まとめ
- パプアニューギニアは、地理的位置、豊富な資源、太平洋島嶼国フォーラム(PIF)の主要国であることから、近年、世界各国の注目を集めている。
- 特に、米国は、2022年に中国とソロモン諸島が安全保障協力協定を締結したことに対抗するため、2023年5月にパプアニューギニアと安全保障協力協定を締結した。
- パプアニューギニアは、米国にとって、中国の南太平洋進出を牽制するための重要な拠点となる。また、同国は、豊富な資源を有しており、今後の経済発展も期待されている。
- 日本も、パプアニューギニアとの関係強化に努めている。
英エコノミスト誌の解説記事によると、世界はパプアニューギニアに接近し始めている。その理由は、パプアニューギニアの地政学的位置や鉱物資源の豊富さ、太平洋島嶼国フォーラム(PIF)の主要国であることなどが挙げられる。
特に米国は、中国の南太平洋における勢力拡大に対抗するため、パプアニューギニアと安全保障協力協定を締結した。この協定により、米国はパプアニューギニアのラエやマヌス島での基地建設などを支援するとともにそれらへのアクセスを期待している。
パプアニューギニアは、米国にとって中国ににらみを利かせられる好立地にある。ラエはソロモン海に、マヌス島は太平洋に面しており、ソロモン諸島やキリバスなどへのアクセスも可能になる。また、南シナ海やマラッカ海峡を通る中国のシーレーンからも遠くない。
中国は、パプアニューギニアとの関係を強化するため、2022年にはマラペ首相を北京に招いた。しかし、米国の安全保障協力協定締結により、パプアニューギニアは中国との関係を微妙に変化させている。
日本も、パプアニューギニアを含む太平洋島嶼国への関与を強化していく必要がある。日本は、パプアニューギニアへの経済協力や人材育成などの活動を継続していくとともに、関係国と連携してパプアニューギニアを含む太平洋島嶼国の安定と繁栄に貢献していくべきだ。
なお、パプアニューギニアは、貧困や内戦などの課題を抱えている。今後、パプアニューギニアへの支援や協力を拡大していくためには、これらの課題への対応も重要となる。
以上は、元記事の要約です。詳細を知りたい方は、元記事をご覧になってください。
【私の論評】日米は経済、軍事、外交、戦略の各分野において、パプア・ニューギニアとの関係をさらに強化すべき(゚д゚)!
- PNG(パプア・ニューギニア)は、インド洋と太平洋を結ぶ重要なシーレーンのちょうど真ん中に位置しており、中国が影響力を拡大しようとしている地域における米国の足がかりにもなる。
- PNGは、海上交通路に沿った立地、南太平洋における位置、天然資源、中国への対抗手段としての役割から、地政学的に極めて重要な国である。
- 日本は、PNGのインフラ、統治、医療、教育を改善するために経済援助と投資を行うべき。また、海洋安全保障能力を強化するため、PNG軍と合同軍事演習や訓練を実施すべき。さらに、テロリズム、国際犯罪、気候変動などの問題に関する情報や戦略的分析を共有すべき。
- 日本は、すでに林外務大臣がPNGを訪問しているが、さらにハイレベルの訪問、戦略的対話、地域グループにおける協力によって、外交的関与を高めるべきであり、共通の民主的価値観と自由で開かれた太平洋へのコミットメントを再確認すべき。さらに、オーストラリアなどの同盟国と緊密に協議し、援助、貿易、海洋安全保障など対PNG政策を調整すべき。
- 日米は、経済、軍事、外交、戦略の各分野において、PNGとの関係を強化し、PNGが日米にとって民主的な同盟国として道を歩めるようにすべき。中国の台頭による圧力に対抗するために一致団結して努力すべき。
ニューギニアに上陸した日本軍 |
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