した捜査だといわれても仕方がないであろう。
2020年にバイデン氏が大統領就任し「政権政党」となったにもかかわらず、前大統領のトランプ氏をなぜこれほど恐れるのか。民主党と結託したかのような偏向メディアやビッグテック(巨大IT)がどんな情報を流そうとも、「国民の支持」がトランプ氏に集まっているからだろう。
トランプ氏はクリーンな政治家だといえる。本業の不動産ビジネスでのやんちゃなイメージが災いしているが、大統領職では年間40万ドル(約5500万円)の給料を四半期ごとに連邦政府の機関へ直接寄付することによって、「実質的に全てを返納」していたという。
「金で動かない」大統領が、米国の巨大な既得権益層にとって極めて不都合であることは言うまでもない。大統領になるまで政治経験が全くなかったトランプ氏は、政治家としての過去のスキャンダルも皆無に等しい。だから、議事堂襲撃事件で騒ぎたてたわけだ。
安倍氏も「政治で稼ぐ」必要など全くなかった。それゆえ、既得権益層の思い通りにならずに憎まれるというのもトランプ氏と似ている。
安倍氏暗殺事件は、いつの間にか「政治と宗教」の問題にすり替えられたが、偏向メディアを中心としたプロパガンダは真実を覆い隠すための煙幕だとも思える。山上徹也容疑者の個人的恨みによる単独犯であるとの話が流布しているが、本当にそうであろうか。
1865年のエイブラハム・リンカーン大統領暗殺事件は、熱烈な民主党支持者の犯行との印象が強いが、実際には同時に要人を複数暗殺することで政権転覆を狙ったクーデターだった。暗殺犯が大統領の背後に近づけたのは、警備担当者が酒場にしけこんでいたからだという。
1963年のジョン・F・ケネディ大統領暗殺もリー・ハーベイ・オズワルドの単独犯だと発表された。しかし、ビルの屋上にいたはずの彼が撃てるはずがない、車列前方からの銃弾がケネディの額に当たる瞬間がフィルムに残されている。
安倍氏の暗殺でも、銃弾2発のうち1発が消え去っている。
JFK暗殺の捜査資料はトランプ氏が2017年に公開を指示したが、関係者の抵抗があったようで一部にとどまった。バイデン政権下で21年に全ての機密情報が公開される予定だったが、22年末、つまり「中間選挙の後」に延期された。
安倍氏暗殺事件も、「単独犯説」一辺倒でいいのか。安倍氏の存在が邪魔だったのは「アベノセイダーズ」だけではない。外国政府などにも動機がある。われわれは暗殺事件の「背景」をもっと真剣に考えるべきではないだろうか。
■大原浩(おおはら・ひろし) 人間経済科学研究所執行パートナーで国際投資アナリスト。仏クレディ・リヨネ銀行などで金融の現場に携わる。夕刊フジで「バフェットの次を行く投資術」(木曜掲載)を連載中。
【私の論評】暗殺事件の真相は、これからの裁判の過程の中で見えてくるかもしれない。予断を持つべきではない(゚д゚)!
大原氏は、『安倍氏暗殺事件も、「単独犯説」一辺倒でいいのか』と疑問を呈していますが、私もそう思います。
一色正春氏「捜査当局がリークする情報への注意点」をFBで公表―【私の論評】不可解な安倍元首相暗殺報道(゚д゚)!
一色正春氏 |
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、一色正春氏が自身のFBで公表した「捜査当局がリークする情報への注意点」の内容を以下に再掲させていただきます。
一色 正春現時点で変わったことといえば、警察庁は襲撃を防げなかったとして奈良県警察本部の鬼塚友章本部長の減給3か月の懲戒処分を発表し、59歳の警備部長についても減給1か月の懲戒処分としたや、鬼塚本部長と警備部長は辞職する意向を示したということくらいです。
7月10日 ·
暗殺事件の動機が「特定の宗教団体の恨み」というような情報を捜査当局がリークしているようですが、ある意味「政府転覆を狙ったテロ」と非難され、おそらく今回の容疑者と同じような取り調べを受けた私の経験から、この情報に対する注意点を述べておきます。
捜査当局は筋読み(ストーリー作り)を行い、それに沿って取り調べ、その中から自身に都合の良い部分のみをリークする。そしてメディアがそれに色を付けて報道します。私の時も特定の政治団体や宗教団体、外国政府などの関与を疑わせる記事が出ていたそうです(私自身は見る事が出来る環境になかった)また、素直に供述していたにもかかわらず「動機が不明」などと報道され、現場の捜査官は事実に基づいて取り調べを行っていましたが何としても政府転覆の意思があったかのような話に持って行きたい人たちが背後にいたようで、再三、捜査に横やりが入っていたようでした。
つまり、現段階で、この情報を鵜呑みにするのは危険だという事です。加えて言うならば、そのストーリーを作っているであろう組織が、世紀の大失態を犯した奈良県警である可能性が高い事も問題です。警察も人間ですから、警護の失態と捜査に何らかの影響が出る可能性は否定できません。
とにかく私が自由に報道に接することができるようになってから目にした報道は、一言で言えば出鱈目。これを多くの人が(いまだに)信じるのかと恐怖を覚えたほどです。捜査当局は都合の良い犯人像、都合の良い動機をつくることが可能であること、身柄を拘束されている被疑者はそれに対して一切の弁明ができないという客観的事実を無視して報道を信じるのは危険なのです。
今回どの様な取り調べが行われて(弁護士が誰なのか等)いるのか、どのようなリークが行われているのかを私には知る由もありませんので、私の時と同じであるとは言いませんが、生前の安倍元総理に対する出鱈目な報道に鑑みても、メディア発表を鵜呑みにするのが危険であることを喚起しておきます。
※本当に宗教団体への恨みである可能性もあり、現段階の発表を100%否定するものではありません。
内閣改造で新たに就任した谷公一国家公安委員長は22日、奈良市・近鉄大和西大寺駅北口前の銃撃現場で黙禱をささげました。
山上容疑者が供述で、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)への恨みを挙げたことで、一部メディアは「宗教と政治」の関係ばかり強調しており、動機や背後関係への深掘りは少ないです。
「消えた弾丸」の問題もある。 安倍氏には銃弾2発が命中したとみられ、約1センチの弾丸1つが見つかったのですが、捜査関係者によると、もう1発が見つかっていません。 救命処置中に行方が分からなくなった可能性があり、奈良県警は事件5日後、現場検証で弾の捜索も行ったのですが発見できませんでした。
事件を立証する重要な物証が欠けてしまったかたちです。 警察庁は、演説する安倍氏の背後を警戒する警護員がおらず、現場の連携も不十分で、山上容疑者に2発の発射を許した問題点などを検証しています。ずさんな警備と不可解すぎる経緯が相まって、ネット上では共犯の存在を示唆する見解もあります。真相解明が急務です。
報告書は、山上徹也容疑者(41)=殺人容疑で送検、鑑定留置中=が安倍氏に接近した際、後方(南側)を主に警戒する警護員がいないという「空白」が生じたことが、現場で銃撃を阻止できなかった主な要因と認定しました。
その上で、現場指揮官である奈良県警警備課長らの対応を問題視。後方警戒担当の県警警護員は演説直前、別の警護員の指示で警戒方向を安倍氏の右(東側)に変更したことを目視で確認しながら、後方警戒を補強する指示をしませんでした。
背景には、奈良県警による警護計画に問題があったと分析しました。安倍氏の後方には県道があり、車両や歩行者が通行するなど「明らかな警護上の危険」がありながら、計画の起案や決裁過程では見落とされ、警護員や制服の警察官が適切に配置されませんでした。
ただ以上は、警備体制についての報告であり、これだけでは事件の全容のうちの数%に過ぎないです。
メディアの論点は旧統一教会と政治の問題に完全に傾いています。
「宗教と政治」という論点とテロ行為は分けて考えるべきです。旧統一教会ばかりに焦点が当たると問題が矮小(わいしょう)化され、山上容疑者の思惑通りになってしまいます。
政治家が街頭に立って演説し、国民の声を国会に届けてきた日本の民主主義に対する挑戦と捉えるべきです。政治家の街頭活動が萎縮するリスクもありますが、こうしたテロ事件に屈するべきではありません。
「宗教と政治」という論点とテロ行為は分けて考えるべきです。旧統一教会ばかりに焦点が当たると問題が矮小(わいしょう)化され、山上容疑者の思惑通りになってしまいます。
政治家が街頭に立って演説し、国民の声を国会に届けてきた日本の民主主義に対する挑戦と捉えるべきです。政治家の街頭活動が萎縮するリスクもありますが、こうしたテロ事件に屈するべきではありません。
そうして、そもそもマスコミも野党もあまりにも単純なミスをおかしていると思います。そもそも、奈良県警が容疑者を尋問して、尋問した内容を事実であるとみなすようでは、とてもまともな尋問をしているとはいえません。
それは、普通に考えればわかることだと思います。警察が容疑者を尋問するときに、容疑者の供述は正しいと予断を持っていれば、まともな捜査などできません。しかし、最初の段階から容疑者の供述のリークがなされることには、ある一定の意思が働いているとしか思えません。
そこには、共犯者あるいは、共犯までいかなくても、それをたきつける人物がいたかもしれない可能性は否定できません。事件によって一番利益を得る人物、組織のことも考えるべきです。
警察庁 |
警察としては、それだけは避けたかったので、「宗教が原因」という山上容疑者の供述を意図的に漏らし、マスコミや政治家がそれに乗ってしまったというが本当のところかもしれません。
そのようなことでは、真実は解明されません。やはり、これから始まる裁判に期待したいです。
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