中韓北3国への米国の怒り
トランプ大統領は、11月27日に「香港人権・民主主義法案」に署名した。さらに、米下院は12月3日に「ウイグル人権法案」を、407対1の圧倒的賛成多数で可決した。
「ウイグル人権法案」では、陳全国氏(共産党政治局委員で同自治区の党委員会書記)を制裁対象に指定するようトランプ大統領に求めているが、成立すれば、中国共産党の政治局委員の制裁指定は初めてとなる。
来年の米国大統領選挙は日本の安全保障に大きな影響を与える可能性がある |
10月15日の記事「『ウクライナ疑惑』で、トランプの大統領再選は確実になりそうだ」や、11月6日の記事「米国は変わった、とうとう高官が共産主義中国を『寄生虫』呼ばわり」で述べた様に、今やトランプ大統領がハト派に見えるほど、民主党左派を中心とするタカ派(対中国強硬派)の怒りはすさまじい。そして、その根底には「人権問題」が関わっている。
トランプ氏は、あくまでビジネスマンだから「対中貿易戦争」を仕掛けたのも、一種の脅しであり、ゲームを有利に進めるための手札の1つにしか過ぎない。
しかし、「人権問題」が主張の根底にある民主党左派、あるいはもっと広く言えば良識ある米国民は、「経済的利害」だけでものを考えているのではなく「政治信条」で正邪を判断する。
「人権問題」は、普段騒がしい自称人権活動家(人権屋)が香港やウイグルについてはだんまりを決め込んでいる日本と違って、「米国の建国の理念である自由と平等」に関わる核心的利益であるから、これに関して米国民は妥協をしないであろう。
したがって、本音では「そろそろ潮時かな」と思っていたとしても、民意に敏感なトランプ大統領が、共産主義中国に対してより強硬な姿勢をとり続ける可能性がかなりある。
北朝鮮についても同様だ。もちろん米国民は米国の若者の血が流されることを望んでいないが、人権(自由と平等)が侵害されつつあると米国民が感じれば、「自由と平等」を守るための軍事行動を喜んで容認するであろう。
金正恩氏は、たぶんこの件における判断を誤っている。
韓国は形式上日米の同盟国ではあるが、文政権による「GSOMIA」問題などの愚行の数々や従北・媚中の姿勢で、「あちら側の国」と米国から認識されているのは間違いない。
米国は、中韓北の「政府」を問題にしている
これらの3国では、要するに「共産主義独裁政権の1党独裁」によって、善良な国民が虐げられていると米国は考えている。
したがって、中北の共産主義独裁政権に虐げられたウイグルやチベット、さらには北朝鮮人民を始めとする国民は敵ではなく、むしろ救うべき対象である。
その点において、「革命」や「クーデター」によって国民自らが「巨悪」を排除するのが、米国の最も望むシナリオであるといえよう。
軍事クーデターの場合、新たな「軍事独裁政権」の誕生となる可能性も高いのだが、「共産主義1党独裁」よりも、「軍事独裁政権」の方がましだというのが米国の伝統的な考えである。これまでも、南米などで軍事独裁政権の後ろ盾になってきたことがその証だ。
実際、西側推計で8000万人を虐殺したとされる毛沢東政権、「収容所群島」(アレクサンドル・ソルジェニーツィン著)で有名なスターリン政権、「キリングフィールド」(1984年、英国)という映画の題材ともなったカンボジアのポル・ポト政権など、共産主義国家はファシズム国家に負けず劣らず残虐である。
韓国の場合は、少々事情が異なる。韓国は米国が北朝鮮や共産主義中国の魔の手から守った「自由主義陣営の国」である(あった)。
しかし文政権は、これほどひどいとは選挙の時には有権者が思っていなかったであろうが、あくまで国民の普通選挙によって選ばれている。
米国が、文政権に対して一応の敬意を払うのも、国民の選挙で選ばれたからである。しかし、2020年4月15日の国会議員を選ぶための総選挙で惨敗しながらも、文大統領が失脚しなかったとすれば、どうであろうか?
10月14日に曺国法相が電撃的に辞任を発表したが、同法相は就任から35日目で検察改革にも失敗した。これまで韓国の大統領は、職を失ってから悲惨な目にあってきたが、文氏も例外では無く、曺国法相の行いによって、マグマのようにたまっている検察の「恨(ハン)」を恐れ、夜も眠れないかもしれない。
したがって、死に物狂いで選挙に勝とうするだろうが、文政権のでたらめぶりが明らかなのに、選挙に勝利すれば、それは「国民の責任」とも言える。したがって、韓国民そのものが米国の敵になりかねないのだ。
これに関しては、日本も他人事ではない。オールドメディアに踊らされたとはいえ、2009年8月に「悪夢の民主党政権」を誕生させたのは、日本国民による選挙だ。幸いにして、自らの過ちに気がついた日本国民によって、3年で同党が政権の座を追われたのは不幸中の幸いだ。もしあのままであったら……と思うと背筋が凍りつく。
韓国民が、文在寅政権に同じような賢明な判断を下せるかどうかが来年の4月15日に明らかになる。もっとも、それに先行して軍事クーデターなどが起きればこの限りではないが……。
クーデターはまず北朝鮮で起こるのか?
金正恩委員長の叔父(金日成の息子)である金平一(キム・ピョンイル)駐チェコ大使が最近、31年間もの海外勤務の任を解かれ、北朝鮮に帰国した。
金正男氏の長男である金 漢率(キム・ハンソル)氏とともに、北朝鮮の革命組織・自由朝鮮が担ぎ上げようとしていた(本人は断ったとされる)人物である。
「自由朝鮮」の力は侮れない。また、ハンソル氏と自由朝鮮との関係も色々取りざたされているし、現在同氏は米国・FBIの保護下にあるとされる。
金正恩氏の真意はわからないが、「勝手に決めた年末までの交渉期限」を米国が無視すれば、振り上げた拳をおろせなくなって、米国の軍事行動を誘発する動きに出るかもしれない。
しかし、それ以上に可能性が高いのが、金一族の暴挙によって「心中」させられるのを望まない軍部のクーデターだ。特権階級である軍幹部は「失うには大きすぎる」ものを沢山もっているのである。
香港騒乱は広東省まで広がっている
区議会選挙での圧勝や、米国での相次ぐ人権法案の成立・可決によって民主派が勢いづいている中で、習近平政権は対応に苦慮している。その中で、共産主義中国に忖度する日本のオールドメディアは別にして、世界中のメディアが広東省における暴動を頻繁に報じるようになっている。
もちろん、中国における暴動はこれまでも年間10万件ほどあったと推計されるが、やはり「情報統制社会」である大陸中国においても、口コミなどによって情報は伝わるものである。
香港から勇気をもらった大陸の人民が、より強く自らの権利を主張しはじめたと見て間違いないであろう。
また、香港騒乱をきっかけに、世界中のメディアが共産主義中国における人権侵害に注目するようになり、頻繁にニュースに取り上げられるようになったことも影響している。
共産主義中国に忖度し、ガラパゴス的報道を続ける日本のオールドメディアのニュースがたれ流されている日本で、他人事のようなムードが続いているのは悲しいことだ。良識ある日本人は、オールドメディが流すフェイク・ニュースなど無視して、真実を見つめるべきであろう。
「グローバル・スタンダード」で見れば、習近平政権の運命は風前の灯であり、「革命」や「クーデタ」もかなり現実的な可能性として浮上している。
その中で、安倍政権がいまだに習近平氏を国賓で呼ぼうとしているのは言語道断であることは、11月27日の記事「習近平を『国賓』で呼ぶのは日本の国益に反すると断言できる理由」で述べたとおりである。
そもそも、厄介な共産主義中国という隣国の肥大化のきっかけをつくったのは、米国の頭ごしに「日中国交正常化」を行った田中角栄氏の「負の功績」である。しかも、角栄氏の勝手な行動に激怒した米国が、ロッキード事件を仕組んで政治生命を断ったとも噂される。
筆者はこれまでの安倍外交は、明治以来の首相の中で最高の結果を生んだと賛美していたが、この「この習近平氏来日」ひとつで、これまでの功績がすべて水泡に帰するかもしれない。
安倍首相には冷静かつ理性的な判断を望みたい。
海上保安庁では日本海は守れない
また、改憲論議に関しても、もしかしたら今は力をためているのかもしれないが、迫力不足なのは否めない。
12月12日公開の「日本は侵略されて初めて『憲法改正』を行うつもりなのか…?」で述べた様に、日本が侵略を受けてから泥縄式に憲法改正(そうなったら国会が正常に機能するかわからないが……)するなどということがあってはならない。
限られた予算と人員で、懸命に北朝鮮船を取り締まる海上保安庁には頭が下がるが、焼け石に水だ。
中韓北のいずれか、または全部が崩壊した場合、今のままでは、日本の安全保障は風前の灯といえる。
5月29日の記事「世界経済低迷の最大原因・中国が退場すればデフレが終わる」や、7月24日の記事「対韓輸出規制でわかった、『ニッポンの製造業』が世界最強であるワケ」で述べた様に、中韓いずれの国の混乱も日本の「経済」には、それほど大きな影響を与えないと思うが、安全保障は別問題である。
特定の野党の妨害工作にまけずに、「日本海防衛」を固めることに注力すべきである。
目に見えない脅威にも備えよ
日本が直面しているのは「目に見える脅威」だけではない。
ニュージーランドの現職国会議員(中国出身)が中国のスパイ容疑で、2017年に情報機関の捜査を受けている。この議員が中国軍の教育機関(洛陽外国語学院)に通っていた経歴を隠蔽していたことが捜査の始まりだ。洛陽外国語学院は、中国軍唯一の外国語大で、いわゆるスパイの養成を行う学校である。
また、同じ年には、オーストラリアの2大政党が、中国共産党とつながりをもつ富豪2人から長期にわたり、巨額の献金を受け取っていたことが明らかになっている。
さらに、今年の11月24日には、高級車ディーラーの男性に100万オーストラリア・ドル(約7400万円)を支払い、「メルボルンの選挙区から連邦議会選に立候補させようとした」という中国の工作疑惑をオーストラリア・大手メディが報じている。この男性は、2018年末に、スパイになるよう打診されたと明かし、今年3月にモーテルの部屋で死亡しているのが見つかっている。
共産主義中国は、自国から遠く離れた国々でも国会議員に対して、活発な工作活動を行っているのだ。
隣国であり、領土問題を抱えている世界第3位の経済大国である日本の国会議員に対する工作活動を北朝鮮や韓国も含めた国々が当然行っていると考えるのは、極めて自然だと思う。
【私の論評】来年は米国大統領選挙と、イラン議会選挙が日本の安保に大きな影響を与える(゚д゚)!
冒頭の記事で、大原氏は、米国における人権問題について以下のように主張しています。しかし、「人権問題」が主張の根底にある民主党左派、あるいはもっと広く言えば良識ある米国民は、「経済的利害」だけでものを考えているのではなく「政治信条」で正邪を判断する。
「人権問題」は、普段騒がしい自称人権活動家(人権屋)が香港やウイグルについてはだんまりを決め込んでいる日本と違って、「米国の建国の理念である自由と平等」に関わる核心的利益であるから、これに関して米国民は妥協をしないであろう。
したがって、本音では「そろそろ潮時かな」と思っていたとしても、民意に敏感なトランプ大統領が、共産主義中国に対してより強硬な姿勢をとり続ける可能性がかなりある。「人権問題」は、米国では避けて通れない問題なのです。 この人権問題に関しては、アジアだけではなく、中東にもみられます。
マイク・ポンペオ国務長官は米国が19日、イラン反体制派に極めて厳しい判決を言い渡したイランの悪名高い2人の「裁判官」をブラックリストに入れたと発表し、最近のイランの全国的な抗議活動に参加する勇敢な人々を支持すると述べました。
マイク・ポンペオ国務長官 |
国務省で2019年12月19日、ポンペオ長官はこう語りました。「米国はトランプ大統領の下、イランの国民を支持してきたし、今後も支持する。我々の公然の支持、倫理的支持が大切だ。我々が正義を要求することが重要だ」
「11月に始まり加速した抗議は、イラン国民がもううんざりしていることを明らかに示した。彼らはもう飽き飽きしている。政権の経済的な失敗にうんざりしている。国の財産を私物化する政治家にうんざりしている。また人間らしさの特徴として我々一人ひとりに由来する、人間としての基本的、根本的な尊厳を認めない政権にうんざりしている」とポンペオ長官は語りました。
「何千人もの人のことを思い出して欲しい――みなさんはその人たちの事を知っている――1988年の抗議後に牢獄で処刑された何千人もの人たちの事を、1999年の抗議で虐殺された学生のことを思い出して欲しい」
「それから2009年の抗議のことを思い出して欲しい」
「現在も同じ話だ」
「政権は11月半ばから何百人もの抗議者を殺害している。おそらく千人以上だ」
「政権は自国内で起きている恐怖を世界に見られるのを止めるために、基本的な通信手段であるインターネットを遮断した」
ポンペオ長官は、国際信教の自由法の下でイランを「特に懸念される国」に再指定したと述べました。
「世界はイランが基本的・根本的信教の自由の最悪の侵害国の1つであることを知るべきだ」とポンペオは語りました。
「2番目に、本日米国財務省は2人のイラン人裁判官、モハマド・モギッセとアボルガッセン・サラバティに制裁を課す」
ポンペオ長官はサラバティを「政権の圧制の道具であって、公平な正義の味方ではない」としました。
「3番目に、我々は移民国籍法の下で、平和的抗議者の虐待、拘留、殺害に責任を負うか加担する、あるいはその表現や集会の自由を妨げる現職元職のイラン高官に対するビザを制限している」
「我々の行動ではこうした人物の家族に対するビザも制限する。イラン全国の市民から提供されている資料は、我々がこの新たな権限を利用して本当の圧力を加え、イラン国民の自由と正義を否定する人々に責任を取らせる上でかけがえのないものとなるだろう」
「国民の子供を殺す悪党が、米国留学のために自分たちの子供を送ることは許されない」
「だがたとえ何があっても、私は何カ月もいってきたことをイラン国民に伝え、必要である限りずっといい続ける。つまり、米国はみなさんの声を聞いている。米国はみなさんを支援する。米国はみなさんを支持する」とポンペオ長官は続けました。
最近、米国とイランの対立が一段と鮮明化しています。その背景には、来年の米大統領選挙がある。トランプ大統領とすれば、トランプ大統領の大きな支持基盤でもあるキリスト教福音派からの支持を増やして選挙戦を有利に進めたいとの思惑がありそうです。
ドナルド・トランプ大統領と共に祈った米国の福音派指導者ら=2017年11月11日
ホワイトハウスの大統領執務室で
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ここで日本にとっても大きな問題は、ブログ冒頭の記事のように、韓国・北朝鮮・中国の特ア三国のいずもが、今後激震に見舞われててもおかしくはない上に、さらに、米国とイランの対立がさらに激化しつつあり、しかもトランプ政権としては、これを見過ごすことができないことです。
アジアと中東で同時に、大きな危機が生じた場合、トランプ政権としては、アジアを優先すると考えられます。なせなら、イランは現状では核を保有しておらず、経済的にも大きくないです。
一方、アジアでは、中国の経済は大きく、中国も北朝鮮も核を有しています。しかも、米国はもはや、原油の輸出国であり、中東の原油は米国にとっては、さしたる問題ではありません。どちらのほうが米国にとって大きな問題なのかは、一目瞭然です。
ただし、イラン等でなにかが起こった場合、トランプ政権はこれを無視することができない事態もあり得るということを忘れるべきではありません。
米国のトランプ大統領は2017年の就任以来、核開発の疑いのあるイランに対し強硬姿勢を強めています。オバマ前政権による制裁解除でイラン経済は回復に向かうとみられていましたが、トランプ政権は核合意からの離脱を表明し、制裁を再開しています。トランプ大統領は今年9月の国連総会の機会にロウハニ大統領との首脳会談を模索しましたが、イラン側が拒否し見送られています。
そうしたなか、4年に1度のイラン議会選(定数290議席)が来年2月21日に投開票されます。前回の2016年は保守穏健派のロウハニ大統領を支持する勢力が反大統領の保守強硬派を上回りました。翌2017年の大統領選ではロウハニ氏が再選を果たし、融和路線が信認されています。ただ、議会は独立派を除くと保守穏健派の強硬派に対するリードは決して大きくないため、強硬派が多数となる可能性もあります。
トランプ政権による制裁の効果は絶大です。イラン産原油の禁輸措置により昨年から今年にかけてイランの原油輸出は激減し、同国の財政を圧迫。イランに進出していたフランス企業なども撤退し、製造業を中心に低迷が続いています。通貨リアルはドルに対し1年で6割も減価して、インフレと失業率の高止まりを招きました。そうした事態が国民の生活にも影響を及ぼし、11月には大規模な反政府デモに発展しています。
この反政府デモは、先月にはガソリンの補助費カットをめぐり全土に広がりました。死亡者数は数百人にのぼり、政府もそれを認めています。こうした経緯を踏まえ、イラン政府はシリア問題で歩調を合わせるロシアから50億ドルの融資を受け、来年度予算を編成。ただ、デモに対する当局の弾圧は、2期目のロウハニ政権への支持を弱める要因となりかねず、議会選の結果にも影響を与えそうです。もし、強行派が、2月に行われるイラン議会選で勝利を収めた場合、中東でなにか突発的な出来事が起こる可能性もあります。
これに対処するため、米国が中東に空母などの機動部隊や、陸上兵力を送った場合、当然のことながら、アジアの米軍は手薄になる可能性があります。
特に、現在の米軍は、世界中で二正面作戦、三正面作戦などできない状況です。これについては、以前のこのブログにも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
【国家の流儀】韓国と連動して中国、ロシア、北朝鮮による「日本海」争奪戦が始まる…安倍政権はどう対応するか―【私の論評】二正面作戦不能の現在の米軍では、日本を守りきれないという現実にどう向き合うか(゚д゚)!
海自のイージス艦「あたご」 |
中露や中東の軍事的脅威に対応する米軍の能力が「限界」にあるという厳しい評価が下されたのです。これは、米軍事専門シンクタンクによるもので、「現在の姿勢では、米軍は重要な国益を守るとの要求に、わずかしか応えられない」と強調しています。
問題なのは、特に海軍において、この相対的弱体化に即効性のある解決策がないことです。「世界最強」のはずの米軍に何が起こっているのでしょうか。
評価は著名な米保守系シンクタンクのヘリテージ財団によるものです。同財団が10月末に発表した「2020年 米軍の軍事力指標」と題する年次報告書は、米陸海空軍と海兵隊の軍事的対処能力を、非常に強い▽強い▽限界▽弱い▽非常に弱い-の5段階で評価していjrます。ただ、基準は「2つの主要な戦争を処理する能力」などとしており、2正面作戦を行うにおいての評価であるあたりが超大国米国らしいです。
この5段階で「限界」とは、乱暴な言い方をすれば「戦争になっても勝てるとは言えず、苦い引き分けで終わりかねない」、あるいは「軍事的目標を達成するのは容易ではない」ということです。米国は、世界規模での、大規模な二正面作戦はできないのです。 トランプ大統領は、元々企業家ですから、このことの意味は十分理解していると思います。企業活動においては、資源が有限ということは、常識であり、何もかも同時に実行しようとする事業家など存在しません、優先度の高いことから実行するのが常識です。
同報告書では欧州や中東、アジアの3地域での軍事的環境を分析。例えば中国については「米国が直面する最も包括的な脅威であり、その挑発的な行動は積極的なままであり、軍事的近代化と増強が継続している」などと、それぞれの地域の脅威を明らかにしたうえで、対応する陸海空軍などの米軍の能力を個別評価しています。ところが驚くことに、その内容は、「限界」ばかりなのです。
しかし、そのトランプ氏でも、たとえばアジア方面で、小康状態が確実に保てると判断したときに、中東で問題が起これば、中東に力をいれるかもしれません。その時に、突如としてアジアで大きな問題が起きたときに、その問題に迅速に対応することができない等ということは、十分想定できます。
これは、今回は来年は米国の大統領選挙や、イラン議会選挙があるので、特にそういうことがいえるかもしれませんが、来年以降も同じようなことが起こる可能性は否定できません。
このようなことが起きた場合、日本はアジアに位置しており、アジアの危機は日本に大きな悪影響があります。また、中東で何かがおきたときには、日本は中東の石油に大きく頼っていることから、これも大きな悪影響があります。
これに対処するためには、憲法改正は無論したほうが良いですが、それにはまだ時間がかかりそうですから、憲法改正をしなくても、憲法解釈を変えるとか、あるいは有事立法ということで、どのような方法でも噛まないので、有事のとき、あるいは有事になりそうなときには、たとえば、敵基地を先制攻撃できるようにするとか、自衛隊が防御できるようにするなどのことを真面目に議論して、実行すべきです。
少なくとも侵略されて甚大な被害を受けた後に、初めて憲法改正をしたり、解釈の変更や有事立法をするなどのバカ真似はやめるべきです。
もうこれだけ、目にみえる危機が迫っているのですから、有事立法など積極的にすすめるべきです。野党もただ反対というのではなく、有事を想定して、あるべき姿を模索しつつ、これに関しては米国の民主党がトランプ政権の中国との対峙には両手をあげて賛成しているように、政府与党に協力すべきです。
そうでなければ、存在意義が疑われますので、有権者は、選挙で野党には票をいれるべきではありません。
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