2022年5月15日日曜日

ロシアで「クーデター計画進行中」 ウクライナ諜報部門トップ見解―【私の論評】クーデターの可能性を指摘するのはウクライナだけではない(゚д゚)!

ロシアで「クーデター計画進行中」 ウクライナ諜報部門トップ見解

ロシアのプーチン大統領(右から2人目)=モスクワで2022年5月9日

 ウクライナ国防省の諜報(ちょうほう)部門トップのブダノフ准将は14日放映の英スカイニュースのインタビューで、ロシアのプーチン大統領に対する「クーデター計画」が進行しているとの見方を示した。ウクライナに侵攻したロシア軍の劣勢が引き金になっていると分析し、「計画は止められない」状況にあると述べた。

 ブダノフ氏は、ロシア軍が各地で敗北を重ねていると指摘。「それが最終的にロシアの指導者交代につながる。このプロセスはすでに開始されている」と述べ、プーチン氏の求心力低下を示唆した。

 また、プーチン氏が「がんやその他の病気」を患い、精神的・肉体的に「非常に悪い状態」にあるとも指摘した。ウクライナ側が情報戦の一環としてプーチン氏の重病説を広めていることを否定し、「確かな情報」と主張した。

 プーチン氏の健康状態を巡っては、英紙タイムズも14日に米誌を引用する形で「血液のがん」を患っていると報じた。

 一方、ブダノフ氏は戦況について「8月に重大局面を迎える」との見通しを示した上で、「戦闘行為は年内に終結するだろう」と述べた。「重大局面」の詳細な内容については語らなかった。

【私の論評】クーデターの可能性を指摘するのはウクライナだけではない(゚д゚)!

こういう話は真偽の確認ができないだけになんとも言えないですが、このままプーチンがトップにいることが不都合と思う人たちは増えていることは想像に難くないです。しかし、クーデターはよほど周到に準備し、軍を動かせなければ成功しないです。

これはウクライナ政府発の情報です。プーチンが側近に疑心暗鬼になるために出されている可能性もあります。ただ、それが有効になるほど露政府の中枢部が不安定になっているということかもしれないです。

もし、ロシアでクーデターが起こり、プーチンが失脚するとして、クーデターは誰が実行することになるのでしょうか。それは私自身はシロビキ以外にないと思います。


シロビキとは、プーチン政権内で高い地位に就いている治安機関出身者の呼称です。シロビキの中でもパトルシェフ安全保障書記、ボルトニコフ連邦保安局長官、ナルイシキン対外情報局長官は、1970年代後半プーチン大統領とKGBの支局で同僚として活動したプーチン大統領が最も信頼する側近です。

オリガルヒが寝返ったとしてもプーチン大統領は脅威を感じないでしょう。オリガルヒは治安部隊を利用できません。だから真の脅威はシロビキです。特にパトルシェフ氏やボルトニコフ氏は強い権力を持つだけでなく利用し、暗殺計画も可能です。体制が腐敗していると感じれば自分たちの利益を守るために、必要なことは何でもするでしょう。

現在シロビキは、ロシアという国が崩壊するか、自分たちの立場が悪くなるか、そういう選択を迫られる可能性があります。

プーチン大統領は今回の戦争を実質的に失敗したわけですが、その責任が誤った情報にあるというふうに考えているといわれていますから、FSB・連邦保安局の幹部たちが調査を受けたり、SVR・対外情報局のナルイシキンが公の場で叱責をされるようなことがありました。

こうした情報機関すべてに対して今、プーチン大統領が不満をぶつけているとするなら、今度は情報機関側の方で、なんらかの自分たちを防衛する措置というのを取る可能性は多いにあり得ます。

元英国陸軍上級将校で北大西洋条約機構(NATO)の欧州連合国遠征軍副司令官も務めたジェームズ・エヴァラード卿は、英紙「ザ・サン」にこう語っています。

ジェームズ・エヴァラード卿

「プーチンは困惑している。自身に対するクーデターが起きるタイムリミットが迫っているからだ。ロシアの強硬派は、ウクライナがNATOとEUに奪われたら、プーチンを排除するだろう。プーチンが動いたことで、全てが悪い方にいった。プーチンの立場は弱まるばかりだ」

また、プーチン氏は自分の保身に必死で、「批判の矛先をそらすために、紛争を他の国まで拡大する可能性がある」ともエヴァラード卿は語っています。

こうした状況に敏感に反応したのが周辺の国です。12日、フィンランドがNATOに加盟を申請する方針を発表しました。さらにフィンランドの隣国スウェーデンも加盟に向けての議論が続いています。この事態は、プーチン氏をより追い込むことになります。

「プーチンはNATOの拡大を止めようとしたが、裏目に出て失敗した。プーチンの唯一の逃げ道は、ウクライナでの戦いをエスカレートすることだ」とエヴァラード卿は指摘しています。

エヴァラード卿は「これはウクライナにとって長い戦争の始まりであり、NATOにとっては、新たな冷戦の始まりだ」と警告しました。

英紙ザ・タイムズは3月23日、FSBが「クーデターを起こすリスクが日増しに強まっている」とする内部告発情報を報じていました。FSB幹部が、米欧による厳しい経済制裁の直撃を受けたことに不満を募らせているのが理由だとしていました。

アンドレイ・ズボフ氏

ロシアの政府系調査機関によると、3月時点でのウクライナ侵攻を支持する人の割合は約7割だそうです。しかし侵攻はプーチン氏の政権基盤を揺さぶり始め、政権の今後について「崩壊するかどうかではなく、いつ崩壊するかの問題だ」(ロシアの歴史学者アンドレイ・ズボフ氏)との指摘さえ聞かれるようになっていました。

ウクライナによる情報だけであれは、信ぴょう性は低いとは思いますが、複数の人などのクーデター説があります。これでは、絶対に否定すべきということにはならないと思います。

無論ロシアの情報組織や、治安部隊の組織のあり方から、ロシアでクーデターが起こる可能性はかなり少ないと指摘する人もいます。

ただ、プーチン氏の弱体化が予想に反して急速に失われる可能性もあります。ロシアのウクライナ侵攻直前に、ロシアや軍事に詳しい人たちの中には、ロシアのウクライナ侵攻する可能性を、様々な根拠をあげつつかなり低いとしていた人たちも多くいました。

私自身も、侵攻の可能性は否定はしませんでしたが、低いだろうと思っていましたが、実際に侵攻が行われました。その反省もこめて、ロシア国内のクーデターの可能性も否定はせず、今後のその可能性について検証していこうと思います。

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