まとめ
- 問題発覚の端緒は、内閣府TFに提出された資料に中国国営電力会社のロゴマークが入っていたこと。
- 大林氏は、ロゴマークの存在に気付かなかったことを謝罪し、TF委員を辞任。
- 大野氏は、財団と国家電網公司との金銭的な関係は存在しないと説明。
- 本件は、日本のエネルギー政策の透明性や安全保障に関わる問題として注目。財団は疑惑を払拭できるかどうかが焦点。
- 財団は国家電網公司主導の組織「GEIDCO」に加盟していた。財団は太陽光発電のコスト削減等、日本のエネルギー転換に向けた提案を行っていた。
大野輝之常務理事 |
問題発覚
2024年3月、内閣府の再生可能エネルギー規制見直しを目指すタスクフォース(TF)に提出された資料に、中国国営電力会社「国家電網公司」のロゴマークが入っていることが発覚した。この問題を受け、資料を提出した公益財団法人「自然エネルギー財団」の大林ミカ事業局長と大野輝之常務理事が27日、記者会見を開き、経緯と説明を行った。
大林氏の説明と謝罪
大林氏は、ロゴマークの存在に気付かなかったことを謝罪し、TF委員を辞任した。大林氏によると、資料は複数の外部研究者から提供されたもので、ロゴマークは資料の隅に小さく表示されていたため、確認が行き届かなかったとのことだ。
大林氏は、「多くの方々に大きな懸念を抱かせる結果となって大変申し訳なく思っております。深く反省しております。」と述べた。
大野氏の説明
大野氏は、財団と国家電網公司との間に金銭的な関係は存在せず、今回の件は単純なミスであったと説明した。大野氏によると、財団は国際的なエネルギー問題に関する研究活動の一環として、国家電網公司を含む様々な機関と情報交換を行っており、今回の資料もその過程で作成されたとだ。
大野氏は、「財団と中国企業・政府の金銭的、資本的、人的関係は一切ございません。今回の件は、他国の影響下にあるとか、国のエネルギー政策をゆがめているとか、そういったことは一切無縁のことです。」と強調した。
影響と今後の見通し
今回の問題は、日本のエネルギー政策の透明性や安全保障に関わる問題として、大きな注目を集めている。斎藤健経済産業相は、財団との関係を調査するとしているほか、財団は太陽光パネルの中国依存問題や国際送電網の必要性などについて、説明責任を果たしていく必要がある。
今後の見通しとしては、財団が疑惑を払拭できるかどうかが焦点となり、調査結果次第では財団の活動に影響が出る可能性もある。
追加情報
大林氏の中国企業ロゴ問題は、極めて深刻な国家安全保障上の懸念があり、政府の対応には重大な責任があります。
大林氏が環境エネルギー政策に関する重要な内閣府タスクフォースのメンバーだったことは由々しき問題です。大林氏は中国企業の意向に沿った動きをしていたとの疑惑があり、政府の政策決定プロセスに対する中国の影響力行使が危惧されます。このようなメンバーを選任したことは、国家安全保障を守る上で看過できない重大な失態です。
メンバー選定には徹底したセキュリティチェックが必要不可欠でした。単に再生可能エネルギーの専門家という観点のみならず、国家安全保障リスクの観点からの綿密な審査が欠けていたことは明白です。政府の諮問委員等に外国の利益を優先するような人物があってはなりません。選任責任者には厳しい責任追及が必要不可欠です。
加えて、エネルギー政策そのものへの中国を初めとする他国からの不当な働きかけのリスクにも目を向ける必要があります。再生可能エネルギー政策については、中国など他国の政治的・経済的な思惑が絡んでくる可能性があり、その影響を完全に排除することは至難の業です。その意味で、これまでの政策決定プロセスには国家安全保障への配慮が大きく欠けていたと言わざるを得ません。
2024年3月、内閣府の再生可能エネルギー規制見直しを目指すタスクフォース(TF)に提出された資料に、中国国営電力会社「国家電網公司」のロゴマークが入っていることが発覚した。この問題を受け、資料を提出した公益財団法人「自然エネルギー財団」の大林ミカ事業局長と大野輝之常務理事が27日、記者会見を開き、経緯と説明を行った。
大林氏の説明と謝罪
大林氏は、ロゴマークの存在に気付かなかったことを謝罪し、TF委員を辞任した。大林氏によると、資料は複数の外部研究者から提供されたもので、ロゴマークは資料の隅に小さく表示されていたため、確認が行き届かなかったとのことだ。
大林氏は、「多くの方々に大きな懸念を抱かせる結果となって大変申し訳なく思っております。深く反省しております。」と述べた。
大野氏の説明
大野氏は、財団と国家電網公司との間に金銭的な関係は存在せず、今回の件は単純なミスであったと説明した。大野氏によると、財団は国際的なエネルギー問題に関する研究活動の一環として、国家電網公司を含む様々な機関と情報交換を行っており、今回の資料もその過程で作成されたとだ。
大野氏は、「財団と中国企業・政府の金銭的、資本的、人的関係は一切ございません。今回の件は、他国の影響下にあるとか、国のエネルギー政策をゆがめているとか、そういったことは一切無縁のことです。」と強調した。
影響と今後の見通し
今回の問題は、日本のエネルギー政策の透明性や安全保障に関わる問題として、大きな注目を集めている。斎藤健経済産業相は、財団との関係を調査するとしているほか、財団は太陽光パネルの中国依存問題や国際送電網の必要性などについて、説明責任を果たしていく必要がある。
今後の見通しとしては、財団が疑惑を払拭できるかどうかが焦点となり、調査結果次第では財団の活動に影響が出る可能性もある。
追加情報
- 大林氏は、河野太郎規制改革担当大臣からTF委員に推薦されていた。
- 財団は、2016年から国家電網公司が主導する国際的な組織「グローバル・エネルギー・インターコネクション発展協力機構(GEIDCO)」に加盟していた。
- 財団は、太陽光発電のコスト削減や洋上風力発電の導入促進など、日本のエネルギー転換に向けた様々な提案を行っている。
この記事は、元記事の要約です。詳細を知りたい方は、元記事をご覧になってください。
【私の論評】[重大警告]自民党エネルギー政策への中国の影響力浸透の疑惑 - 大林氏中国企業ロゴ問題で国家安全保障上の深刻な懸念
まとめ
- 大林氏の中国企業ロゴ問題は、政府の政策決定プロセスへの中国の不当な影響力行使が危惧される重大な国家安全保障上の問題である。
- メンバー選定時に国家安全保障リスクの綿密な審査が欠けていた。大林氏のような外国の利益を優先するメンバーを選任したことは重大な失態である。
- エネルギー政策決定において、中国などの他国からの不当な働きかけを完全に排除することは困難であり、これまでそうした観点が欠けていた。
- 政府は委員選考基準の徹底的見直しと、国家安全保障を最優先するガバナンス体制の確立が急務である。一切の例外を許さず、徹底した対策が不可欠。
- 河野大臣による調査には利益相反の問題があり、第三者委員会による独立した徹底調査と国会追及、さらには司法の場での真相究明は避けられない課題となるだろう
大林ミカ氏(右)と福島瑞穂氏(左) |
大林氏が環境エネルギー政策に関する重要な内閣府タスクフォースのメンバーだったことは由々しき問題です。大林氏は中国企業の意向に沿った動きをしていたとの疑惑があり、政府の政策決定プロセスに対する中国の影響力行使が危惧されます。このようなメンバーを選任したことは、国家安全保障を守る上で看過できない重大な失態です。
メンバー選定には徹底したセキュリティチェックが必要不可欠でした。単に再生可能エネルギーの専門家という観点のみならず、国家安全保障リスクの観点からの綿密な審査が欠けていたことは明白です。政府の諮問委員等に外国の利益を優先するような人物があってはなりません。選任責任者には厳しい責任追及が必要不可欠です。
加えて、エネルギー政策そのものへの中国を初めとする他国からの不当な働きかけのリスクにも目を向ける必要があります。再生可能エネルギー政策については、中国など他国の政治的・経済的な思惑が絡んでくる可能性があり、その影響を完全に排除することは至難の業です。その意味で、これまでの政策決定プロセスには国家安全保障への配慮が大きく欠けていたと言わざるを得ません。
このような重大な事態が起きたことを受け、政府は委員選考基準の徹底的な見直しと、国家安全保障リスクに万全を期する新たなガバナンス体制の確立を急ぐ必要があります。国益を最優先し、外国の不当な影響力を排除するための仕組みを整備しなければなりません。
委員選考におけるセキュリティクリアランス導入なども検討課題でしょう。二度とこのような事態を引き起こさぬよう、政府全体で国家安全保障体制の再構築に全力を尽くす必要があります。国民の命と安全を守ることが最優先されるべきであり、そのためには一切の例外を許容してはならず、徹底した対策が不可欠なのです。
河野大臣 |
河野大臣は、自然エネルギー財団と中国特定企業のつながりを調査開始するとしていますが、河野大臣は、当事者であり、第三者委員会などが調査ないと、証拠隠滅、都合の良い調査結果への改ざんなどのおそれがあります。
利益相反が発生する可能性が高く、証拠の隠蔽や事実の歪曲が行われかねません。政権を守る立場から、有利な結果に誘導されるリスクも排除できません。
このように重大な国家安全保障上の懸念がある問題については、政府からは完全に独立した第三者委員会による徹底した調査が必須条件です。専門家、有識者、野党等から構成される委員会が、何の制約もなく自由に調査できる環境を整える必要があります。
さらに、この問題は国会においても厳しく追及され、政府の対応が十分か徹底した検証がなされるべきです。国会審議を通じて、独立した第三者調査の実施や、再発防止に向けた抜本的な対策を政府に求めていくことが重要となります。
国家安全保障が最優先されるべき問題だけに、政府内部の調査だけでは到底不十分であり、外部の厳しい目線による徹底した真相究明が不可欠なのです。この問題をきちんと国民に説明する accountability(説明責任)を果たすため、政府による開示と透明性が強く求められます。
最近の再エネ関係の一連の事件をふりかえると、一つの流れがみえてきます。
衆議院15区補欠選挙に出馬を表明した経済産業省の元事務次官で収賄事件で逮捕・起訴された秋元司氏 |
2022年3月、秋元司氏(元経産次官)は中国の半導体メーカーから現金を受け取った疑いで、東京地検特捜部に賄賂受領の容疑で逮捕されました。
当時の経済産業次官という要職にありながら、中国企業から金銭的利益を受けていたとすれば、日本のエネルギー政策をはじめとする産業政策決定に影響を与えた可能性が指摘されています。
この秋元司氏の逮捕事件は、自民党のエネルギー政策決定プロセスへの中国の不当な影響力浸透の疑惑を象徴する、きわめて重大な事件と位置付けられています。
秋元氏の逮捕を端緒に、自民党内の「親中派」問題がクローズアップされ、エネルギー政策をはじめとする様々な政策決定過程への中国の介入の疑惑が次々と浮上してきた背景があります。
まず、秋元氏の逮捕事件は、自民党のエネルギー政策決定プロセスへの中国の影響力浸透の疑惑を象徴する、重要な出来事だったということを意味しています。
つまり、秋元氏が中国企業から賄賂を受け取っていたとすれば、エネルギー政策の立案過程そのものに中国の思惑や利益が不当に反映されていた可能性が高くなります。秋元氏はエネルギー政策の中枢にいた人物だったため、この事件は自民党内の「親中派」問題の深刻さを物語る、象徴的な出来事と言えるのです。
自民党のエネルギー政策決定システムが中国の影響下にあったのではないかという重大な疑惑を、秋元氏の逮捕が可視化したと捉えることができます。そのため、この事件は自民党内の「親中派」問題の広がりと深刻さを示す、きわめて重要な「象徴」的な事件だと言えるでしょう。
今後、この問題の全容解明に向けて、秋元氏の逮捕事件の背景と真相が徹底的に追及されていくことになります。
続いて三浦前外務審議官(三浦瑠麗氏の夫三浦清志氏)の逮捕では、在職中に中国企業のコンサルタントを務めていた疑惑が浮上し、外務省の重要ポストにいた人物が中国の影響下にあった恐れが出てきました。機密情報漏洩の可能性も指摘されています。
三浦瑠麗、清志夫妻 |
さらに、大樹生命倫理研究所の家宅捜索は、この団体が中国政府の意向を受けて新疆ウイグル地区の人権侵害実態を隠蔽・歪曲していたとの疑惑があり、中国の人権問題を矮小化する動きにつながっていたものと見られています。
そして今回の自然エネルギー財団の問題では、財団と中国の国営石炭火力発電企業の深いつながりが明るみに出ました。再生可能エネルギー推進を掲げる財団と火力発電企業の関係は不自然であり、中国の石炭利権に加え、エネルギー政策決定への影響力行使の懸念が指摘されています。
二階氏 |
このように、自民党内にはさまざまな形で中国の影響力が浸透しており、政策決定の要所にいた人物と中国側との癒着が次々と露呈してきました。政権そのものが中国寄りだった可能性さえ指摘される事態となっているのです。
このため、徹底した調査と真相解明が必須となっています。国会を含めた様々な場で、この問題が厳しく追及されていくでしょう。自民党や政権の正統性にかかわる重大問題だけに、決して曖昧な対応は許されません。第三者委員会の設置など、しっかりとした対策が求められています。
この一連の事件については、第三者委員会による調査のみならず、司法当局による捜査・裁判に委ねられる部分が出てくる可能性が高いと思われます。
すでに、秋元元経産次官と三浦元外務審議官の両氏は、それぞれ賄賂受領とスパイ行為の疑いで逮捕・起訴されています。今後、事件の深掘りが進めば、さらに関係者の刑事責任が問われるケースが出てくるかもしれません。
また、大樹生命倫理研究所への家宅捜索でも、新疆ウイグル地区の人権侵害実態隠蔽の疑いが持たれており、この問題には法的な責任追及の対象となる違法行為があった可能性があります。
さらに、自然エネルギー財団と中国企業の不透明な関係については、エネルギー政策決定への不当な影響力行使があったのかどうか、司法の場で徹底的に検証される必要がある重要な論点です。
つまり、この問題には国家安全保障や機密漏洩、人権侵害隠蔽などの極めて重大な犯罪が絡んでいる可能性があり、そうした場合には司法当局による厳正な捜査と裁判が求められます。
第三者委員会による事実解明と並行して、関係者の法的責任については、徹底した司法プロセスを経る必要があるでしょう。政権や権力の中枢部にかかわる重大事犯である以上、国民への説明責任を果たすためにも、司法の場での真相究明は避けられない課題と言えるでしょう。
【関連記事】
絶望的な日本。自民・二階幹事長を反米媚中にした中国の浸透工作―【私の論評】日本も、米国のように超党派で中国に対抗する体制を整えるべき(゚д゚)!
秋元議員逮捕 300万円、解散当日に直接受け取りか 贈賄側一部は「完落ち」の可能性―【私の論評】IR疑惑は、二階幹事長脅迫事件が発端か?
0 件のコメント:
コメントを投稿