2014年10月9日木曜日

熊坂社長声明「言論の自由への明白な侵害」 産経前ソウル支局長起訴―【私の論評】今回のこの出来事で、「韓国に対しては反論すべきは反論し、水掛け論にもっていき、後は捨て置け」という措置が最も相応しい事が実証された(゚д゚)!


熊坂隆光・産経新聞社代表取締役社長

 熊坂隆光・産経新聞社代表取締役社長の声明

産経新聞は、加藤達也前ソウル支局長がソウル中央地方検察庁により、情報通信網法における名誉毀損(きそん)で起訴されたことに対し、強く抗議するとともに、速やかな処分の撤回を求める。韓国はもとより、日本はじめ民主主義国家各国が憲法で保障している言論の自由に対する重大かつ明白な侵害である。

産経新聞は、加藤達也前ソウル支局長

産経新聞のウェブサイトに掲載された当該コラムに韓国大統領を誹謗(ひぼう)中傷する意図はまったくない。内容は韓国旅客船セウォル号沈没事故当日、7時間所在が明確ではなかった朴槿恵大統領の動静をめぐる韓国国内の動きを日本の読者に向けて伝えたものである。これは公益に適(かな)うものであり、公人である大統領に対する論評として報道の自由、表現の自由の範囲内である。

ところが、検察当局の取り調べの過程では、明らかに表現の自由を侵害する質問が繰り返された。しかも、加藤前支局長は60日に及ぶ出国禁止措置で行動、自由を束縛された上での本日の起訴である。

そもそも、日本の報道機関が日本の読者に向けて、日本語で執筆した記事を韓国が国内法で処罰することが許されるのかという疑問を禁じ得ない。

日本新聞協会をはじめ、ソウル外信記者クラブ、日本外国特派員協会、国境なき記者団といった内外の多くの報道機関、団体が強い懸念などを表明し、国連や日本政府も事態を注視する中で今回の検察判断は下された。これは、自由と民主主義を掲げる韓国の国際社会における信用を失墜させる行為である。報道の自由、表現の自由が保障されてはじめて、自由で健全な議論がたたかわされ民主主義は鍛えられる。韓国当局が一刻も早く民主主義国家の大原則に立ち返ることを強く求める。

今後も産経新聞は決して屈することなく、「民主主義と自由のためにたたかう」という産経信条に立脚した報道を続けていく。

【私の論評】今回のこの出来事で、「韓国に対しては反論すべきは反論し、水掛け論にもっていき、後は捨て置け」という措置が最も相応しい事が実証された(゚д゚)!

上の記事で、指摘されている産経新聞のウェブサイトに掲載された当該コラムのURLを以下に掲載します。
【追跡~ソウル発】朴槿恵大統領が旅客船沈没当日、行方不明に…誰と会っていた?
朴槿恵大統領
詳細は、このコラムをご覧いただくものとして、これでは朴大統領が2014年4月16日のセウォル号事故当日、約7時間にわたって所在が確認されていなかったことを巡る話題を伝えています。

大統領の側近が朴大統領の当日の所在について「知らない」と言葉を濁す国会答弁や、韓国最大手紙の朝鮮日報が2014年7月18日に「大統領をめぐるウワサ」と題したコラムを掲載したことを掲載しています。

また朝鮮日報のコラムは「『大統領はあの日、ある場所で誰かと密会していた』という噂が流れた」とし、噂に登場した人物も実名で報じた。加藤達也支局長はさらに「証券界の関係筋」の話として、その噂は「朴大統領と男性の関係に関するもの」と踏み込んで説明したことも掲載しています。

チョン・ユンフェ氏
噂に登場した人物の実名
①チョン・ユンフェ氏(①の妻=チェ・テミンという牧師の娘)
②チェ・テミン牧師(②=チョン・ユンフェ氏の妻の父)

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、これを見ている限りなぜ誹謗中傷にあたるのか良く理解できません。加藤前支局長は、断定しているわけでもなく、韓国のメディアなどに書かれたものをもとに書いているだけであり、出所も明確に提示しています。

上記の社長の表明にもあるように、 韓国旅客船セウォル号沈没事故当日、7時間所在が明確ではなかった朴槿恵大統領の動静をめぐる韓国国内の動きを日本の読者に向けて伝えたものです。

実際、この所在が明確でないことは、韓国内でも各方面で取りざたされたことであり、これ自体はどう考えても、事実です。

セウォル号沈没事故は、大きな事件であり、やはりこういう重大事件が発生しているときに、大統領が一時的であっても、所在が不明ということは大問題です。

にもかかわらず、この事実を日本向けに伝えた加藤元支局長が、ソウル中央地方検察庁により、情報通信網法における名誉毀損(きそん)で起訴されるという前代未聞の珍事にまで発展してしまいました。

以下に起訴状の内容が掲載された記事のURLを掲載します。
【本紙前ソウル支局長起訴】起訴状全文

今回のこの出来事に関する識者などのツイートをみてみます。
その他、官房長官や外務省局長も韓国側に懸念を伝えています。
官房長官「韓国に懸念伝える」 産経前支局長起訴
菅官房長官
 菅義偉官房長官は9日午前の記者会見で、韓国のソウル中央地検が産経新聞前ソウル支局長を朴槿恵(パク・クネ)大統領の名誉毀損罪で在宅起訴したことについて「報道の自由、日韓関係の観点から極めて遺憾だ」と述べた。そのうえで「国際社会の常識と大きくかけ離れており、政府として韓国に事実関係を詳しく確認し、懸念を伝えたい」と語った。
産経前支局長起訴、韓国公使に「深い憂慮」 外務省局長
 外務省の伊原純一アジア大洋州局長は9日、韓国の金元辰(キム・ウォンジン)駐日公使を同省に呼び、韓国検察が産経新聞前ソウル支局長を在宅起訴したことについて「報道の自由と日韓関係の観点から極めて遺憾で事態を深く憂慮する」と伝えた。金氏は「(日本側の意見を)本国に正確に伝達する」と応じた。
これに関しては、日本だけではなくアメリカ側からも憂慮の念が表明されています。
米「韓国の法律に懸念、以前から」 産経前支局長起訴
サキ報道官
 産経新聞の前ソウル支局長が情報通信網法違反の罪で在宅起訴されたことについて、米国務省のサキ報道官は8日の会見で、「起訴されたとの報道は承知しているし、当初から捜査状況を見てきた。それ以上の詳細はわからない」と話したうえで、「我々は広く言論や表現の自由を支持しているし、韓国の法律への懸念もこれまで示してきた」と話した。国務省は2013年版の人権報告書の中で、韓国について「法律が名誉毀損(きそん)を幅広く定義して刑事罰の対象としており、取材活動を萎縮させる恐れがある」と指摘していた。(ワシントン=大島隆)
これは、言論の自由に対する酷い弾圧です。元支局長の出国禁止もこれだけ長くなれば、これは最早監禁以外の何者でもありません。在宅起訴は、完全にやり過ぎであり、あまりにも酷すぎる処分です。

このような言論弾圧は、発展途上国や独裁政権のやり方で、民主主義ではあり得ない暴挙です。今回の件により、韓国は自らの政治の未熟さを全世界に向かって告知したようなものです。

産経新聞の元支局長が在宅起訴される一方で、元支局長が記事を引用した韓国の新聞社も、その記事を書いた記者も処罰されていないことは、全く整合性がないですし、李明博政権末期、韓国憲法裁判所が、慰安婦問題で日本に具体的な措置をとらないのは憲法違反としていましたが、ころから韓国の司法は明らかに変質したと思いましたが、今回の出来事で、まさしくそれが証明されたようなものです。

起訴して本当に裁判になれば、まともな裁判になるとは考えられません。さらに韓国の司法の変質ぶりを世界に向かって告知することになり、韓国の国際的な評価はさらに地に堕ちることになります。

それにしても、これは子供っぽいし、破廉恥行為以外のなにものでもありません。産経新聞社は徹底的に抗議すべきですし、日本政府も記者がこういう形で刑事罰を受けることになるのであれば毅然(きぜん)とし態度で望まなければなりません。

それにしても、このような暴挙に出るとは、やはり私が以前このブログで主張したように、「反論すべきは反論し、水掛け論にもっていき、後は韓国は捨て置け」という対処の仕方が正しかったと証明されたようなものです。

この主張を掲載した記事のURLを以下に掲載します。
河野談話、韓国と文言調整=「元慰安婦」の裏付け調査せず-政府が検証報告書―【私の論評】反論すべきは反論し、水掛け論にもっていき、後は韓国は捨て置け(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、韓国への対処方法に関する部分のみ以下にコピペさせていただきます。
韓国に対するこれからの日本の対応は簡単です。韓国が反日的な妄言を発言すれば、それに対するいくつかの反証をあげ、水掛け論にもって行くことと、それ以外のつきあいはしないということです。反日的言動には、水掛け論にして、後は捨て置けばそれで良いのです。
韓国と付き合いをしなくても、日本としては失うものはほとんどありません。韓国のGDPは、東京都と同程度であり、日韓の輸出・輸入も投資も微々たるものです。しかし、韓国は失うものがかなり大きいです。
そもそも、日本が朝鮮を平和的に併合したときには、韓国は未開の国でした。それを近代国家にしたのは日本です。どれだけ朝鮮に投資して、まともにしたのか計り知れません。以下に100年前の朝鮮と、日本の写真を掲載します。
100年前の朝鮮
100年前の日本
朝鮮の併合により、日本は失うものが多かったのですが、朝鮮半島は得るものが多くで近代化を成し遂げることができたのです。今の韓国は、日本に併合されることはなしに、金だけは欲しいという虫の良いことを考えているだけです。 
このブログにも何度か掲載したように、韓国との付き合いは冠婚葬祭程度にして、後は捨て置くべきです。
今回の出来事で、韓国の後進性は明らかになりまた、背伸びに背伸びを重ねて、先進国の仲間入りをしようとしてきたのですが、結局それはかなわず、韓国は単なる発展途上国であり、朴槿恵政権も単なる独裁政権に過ぎないことがはっきりしました。

こんな国とは、反論すべきは反論し、後は彼の国は捨て置くのが最も良い対処法です。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2014年10月8日水曜日

中村修二さん「長年の研究が認められうれしい」―【私の論評】15年も以上も続くデフレと、多くのニッポン人が古の日本の心を忘却することで失った、スティーブ・ジョブズも傾倒した日本本来のベンチャー魂をもう一度取り戻そうではないか!

中村修二さん「長年の研究が認められうれしい」



今年のノーベル物理学賞が日本人研究者3人に授与されると決まりました。受賞理由は「青色発光LEDの開発」です。受賞者の1人、アメリカ・サンタバーバラにいるカリフォルニア大学教授の中村修二さんに伺いました。

(Q.今回の受賞をどのように受け止めていますか?)
「青色発光ダイオードを長年研究して、それが認められたということで非常にうれしいですね」

(Q.ご苦労もあったと思いますが、一番苦労されたのは?)

「青色LEDの研究開発、アメリカに移ってからいろいろ裁判に巻き込まれて、その裁判をやっているときが非常に苦労したところでしたね」

(Q.時代を大きく変えられたという実感は?)
「やはり発光デバイスは、光るものは、今後ほとんどすべてLEDに変わっていくと思うので、光デバイスに関しては大きなブレークスルーをやったかなと思っています」

科学ジャーナリストの寺門和人さんからの質問です。

(Q.研究していた時と今の状況、どんなふうに感じていますか?)

「研究を始めたのは1989年からなんですが、青色発光ダイオードを作るにはいろんなブレークスルーが必要で、それをどんどんブレークスルーやっていくためには、徐々に近づいてはいくのですが、しかし、ここまでいろいろなところに使える高輝度の発光ダイオード、あるいは白色発光ダイオードができるとは当時は想像もしていませんでしたね」

(Q.一緒に受賞された赤崎さん、天野さんにはどんな言葉をかけたいですか?どのように3人で交流をしていたのでしょうか?)

「赤崎先生、天野先生は私より10年先ぐらいに窒化ガリウムで研究をされていて、私は89年から始めたのですが、お互い同じ分野で、お互い競争というか、切磋琢磨しながら、ここまでやってきました。今回、一緒に競争してやってきた3人同時に受賞ということで、非常にうれしく思っています」

(Q.中村教授は2000年からアメリカにわたって活躍、研究されていますが、アメリカに出てみて、今後の日本の研究環境について何があったら、より良いとお考えですか?)

「研究者はやはり自由が一番です。アメリカというのは、日本に比べたら仕事環境が非常に自由で、やる気さえあれば、何でもチャレンジできるシステムができ上がっているんですね。

ところが、日本はいろんなしがらみとか年齢とか、極端に言えば年功序列とかがあって、本当に自由にのびのびと研究ができるような環境ではないと思います。

私もですが研究者、開発者というのは、やっぱり自分でベンチャーを自由にできるようなシステムが必要なんです。日本はそういうシステムがないんですよね、ベンチャーをやるようなシステムが。いいアイデアがあれば、即ベンチャーをやると。例えば、アップルのスティーブ・ジョブズみたいに簡単にできるかといえば、日本ではできないですよね。ですから、日本では大手企業のサラリーマンしか生きる道はないんですよね。

ですから、そういう意味でベンチャーを日本でもできるようなシステムにしてほしいですが、実際はできない。非常に日本の科学者、技術者は永遠のサラリーマンみたいになっちゃうという悪いシステムで、そのあたりを今後良くしてほしいです」

(Q.今回の受賞はどちらでお聞きになりましたか?)

「家で寝ていました。午前2時過ぎぐらいに電話がありまして。起きて、電話で非常にびっくりしました」

(Q.中村さんはこれまでも候補者として名前がずっと挙がっていたと思いますが、お休みになって待っていたんですか?)

「寝ていましたが、緊張してたので、寝ていたのかよくわからないような感じですね」

(Q.若い、これから研究の道に入る方へのメッセージを最後にいただけますか?)

「私は小さいころから科学が好きで。科学が好きというのは、研究していくといろんな問題があって、その問題を、謎を解くような、クイズを解くようなイメージです。

そういうのが好きで、何か問題があれば解くのが好きで、それで研究をやったので、若い人も自分の好きなことを見つけて、それに向かって勉強をしてほしいです。

そうすれば、いろんな苦労があっても続けてできると思うので、やはり一番大事なことは、若い人は自分の好きなことを見つけて、それに向かって勉強、あるいは仕事をしていくということですね」

(Q.今までノーベル物理学賞というと、素粒子とか基礎研究的なものが非常に多いという印象が強く、なかなか理解しにくいところがあったのですが、今回、非常に身近な、生活に密着した部分にあるものというところも評価されたのでしょうか?)

「やはりノーベル賞の受賞理由を見ると、人々の生活を良くする研究ですよね。この発光ダイオードというのは省エネということで、電力消費量を従来の光源に比べたら5分の1以下にしますから、これは将来、地球温暖化の問題を良くするとか、省エネということで、人々の環境、生活ライフを良くするということで、そういうことでは、たぶん基礎理論よりも、人々の生活をよくするということで多分受賞したのだと思います」

(Q.これからの目標は?)

「こちらの大学でも、やはり同じように青色LEDとかの研究しています。それは現在の白色発光ダイオードの効率を、今の50%からなるべく100%に近づけようと、さらに高効率化する研究をしています。高効率化するためには、結晶成長やデバイスの構造、基板などを色々と変えないといけないのですが、そういういろいろなことをやって、さらに高い効率、100%に近づくものをねらって研究しています」(カリフォルニア大学サンタバーバラ校・中村修ニ教授)


【私の論評】15年も以上も続くデフレと、多くのニッポン人が古の日本の心を忘却することで失った、スティーブ・ジョブズも傾倒した日本本来のベンチャー魂をもう一度取り戻そうではないか!

昨日のビッグニュースは、何と言っても、日本人3人のノーベル賞受賞です。これは、間違いなく今年の10大ニュースの一つになることでしょう。

本年度の、ノーベル物理学賞受賞者に青色発光ダイオード(LED)を開発した赤崎勇・名城大教授、天野浩・名古屋大学教授、中村修二・米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授が選ばれました。日本人としては一昨年に医学生理学賞を受賞した山中伸弥・京都大教授以来の快挙です。

まずは、この3人の方々の心からおめでとうございます。といいたいです。

さて、これらの3人の方々がテレビなどで、いろいろとコメントされていましたが、私が非常に気になったのは上記の中村修二氏のコメントです。

特に、上の記事の赤字の部分が非常に気になりました。

私もですが研究者、開発者というのは、やっぱり自分でベンチャーを自由にできるようなシステムが必要なんです。日本はそういうシステムがないんですよね、ベンチャーをやるようなシステムが。いいアイデアがあれば、即ベンチャーをやると。例えば、アップルのスティーブ・ジョブズみたいに簡単にできるかといえば、日本ではできないですよね。ですから、日本では大手企業のサラリーマンしか生きる道はないんですよね。

中村修二氏は、スティーブ・ジョブズ氏のことに言及されていますが、実はこのステープ・ジョブズ氏が日本文化などに関心を持ち、かなり大きな影響を受けていたという事実があります。

それに関して、このブログでも何度か紹介したことがありますので、その記事をURLを以下に掲載します。
Appleを復活させた「魔法使い」、ジョブス氏の休職―【私の論評】ジョブスの生き方は、「武士道と云ふは死ぬ事と見つけたり」という日本人の理想を体現している!?
大衆を魅了し続けるジョブス氏
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事は、スティーブ・ジョブズ氏が亡くなる少し前に掲載したものです。この記事では、ステーブ・ジョブズ氏の「伝説のスピーチ」といわれる、米スタンフォード大におけるスピーチをとりあげました。その動画と、この動画に関する解説をピックアッ付して以下に再掲します。


ジョブスは、上の動画の中で、「死を意識すること」の意義、特にポジティブな面を強調していました。これは、日本の武士道の中の「葉隠れ」の思想とも根本では相通じるところがあります。まさに、「武士道と云ふは死ぬ事と見つけたり」という言葉を真の意味で実践しているようです。葉隠れは、一部の人々が曲解しているように、死を美化するものではありません。というより、まさに、上の動画でスティーブ・ジョブスが「死を意識すること」の意義と似ています。というより、生まれ育った環境や活躍してる舞台がIT業界であることなど葉隠れの思想がでてきた時代背景とは大きく異なるので、表現や、出てくる行動が少し異なるようにみえても、本質的には同じだと思います。
今の多くの日本人が忘れてしまったこのような生き方、少なくとも、少し前までは、多くの日本人の理想とした生き方、彼の生き方は、それを私た、ちに思い出させてくれます。だからこそ、日本でもジョブスに人気があるのだと思います。今日本では、産業に活気がありません。ジョブスがやってきたような、イノベーションは、少し前までなら日本が行っていたと思います。私は、そのようなイノベーションが行われなくなった今の日本、背景にはジョブスのような一昔前の日本人が理想とする生き方を多くの日本人が忘れてしまったからではないかと、危惧しています。
さて、そう思って現在のジョブスを見ると、あの有名なプレゼンでみせる、黒を基調とした服装、ジーンズという飾らないいでたち、なにやら、戦に挑む日本の古武士のようにも見えてきます。あの全身全霊を傾けて、ものごとに取り組む姿勢とエネルギーは、本質的には「葉隠れの思想」から沸き出でてくるものであることが、理解できます。今の若い世代には、「葉隠れ」と言っても、ほんどの人が何のことかも理解していないようです。いつから、日本の優れた世界に誇るべき伝統文化が、継承されなくなってしまったのか!!本当に残念なことです。
だから、私は、ジョブスを単純にカリスマとは呼びたくはありません。私は、彼を偉大なリーダーであると呼びたいです。日本にこのような生き方をする政治家や経営者が昨今、非常に少なくなってきたことを残念に思います。
“禅”が成功者を生む!あのジョブズ氏も実践―【私の論評】ジョブズの背後には、間違いなく日本文化の存在がある!!
これも、詳細はこの記事をご覧いただくものとして、この記事では、曹洞宗僧侶の枡野俊明氏のジョブズに対する評価などを掲載しました。その部分を以下に引用させていただきます。
そういえば、かのスティーブ・ジョブズが禅に傾倒していた話は有名だ。
「ジョブズの手がけたアップル製品には一切の無駄がなく、枯山水のような美しさがあります。彼は、毎日鏡に向かい『今日が人生最後の日だとしたら、今日やることはこれでいいのだろうか』と問いかけたと言います。今やりたいことに集中する、まさに禅の発想です」。
そうして、この記事は、以下の様に締めくくりました。
私たちは、こうした多くの外国人をも魅了する、伝統文化に培われた日本に育っていますが、そのことを忘れがちです。そうして、その文化を受容して、日々の生活を送っていれば、あまり悩むこともなく、日々やるべきことに集中できるはずなのに、そうではなく、先のことを悩んだり、過去のことに引きずられがちです。
そのようなことから決別するためにも、もう一度日本文化を見直すべきだと思います。座禅など、私も久しくやっていませんか、また、やってみようと思います。私は、この古い伝統文化を思い出し、それこそ、スティーブ・ジョブズがやったように、良いところを現代的に取り入れるということにより、次世代の新しい日本をつくりだすことができるのではないかと期待しています。皆さんは、どう思われますか?
さよならニッポン、新時代の国際人としての心構え―【私の論評】こんにちは、日本と日本人、さよならニッポン、ニッポン人、古から続く国際人としての心構え!!

これも、詳細はこの記事をご覧いただくものとして、この記事では、ジョブズ氏が日本の文化や精神にかなり影響を受けていることに対する反論が寄せられ、それに対する私の対応に関する内容を掲載しました。その部分を以下に掲載します。
さて、このブログの記事を掲載したときに、以下のようなコメントがかえってきました。
『いや別に日本人はそんな精神はないよ。昔から権力に飼いならされることにしか頭の無い人ばっかでしょ。実際ジョブズは「日本のメーカーははまるで海岸を埋め尽くす死んだ魚のようだ」って言い放ったしね』。
さて、このコメントに対する私の対応は、以下です。
「○○様、コメントありがとうございます。いえ、厳然としてあります。これだけ、愚かな、政治家や官僚、それを、助長するような、マスコミの存在がありながらこれだけの国力を保っていられるは、こうした精神を受け継いだ過去から、現在にいたる無数の有名無名の人々努力の賜です。
ジョブズ氏が批判したのは、そういう精神を、忘れた企業の経営者などに向けられものです。
そうでなけれは、たとえば、ソニーの会長など日本の企業経営者や、三宅一生氏のような、デザイナーと親交があったことなど説明がつかないでしょう。
さらに、ジョブズ氏が、かつて、福井県で出家しようとしたことなども、説明がつかないと思います。 また、なぜか今のマスコミは、このようなことを殆ど、報道しなくなつたため、多くの人が忘れていると思います。
もう一度虚心坦懐に、日本や、日本人を見直すことに、より真の姿がみえてくると思います。 ジョブズ氏は、もし日本や、日本人の文化に接する機会がなければ、大金持ちには、なれたでしょうが、あれ程の社会変革は、出来なかったと思います。 これからも、お気軽にお立ち寄り下さい」。
ジョブズが黒タートルを着た理由が今明らかに。きっかけは日本―【私の論評】私たちは、ジョブズ氏のように、日本的なものを再度見直し、自らの活力としていく姿勢が今こそ必要だ!!

この記事では、ジョブズ氏のあの独特の黒タートルネックは、三宅一生氏のデザイナであったことなどを掲載しました。なぜ、ジョブズ氏が黒のタートルネックを着るようになったのか、その理由を示す部分を以下に掲載します。
スティーブ・ジョブズが日本に来たときに、当時の稲森会長にソニーの制服について尋ねたところ、稲森氏は、次のように答えたそうです。
「戦後はみんな服もロクに持っていなかった。だからソニーのような会社では社員になんか毎日仕事に着ていけるものを用意してやらなくてはならなかった。そのうち制服は会社独自のスタイルに発展していき、特にソニーのような会社では社員を会社に結びつけるものになったんですよ、と。それを聞いたジョブズは「そういう結びつきがアップルにも欲しいものだな、と思った」という。
スタイルにこだわりを持つソニーはあの著名デザイナーの三宅一生に社員の制服のデザインを任せていた。その制服はリップストップ(破れ止め加工)のナイロン製ジャケットで、袖のジッパーを外すとベストになる。ジョブズは早速イッセイ・ミヤケに電話をし、アップルにもいっちょベストをデザインしてくれやと頼んだ。
「それでいくつか見本を持ち帰って全社員集めて、どうだい、みんなでこのベスト着たら最高だろ、な、と提案したら、いや〜ブーイングの嵐でたちまちステージ退場さ。あの案はみんなにえらい不評だった」
が、この一件で三宅と親交を得たジョブズは、それからもちょくちょく定期的に彼の元を訪ねるようになる。そして自分だけ制服作っちゃうのも悪くないな、と思うようになった。制服があった方が毎日便利だし(これはジョブズが言ってたこと)、制服を通して自分だけのスタイルを人に伝えることができる、というのがその理由だ。
そうして、私はこの記事を以下のように締めくくりました。
私は、今こそ日本人は、古からの日本と日本人の価値観を思い起こし、戦後に誤って植えつけられたニッポンとニッポン人の価値観は、捨て去り、古から続く、国際人とししての心構えを今一度、復興させるべきときと思います。私は、こうしたことこそが、日本や日本人の国際社会での地位を向上させると、信じて疑いません。
さて、長々とスティーブ・ジョブズ氏が日本の文化に傾倒していて、彼の行動や考え方に大きな影響を及ぼしていることの査証を掲載してきました。
ここで私が言いたいのは無論、中村修二氏批判ではありません。スティーブ・ジョブズ氏が日本の文化に傾倒し自らの思想や行動に取り入れていたように、本来の日本にはベンチャー魂を生みやすい土壌があったということです。
これは、日本人が宗教よりも、さらに根源的な精神的支柱として、「霊を重んじる」ということを実践してきたということと多い関係しています。
これに関しても、このブログに掲載したことがありますので、その記事を以下に掲載します。
「中韓」とは異質な日本人の「精神世界」…仏作家は「21世紀は霊性の時代。日本は神話が生きる唯一の国」と予言した―【私の論評】日本は特異な国だが、その特異さが本当に世界の人々に認められ理解されたとき世界は変る。いや、変わらざるをえない(゚д゚)!

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、フランスの作家マルローの日本に関する言葉を掲載しました。その言葉を以下に掲載します。
「21世紀は霊性の時代となろう。霊性の根源には神話があり、それは歴史の一面を物語っている。世界の神話が現代なお生きているのが日本であり、日本とは、それ自体、そのものの国で、他国の影響を吸収し切って、連綿たる一個の超越性である。霊性の根源に万世一系の天皇制がある。これは歴代天皇の連続性であるのみならず、日本文化の継続性の保証でもあるのに、戦後日本はそのことを忘却してしまった。しかし、霊性の時代が、今や忘却の渕から日本の真髄を取り戻すことを要請している。また文化は水平的に見るのではなく、垂直的に見るべきだ」
元来の日本人は、他の国々とは異なり、確かに宗教を信奉する人も多いですか、そういう人も含めて日々宗教に縛られて生きているのではなく、それよりもさらに人間性の根底に近い、「霊」の世界に生きているのです。

だからこそ、昔から日本人は八百万の神などして、多くの宗教を受け入れ、どのような宗教に対しても寛容であり、もともとそういう土壌であることから、様々な考え方なども受け入れやすく、自由な発想ができる土壌にありました。ジョブズ氏が傾倒した、「葉隠」の思想も、このような精神文化から育まれてきたものであり、だからこそ、ジョブズをも魅了したのだと思います。

だからこそ、明治維新や日露戦争の勝利や、戦後の驚異的な経済成長も可能になったものと思います。そうして、終戦後にも、ホンダやソニーのような従来はイノベーティブだった企業も多数輩出しています。本来、スティーブ・ジョブズ氏の行ったイノベーションなどは、日本の企業がお家芸とするものでした。

しかし、現代の日本はどうかというと、確かに、中村修二氏が批判するように、自分でベンチャーを自由にできるようなシステムがないような状況です。

しかし、上にも示したように日本にはもともとそのような土壌が全くなかったというわけではありません。

特にこの15年程は、デフレが大きく影響しています。これに関しては、以前このブログにも掲載したことがあります。その記事のURLを以下に掲載します。
従来の説はほとんどウソだった。日本でベンチャー企業が発達しない本当の理由。―【私の論評】ちょっと待ってくれ!!20年もデフレが続いたことを忘れていないかい?デフレは、ベンチャーの最大の敵であることを!!
アメリカのセクシーな起業家 Polina Raygorodskaya
これも、詳細はこの記事をご覧いただくものとして、以下に現場の日本でベンチャーが振るわない理由を示した部分のみコピペさせていただます。
このように、日本の企業の半分は、デフレ真っ最中というのに、利益を上げているのです。ただし、デフレのために、起業が減っているのは事実ですし、特に最近では、起業するというより、新興企業で、成長している企業がベンチャービジネスのなり手を吸収しているというのが実体だと思います。 
なぜ、そんなこになるかといえば、デフレ気味になってからすでに20年、誰もが否定しようがないデフレに陥ってから、15年にもなります。こんな状況では、日本に限らず、どんな国でも起業が減るのは当然のことです。こんな経済状況下では、起業そのものがかなりリスキーです。上の記事ては、このことを完璧に無視しています。デフレを無視して、あたかも、日本だけが、起業が少ないかのように記載しています。それは、間違いです。 
ベンチャーと大企業との関係でいえば、手塩にかけて作り上げた技術を、ベンチャー企業が大手企業の前でプレゼンテーションするとします。その時に、いつも決まって返ってくる答は「既存技術の価格より安くしてくれないと取引できない」だったのです。大手企業は、技術の価値は認めるものの、それ以上は、踏み込めません。 
日本のベンチャー企業は良いモノを作ることはできます。しかし規模が大きくはないため、「安売り競争」には耐えられません。そのために、優秀なベンチャー企業は、幾度も臍(ほぞ)をかんできたのです。 
私は上の記事のように大手企業の行動を非難しているわけではありません。大手企業の担当者も忸怩(じくじ)たる思いであったと思います。デフレというマクロ環境がすべての企業行動にマイナスの影響を与えていたことを指摘したいだけです。
 さて、巷では、14年前の今回ノーベル物理学賞を受賞中村修二氏のインタビュー記事が話題となっています。

その記事のURLを以下に掲載します。
僕が会社をやめたわけ--青色LEDの発明者 中村修二氏に聞く
14年前の中村修二氏

この記事も、詳細はこれを読んでいただくものとして、この記事は14年前に中村修二氏が渡米する直前のインタービューです。

やはり、日本では、なかなか仕事がやりにくいことを語っています。これは、今も当時もあまり変わりがないようです。

しかし、ここで思い出していただきたいことがあります。

14年前というと、日本は完璧にデフレに突入していました。なにしろ、日本は今年でデフレに突入してから16年目に突入しています。

この状況では、大方の企業はデフレ対応に追われ、新たな研究を続けることは困難な状況に追い込まれていた時期です。とにかく、売上が上がらないので、設備投資は減らし、採用を手控えたり、賃金を下げたり、リストラをしたりして人件費も減らしひたすら債務を返済し、防戦一方にまわっていました。

こういう時代は、中村氏のような人にとってはなかなか生きにくい時代であったと思います。

結局元々の日本は、先に掲載したように、ジョブズ氏が傾倒したように、新しいものに挑戦する気風や、そのための土壌があったのですが、そんなことも消し飛んでしまうくらいの、とてつもない超デフレが本来日本が持っている潜在能力をも破壊してしまったのです。

だからこそ、中村氏が語ったように、その当時から今にいたるまで、日本は研究者や開発者がベンチャーを自由にできるようなシステムがなかなか存立し得ない状況になってしまったのです。スティーブ・ジョブスのように、日本ではなかなかできなかったのです。だから、日本では研究者や開発者が大手企業のサラリーマンしか生きる道がなくなってしまったのです。

デフレ状況では、そもそもベンチャーなど最初から成り立つのが困難なのです。

確かに、日本では昔からベンチャーがアメリカよりは、成り立ちにくい状況がありはしました。しかし、そうはいっても、ソニーやパナソニック、本田のような会社が輩出して、次から次へとイノベーションを実現していた時代もありました。

ソニーやパナソニックなど、もともとは本当に小さな町工場で、ベンチャー・キャピタルなどが存在しない時代に創業しているので、ベンチャー企業とはいいませんが、ベンチャー企業のようなものです。

そのような企業は昔から日本には、たくさんありました。むしろ、現在日本にある民間大企業など最初から大企業として創業した企業などほとんどなくて、小さな町工場のようなところから始めた企業がほとんどです。

そうして、忘れてはならないのは、日本は100年以上の歴史を持ついわゆる老舗企業の数が世界で一番多い国でもあります。これも、素晴らしいことです。やはり、日本の「霊を重んずる精神」がこのようなことを可能にさせているのだと思います。

欧米で初の日本製ヒット家電となったソニーのトランジスタ・ラジオ
TR-610。親のいる居間のラジオで聴けなかった
ロックンロールを、ティーンズたちは部屋で聴けるようになった

日本は、もともとは、新たな企業を育み、それを継続させることもできる素晴らしい能力を秘めた国だったのです。

しかし、最近では、戦後の誤った教育により、このような日本の良いところは教えられず、このような日本古来からの日本人の精神を継承しない、ニッポン人が増えてきました。

戦後70年近くもなると、「霊を重んずる」精神など、理解しない本来の日本人とは異なるニッポン人がでてくるようになりました。

このようなニッポン人が増えたことにより、日本にもともとある、新しいことに取り組む精神が継承されにくくなり、ベンチャーが育まれる環境が細っているところにきて、追い打ちをかけるように、日本はデフレ・スパイラルの泥沼に落ち込み、現代の日本は、確かに、中村修二氏が指摘するような、ベンチャーなどなかなか成り立ちにくい風土になっています。

Sony共同創業者の盛田昭夫と、Apple創業者のスティーブ・ジョブズ。あるカンファレンスの
冒頭で、ジョブズは盛田の死を追悼し、「大きな影響を受けた」と讃えた。



この精神をとりもどすには、まずは何が何でも、デフレから脱却するのが最優先です。そうして、将来的には、たとえデフレに陥ったとしても、すぐに立ち直れるようにすべきであり、それは必ずできます。絶対に二の轍を踏むようなことは、すべきでありません。

それにもう一つ忘れてはならないことは、私達のような成人は、自ら努力して、ジョブズ氏も傾倒した日本人の本来の精神を取り戻すことです。

また、これから教育を受けるこどもたちには、新たな教育によって、昔から継承されてきた、日本人の精神と心を叩き込むことです。

これらを実行することにより、日本は必ず復活します。

私自身は、確かに日本古来の精神や心が継承されにくくなっていて、しかも、長期にわたるデフレによって、日本は相当傷めつけられているのではありまずが、さほど不安は感じていません。

おそらく、デフレから脱却できれば、日本は比較的短期間に、再び世界をリードする国となることでしょう。

なぜ、そんなに確信を持って言えるかといえば、実は日本の精神や心は、日本人の心に潜在的に埋め込まれているからです。それは、日本独特の、習慣や文化として、知らずしらずのうちに私達の心に刻まれているからです。

中村氏は日本で世界初となる、無極性青紫半導体レーザを開発しました。中村氏渡米して米国籍を取得してますが、本人はそれは便宜上のことであって、日本籍を捨てたわけではないとしています。

中村氏も日本人の精神や、心を捨てたわけではないし、中村氏の心のにも、日本の精神、心が刻み込まれているはずです。

私達は、昔からある日本の精神や心を意図して意識して、今後の日本の国づくりやイノベーションに活用していけば良いのです。

そうしてそれは、外国人にとっては難しいことかもしれませんが、それでもステイーブ・ジョブズ氏が実践しています。日本で生まれ、日本で育った私たち日本人が、できないはずはありません。

確かに、最近では日本古来の精神と心を失ったニッポン人が増えていますが、それはまだ大勢を占めているわけではありません。日本人の精神と心を継承した、日本人のほうが、日本ではまだ圧倒的に多数なのです。2000年以上もかけて、醸成されてきた、日本人の精神や心がそんなに簡単に破壊されることなどありません。だからこそ、日本はまた大復活して、世界をリードしていくのです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思わますか?

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2014年10月7日火曜日

消費再増税 国民から総スカン 与党からも「延期コール」―【私の論評】さらなるデフレの惨禍をもたらす消費税再増税が前提の内閣府の出す経済資料は、その中身を知れば最早誰の目からみても信用できる代物ではなくなった(゚д゚)!



2015年10月に予定される消費税率の10%への引き上げが、報道各社の世論調査で総スカンとなっている。市井の“空気”を察知してか、政権担当時に消費税増税を主導した民主党が「ちゃぶ台返し」(枝野幸男幹事長)をほのめかし、安倍晋三政権を揺さぶり始めた。自民党内でも、引き上げ慎重派が勉強会を開催するなど、動きが活発化している。

 フジテレビ「新報道2001」が5日公表した世論調査によると、税率引き上げを「先延ばしすべきだ」と答えたのは51・6%で、「予定通り引き上げるべきだ」の15・4%を大きく上回った。「軽減税率を設けて引き上げるべきだ」(29・4%)を合わせても、先送り派が多数派だ。

 読売新聞が6日報じた調査では、来年10月の引き上げへの「反対」は68%、「賛成」は28%。日経新聞が先月末に報じた調査でも、「反対」66%、「賛成」28%だった。

 枝野氏は9月29日のBSフジ番組で、再増税反対もあり得ることを示唆した。

 維新の党をはじめ、民主党以外の野党は再増税には慎重姿勢だ。

 一方、自民党の山本幸三衆院議員は1日、引き上げに慎重な議員による勉強会を開いた。山本氏が所属する岸田派の若手約10人が参加し、安倍首相の経済政策のブレーンで、増税延期を唱える本田悦朗内閣官房参与が講師を務めた。賛同者を募り、今後も開催する考えという。

この記事は、要約です。詳細は、こちらから(゚д゚)!

【私の論評】さらなるデフレの惨禍をもたらす消費税再増税が前提の内閣府の出す経済資料は、その中身を知れば最早誰の目からみても信用できる代物ではなくなった(゚д゚)!

ようやっと、再増税に対する反対意見が出揃うようになってきたようです。これは、あたり前のど真ん中であり、デフレの最中に増税するなどは、政治的な駆け引きを抜きに純粋な経済政策として考えれば、あり得ない世迷い事に過ぎません。

そもそも、7月~9月の景気の落ち込みは、増税が主たる原因であり、それ以外に理由は見当たりません。にも関わらず、来年の10%再増税を実行するなど、完全に常軌を逸しているとしかいいようがありません。

増税派にとって、増税は快感なのか・・・・・・・・・(アニメ・カイジより)

しかし、政府はあくまでも増税路線を崩さないかのようにみえます。

その査証として、内閣府の経済トンデモ分析があります。内閣府の分析によれば、7~9月期の景気の落ち込みは、増税によるものでなくて、天候によるものだとしていますが、これはどう考えてもおかしいです。かなり無理があります。

確かに、東日本大震災のような大災害の場合には、景気にも明らかに影響を及ぼしましたが、今年の天候不順がそれ程の大打撃を与えたとは思えません。

これに関しては、私などが分析したものより、高橋洋一氏の分析したもののほうがよりわかりやすいので、それに関する記事のURLを以下に掲載します。
「天候不順で景気低迷」なんて大ウソ!消費増税の影響無視した内閣府の「素人分析」を暴く
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に要旨を掲載させていただきます。
内閣府が、経済財政諮問会議に報告した資料は公開されている(→PDFはこちら)。それによれば、基本的には、①気温が夏物商品等(気温による影響が大きい品目)に与える影響試算と、②降水量が消費に与える影響試算によっている。この両者で影響額は▲0.7兆円なので、最大影響になっている。
資料では、①の影響額は▲0.5兆円、②は▲0.2兆円となっている。両者の推計方法は異なっており、①は〈総務省「家計調査」等により、平均気温が、飲料、酒類、アイスクリーム、外食、白物家電、電気代の消費支出に与える影響を推計。それぞれの影響額を積み上げ〉とミクロ的な手法で、②は〈内閣府「国民経済計算」等により、降水量が個人消費に与える影響を推計〉とマクロ的になっている。
なお、別の方法でも、天候の消費に与える影響を試算しているが、消費減少をすべて天候のためとみなすなどいささか乱暴なものであるので、①と②に絞ってみよう。
まず、①の手法はまずい。というのは、ある品目が気温の影響を受けて消費量が変わると、その代わりに他の品物の消費量が変化することを考えていないからだ。内閣府の資料にも、注として小さく「各品目の消費減を受けた他品目の代替需要増は考慮していないことに留意が必要」と書かれているが、役所の資料では、小さな注が重要な意味を持つことが多い。要するに、はっきりいえば意味のない推計だ。
②は一応、マクロ的な手法である。実質家計最終消費支出(前年比)を、実質雇用者報酬(前年比)と降水量(前年比) で回帰分析している、だったら、同じ手法で、①をやらないのか不思議だ。担当者は、当然①もやっていると思われるが、あまり都合のいい結果でなかったのだろう。それで、①はミクロ的な手法になっていると思う。
次に、データで今年の7-9月の天候を振り返っておこう。この種のデータは気象庁に豊富にある(→こちら)。上記②では、北日本、東日本、西日本で天候データを使用しているので、7-9月におけるそれらの気温と降水量の平均を調べよう。
気温は平年との差であり、以下のように、今年は平年並みだった。特に低温ではないが、前年と比べると1℃程度低かった。
降水量は平年に比べた割合(%)であり、以下のように平年に比べると14%程度多かった。ただし、前年も8%程度多かったので、前年と比べると6%程度の増加だけだ。
いずれにしても、今年7-9月の気温と降水量を見る限り、特別に低温・多雨というわけではない。
さて、気温が消費にどのような影響を及ぼすかを調べよう。手始めに、気温の前年との差と消費伸び率の関係を見てみよう。
気温と消費には、相関係数0.39と弱い相関があるが、正直言って、この弱い相関をもって、気温が消費に影響を及ぼしていると断言するのはやや無理があるだろう。②のように、実質雇用者報酬(前年比)を説明変数に加えれば、多少全体の説明力は高くなるが、どうにも気温の消費への影響は弱いままだ。
上の図での気温と消費の関係は弱いものの、あえて気温の1℃の変化に対応する消費の変化は年率換算で0.7%程度、GDPの年率換算で0.5%程度である。したがって、今年の気温変化1℃の低下では、7-9月期のGDPは年率換算で▲0.5%程度の押し下げだ。
次は、降水量と消費だ。降水量の前年比、消費伸び率の関係を見れば、以下のとおりだ。

降水量と消費の相関係数は▲0.18、これは相関がないと言っていい。というわけで、降水量の消費への影響は無視できる。 
以上をまとめると、今年の気温は平年並で、昨年より1℃程度低いが、その消費へ与えるは軽微で、せいぜい7-9月期のGDPを年率換算で▲0.5%程度押し下げるかもしれない。もっとも、その確度はかなり低い。 
また、今年の降水量は平年より14%程度多かったが、降水量と消費には明瞭な関係は見出されず、7-9月期のGDPについて影響は無視できる。
以上が高橋氏による分析です。私も分析してみようとは思ったのですが、先にも述べたように、今年の天候不順など、東日本大震災などに比較すれば、微々たるものであり、最初からほんど影響ないことは判りきっているのでやめました。

それにしても、相関係数が0.39とか▲0.18ということでは、そもそも何の相関関係もないということです。

ちなみに、相関係数(そうかんけいすう、: correlation coefficient)とは、2 つの確率変数の間の相関(類似性の度合い)を示す統計学的指標です。原則、単位は無く、−1 から 1 の間の実数値をとり、1 に近いときは2 つの確率変数には正の相関があるといい、−1 に近ければ負の相関があるといいます。

こんなことは、大学などで統計学を学んだ方や、大学院などで実験や観察などを行い統計データ実際にとった方ならどなたでもご存知でしょう。

まともな大学や大学院で、学生がデータ解析などを行い、この程度の数値をもとに論文を書いたとすれば、そんなものはとうてい教官がパスはしません。

相関係数が0.39とか▲0.18程度のものをあたかも関係があるかのように述べれば、それは虚偽以外のなにものでもありません。

はっきりいえば、内閣府が虚偽資料を出しているということであり、とんでもないことです。

これについては、高橋洋一氏も、元記事の結論部分で、「そもそも、この天候の消費への影響試算は、高市早苗総務相が要請したものである。高市総務相は、かねてより消費増税を予定通りに上げたいと主張していた。そこで、内閣府は無理矢理「影響あり」との結論ありきで試算したのではないか。推計手法の稚拙さ等から、そう思わざるを得ない」としています。

高市総務相 
それにしても、内閣府も酷いものです。まともであれば、いくら高市総務相の要望とはいえ、実際に試算してみて、天候や雨量と消費の間には何の相関関係もないことがはっきりすれば、それを高市氏に示して、こんな資料は偽資料に過ぎず出せば詐欺になるので、やめましょうというべきでした。

こんな資料を公にすれば、高市総務相はもとより、内閣府自体も信用が毀損されます。誰にも信用されなくなります。

しかし、今の内閣府はそうではないようです。実は、内閣府がこのような虚偽資料を出すのは、今回だけのことでありません。

以前にもそのようなことがありました。それに関しては、このブログにも掲載したことがありますので、以下にその記事のURLを掲載します。
【メディアの嘘を見抜け】酷すぎ、今年の経済白書はバカか工作員の未来日記なのか―【私の論評】マスコミがその巣窟になつている現在、せめて役所それも内閣府だけは馬鹿とスパイはお断りにしていただきたい!
詳細は、この記事をご覧いただくもの、この記事は昨年の7月のもので、この月に経済白書が公表されているのですが、その内容が酷いものでした。

要約していいますと、昨年の経済白書では、イギリス、イタリア、 スペイン、ポルトガルなどEU諸国では、増税をしたということを掲載しているのですが、その事実だけを掲載して、増税後の惨状については掲載していないのです。

これは、著しくバランスを欠いています。

なお、これについては、高橋洋一氏も詳細を解説していました。これも、このブログに掲載したことがありますので、その記事のURLを掲載します。
増税と成長の関係は分析不足 経済財政白書は全文を読もう―【私の論評】内閣府にも日経にも、大規模な経済シミレーターがありかなり正確なシミレーションができるというのに、せっかくの素晴らしい資産を役に立てられない愚かな人々!!
 これも、詳細はこの記事をご覧いただくものとして、要点だけを以下にコピペさせていただきます。
 ただ、欧州の例を挙げ、「消費増税は成長を阻害しない」との見方を示しているのはおかしい。これも経済財政白書を読むと、どこに分析があるのかと首をかしげてしまう。 
 本来であれば、(1)消費税増税前(2)増税時(3)増税後、それぞれの実質GDP成長率について、3つの資料がないとダメだ。もし、経済財政白書の主張を言いたいなら、(1)の成長率が、駆け込みの反動で(2)の成長率に落ち込むが、その後は(3)で成長率が戻るといわなければいけない。 
 ところが白書には、(1)と(2)の図が載っているが、(3)がない。これでは、結論に至る分析がないので、結論ありきだ。経済財政白書は内閣府がまとめているが、財政のところは財務省の意向なのだ。
結局は、今の内閣府の出した『経済白書』における、財政の部分に関しては、増税ありきの財務省の意向が掲載されているということです。

内閣府ができる前には、経済企画庁という組織がありました。経済企画庁とは、2001年(平成13年)1月5日まで存在した日本の中央省庁の一つであり大臣庁でした。

総理府の外局として設置され、長期経済計画の策定、各省庁間の経済政策の調整、内外の経済動向に関する調査・分析、国民所得の調査等を所掌した。長は国務大臣経済企画庁長官でした。

元々は、この経済企画庁が『経済白書』を出版していました。経済企画庁が出していたころの、『経済白書』は、至ってまともなものでしたし、その他の資料もまともで、今回の内閣府出した「天候不順で景気低迷」などというような、とんでもない資料を出すようなことはありませんでした。

内閣府本庁舎

しかし、この経済企画庁は、2001年(平成13年)1月6日、中央省庁再編の実施に伴い総理府本府、沖縄開発庁などと統合され内閣府が発足、経済企画庁の業務は内閣府政策統括官(経済財政運営担当・経済社会システム担当・経済財政分析担当)、内閣府国民生活局などに承継されることとなりました。

実は、この経済企画庁には素晴らしく精度の高い、大規模な経済シミュレーターがあり、このシミュレーターにもとづき、経済企画庁は、あの日本の高度成長などを主導してきました。

このシミュレーターも、内閣府に引き継がれているはずなのですが、上でも掲載したように、とんでもない資料を出すような不始末をしでかすようになってしまいました。

結局、今の内閣府は、経済に関して独自に資料を出すというのではなく、こと財政に関しては、 政治家や財務省の意向にかなり左右される組織に落ちぶれたということなのだと思います。

今の内閣府の官僚どもには、あの経済企画庁だった時代の気概はもうないのでしょうか、本当に困ったものです。

日銀が、昨年金融引き締め一辺倒から、異次元の包括的金融緩和に華麗に転じたように、内閣府もかつての経済企画庁のような組織に華麗に変身していただき、日本財政をリードするような存在になっていただきたものです。

そうして、金融政策+財政政策により、一刻もはやくデフレから脱却できる体制を整えていただきたいものです。

今のままでは、とてもじゃないですが、日本はデフレという無限地獄から抜け出すことはできません。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2014年10月6日月曜日

デフレは、若者世代への「経済的虐待」である―【私の論評】日本の将来を担う若者に対して、これ以上経済的虐待を加え続けることは一刻もはやくやめるべき!そのためにも、消費税再増税などすべきではない(@_@;)

デフレは、若者世代への「経済的虐待」である
性急な消費増税の後に、何が待ち受けるのか

村上 尚己 :アライアンス・バーンスタイン マーケット・ストラテジスト
2014年10月06日

大型増税で低迷気味の消費。このままデフレへ逆戻りすることは、若者世代に対して経済的虐待をしているのに等しい

アベノミクス発動による金融緩和の強化によって、日本経済は2013年初から順調な回復を辿っていた。しかし、大型増税というデフレ圧力を高める政策によって、2014年4月から日本経済は失速、夏場になっても消費を中心に不調なままで、製造業の生産活動も減衰している。

日本経済は本当にスタグフレーションなのか

2014年7~9月GDP成長率(11月17日に第一次速報発表予定)は、前期の落ち込みからの反動増で、表面的には高い成長率になるとみられる。しかし、日本経済は増税をきっかけに「軽微な景気後退」に陥るシナリオも無視できなくなっている。

日本経済は、長期にわたり経済活動を蝕んでいた「デフレ」から脱却する途上にあり、本来インフレ率2%を安定的に実現するまでは、金融・財政政策による景気刺激策が求められる。

こうした経済状況に直面し、メディア等では不思議な論調が目立ち、「日本経済がスタグフレーションに陥った」などと言っている。9月8日のコラム「消費増税先送りで、アベノミクスは復活する」でも、海外メディアによるこうした論調を紹介したが、本コラムでも再度これについて批判的に論じる。

世界標準のインフレを好まない、「目に見えない声」

スタグフレーションとは、金融、財政政策により景気が過熱し過ぎて、インフレ率が加速し、それが企業や家計の経済活動を委縮させ成長率が停滞する状況である。

インフレ目標を実現できず、かつ脱デフレの途上にある日本経済はそのような状況とはほど遠い。つまり、今の日本経済の状況を表す言葉として、スタグフレーションは、用語の使い方として間違っている。

メディアでスタグフレーションが誤用されているのは、金融緩和によってインフレ率が世界標準の伸びに上昇することを好まない、「目に見えない声」があるためだ。インフレという自然な経済現象を暗に批判する、「印象操作」として使われているのである。

インフレを好まない、目に見えない声がマスメディア等を通じてなお無視できない力を持っていることを、投資家は冷静に認識し、スタグフレーションなどという言葉に惑わされないことが重要である。

そして、経済成長を逆噴射させる政策対応は時期尚早で、仮に政策対応の不出来が続けば、再び景気停滞とデフレに舞い戻り、そして財政赤字と公的債務が再び増えるという、最悪シナリオすら想定できることを、頭の片隅に置いておきたい。

デフレは、若者世代への「経済的虐待」である

文部科学省の調査によれば、平成24年度(アベノミクスが始まる直前)に大学などを中退した若者は約8万人と、全学生に占める割合は2.65%に増加した。

ただでさえデフレ不況が始まり、就職氷河期が恒常化していたわけだが、就職活動に入るその前段階において、不況による金銭的な事情から卒業を諦めざるを得ない若者が増えていたわけだ。こうした若者は、残念ながら、スキルを身に着ける職につくチャンスを得ることが難しくなってしまう。

長期の経済成長率は、人的資本がもたらす技術革新の影響が大きく左右する。これまで、デフレ不況が長引いたことで、就業の機会が狭くなりスキルを高めることができない労働者が増えた結果、日本経済は長期的な経済成長率を低下させかねない状況になっていた。

こうした意味で、デフレは若者世代への「経済的虐待」だが、デフレと低成長(=「人余り」の長期化)からの脱却をしっかりと実現することが、長期的な観点からみても日本経済再生の第一歩になる。

この記事は、要約です。詳細は、こちらから(@_@;)

【私の論評】日本の将来を担う若者に対して、これ以上経済的虐待を加え続けることは一刻もはやくやめるべき!そのためにも、消費税再増税などすべきではない(@_@;)

上の記事、スタグフレーションの言葉遣い間違いと、デフレは、若い世代への「経済的虐待」という二つのテーマが盛り込まれていて、少し盛りだくさんだと思います。どちらかの話題で、一つの記事にまとめていただきたかったです。

スタグフレーションに関しては、言葉の意味を良く理解しないメディア関係者が無責任にそのようなことを報道しているということだと思います。これは、これで無責任なことですが、メディア関係者がバカということで、問題は片付きます。

せっかく若者が就職できても、奴隷扱いするようなブラック企業が増えている

しかし、もう一方の、デフレは若者世代への「経済的虐待」という内容は、なぜか日本ではほとんど理解されていません。こんなことは、当たり前のど真ん中のはずなのに、なぜかメディアや識者などはほとんど触れてきませんでした。

こういうことから、上記の村上直己氏の記事は、日本では非常に珍しく、注目すべきものであると思います。だからこそ、掲載させていただきました。

それにしても、なぜ日本では、ほとんどこのことが認識されないのか、本日はその背景を探っていきたいと思います。

日本においては、いわゆる新卒定期採用という独特の雇用慣行があるので、日本以外の国から比較すると、若者の雇用問題は比較的軽いとも思われてきました。

日本には新卒定期採用という他国にはない雇用慣行がある
日本以外の国では、新卒の大量採用などという慣行はないため、企業の採用は必要の都度行うというのが普通です。ですから、高校や大学、大学院などを卒業しても、たまたま募集がなければ、すぐに就職できるとは限りません。

卒業した年が運悪く、不景気やデフレだった場合、いくら優秀であっても、卒業してから何年も就職できない場合もあります。まったくもって理不尽な話しです。デフレや不景気が長引いた場合には、就職できない若者がかなり増えます。貧困や犯罪が増え、これは、深刻な社会問題をもたらします。

だから、不景気や、ましてやデフレになれば、若者世代は大変なことになるということを多くの人々が認識しています。人間長い間生きていれば、自分が学校卒業時に不景気で大変な思いをしなかったとしても、自分の子どもや、身内などの親しい人のなかに、大変な目にあった人が必ずいて、嫌がおうでも、その認識は高まるわけです。

だから、日本以外の欧米などでは、不景気やデフレは、このように若者に対してかなり犠牲をしいる大変なこどてあるとの認識があります。そうして、こうした雇用問題の元締めは、中央銀行であり、景気が悪くなった、デフレ気味になった、雇用条件が悪化したとなれば、真っ先に中央銀行が糾弾されます。

このように、日本以外の欧米などでは、若者の雇用などは、中央銀行の金融政策の良し悪しにより、かなり左右されるということが、当たり前になっています。しかし、日本ではそのような認識はむまだまだ広まっていません。

これに関しては、このブログでも、掲載したことがありますので、その記事のURLを以下に掲載します。
若者雇用戦略のウソ―【私の論評】雇用と中央銀行の金融政策の間には密接な関係があることを知らない日本人?!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下にその要旨だけ掲載させていただきます。
アメリカでは、雇用問題というと、まずは、FRBの舵取りにより、大きく影響を受けるということは、あたりまえの常識として受け取られていますし。雇用対策は、FRBの数ある大きな仕事のうちの一つであることははっきり認識されており、雇用が悪化すれば、FRBの金融政策の失敗であるとみなされます。改善すれば、成功とみなされます。 
この中央銀行の金融政策による雇用調整は、世界ではあたりまえの事実と受け取られていますが、日本だけが、違うようです。日本で雇用というと、最初に論じられるのは、冒頭の記事のように、なぜか厚生労働省です。

このブログでも、前に掲載したと思いますが、一国の雇用の趨勢を決めるのは、何をさておいても、まずは中央銀行による金融政策です。たとえば、中央銀行が、インフレ率を2〜3%現状より、高めたとしたら、他に何をせずとも、日本やアメリカのような国であれば、一夜にして、数百万の雇用が生まれます。 
これに関しては、まともなマクロ経済学者であれば、これを否定する人は誰もいないでしょう。無論、日本に存在するマクロ経済学と全く無関係な学者とか、マルクス経済学の学者には、否定する人もいるかもしれませんが、そんなものは、ごく少数であり、グローバルな視点からすれば、無視しても良いです。
日本では、やはり新卒採用という雇用慣行があったからこそ、若者の雇用はさほど深刻にならなかったという側面は否めません。15年くらい前までは、とにかく学校を卒業さえすれば、なんとわなしに就職先はある、特に贅沢をいわなければ、どこかには必ず勤められるという考えが多くの人々にありました。

実際に、そうでした。しかし、日本はデフレに突入してから15年以上も経過するという、とんでもない状況に陥ってしまいした。そうした中では、新卒雇用もかなり減って、ご存じのように学校を卒業してもなかなか就職できないのが当たり前になってしまいました。

これでは、せっかくの世界に誇る日本の新卒定期採用という若年層に対する優しい雇用慣行がありながら、それが機能せず若者世代を経済的に虐待する結果となっています。

これは、若者にとっても、日本という国にとっても、不幸なことです。そうして、日本以外の欧米の国々のように、新卒雇用という雇用慣行がないからこそ、当たり前になっている、若者の雇用は中央銀行の責任という認識を多くの日本の人々にも持っていただきたいものです。

政治家、官僚、識者はもとより、多くの一般の人々にこのような考えが、認識されれば、そもそも若者を塗炭の苦しみに追いやるような、デフレがこれほどまでも長い間放置されることはなかったと思います。

日本の無限地獄 デフレはいつまでたっても克服されそうにない

そうして、若者雇用は中央銀行の責任という考え方が定着していれば、せっかく日銀が異次元の包括的金融緩和をやっているにもかかわらず、政府が緊縮財政の一環である、消費税増税など実施するなどということは、考えおよびもつかないことであり、本来は減税すべきであったということも、受けいられられるに違いありません。

とくにかく、これから日本の将来を担っていく若者に対して、これ以上経済的虐待を加え続けることは一刻もはやくやめるべきです。そのためにも、金融緩和の腰を折るような、消費税再増税などすべきではありません。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2014年10月5日日曜日

【高橋洋一氏TW】もう成長出来ないという人が見たくない図―【私の論評】金融緩和と積極財政をあまりにもしてこなかった日本が経済成長をしなかったのは当たり前、まずは経済成長をすることがもっとも重要(@_@;)

【高橋洋一氏TW】もう成長出来ないという人が見たくない図
【私の論評】金融緩和と積極財政をあまりにもしてこなかった日本が経済成長をしなかったのは当たり前、まずは経済成長をすることがもっとも重要(@_@;)

上のグラフを見て、みなさんはどう思われるでしょうか。このグラフの横軸はマネー伸び率であり、縦軸はGDP成長率です。

結論からいうと、このグラフを見て、その内容を理解すれば、来年10%増税などすべきことではないということです。それを声高に叫ぶ人々は単なるどバカかエゴイストであるということです。

このグラフの期間は、1994年~2013年です。世界の中では、日本はGDP伸び率最低、マネーの伸び率も最低です。

昨年の4月から異次元の包括的金融緩和を実行していますが、それでもまだまだ、マネーの伸び率が低い状態にあるということです。あまりにも長い間、金融引き締めをしてきたので、マネーがまだまだ足りないということです。

それに、これだけ成長率が低いということは、政府も緊縮財政ばかり繰り返してきたということです。あまりにも長い間、日銀は金融引き締め、政府は緊縮財政ばかりやってきたので、日本はデフレに陥ったということです。

政府が行うべき経済対策 クリックすると拡大します

本来、不景気になったり、ましてや、デフレに陥った場合には、通常なら、中央銀行は金融緩和を大々に行い、政府は積極財政を行い、素早くデフレから脱却するのが当たり前のど真ん中です。しかし、日本ではなぜかそのような政策が実施されずに、長期間にわたって、デフレが放置され続けてきました。

経済対施策における金融政策は、かなり時間がかかります。それに比較すると、財政政策は、長続きはしないものの、短期的にすぐに効果が現れます。

だから、日本以外の普通の国では、デフレから脱却するためには、金融緩和はもちろんのこと、積極財政も併用して、なるべくデフレから脱却できるようにするというのが普通です。

しかし、ここ日本においては、過去20年間にわたり、なぜかこれを実行せず、金融引き締めと、緊縮財政を繰り返してきました。

その結果1998年からは、不景気どころむか、本格的なデフレに陥ることになりました。それでも、金融引き締め、緊縮財政を繰り返したため、経済成長もしなくなるどころか、デフレが長期間にわたって続くことになりました。

第一次安倍内閣のときには、日銀は金融緩和策を実行していて、景気はかなり回復していましたが、デフレが解消しないうちに、日銀は再び金融引き締めに転じてしまい、結局日本経済はデフレから脱却することなく、再びデフレスパイラルの底に沈んでしまいました。

そうして、昨年4月からは上でも掲載したように、異次元の包括的金融緩和を始めたので、昨年度はかなり経済が回復しました。

しかし、残念なことに、未だ日本経済は、デフレから脱却していないというのに、今年の4月から8%増税が実施され、4~6月期はかなり消費が落ち込みました。

おそらく、これからも消費は落ち込み続けて、なかなかデフレから脱却できないのは目に見えています。

現状の日本は、どう考えても、本来は増税などすべきではなく、減税すべきであったものを、増税してしまったため、デフレ脱却は遠のいてしまっています。

今後、さらに8%から10%に増税した場合は、さらに景気は落ち込み、デフレ脱却はかなり困難になります。失われた20年どころか、失われた40年になってしまう恐れも十分にあります。

にもかかわにず、増税を声高叫ぶ愚か者が大勢います。マスコミも、政治家も、官僚もほとんどが増税賛成派が大勢を占めます。これは、本当に異常な状況です。

そうして増税賛成派の論理は、全部全くまともな根拠がありません、。

これは、経済評論家の上念司氏も指摘しています。それについては、以下の動画をご覧いただくと良く理解できると思います。




財務省を筆頭とする増税を推進するバカもしくは、エゴイストどもは、上念氏が語っているように、全く脆弱な根拠しかなく、ことごとく論破されてしまうものばかりです。

そもそも、こんな言い訳を平然と言えるというのが、全く非論理的であり、幼稚ですらあります。

そうして、財務省をはじめとするバカもしくは、エゴイストがなぜこんな幼稚な言い訳をしてまで、増税を強行しようとするのか、それについては以前もこのブログに掲載したことがあります。

その記事のURLを以下に掲載します。
消費増税スキップしても実体経済に影響なし!リスクは「増税利権に群がる人々」のみ―【私の論評】まともな企業なら日々直面するトレードオフという考え方ができない官僚の単細胞頭が国民を苦しめる(゚д゚)!
詳細はこの記事をご覧いただくものとして、この記事の月論は、"増税をスキップするリスクは、実体経済の話ではなく、増税利権に群がる人々を激怒させるという政治的なものだけになる"。というものでした。

結局のところ、増税を見送り、デフレから早期脱却を目指すような政策をとると、財務省は目の前の、自らが他省に対して配分できる税金が少なくなってしまい他省に対する優位性を損なうなどという、財務省益を損なうことは絶対にしたくないでしょう。

政治家や、他省庁の官僚らは目の前の、増税による利権は、絶対に手放したくありません。

マスコミ、特に新聞は、自らの生き残りのため、軽減税率を財務省に適用してもらいたいため、増税を後押しするような記事ばかり掲載します。

他のテレビなどのマスコミも、財務省が実際にOBなどを送り込んだり、さまざまな手法を用いて、テレビの報道を増税賛成のほうに持っていく努力は、欠かしていません。

このような、官僚・政治家・マスコミなど国民を全く無視したバカでエゴイスティック目の前の利益だけで、増税が誘導されているというのが実体です。

目の前の利益とは、結局増税したとすれば、消費は落ち込み、税金の源泉であるGDPが大幅に減ります。そうなると、財務省が他省などに配分できる税金は減ります。そうなると、結局利権も減ってしまうので、増税は、政治家や官僚にとっても、本当に目の前の利益に過ぎないということです。

この図が示すのは、経済成長すれば財政もよくなるということを示している

デフレの前と、深刻なデフレに見舞われてからを比較してみれば、財務省が他省に配布できる金は、無論のこと、政治家の利権もかなり減っていると思います。

これから増税すれば、さらにデフレがより深刻になり、増税利権はほんの一時のものになります。そんなことは、当たり前のど真ん中なのですが、目の前のことしか考えない彼らにはそれが見えないのだと思います。

いずれにせよ、このようなことは、このブログ冒頭に掲載したグラフの意味を良く理解すれば、すぐに了解できることなのですが。我欲で、目のくらんだバカなエゴイストどもにはそうした判断はつかないようです。

そうして、エゴイストどものうちバカはそうではありませんが、バカではない連中は、今日本にとって一番重要なのは、経済成長をすることであることは、重々承知なのでしょうが、目の前利益だけに目がくらんでいるのだと思います。特に財務省の高級官僚たちはそうなのだと思います。

だから、上のグラフの意味するところなど、もちろん知っているのでしょうが見たくない図というよりは、他の多くの人々に見せたくない図であると考えているに違いありません。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか(@_@;)

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