2025年8月8日金曜日

【日米関税交渉】親中の末路は韓国の二の舞──石破政権の保守派排除が招く交渉崩壊


 まとめ

  • 日米合意の自動車関税引き下げには「重畳課税」などの抜け穴が残され、米国の裁量で事実上引き上げ可能な危険がある。
  • 2018年の232条関税や米韓FTA改定の事例のように、米国は対中姿勢が弱い同盟国に対して通商面で強硬姿勢を取る傾向がある。
  • 石破政権は経済安全保障や通商の専門性に乏しい人物を重用し、交渉力の低下を招いている。
  • 岩屋毅外相は防衛畑出身で親中派とされ、500ドットコム事件でも米国から警戒される要因を抱えている。
  • 日本が危機を脱するには石破政権を退陣させ、自民党内保守派が実権を回復して米国と足並みをそろえることが不可欠である。
米相互関税の負担軽減措置をめぐり、赤沢亮正経済財政・再生相は7日、米政府が大統領令を修正し、日本を対象に加えると約束したと発表した。徴収し過ぎた関税は7日にさかのぼって還付されるという。さらに米国は、自動車関税引き下げの大統領令も同時期に出す方針を示した。表向きは日米関係の前進に見えるが、実態はそう単純ではない。協定文には重大な抜け穴があり、日本が将来、米国の意向ひとつで不利な立場に追い込まれる危険が潜んでいる。以下、その核心を明らかにする。
 
🔳協定に仕掛けられた“罠”
 
今回の日米合意は、米国が日本から輸入する乗用車の関税を27.5%から15%に下げるという内容だ。日本の自動車産業にとっては、米市場での競争力を高める朗報に見える。だが、その裏には看過できない問題がある。

米国が日本から輸入する乗用車の関税を27.5%から15%に下げることになったが・・・・

最大の懸念は「重畳課税」だ。本来15%に下がるはずの関税に、別の法律や安全保障条項を根拠とした追加課税を上乗せすることが可能な構造が残っている。協定にはこれを禁じる文言がない。つまり、数字だけを見れば譲歩を得たように見えても、米国はいつでも関税を事実上引き上げられるのだ。

さらに、発効時期が曖昧である。日本は即時実施を求めたが、協定には日付も条件も明記されていない。米国は政治状況や経済事情を理由に、発効を先送りできる余地を持つ。しかも協定そのものの拘束力が弱く、米国内の政権交代や議会の圧力で簡単に運用を変えられる。これは同盟国間の信頼を揺るがすだけでなく、日本経済の柱である自動車産業に深刻な打撃を与えかねない。
 
🔳米国の“圧力外交”の前例と対中姿勢の影響
 
この構図は、トランプ政権下での232条関税を思い起こさせる。2018年、米国は鉄鋼に25%、アルミに10%の追加関税を課した。当初、EUやカナダ、メキシコには一時的な適用除外が与えられたが、日本は同盟国でありながら対象から外されなかった。その後、除外措置は短期間で解除され、EUも最終的には対象となった。ただしEUはWTO提訴や報復関税で対抗し、条件付き譲歩を引き出す交渉を展開した。一方、日本は有効な反撃策を取れず、事実上、米国の条件を受け入れた形だ。安倍政権を持ってしてもこれに対処する術はなかったのだ。

親中、親北だった当時の文在寅韓国大統領

米韓FTA改定でも同じ構図が見られる。2018年、米国は韓国に対し、米国製自動車の輸入規制緩和や関税維持を一方的に認めさせた。当時の文在寅政権が親中的かつ北朝鮮に融和的だったことが、米国の強硬姿勢を後押ししたとされる。米国は安全保障と通商を一体で捉える。対中政策で足並みをそろえない同盟国には、経済面での圧力を加えることをためらわない。

この視点で見ると、石破政権の対中姿勢は危険だ。発足以来、中国との関係改善を打ち出し、経済交流や首脳往来を積極的に進めてきた。この動きが米国に「対中で中立に傾く政権」と受け取られれば、通商交渉で一層厳しい条件を押し付けられる恐れがある。
 
🔳石破政権の人事が招く交渉力の空洞化
 
日本がこうした不利な条件を受け入れてしまう背景には、石破政権の人事がある。経済安全保障や通商戦略に精通した保守系の実務派を外し、代わりに専門性に乏しい人物を重用したのだ。
石破政権発足時の閣僚 クリックすると拡大します

経済安全保障担当の赤澤亮正氏は、国際経済交渉の豊富な経験よりも首相との近さで選ばれたとされる。外務大臣の岩屋毅氏は、防衛・外交畑の経歴はあるが通商や経済安全保障の専門性はなく、加えて親中派と見られている。さらに、中国系オンラインギャンブル企業「500ドットコム」を巡る2019年のIR汚職事件で名前が取り沙汰され、東京地検特捜部の捜査対象にもなった。この件は起訴には至らなかったが、米国側から「対中資本と近しい人物」として警戒される要因となった。こうした人物が外相に就任すれば、米国からの信頼度が下がり、通商や安全保障交渉で不利に働くのは避けられない。

こうした布陣では、防御的な条文を協定に盛り込み、相手国の裁量を封じる発想は生まれにくい。結果として、米国の政治判断ひとつで合意の実質が変えられるような危うい協定が結ばれたのである。
 
🔳危機を脱する唯一の道
 
日本がこの危機を脱するには、政権の交代が不可欠だ。石破政権は発足当初から保守派排除の報復人事を繰り返し、保守系の有能な人材を重要ポストから外してきた。組閣に柔軟性はなく、党内融和よりも自らの支持基盤固めを優先している。実際、経済安全保障や外交の要職には、党内保守派や経済交渉の実務派はほぼ起用されていない。こうした人事の偏りが交渉力の低下を招き、今回のような不利な合意を許したことは明白だ。

もちろん、連立政権による再編や保守系新党の躍進というシナリオもあり得る。しかし、当面の課題はトランプ政権との交渉であり、ここで日本側が主導権を握るには、石破首相を退陣させ、自民党内の保守派が再び実権を取り戻すことが望ましい。米国は過去の文在寅政権への対応でも示したように、対中姿勢や安全保障の立場を重視して通商条件を決める。したがって、対中で明確に米国と足並みをそろえる保守派政権こそが、今の日本に必要であり、国益を守るための唯一の現実的な道である。トランプ政権もそれを期待しているからこそ、日本に圧力をかけている可能性も高い。

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2025年8月7日木曜日

【日米関税交渉】日本だけ「優遇措置」が文書に書かれなかった──EUとの差を生んだ“書かせる力”の喪失


まとめ

  • 日本への新関税15%は、日米で説明が食い違い、米国側文書には日本に関する軽減措置が一切明記されていない。
  • EUは防衛費GDP比5%への増額を制度として明記し、米国との協力を「文書化」することで関税軽減を勝ち取ったが、日本は口頭レベルの曖昧な合意にとどまった。
  • 石破政権は中国寄りの姿勢と保守派排除によって、外交・通商・安全保障の専門性を喪失し、米国との交渉力も著しく低下している。
  • 安倍政権は日米同盟や貿易協定で米国に明文化させる「書かせる力」を発揮しており、その外交スタイルと胆力の違いが際立つ。
  • 「書かせる力」を失った今の日本外交では、国民や企業が代償を負う構造が続く。国家の信頼を守るには、再び文書化させる胆力と構想力が必要である。
2025年8月7日、トランプ政権は日本からの輸入品に最大15%の関税を正式に発動した。対象は電子部品、自動車部品、農産品など。再選を果たしたトランプ大統領の「アメリカ第一主義」が、同盟国とされる日本にまで容赦なく牙を剥いた。

日本政府は日米合意の直後、関税の運用方針として「15%未満の関税は15%に引き上げ、15%以上の関税は据え置き」と説明していた。自動車関税についても、現在の27.5%から15%に引き下げられるとアナウンスされた。

しかし、問題はその“合意”の中身にある。米国側の大統領令や通商当局の文書には、日本に対する軽減措置が一切記載されていなかったのだ。EUについては関税緩和の明記があったにもかかわらず、日本だけが書かれていない。「書かれなかった約束」こそが、日本外交の最大の落とし穴であった。
 
🔳「書かせる交渉力」の欠如が明暗を分けた
 
この不平等の根底には、日本の外交姿勢の問題がある。日本は長年、アメリカに対して過剰なまでに低姿勢を貫いてきた。安全保障で依存し、経済でも譲歩を繰り返す。米国にとって、日本は「押せば引く」都合の良い交渉相手と化している。


対照的に、EUは自らの立場を制度で明示した。イランの核開発に対し、アメリカが軍事的に行動したことを受け、NATO加盟国は防衛費をGDP比5%まで引き上げると明文化した。これは単なる数字の約束ではない。「米国と運命を共にする」という政治的意思を制度で示した結果、EUには関税の緩和措置が文書として確保された。

一方の日本は、防衛費の2%目標すら「将来的に目指す」という曖昧な表現にとどまり、具体的な制度設計も示さなかった。これでは信頼も得られなければ、譲歩も勝ち取れない。

さらに石破政権の問題も大きい。政権発足以来、中国との融和姿勢を強め、保守派を冷遇。外交・通商・安全保障の専門家たちが次々と排除された。その結果、交渉の現場には理念も経験も乏しい人物ばかりが並ぶこととなった。これでは「書かせる」どころか、「聞き返す」ことすらままならない。
 
🔳安倍政権が体現した「書かせる力」とは何だったか
 

今の外交がここまで無力化したのは、かつて存在していた交渉力を失ったからだ。安倍晋三政権こそ、「書かせる外交力」を体現した時代である。

2017年、安倍政権はトランプとの首脳会談で「日米同盟は地域の平和と安定の礎である」とする文言を、共同声明に書かせた。2019年の日米貿易協定では、農産品の関税水準が「TPP以上にはならない」との条項を文書に明記させた。これにより国内の農業団体の反発を抑え、外交成果として堂々と発表することができた。

ここにあるのは、「言った言わない」では済まされない世界で戦うための力である。発言を紙に書かせ、署名させ、国際社会に示す。これこそが国家の信頼であり、外交交渉における本当の成果だ。
 
🔳書かせる力を失った国に、未来はない

今回の「書かれなかった約束」は、日本がもはや交渉の場で尊重されていないという厳しい現実を突きつけた。制度で示す意思もなく、言葉を文書に落とす力もない。その代償を払わされているのは、日本の企業であり、国民である。

「交渉力」とは、声を荒らげることではない。紙に書かせる力こそが、国家の尊厳を守るのだ。かつてそれができた日本に、いま必要なのは、再び世界に対して書かせるだけの胆力と構想力である。書かせる力を持たない国に、未来はない。

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2025年8月6日水曜日

石破茂「戦後80年見解」は、ドン・キホーテの夢──世界が望む“強い日本”と真逆を行く愚策

まとめ

  • 石破茂首相の「戦後80年見解」は、保守派排除の成果を誇示する政治的パフォーマンスに過ぎず、政権の求心力は失われつつある。
  • この見解は制度批判と過去の自己否定に偏り、国民からの共感を得られず、冷笑の対象となっている。
  • 親中的な姿勢は、日米同盟やフィリピン・インドなどが求める「強い日本」という国際潮流に逆行しており、時代錯誤の印象が強い。
  • 国際社会ではリベラル親中の価値観が退潮しており、石破氏の主張は孤立無援のドン・キホーテのようだ。
  • 安倍晋三元首相の戦後70年談話は今なお生き続け、日本の外交と安全保障政策の中核として国内外に広く受け入れられている。
2025年、石破茂首相が構想する「戦後80年見解」をめぐって、政界・世論ともに緊張が走っている。安倍晋三元首相が遺した「戦後70年談話」との違いは明白であり、国の方向性を決定づける思想的分岐点として、大きな注目を集めている。以下に、石破見解の政治的意味とその限界、そして安倍談話が今なお持つ影響力について論じたい。

🔳石破見解の政治的背景と限界
 
石破茂首相が打ち出そうとしている戦後80年見解は、リベラル左派的かつ親中的スタンスを明確に打ち出したものであり、政権内の統治危機を覆い隠すための政治的パフォーマンスと見るべきだ。安倍派や高市グループなど保守系勢力を排除し、短期的には政権を掌握したものの、その代償はあまりに大きい。政権運営に不可欠な専門性と統治能力、党内求心力を同時に失い、2025年7月の参院選では、自民党は改選議席の約3割を失う歴史的惨敗を喫した。


連立与党との協力関係も破綻寸前であり、石破政権の足元は揺らいでいる。保守系メディアや知識人は、石破氏の「戦争検証」見解を、歴史総括を装った左派的な自己正当化、あるいは中国への宥和メッセージと受け取り、厳しく批判している。世論の支持も広がらず、むしろ政権への不信感を強める材料となっている。

🔳世界の潮流と石破氏の逆行
 
 石破氏は「制度的・構造的検証」を通じて、過去の日本の体制を見直すべきだと主張しているが、これは安倍晋三元首相が唱えた「戦後レジームからの脱却」、つまり国家の誇りと自立の回復とは真っ向から対立するものだ。2015年の安倍談話は、必要な反省と謝罪を含みながらも、未来の世代にまで謝罪を続けさせるべきではないと明言し、保守層だけでなく中道層からも幅広い支持を得た。

それに対し、石破見解は制度批判と過去の自己否定を全面に押し出し、「また謝罪か」「今さら何を」という冷ややかな反応を引き起こしている。国民の関心を引き寄せるどころか、ますます遠ざけているのが現実だ。

 日本周辺で中国・ロシアが行う不審な活動を示す地図 クリックすると拡大します

さらに致命的なのは、石破氏の親中的スタンスが、現在の国際情勢と完全に逆行している点である。アメリカは2010年代半ば、特に2014年から2015年にかけての憲法解釈変更や安保法制の成立以降、日本の再軍備や積極的役割を明確に支持する立場を打ち出してきた。日米同盟の深化には「強い日本」が不可欠だという認識は、もはや超党派的な常識となっている。

また、フィリピン、インド、オーストラリアなども同様に、日本に対して地域安保の中核的役割を期待している。2024年のフィリピンとの相互アクセス協定(RAA)締結や、NATO・EUとの連携強化がその象徴である。つまり、日本が国際社会で責任ある大国としての立場を果たすことは、アメリカだけでなく多くの民主主義国家が求めている共通の要請なのだ。

一方で、いわゆる「リベラル親中的価値観」は、国際的にも明らかに退潮している。Pew Research Centerなどの調査では、過去10年で先進諸国における中国への好感度は大きく低下し、「自由主義」対「権威主義」という価値観の対立が顕在化している。石破氏のように、日本の行動を一方的に自制し、中国に配慮する姿勢は、時代錯誤の極みといえる。

その意味で、石破氏の政治姿勢は、風車に突撃するドン・キホーテのように滑稽である。ただし違いは明白だ。ドン・キホーテは人々に愛されたが、石破氏にはそうした情熱や純粋さはない。あるのは過去への執着と責任回避の演出だけであり、国民の共感どころか失笑を買っているのが実情だ。

🔳今なお生きる安倍談話 
 

一方、安倍談話は今も生き続けている。2015年の戦後70年談話は、「侵略」「植民地支配」「反省」「おわび」といった要素を含みつつ、未来志向の文脈で語られた。これが国内外で高く評価され、その後の菅・岸田政権にも継承されてきた。岸田首相の「新しい資本主義」や外交戦略も、安倍政権が築いた自由で開かれたインド太平洋構想や安全保障路線をそのまま踏襲しており、方向性は一貫している。

安倍談話の基本理念は、すでに日本の国家方針に深く根付いており、単なる「過去の声明」ではない。昨日もそれは日本の外交・安全保障の土台であり、国際社会が日本に期待する「強い民主主義国家」としての姿そのものなのである。

このように見ていけば、石破見解はたとえ発表されたとしても、総理大臣による歴史的文書として記録されるかもしれないが、現実政治において意味を持つことはない。中国・ロシアや北朝鮮や韓国は、これを利用しようするだろうが、これらの国々は例外的でありしかも少数派であり、仮に石破政権が続いたとしても、これらの国々以外の他の国々との絆を断つことはできない。

昨日も三菱重工業が、オーストラリア海軍の新型護衛艦11隻の建造契約を獲得したことを伝えたばかりである。この動きは、今後ますます強化されるだろう。国民の大多数も石破見解を支持しない。石破見解は「時代錯誤の独白」として、風化し、忘れ去られていくだけであろう。

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【報道されぬ衝撃事実】日米が“核使用協議”を極秘に実施 2025年7月27日
安倍路線の安全保障戦略が、いかに深くアメリカとの信頼関係に基づいていたかを示す核心的記事。
石破首相の国際会議ボイコットが招いた外交的失点と、中国への宥和的姿勢に対する批判を展開。

中国の軍事挑発と日本の弱腰外交:日米同盟の危機を招く石破首相 2025年7月11日
日本外交の軟弱化を指摘し、保守層が警鐘を鳴らす背景を明快に描写した分析記事。

石破茂首相の奇異な言語感覚―【私の論評】シンプルな英語 2024年10月5日
石破氏の言語スタイルと、それが象徴する政治姿勢を批評的に分析。リーダーとしての資質に疑問符を投げかける。

石破政権で〝消費税15%〟も──自民総裁選は好ましくない結果 2024年10月2日
増税政策を含む石破政権の経済的無策ぶりに警鐘を鳴らす記事で、安倍政権と政治路線の違いが鮮明に。

2025年8月5日火曜日

日本が武器輸出で世界の戦略地図を塗り替えた日──1兆円の“もがみ型艦隊”が意味するもの


まとめ

  • 日本が三菱重工を通じて、オーストラリア海軍向けに約1兆円規模の新型護衛艦11隻の建造契約を獲得し、戦後最大の防衛装備輸出が実現した。
  • 採用されたのは「アップグレード版もがみ型護衛艦」で、従来のANZAC級艦(ドイツ設計・豪州建造)を大幅に上回る性能を持ち、日豪間の軍事協力を新たな段階へ引き上げる契機となる。
  • 艦艇の一部は日本国内、残りはオーストラリア現地で建造され、最大1万人の雇用創出と地域産業の活性化が見込まれている。
  • 中国の軍事的拡張に対抗するオーストラリアの戦略的ニーズに、日本の信頼性と技術力が応えた形であり、日本が「準AUKUS」的立場で地政学的枠組みに参画し始めていることを示している。
  • 今回の契約は、日本の防衛装備輸出政策の転換点であり、「信頼できる装備を、信頼できる相手に、信頼できる形で供給する」という新たな平和国家の姿を提示したものである。
■ 戦後最大の防衛装備輸出、日本の戦略的地位を変える
 
国際秩序が揺らいでいる。中国は南シナ海と東シナ海での軍事的圧力を強め、ロシアはウクライナ侵攻を続ける一方、日本海では中露の合同演習が恒常化しつつある。アジア太平洋は、もはや平和の海ではない。その中で、2025年8月4日、日本にとって戦後最大規模となる防衛装備の輸出が正式に決定された。これは、日本の戦略的位置づけが変わったことを世界に示す出来事である。

オーストラリア海軍のANZAC級護衛艦

三菱重工業が、オーストラリア海軍の新型護衛艦11隻の建造契約を獲得した。総額は100億豪ドル、日本円で約1兆円に達する。対象となるのは、現在オーストラリアが運用しているANZAC(アンザック)級護衛艦の後継艦だ。ANZAC級は、1990年代にドイツのMEKO 200型をベースとして設計され、オーストラリアとニュージーランドが共同導入した艦級である。建造はオーストラリア国内で行われ、両国の防衛協力の象徴とされてきたが、すでに艦齢は30年を超え、更新は避けられない状況だった。
 
■ 「もがみ型」が選ばれた理由──性能、信頼、そして抑止力
 
その後継として選ばれたのが、日本の海上自衛隊でも運用されている「もがみ型護衛艦」の改良型である。32セルの垂直発射装置(VLS)を備え、長距離航行能力、高度な自動化、そして40年以上の設計寿命を持つ最新鋭艦だ。旧来のANZAC級をあらゆる面で上回る性能を持ち、作戦の柔軟性と即応性を大きく向上させる。

海自の最上型護衛艦

最初の3隻は日本国内で建造され、残り8隻は西オーストラリア・ヘンダーソンの造船所で現地建造される予定だ。これにより、最大1万人規模の雇用が創出される見込みである。初号艦の引き渡しは2029年、全艦の配備完了は2034年を予定している。

この契約の本質は、単なる艦艇輸出ではない。日豪間の軍事的信頼が、質的に新たな段階へと進んだ証である。これまでオーストラリアは、艦艇や防衛装備を主にアメリカやイギリスから導入してきた。その中で、日本の艦艇が主力装備として採用された意味は大きい。日米豪の連携は、形式的な同盟から実戦的な作戦一体化へと移行しつつある。

この動きの背景には、言うまでもなく中国の脅威がある。オーストラリアは、インド太平洋の安定において主導的な役割を果たす意志を明確にしている。そのパートナーとして、日本が選ばれたのだ。信頼できる技術、確かな納期、そして戦略的な安定性──そのすべてが評価された結果である。これは単なる選定ではない。日本が「装備を供給できる国家」として、地政学的ネットワークに加わったことを意味する。AUKUS(米英豪の安保枠組み)との直接的な関係はなくとも、今回の契約は、日本が「準AUKUS」として戦略の中枢に加わる兆候と見て間違いない。

一方、ニュージーランド海軍については、同じANZAC級を運用しているものの、今回のもがみ型採用には加わっていない。将来的な更新は検討中とされているが、現時点での導入予定はない。
 
■ 日本の姿勢が変わった──「装備を売らない国」からの脱却
 
過去の日本は装備品を売れない国家だったが・・・・・・

日本にとってこの契約は、外交と安全保障、そして産業政策の転換点である。「専守防衛」の名のもとで防衛装備の輸出を避けてきた時代は、終わった。戦略的パートナーに対し、責任ある形で装備を供給する。これは、武力による威嚇とは異なる、安全保障への能動的貢献である。

もはや「武器を売らない」ことだけが平和国家の証ではない。信頼できる装備を、信頼できる国へ、信頼できる枠組みの中で供給する──それこそが、現代の現実に即した「戦略的平和貢献」の形である。

この護衛艦輸出は、日本が「経済大国」から「戦略的信頼国家」へと脱皮する、その第一歩となるだろう。

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2025年8月4日月曜日

国家の内側から崩れる音が聞こえる──冤罪・暗殺・腐敗が示す“制度の限界”と日本再生の条件

 まとめ

  • 大川原化工機事件は、公安部幹部の無知と独善によって引き起こされた冤罪であり、組織的責任が問われている。専門知識の欠如や現場の声の無視が、無実の企業と個人の人生を破壊する結果となった。
  • 安倍元首相暗殺事件は、発生から3年経過しても公判すら始まらない異常事態であり、司法と警察の説明責任が欠落している。事件当時の奈良県警本部長が中国系企業に天下った事実も含め、国家の中立性に対する疑念が深まっている。
  • 国家権力の暴走を防ぐには、独立監査機関や冤罪調査委員会、警察倫理法などの制度改革が必要である。権力を正しく運用し制御する仕組みなしには、民主国家の信頼は維持できない。
  • 一方で、国家権力を悪用しようとする外国勢力、反政府・反日勢力への対処も不可欠である。制度の透明化だけではなく、外部からの浸透を防ぐ「防衛の制度化」が急務である。
  • 包括的スパイ防止法の導入こそが、日本を内外の脅威から守る最終防波堤となる。主権国家としての独立と安全保障を守るためには、権力の制御と防衛を両立させる法整備が必要である。
 
国家権力による誤った捜査──大川原事件の本質
 
大川原化工機を巡る冤罪事件で、警視庁が重大な組織的過失を認める方向で検証結果をまとめ、報告書を公表する方針を固めた。2020年、同社の社員らは外為法違反容疑で逮捕されたが、その根拠となった噴霧乾燥装置は、後に専門家の検証により輸出規制の対象ではないと判明。2021年、東京地検は起訴を取り消し、完全な冤罪であることが確定した。

この事件で問題視されたのは、警視庁公安部の捜査指揮である。現場の捜査員が「軍事転用性は低い」との懸念を示していたにもかかわらず、幹部は耳を貸さず、誤った捜査方針を突き進んだ。外為法の理解も甘く、経済産業省や外部専門家との連携も皆無に等しかった。その結果、無実の企業と社員が社会的信用を奪われ、企業活動にも甚大な損害がもたらされた。


警察庁は、この事態を重く見て当時の幹部に対する訓告・戒告処分を検討している。報告書は早ければ8月中にも公表される見通しであり、警察組織全体に対する再発防止策の徹底が求められる。

この事件は、国家権力が技術的知識の欠如や独善的な判断によって、いかに個人と企業の人生を破壊し得るかを示す典型例だ。
 
安倍暗殺と司法の沈黙──構造的腐敗の証明
 
だが、問題はここに留まらない。2022年7月8日に発生した安倍晋三元首相の暗殺事件は、さらに深い国家の構造的危機を突きつけている。あの衝撃的な事件から3年が経過した今もなお、公判は始まっていない。公判前整理や精神鑑定を理由に、異常とも言える引き延ばしが続いているのだ。これは殺人事件としては異例であり、司法が国民に対して説明責任を果たしていない証左である。


さらに注目すべきは、事件当時の奈良県警本部長・鬼塚友章氏が退官後、中国との関係が深い企業「NECソリューションイノベータ」に天下ったという事実である。同社は中国の監視システム事業に関与しており、安全保障上の懸念が以前から指摘されていた。このような人事が、安倍元首相という「中国に最も厳しかった政治家」の暗殺後に行われたことに、強い違和感を覚えるのは当然であろう。

ここで問題の核心が見えてくる。それは、日本の官僚機構に深く染みついた「責任逃れの文化」と「自己保身の制度化」である。現場の声が無視され、外部からの監視も機能不全に陥っている。そして、外国勢力の影響が間接的にでも及んでいるなら、それはもはや我が国の主権と安全保障に関わる重大事だ。
 
真の改革と防衛──スパイ防止法を含む制度再設計の必要性
 
ただし、国家権力の暴走ばかりを声高に批判するのは愚かである。警察や検察は、秩序と治安の維持に不可欠な存在だ。これを全否定すれば、無秩序と混乱が広がり、国家の足元が崩れかねない。真に問うべきは、権力の存在そのものではなく、その「運用の正しさ」と「統制の仕組み」である。

よって、今こそ制度の再設計が必要だ。警察・検察の暴走を抑えるには、独立した第三者機関による監査制度(仮称:警察・検察行動監査庁)の設立が不可欠である。さらに、国家公務員の「天下り」に対する国益審査制度、冤罪を継続的に検証する常設の「冤罪調査委員会」、警察官の行動規範を明文化する「警察倫理法」なども併せて導入すべきだ。

だが、これらは「国家権力の内側」を律する仕組みにすぎない。見落としてはならないのは、国家の制度そのものが、外国勢力や反政府勢力、さらには反日勢力に「悪用される危険」だ。彼らは、言論の自由や人権、学問、宗教といった仮面をかぶり、日本の内部に巧妙に浸透している。こうした勢力を野放しにするならば、国家は内部から腐食していく。

諸外国には包括的スパイ防止法が存在するが我が国にはない

だからこそ、スパイ防止法の導入が急務である。我が国は先進国で唯一、包括的なスパイ防止法を持たない。この法の空白が、外国の諜報活動や国内の協力者によって悪用されてきた現実がある。スパイ活動、国家機密の漏洩、国家転覆行為に対して明確な法的制裁を加えるとともに、大学・報道・公共機関に対しても安全保障上の透明性を義務づけるべきである。

国家権力を制御する制度と、国家を守る制度。その両輪がなければ、日本は真に自由で独立した主権国家にはなれない。大川原事件、安倍暗殺事件、そして警察・検察の腐敗も、その仕組みが欠落していることの警鐘である。

我々は今こそ、「怒り」を「制度」に変え、「不信」を「改革」に変える覚悟を持たねばならない。国家の礎を立て直す。それが今この瞬間に我々がなすべきことである。

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#スパイ防止法 #情報戦 #安全保障 #国家を守れ

2025年8月3日日曜日

「核を語ることすら許されない国」でいいのか──ウクライナ、北朝鮮、そして日本が直面する“抑止力”の現実

まとめ

  • 塩入清香議員の「核武装は安上がり」という発言は、現実的な安全保障論の一環であり、感情的な批判ではなく冷静な議論が必要である。
  • ウクライナの核放棄とロシアの侵攻は、核抑止の喪失が重大な結果を招くことを示しており、核の有無が国の存続に関わる可能性を裏付けている。
  • 北朝鮮の核は、その是非は別として、中国の朝鮮半島支配を抑制する抑止力として現実に機能しており、地域の勢力均衡に寄与している。
  • 日本は唯一の戦争被爆国であるからこそ、核の非人道性と同時に抑止力としての現実的な側面も語る資格と責任がある。
  • 平和は祈りや理念だけでは実現せず、力と抑止と戦略によって守られる。今こそ日本は「核」という言葉に過敏にならず、現実を直視し、国家として安全保障の議論を進めるべき時である。

■「核は安上がり」発言への過剰反応と我が国の現実
 
2025年7月、参政党から参議院に初当選した塩入清香(さや)議員が、ネット番組で「核武装が最も安上がりで、安全保障を強化する手段の一つだ」と発言した。この一言が、即座にマスコミの猛批判を浴びることとなった。

塩入氏は、北朝鮮でさえ核を持ったことで、かつてのトランプ米大統領と直接対話できた事実を引き合いに出し、核が交渉力の源になっている現実を指摘したにすぎない。だが、広島市の松井一実市長は「安上がりではない。的外れだ」と切って捨て、メディア各社も「非人道的」「被爆地への冒涜」と断じた。


しかし、我が国が直面している現実を見れば、塩入氏の発言は決して過激なものではない。むしろ、核アレルギーに支配された我が国で、ようやく口を開いた現実派の第一声である。我が国は中国、北朝鮮、ロシアという核保有国に囲まれている。アメリカの核の傘に全面的に依存するだけで、果たして国民の命を守れるのか。こうした根本的な問いすら、公然と議論できない状況こそ異常である。

塩入氏は、今すぐ核を持てとは言っていない。核という選択肢を封じるべきではないと訴えたにすぎない。それに対し、「議論すら許さぬ空気」で封じ込めようとする側こそ、民主主義の本質を危うくしている。
 
■ウクライナと北朝鮮が示す「核抑止」の現実
 
核兵器の維持には確かに巨額のコストがかかる。しかし問題は、コストの多寡ではない。「何を守るためにその代償を払うのか」である。通常戦力の維持・拡充には膨大な予算と人員が必要だが、核兵器は少数で絶大な抑止力を発揮する。現実の戦争を防ぐ最後の切り札としての価値は圧倒的だ。

ウクライナの例がそれを物語る。1991年、ソ連崩壊とともにウクライナは大量の戦略核兵器を継承し、名目上は世界第3位の核保有国となった。だが1994年、米英露との「ブダペスト覚書」に基づき、すべての核弾頭はロシアへ返還、一部の発射装置や関連施設は現地で解体・廃棄し、見返りに安全保障の保証を受けたはずだった。

ウクライナ中部の旧ソ連軍戦略ミサイル基地跡。核兵器を放棄した後、博物館になった

しかし2014年、ロシアはクリミアを奪い、2022年には全面的に侵攻した。国際社会は条約違反を非難するだけで、ウクライナの主権は踏みにじられた。重要なのは、もしウクライナが核を保持し続けていたならば、ロシアは侵攻をためらった可能性が高いという点である。もちろん、当時ウクライナには核の発射制御権限がなかったという技術的事情はある。しかし、核が「ある」という事実そのものが、抑止として機能した可能性は極めて高い。

北朝鮮も同様だ。彼らの核は日本や米国を威嚇する道具であると同時に、中国をも牽制する手段となっている。米国の戦略家エドワード・ルトワックは、北朝鮮の核保有が東アジアのバランス・オブ・パワーを保っていると指摘する。北に核がなければ、朝鮮半島全体が中国に飲み込まれ、「朝鮮省」あるいは「朝鮮自治区」と化していた可能性は否定できない。

その場合、日本は三方を中国の影響圏に囲まれる地政学的危機に陥っていた。韓国は形式上独立していても、実態は中国の属国になっていたかもしれない。台湾もまた、完全に包囲された状態となり、中国の圧力に屈する可能性は格段に高まっていたであろう。

北朝鮮の核開発は国際社会の秩序に反しているとの批判があるのは当然だ。その是非は別としても、力による均衡が現実に成立しており、それが中国の朝鮮半島支配を抑制しているという地政学的効果を、我々は見逃してはならない。
 
■唯一の被爆国こそ、核の現実を語る資格がある
 
そして忘れてはならないのは、我が国が唯一の戦争被爆国であるという現実だ。広島と長崎に原爆が落とされ、数十万の民間人が命を落とした我が国は、核の非人道性を知る立場にある。しかし、それと同時に、我が国は戦後一度たりとも戦火に巻き込まれていない。その背景には、米国の核抑止が機能してきたという現実もある。

194589日、長崎で原子爆弾が投下された直後に浦上地区の三菱兵器(工場)付近撮影された写真


1998年、インドが核実験を実施した際、我が国政府は強く抗議し、広島・長崎両市も非難声明を発した。だが、日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の一部からは、「我が国だけが核を持たず、他国に任せるのは本当に安全なのか」とする声が上がった。核の恐怖を誰よりも知る被爆者自身が、逆に「持たないことの危うさ」に言及したのである。これこそ、真のリアリズムである。

「唯一の被爆国だからこそ核を否定すべき」という思考停止ではない。「唯一の被爆国だからこそ、核の抑止力を誰よりも冷静に語る資格がある」という視点があって然るべきだ。平和を願うからこそ、現実と向き合う必要がある。

真の平和は、祈りだけでは実現しない。力と抑止、そして戦略があって初めて守られる。我が国は今こそ「核」という言葉に怯えるのをやめ、現実を直視すべきである。塩入清香議員の発言は、長らく封じ込められてきた「真の国防」を語る一歩だった。それを感情的に封殺するのではなく、冷静に受け止め、国家として真剣に議論すべき時が来ている。これは彼女個人の問題ではない。我が国の生存に関わる極めて重大なテーマである。

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日米が極秘協議──日本が“核使用シナリオ”に踏み込んだ歴史的転換点(2025年7月22日)
日米が拡大抑止の具体化に向けた戦略協議を進め、日本が核使用の現実性に向き合い始めた転機を解説。

日米が極秘協議──日本が“核使用シナリオ”に踏み込んだ(2025年7月27日)
抑止力としての核の現実に向き合う必要性を論じ、非核三原則に揺らぐ日本の姿勢を鋭く描出。

安倍晋三元首相と南アジアの核戦略:核のトリレンマと日本の選択(2025年5月8日)
インド・パキスタン・中国の核戦略に照らして、日本が選択すべき抑止のかたちを問う。

米戦争研究所、北朝鮮のウクライナ派兵で報告書 実戦経験を…(2024年11月3日)
北朝鮮がロシアと連携してウクライナ戦争に関与することで、核を含む軍事的信頼性を高めようとする戦略を分析。

ロシア派兵の賭けに出た金正恩──北の核は中国にも脅威(2024年10月27日)
北朝鮮の核が中国の朝鮮半島戦略にブレーキをかけるという、逆説的な抑止効果に着目した記事。

#核抑止 #日本の安全保障 #我が国を守れ #塩入清香

2025年8月2日土曜日

安倍暗殺から始まった日本政治の漂流──石破政権の暴走と保守再結集への狼煙

まとめ

  • 安倍晋三元首相の暗殺は、日本政治の地殻変動を引き起こした本質的契機であるにもかかわらず、裁判すら始まらず真相は封印されたままである。
  • 「統一教会問題」や「裏金問題」は安倍派を狙い撃ちにした印象操作であり、他派閥や野党にも同様の問題があったにもかかわらず、メディアは黙殺した。
  • 2024年の自民党総裁選では高市早苗氏が初回最多得票だったにもかかわらず、圧力と票操作で石破茂が勝利。以後、石破政権は安倍政治を真っ向から否定する政策を推進し始めた。
  • 2025年の参院選では与党が惨敗し、石破政権への国民の「ノー」が突きつけられたが、石破首相はなお政権にしがみつき、戦後80年談話で謝罪路線を強調する構えを見せている。
  • 安倍政治の継承と保守の再興には、次期総裁選での高市早苗擁立が不可欠であり、ネット・街頭・議会のあらゆる場で声を上げ、国のかたちを守り抜くことが我々国民の責務である。


安倍暗殺が引き金となった政治の地殻変動
 
2022年7月8日、奈良で安倍晋三元首相が暗殺された。この衝撃的事件は、単なる一政権の終焉ではない。日本政治の潮目を根底から変える、本質的な地殻変動であった。

しかし、この事件は未だに裁判すら始まらない異常事態のまま、「単独犯によるテロ」と一方的に断定され、背後関係や政治的影響の検証は封印された。安倍という国家の柱を失った直後、メディアは一斉に「統一教会と自民党の癒着」という印象操作に走った。だが、実際には安倍政権こそが霊感商法に対して監視と摘発を強化し、被害相談件数も減少していた。問題視されたビデオメッセージも、トランプ元米大統領や潘基文元国連事務総長といった国際要人が登壇する日韓友好や朝鮮半島の安定を重視する外交的文脈における行動であり、教団そのものの擁護や支持とは異なる。


一方、「裏金問題」とされた政治資金問題も、その実態は報告書の記載漏れが大半であった。検察も安倍派の多くを不起訴とし、不正使用や私的流用などは立証されなかった。それにもかかわらず、「裏金」という強烈なレッテルが独り歩きし、政治家たちはまるで汚職犯のごとく糾弾された。まさに、運転免許証忘れた者に「無免許運転」と叫ぶような暴論である。

しかも、この問題は石破派や岸田派、さらには野党にも及んでいたが、メディアはそれを報じなかった。公平性も正義も、メディアの口からは死んだも同然だった。そして今、政権の中枢にいるのは、そうした空気を利用してのし上がった石破茂なのである。

無論、他の野党などの勢いが伸びていることは良いことだが、それにしても現状では石破こそが日本の国の行方を左右する可能性を秘めており、本人もその気満々である。日本の国の形、国柄が変えられる脅威は現実に存在する。それは絶対に阻止しなければならない。

総裁選での裏切りと独裁体制の誕生
 
2024年自民党総裁選のポスター

2024年の自民党総裁選では、高市早苗が初回投票で議員票・党員票ともに最多得票を獲得し、圧倒的な支持を得た。だが、決選投票では裏での票操作と圧力により、形勢は一転した。「高市に推薦人を出せば刺客を送る」との脅しが飛び交い、党内に高市包囲網が完成していた。そして最終的に石破茂が勝利し、自民党総裁に就任した。

その直後から、石破政権は安倍政治の逆を行き始めた。防衛白書から「台湾有事」という文言は消され、防衛費は名目上増加したが、弾薬整備費や研究開発費は削られた。財政運営は緊縮一辺倒に逆戻りし、育成就労制度の名を借りて移民拡大が進められた。経済は低迷し、物価高と実質賃金の低下が続いた。

石破自身は記者会見で「神から与えられた使命」と語り、王権神授のごとき陶酔に陥った。政党内での異論は公認権と処分で封じ込められ、総裁選で高市に賛同した議員たちは閣外に追いやられた。まさに独裁そのものである。

2025年7月の参院選では、与党は改選議席で惨敗し、非改選を含めても過半数を割った。自民・公明両党が参院で少数派になるのは1955年以来初である。国民の審判は、石破政権に「ノー」を突きつけたのである。

その余波は党内にも及んだ。若手議員らによる石破辞任要求、両院議員総会の開催要請が相次いだ。一方、左派市民団体による「石破やめるな」のシュプレヒコールという異様な光景も生じた。また、自民党議員の中でも、石破続投を支持する者が少数ながら存在する。

歴史観の塗り替えと保守の再結集
 

石破首相は2025年8月15日、戦後80年の節目に新たな首相談話を構想している。「なぜあの戦争にわが国は突っ込んでいったのか。もう一度歴史に謙虚に学び、日本の平和は尊い犠牲の上にある」と語る姿勢は、戦争責任にこだわり続けるものであり、自虐史観への回帰とも言える。

対照的に、2015年の戦後70年談話において、安倍元首相は侵略やおわびに言及しながらも、「謝罪を次世代に背負わせない」と明言した。これこそが安倍談話の本質であり、未来志向の国家ビジョンであった。石破の談話構想は、これを上書きし、日本人に再び「罪の意識」を背負わせようとする危険な企てである。

全国では、財務省への抗議デモが勃発した。数千人規模の若者が「消費税廃止」「財務省解体」を掲げ、霞が関を包囲した。SNSでは「ザイム真理教」という言葉がトレンド入りし、財政政策への反発はかつてない規模となっている。

こうした一連の動きは、安倍晋三という保守の象徴を喪失した国家が、漂流を続ける様を如実に示している。にもかかわらず、石破は政権にしがみついている。だが、現実は明らかだ。石破政権は、三度の審判を受けている。2024年の総裁選での裏切り、2025年参院選での敗北、そして街頭からの抗議――すでに「信任なき政権」なのである。

答えは、もはや選挙に委ねて済む段階ではない。石破政権の暴走を止めるには、保守層が結束し、次の総裁選に向けて徹底的に「高市早苗擁立」の機運を高めねばならない。沈黙していては、国が滅びる。メディアの偏向に抗い、ネットでもリアルでも声を上げ続け、保守の旗を再び掲げ直す時が来たのだ。政権を取り戻し、安倍晋三が命を賭して築こうとしたこの国の未来を、我々自身の手で守り抜かなければならない。それこそが、今を生きる我々国民の使命である。

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2025年参院選と自民党の危機:石破首相の試練と麻生・高市の逆襲(2025年6月25日)
参院選を巡る政局構図と、保守派による高市・麻生連携の戦略を分析。

自民保守派の動き活発化 安倍元首相を支えた人たちの再結集(2025年5月22日)
石破政権への対抗軸として結集する高市・麻生ら保守派の動きをレポート。

石破政権延命に手を貸す立民/国民民主と好対照(2025年3月29日)
商品券配布などの施策を軸に政権延命を支える勢力とその限界を追う分析。

石破 vs 保守本流 勃発!自民党を揺るがす構造的党内抗争(2025年7月17日)
参院選を「自民党の枠組みさえ揺るがす構造改革の契機」と見る視角で描写。

与党が物価高対策で消費減税検討 首相が補正予算を指示(2025年4月11日)
若者デモや財務省派との対立を背景に、首相が消費税減税に動く経済政策の混乱と展開を報告。

2025年8月1日金曜日

ナチスを“悪魔化”し続けるドイツの欺瞞──それを礼賛する日本の愚

 まとめ

  • ドイツはナチスを絶対悪として切り離し、国民全体の責任を曖昧にすることで、過去と真に向き合うことを避けている。
  • ナチスによるポーランド支配は、教育の抹殺や知識人の排除など、民族文化そのものを破壊する苛烈なものであった。
  • 現代ドイツはAfDの支持拡大を「極右」「ファシズム」と決めつけ、移民問題への国民の批判すら封じようとしている。
  • 日本は台湾や朝鮮に帝国大学を設け、現地人が学問の機会を得ていた事実を、欧米型植民地とは異なる歴史として正当に語るべきである。
  • 「ドイツは立派に謝罪した、日本は反省していない」という言説は虚像であり、ドイツの責任回避の欺瞞と、日本の自虐史観が合わさった危険な幻想である。

 「戦後80年、ドイツはいまだにナチスと向き合い続けている」。そんな美談が日本のメディアでは繰り返し報じられている。だが、現実のドイツは“歴史との対決”などしていない。ただひたすら「ナチス」という虚構の悪魔を仕立て上げ、自らの罪をそちらに押しつけているだけだ。

ナチスの罪とは、ヒトラーと側近だけが犯したものなのか。違う。数百万のドイツ国民が選挙でナチスを支持し、歓声を上げて戦争に協力した。ナチスを選び、熱狂し、最後まで支えたのは紛れもないドイツ国民そのものである。にもかかわらず、ドイツは「ナチス=別物」という構図をつくり、自国民の加担責任から目を背け続けている。

ナチス党大会

その背景には、歴史の文脈を意図的に切り離す姿勢がある。第一次世界大戦の敗北、ヴェルサイユ条約による国民の屈辱、共産主義の脅威、社会の混乱——こうした要因に触れようとしない。まるで、ナチスは地獄から突然湧いて出た“絶対悪”だったかのような語り口である。

この“ナチスの悪魔化”は、実はドイツ社会の責任逃れに他ならない。そして、こうした歪んだ歴史観に異を唱える学者は、国内で徹底的に封殺されてきた。歴史家エルンスト・ノルテは、ナチスの所業をスターリン体制など他の全体主義と比較する文脈で理解すべきだと主張したが、彼は“歴史修正主義者”と糾弾され、学界から追放同然の扱いを受けた。

西尾幹二氏もこう指摘する。ドイツは“ナチス”を悪魔に仕立て、その陰に自国民の責任を隠した。しかも、その手法を日本にまで輸出した。戦後日本の知識人の多くが「ドイツは立派に反省した」と持ち上げたが、実態は違ったのである。
 
ナチスの「悪」を隠れ蓑にしたドイツの抑圧と矛盾
 

ドイツ軍のポーランド侵攻

ナチスの犯罪で語られるのは、たいていユダヤ人迫害ばかりだ。だが、ドイツの東方政策の中でも、とりわけ残虐だったのはポーランド支配である。学校は閉鎖され、知識人は逮捕・処刑、一般市民は強制労働。ナチスの幹部の中には、「ポーランド人は500まで数えられれば十分だ」と公言した者までいた。これは教育の否定、民族文化の抹殺であり、計画的な文明破壊である。

そして今、ドイツではAfD(ドイツのための選択肢)という保守政党が支持を伸ばしている。だが、識者やメディアも彼らの政策には目を向けず、「ナチスの再来」とレッテルを貼って排除しようとする。移民問題やEUの暴走に苦しむ国民の声に耳を傾けるどころか、それを“過去の亡霊”に仕立てて黙らせようとするのだ。

これは、まさに「歴史との対決」ではなく、「歴史を盾にした現在の否認」である。いかなる過去も、現在の国民の口を封じる理由にはなり得ない。過去を道具にして国民の怒りを抑え込むことほど卑劣な行為はない。
 
自虐史観に呑まれた日本こそ立ち止まれ
 
一方、日本はどうか。日本もまた、「ドイツは反省した、だから日本も見習え」と言われ続けてきた。だが、ドイツがナチスに責任を押しつけ、国民の加担を曖昧にしたのに対し、日本はあらゆる戦争責任を“国家全体の罪”として引き受け、自国を徹底的に否定してきた。

たとえば、日本が朝鮮半島や台湾に設立した台北帝国大学や京城帝国大学では、現地出身の学生が実際に入学し、学問の道を歩んでいた。当時の朝鮮の道議会(日本の県議会などに当たる)の議員の8割は朝鮮人だったとされる。これらは単なる「支配」ではない。文明の共有であり、教育という未来への投資だった。

京城帝国大学医学部卒業記念アルバムのオークションサイトの紹介画像(右下の写真が実物の写真)

日本は鉄道を敷き、上下水道を整え、法制度と医療を導入した。ポーランドを破壊しつくしたドイツとはまったく違う道を歩んできた。にもかかわらず、我々自身がそれを正面から語ろうとしない。

2005年、小泉純一郎首相が「ドイツは謝罪したが、日本はしていない」と言われた際、堂々と反論すべきだった。日本は何度も謝罪してきた。にもかかわらず、その事実すら発信しようとしない。これでは国家の誇りも主権も守れない。

日本の教科書では、「ドイツは謝罪し、国際社会から尊敬された」と書かれ続けてきたが、実際のドイツは、謝罪の仮面の裏で国民の責任を巧妙に免れ、今なお歴史の罠に囚われ続けている。ドイツが“歴史修正の罠”から抜け出さない限り、真の民主主義国家にはなれないだろう。
 
日本よ、偽りの“模範国家”を崇めるな
 
そして、日本もまた、「ドイツ=善、日本=悪」という歪んだ史観から目を覚まさぬ限り、国家として健全にはなれない。過去の一部を針小棒大に語り、文明の成果や正当な行為を黙殺するような国が、どうして世界に誇れる未来を築けるのか。

歴史とは、過去を使って現在を縛るための道具ではない。過去を正しく見つめ、未来をつくるための礎である。

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三笠宮妃百合子さま - 戦火と平和を見つめた慈愛の眼差し(2024年11月1日)
戦後日本の精神的基盤や「誇りある日本人」の姿に触れ、歴史観の是正を主張。

1300人が居住「埼玉・川口市をクルドの自治区にする」在クルド人の問題(2023年9月17日)
ドイツなどの移民問題と統合政策の破綻を論じ、移民政策の難しさを指摘。

「日本は成功例の先駆け」米国が大絶賛したコロナレポートの衝撃内容(2020年6月16日)
日本の実績や評価が正しく伝わっていない実情を論じ、「日本の文明的貢献」を指摘。

ナチスドイツのポーランド侵攻から80年―戦争責任をナチスに押し付け、自分たちもナチスの被害者とするドイツ (2019年9月2日)
ドイツがいま、ポーランドから「戦争賠償」を請求されています。ドイツ政府は1953年に解決済みとしているが、なぜポーランドは21世紀に入ってから賠償請求しているのか。

倉山満「朝鮮人を人間扱いしたから大日本帝国は滅びた」(2013年11月23日)
日本の植民地政策の実態と日本の道義的姿勢を論じ、帝国大学や教育制度による日本の貢献を強調。

2025年7月31日木曜日

西欧の移民政策はすべて失敗した──日本が今すぐ学ぶべき“移民5%と10%の壁”

 まとめ

  • 日本の外国人比率は2040年に10%を超えると予測されており、その前段階として2030年頃に5%を突破する見込みがある。
  • 欧州では移民比率が5%を超えた段階から社会的摩擦や治安悪化が発生し、10%を超えると構造的な崩壊が進んだ。
  • スウェーデン、フランス、ドイツはいずれも移民政策に失敗し、暴動、テロ、無法地域の形成など深刻な社会混乱を経験している。
  • EUは地域統合の成功体験を移民統合に誤って適用したが、制度では文化・宗教の断絶を克服できなかった。
  • 日本は「共生」を唱える前に、“何を拒むか”という覚悟と選択が迫られており、これは国家存続の問題である。


迫り来る「移民10%社会」の現実
 
2025年7月30日、鈴木馨祐法相は日本記者クラブでの会見において、日本の外国人比率が2040年までに10%を超える見通しを示した。これは、国立社会保障・人口問題研究所(IPSS)が以前示していた「2070年代に10%到達」という推計を30年以上も前倒しする内容である。

すでに2024年末、在留外国人は約377万人に達し、総人口の約3%を占めている。政府は有識者による推計をもとに、今後さらに詳細な報告書を公表する予定だ。

鈴木馨祐法相

この数字の意味するところは深い。2040年に「10人に1人が外国人」になる日本とは、文化や宗教、価値観の異なる集団が日常的に定着する社会である。同時に65歳以上の高齢者が総人口の3割を超え、労働年齢人口が急減するという人口構造の激変に直面する中での変化だ。

そして、より現実的に警戒すべきは、移民比率5%の突破が目前に迫っているという事実である。IPSSや法務省、総務省の統計に基づけば、現行ペースが継続した場合、2030年頃には外国人比率が5%に到達するとの見方が出ている。これは、在留外国人が約640万人前後にまで膨らむ計算であり、人口減少の影響も加味すればさらに早まる可能性もある。

この「5%」という水準は、単なる通過点ではない。欧州各国の経験が示しているのは、移民比率が5%を超えたあたりから、地域社会における摩擦や治安悪化が明確に顕在化し始めるという現実である。つまり、日本は今後数年のうちに、そうした社会的転換点に踏み込む可能性が高いということだ。
 
移民比率5%超で始まる“崩壊の序章”
 
この警戒ラインを裏付ける事例は、欧州に山ほどある。スウェーデンでは、外国生まれの人口がすでに20%を超えており、移民比率が5%を超えた2000年代初頭から都市部での治安悪化が始まった。2023年には移民ギャングによる爆発事件や銃撃が頻発し、政府はついに「移民政策の失敗」を公式に認めた。

黙殺されたケルンの集団性的暴行に抗議する女性

フランスでも、2005年のパリ郊外暴動や、その後に続いたイスラム過激派によるテロは、移民比率が8〜9%だった時点で発生している。ドイツでは2015年の難民急増時に12%を超え、ケルンでの集団性暴行事件を機に、移民への不信が一気に噴出した。いずれの国でも、5〜10%台で社会秩序が崩れ始め、無法地帯や“並行社会”が形成されていった。

EUの幻想と、日本が選ぶべき道
 
なぜ欧州はこのような破綻を招いたのか。その根底には、EUが成功体験を移民政策に誤って応用した過信がある。冷戦後、法と市場での地域統合に成功したEUは、「異なる民族や宗教とも制度さえ整えば共生できる」と錯覚した。だが、それは同質文化圏における限定的な成功を、無理に普遍化したにすぎなかった。

イスラム圏やアフリカからの移民は、言語も文化も価値観も大きく異なる。制度が整っていても、衝突は避けられなかった。暴動、治安崩壊、無法地域、福祉制度の圧迫──これらはすべて「共生幻想」の末路である。


そして決定的な事実がある。西欧には、移民政策に成功した国は一つも存在しない。スウェーデンの福祉国家も、フランスの理念も、ドイツの法秩序も、軒並み崩れ去った。理念では国家は守れない。守るべきは現実である。

2040年、日本は外国人比率10%という“臨界点”を迎える前に、2030年という“入口の警告”を迎える。移民比率5%という「危険水域」に突入するその時、日本はどう動くのか。今問うべきは、「どう共生するか」ではない。「何を拒むか」である。

この国が生き延びるか、静かに崩れていくか。その分岐は、すでに数年後に迫っている。これは理屈ではない。現実と覚悟の問題である。国家の存亡を決する問いが、いま眼前にある。
参院選2025で「外国人問題」が大争点に!国民の怒りが噴出、メディアは沈黙?読売新聞が挑んだ「規制と共生」の議論。 

大阪における中国人移民の急増と民泊・不法滞在の実態を暴露し、治安や地域社会への深刻な影響を指摘している。

川口クルド人出稼ぎ断定、20年前に封印…日弁連が問題視(2024年11月)
トルコ出身クルド人の難民申請を「出稼ぎ」と断定した報告書の存在を報告し、制度の構造的問題を鋭く描いている。

ドイツの移民政策失敗から学ぶ日本の未来:治安悪化と文化喪失への警鐘(2024年6月23日)
日本は、自国の利益と国民の安全を最優先する政策を堅持すべきドイツの二の舞を演じないためにも、日本の未来を守る正しい選択をすべき。

【移民ショック】ドイツ女性集団わいせつ、容疑者18人が難民申請者…メルケル首相の寛容策に逆風「駅前の秩序も保てず」―移民・難民問題は対岸の火事ではない(2016年1月9日)
ドイツ西部ケルンで昨年の大みそかに多くの女性が移民系とされる男の集団に襲われる事件が起き、容疑者に難民申請者が含まれていることが判明、移民な問題は、日本にとって対岸の火事ではない。 

#移民政策 #日本の危機 #西欧の失敗から学べ

2025年7月30日水曜日

【報道されぬ衝撃事実】日米が“核使用協議”を極秘に実施──参院選直前に「2+2会談」中止の本当の理由とは?

 まとめ

  • 日米「2+2」会談は、米国の防衛費増額要求と政権側の選挙戦略上の判断により、直前で見送られた。
  • その背後には、日米が“核兵器使用シナリオ”を極秘協議していた事実の露見を恐れる政権の懸念があったと見られる。
  • この会談中止が繰り返されれば、米国側の信頼を損ない、同盟関係の根幹が揺らぐ可能性がある。
  • 日本は「核の傘の受益者」から「抑止戦略の共同設計者」へと立場を転換しつつあり、タブー視を超えた議論が始まっている。
  • 今、日本は“理想に殉じるか現実に立ち向かうか”という戦後最大の国家選択を迫られている。



「2+2」会談の裏で動いた政権の恐れ
 
2025年7月1日、東京で開催予定だった日米の「2+2」安全保障会合――日本の外務・防衛閣僚と、アメリカの国務・国防長官が一堂に会する同盟最重要の戦略対話――が突如として見送られた。(ロイター)米国側が日本に対し、GDP比3.5〜5%という異例の防衛費増額を要求し、日本側がこれを拒否したという報道が事の発端である。

この会合は、トランプ政権再登場後そうして、石破政権登場後、初の「2+2」となるはずだった。つまり、対中・対北朝鮮政策を含む同盟の戦略調整において極めて重要な節目であった。ところが、アメリカから突きつけられた要求は、すでに日本政府が掲げていた「2027年までにGDP比2%」の目標を大きく上回る水準である。当然、国内の政権運営にとっては爆弾のような話だった。

昨年7月の2+2会議 岸田政権時

加えて、日本は7月20日に参議院選挙を控えていた。対米追従と見なされる譲歩をすれば、国民の不信を招くのは必至だった。だが、それ以上に政権が恐れたのは、別の火種だったのである。それが、「日米両政府が“核兵器使用のシナリオ”について協議していた」という極秘情報の露見である。

2025年7月26日、共同通信が英語版で報じた内容は衝撃的だった。これについては、当ブログにも掲載したが、日本とアメリカの防衛・外交当局が、東アジア有事を想定し、米軍による核使用を含むシナリオを非公開協議していたというのだ。この報道が参院選前に表沙汰になれば、有権者の強い反発を招くのは避けられない。とりわけ、日本が被爆国であるという歴史的背景を踏まえれば、「核兵器使用を前提にした協議を日本が主導的に行っていた」と受け止められるだけで、政権にとっては致命傷となりかねない。

石破政権は、対米関係の戦略的安定と選挙への悪影響の狭間で、極めて難しい判断を迫られていた。最終的に、表向きは会談延期という体裁をとりつつ、実際には米側の要求を呑めず、また核協議の露見を恐れて「逃げた」と言ってよい。だが、逃げることで失ったものも大きい。
 
米国との信頼関係が揺らぎ始めた
 

問題は、単に「延期」されたという事実にとどまらない。参院選に続く政局の混乱、与党内の足並みの乱れ、そして石破政権の求心力低下――こうした要因が続けば、今後も同様の高レベル会談の開催を見送る事態が常態化する。もし日本が、選挙や内政を理由に重要な会議を繰り返し回避するのであれば、米国側の不信は確実に高まる。日米同盟において、政治的な足踏みは抑止力の低下に直結する。それは敵国への“招待状”となりかねない。

問題の核心は、ただの延期ではない。日米同盟の信頼そのものが問われているのである。

さらに、この異例の会合見送りと同時期に、日米間での“核兵器使用協議”の実態が明るみに出た。2024年12月に策定された「拡大抑止ガイドライン」に基づき、日米は北朝鮮による戦術核の使用や、中国の台湾侵攻に伴う核威嚇といった現実的なシナリオを想定し、具体的な対応を協議していた。

この協議は、単なる理論演習ではない。日本政府が、米軍の核使用の決断に対し、どのように関与し、国民に説明責任を果たすかという現実的な訓練である。日本はもはや「核の傘の受益者」ではなく、「抑止戦略の共同設計者」として動き始めているのだ。
 
「理想か、現実か」国家の命運を分ける選択
 

これまでなら政治的タブーとして封印されてきたテーマである。しかし、中国は極超音速兵器と多弾頭ミサイルを配備し、ロシアは核の恫喝を日常的に用いている。北朝鮮は「核の先制使用も辞さず」と公言している。そんな現実の前で、「理想」を語るだけでは国家は守れない。

もちろん、国内の左派勢力や反核団体は激しく反発するだろう。だが、それはもはや“空理空論”に過ぎない。戦争を防ぐ最大の手段は、「こちらは本気だ」と敵に思わせる抑止力である。その抑止の中核に核兵器の存在があるのは、今さら議論の余地はない。

日本は今、戦後最大の岐路に立たされている。「理想に殉じて滅びるか、現実と向き合って生き残るか」。その答えを出す責任は、他の誰でもない、日本国民とその代表にある。そして、その選択を誤れば、次の世代が命をもって代償を払うことになるだろう。

日本は今こそ、「核」という言葉をタブー扱いするのではなく、現実的に捉え、真剣に議論すべき時に来ている。それが、この国を守るということの、本当の意味である。

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2025年7月29日火曜日

日本が量子情報戦時代に突入──純国産コンピューター初号機が示す“情報覇権”のリアル

まとめ
  • 量子コンピューターは戦場を制する「情報支配の兵器」であり、日本がそれを純国産で稼働させたことは、安全保障上の歴史的転換点である。
  • 量子C2(指揮統制)は、戦場全体の膨大な情報(SIGINT・HUMINT・OSINT)を量子計算とAIで統合し、最適な戦術判断を即時に導き出す“戦略中枢”である。
  • DVA(国内付加価値比率)は国家の製造自立度を示す指標で、日本は約82%と高く、量子分野においても85〜90%と推定され、他国(米中韓露)を大きく上回っている。
  • 韓国・中国・ロシア・発展途上国の多くは、素材・装置・知財面で海外依存が強く、DVAは日本に比べて低く、“見かけだけの国産”であることが多い。
  • 量子コンピューターは軍事だけでなく創薬・材料・金融・物流など民間分野にも応用可能で、日本の経済競争力と安全保障を同時に支える「知の盾」となる。


次世代の計算機として社会を大きく変えると期待される量子コンピューターについて、主要部品などがすべて日本製となる「純国産」の初号機を、大阪大学などの研究グループが開発し、2025年7月28日、その初号機がついに稼働した。

これは単なる科学技術の進展にとどまらず、日本の安全保障・産業戦略にとって極めて重大な意味を持つ。

日本が手にしつつある「戦略中枢」──量子コンピューターの真の意味
 
「純国産」の量子コンピューター初号機が日本で稼働した。この事実は、単なる技術的快挙ではない。日本が国家の頭脳とも言える“戦略中枢”を、他国の力を借りずに作り上げたという、極めて重要な安全保障上の転換点である。
 
 
量子コンピューターは、もはや研究室の片隅にある未来の話ではない。現代戦の主戦場は、陸海空に加え、宇宙、サイバー空間、そして人間の心理空間にまで広がっている。戦争とは、敵の意図を先に読み、動きを封じる頭脳戦に他ならない。そして、その読み合いに勝つ鍵を握るのが、量子の演算力だ。

戦場には日々、膨大な情報が流れ込む。通信傍受やレーダー波などのSIGINT、スパイや内部協力者からのHUMINT、さらにSNSや報道、公開データから得られるOSINT。こうした断片的な情報を一つの全体像に統合し、瞬時に敵の行動を予測して対処を決める。これこそが本来の意味での「インテリジェンス(intelligence)」であり、現代の軍事行動の要である。

量子コンピューターは、従来のスーパーコンピューターでは手に負えない情報の組合せ最適化やリアルタイム統合を可能にする。OSINT・HUMINT・SIGINTといった異質な情報を同時並列に処理し、最も合理的な戦術判断を導き出す。これは単なる高速計算機ではない。空母や戦闘機の運用すら支配下に置く、いわば“戦場を統べる頭脳”である。制空権や制海権と同様に、量子コンピューターは「制情報権」を掌握するための中核兵器なのだ。

「量子C2」がもたらす新たな戦い方
 
C2センターのイメージ
 
とりわけ重要なのが、「量子C2(Command and Control)」という概念である。C2とは、軍事において作戦の指揮と統制を担う中枢神経のような存在だ。従来のC2は、人間の指令系統や従来型コンピューターによって支えられてきた。しかし現代の戦場では、秒単位の判断が求められ、複数のドメイン(空間・電磁波・認知領域)を同時に把握しなければならない。そこで登場するのが量子C2である。

量子C2は、量子コンピューターの演算能力とAIを組み合わせ、戦場全体のデータをリアルタイムで統合・解析し、最適な指示を即座に導き出す。敵の位置、味方の配置、通信状況、天候、地形、電波状況──すべてを加味して「最も勝率の高い選択肢」を提示する。しかも、各部隊や兵器システムに即座に指令を送ることができる。これにより、日本は物理的な兵器の数ではなく、“判断の速さと質”で戦場を制圧できる国家となる。

ここで決定的に重要なのが、「純国産」であるという点だ。部品やソフトウェアが外国製であれば、いざというときに機能を止められる危険がある。外部から操作されるリスクも否定できない。兵器を自国で持っていても、その中身を他国に握られていては、戦争に勝てるはずがない。
 
日本の製造力と「量子の頭脳」が切り拓く未来
 
製造の自立度を客観的に示す指標が、「DVA(国内付加価値比率)」である。DVAは、製品に含まれる価値のうち、どれだけを自国内で生み出しているかを示す。日本の製造業全体のDVAは約82%。特に造船業では85%を超える。米国は70%、EUが80%前後、中国は60%台半ばとされる。ロシアは約77%前後と見られるが、これは石油・天然ガス関連や国家主導の軍需産業に支えられている数字であり、半導体や精密機器といった先端分野では依然として西側諸国への依存が根強い。
 

 日本 |██████████████████████████████████████ 85%  米国 |████████████████████████████ 70%  中国 |██████████████████████████████ 75%  EU |████████████████████████████████ 80%  (縦軸:DVA%、横軸:国、█=2.5%) 
造船業DVA、2020年
 
韓国のDVAは製造業全体で約65%。一見、半導体や造船で成功しているように見えるが、素材や装置の多くは外国製であり、真の意味での内製力は弱い。たとえば、韓国の主力である半導体では、露光装置はオランダ製、プロセス材料は日本製、EDAソフトウェアは米国製である。結果、「韓国製」と表示される製品の中身は、外資の塊というわけだ。

さらに、発展途上国となるとそのDVAは40〜50%台にまで落ち込む。ベトナム、バングラデシュ、インドネシアなどは、組立工場の役割に留まっているのが実情だ。

これに対して、今回稼働した量子コンピューター初号機は、主要部品すべてが日本製とされている。冷却装置、読み出し回路、制御レーザー、そしてソフトウェアに至るまで、国内の技術で完結している。DVAはおそらく85〜90%、あるいはそれ以上に達すると見られる。量子分野における国家自立の達成である。

そして、この量子コンピューターは軍事用途だけでなく、民間分野でも日本の未来を支える力となる。創薬、材料開発、金融リスク分析、物流最適化、気候モデリング──いずれも複雑で膨大なデータを扱う産業であり、量子の演算能力によって“できなかった計算”が“日常的にできる”世界へと進化する。これまで海外企業に頼っていた計算インフラが国内で完結すれば、日本企業の競争力そのものが底上げされる。つまり、量子コンピューターは安全保障の盾であると同時に、経済競争の矛にもなるのだ。

量子C2が現実のものとなったとき、日本は武器の性能ではなく、“判断の速度と精度”で戦場を制する国になる。「この国には量子の頭脳がある」──それだけで敵は一歩引く。それが次世代の抑止力である。

この一見静かな革命は、科学技術の進歩や経済政策の成果を意味するだけではない。それは、日本という国が、「情報戦の時代」においても、自らの手で国家の命運を握り続けるために打った決定的一手だ。この初号機こそが、21世紀の日本を守る、知の盾の魁となるものなのだ。

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