80後(1980年代生まれ:バーリン・ホー)の分類を変更?
私は、以前このブログで80後の分類を掲載しました。分類してから、なんとなく消化不良を起こしたような気がしていましたが、そのままにしていました。しかし、昨日の日経MJを見たことと、数日前に書いたバーリン・ホーの記事の記事の中に、資生堂の調内容に関してもう一度思い出してみたところ、なぜ消化不良をおこしていたかはっきりしました。
まず、昨日の日経MJでは、中国の「新中間層」に関して書かれてありました。あまり良い印象を受けなかったので、内容の大半は忘れてしまいましたが、オリンピックでも話題になった中国では、いわゆる「新中間層」という層がでてきていて、これからマーケティング上の課題になるであろうというようなことが書いてありました。
この記事を見て、私がすぐに思い出したのが、先日書いたバーリン・ホーの記事の中で、資生堂の調べたところでは、「中国で現在年収が100万円を超えた人が、1000万人」という記事です。
年収が100万人が1000万人ということは、逆に言えば、中国の人口は12億8000万人ですから、12億7000万人の人は年収100万円以下ということです。これは、別に資生堂の調査を見ないまでもわかっていましたが、改めてはっきり考えてみるとショックでした。
このような経済状況の中で、「新中間層」などあり得るでしょうか?日本的感覚で「新中間層」などと考えても、そのような考え方はあてはまらないでしょう。まあ、これからどうなるかという話であれば、わかりますが今すぐということではないことがすぐに理解できます。日本などに来て、高額商品を買い漁るような、富裕層は、非常に特異な人々であり、これを当てにして、これから20倍、30倍になるなどとして、事業を組み立てれば失敗するのは火を見るより明らかです。
だからこそ、中国の北京や上海などの大都会でも、若い女性でもスッピンの人が多いわけです。化粧品までは手がなかなか回らないというのが実体なのです。
私が以前このブログで掲載した中国80後世代の分類は以下のようなものです。
■メインターゲット-ゼリー層(推計人口2000万人以下)
まずは、少なくと も日本の一般世帯収入の数分の一以上の世帯収入がある家の出身である こと。高学歴であること、北京大学などやそれに順ずる大学の大学生、大学院生で、卒業生であること。海外の有名大学院の院生や卒業者を含みます。卒業生の 場合では、官僚になっているか、有名企業などに就職しているか、家業をついでいます。ほとんどの人が携帯電話を持っていて、ほとんどの人が平均的な若者の 賃金の一ヶ月分を越える価格で購入できる「手写筆携帯(入力がペンタッチ式の携帯)」を持っている。
■サブ・ターゲット-イチゴ層(推計人口5000万人前後)
さ て、この層は、メイン・ターゲットには近いですが、いわゆる有名大学出身ではないですが、大学行っているかその卒業生です。いわゆる、知識層ではありませ ん。長野オリンピックなどで騒いでいた連中はこの層です。経済的には比較的恵まれていて、ゼリー層より少し下のレベルです。知的能力は低いですが、さりと て、韓国に留学するほどの頭の悪さではありません。ほぼすべての人が携帯電話を持っているが、「手写筆携帯」を持っている人は少ない。
■ボリューム・ターゲット-80後世代多数層(推定人口1億3000万人前後)
経 済的にも、 知的にも一昔前の中国人とあまり変わりない層です。ただし、インターネットを使ったり、若いことから、通常の中国人からみれば、変わって見えますが。思考 も行動様式も以前の中国人とほとんど変わりませ。彼らが変わって見えるとすれば、彼らの特性ではなく世の中の変化です。携帯電話を持っているはいるがすべ ての人が持っているとは限らない、「手写筆携帯」など持っている人はいない。持とうとも思っていない。
この分類、分類そのもの、分類の内容そのままにするにしても、やはり人数の部分は変えなければならないと思います。
そこで、人数をかえてみました。ざっと1/10にして、その他も少し変更しました。ただし、分類内容は同じです。
■メインターゲット-ゼリー層(推計人口200万人以下)
■サブ・ターゲット-イチゴ層(推計人口500万人前後)
■ボリューム・ターゲット-イチゴ層シンパ層(推定人口1300万人前後)
以上、合計2000万人前後ということになります。80後世代は、中国に2億人存在するそうですから、これは、ずいぶん妥当になったような気がします。
それから、上の2000万人を引いた残りの1億8000千万人は、貧困層ということです。
■貧困層(推定人口1億8000万人程度)
これに関して、日本型マーケティング手法などが全く通じない、貧困層として80後の分類に新たに付け加えるものとします。
これで、この分類も実戦的になったと思います。
中国を等身大で見る習慣をつけよう!
私は、過去にこのブログにも「世界一人当たりのGDP(国内総生産)と、一人当たりの資産-これでも中国は経済大国か?」という記事を書き、中国の経済力はまだまだであり、あくまで「発展途上国」の域にあることを掲載しました。この中には、国民一人あたりのGDPが日本の1/10になるのに20年はかかるということも書いておきました。それだけでなく、そうして、このころに「中国の富裕層は1億人を超えた」と書いてあった他の人のブログに「そのようなことは絶対にありえない」という趣旨のコメントをしました。それも、根拠をつけでてす。
その私がなぜ上のような勘違いしたのでしょうか?それは、やはり、無意識に中国をそれこそ、G8などとあまり隔たりのない国として扱っていたということです。中国の経済が、一見大きいように見えるのは、人口が多いからに過ぎません。成長率に関しても、貧乏な国なので、成長率は高いということであり、これを先進国と同列に考えるべきではありません。このへんをつい忘れてしまったものと思います。
それは、やはり、日々報道されるマスコミの偏向報道や、中国側のさも大国であるような報道ぶり、それと、最近の中国のオリンピックなどによる国威発揚などによる単純な錯誤だと思われます。多くの人は、先に述べた中国の一人当たりのGDPが日本の1/10になるのに20年かかるとか、
私も、このような勘違いをしてしまったのですが、多くの人が錯誤をしているようです。このままでは、中国に対する正しい認識はできないと思います。もし、錯誤をしていらっしゃる方がいて、今日のこの記事の内容を見ていただき、訂正していただければ、幸いです。
中国におけるこれからの事業は、日本やアメリカなどのような感覚で行っていては失敗すると思います。上記の比較的上の小さい層を相手にするには、市場があまりに小さいことと国が大きすぎます。たとえば、ゼリー層などを狙うにしても、200万人の人口がおそらく、上海、北京、大連、その他に分散してあるわけですから、それなりの工夫は必要になります。現状ではあまり大きな事業は期待できないかもしれません。
中国の場合大きな事業をしようとした場合、数年前に出版された書籍で「ネクスト・マーケット-「貧困層」を「顧客」に変える次世代ビジネス戦略」の中に書かれてあったようなものが有効だと思います。ただし、これに関しては、今日の本筋から離れますので、また別の機会をもうけたいと思います。
以下にこのブログに掲載した中国関連の記事を提示します。反転文字をクリックすれば、当該記事に飛ぶことができます。私の説明不足から、以上の論考、以下の記事を読んでいないと理解できない部分もあるかもしれません。まだ、読んでいない方は是非ご覧になってください。
■北京オリンピック開催中にもう一つの中国で-金門島砲撃50年 文革発動の導火線に
■ベルリンオリンピックの後にナチス第三帝国は滅亡-北京オリンピックは、共産中国の壮大なレクイエムの序曲か?
■北京五輪体操選手の年齢詐称疑惑-ストリート・ビューも偽装か?
■景気 強まる「中国頼み」 日本最大の輸出先に-リスク分散のためにも、他のアジア諸国にも注目すべき!
■北京オリンピックがいよいよ開幕!!快進撃を続ける中国IT企業-快進撃はもう続かない?
■四川大地震、6万9225人の死者が確認-オリンピック開催後に大異変が起こる?!
■中国新人類「80後(バーリン・ホー)研究会」発足-2億人を一緒に語ることはできない?
■Lenovoの4月~6月期は65%増益-華やかな五輪の裏でインドの下請けになる道をひたすら走る中国?(面子を重んじる中国人が読むと必ず激怒する人気記事です(笑)!中国の現在の経済の停滞要因に迫っています!!)
■「IOCは中国のネット・アクセス規制を断じて容認しない」とロゲ会長が断言-北京は欧米の陰謀にはまったか?
■IOC、中国は環境問題の約束を果たせると確信-人民の煮えたぎるマグマはどうするのか?
■北京オリンピック開催に向け警戒感高まる-終了後の方が、テロ、暴動が頻発する?
■中国:五輪の祭典が北京市民の生活を圧迫-オリンピック開催後を予感させる連続爆破事件?
■「ちゃいな.COM」中国総局長 伊藤正 「80後」は中国を変えるかは正しくない-正確には「80後」の一部、それも少数派が中国を変える。(この中に80後を三つに分類した内容を掲載してあります)
■中国で暴動は日常茶飯事-この事態改善されない限り中国はまともにならない!
■中国海軍の日本に対する傍若無人な態度は何を意味するのか?-中国の軍隊は脆弱?
■<北京五輪>空からのテロに備え、地対空ミサイルを配備か-異常行動の中国?
■厳戒のラサで聖火リレー-チベット暴動から3ヶ月-中国の五重苦をどう解消するつもりなのか?
■「おから工事」批判で国家政権転覆罪-確定した中国分裂の筋書き?
■「80後」は車を買うべきか?-世代をひとくくりにする愚かさ?
■中国核爆発か-高まる情報開示の圧力
■自衛隊機の中国派遣見送り、アジア安全保障会議でも話題に―結果的には日本外交の勝利か?
■自衛隊機派遣を見送り、世論配慮の中国側が受け入れ難色-幻の日本軍支援は歴史上の転換点?
■四川大地震:自衛隊機、中国派遣へ・・・政府要請受け入れ―歴史上の転換点になるか?
■自主的に救援活動をする中国の若者たち-80後世代と一つにくくるのは間違い?!
■不可解な中国の報道二題-やらせ義捐金とノーベル平和賞
■中国携帯電話事情-80後世代分類のツールともなるか?
■現代史は語る―大地震から始まった中国崩壊の道筋
■中国「イチゴ族」-中国の未来は彼らのもの
■胡錦濤主席の来日-その真の目的は?
■China Fashion week 開催さる-中国ゼリー層にも押し寄せる情報洪水
■ゼリー世代のミーイズム-体制から身を守る知恵か?
■中国ゼリー層-明日の中国を牽引する原動力となるか?
■チャイナ・アート・バブルにも冷めた見方のできる中国ゼリー世代?
■中国分裂の筋書き-(その10)パクスマリーナが拓く世界の平和と大繁栄
■中国分裂の筋書き-(その9)日本の対応は?
■中国分裂の筋書き-(その8)迫られる中国の選択
■中国分裂の筋書き-(その7)忘れてはいけない中国の不良債権
■中国分裂の筋書き-(その6)現代中国の混乱ぶりを現す動画の数々
■中国分裂の筋書き-(その5)他の人達はどう思っているのか?
■中国分裂の筋書き-(その4)毛沢東を統合の象徴にすることができない中国中央政府の苦悩
■中国分裂の筋書き-(その3)中国バブルの真実
■中国分裂の筋書-(その2)革命でもなければ現代中国は変わらない
■中国分裂の筋書-(その1)繰り返される歴史
■中国"義歯"から鉛「安全に問題」
■中国産原料を使ったヘパリン製剤で自主回収へ・・・・米国では死者21名
■世界一人当たりのGDP(国内総生産)と、一人当たり資産−これでも中国は経済大国か?
■南京虐殺記念館に対する日本政府の申し入れに関して考えた、中国のお家事情
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2 件のコメント:
コメント有り難うございます。
自分のブログが書評ブログなので、こんな硬派なコメントを頂いて恐縮しています。
中国問題というのは、単線的なものではありえませんね。
センセーショナルな言葉が行き交い、本当にどうなっているのかはつかみ難くなっているようですね。
中国は大きい国なので、様々な見方ができるみたいですね。
自分の個人的な知人が、中国人に商売で騙されて痛い目に会ったりしたので、個人的には、中国という国には、不信感は拭えないのですが、ただ単に中国に対して悪意ある立場を取るのもおかしいとも思ったりもします。
自分のブログでも、これから中国関連の本を読んで感想を書いていきたいとは思っています。
影法師さま コメントありがとうございます。
最近オリンピックなど開催されて、ついつい目がくらまされ勝ちなので、この記事を書いてみました。
多くの日本人は、ブラジルなどの場合は、たとえ旅行などにいって、素晴らしい場所ばかり行って、富裕層とだけあったとしても、発展途上国であることはわかりますが、こと中国になると、ブログの中でも、富裕層が1億人に達したなどと、書いてあるものもあるものですから、このような記事を書いてみました。
私の身近でも、この傾向が強い人が多いですか、中には、何回も中国に行って実体を良く知っている人がいました。
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