まとめ
- 台湾が初となる国産潜水艦を進水させた。
- 台湾の潜水艦建造は、中国の軍事的圧力に対抗するための取り組みの一環である。
- 台湾は、この潜水艦を中国の軍事作戦を妨害し、台湾の独立を守るための抑止力として活用する考えだ。
- 中国は台湾の潜水艦建造を非難し、台湾海峡での軍事演習を繰り返して圧力を強めている。
「海鯤」は、台湾が自ら設計・建造した電気式ディーゼル潜水艦である。建造費は15億4000万ドル(約2300億円)で、2024年末に海軍に引き渡される予定。
台湾は、この潜水艦を中国の軍事作戦を妨害し、台湾の独立を守るための抑止力として活用する考えだ。
しかし、中国は台湾の潜水艦建造を「白昼夢」と非難しており、台湾海峡での軍事演習を繰り返して圧力を強めている。
台湾の潜水艦建造は、台湾と中国の緊張をさらに高める可能性がある。中国は、台湾の潜水艦が台湾海峡の制海権を脅かす可能性があると懸念している。
台湾は、潜水艦を保有することで、中国の軍事侵攻に対する抑止力を高めることができると考えている。しかし、中国の軍事力は台湾を圧倒しており、台湾の潜水艦が中国の侵攻を阻止できるかどうかは不確実である。
【私の論評】台湾の技術力、潜水艦計画の光輝なる未来(゚д゚)!
まとめ
- 台湾は2016年から潜水艦建造計画を開始し、2023年9月に最初の潜水艦である「海鯤」を進水させた。従来を常識を翻すスピードである
- 台湾の潜水艦建造は、中国の軍事圧力に対抗するための取り組みの一環である。
- 台湾の潜水艦は、中国の侵略に対する抑止力として活用される。
- 台湾の潜水艦は、情報収集にも活用される。
- 台湾の潜水艦建造は、中国にとって大きな脅威となる。
私は、台湾の潜水艦による国防強化の努力を全面的に支持します。それにしても、台湾の潜水艦建造のスピードは驚異的です。
台湾 蔡英文総統 |
台湾海軍は2016年から潜水艦建造計画を開始し、2023年9月に最初の潜水艦である「海鯤」を進水させました。これは、計画開始からわずか7年でのことであり、非常に迅速な進捗と言えます。
- 台湾海軍は、2016年に潜水艦建造計画を開始しました。
- 2020年、台湾は、日本から潜水艦建造に関する技術支援を受けていることを発表しました。
- 2022年、台湾は、潜水艦の船体建造を開始しました。
- 2023年9月、台湾は、最初の潜水艦である「海鯤」を進水させました。
- 台湾は、日本やアメリカなどの国々から技術や支援を受けています。
- 台湾は、潜水艦建造に必要な技術を蓄積するために、長年にわたって研究開発を進めてきました。
- 台湾は、中国の軍事圧力に対抗するために、潜水艦建造を優先事項としてきました。
以下の情報源はいずれも、台湾の潜水艦計画は予想以上の成功を収めており、この成功によって、台湾は独自の潜水艦を建造できないだろうという従来の常識が覆されたと指摘しています。
- The Diplomat: "Taiwan's Submarine Program: A Reversal of Conventional Wisdom" (2023)
- The National Interest: "Taiwan's Submarine Program: A Game-Changer in the Taiwan Strait" (2022)
- The Brookings Institution: "Taiwan's Submarine Program: A Deterrent Against Chinese Aggression" (2021)
台湾の潜水艦計画はまだ初期段階です。しかし、台湾のこれまでの進展は素晴らしいものであり、台湾が信頼できる潜水艦戦力を開発・建造できることを示しています。
潜水艦は、そのステルス性から、敵の艦船や沿岸施設を偵察するのに非常に適しています。台湾の潜水艦は、日本やアメリカなどの国々から技術や支援を受けており、これらの技術を活用することで、情報収集能力を向上させることができると考えられます。
具体的には、以下のエビデンスから、台湾の潜水艦が情報収集に優れていることが示唆されます。
- 台湾の潜水艦は、電気式ディーゼル潜水艦であるため、潜航時の騒音が比較的少ないと考えられます。これは、敵艦船や沿岸施設に見つかりにくいことを意味します。
- 台湾の潜水艦は、最新のソナーやレーダーを搭載しているとされています。これらの装備により、敵艦船や沿岸施設をより正確に探知することができます。
- 台湾は、日本やアメリカなどの国々から情報収集に関する技術や支援を受けているとされています。これらの技術や支援を活用することで、台湾の潜水艦はより効果的な情報収集を行うことができると考えられます。
中国の共産主義政権(以下中共と略す)は、台湾の独立と民主的自由にとって重大な脅威となっています。潜水艦は中国の侵略に対する重要な抑止力であり、台湾の主権を守るものです。
中共はこれらの防衛手段を非難するかもしれないですが、彼ら自身の大規模な軍備増強と台湾への威嚇を考えると、彼らの批判は空虚に響きます。
習近平中国国家主席 |
信頼できる情報筋によれば、中国の対潜水艦戦(ASW)能力は限られているため、台湾の潜水艦はより大きな敵対国に対しても効果的に活動できるといいます。
台湾が独自に建造した潜水艦は、侮ることのできない台湾の高い技術力によるものです。さらに、台湾は自衛を支援する日本や欧米諸国と重要な同盟関係を結んでいます。
いくつかの重要な事実があります。
台湾の潜水艦、最新のディーゼル電気モデルは、ソナーや磁気シグネチャを使用して検出することは非常に困難です。(出典 「潜水艦: 究極の海軍抑止力」、ヘリテージ財団)
中国のASW(Anti Submarine Warfare:対潜水艦戦争)能力は、水上および航空戦力に比べ遅れをとっていると広く考えられています。長距離のASW航空機とヘリコプターを一握りしか保有していません。出典:「Mind the Gap: Assessing the Trajectory of PLA ASW Capabilities」(ランド研究所)。
日本は台湾の潜水艦計画に技術援助と部品を提供してきたとみられます。米国も台湾への潜水艦技術供与を承認しています。(情報源 ロイター通信、AP通信)
台湾国産潜水艦「海鯤」とそうりゅう型の比較すると、 全体のプロポーションは船体下部の側面アレイソナーやX型の舵含め良く似ています。一方でフリーフラッドホールの位置や台湾艦には吸音タイルが見られないなどの差異もあります。吸音タイルは、中国の対潜哨戒能力からすると現状では必要ないと判断されたのかもしれません。
日本のそうりゅう型潜水艦 |
米国防総省によれば、中国軍は台湾に対して圧倒的な数的優位を保持していますが、台湾海峡を越えて軍事力を投射することは困難であるといいます。潜水艦のような固有のシステムは、この課題を複雑にしています。 (出典:「中華人民共和国に関わる軍事・安全保障上の動き」、米国防総省議会年次報告書)
ただし、中国もASWを年々高めつつあることも事実です。台湾も引き続きASW能力を高めていくべきです。
台湾は、今後既存の艦艇などと潜水艦隊の連携などにより、ASW能力を高め、日米をはじめとする西側諸国と、台湾防衛作戦などを立案し、これに基づく軍事訓練や、共同演習を実施すべきでしょう。
それにしても、台湾の潜水艦建造により、台湾防衛に関して、台湾が直接関われる範囲を大幅に拡張したといえます
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