2022年8月21日日曜日

安倍氏死去/台湾で安倍元首相の追悼音楽会 頼副総統「感謝の思いは変わらない」―【私の論評】国葬儀の規模の大きさから、マスコミはこの詳細を報道せざるを得なくなり、多くの人々が安倍氏の偉大さを再確認することに(゚д゚)!

安倍氏死去/台湾で安倍元首相の追悼音楽会 頼副総統「感謝の思いは変わらない」

 先月8日に凶弾に倒れた安倍晋三元首相を追悼する音楽会が20日、台北市内で開かれた。安倍氏と親交があった頼清徳(らいせいとく)副総統はあいさつで「安倍元首相に対するわれわれの思いと感謝は、彼の逝去によって変わることはない」と述べ、安倍氏を悼んだ。

 音楽会は聯邦商業銀行など民間の企業や団体が主催。客家語歌手の謝宇威さんや医師でテノール歌手の劉立仁さん、全盲のシンガーソングライター、大山桂司さんなど台日の歌手らが出演した。また、安倍氏の実弟である岸信夫首相補佐官や高市早苗経済安全保障担当相らがビデオメッセージを寄せた。

安倍元首相の追悼音楽会にビデオメッセージを寄せる岸信夫首相補佐官

 頼氏は、台湾での地震発生時の支援や新型コロナウイルスワクチンの提供、国際社会での台湾支持など、生前の安倍氏が進めた台湾への支援を振り返り、安倍氏の死去によって「台湾も家族のような良き友人を失った。国際上の損失でもある」と悲しみをあらわにした。また、安倍氏が提唱したインド太平洋の安全保障戦略上の方針は安倍氏の逝去によって止まることはなく、さらに大きな力を生み、インド太平洋の平和を安定化させる効果を発揮していくことだろうと述べた。

安倍元首相の追悼音楽会の様子は以下のリンクからご覧になれます。


【私の論評】国葬儀の規模の大きさから、マスコミはこの詳細を報道せざるを得なくなり、多くの人々が安倍氏の偉大さを再確認することに(゚д゚)!

日本では、亡くなった安倍元首相にまでネガティブな報道が多いですが、台湾ではこのようなコンサートまで開催されているのです。

以前にも述べたように、安倍元首相は、安保法制の改定・付加などをはじめ国内で様々な貢献をしたとともに、国際的にも多くの貢献をしました。その中でも最たるものは、安全保障のダイアモンドの提唱からはじまり、インド太平洋戦略を提唱し、提唱するだけではなく、実際に行動し多くの国々を巻き込み、世界に新たな枠組みを構築し、秩序をもたらしたことです。

特に米国のトランプ大統領が、中国は、米国に熾烈な「地政学的戦い」を挑んていることを理解し、この新たな枠組みの重要性を理解したことは大きいです。

この新たな秩序がなけば、台湾をはじめ多くの国々が、現在より熾烈な中国の干渉や脅威にさらされていたはずです。

このような安倍元首相の業績を称え、素直に安倍元首相に感謝しているからこそ、台湾ではこのような追悼音楽会が開催されたのでしょう。

安倍晋三元首相が参院選の街頭演説中に銃撃され、死亡したニュースは世界中を駆け巡り、大きな衝撃を与えた。世界各地で安倍氏の功績をたたえる動きが広がり、安倍元首相が暗殺されてからの一月で日本政府に寄せられた追悼メッセージは260の国・地域や機関などから計1700件以上にのぼりました。

以下に、インド太平洋地域からいくつか安倍元首相を追悼する国の事例をあげます。

安倍首相(当時)とインドモディ首相

安倍晋三元首相が7月8日に銃撃されて死去したことを受け、モディ首相は翌9日、半旗掲揚を指示し、国を挙げて喪に服した。襲撃事件の詳細は、主要各紙の1面に取り上げられました。

グジャラート州首相時代から親交があったモディ首相は、異例の長文の手記「わが友、安倍さん」を公開し、「最も親しい友人」の1人の悲劇的な死に対し、言葉にできないほどの衝撃と悲しみを受けていると述べました。

「安倍晋三氏は、世界有数の政治家、傑出した指導者であり、世界をより良い場所にするために人生を捧げた。経済や世界情勢に関する彼の鋭い洞察は常に私に深い印象を与えてくれた。日米豪印のクアッド(QUAD)首脳会合(2022年5月24日記事参照)、ASEAN主導のフォーラム、インド太平洋構想、アジア・アフリカ成長回廊(AAGC)を含むインド太平洋でのインドと日本の協力、災害レジリエント・インフラ連合など、全て安倍氏の貢献から恩恵を受けた」と賞賛しました。

また「常に日印関係の強化に情熱を注ぎ、日印協会の会長に就任したばかりだった」として、東京での安倍元首相との直近の会談の写真を共有し、深い弔意を示しました。

カンボジア フン・セン首相と安倍首相(当時)

カンボジアの、フン・セン首相は8日、岸田文雄首相に宛てた書簡で哀悼の意を表し、2013年から安倍元首相が同首相と協力し、カンボジアと日本の2国間関係を戦略的なパートナーシップに発展させた功績をたたえた。また、同首相は翌9日には自身のフェイスブック()にボイスメッセージを発信し、カンボジアとの2国間関係だけでなく、メコン地域やASEANに対する安倍元首相の貢献に謝意を表明。カンボジア国民に対して、10日は喪に服し、全土でカンボジア国旗を半旗にするよう指示しました。

同首相の指示を受けて9日、トン・コン観光相は通達を発出、全土で10日はカラオケやディスコ、ビアガーデンなどの営業停止、レストランでのアルコール提供を禁止しました。

情報省は安倍氏死去を悼む歌を2曲作り、その動画をフェイスブックに投稿。外務省や法務省なども追悼のメッセージを投稿しました。また、ノロドム・シハモニ国王は日本の天皇陛下に追悼レターを送りました。

一般市民も弔意を示しています。フン・セン首相が在カンボジア日本大使館に弔問し、自筆のメッセージを寄せたというフェイスブック投稿には、13日時点で8万8,000件の反応があり、7,000件を超えるコメントがついています。また、ジェトロ職員が利用したトゥクトゥク(三輪タクシー)のドライバーや飲食店のオーナーも、こちらが日本人と気づくと、哀悼の意を表する場面も見られたといいます。

カンボジア政府関係者によると、外国要人の死去に伴って追悼メッセージを政府として送ることはありますが、これほどの対応は異例とのことです。国民が親日的で、また、安倍氏が良く知られていたことがうかがえます。

ブータン ワンチュク国王と安倍首相(当時)

安倍晋三元首相が銃撃され死亡した事件を受け、ブータンは9日を追悼の日とし、国内各地や海外の大使館などで半旗が掲げられた。

ブータン外務省によると、寺院でワンチュク国王夫妻や政府高官らが安倍氏に祈りをささげたという。外務省は「ブータンと日本は緊密な友好関係を築いており、ブータンの重要な開発パートナーだ」としている。

安倍氏は2019年、天皇陛下の「即位礼正殿の儀」参列のため来日したブータンのワンチュク国王と会談しています。

オーストラリア議会は、7月26日安倍晋三元首相の追悼決議を行っています。


日本では、主要メディアが安倍元首相に対するネガティブな印象操作を安倍氏の死後ですら継続していますが、その中にあって「産経新聞」の発行元である産業経済新聞社(産経新聞社)が募集していた、安倍晋三元首相を追悼するクラウドファンディング(クラファン)が8月15日までに締め切られ、最終的に4000万円が集まりました。

当初の目標額は500万円だったため、8倍の金額が集まったことになります。政府は暗殺された安倍元首相の国葬を9月27日に実施する方針を示しており、同社も国葬に合わせて発行する特別紙面で弔意を示すそうです。

海外では、高く評価されている安倍元首相について、いら立ちを覚えた米国在住の作家馬場信浩氏は以下のようなツイートをしています。私のツイートも含めて馬場氏のツイートを以下に掲載します。



実は、多くの人々がこのように思っていると思います。そうでなければ、第二次安倍政権が最長の政権になることなどあり得ません。安倍氏に対して亡くなってからまで、ネガティブな印象操作をするニッポン人は、樒 (しきみ)と言っても何のことなのかわからないかもしれません。榊(さかき)も知らないのかもしれません。

政府が、9月27日に東京・北の丸公園の「日本武道館」で営む安倍晋三元首相の「国葬」(国葬儀)の参列者数について、昭和42年の吉田茂元首相の国葬と同規模の約6千人を軸に調整していることが分かっています。6日、複数の政府関係者が明らかにしています。

55年前に行われた吉田氏の国葬では当初、会場となった武道館の収容能力を踏まえ、参列者数は吉田氏の遺族や国会議員、外交団など6220人と想定し、実際に6千人余りが参列した。今回の安倍氏の国葬でも会場は同じ武道館が使用されることから政府は参列者数も同規模の約6千人を目安として警備体制などの準備を進めています。

ただ、吉田氏の国葬でも70カ国を超える外交団が参列しましたが、「地球儀を俯瞰(ふかん)する外交」を掲げ、国際的に存在感を示した安倍氏には、 8月6日現在で、米国のバイデン大統領をはじめとする260の国や地域などから1700件以上の弔意が寄せられています。外交団の参列希望も吉田氏を上回ることが予想されます。

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