まとめ
- 海上自衛隊は2025年2月7日に護衛艦「くまの」の訓練を公開し、機雷無害化に自律型水中航走式機雷探知機(UUV)を使用した。
- 「くまの」はもがみ型護衛艦の新鋭艦で、省人化設計と対機雷戦能力を備えている。
- UUV(OZZ-5)は最大速力7ノットで、無人水上艇(USV)とリアルタイムでデータをやり取りでき、今後の運用拡大が期待されている。
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最新型護衛艦「くまの」 |
「くまの」はもがみ型護衛艦の2番艦で、2022年に就役した新鋭艦です。このもがみ型は省人化設計が特徴で、従来の護衛艦に比べて対機雷戦能力を強化しています。公開されたUUVは国産のOZZ-5で、全長4m、最大速力は7ノット(約13km/h)、速度を4ノットに抑えれば9時間の航走が可能です。また、UUVは無人水上艇(USV)と音波を用いてデータをリアルタイムでやり取りできる能力を持っています。
今後、海上自衛隊では次世代護衛艦の建造計画が進行中であり、UUVの運用がさらに広がることが期待されています。
【私の論評】日本の海上自衛隊が誇る圧倒的ASW能力!国を守る最強の防衛力
まとめ
- 海上自衛隊の新装備(UUV、USV、もがみ型護衛艦)は、敵を効果的に発見するための重要な要素であり、対機雷戦能力を強化する。
- 日本のASW(対潜戦争)能力は中露を圧倒し、特に国産の「そうりゅう型」潜水艦は静音性で世界トップクラスとされる。
- 先進的な哨戒機P-1は、米国のP-8ポセイドンと比肩する長距離の索敵能力を持つ。
- 米国との共同訓練や情報共有を通じて、海上自衛隊は最新のASW技術を習得し、実戦に適用している。
- 現代海戦においてASW能力は勝敗を決定する要因であり、海上自衛隊の能力向上は国の安全を守るための鍵である。
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もがみ型護衛艦搭載のUUV「OZZ-5」の模式図 |
日本のASW(対潜戦争)能力は、中露を圧倒する力を誇っている。海上自衛隊は、敵潜水艦を早期に発見し、無力化するための戦術を徹底的に磨き上げている。たとえば、先進的な哨戒機P-1は、長距離の索敵能力を持ち、敵潜水艦や水上艦の発見において驚異的な性能を発揮する。その性能は、米国製のP-8ポセイドンと比肩するものであり、海上自衛隊のASW能力を一層強化する要素となっている。
また、国産の「そうりゅう型」潜水艦は、その静音性や戦闘能力で高く評価されており、特に中露の潜水艦に対しても確固たる優位性を保っている。実際に、そうりゅう型は、静音性の面で世界トップクラスとされ、敵国の運用する潜水艦に対して優れた探知能力を持つ。
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「そうりゅう型」潜水艦 特徴的なXウイング型の操舵 |
さらに、海上自衛隊は米国との共同訓練や情報共有を通じて、最新のASW技術を取り入れており、互いに能力を強化し合っている。「Keen Sword」や「Northern Viper」といった演習で習得した最新の戦術は、実戦においても大いに役立つ。これにより、海自は最新の戦闘技術を駆使し、潜水艦の探知や追尾において高い精度を誇る。加えて、独自の衛星監視システムを導入し、リアルタイムで海上や陸上の状況を把握する能力を持つ。情報収集衛星「いぶき」や「レーダー衛星」は、敵の動向を早期に察知し、迅速な対応を可能にする。
現代海戦において、ASW能力は勝敗を決定する重要な要因となる。冷戦時代の米ソ対立では、潜水艦の脅威が増大し、各国の海軍戦略の中心にASWが据えられた。最近の南シナ海や北極地域における緊張の高まりも、ASWの重要性をさらに増している。例えば、2020年には、中国の潜水艦が南シナ海での活動を活発化させたが、日本はその対応として、ASW能力の強化を急務とする戦略を打ち出している。海上自衛隊のASW能力の向上は、敵に対して優位に立つための必須条件である。
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2023年9月の統合戦闘問題演習で、米国海軍のUSV「レンジャー」と「マリナー」と並んで後方から航行する海上自衛隊の護衛艦「くまの」。現代のUSVと省人員型艦艇が示す近未来の海軍。 |
結局、海上自衛隊の新装備は単なる技術革新にとどまらず、敵を発見し、制圧するための強力な武器である。今後、こうした装備の運用が拡大することで、戦術的な優位性は確実に強化され、海上自衛隊のASW能力は一層向上する。この強化された能力によって、海の主導権を確実に握り、我が国の安全を守ることができるのだ。
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