2015年12月23日水曜日

天皇陛下82歳 皇居で一般参賀―【私の論評】「皇尊弥栄」(すめらみこといやさか)!

天皇陛下82歳 皇居で一般参賀

参賀者に手を振られる天皇、皇后両陛下=23日、皇居

天皇陛下の82歳のお誕生日を祝う一般参賀が23日、皇居で行われた。宮内庁によると、午前10時20分からの1回目には1万3160人が訪れた。

陛下は皇后さま、皇太子ご夫妻、秋篠宮ご夫妻、眞子さま、佳子さまとともに、宮殿の長和殿のベランダから参賀者に笑顔で手を振って応えられた。

陛下は「みなさんから寄せられたお祝いの気持ちを誠にうれしく思います」とお言葉を述べられた。さらに、豪雨などの被災者を気遣いながら、来年が「明るい良い年となるよう願ってやみません」と語られた。

【私の論評】「皇尊弥栄」(すめらみこといやさか)!


本日、12月23日は「天皇陛下の誕生日を祝う日」として法律で定められました。第二次世界大戦終結までは、天長節と呼ばれていました。


日本国民統合の象徴である「天皇陛下」

旧暦の9月22日は明治天皇の誕生日(新暦の11月3日で、現在の"文化の日")で、4月29日は昭和天皇(現在の"みどりの日")でしたが、天皇の亡くなられた後に現在の名称に改名されました。

戦前は天皇は神様として崇められており、その誕生日は「祝日」として扱われていました。しかし戦後、天皇は神様ではなく「日本国民統合の象徴」という新しい意味を持つようになりました。その事を受け、天皇を神格化した行事では無く天皇の誕生日を純粋にお祝いし、国民と天皇との距離を縮めることを目的とした日として「天皇誕生日」が設けられました。



奈良時代の天長節から現代まで
天皇誕生日の前身というべき天長節は奈良時代、光仁天皇(775年)の時に初めて行われました。

1948年からは、毎年宮中で祝賀の儀・宴会の儀・茶会の儀・一般参賀という催しが行われるようになりました。その後、宮殿造営のため一時中断されましたが、現在も皇居の二重橋の門が開放され、天皇は一般参賀者に答礼されています。


天の主宰者、造化の神
現在のカレンダーには「天皇誕生日」と記載されていますが、戦前までこの言葉(「天皇」)は神聖なものだから軽々しく使ってはいけないと禁止用語にしていました。「天皇」と言う言葉は「天帝」とも言い、「天の主宰者、造化の神」の意味をもちます。

「皇」の字はオウともコウとも読みますが、前者が「呉音」で後者の「漢音」より早い時期に入って来た読み方です。

天長節を祝う、日章旗を掲げた商店街 こんな商店街がもっと増えると良いです!

皇尊弥栄

本日のサブタイトルともなっている「皇尊弥栄」(すめらみこといやさか)の意味を以下に示します。

「中韓」とは異質な日本人の「精神世界」…仏作家は「21世紀は霊性の時代。日本は神話が生きる唯一の国」と予言した―【私の論評】日本は特異な国だが、その特異さが本当に世界の人々に認められ理解されたとき世界は変る。いや、変わらざるをえない(゚д゚)!


【全国戦没者追悼式】「深い悲しみを新たに」 天皇陛下お言葉全文―【私の論評】式典の後で、映画『陸軍』を視聴し、戦争の悲惨さが胸迫り「深い悲しみ」を新たにした!

【関連図書】

天皇陛下の私生活:1945年の昭和天皇
米窪明美
新潮社
売り上げランキング: 5,579

昭和天皇 100の言葉 日本人に贈る明日のための心得

宝島社
売り上げランキング: 12,656

皇室 Our Imperial Family 第67号 平成27年夏 (扶桑社ムック)

扶桑社
売り上げランキング: 228,586





  • 2015年12月22日火曜日

    【スクープ最前線】米機接近は「誤り」ではなく中国恫喝だった 南シナ海“威圧”に米激怒―【私の論評】今更「100年のマラソン」の寝言に脅威を感じる米国の感受性の鈍さが、アジアの平和を脅かした(゚д゚)!

    【スクープ最前線】米機接近は「誤り」ではなく中国恫喝だった 南シナ海“威圧”に米激怒

    激怒するオバマ大統領 写真はブログ管理人挿入 以下同じ
    オバマ大統領率いる米国が、中国への怒りを沸騰させている。米国が中東問題で忙殺されている間に、中国は南シナ海での覇権強化を進めているうえ、大威圧行動に出てきたというのだ。米軍のB52戦略爆撃機が先々週、中国の人工島上空を飛行したが、これは「誤り」ではなく「意図した軍事行動」との指摘が飛び込んできた。急浮上する「2016年、南シナ海開戦」情報とは。ジャーナリストの加賀孝英氏が緊急リポートする。

    「米国は、中国の暴挙を許さない。今回の一件で、中国は内心震えたはずだ。米国は軍事衝突も辞さない。本気だ」

    旧知の米軍関係者は緊張した声で、こう語った。「今回の一件」とは、米国防総省が18日に明らかにした“軍事行動”のことだ。概略は以下の通りだ。

    《米軍の戦略爆撃機B52が10日朝、南シナ海上空を偵察任務中、中国がスプラトリー(南沙)諸島に建設した人工島に接近した。中国が『領海』と主張する12カイリ(約22キロ)以内どころではなく、2カイリ(約3・7キロ)内への侵入だった。ほぼ真上といえる。米国防総省は『意図的ではない。悪天候のため、誤って飛行した』と説明した》
    米軍戦略爆撃機B52とその全武装 核兵器も搭載できる
     これに対し、中国国防省は翌19日、「米国側の挑発的行動に対し、あらゆる手段と措置を講じて国の主権と安全を守る」との声明を出した。

    ただ、冒頭の米軍関係者の話でも分かるように、核兵器搭載可能なB52の飛行は「誤って」ではない。米国がそこまで激怒しているということだ。少し説明しておく。

    中国は以前から国際法を無視して、世界のシーレーンである南シナ海のほぼ全域を囲む9つの線からなる「九段線」(赤い舌)を引き、「自国の領海だ」と強弁。複数の岩礁を勝手に埋め立てて軍事基地化してきた。

    こうした暴挙を阻止するため、米国は10月27日、イージス駆逐艦「ラッセン」を、中国の人工島12カイリ内で航行させる「フリーダム・オブ・ナビゲーション(航行の自由)作戦」を決行した。

    ところが、この直後、ロシア旅客機墜落事件(10月31日)や、パリ同時多発テロ事件(11月13日)が続発し、米国は中東での過激派組織「イスラム国(IS)」殲滅作戦に集中せざるを得なくなった。トルコ軍機によるロシア機撃墜(11月24日)まで起きた。

    中国はこれ幸いと、南シナ海の人工島の軍事基地化を急いだが、米国の同盟国であるオーストラリアと日本が毅然たる姿勢を見せた。

    オーストラリア軍の哨戒機が11月25日、「飛行の自由の権利を実践する」として南シナ海上空を飛行した(英BBC、12月15日報道)。若宮健嗣防衛副大臣は翌26日、沖縄県石垣市役所で中山義隆市長と会談し、南西諸島の防衛力を強化するため、陸上自衛隊の部隊を石垣島に配備する計画を説明、受け入れを正式要請した。

    米国と日本、オーストラリアによる「対中包囲網の構築」といえるが、これに中国が大威圧行為で対抗してきたのだ。

    防衛省によると、11月27日、中国軍のH-6戦略爆撃機8機、Tu-154情報収集機1機、Y-8情報収集型1機、Y-8早期警戒型1機が、沖縄周辺を飛行し、その半数が東シナ海を周回、もう半数は沖縄本島と宮古島の間を通過して戻ったという。自衛隊は、戦闘機を緊急発進させて対応した。

    中国軍のH-6戦略爆撃機
     以下、複数の米情報当局関係者から得た極秘情報だ。

    「米国は激怒した。中国は『西太平洋への進出訓練と、東シナ海のパトロール飛行を行った』と説明したが、これは米国と日本、オーストラリアに対する威圧行為に間違いない。『いつでも、西太平洋に展開する米艦艇や自衛隊艦艇、沖縄やグアムの米軍基地、東京などの都市も攻撃できるぞ』という恫喝だ。米国は絶対に許さない」

    そして、12月10日の戦略爆撃機B52による「2カイリ以内の飛行」につながるのだ。極秘情報はさらに続く。

    「B52飛行直後の11日と14日、オバマ氏と、中国の習近平国家主席は立て続けに電話会談を行った。表向き、『パリ郊外での国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)について』と伝えられているが、当然、南シナ海や東シナ海についても話したはずだ。この時、オバマ氏が激高し、習氏はそれに反論できず、B52の件の公表を『中国側が嫌がった』という情報がある」

    防衛省関係者がいう。

    「米中電話会談後の16日、オバマ政権は、中国の懇願を無視して、台湾に対してミサイルフリゲート艦2隻など総額18億3000万ドル(約2228億円)相当の武器を売却する方針を決定し、議会に通告した。米国の対中政策は激変した。日米豪中心の対中包囲網が完成し、中国は孤立している。一方、習氏はB52侵入時に手も足も出せず、弱腰だとバレ、軍の信頼を失った。追い詰められる可能性がある」

    こうしたなか、「2016年、南シナ海開戦」情報が浮上している。

    外務省関係者は「ベトナムの国内が異常に熱くなっている。南シナ海で中国に奪われた権益を取り戻そうと、来年早々、衝突覚悟で動く臨戦態勢に入っているとの極秘情報がある」という。

    その時、米国はどう対応するのか。南シナ海の情勢は緊迫している。

     ■加賀孝英(かが・こうえい)

    【私の論評】今更「100年のマラソン」の寝言に脅威を感じる米国の感受性の鈍さが、アジアの平和を脅かした(゚д゚)!

    上の記事では、米軍の戦略爆撃機B52が10日朝、南シナ海上空を偵察任務中、中国がスプラトリー(南沙)諸島に建設した人工島の2カイリ(約3・7キロ)内への侵入をしたことが取り上げられ、しかもそれを意図して意識して行ったものであるとしています。

    しかも、これが大きなスクープのような取り上げ方です。しかし、私としては、このようなことは、スクープでもなんでもなく、アメリカがこのような軍事行動をとるのは、遅きに失したと思います。

    この程度の行動は、できれは3年くらい前、望ましくは5年ほど前に行っておくべきでした。そうすれば、現在のような南シナ海や、東シナ海の中国の海洋進出はなかったことでしょう。それにともない、無論のこと、日本の尖閣問題もあそこまで複雑化することもなかつたことでしょう。

    今日のアジアの不安定は、その元凶は無論中国ですが、アメリカが中国に対して煮え切らない態度をとり続けたことにも大きな原因があります。

    どうして、このようなことになってしまったのか、それは、1970年代のニクソン政権から現オバマ政権まで一貫して国防総省の中国軍事動向を調べる要職にあったピルズベリー氏は最新の自著「100年のマラソン=米国と交代してグローバル超大国になろうとする中国の秘密戦略」が、アメリカで衝撃的であると受け止められているようです。

    しかし、私はその事自体が、中国の横暴を許してきた最大の原因ではないかと思います。中国の覇権主義は今に始まったことではありません。にもかかわらず、今頃こうして、『100年マラソン』の書籍にショックを受けること自体が非常に問題だと思います。

    まずは、『100年のマラソン』について以下に掲載します。これについては古森義久氏の記事があり、よくまとまっているので、それを以下に一部引用します。
    【あめりかノート】中国「100年のマラソン」戦略 古森義久
    北京の人民大会堂で開かれた中国全人代
     この書の内容は衝撃的である。もう40年以上も中国の対外戦略を研究してきた同氏が中国は「平和的台頭」や「中国の夢」という偽装めいたスローガンの陰で、実は建国から100周年の2049年を目標に経済、政治、軍事の各面で米国を完全に追い抜く超大国となり、自国の価値観や思想に基づく国際秩序と覇権を確立しようとしている-と総括するのだ。 
     同書がいまワシントンの外交政策関係者たちの間で熱っぽい議論の輪を広げているのは、米国側のこれまでの対中観や対中政策が著者自身の認識も含めて根本から間違っていた、と断ずるからである。米国の官民は中国に対し「欧米や日本の犠牲になった貧しく弱い国」との認識から始まり、「建設的関与」により中国を最大限に支援してその根幹を強くし、豊かにすれば、国際社会への参加や協力を強め、西側に同調すると考えてきたが、それは巨大な幻想だった、と強調するのだ。 
     だから同書は米国側の年来の「対中関与は協力をもたらす」「中国は民主主義へと向かっている」「中国は米国のようになりたいと願っている」という想定はみな錯誤だったとも断じる。そのうえで次のようにも指摘する。 
     「中国共産党の中核は米国が実は中国の現体制を骨抜きにし、国際的にも封じ込めて変質させ、米国主導の国際秩序に従属的に参加させる意図だと長年、みてきた」 
     「しかし中国指導部は米国の主導と関与の誘いに従うふりをしながら、国力を強めて米国の覇権を奪い、中国主導の国際秩序を築く長期戦略を『100年のマラソン』として進めている」 
     ピルズベリー氏によると、中国はその世界覇権への野望の主要手段として「現在の日本は戦前の軍国主義の復活を真剣に意図する危険な存在だ」とする「日本悪魔化」工作を実行してきた。アジア諸国と日本国内をも対象とするこの反日工作は日本が米国の主要同盟国として安保と経済の大きな柱である現状を突き崩すことを目的にするという。冒頭の中国の日本糾弾もその路線に含まれるわけである。 
     この書は日本の対中政策形成のうえでも重視すべき新たな指針だろう。
    『100年マラソン』などの書籍を読まずとも、中国が覇権主義であることは、前々から十分に世界中に知られていることでした。

    このブログでも、ブログを解説してから1年後くらいには、中国の覇権主義について警鐘を鳴らす記事内容が多くなりました。それに、中国が日本人の想定するような国でもないし、世界の他の国とは著しく異なる、異形の国であることも掲載してきました。

    このブログでは、すでに2010年には、中国の長期国家戦略に関する記事をとりあげました。その記事のリンクを以下に掲載します。
    日本「衝突の真相を世界に説明」 中国、「対日重視」と「関係修復」に初言及―【私の論評】これから内部分裂でますます、精神病理疾患国家中国は不安定化する!!リスク管理の観点から、中国からは手をひくべき!!

    詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では上記に示すような、中国の長期国家戦略を示す地図を掲載しました。この地図は、元々は、櫻井よしこさんが、中国のある情報筋から入手されたものです。

    この地図は、2050 年の極東マップですが、この頃には、朝鮮半島は、南北とも中国の一つの省になっており、日本の西半分は中国の東海省に、東半分は日本自治区になっています。

    確かに、このような状況を築いてしまえば、建国から100周年の2049年あたりには、経済、政治、軍事の各面で米国を完全に追い抜く超大国となり、自国の価値観や思想に基づく国際秩序と覇権を確立できるようになります。

    中国と日本の経済力が、衰えることなく、維持発展して、これが一つになれば、アメリカも凌ぐことになります。さらに、日本の高い技術力をや、インフラを手にしてしまえば、軍事的にも今のアメリカを凌ぐ力を得ることになります。

    今でも、すでにヨーロッパは黄昏時であり、経済的にも軍事的にも従来の面影はなくなりました。かつての強国ロシアも、今ではGDPは日本の1/5程度しかありません。

    本当にこれが、実現すれば、強力な軍事力と経済力を背景に、政治的にも米国を完全に追い抜き、世界一の超大国になり、中国の価値観や思想に基づく国際秩序と覇権を確立できることでしょう。

    以前天皇皇后両陛下が中国を訪問された直後に、中国の当時の総理李鵬がオーストラリアを訪問したときに、「日本という国はいずれなくなる」と発言していたという事実があります。これは、日本のテレビ番組の「TVタックル」でも、報道されていました。これを語った李鵬の頭の中には、中国の長期国家戦略戦略があったことは確かだと思います。


    以上のようなことから、「100年のマラソン」の内容などは、このキーワード自体は別として、概念的には多くの人がすでに理解していることでした。このブログでも、これを前提に中国の問題をブログに掲載し続けてきました。

    そうして、このブログでも、何度か掲載してきたように、現代の大陸中国は元々侵略国家です。それに関しても、このブログで何度か掲載したことがありますが、最も最近の記事のリンクを以下に掲載します。
    【佐藤優】中国はこれから深刻な国家的危機に陥る!!!―【私の論評】日本の安全保障は、第二イスラム国の脅威が中国西端に迫っていることも考慮に入れよ(゚д゚)!
    詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事から中国が侵略国家であることを示す部分を以下に引用します。
    日本では、あまり知られていないことですが、新疆ウィグル自治区は現中華人民共和国が独立したときには存在せず、現中国が建国して以降に侵略によって無理やり中国の版図に収めたものです。それは、新疆ウィグル自治区だけではありません。それは、以下の地図をご覧いただければ、お分かりになると思います。 
    上の地図にはでてはいませんが、朝鮮半島の上にあたる、中国の東北部も、大東亜戦争中に日本が建国させた満州国がありましたが、ここも厳密にいえば、もともとは大陸中国とは異なる満州族(ツングース系民族)が住む外国のようなものでした。
    このように、現中国は独立後に膨張して現在の版図になったものです。それだけに飽きたらず、尖閣列島、南沙諸島にまで膨張しようとしてきたのが、つい最近までの中国の状況でした。
    このように中国は建国当初から、侵略国家であり、中国建国当初は、経済的も軍事的にも遅れていたため、自分たちでも与することができる、周辺の弱小な国だけを侵略しました。

    その後ベトナムを侵略しようとして、中越紛争を起こしましたが、米国を打ち負かしたベトナムは、当時の中国にはあまりに強すぎて、撤退を与儀なくされました。

    また、中ソ国境紛争などであわよくば、ソ連領にも侵略しようとしましたが、その当時のソ連は、軍事的に数段上で、とても中国の手に終えるものではありませんでした。これに関しては、後にソ連が崩壊した後のロシアと講和をして、一方的にロシア側に譲歩して、現在に至っています。

    現在のロシアは経済的には、中国のGDPの1/5程度のGDPしかない小国に成り果てましたが、軍事的には技術力などは圧倒的にロシアのほうが勝っており、未だとても中国など手に負える相手ではありません。

    現モンゴルは、ロシアの緩衝地帯という意味もあり、中国が侵略しようとすれば、ロシア軍がでてくるか、ロシアがモンゴルに対して、積極的に軍事協力を行うことが予想され、苦戦が強いられることが予想されるので、中国も今のところ、侵略できない状況です。

    しかし、近年中国は海軍力を増強したため、海軍力が弱小な国しかない、南シナ海に海洋進出を始めたわけです。さらに、日本は、経済的にも軍事的にも決して弱小ではない(海軍はアメリカに次いで世界第二位)のですが、平和憲法なる規制があって、与し易いので、東シナ海や尖閣に手を伸ばしたのです。

    そうして、中国はこの方面でいろいろやってみて、米国の顔色を伺っていたてのですが、米国は抗議はするものの、直接的な軍事行動に出なかったので、中国が増長して、今日のような結果を招いてしまったのです。

    以上のようなことから、「100年のマラソン」など最初からわかり切ったことであり、これに関して今更脅威を感じるなどとは、はっきり言わせてもらえれば、あまりにも感受性が鈍いとしか言いようがありません。

    感受性が鈍った原因として、アメリカの世論は、90%がリベラルで、わずか10%が保守であり、かつ親中派、媚中派も多かったため、中国の成長幻想の集団催眠にかかり、中国はいずれ大国となり、米国と対等のビジネスパートナーになると思い込んだためです。

    しかし、異質の中国は、とても米国の考えているようなビジネス・パートナーとはなりえません。まずは、経済は破綻しかけています、そのいきつく先は、中進国の罠にどっぷりとはまり抜け出せなくなることです。そうなれば、今後中国の経済が発展することもありません。

    軍事的にも本格的にアメリカと南シナ海で対峙することになれば、数時間で負けます。そもそも、中国の「100年のマラソン」は、中国の中華思想からでてきたものであり、根拠も何もありません。

    もともと、中国は第二次世界大戦後に独立した国であり、大東亜戦争時には日本と戦ったこともありません。直接先進国と本格的な戦争などしたことはありません。だから、戦争の悲惨さなど知りません。さらに、毛沢東施政下においては、大躍進や文革で数千万人にものぼる死者を出した国です。もともと、人命は尊重しない国です。

    このような国が本格的に超大国妄想を抱いて、それに突き進めば、それが成就されることはないにしても、アジアに様々な災いをもたらすのは明らかです。

    アメリカは、このような妄想を打ち砕き、中国に対して身の丈を知らしめるべきです。そうすることにより、アジアの平和と安定がより確かなものになります。

    いずれ中国はいくつかの国々に分裂し、ほとんど国が特に珍しくもないありふれた、アジアの独裁国家の一つに成り果てます。ひょっとする、そのうち一国くらいが、民主化、政治と経済の分離、法治国家化を実現して、中間層を増やしこれらに活発な経済・社会活動を行わせるようになり、驚異的に発展するかもしれません。

    しかし、そのときは、今の中国のように身の丈知らずの妄想をいだくことなく、まともな国になるかもしれません。

    今更「100年のマラソン」の寝言に脅威を感じる米国の対応の遅れが、アジアの安定と平和を脅かしたと言えそうです。

    私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

    【関連記事】

    日本「衝突の真相を世界に説明」 中国、「対日重視」と「関係修復」に初言及―【私の論評】これから内部分裂でますます、精神病理疾患国家中国は不安定化する!!リスク管理の観点から、中国からは手をひくべき!!



    【関連図書】

    余命半年の中国経済 これから中国はどうなるのか
    渡邉 哲也
    ビジネス社
    売り上げランキング: 2,225


    China 2049
    China 2049
    posted with amazlet at 15.12.22
    マイケル・ピルズベリー
    日経BP社
    売り上げランキング: 28


    「中国の終わり」にいよいよ備え始めた世界
    宮崎正弘
    徳間書店
    売り上げランキング: 5,246

    2015年12月21日月曜日

    【原発最新事情】「われわれは愚かだった」 米有力紙が“反省” 誇張されすぎた被曝リスク―【私の論評】日本のマスコミも、誤ったときには今回のWSJのようにすぐにそれを改めよ(゚д゚)!


    「われわれは愚かだった」と被曝リスクについての
    報道を反省するウォールストリート・ジャーナルの記事
    東京電力福島第1原発事故以降、放射線被曝リスクに対し、過剰に恐れる極端な反応もみられ、混乱と迷走を続けてきた。そうした中、米有力紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が12月3日付で、「原子力のパラダイムシフト」と題して、被曝リスクは誇張され過ぎているとした上で、「われわれはどれほど愚かだったのか」と自戒する記事を掲載した。その理由と背景は何か。被曝リスクについて振れ過ぎた針を戻す試みが、海外から出てきている。(原子力取材班)

    WSJの名物記者が執筆

    記事を執筆したのは、WSJ編集委員で、コラムニストのホルマン・ジェンキンス氏。同紙のホームページによると、ジェンキンス氏は1992年から同紙に所属、97年には、金融や経済分野で優秀なジャーナリズムをたたえる「ジェラルド・ローブ賞」を獲得している同紙の名物記者だ。現在は週に2回、「ビジネスワールド」という欄を担当し、今回の記事もそこに掲載された。

    記事ではまず、パリで開催されていた国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)を題材に、フランス国民一人当たりの所得が世界20位にもかかわらず、温室効果ガスの排出量はなぜ、世界50位なのかという問いを投げかけている。

    答えは、フランスが電力の75%を原発でまかなっているからである。その上で、記事は「『放射線被曝はいつも被曝量に直接比例して危険である』という根拠のないドグマ(独断)に、世界は1950年以来、屈服してきた」と指摘する。

    ジェンキンス氏はこのドグマを「秒速1フィートで発射された弾丸で死ぬ確率は、秒速900フィートで発車された弾丸で死ぬ確率の900分の1だと言っているものだ」と皮肉っている。

    LNT仮説の欺瞞性

    この記事が議論しようとしているのが、「閾値(しきいち)なしの直線仮説」(Linear Non-Threshold=LNT仮説)と呼ばれるものだ。

    単純に言ってしまうと、放射線被曝線量と、その影響の間には、直線的な関係が成り立つという考え方である。

    ところが、年間100ミリシーベルト以下では、広島や長崎の原爆の被爆者を対象とした膨大なデータをもってしても、発がんリスクの上昇は認められない。つまり、100ミリシーベルト以下の低線量では、どれだけ被曝しようと、直線的関係は成り立たないということだ。

    国際的に権威がある国際放射線防護委員会(ICRP)もLNT仮説を支持していないが、福島の事故以後、「被曝すればするほどリスクが高まる」という言説が流布した。

    記事では、米国の原子力規制機関のトップが2001年、「チェルノブイリ原発事故(1986年)に起因する白血病の超過発病はなかった」と認めていることにも触れている。

    さらに1980年代、台湾で1700戸のアパートが、放射性コバルトに汚染されたリサイクルの鉄を使って建設されたが、2006年の調査で、住人のがんの罹患率が大変低いことが分かった。その研究者は「米国のリスク評価が修正されれば、原発の稼働で多くの金が節約できるし、原発の拡大が促進される」と主張している。

    原子力のパラダイムシフトが起きている

    これを受け、ジェンキンス氏は「放射線に対する過度な恐れが、原発の安全や廃棄物の貯蔵、原発の許可費用にとって大きな問題となっている。しかし変化は起きている。パラダイムシフトが起きつつある」とみている。

    米国の原子力規制委員会は、安全基準を改定することに関して意見募集を開始。変更を求めた申請者の大学教授が「LNT仮説には根拠がない」と指摘したという。

    さらに、オックスフォード大学のウェード:アリソン名誉教授(物理学)、マサチューセッツ大学マースト校のエドワード・カラブレーゼ氏(毒物学)の名前を挙げて、「この2人は何十年も前からLNT仮説と闘い続けてきた」と称賛。学術誌の10月号の論文では、「1950年代のマンハッタン計画に関わった放射線遺伝学者が、自分たちの研究分野の地位を高めるために、わざとLNT仮説が採用されるように促した」という経緯を暴露した。今では、何百もの論文がLNT仮説に反対する証拠を提出しているという。

    大統領は屈服する?

    続いて、石炭火力と原子力について比較している。

    石炭は21世紀初めに世界の主力なエネルギー源となった。しかし、安全面や効率の点でどうだったかについて疑問を投げかけた。

    記事は「今なら中国もインドも石炭を選ばず、先進国で開発された安価で安全で、クリーンな原発を選ぶだろう」とした上で、「われわれは何と愚かだったのだろう」と嘆く。

    石炭は原子力よりも危険であり、米国肺協会によると、石炭火力発電所から排出される粒子状物質や重金属、放射性物質で年間1万3200人が死亡していると試算しているという。

    ジェンキンス氏は最後に、温室効果ガス削減に前向きなオバマ政権とリベラルなニューヨーク・タイムズ紙をチクリとやった。

    「オバマ大統領は気候変動問題で有益な態度を示しているが、もしニューヨーク・タイムズが『(原発の増設は)環境保護主義者への背信だ』と社説で非難すれば、大統領は屈服してしまうだろう」

    【私の論評】日本のマスコミも、誤ったときには今回のWSJのようにすぐにそれを改めよ(゚д゚)!

    さて、上の記事の趣旨は、「放射線被曝は被曝量に比例して危険」は嘘ということです。上の記事を簡単にまとめてしまうと、以下のようなものです。
    ・低線量ではどれだけ被曝しようと無害 
    ・石炭は原子力よりも危険
    ・原発恐怖症はNYTのせい?
    これらの三点を無視して、WSJは被曝リスクは誇張され過ぎているとして、反省しているわけです。

    以上の三点は、日本の多くの科学者もエビデンスをあげて、前から指摘しているところで、特にこれについ勉強しなくても、サイトを調べてみれば、すぐに見つけることができる内容です。

    さて、原発に関しての私の考えは、以前からこのブログで何度か表明してきました。再度、掲載します。

    まともな代替エネルギーがみつかれば、それに移行すべきですが、現在までまともなものはまだみつかっていません。それは、原子力も同じことです、現在のような核分裂によるエネルギーではなく、核融合によるものであれば、はるかに安全ですが、残念ながら、実用化には至っていまん。

    その他、風力・火力・風力なども、まだまだ本格的に実用化には至っていません。一方、現在日本では、東日本大震災よりも後は、ほとんどすべての原発が稼働中止となっています。

    しかしながら、稼働していない原発でも、核燃料は保存されているわけで、これを保存するだけでも、危険であることには変わりありません。このまま稼働を中止しても、核燃料保存のためのコストはかかります。

    であれば、事故をおこした福島原発1号機のような、日本製ではない、アメリカ製の古い危険な原発は別にして、東日本震災でもびくともしなかったような、比較的新しい原発は稼働すべきです。

    これが、私の立場です。

    そうして、この立場に至ったわけは、自分なりにサイトなどで調査をし、分析をした上で、このような結論に至りました。

    調査・分析の過程で、"放射線被曝は被曝量に比例して危険というわけではない"ということも、当然のことながら理解した上での、結論です。

    このブログでは、以前福島の高校生らが福島県における、被ばく量は「国内外で差はない」ことを組織的、体系的な計測を行い、それをレポートにまとめ、その内容が英学術誌に論文として掲載される運びになったことを掲載しました。その記事のリンクを以下に掲載します。

    被ばく量「国内外で差はない」 福島高生、英学術誌に論文―【私の論評】発言するならこの高校生たちのように感情ではなく、エビデンス(証拠・根拠、証言、形跡)に基づき行え(゚д゚)!
     

     詳細は、この記事をご覧いただくものとして、まずは測定結果についは下に画像で掲載します。


    この画像を御覧いただくとお分かりになるように、確かに福島県内と、日本国内の福島県外、日本以外と比較しても、福島県内が特に被曝量が高いなどということはありません。

    これは、素晴らしい高校生の研究です。高校生に限らず一般の人でも、福島の放射線量に関しては、おそらく高いだろうくらいのことで、様々な論評をしてしまいがちですが、この高校生たちは、散発的に測定するだけというのではなく、時間をかけて組織的、体系的に測定をして、レポートにまとめています。

    私たちは、このような態度を忘れてはならないと思います。とにかく、何かモノを語る場合には、エビデンス(証拠・根拠、証言、形跡)に基づき話をしなければなりません。

    ましてや、新聞などのマスコミは絶対にそれを怠ってはなりません。なぜなら、マスコミの影響力は、私達個人よりも、はるかに影響力が大きいからです。

    それから、個人でも、マスコミでも、人間の行うことには間違いがつきものです。だから、間違いをする事自体は否定はしません。ただし、間違いに気づいたときの後の行動が重要です。

    間違ったときに、すぐにそれを改めるということが重要です。

    朝日新聞の「慰安婦報道」のように、誤りを認めるのに、何十年もかけるとか、認めるだけでWSJのように反省しないということには問題があります。以下に朝日新聞と慰安婦問題に関して図のまとめを掲載します。


    以下に朝日新聞の慰安婦問題を簡単に掲載しておきます。
      ・慰安婦にするため女性を暴力で強制したと、著書や集会で証言した男性がいた。
      ・80年代から90年代初めに記事で男性を取り上げ証言は虚偽という指摘がされる。
      ・男性は吉田清治氏。著書で山口県労務報国会下関支部の動員部長をしていたと語った。
      ・朝日新聞は吉田氏について確認できるだけで16回記事にしている。
      ・90年代初め、他の新聞社も吉田氏を記事で取り上げていた。
      ・92年4月30日、産経新聞や週刊誌も創作疑惑を報じ始めた。
      ・吉田氏は虚偽疑惑について問われると「体験をそのまま書いた」と答えた。
      ・む済州島での取材で裏付けは得られず。「真偽は確認できない」と表記した。
      その後、朝日新聞は吉田氏を記事に取り上げていない。
    そういう意味では、今回のブログ冒頭のWSJが、被爆リスクについて誇張したことを認めて反省したことは、潔の良い、素晴らしい行動だと思います。

    私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

    【関連記事】



    2015年12月20日日曜日

    【コラム】大韓民国建国は1919年なのか、1948年なのか―【私の論評】大韓民国の建国は、1919年ではないしましてや1945年8月15日でもない!未だに続く歴史ファンタジー!



    大韓民国の出生証明書の再発行でもしなければならないようなありさまだ。教科書国定化をめぐる賛否の火の手が、最近では韓国の建国日をめぐる論争へ飛び火している。要するに「1919年建国論」と「1948年建国論」の対立だ。

     「19年建国論」は「わが大韓民国は三・一運動で建立された大韓民国臨時政府の法統を継承し」という韓国憲法の前文に依拠している。韓国が臨時政府の法統を受け継ぐと明示していることから、1919年に生まれたと見なすのが正しいという主張だ、これに対し「48年建国論」は、政府樹立記念日の1948年8月15日に韓国が誕生したと考える。双方はそれぞれ、強みと弱みを持っている。

     韓国現代史を断絶ではなく継承の観点から見ることができる点こそが「19年建国論」の魅力だ。植民地化という「挑戦」に対し、臨時政府樹立という「応戦」で堂々と韓国史を説明できる。ところがこの強みは、同時に弱みでもある。

     「19年建国論」は「政治学のいろは」とズレている。現代の政治学は、国家とは領土・国民・主権の3要素を持つものであって、3要素の一つが欠けただけでも国家とは見なし難い、と教えている。韓国が1919年に建国されたと見る場合、徴用や慰安婦問題といった植民地時代の苦難をどう説明するか、はっきりしない。「韓国の誕生」という事実判断と「臨時政府の法統継承」という価値判断を混同している、という批判も免れ難い。

     金九(キム・グ)主席の臨時政府も、1941年の「建国綱領」で「敵の統治機構を国内から完全に撲滅し、中央政府と議会の正式な活動で主権を行使する過程」を「建国の第1期」と規定した。建国を今後の課題として設定したのだ。こうした事実を見過ごすと、歴史がファンタジーの領域に退行する危険がある。 

     従って「韓国の誕生日は1948年8月15日」と見る方が自然だ。ところが「48年建国論」は、ここから一歩踏み出している。「1948年8月15日は韓国の建国節にもかかわらず、政府樹立記念日に格下げされている」と主張しているのだ。

     しかし「48年建国論」を強調し過ぎると、李承晩(イ・スンマン)初代大統領が1948年8月15日に行った記念の演説と衝突するのが問題だ。「政府樹立大統領記念辞」というタイトルのこの演説は「大韓民国30年8月15日 大統領李承晩」という文言で終わる。「大韓民国は1919年に樹立された臨時政府の法統を継承する」と宣言した人物は、ほかならぬ李承晩大統領だ。李大統領はこの記念の辞で、建国と政府樹立を、対比させるより、むしろ自然に併用している。

     二つの建国論がどちらも弱みを持っているのは、事後的な解釈だからだ。にもかかわらず、自分の弱みからは目を背け、他人の弱みばかり暴こうと言い争いを続けると「兄弟の目にある塵(ちり)を見て、おのが目にある梁木(うつばり)を認めぬ」(マタイ7章3節)ことになりやすい。再評価は歴史家の領分だが、だからといって自分の希望する事項まで史実に混ぜる権利は歴史家にもない。

    キム・ソンヒョン文化部次長
    朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

    【私の論評】大韓民国の建国は、1919年ではないしましてや1945年8月15日でもない!未だに続く歴史ファンタジー!

    上の記事を読んでいると、未だに韓国では歴史ファンタジーが続いているのだと思い知り、忸怩たる思いがします。ブログ冒頭の記事では、「こうした事実を見過ごすと、歴史がファンタジーの領域に退行する危険がある」などとしていますが、1948年8月15日建国説も歴史ファンタジーです。

    ロンドンオリンピックでの韓国のサポーター
    まずは、1919年建国説は、どう考えても歴史ファンタジーです。この時期の朝鮮半島は、日本に併合(植民地化ではない)されていました確かに1919年4月11日に設定された上海臨時政府やその他の一時的な政府と9月11日に設定された統合上海臨時政府などがありましたが、どれも国家ではありませんでした。

    だから、この時期に建国したというのは、どう考えても単なる過去の歴史の修正であり、歴史ファンタジーに他なりません。こんなことは、一時でも他国の支配下にあった韓国以外国でも考え付きもしない歴史の自国にとって都合の良い解釈に過ぎないです。

    「光復節」(カンボッチョル) ── これは、「解放記念日」(日本の支配から解放された日)・「独立記念日」(日本から独立した日)とされている韓国の祝日(8月15日)です。昭和20(1945)年8月15日、日本の終戦に伴い、祖国・韓国は日本の植民地支配から「解放」され、そして「独立」したのだと言う訳です。

    しかし、この「光復節」とされる日 ── 8月15日は、実は「解放記念日」・「独立記念日」等では決してありません。と言う訳で、今回は「光復節」を通して、韓国の独立事情について触れてみたいと思います。

    大韓民国(以下、「韓国」と略)。この項目(用語)を歴史事典で調べてみると、「1948年8月15日、アメリカの支援の下、南朝鮮に成立した国(後略)」と書かれています。日付は終戦と同じ「8月15日」です。しかし、これがそもそもの間違いなのです。

    韓国が独立(建国)した日は、昭和23(1948)年8月13日で、この日、首都・ソウルで、韓国樹立の宣布式が挙行されているのです。日付は「8月13日」です。つまり、「独立記念日」(建国記念日)は、8月15日では無く、正しくは8月13日と言う事になります。

    韓国の独立記念式典 1948年8月13日
    しかし、何故、独立記念日を2日も鯖(さば)をよんだのでしょうか? これは、早い話が、「終戦の日」と「独立記念日」を、同じ8月15日とする事で、韓国は終戦によって日本の植民地支配から独立したのだ、と言う事を強調したかったからなのです。では本当に、韓国は日本から独立したのでしょうか? 実は、韓国は日本から独立した訳では無かったのです。

    昭和20年8月15日、日本の終戦に伴い、当時の朝鮮総督、阿部信行・陸軍大将と、朝鮮軍司令官、上月良夫・陸軍中将の二人が、朝鮮総督府から日章旗(日の丸)を下ろし、太極旗(現・韓国国旗)を掲揚させると共に、朝鮮建国準備委員会を結成させ、朝鮮に自治権を付与しました。

    つまり、終戦の日、朝鮮は「自治権」を獲得したのであって、決して日本から「独立」したのでは無いのです。しかし、その自治権も、同年9月8日、米軍が南朝鮮(後の韓国)に進駐してくると、解消されてしまいます。

    進駐してきた米軍は、ソウルの空にはためいていた太極旗を引きずり下ろし、再び日章旗を掲揚させたのです。つまり、アメリカは、朝鮮をあくまでも「日本の一部」として扱った訳で、その「日本の一部」である朝鮮が、やれ「自治権」だの、やれ「独立」等とは、以ての外と言う訳です。

    李承晩(左)とマッカーサー(右)
    そして、進駐の翌日(9月9日)、連合国軍最高司令官 ダグラス=マッカーサーが、南朝鮮に対して、アメリカによる「軍政」を布告、ソウルの空には星条旗(アメリカ国旗)が翻(ひるがえ)る事となったのです。つまり、韓国の前身 ── 南朝鮮は、終戦の日、日本から「独立」する事無く、今度はアメリカによる「軍政」の下に置かれる事となった訳で、8月15日は、決して「韓国の解放」(独立)等では無いのです。

    以下の二枚の写真がその証拠写真です。以下の写真は、1946年朝鮮総督府で、日本の国旗が降ろされているところです。


    以下の写真は、同じ朝鮮総督府で、日本の国旗を下ろした直後に、米国の星条旗が掲揚される直前の写真です。


    沖縄同様、アメリカの軍政下にあった南朝鮮が「独立」を達成したのは、終戦から3年後の昭和23年8月13日でした。つまり、韓国にとって本当の意味での「祖国の解放」(独立) ── 「光復節」は、8月13日だった訳です。

    しかし、この事実を韓国初代大統領・李承晩(イ・スンマン)等韓国指導部は歪曲してしまいました。本当はアメリカから独立したのにも関わらず、「我々は日本の敗戦によって、(日本の)植民地支配から解放された」と喧伝(けんでん)し、国民の愛国心を煽(あお)った訳です。

    「反日」で国民の結束を維持する。未だに日韓関係において「後遺症」を残す李承晩の「反日教育」の原点が、ここにあると言えます。そして、8月13日が本来の「独立記念日」であるにも関わらず、敢えて、8月15日を「光復節」としたのには、多分に「政治的配慮」が働いていたと言う事です。

    この点を踏まえた上で、「光復節」 ── 韓国の独立事情を捉えないと、日韓関係において日本は、とんでも無い勘違いをする事となるのです。

    以上のような事情があるためか、韓国には光復節(8月15日)はあるものの、建国記念日はありません。大韓民国が1948年8月13日から始まったということすらも、知らない韓国人が多いようです。

    建国について色んな説が競合している現在の大韓民国は、人間で言えば、誕生日が存在しないか、誕生日が複数ある奇妙な人間であることになります。韓国の建国は国の構成の必須要素を完全に備えた1948年8月13日に行われたことに議論の余地などありえません。

    建国の日すら定められない韓国の歴史ファンタジーが是正されないかぎり、韓国の歴史修正はいつまでたっても、直ることはないでしょう。

    トンデモ韓国歴史書「大朝鮮帝国史」より
    このような国と、慰安婦問題や強制連行などまともに論じようとしても、埒が明きません。韓国の歴史認識は、建国の日のファンタジーもありますが、それ以前古代、中世はほとんど出鱈目です。近代ですら怪しいです。

    日本として、今までのように、歴史修正を続けるというのなら、その度に明確な根拠をもって反論して、水掛け論に持って行き、その後は一切かかわらないという姿勢を堅持すべきです。

    国際関係では、いずれかの国が何かを最初に主張し、それに対して他国が抗議をして水掛け論になった場合、最初に主張した国が負けという判断をします。たとえ、韓国がそれを認めないとしても、水掛け論にもっていけば、世界は韓国の主張など無視して、日本の勝ちだと認めるわけです。

    現状のままの韓国であれば、今後新たに何か日本と韓国が対立することになった場合、いつでも、何度でも平気で自分の都合の良いように、後から歴史を修正することでしょう。

    そういう国とまともな付き合いはできません。やはり、日本は、韓国が日本に対して何か難癖をつけた場合、それに対しては反論して、水掛け論に持って行き、後は冠婚葬祭程度のこと以外は韓国とは今後一切かかわらないという姿勢を堅持すべきです。

    私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

    【関連記事】



    【関連図書】


    「中国の尻馬」にしがみつく韓国
    鈴置 高史
    日経BP社
    売り上げランキング: 1,689


    韓国は未来に存続できるのか?—7つのヤバイ問題—
    某国のイージス
    サンクチュアリ出版
    売り上げランキング: 8,996

    中国・韓国との新・歴史戦に勝つ!
    ケント ギルバート 室谷 克実 石 平
    悟空出版
    売り上げランキング: 2,179

    米、反イスラエル学生デモ拡大 バイデン氏、再選へ影響懸念―【私の論評】日本への警鐘:アイデンティティ政治とビバリーヒルズ左翼の台頭に見る危機

      米、反イスラエル学生デモ拡大 バイデン氏、再選へ影響懸念 まとめ 全米の大学で、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザ攻撃を非難するデモが拡大している。 デモはニューヨークのコロンビア大から始まり、ワシントンにも波及しており、バイデン大統領の支持基盤である若者の離反が懸念される...