2025年2月12日水曜日

「魚雷じゃないよ」海自ステルス護衛艦の最新激レア装備が披露 次世代艦には必須か―【私の論評】日本の海上自衛隊が誇る圧倒的ASW能力!国を守る最強の防衛力

「魚雷じゃないよ」海自ステルス護衛艦の最新激レア装備が披露 次世代艦には必須か

まとめ
  • 海上自衛隊は2025年2月7日に護衛艦「くまの」の訓練を公開し、機雷無害化に自律型水中航走式機雷探知機(UUV)を使用した。
  • 「くまの」はもがみ型護衛艦の新鋭艦で、省人化設計と対機雷戦能力を備えている。
  • UUV(OZZ-5)は最大速力7ノットで、無人水上艇(USV)とリアルタイムでデータをやり取りでき、今後の運用拡大が期待されている。
最新型護衛艦「くまの」

 海上自衛隊護衛艦隊は2025年2月7日に護衛艦「くまの」の訓練模様を公式に公開しました。この訓練では、水中処分員が機雷を無害化する様子が映し出されましたが、注目すべきは新たに運用を開始した自律型水中航走式機雷探知機(UUV)です。UUVは「水中ドローン」とも呼ばれ、掃海作業に特化した機材です。

 「くまの」はもがみ型護衛艦の2番艦で、2022年に就役した新鋭艦です。このもがみ型は省人化設計が特徴で、従来の護衛艦に比べて対機雷戦能力を強化しています。公開されたUUVは国産のOZZ-5で、全長4m、最大速力は7ノット(約13km/h)、速度を4ノットに抑えれば9時間の航走が可能です。また、UUVは無人水上艇(USV)と音波を用いてデータをリアルタイムでやり取りできる能力を持っています。

 今後、海上自衛隊では次世代護衛艦の建造計画が進行中であり、UUVの運用がさらに広がることが期待されています。

この記事は、元記事の要約です。詳細を知りたい人は、元記事をご覧になって下さい。

【私の論評】日本の海上自衛隊が誇る圧倒的ASW能力!国を守る最強の防衛力

まとめ
  • 海上自衛隊の新装備(UUV、USV、もがみ型護衛艦)は、敵を効果的に発見するための重要な要素であり、対機雷戦能力を強化する。
  • 日本のASW(対潜戦争)能力は中露を圧倒し、特に国産の「そうりゅう型」潜水艦は静音性で世界トップクラスとされる。
  • 先進的な哨戒機P-1は、米国のP-8ポセイドンと比肩する長距離の索敵能力を持つ。
  • 米国との共同訓練や情報共有を通じて、海上自衛隊は最新のASW技術を習得し、実戦に適用している。
  • 現代海戦においてASW能力は勝敗を決定する要因であり、海上自衛隊の能力向上は国の安全を守るための鍵である。

もがみ型護衛艦搭載のUUV「OZZ-5」の模式図

海上自衛隊が訓練で使用する自律型水中航走式機雷探知機(UUV)や無人水上艇(USV)、そしてもがみ型護衛艦の新装備は、現代の戦闘環境において敵を効果的に発見するための重要な要素である。これらの先進技術は、従来の護衛艦に比べて対機雷戦能力を大幅に強化し、省人化を図ることで迅速な対応を実現する。

日本のASW(対潜戦争)能力は、中露を圧倒する力を誇っている。海上自衛隊は、敵潜水艦を早期に発見し、無力化するための戦術を徹底的に磨き上げている。たとえば、先進的な哨戒機P-1は、長距離の索敵能力を持ち、敵潜水艦や水上艦の発見において驚異的な性能を発揮する。その性能は、米国製のP-8ポセイドンと比肩するものであり、海上自衛隊のASW能力を一層強化する要素となっている。

また、国産の「そうりゅう型」潜水艦は、その静音性や戦闘能力で高く評価されており、特に中露の潜水艦に対しても確固たる優位性を保っている。実際に、そうりゅう型は、静音性の面で世界トップクラスとされ、敵国の運用する潜水艦に対して優れた探知能力を持つ。

「そうりゅう型」潜水艦 特徴的なXウイング型の操舵

さらに、海上自衛隊は米国との共同訓練や情報共有を通じて、最新のASW技術を取り入れており、互いに能力を強化し合っている。「Keen Sword」や「Northern Viper」といった演習で習得した最新の戦術は、実戦においても大いに役立つ。これにより、海自は最新の戦闘技術を駆使し、潜水艦の探知や追尾において高い精度を誇る。加えて、独自の衛星監視システムを導入し、リアルタイムで海上や陸上の状況を把握する能力を持つ。情報収集衛星「いぶき」や「レーダー衛星」は、敵の動向を早期に察知し、迅速な対応を可能にする。

現代海戦において、ASW能力は勝敗を決定する重要な要因となる。冷戦時代の米ソ対立では、潜水艦の脅威が増大し、各国の海軍戦略の中心にASWが据えられた。最近の南シナ海や北極地域における緊張の高まりも、ASWの重要性をさらに増している。例えば、2020年には、中国の潜水艦が南シナ海での活動を活発化させたが、日本はその対応として、ASW能力の強化を急務とする戦略を打ち出している。海上自衛隊のASW能力の向上は、敵に対して優位に立つための必須条件である。

 2023年9月の統合戦闘問題演習で、米国海軍のUSV「レンジャー」と「マリナー」と並んで後方から航行する海上自衛隊の護衛艦「くまの」。現代のUSVと省人員型艦艇が示す近未来の海軍。

結局、海上自衛隊の新装備は単なる技術革新にとどまらず、敵を発見し、制圧するための強力な武器である。今後、こうした装備の運用が拡大することで、戦術的な優位性は確実に強化され、海上自衛隊のASW能力は一層向上する。この強化された能力によって、海の主導権を確実に握り、我が国の安全を守ることができるのだ。

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