2011年5月14日土曜日

「死の町」さながらの夜の東京―【私の論評】これからおこる災害で本当に危険なのは人災だ!!

「死の町」さながらの夜の東京

死の町 チェルノブイリ プリピャチ 樹木が生え放題になっている
●首都のこの大不況をこのまま放置したら、この国の経済はどうなる
帝国データバンクの調べによると、大震災の影響を受けた倒産が4月末時点で、66社判明した。これは阪神大震災の時の3倍だという。深刻なのは、直接被災地の倒産は1割にすぎず、残りの60社は「あおり」を食ったことだ。とくに「消費自粛のあおり」が20社と最も多い。これはちょっと異常だ。

大震災と原発事故に目を奪われ、「一緒にがんばろう」と日本中が節約に走っているが、それではマイナスが全国に広がり、日本経済が死んでしまう。そんな瀬戸際なのだ。

ひどいのが東京である。これまでは首都の賑やかさがどうにか日本の経済を引っ張ってきたものだが、3・11以降は「死の町」さながらだ。夜ともなれば、街灯は消され、真っ暗な中で乗客のいないタクシーが列をなし、頼みのコンビニさえも看板の明かりが薄暗い。ほんの2カ月前には想像もしなかった、ウソのような光景がずっと続いている。

菅内閣が「電力不足だ」「節電協力を」と騒ぐものだから、企業も駅も店舗も電気をケチり、エレベーターを止める。サラリーマンも早く帰路に就き、カネを使わない。そうやって消費自粛が広がり、あおり倒産も急増なのである。

●落ち込みは25兆円以上!
だが、東京の消費がこのまま低迷したら大変なことになってしまう。経済アナリストの菊池英博氏が言う。

「大震災や原発事故の影響で、景気がさらに悪くなりそうだ、給料も減るんじゃないかとだれもが不安になってしまった。それで、帰りに“ちょっと一杯”もやめて生活防衛に走っているのです。企業も企業で、交際費や交通費などコストカットで防衛を始めている。あっちもこっちも自粛、節約ばかりですが、こんなことが続いたら、日本経済は沈没してしまいますよ。大震災がなくても、日本経済は深刻なデフレが進行していた。昨年10―12月のGDPデフレーターは前年比2.5マイナスでした。それに大震災がダメ押しとなり、今年1―3月はたぶん3%程度のマイナスでしょう。合わせれば、25兆円以上の落ち込みになる。おまけに外需もひどい。国内生産が落ちていることから輸出も減り、4月も5月も貿易収支はマイナスになりそうです。日本経済の底割れは避けられないといっていいでしょう」

売れているのは防災や節電のグッズぐらいだから、夜の街同様、景気の先行きは真っ暗だ。
街に人があふれ、消費が活発にならなければ、経済は回らない。被災地の工場が稼働すれば徐々に国内生産力は上がるといわれるが、モノが売れなければどうしようもない。待っているのは、本格的な倒産ラッシュとサラリーマンの賃下げや大リストラ。そんな非常事態が目の前に迫っているのだ。

●国民からカネをむしり取ることしか考えない底這い政権
それなのに、菅政権には何の危機感もない。震災対策でわずか4兆円の補正予算をつくっただけである。震災被害はザッと20兆円以上。全然足りない。

「だから10兆〜20兆円規模になる2次補正が焦点ですが、菅総理は、復興構想会議が6月末にまとめる復興ビジョンや、社会保障と税の一体改革案を踏まえて編成すると言っている。つまり、夏ごろから増税とセットでやろうということですよ」(官邸関係者)

消費税増税を決めなければ、本格的な復旧・復興補正はやれないというのだからフザケた話だ。この大不況の中で消費税率のアップなんて、簡単にやれるわけがない。長引けば長引くだけ、被災地復旧は遅れ、日本経済全体の底割れが進んでしまう。ゾッとする展開ではないか。第一生命経済研究所主任エコノミストの新家義貴氏が言う。

「景気回復には、消費を刺激するような景気対策が必要です。復興需要はあっても、個人の消費マインドが冷え込んだままでは、どうしようもない。復興のV字回復どころか、ヘタしたら震災で落ち込んだまま、底這いでL字停滞です」

それなのに、増税案に加えて、電気料金値上げも国民にのませようとしているのが菅政権だ。デフレ不況に何の手も打たず、庶民のサイフに手を突っ込むことしか考えていない。まったく狂気の無能政権だ。

●戦後混乱期へ逆戻りか
今回の大震災と原発事故は「戦後最大の危機」といわれるが、このままだと本当に「終わりの始まり」になってしまう。新家義貴氏が続ける。

「個人消費に占めるウエートが大きい自動車は、工場が操業を再開したものの、稼働率は通常の5割程度。供給不足はしばらく続く。7月に地デジの完全移行が終われば、薄型テレビも頭打ち。エコポイントで需要の先食いをした分、反動で家電類は落ち込みが激しくなる。そこへきて、夏場の電力不足も深刻です。計画停電は避けられても、節電のため輪番休業や営業時間の短縮は必須。当然、生産性は落ち、雇用や賃金の減少に響いてくる。震災後の業績が反映される冬のボーナスは大幅減になるでしょう」

プラス材料がないのだ。夏から今年後半にかけて、かつてない不況に向かうのは間違いない。

「景気を悪くすることしか考えない菅首相は、日本経済にとって、足を引っ張る存在でしかありません。このまま任せていたら、空前の不況にのみ込まれ、取り返しのつかないことになる。直ちに貧乏神首相を退陣に追い込んで、3年間で100兆円規模の内需拡大策をバーンと打ち出さないと、間に合いませんよ。埋蔵金50兆円と建設国債50兆円で、増税なんてしなくても財源は十分にあるのです」(菊池英博氏=前出)

生活保護受給者が200万人を突破したとニュースになっている。戦後混乱期の1951年以来の最悪レベルだ。経済大国を自称するこの国は、バカな指導者によって、どこまで転がり落ちるか分からなくなってきた。

(日刊ゲンダイ2011年5月11日掲載)

【私の論評】これからおこる災害で本当に危険なのは人災だ!!
私は、日刊ゲンダイの記事のように悲観的ではありません。それよりも何よりも、復興需要によって本来日本の経済は良くなるはすであり、このままいけば、デフレも解消され、日本経済も上向くと思います。それは、以前のブログでも、いくつか掲載したことがあります。おそらく、何も特別なことをしなくても、当たり前の真ん中で、景気は上向いたことでしょう。


ただし、それには条件があります。菅政権が、何の理屈もなく、理由もわからず、前後のみさかいもなく、増税をしてしまうということがないという前提です。これさえなければ、今年後半から、来年にかけてかなり景気は上向くはずです。

それは、なぜかを本日は解説させていただきます。本日は、文書や、統計資料ではなく、以下のチャートを用いさせていただきます。

クリックすると拡大します
さて、このチャートは、私の先日のブログを読んでくださったかたが、ご親切にも作成していただいたものです。非常に分かりやすくなっているので、本日は、これを用いて説明させていただきます。ちなみに、作成したのは、TwitterID@masamiopの方です。

このチャートは、以下に公開されていますので、こちらのほうも是非ご覧になってください。

http://goo.gl/HHIwb

さて、上のチャートで、「日本国」の借金は、図のアメリカにけての矢印の貸金があります。その反対借金があります。貸金と借金との差額がマイナスになった場合、日本国は借金をしているということになります。しかし、この値は、日本の場合は、266兆円であり、借金どころか、貸しているお金が、差し引きで266兆円もあるということです。

この中には、アメリカから購入している国債も含まれているいて、これが紙切れになったら、日本は、借金だらけになると騒いでいる人もいますが、そんなことはないです。紙切れになったって、マイナスになるわけではなく、最悪で0ということです。であれば、これは、どう考えても借金とはいいませんね。

たとえば、私が、オバマ大統領から200万円の国債を買っていたとして、私自身は、それだけで、後は借金も何もしておらず、オバマ大統領とだけ取引をしていて、それがある日紙切れになったとします。紙切れとなったとしても、0円ですね。確かに、オバマにわたった200万円はもどってはこないかもしれませんが、借金を背負ったことにはなりませんね。最初から借金がないんですから。世の中には、これで、200万円の借金を背負ったと解釈する人がいるようですが、それは、完全な間違いであることはおわかりになると思います。もし、借金というのなら、一体その借金は誰に返せば良いのですか?返す先がないものは、借金とはいいません。仮に、オバマ大統領が私に、200万円を請求したとしたら、詐欺ですね。まあ、わかりやすい言葉でいえば、焦げ付き(回収不能債権)くらいなら正しいですが、借金ではないですね。

無論、日本が、アメリカの国債という日本の資産を除いて、あとは、膨大な借金をしているというのなら、そんなことはないですが、でも、日本国はそんなことはありません。第一、そんなことは考えて見れば、判ることで、もしそうなら、266兆円も純資産(貸-借でブラスということ)があるわけがないでしょう。この金額って、過去20年間日本が1位ですから。少し話が脱線してしまいましたが、アメリカ国債を借金のように考えておられる人もいるので、少し、横道をそれましたが、掲載させていただきます。

ちなみに、アメリカの場合は、アメリカ国債などにより日本などの海外に純然たる借金があります。それ、いくらだと思います?約、-300兆円です。これって純然たる借金です。これを、本当の借金といいます。これは、世界中の機関投資家が当然知っていることなので、何かアメリカにあると不安に感じて、手元のドルを減らして他の国の通貨に換えようとします。今のところ、世界経済はあまり良くないですから、世界を見回してみると、借金のない日本が安全と考えるわけです。だから、円を買う機関投資家が多くなって、円高傾向になるのです。

日経新聞が掲載しているように、日本が本当に「国の借金」を膨大にしており、国民一人当たり何百万円の借金をしているとしたら、円高傾向になんてなりますか?なるはずがないですね。日経新聞は、どこで、頭の螺子が逆方向にまわってしまったのでしょうか?困ったものです。

上のチャートで、子供が3人いますが、これを左から、国民、民間企業、金融機関とします。現在は、デフレでこれらの間でお金の動きがあまりない状況にあります。お金がどんどん動けば、これら子供達から、呑んだくれお父さんに、税収が増えて税金がいっぱいいくわけです。しかし、今は、そうではありません。とにかく、税収が目減りしているのです。

だから、今の政府は、増税をして、復興のための財源を確保しようとしているのです。

しかし、マクロ経済学の原則からいえば、それは御法度といってもよいくらいの禁じ手です。なぜかというと、通常このようなときに、増税すれば、ただでさえ、上の子供3人の間での、取引が減って、さらに、お金の動きがさらににぶくなり、特に、国民は、増税のため、ますます、お金をあまり使わなくなります。そうすると、ますます景気が悪くなり、増税したとしても、その効果がかなり薄まってしまうからです。

なぜ、そんなことになってしまうかといえば、上の3人の子供には、資産をふんだんにもっている者もいれば、そうではない者もいます。これは、子供ということですが、現実の経済では、同じ国民でも、資産をいっぱい持っている人から、ほとんどの資産のない若者まで種々様々です。銀行でも、企業でも同じことです。増税されると、どうなるかといえば、資産を持っている人も、持っていない人にも、平等にかけられるものですから、特に、資産のない人は、防衛のため、お金をほとんど使わなくなります。資産のいっぱいある人は問題ないように思われますが、そうではありません。

なにせ、そうなると、3人の子供間での取引がさらに減りますから、資産を持っている人も、これからさらに資産が増える見込みはなくなるので、やはり、この子供たちも、お金をつかわなくなるわけです。ますます、お金が出回らなくなります。

では、国債ではどうなるかという話に入りたいと思います。そのまえに、国債と税金について、お話します。税金は、多くの国民から徴収できるし、税金を払わないということは、それだけで犯罪ですから、確実です。その反面、上記のような欠点があります。

国債はどうかといえば、これは、企業や個人に利子をつけて国債という書面を買っていただくというもので、税金と比較すると、購入は、あくまで、個人や企業の意思決定によるため、税金と比較すれば、確実性はないですが、税金のような欠点はないわけです。そうです、国債はあくまで、資産がたくさんある余裕のある人が購入するわけで、税金のように、資産を持たないような人からも強制的に徴収するのとは全く異なるわけです。

ですから、国債を大量に発行して、販売したとてしても、経済、特に上の3人の子供に悪影響を及ぼすことはないわけです。だから、国債と、増税を単純に比較すれば、今ば、国債のほうが絶対に優れています。

では、国債を大量に発行すると、大変なことになるといわれるかもしれません。しかし、それとても、本当に大変になるわけではありません。もともと、日本国には、借金は、ないですし、ここでかなり国債を擦ったとしても、国の借金が増えるというわけではありません。それに、もともと、日本の国債は、日本国内の、法人や、個人が購入するのが全体96%ほどです。他国の場合は、ほとんどが、外国というのがほとんどです。特にアメリカなどは、そのほとんどを日本や、中国から買ってもらっています。そうなると、対外金融資産は、マイナスで、これは借金以外の何もものでもないです。

これから、大量に販売したとしても、3人の子供が購入したとすれば、これは、国の借金ではありません。ただし、呑んだくれ父さんのできの良い、資産を沢山もっている余裕のある子供からの借りはさらに増えるわけです。

確かにそうです。資産を持っている子供は何も困りませんね。それに、のんだくれ父さんもいずれは、返すことを書面ではっきり通知しているわけです。そうして、呑んだくれ父さんは、復興などにせいをだすわけです。復興のためには、それこそ、3人の子供のために働くということですから、これらの子供達の全部ではないにしても、かなりにお金をつぎ込んで、町を復興させます。そうなる、復興であろとなかろうと、今までよりは、お金が出回るようになります。これが、税金だと、復興地の人にも税金がかかってしまうことになります。

たとえ、復興特区などをつくったとしても、震災地以外にも、震災により経済的な損失を蒙っている人々は多いので、これらの人たちは、さらに、お金を溜め込み使うことはなくなるでしょう。そうなると、復興特区の対象の人口は、岩手、宮城、福島の人口を全部あわせても600万人ですから、それ以外の人がお金をつかわないということなれば、どういうことになるか誰にでもお分かりになるもとのと思います。

増税しなければ、先の続きで、子供たちの間でお金が回り始めます。そうすると、これが引き金となって、さらに、お金が回り始めます。これは、資産のある子供、資産のない子供の間でも、まわり始めるわけです。そうなると、どうなるかというと、仕事も増え、雇用も増え、どんどんさらに、お金をつかうようになります。そうなると、どうなるかといえば、税収も増えてきます。税収が増えるということは、呑んだくれ父さんの稼ぎが増えるといことです。

そうなると、のんだくれ父さんも、楽に、国債で借りた、お金や、いままでの借金を子供たちに約束通りに返すことができるというわけです。

これは、あまりにも出来過ぎた話のようですが、そんなことはありません。まずは、じゃあ、上の子供達がそんなに簡単にどんどん国債を買ってくれるのかという話にもなるでしょうが、その心配は、一切ありません。なぜなら、今の国債の金利、長期プラムレートはかなり低いです。低くても、買ってくれる子供はいくらでもいるということです。飲んだくれ父さんが、高い利子をつけることもなく、ほとんど無理をしなくても、売れるという状況にあります。であれば、購入してもらったほうが良いでしょう。購入してもらえるうちに、購入もしてもらわないで、増税に走るというのは愚かだと思います。

国債については、良く、海外の格付機関の格付けなど気にする人がいますが、これは、まったくもってもの問題外です。なぜなら、日本の国債のほんどとが国内で購入されているからです。ですから、海外の国債の格付けなど、何の意味も持ちません。

さらに、復興などに関しては、国債を発行したとしても、復興が終われば、それで済むということがあります。これが、社会保障費などであれば、いったん国債をあててしまえば、経済の状況が変わらない限り、繰り返し発行しなければならなくなります。

そんなことはないわけです。あののんだくれ父さんよりも、ずっとたちの悪い無能ギリシャ政府は、政府が直接雇用している国家公務員に対して、お金がないので、ユーロ建ての国債を発行し、ドイツに大量に買ってもらい、ドイツの国家公務員よりも、賃金の高いギリシャ国家公務員に賃金を支払っていました。まったく、愚かな低脳政府といわざるをえません。これは、現在を含めた、日本の飲んだくれ父さん以下です。

それに、国民も愚かでした。これは、もともと、政府が悪いといえば、悪いわけなのですが、外貨建ての住宅ローンなどを実施し、多くの国民がその住宅ローンで家を購入しました。要するに、これはもう完全な借金です。国民単位でも、政府単位でも、借金です。日本とは、全く構図が異なるのがお分かりでしょう。この外貨建ての住宅ローンは円建てで行われたものもあり、ご存知のように、ギリシャが国民が円建て住宅ローンにより、家を手に入れた後で、ギリシャの財政破綻危機が明るみにでて、円高が急激に進み、これにより、数多くのギリシャ国民が破綻しました。

ギリシャなど、確かに、ヨーロッパ文明の発祥地ですが、それは大昔のことであり、今や発展途上国であり、国民も、政府もオバカな、自分の身の丈もわきまえないバカ集団だということです。これと、日本とを一緒にしたら、当のギリシャ人だって驚くことでしょう。今や、ギリシャ人だって、自分たちや、自分たちの政府のバカさ加減をとことん承知していることであり、この記事を読んだとして、抗議をする人もいないでしょう。事実ですから。ただ、日本のことを羨ましいと思うだけでしょう。だから、ギリシャと日本を並列に並べて議論すること自体が完全な的外れです。

しかし、これも長くは続けられません。なぜなら、今度は、のんだくれ父さんが、働きすぎて、どんどん、仕事をして、子供たちの間にどんどんお金が流れで、流れすぎるようになれば、インフレになるがらです。過度のインフレはのぞましくないですから、こうなったら、国債を刷るのはやめて、増税すべきです。そうなれば、今度は、3人の子供間で、過度に流通していたお金の流通が少なくなるらです。このように、経済には、その時々でのバランスが重要です。緊縮財政ばかりやっていてもダメですし、財政出動ばかりでも、ダメです。その時々の状況にあわせて変更していかなければならないものです。

なお、飲んだくれ父さんが、一生懸命に働き、3人の子供たちのために仕事をするためのお金はどのくらいが望ましいかといえば、昨日も掲載したように、家計が1400兆、海外に貸してあるお金が、266兆で世界一であるような国であれば、数十兆で良いはずはないですね。

上の記事にも書いてあるように、3年間で100兆円規模の内需拡大策をバーンと打ち出さないと、間に合いません。これに近いことをやったのが、麻生さんでしたね。本予算で90兆円ほどの財政投資を行ない、そのおかげで、昨年春ころには、少し景気が持ち直しました。景気などの回復は、すぐには、効果はでません。特にデフレの時はそうです。だから、あの回復には、民主党政権は全く関係ありません。民主党はどちらかといえば、足をひっぱりました。

昨年の持ち直し傾向、それに、これに続く、アメリカなどの景気回復などにより、たとえ、震災があったとしても、日本は、間違いなく回復します。ただし、民主党政権が、増税などしなければの話です。民主党があまり復興に巨費をつぎこまなくも、増税しないで、順当に国債などであてれば、このシナリオは確実に実現します。アメリカの経済が良くなるのは、はっきりしています。来年大統領選挙の備えて、オバマ大統領は、何がなんでも、景気を良くして特にアメリカ国内の、雇用の改善はかります。だから、はっきりしているのです。それに、アメリカの景気につられて、新興諸国の経済も立ち直ります。

こんな時に増税して、国内景気を悪くすることは愚策以外の何ものでもありません。困ったものです。ギリシャの場合は、借金があるので、国民の生活水準を落としても、増税すべだったのです。国債を外国に購入してもらえば、借金が増えるだけでした。

それから、ついでに書いておきますが、日本の政府である、上のチャートの呑んだくれ父さんは、過去20年間飲んだくれで、ほとんど仕事をしてきませんでした。それが、いわゆる、失われた20年というやつです。この間に、EU諸国や、アメリカでなどで、いくつかの景気循環があり、国民の賃金は、約2倍になりました。日本だけが、20年たっても、賃金が同じという状況が続いています。

これは、呑んだくれ父さんが20年間働かなかったからです。働かないとは、そうです、緊縮財政です。あまりに働かなかったので、公共工事もほとんどしませんでした。そのため、現在では、20年前の水準よりも落ち込んでいるくらいです。これは、先進諸国の中では、最低水準です。20年間これだけ、公共工事を怠ってきたので、今回の東日本震災でも、その影響は確実にあったと思います。いずれ、これは、解明されるべきと思います。これに、輪をかけ、今の民主党政権では、災害対策費など、事業仕分けで削ろうとしました。本当に、ものを知らないというのは恐ろしいことです。

ご存知のように、ヨーロッパやアメリカでは一部を除いて、地震はあまりおきないです。それに、日本は、雨が多くふります。日本のように洪水の多いところはありません。だから、これらの国よりも、本来、公共工事が必要なのです。しかし、これらの国々よりも、低水準となってしまっている現在は異常です。それが、経済にも悪影響を与えてきました。

この間、まとももに財政出動して働いたのは、小渕さんと、麻生さんだけです。これらの総理大臣だけが、大規模な財政出動をしました。しかし、ご存じのように、小渕さんは、総理大臣在任中にお亡くなりになりました。麻生さんは、麻生おろしにあって、短命内閣で終わってしまいました。その後に、緊縮財政型の民主党政権が政権の座につきました。

いまの政権は、緊縮財政どころが、増税をしようとしています。本当に、愚かで、何も知らない馬鹿な政府だと思います。もうはやく、退陣してほしいです。というより、民主党自体が政権を担うのをやていただきたいです。谷垣総裁の自民党も同じことです。もともと、増税は、谷垣さんもいっていたことです。もう、日本でも、そろそろ、EUや、アメリカと同程度にマクロ経済を普通に理解する政権が政権を握るべきときと思います。

最後に、では、いわゆる日本の政府のプライマリーバランス(財政均衡、要するに飲んだくれとうさんの借金)が崩れきって、どうしようもなくなって、最後の最後はどうなるかというお話をします。多くの人は、これを心配しているのだと思います。その答えで確実なことと、私の推論を最後に述べておきます。

ギリシャのような国であろうと、日本であろとうと、アメリカであろうと、バランスの崩れ方がどうであれ、経済のバランスがかなり崩れた場合でも、いつかは元というか本来の姿、本来のその国の経済に戻るのです。これは、政府などがどんなに頑張ったとしても、人為的に変更することはできません。政府ができるのは、それを急激に変化することを緩めるだけのことであって、実体経済そのもを変えることはできません。どんな場合でも、その国の経済の実力に戻るというわけです。借金生活をしていた人が、それなりの生活に戻るのと同じことです。実体経済に戻るのは確実です。

ギリシャであれば、最悪は、いわゆる財政破綻するか、そうでなければ、国民の生活水準や、役人の生活水準が下がるということです。財政破綻をすれば、外国からの支援で、財政均衡を回復することになるでしょう。いずれにせよ、外国からお金を借りなければできません。そうなれば、生活水準の低下は免れないでしょう。

日本は、どうなるでしょう。外国からお金を借りる必要はありません。だから、結局は財政破綻はしないでしょう。やはり、国民などがお金を何らかの形でのんだくれ父さんに、貸すか、出すかで財政再建を行うことになるでしょう。そうしてそれも、大量に行うことになると思います。政府にいったんお金が集まったとてしも、それは、何かにすぐに使わなければならなくなるので、結局は、市中に大量にお金がまわることになります。

そうなれば、子供たちも潤い、さらにお金を使い、税収も増えます。そうして、行き着く先は、ギリシャと反対に、国民の生活水準が現在よりもあがるのではないかと思います。それが、実体経済に戻るということです。ここ20年間日本が、いわゆる失われた20年などという状況に見舞われていること事態が、おかしなことであり、実体は、多くの国民が、実体経済以下の生活を送ってきてのであり、企業も本来の経済以下の活動をしてきたのではないかと思います。これが、他国には見られない、歪な経済構造を生み出してきたのだと思います。

しかし、この場合、注意しなければ、ならないのは、あくまでも、これは、マクロ経済的にそうなるであろうと言っているのであって、実際そうなってみたら、貧富の差がかなり激しくなるとか、その他の弊害もでてくることは十分考えられます。

そうならないためにも、やはり、飲んだれ父さんに頑張ってもらわなければならないのです。経済では、急激な変化は良くありません。だから、何をするにも、ソフトランディングできるようにすべきです。だからこそ、今は増税すべきときではないのです。

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2011年5月13日金曜日

上原美優さんのデマで有吉弘行さんを誹謗中傷したTwitterユーザーが大暴走 / 他の芸能人にも暴言連発 ―【私の論評】何でこんなことになるのか?

上原美優さんのデマで有吉弘行さんを誹謗中傷したTwitterユーザーが大暴走 / 他の芸能人にも暴言連発


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上原美優さんの自殺に有吉弘行さんが関わっているとのデマにより、お笑いタレントの有吉弘行さんへ誹謗中傷をしたTwitterユーザーが更なる暴走を見せている。

有吉さんへ「上原美優、首吊ったぞ。オマエも吊れ、引っ張ったるから。オマエがやり逃げしたから死んだんちゃうんか?有吉」との中傷を行ったあと、同様の文章をカンニング竹山さん、東野幸治さん、南海キャンディーズの山里良太さんへも送っているのだ。

また、人気モデルの益若つばささんへは「上原美優、自殺したけど、楽屋でイジメてないよね?」とあらぬ疑いをかけ、制止しようとした一般ユーザーに対しても「おまえが消えろしねカス」、「しばくぞ」などの暴言を吐いている。

以前インターネット掲示板2ちゃんねるでも殺人予告や脅迫で逮捕者が出たことがあり、多くの利用者が自身の発言には気を付けているとは思うが、Twitterでも守るべきマナーは同じ。

デマを拡散することはよくないが、それに振り回されて暴言を吐き散らし、他の利用者を不快にさせることはもってのほか。ネット上でなくともひんしゅくを買うような行為である。このユーザーにはそれに早く気づき、即刻迷惑な行為を止めていただきたいものだ。

【私の論評】何でこんなことになるのか?
本日も、ブロガーの調子が悪いので、こちらから投稿させていただきます。つい最近の不調のときは、iPhoneで研修できたのですが、今回は完全にパンクです。なお、このようなときにも、ブログ投稿できるように、ウェブブログでも投稿できるようにしました。今のこの記事は、ウェブブログで書いたものをコピペしたものです。


今後、このような事態が生じた場合は、下のウェブブログのほうに書き込みますので、こちらのほうのブログが更新などされていない場合は、下のURLも覗いてみてください。


http://yutakarlson.at.webry.info

何でこんなことになるのか?すぐに回復していただきいたいものです。本日は、Bloggerが「何でこんなことになるのか?」という状況に陥っていますが、その他にも「何でこんなことになるのか?」ということがありましたので、それについて掲載します。

ところで、上原美優さんといえば、いかのようなプロフィールなのですが、 ご存じのように最近お亡くなりになりました。

ニックネーム:みゅうみゅう
生年月日:1987年5月2日
出身地:鹿児島県種子島西之表市
血液型:A型
身長:152
スリーサイズ:80D・55・80 
靴のサイズ:23.0
趣味:買い物、温泉、映画鑑賞
特技:トランペット、息止め競争、頭突き
目標とするグラドル:若槻千夏
所属:プラチナムプロダクション

上原美優は、「タカトシ×くりぃむのペケ×ポン」、「サンデージャポン」、「草野☆キッド」などバラエティー番組に出演してる人気アイドルです。


上原美優は、レースクイーンの経験もあります。種子島出身の上原美優は、10人兄妹(4男6女)の末っ子として生まれました。この時父親は55歳でした。 上原美優の一家はビンボー子沢山で、小学校時代はパンツがなくてよくノーパンで学校に行ったそうです。


ほかにも、上原美優が生まれた時は母親がパチンコをしてる時に産気づいてしまい、その時はフィーバーだったので生むことができず頭を押し戻して、父親がお姫様だっこで母親を車まで連れて行き、車の中で生まれたそうです。

まだ、若いのに本当に残念です。あの内田裕也さんくらいの、エネルギーがあれば、良かったのでしょうが・・・・・。まあ、内田さんは、やり過ぎですが・・・・・。でも、70歳という年齢なのに、すさまじいパワーだと思います。これは、だれにも否定できないと思います。良い方に向かえば、良かったと思うのは、私だけでしょうか。かの、ドイツのゲーテは、今の内田さんの年齢近くなっても、本当に若い,20代はじめの実在の女性に対する「愛の詩」を綴っていたという有名なエピソードが残されています。それに、亡くなるまで、日々ワインを二本毎日あけていたそうです。すごいですね。

それにしても、上原美優さんが亡くなったことで、Twitterにあのような書き込みをするくらいなら、本当もっと別のことにエネルギーを使って欲しいと思うのは、私だけでしょう。情けないですね。


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こうした、ユーザーは名誉毀損で訴えられても仕方ないと思います。このようなユーザーは、無論、本人が、悪いのですが、なんで、簡単にこんなことになるのか、私の意見を簡単に述べておきます。

このように、すぐにデマを流してしまったり、すぐにデマなどに扇動される人というのは、おそらく、日本の伝統文化とか、そういうことからはかけ離れた存在なのではないかと思います。いわゆる、戦後間違った個人主義教育等により、日本の伝統文化をないがしろにし、無論伝統文化を共有するコミュニティー(いわゆる日本というコミュニティー、それと、地域のコミュニティー)からも分断されているのだと思います。

東日本大震災で、被災者の人たちが、比較的冷静にしておられたのは、こうした文化などが、コミュニティーに息づいており、自分たちは、そうしたコミュニティーの中の存在であり、互いに繋がっているという感覚があった為だと思います。これは、無論、明治の前から続いており、さらには、戦争中も続いており、終戦後も続いており、空間的にも、時間的にも分断されていないのだと思います。それに、コミュニティーの中の人にとっては、このつながりは、過去・現在だけではなく、未来にも続いているのだと思います。


私たちは、親しい人とか、良く知っている人には誹謗中傷など滅多なことではしません。しかし、良く知らない人にはしてしまうこともあるかもしれません。日本では、古より、人と人のつながりを大切にしてきました。少なくとも日本という国の人々は、伝統文化を共通としたつながりのある一つの集団であったと思います。だからこそ、国内では、深刻な内乱や暴動がなくてもすんできたのだと思います。こうした背景から、無差別の誹謗中傷ということも少なかったのだと思います。こうした、つながりが、最近では希薄になってきたのだと思います。

私は、以前、人間が人間として認められるのは、やはり、伝統文化を背負っているからであると、以前のブログに掲載したことがあります。その内容を以下にコピペします。
人が、人としてまともに扱われるということは、どういうことなのでしょうか?それは、その人が育った文化的背景を背負っているということを相手にさとってもらえか否かで決まるものです。背負っていることを認めてもらうことができれば、その人は世界中のどんな人からも、うとんじられることはありません。なぜなら、その人は、その人だけの存在ではなくなるからです、その人が、その文化を担っているというということは、もうすでに、その人だけのことではなく、その文化を背負っている人の文化圏に属する人全体を代表するものとして、相手に受け取られるからです。それどころか、すでになくなったご先祖様の考えをも代表するものとして受け取られからです。
そんな文化的背景のない人間に関しては、そのような背景を持たないサル同様の扱いしかされないのは当然のことです。
私は、菅さんが海外の会議に行っても、先進主要国のリーダーたちからまともに相手にされないのは、決して言葉だけの問題ではないと思います。いくら、お遍路に行ったとしても、彼は、おそらく、日本の伝統文化の背景からは程遠い存在なのだと思います。こうしたことは、いくら、外見を整えてみても、すぐに相手に悟られるものです。それは、思想や、イデオロギーなどとは無縁なものです。どんなイデオロギーがあったにしても、自分の属する文化を知らないものは、そうではない人々には、見透かされてしまいます。フランスや、イタリアの共産主義者たちは、少なくとも自国の伝統文化を背負って話をします。だから、妥協点もみいだしやすいです。
これはとりもなおさず、日本人であれば、日本の伝統文化を背負った人間と、他の国の人から認められない限り、まともな扱いはされないということです。今は、こんな簡単な理屈のわからない人があまりにも増えていると思います。
twitterでこのようなツイートを平気でするような人達は、当然、自分が、他の人々と、時間的にも、空間的にも、同じ文化で繋がっているなどという感覚を持つことができません。それは、これから未来に向かっても、つながっていくという感覚を持つことができないのです。そうです、時間的にも、空間的にも互いに他の人と分断されているのです。このような状況をまともな個人主義などと呼ぶことはできません。個人主義が重んじられてるい、英国でも、このような分断など前提としてはいません。

しかし、これから、このように分断された人々が多くでてくれば、先のtwitterでのデマのようなことを、平気で行うような人が増えてくるでは、ないかと思います。個々人で分断されている人にとっては、つながりのない人たちに対してこのようなことは全く平気なのだと思います。おそらく、こういうことをする人たちは、自分だけの世界、あるいは、実質上ほんの数人のひとびとで世界が成り立っていて、それ以外は別世界という感覚なのだと思います。

それから、上原美優さんも、このようなつながりを持てなかった人の一人なのかもしれません。日本が、世界に誇るべき、伝統文化のある国であり、その文化を通じて、つながっているという認識を持つことができれば、人間、これほど強いことはないと思います。これが、本当の日本の強みです。何をするにしても、他の人たちのためとか、より大きい存在が自分の背後にあるということですから。その逆に、そのようなつながりもなく、単なる個人に分断された精神状態にあれば、人間にとって、これほど脆弱で不安な状態はないのではないでしょうか?


分断された世界にすめば、上原美優さんのようなことになってしまうか、twitterで上記のような書き込みをするようになるかいずれか、もしくは、あったとしてもかなり狭い選択肢の中で生きていかざるを得なくなるのではないでしょうか?


皆さんは、いかがですか?私は、やはり、もともと日本人は、伝統文化を通じて、時間的に、空間的に他の人々とつながつているのが自然の姿だと思います。


追記:この追記は、Bloggerが復活後に付け加えたものですが、復活したのは良いのですが、ブログの冒頭の写真が、最新のものから、一つ前のものに戻ってしまいました。後で直します。

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2011年5月12日木曜日

【日経新聞】「国の借金」1年で41兆円増 10年度末、最悪の924兆円―【私の論評】「国の借金」は表記間違い!財務省は、国の借金などと発表はしていない!!<その2>

【日経新聞】「国の借金」1年で41兆円増 10年度末、最悪の924兆円


国の借金と個人の借金は違う?
昨日は、10日づけ、日経新聞にででいた、「国の借金」は表記間違いであるとのテーマでブログを書かせて頂きました。

要約すると、以下の内容です。
財務省は10日、国債や借入金などを合わせた2010年度末の「国の借金」の残高が924兆3596億円に達したと発表した。09年度末に比べて41兆4361億円増え、過去最悪を更新した。日銀統計によると、家計の金融資産と負債の差額は1100兆円程度。東日本大震災の復興事業で多額の国債の発行が見込まれており、数年以内に政府の債務残高が家計の純資産残高を上回る可能性がある。
詳細につきましては、昨日のブログをご覧になってください。下にURLを貼りつけておきますので、まだご覧になっていない方は、今回の記事の背景をご覧にいただくためにも、是非ご覧になってください。

http://goo.gl/Je9xn


はっきりと、「国の借金」などと書いてあります。とんでもないです。これは、無借金経営どころか、資産が豊富にある会社に対して、借金まみれの会社と報道するようなものであり、暴挙以外の何者でもありません。全く困ったものです。いったい、いつから、日経新聞はこれほど劣化してしまったのでしょうか。

これに関して、これは、間違いであるとの内容を私のブログに掲載しました。そうしたところ、かなりの反響がありました。特に、twitterでは、反響がありました。そうして、購読者のPink様から

「政府の借金だとしても、国債を購入しているのは国民であり、また最終的には増税や預金封鎖を強行して国民の財産を管理する権利を政府が握っている以上、事実上、国民の借金と思うのですが、どうお考えでしょうか。

例えて言うなら、奥さんが勝手に借金してきて、それは奥さんの借金だけど、結局は、旦那さんが払う必要が生じてしまう、というような話です」

という質問がありました。おそらく、同じような疑問をもたれた方は、たくさんいると思いますので、本日は、この疑問に答えることとさせていただきます。

【私の論評】「国の借金」は表記間違い!財務省は、国の借金などと発表はしていない!!<その2>
さて、Pink様の質問に明確に答えるためには、やはり、日本国のBSを掲載しなければならないと思いますので、まずは、それを下に掲載させていただきます。

日本国バランスシート

さて、国債の話は、また回を改めて、掲載することとして、本日も借金に集中して掲載させていただきます。

さて、Pink様から寄せていただいた、「奥さんが勝手に借金してきて、それは奥さんの借金だけど、結局は、旦那さんが払う必要が生じてしまう、というような話」というのは、非常に解りやすい話なので、この今回の説明では、この切り口を採用させていただきます。

さて、上に掲載した、バランスシートは、自分でつくるのは面倒だったので、Googleで画像検索して、探してコピペしたものです。昨年の、1月から3月の速報値ですから、多少日経新聞の記事の数字や、昨日の国の借金のときの数字とは、多少異なりますが、膜ケロ経済的な理屈をお話するのには、これでも、十分だと思いますので、これを使わせていただきます。

まずは、上の対外純資産である263.4兆円は、昨日述べた、純資産、266兆円とほぼ同じです。統計をとっている期間が異なるで、少し時期が違うので、このズレが出るだけであって、基本的には同じものと思ってください。

これは、上記の資産合計-負債・純資産合計=対外純資産ということです。ようするに、国の貸借は、結局、対外純資産と一致しているということです。

これは、昨日お話したように、この値が、マイナスであれば、国単位であれば、借金であり、プラスであれば、貸しているということです。無論、日本国は、これが、プラスですから、借金どころか、外国に、263兆円も貸し付けているということです。日本国が借金をしているなどということはないわけです。

では、Pink様の質問内容の切り口に従って、説明させていただきます。上記で、まずは、政府を旦那さんと、たとえましょう。国民を旦那様の奥さんにたとえます。

まずは、上のBSから、奥さんが勝手に借金してきて、それは奥さんの借金だけど、結局は、旦那さんが払う必要が生じてしまう、というような話になっているのかどうか、検討してみましょう。

奥さんは、上記では、家計というところに記載されてまいす。上の科目では、家計というところに掲載されています。この数値をみると、1452.7兆円ということです。奥さんは、実は、これだけの資産を持っているわけです。しかし、奥さんが借金をしていたら大変ですね。では、奥さんどのくらい借金をしているかというと、していますね。

随分です。それは、家計の負債というところに出ている、373.4兆円です。さすが、たとえとは、いいながら、一国の国民の負債全部ですから、べらぼうで。しかし、先の家計の資産と比較してみてください、そうすると、資産から負債(奥さんのたとえなら貯金から、借金)を差し引いても、なんと、1079.3兆円ものプラスになります。奥さんは、これけだけの資産があるわけですから、借金などから程とおいわけです。

無論、旦那(政府)がどこ(外国)からか、お金を借りてきて、埋め合わせなどする必要性など全くないわけです。ちなみに、ギリシャの場合は、まさしく、奥さんが借金をしていたという構図でした。まさに、国民が外貨建ての住宅ローンなどして、返却不能になったものもかなりありました。日本の場合は、全く異なります。奥さんは借金どころか、かなりの資産を持っいるのです。

では、なんで、国債や借入金などを合わせた2010年度末の「国の借金」の残高が924兆3596億円の借金とい言葉でてくるのでしょうか?実は、これは、政府の負債なのです。上のBSは、期間が違うので、少し数値が異なり、1001.7兆円となっていますが、これは、まずは期間が異なることもありますが、政府の借金は、何も、国債や借入金だけではありませんから、それらも、含めると1000兆円もの金額になるというわけです。

これって、ものすごいですね。これだけ、負債がある国は滅多にないです。これって、一見大変にみえますね。しかし、良く考えてみてください。家計のところでも、資産と、負債をみましたね。要するに、借金というのは、資産から負債を引いたものです。ですから、政府の場合はどうかということで、これも引き算をしてみます。政府の純負債=政府の資産-政府の負債=-519.8兆円ということで、確かに、マイナスです。これを財政均衡(プライマリーバランス)が崩れているという言い方をします。この519.8兆円という金額、確かに個人レベルでいえば、目もくらむような天文学的な数字です。

しかし、これは、本当に大変なのでしょうか?そのモノサシとして良く使われるのは、対GDP比です。では、日本のGDPはどの程度かといえば、539,739.30(単位10億)(約539兆)です。GDPよりも、少し多い程度ということです。確かに、多いといえば、多いですが、これが、GDPをはるかに超えていたりすれば、本当に不味いということになりますが、よく良く考えてみてください。

この旦那(政府)さんには、しっかりものの奥さんがいて、とてつもない純資産(貯金)を持っているわけです。なんと、旦那さんの1年の稼ぎの倍に近い資産を持っているわけです。それに、この旦那さん自身も、何も他の人(外国)から借金をしているわけではありません。あくまで、日本国内(たとえでいうと家庭)からお金を借りているわけです。

上の例では、奥さん(家計)の例のみあげましたが、その他にも、お金のある金融機関などの家族もいます。ただし、日本では、家計がダントツであるのはおわかりでしよう。それから、奥さんの資産の中には、現金・預金、株式・社債、そうして、国債もあります。これは、当然のことですが、政府にとっては、国債は、借金ですが、家計からみれば、資産です。これからみると、国債を国民の借金にする日経新聞の書き方は、まったく間違いです。これは、国民の資産です。

このへんの事情は、国債の話もとりまぜて、昨年のカナダでのG20の内容を過去のブログに掲載しました。これを読むと、現状でプライマリーバランスの崩れを気にして、そちらのほうにばかり注力するのは間違いであることが良くわかります。

これは、確かに歪な状況ではあります。この歪な状況は、簡単にいえば、デフレがもたらしたものといえます。要するに、世界でも稀な長期間のデフレのため、市中(日本の国の中)にお金が出回わらなくなった結果ともいえます。だから、税収も大幅に減ったのです。

なぜ、このようなことになったのかといえば、やはり、旦那さんが仕事をしなかったという事だと思います。旦那さんの仕事といえば、政府に話をもどせば、長い期間にわたって、公共投資など怠り、緊縮財政ばかりやってきたため、均衡が崩れたということです。

皆さんの中で、公共工事=ハコモノ行政=悪、という単純な図式が成り立っていると思われるのですが、それは、全くの間違いです。実は、この20年間、日本の歴代の政権のほとんどは、緊縮財政ばかり行ない、そのせいで、公共投資は、他の先進国に比べると、異常に低い水準に落ち込んでいます。20年前の水準以下になっています。これは、本気で是正しないとだめでしょう。

最近、twitterで、あるチャートを教えてくれた人がいて、そのチャートをみると、旦那さんのことを呑んだくれとうさんとたとえていました。これは、本当に良いたとえだと思います。呑んだくれ父さんが、あまり働かないで、稼ぎ(税収)がなくなったということです。

しかし、税収がなくなったからといって、単純に増税すれば良いというのは間違いです。増税すれば、ますます、お金の動きがなくなり、さらに、家計が増えたりするだけのことになり、景気は落ち込みます。特に、今の時期には、そうなります。では、どうすれば、良いかといえば、奥さんなどから一時、さらにお金を借りて、もっと市中にお金が出回るようにして、企業などの仕事を増やし、雇用も確保するようにして、さらに、お金が回りやすいにようにすればよいわけです。

これに関しては、また、国債、税金の話も含めて、機会をあらためて、書きます。とにかく、どの方面からみても、「国の借金」などないし、そんな表記をする日経新聞は全く間違えているということで、本日の話を締めくくります。

【関連記事】

成長優先で協調確認=G20首脳会合が開幕-経済回復は脆弱、財政再建は慎重に―情報閉鎖の日本マスコミ?(昨年の菅首相の外交デビューでもある、カナダでのG20の内容を参照しつつ、国債の話など掲載しています。このG20では、カナダ首相は日本の経済の特殊性を理解し、他国には財政再建を優先するべきとしましたが、日本は例外としています。この事実、マスコミはほとんど報道していません)


【日経新聞】「国の借金」1年で41兆円増 10年度末、最悪の924兆円―【私の論評】「国の借金」は表記間違い!財務省は、国の借金などと発表はしていない!!

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2011年5月11日水曜日

【日経新聞】「国の借金」1年で41兆円増 10年度末、最悪の924兆円―【私の論評】「国の借金」は表記間違い!財務省は、国の借金などと発表はしていない!!

【日経新聞】「国の借金」1年で41兆円増 10年度末、最悪の924兆円


財務省は10日、国債や借入金などを合わせた2010年度末の「国の借金」の残高が924兆3596億円に達したと発表した。09年度末に比べて41兆4361億円増え、過去最悪を更新した。日銀統計によると、家計の金融資産と負債の差額は1100兆円程度。東日本大震災の復興事業で多額の国債の発行が見込まれており、数年以内に政府の債務残高が家計の純資産残高を上回る可能性がある。

「国の借金」は国債、借入金、政府短期証券の総額で、財務省が四半期ごとに公表している。財投債(118兆円)は含み、地方の長期債務(約200兆円)は含まない。10年度末残高の内訳は国債が758兆5690億円、借入金が55兆58億円、政府短期証券が110兆7847億円だった。

借金残高は5年間で約100兆円増えた。今年4月時点の推計人口(概算値)で計算すると、1人あたりの借金は約722万円となる。11年度第1次補正予算後の財務省見通しでは、11年度末には1002兆円になる。

借金がここまで膨らんだのは、毎年の政策経費を税収だけで賄えず、新規国債の発行に歯止めがかからないためだ。国債は09年度末に比べて約38兆円増えた。

政府は20年度までに政策経費の財源不足を解消して、債務残高の増加に歯止めをかける目標を掲げている。だが仮に名目で年率3%を上回る経済成長を遂げたとしても、目標の達成は難しいとされている。【日経新聞】

【私の論評】「国の借金」は表記間違い!財務省ですら、国の借金などと発表はしていない!!
上の日経新聞の「国の借金」という表現は、完全に間違いです。これが、「プライマリーバランスが赤字」とか、「財政均衡が崩れている」、「財政均衡が崩れて、赤字になっている」というくらいなら、わかりますが、譲歩して「政府の借金」くらいなら、まだしも、「国の借金」という表現は完全に間違いです。困ったものです。日本の一応一流経済紙といわれている新聞がこのような表記をすべきではないです。完璧な言葉遣いの間違いです。

このブログを長年読まれている方は、もう私のいいたいことはおわかりだと思います。このことは、このブログでは、何回も掲載してきました。結論からいえば、日本国には、借金などありません。本当の日本国の借金とは、外貨建てで、外国からお金を借りていて、それが、外国に貸したお金をうわまわったとき、始めて、赤字であり、借金といいます。格好をつけて、専門用語でいえば、負債ということになります。これ以外は、負債といいません。

この理屈は難しいことではないです。たとえば、私が菅総理からお金を借りていたとします。私は、私で、菅総理にお金を貸していたとします。私が菅総理から借りているお金の金額の合計が、私が、菅総理にお金を貸している金額を上回ったときに借金(負債)といいます。これって当たり前の真ん中ですね。先の話は、菅総理を日本と入れ替え、私を外国と入れ替えただけの話です。

経済の話、マクロ経済の話などというと、やたらと、難しいと思う人もいますが、この話はあまりに簡単で誰にでも理解できると思います。上の原則は、他のどんな複雑な事象が加わろうが、なにがあろうが、根本は何もかわりません。

(参考)本邦対外資産負債残高の内訳

(単位:10億円)


資産
21年末残高
対前年末比
直接投資
68,210
+6,470
証券投資
261,989
+46,307
金融派生商品
4,251
▲2,771
その他投資
123,599
▲18,153
外貨準備
96,777
+3,793
資産合計
554,826
+35,646
負債
21年末残高
対前年末比
直接投資
18,425
▲31
証券投資
141,896
+1,589
金融派生商品
5,213
▲2,548
その他投資
123,068
▲4,078

負債合計
288,603
▲5,068
純資産合計
266,223
+40,714



それでは、日本国の負債はどうなっているのか、これは、財務省の統計から現在の最新の数字(21年度分)をもってきました。表が、フォームからはみ出てしまって、少しみっともないでずが、ご容赦ください。

本邦対外資産負債残高の内訳という表の題名は良くありません。この表は、金融資産を扱っています。それに、負債残高という表記もおかしいです。企業の財務諸表のPLで、利益と書くべきところを、損失と書いているようなものです。何か、意図があるのでしょうか?

さて、上の、純資産合計というのがありますが、これが、266兆円あります。これが、日本が外国に貸しているお金=金融資産ということになります。これが、マイナスであれば、負債ということです。

要するに、、日本には、借金があるどころか、266兆円も貸しているということです。

これは、先ほど、菅さんと私との間のやりとりと同じことであり、負債でなくて、資産であれば、無論借金ではありません。

これは、日銀の資料などでも、同じことです。ただし、日銀は見方が違うので、表の中の項目が若干違うというだけで、同じことです。帳尻はの266兆円という数字は、変わりありません。

ちなみに、ギリシャやアイルランドの国などは、この日本でいえば、266兆円に相当する数字が、マイナスでした。そうです、まごうかたき、借金です。だから、財政破綻に見舞われて、大変なことになったのです。この数字がプラスである限り、国は借金を背負っているなどということはなく、財政破綻の危機などからは程とおいということです。

このようなことは、はっきりしすぎていることですから、私は、上の財務省の資料をみるついでに、日経新聞のように「国の借金」などという言葉があるのかどうか、目を皿のようにして探してみましたが、さすがに、はっきり「国の借金」などという表現はどこにも用いていませんでした。それを使ってしまえば、はっきりした嘘ということになってしまいますから、書けないでしょう。なのに、日経新聞は、平気で使っています。これは、言葉レベルでいえば、完全に誤用であり、日経新聞には、まともな校正者がいるのかどうかを疑ってしまいます。日経新聞も、すっかり劣化してしまいました。

それから、これは、今回の発表に関してではないですが、3年前ほどに同じようなことがあり、財務省に電話をかけて、いろいろ聴いたのですが、さすがに、「国の借金」という言葉は遣いませんでした。要するに、プライマリーバランスの崩れに関して、「これは国の借金(負債)なのか」と聴いてみたのですが、そちらの方に誘導すべく、いろいろいと聴いてみたのですが、人が何回か変わったりしましたが、さすがに、プライマリーバランスの崩れを「国の借金」といういう人は一人もいませんでした。

ただし、サイトの中をみていると、たとえば、家のローンの模式図と、プライマリーバランスの赤字の模式図を横に並べて、併記したりして、これを見た人に、「プライマリーバランスの崩れ=赤字」というように誘導しようとしているのがありありとわかりました。しかし、この模式図や、その説明文の中に、「国の借金(負債)」などという言葉は一言一句もでてきませんでした。

そりゃそうですね。それを言ってしまえば、完璧な嘘になりますから。口が裂けても財務省の人間が言うことはできませんね。皆さんも、試しに、財務省に電話をかけてみてはいかがですか?本当、うろたえぶりが面白いですよ!!私が電話をかけたときには、通算で5回人が変わりましたよ!!変わるたびに、職位があがっていきました。さすがに、次官まではいきませんでしたが・・・・・・・・。

本日は、国の借金ということに絞って掲載させていただきます。プライマリーバランスや、国債にことや、他の事まで話を広げると、分かりきつていることをまた、掲載するということで、書く方も、辛いですから、いずれ、機会をみて、一つずつ、最新の数字をふまえながら、今回のように平易に解説するつもりです。また、過去の経済関係の記事を【関連記事】のところに掲載しておきましたので、こちらも読んでいない方は是非ご覧になってください。

ただし、次の記事に興味を持っていただくために、プライマリーバランスについて、あと少しだけ掲載しておきます。

ギリシャのような国、実は、プライマリーバランス(財政均衡)だけみていると、真っ黒で、とても健全にみえていたときがあります。そうです。そんなことはいくらでもありうるのです。たとえば、国の歳入と歳出が均衡を保っていて健全に見えても、要するに、日経新聞に書かれているような日本の状況からは程遠くても、海外からの借金があれば、上の純資産合計が真っ赤ということもありうるのです。

なぜなのかといえば、それは、プライマリーバランスなど国の経済全体の一部を切り取ったものに過ぎないからです。会社でいえば、財務省表の特に、BSの一部を見ているにすぎないからです。プライマリーバランスとは、先ほどの私と菅総理の金のやりとの例でいえば、菅総理のご自宅の中での金のやりとりのようなものだからです。菅総理が、たとえ、菅さんのお宅のなかで、たとえば、奥さんなどから、かなり多くのお金を借りたとしても、私からの借金をしていなければ、公に借金などとはいいませんね。日本という国も同じことです。

ただし、菅総理が奥さんからのお金を返そうとして、私から、沢山借金をすれば、事情は変わってきます。そこから、本当の借金ですね。しかし、日本は、このような状況からは、実は程遠いのです。ちなみに、ギリシャなどは、まさにこのパターンでした。ドイツなどに、ユーロ建てで、ギリシャ国債を買ってもらって(平たく言うと、借金して)、それを国家公務員の賃金にあてたりしていました。こうなれば、先ほどの純資産合計は、マイナスになるか、あるいは、純負債合計という表記になるということです。要するに、プライマリーバランスだけからは、国が借金(負債)しているかどうかなど判らないということです。

【関連記事】

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2011年5月10日火曜日

食の事件二題「団子」と「ユッケ」―【私の論評】なぜ、はっきりと危険性を発表したり、報道しないのか?

食の事件二題「団子」と「ユッケ」


山形の団子など食中毒で25人入院 5人からO157検出




山形県は10日、山形市七日町の菓子製造業「佐藤だんご屋」の団子などによる食中毒で、入院者が25人に増え、うち5人の便から腸管出血性大腸菌O157が検出されたと発表した。

県によると、入院した25人のうち10人が10歳未満。発症した人は計118人に上ったが、いずれも命に別条はない。

発症したのは、2日にかしわ餅を食べた保育園児や、3日に市内のイベントで出た団子を食べた客などで、7日ごろから腹痛や下痢の症状を訴え始めた。O157は3~4日の潜伏期間がある。

県によると、同店では、菓子の製造に当たりビニール製の手袋などを着用せず、素手で作業していた。

県は、7人が入院したことが判明した8日付で、同店を3日間の営業停止処分とし、施設の清掃や調理器具の消毒などを指導。10日に立ち入り検査した。



「ユッケ280円」安過ぎないか 「消費者は疑うべき」との声


   焼き肉チェーン「焼肉酒家えびす」のユッケ食中毒事件をめぐり、運営会社「フーズ・フォーラス」と食肉卸業者「大和屋商店」が責任をなすりつけ合う状況が続いている。

   そんな中、「ユッケ280円はさすがにありえない安さだ」という声が大きい。ここまでの安さは本来、実現可能なのか。

「A3クラス和牛のモモ肉なら安くても700円以上」

   有名チェーンのユッケの価格を見ると、「安楽亭」は1皿750円、「牛繁」は690円、「牛角」では表面に火を通した「タタキ風」が590円となっていた。いずれも事件後に販売を自粛している。それらに比べると焼肉酒家えびすの280円は圧倒的に安い。

   各社の報道では、細菌を取り除くために肉の表面を削る「トリミング」作業を行わず、細菌検査もしていなかったなど、フーズ・フォーラスの不十分な安全管理、過剰なコスト削減が指摘されている。

   5月10日放送のフジテレビ系「とくダネ!」では、えびす関係者の「ユッケは和牛だけど乳牛のを使っていると聞いた」という証言を紹介。また、大和屋商店が食中毒直前の4月中旬、ユッケなど生食には適さない「廃用牛」を仕入れていたという仕入れ先の話も併せて紹介している。

   5月20日号の週刊ポストには、次のような食肉流通業者の話がある。

「中堅以下やチェーン店ではモモ肉を使うケースが多い。(標準的とされる)A3クラス和牛のモモ肉は卸価格で1kg当たり2000円程度ですが、肉の表面部分は菌が付着しているので捨てなければならず、実際に使える部分は少ない。一皿(60~80g)なら、安くても700円以上になる。280円で出していたとしたら大赤字」

「値段で疑うのは難しい」

   ネット上では、安すぎる生肉には「疑ってみるべき」という声が相次いでいる。

「280円じゃ怖くて食べられない」

「安すぎじゃない?その値段に不信感持たなきゃだよー」

   しかし、一方で、

「安過ぎる生肉の刺身は今考えると怪しいだろと思うけど、店入ってメニュー開いたら、頼むんだろうな」

「あまり値段を見ないで注文することもあるし、値段で疑えというのは難しい」

など、消費者目線では疑いにくいとする嘆きも見られる。

【Jキャストニュース】

【私の論評】なぜ、はっきりと危険性を発表したり、報道しないのか?
つい最近、ユッケの事件があったばかりなのに、またまた、団子で食中毒です。しかも、O157が発見されています。ちなみに、ユッケの事件についても、新たな動きがありました。今回、ユッケを食べて、食中毒をおこして、死亡した人々の大腸菌のO111のDNAの型がすべて一致したそうです。であれば、店に運びこまれる前の、どこかの時点で、肉が菌で汚染されていた可能性が高いです。現在、警察が発生源をしらみつぶしに調査しています。

食べ物といえば、それこそ、口蹄疫、狂牛病、メラミン、毒餃子、ミートホープの食肉偽装、白い恋人、うなぎ産地偽造、こんにゃくゼリー、メタミドホス米、中国産毒餃子、中国地溝油など、ちよっと思いついただけでも、ここ数年で、このような問題があります。無論、国民の安全のため、国が規制するなどのことは必要だとは、思いますが、これだけ危険が溢れているということがわかっている以上、まずは、自己防衛が大事だと思います。なお、これら過去の事件について、下の【関連記事】に掲載してあります。読まれていない方は、是非ご覧になってください。

これら、食べ物事件に、また、新たな1ページが付け加えられることになってしまいました。団子といえば、しかも、山形のだんごですから、日本の伝統的なものであり、作るには、熱を用いますから、普通は、ビニール手袋など仮にしていなくとも、普通は、食中毒などありえません。何か他にも原因があるのではないかと思います。しかし、これは、本当に驚きです。まさかというところです。でも、団子のようなものでも、場合によっては、食中毒がおこることもあり得るということです。

次は、ユッケについて掲載しておきます。ユッケの定義をあげると以下のようなものです。

「原語読みでは「肉」はユク(육、Yuk)、「膾」はフェ(회、Hoe)の発音で、連音化して「ユッケ」と聞こえる。「膾」は獣や魚の生肉を細かく刻んだもの(「なます」や刺身の一種)の意味である。

この名前が示す通り、生肉を使った韓国式のタルタルステーキ様の料理である。生の牛肉(主にランプなどのモモ肉)を細切りにし、ゴマやネギ、松の実などの薬味と、醤油やごま油、砂糖、コチュジャン、ナシの果汁などの調味料で和え、中央に卵黄を乗せて供することが多い。ナシやリンゴの千切りを添えることも多く見られる。食前にはよくかき混ぜるのが良いとされる。

ユッケをビビンバに乗せたものは、ユッケビビンバ(육회 비빔밥)と称される。晋州市の郷土料理は特によく知られており、ご飯やナムルの上に乗った赤い牛肉を花に見立ててファバン(화반、花飯)とも呼ばれている。」

生牛肉と、生卵ということで、これは、最初から危険な食べ物だと思います。まずは、卵です。卵を生で食べるのは、世界でも日本と韓国だけではないかと思います。

たとえば、アメリカ人は卵料理が大好きです。料理だけでなく、卵のたっぷり入ったお菓子やアイスクリームなど、とにかく卵なくして、アメリカの食生活は考えられないと言って良いでしょう。ですが、卵との付き合い方で、日本とは決定的に異なる点が1つあります。

それは「生卵」に対する警戒心です。社会常識として「生卵は危険」というのが一般的になっており、事実、そのものズバリの生卵を使った料理はあまりありません。また、州によって多少規制が異なりますが、基本的にレストランでの生卵の提供は禁止されている地区が多くあります。私の住んでいるニュージャージー州でも、レストランでの「生卵」は禁止です。

卵に関しては、たとえは、焼いたとしても、夏には危険なことがあります。焼いた卵ですら、夏など、特に半熟の部分があったりして、わずかの時間に腐敗してしまい、直中毒をおこしてしまうことがあります。それが、生ということであれば、ほんのわずかの時間で腐敗することは十分あります。

次に、生肉についてですが、これも、かなり危険です。

とりわさ、レバ刺しなどによる食中毒の原因菌である「カンピロバクター」や「腸管出血性大腸菌(O157など)」は、少量の菌で食中毒を起こします。新鮮であっても、菌が付いている食肉を生で食べれば、食中毒になる可能性があります。

また、カンピロバクターによる腸炎は、子どもに多く発生します。また、腸管出血性大腸菌(O157など)による食中毒では、合併症で溶血性尿毒症症候群(HUS)を発症する率が子どもにおいて高く、腎機能障害や意識障害を起こし、死に至ることがあります。子どもも含めて、カンピロバクターによる食中毒の後、手足の麻ひ、呼吸困難等を起こすギラン・バレー症候群を発症することがあります。

さて、この生卵と、生牛肉のリスクのあるユッケは生肉を食するものであるため、動物の腸などから付着した腸管出血性大腸菌やサルモネラなどに感染する可能性が大きいです。このため旧厚生省は「生食用食肉の衛生基準」(1998年(平成10年)9月11日生活衛生局長通達)により生食用食肉の規格や衛生管理について定め、これに沿った食肉に限り「生食用」と表示することとしています。しかし、これに基づく生食用食肉の出荷実績があるのは馬肉とレバーのみで、牛肉の出荷実績のある施設はなかった(2008年(平成20年)、2009年(平成21年))。この基準が遵守されず、多くの加熱用食肉が飲食店の自主判断で生のまま提供されているといいます。

毎年、20件ほど食中毒が発生しており、広く知られたものでは2008年に炭火焼肉店でカンピロバクターによる食中毒が発生した事例がある。しかし消費者の支持は根強く、東京都が2009年に実施した意識調査では、過去3か月間に生肉を食べた約400人中、29人が体調不良になったがその後も生食を続けたと回答した。マスコミ報道されない食中毒事例も多数に上るものとみられます。

もともと、ユッケは、日本の料理ではありません。韓国のものであり、韓国は、日本と異なり、大昔から肉を食べる習慣がありました。日本では、肉を食べるようになったは、明治以降ということで圧倒的に短いです。

韓国ではニンニクとゴマ油を混ぜて冷蔵庫で1~2時間熟成、殺菌してから出すのが一般的であり、韓国食品医療品安全庁では過去に大規模な食中毒事件の報告はないそうです。またユッケ取り扱い店への抜き打ち検査等の検査体制もあり、毎年、数店舗~数十店舗が指導を受けているそうです。

それに、おそらく、肉の食文化ということで、韓国では、上記のような取り扱いのほかにも、流通面とか、肉の取り扱いそのものについても、日本とは異なるところがあります。たとえば、O111などほんの僅かの菌でも、感染するそうです。だから、トリミングをしたからといって安心ではありません。トリミングをしたとしても、すべての面を同じまな板で行った場合、トリミングで切った肉を置いたところに、菌が付着して、それが結局トリミング後の肉に移ってしまいます。だから、本来は、トリミングするたびに、包丁もまな板も、洗う必要があります。トリミングでも、このような細心の注意が必要です。他の工程や、流通の過程においても、細心の注意が必要なのだと思います。

日本では、食文化も、その他も、もともと生肉を前提とした食文化や、流通もないという事だと思います。であれば、わざわざ、危険なユッケを食べる必要はないのではないと思います。おそらく、ユッケをおふくろの味と思うような人は、日本人の中にはいないと思います。もともと、食べる人が極少数だったということで、流通も生肉に向けて、整備されていなかったということです。魚などとは根本的に異なります。

日本人が、外国産のこんな危険性のあるものをわざわざ食べる必要はないです。特に、小学校にあがる前の子供に、食べさせるべきではないと思います。

ユッケも最近の韓流ブームの一環ではないかと思います。ここ、特にここ10年以内に食べるようになって来たのだと思います。わざわさ、食べる必要はないです。

私自身は、団子のように通常は安全なものでさえ、場合によっては、深刻な食中毒になるのに、ユッケは、動考えても、現在の日本では危険です。なのに、政府など、食べるなとか、控えよとか、現状では、危険だと、はっきりとした声明を発表しません。それは、マスコミも同じことです。先日も、あるテレビで、「ユッケそのものが危ないわけではないです」などと、念を押していました。

これは、いわゆる、在日の方とか、日本に在住している韓国人などに配慮したものなのでしょうか?しかし、どう考えても危険は、危険です。もし、はっきりさせなければ、在日の方や、日本に来た韓国人の方にとっても、危険です。もし、はっきりさせれば、確かにユッケなど売れなくなるかもしれませが、それは、焼肉店で販売されている商品のごく一部でしかありません。さほど、影響があるとはおもえません。もし、配慮のつもりではっきり、政府が危険性を声明を発表しないとか、マスコミも右にならえであれば、いちじるしい勘違いといわざるをえません。そう思うのは私だけでしょうか?

しかし、上の記事の消費者目線とは、誰の目線のことなんでしょうかね?別に誰とも書いていないし、そういうことをいう人の数や、割合もわからないし、かなり無責任な表記です。とても、日本国内の多数派の意見塔とは、思えません。これでは、まるで、世論操作です。困ったものです。

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