中国の習近平国家主席が「墓穴」を掘ったようだ。就任以来、台湾を「核心的利益」と言い続け、今月に入って沖縄県南方の太平洋で、空母「遼寧」の艦載機の発着艦などを繰り返し、軍事的圧力を強めていたが、ジョー・バイデン米大統領は23日の日米首脳会談後の共同記者会見で、「台湾防衛への軍事的関与」を明言したのだ。習氏は今年秋の共産党大会で「政権3期目」を狙っているが、余裕とはいえなくなった。
女性記者「台湾防衛のために軍事的に関与するのか?」
バイデン氏「イエス(はい)」
女性記者「関与する?」
バイデン氏「それが、われわれのコミットメント(約束)だ」
注目の記者会見で、バイデン氏は明言した。
台湾外交部(外務省)の報道官は同日、「歓迎と感謝」を表明し、台湾自身の防衛力を高めるとともに日米などと協力して「インド太平洋地域の平和と安定を守っていく」とした。
一方、中国外務省の汪文斌報道官は同日、「強烈な不満と断固たる反対」を表明した。
中国は、日米首脳会談や、日本と米国、オーストラリア、インドによる戦略的枠組み「QUAD(クアッド)」の首脳会合(24日)を見据えて、軍事的威圧を強めていた。
5月上旬以降、中国海軍の空母「遼寧」は、沖縄南方の太平洋で艦載戦闘機やヘリコプターの発着艦を行っており、その回数は18日までに300回を超えた。20日には、中国軍の戦闘機や爆撃機など計14機が、台湾の防空識別圏(ADIZ)に進入した。
習氏は今秋、5年に1度の党大会で「政権3期目」を目指すが、国内での新型コロナ拡大や経済停滞に加え、米国が台湾防衛への軍事的関与を明確にしたとなれば、3選も盤石とはいえない。
中国事情に詳しい評論家の石平氏は「バイデン氏の発言は意図的で、暴走を続ける中国を牽制(けんせい)する狙いがあるとみている。ロシアのウクライナ侵攻を受けて、『台湾を第2のウクライナにはさせない』という決意が現れている。米国の姿勢は、中国国内の『反習派』を勢いづける。3選目を目指す習氏を、米国が揺さぶっている」と指摘した。
◇
女性記者「台湾防衛のために軍事的に関与するのか?」
バイデン氏「イエス(はい)」
女性記者「関与する?」
バイデン氏「それが、われわれのコミットメント(約束)だ」
注目の記者会見で、バイデン氏は明言した。
台湾外交部(外務省)の報道官は同日、「歓迎と感謝」を表明し、台湾自身の防衛力を高めるとともに日米などと協力して「インド太平洋地域の平和と安定を守っていく」とした。
一方、中国外務省の汪文斌報道官は同日、「強烈な不満と断固たる反対」を表明した。
中国は、日米首脳会談や、日本と米国、オーストラリア、インドによる戦略的枠組み「QUAD(クアッド)」の首脳会合(24日)を見据えて、軍事的威圧を強めていた。
5月上旬以降、中国海軍の空母「遼寧」は、沖縄南方の太平洋で艦載戦闘機やヘリコプターの発着艦を行っており、その回数は18日までに300回を超えた。20日には、中国軍の戦闘機や爆撃機など計14機が、台湾の防空識別圏(ADIZ)に進入した。
習氏は今秋、5年に1度の党大会で「政権3期目」を目指すが、国内での新型コロナ拡大や経済停滞に加え、米国が台湾防衛への軍事的関与を明確にしたとなれば、3選も盤石とはいえない。
中国事情に詳しい評論家の石平氏は「バイデン氏の発言は意図的で、暴走を続ける中国を牽制(けんせい)する狙いがあるとみている。ロシアのウクライナ侵攻を受けて、『台湾を第2のウクライナにはさせない』という決意が現れている。米国の姿勢は、中国国内の『反習派』を勢いづける。3選目を目指す習氏を、米国が揺さぶっている」と指摘した。
【私の論評】バイデン大統領の意図的発言は、安倍論文にも配慮した可能性が高いことを報道しないあきれた日本メディア(゚д゚)!
これについて米政府は即座に、米政府の政策に変更はないとして火消しに走ったことから、発言は失言と受け止められました。 しかし、専門家の一部は、これは決して失言ではないと指摘しています。私もそう思います。
バイデン氏は、中国に対して融和的発言はできないのでしょう。米国内では、そうしてしまえば、共和党やトランプ元大統領から徹底的に批判されるでしょうし、それどころか党内からも突き上げを食うことになるのでしょう。
米国においては、もはや中国に対峙する姿勢は、上下左右から支持され、米国の意思となったといって過言ではありません。現在米国では中国に融和的発言をすれば、米国に対する裏切り行為だと指弾されかねません。
台湾を巡っても、中国に融和的な発言をすれば、ウクライナ侵攻直前にロシアのウクライナ侵攻に米軍を派遣することはないと名言したときのように、大反発をくらい、それこそ中間選挙では大敗確実になるのでしょう。
そうしてこれには、4月12日にチェコ・プラハに所在地がある言論サイト「ブロジェクト・シンジケート」に安倍元総理が発表した、米国は台湾防衛に曖昧戦略はやめよと主張した英語論文の影響もあることでしょう。
同論文は瞬く間に反響を呼び、「ロサンゼルス・タイムズ」や仏紙「ルモンド」など、米国をはじめ30カ国・地域近くのメディアで掲載されました。
同論文では、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を台湾有事と重ねたうえで、米国がこれまで続けてきた「曖昧戦略」を改め、中国が台湾を侵攻した場合に防衛の意思を明確にすべきだと主張しています。
1979年、米国は中国と国交を結んで台湾と断交し、台湾に防御兵器を提供することを定めた「台湾関係法」を制定しました。しかし、中国が台湾へ軍事侵攻した場合、米国が軍事介入するかどうかについては明らかになっていません。安倍氏は、この「曖昧戦略」を見直すべきだと主張しています。
安倍氏はかねてより「台湾有事は日本有事」だと主張してきました。
バイデン氏は、中国に対して融和的発言はできないのでしょう。米国内では、そうしてしまえば、共和党やトランプ元大統領から徹底的に批判されるでしょうし、それどころか党内からも突き上げを食うことになるのでしょう。
米国においては、もはや中国に対峙する姿勢は、上下左右から支持され、米国の意思となったといって過言ではありません。現在米国では中国に融和的発言をすれば、米国に対する裏切り行為だと指弾されかねません。
台湾を巡っても、中国に融和的な発言をすれば、ウクライナ侵攻直前にロシアのウクライナ侵攻に米軍を派遣することはないと名言したときのように、大反発をくらい、それこそ中間選挙では大敗確実になるのでしょう。
そうしてこれには、4月12日にチェコ・プラハに所在地がある言論サイト「ブロジェクト・シンジケート」に安倍元総理が発表した、米国は台湾防衛に曖昧戦略はやめよと主張した英語論文の影響もあることでしょう。
同論文では、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を台湾有事と重ねたうえで、米国がこれまで続けてきた「曖昧戦略」を改め、中国が台湾を侵攻した場合に防衛の意思を明確にすべきだと主張しています。
1979年、米国は中国と国交を結んで台湾と断交し、台湾に防御兵器を提供することを定めた「台湾関係法」を制定しました。しかし、中国が台湾へ軍事侵攻した場合、米国が軍事介入するかどうかについては明らかになっていません。安倍氏は、この「曖昧戦略」を見直すべきだと主張しています。
安倍氏はかねてより「台湾有事は日本有事」だと主張してきました。
ロシアによるウクライナ侵攻において、バイデン米大統領は早い段階から「米軍は軍事介入しない」と明言しました。それがロシア軍の侵攻を加速させたことは間違いないです。台湾に関しても、米国が防衛の意思を明確にしなければ中国が実際に台湾へ侵攻することは容易に想像できます。
同じ価値観を共有する周辺諸国に対する軍事侵攻は、日本の国家安全保障にも大きく影響します。尖閣諸島への領海侵犯が連日行われている以上、日本も対岸の火事ではないです。多くの日本人が傍観しないことを祈ります。
同じ価値観を共有する周辺諸国に対する軍事侵攻は、日本の国家安全保障にも大きく影響します。尖閣諸島への領海侵犯が連日行われている以上、日本も対岸の火事ではないです。多くの日本人が傍観しないことを祈ります。
そうしてこの安倍論文は、ただ公表されただけではなく、引用という形で報道され世界を駆け巡りました。その事実を前に、バイデン大統領としても、曖昧戦略をこれからもはっきりと継続するとは言えなかったのでしょう。まさに、この論文は絶妙なタイミングで出されたと思います。
この論文はさらに国際政治に今後も影響を与える可能性があります。しかし、この論文に関しては日本のメデイアはほとんど報道しません。
マスコミは2012年暮れにやはりプロジェクト・シンジケートに公表された、当時総理になることが決まっていた安倍氏の論文「安全保障のダイアモンド」を無視しました。この論文は非常に重要なもので、その後のインド太平洋戦略構想やQUADにも結びついたものでした。そうして、これも世界各国の多数のメディアに掲載されたにもかかわらず、日本のメデイアは無視しました。
そのため、日本ではその存在そにものも知らない人が多いようです。特に、情報源がテレビや新聞などに限られている人はその傾向が強いです。
米国では、トランプ元大統領が大統領でなくなってしまってから、CNNなどの反トランプメディアは凋落しつつあるそうです。それは以下の動画をご覧いただければおわかりいただけると思います。
日本の反安倍メディアも同じような運命をたどりつつあるといえると思います。そうして、トランプ氏もバイデン批判、米民主党批判だけではなく、安倍元総理が間接的にバイデンを批判したように、岸田総理や林外務大臣に対する批判をしていただきたいものです。
無論、安倍氏のように、理詰めで、誰にも表立って反対できないような理性的で、実際に国際政治を変えるような形で実施していただきたいです。
安倍元総理の今回の論文は、直接トランプ氏や共和党を応援するものではないですが、バイデン大統領の行動を変えた可能性は十分にあります。
トランプ氏 |
そのような形で、日本の岸田総理や林外務大臣と自民党の行動を変えるような提言をして欲しいです。特に経済面やエネルギー政策では、そのようなことをしていただきたいです。
そのようなことができれば、トランプ氏が大統領に返り咲く可能性が高まると思います。
【関連記事】
0 件のコメント:
コメントを投稿