2019年12月26日木曜日

秋元議員逮捕 300万円、解散当日に直接受け取りか 贈賄側一部は「完落ち」の可能性―【私の論評】IR疑惑は、二階幹事長脅迫事件が発端か?


テレビで報道されたIR疑惑

 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)事業をめぐる汚職事件で、東京地検特捜部は25日、収賄容疑で、IR担当の内閣府副大臣だった衆院議員、秋元司容疑者(48)=東京15区=を逮捕した。秋元容疑者は、IR事業への参入を狙う中国企業側から、2017年9月の衆院解散当日、選挙の「陣中見舞い」名目で、議員会館の事務所で現金300万円を直接受け取っていた疑いがあることが分かった。

 秋元容疑者は逮捕直前、ツイッターで「不正には一切関与しておりません」とコメント。報道機関の取材にも「そんな、はした金もらわねえ」「特捜部と戦うしかねえ」などと、べらんめえ調で否定していた。25日、自民党を離党した。

 特捜部は同日、贈賄容疑で、中国企業「500ドットコム」顧問の紺野昌彦(48)と、同顧問の仲里勝憲(47)、同社日本法人元役員の鄭希ことジェン・シー(37)の3容疑者も逮捕した。

鄭希容疑者 中央

 紺野容疑者は、企業側と秋元容疑者や自治体などを結ぶ役割を務めており、「疑惑のキーマン」とみられている。

 関係者によると、特捜部の調べに対し、贈賄側の容疑者の一部は、秋元容疑者への利益供与を認めているという。司法取引などで「完落ち」した可能性もある。

 また、特捜部は同日、事件の関係先として、自民党の白須賀(しらすか)貴樹衆院議員(44)=千葉13区=の地元事務所(千葉県印西市)と、勝沼栄明(しげあき)前衆院議員(45)の事務所(宮城県石巻市)の家宅捜索にも踏み切った。

 2人は17年12月、秋元容疑者とともに中国・深●(=土へんに川)(しんせん)にある「500」社の本社を訪問しており、訪問の経緯を調べる。

 IR事業は、安倍晋三政権が「成長戦略の目玉」と位置付けており、秋元氏らの逮捕は政権・与党に打撃となりそうだ。

 一方、野党側は首相主催の「桜を見る会」の疑惑に続き、政権与党への攻撃材料を得た、と勢いづく。年明けの通常国会では「カジノ禁止法案」を左派野党で共同提出する構えを見せている。

【私の論評】IR疑惑は、二階幹事長脅迫事件が発端か?
最初にこのニュースを知った直後に、脳裏をかすめたのが、このブログにも掲載した二階幹事長が、中国人ビジネスマンに脅された事件です。その記事のリンクを以下に掲載します。
絶望的な日本。自民・二階幹事長を反米媚中にした中国の浸透工作―【私の論評】日本も、米国のように超党派で中国に対抗する体制を整えるべき(゚д゚)!
二階幹事長
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事には二階俊博・自民党幹事長が中国人ビジネスマンに脅されていたという週刊誌の記事を引用しています。

その内容を簡単に以下にまとめます。

二階俊博氏が大物中国人経営者に脅されていたようだと週刊ポストが報じました。ちなみにこの記事は、2017年のものです。この中国人ビジネスマンは、二階派の経理資料などダンボール40箱分の資料を入手しそれをもとに「流せば大変なことになる」などと脅したそうです。この経営者は9月末に逮捕されたのですが、10月に示談となって釈放されています。

事件が弾けたのは2017年9月26日、折しも衆院解散の2日前で、小池百合子・東京都知事の「希望の党」結党宣言で政界に激震が走り、国民もメディアに視線を釘付けにされていたタイミングでした。

その日、警視庁捜査一課の捜査員10数人が中国籍の会社経営者・王俊彦氏の自宅や関係先に捜査に入り、王氏を逮捕しました。

さて、今回のIR疑惑で、中国企業から賄賂を受け取っていた疑いで逮捕された、秋元司容疑者(48)が賄賂を受け取った日付は、衆議院解散当日の9月28日でした。この2つを結びつける情報は今のところないのですが、それにしても何やらきな臭いです。

警視庁としては、この当時王俊彦氏の自宅や関係先に捜査に入り、王氏を逮捕したことから、資料そのものは入手しなかったものの、王氏を逮捕して事情聴取はしています。

この事情聴取には、中国によるIR工作に関するものがあったかどうか、今のところわかりませんが、その可能性はあります。東京地検特捜部としては、この情報ももとに、秋山氏などを内偵して可能性は十分にあると思います。

これが事実であろうが、なかろうが、これらの資料には二階氏自身や、二階派議員と、中国との不穏当な情報が含まれていた可能性があります。そうでなければ、大物中国人経営者が二階氏を脅したり、あるいは警察に一度は逮捕されながら、示談となって釈放されることもないと思います。二階氏側には、示談としなければならなかった何らかの事情があったものと考えられます。

そうして、二階氏の脅迫事件や、今回のIR疑惑に関しても、中国企業が関わっていますが、中国企業は日本等の自由主義の国々との企業とは異なり、国営企業は無論のこと、民間企業であっても中国共産党政府の傘下にあることを忘れてはいけません。

二階幹事長への脅しや、今回のIR疑惑は、中国企業による意思だけではなく、中国共産党の意思でもある可能性が高いのです。

私自身は、中国による日本の国会議員への賄賂など以前から、当然あるものと思っていました。ただし、それを明確に示す証拠は今まで存在しませんでした。しかし、今回それが東京地検特捜部によって明らかになりつつあります。

私自身は、中国共産党は、当然のことながら、与党に限らず、野党議員にも様々な工作を実施していると思います。東京地検特捜部は、このあたりも含めて全貌を明らかにしていただきたいと思います。

秋元議員事務所を捜査する東京地検

私自身は、今回東京地検特捜部は、意図的に与党の議員から逮捕し始めたのだと思います。もし、野党の議員を最初に逮捕し始めると、野党は「国策捜査だ」と騒ぎまくり、国会は収拾がつかなくなり、マスコミもそれに乗って「国策捜査だ」と報道しまくり、捜査に支障をきたすことも懸念されるので、与党議員の捜査、逮捕からはじめたのだと思います。

いずれ、捜査の手は、野党議員、官僚、企業経営者、マスコミ関係者等にも伸びる大事件に発展していく可能性もあると思います。チャイナマーを受け取った方々は、心配で心配で、夜も眠れないことでしょう。

このような、国会議員と中国企業との不明朗な関係があるからこそ、日本は米国のように挙党一致で、中国に対峙することができないのかもしれません。

米国の場合は、オバマ政権からトランプ政権に変わってから、野党である民主党の中にあった、中国に対する不満が顕になり、現在では超党派で中国に対峙する状況になっています。

日本もはやくそうなって欲しいです。

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