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2013年12月21日土曜日

社員が一緒にランチを食べると生産性が上がるという実験結果―【私の論評】テンフォー(オーディンフーズ)の社食ランチは300円でかなりリーズナブル、コミュニケーションの円滑化にもかなり役立っている、ありがとう佐々木シェフ(゚д゚)!

Life Hackerより


大きな会社で働いていると、一緒に働いている人のことを忘れてしまうことがあります。そんな時は、たとえ話し合うような仕事がなくても、他の人たちと一緒にランチを食べることで、生産性が高まりやすくなります。とりあえず大きなテーブルでランチをしましょう。

生産性を分析するSociometric Solutions社によると、社員がみんなで一緒にランチを食べると、コミュニケーションはより活発になります。より寛げるような席にしたところ、その効果は特に顕著でした。

究極のランチ交流において、テーブルのサイズは重要です。Sociometric Solutionsは、オンラインの旅行会社で会社のIDパスにセンサーを埋め込み、職場での行動を追跡しました。休憩スペースには、4人がけのテーブルと、12人が座れる長テーブルがありました。長テーブルに座った社員は、その日のランチ後に、36%多く他の人とコミュニケーションをしました。また、長テーブルに座った人同士の結びつきも強くなりました。この会社でリストラが起こった時、長テーブルに座っていた人は30%多く抵抗しました。

この結果は特に驚くべきことではありません。結局、人間は社会的な生き物です。会社が時差ランチを導入していたり、単純に同僚と一緒に食事をすることはそんなに重要ではないと思っている場合は、会社の仲間と一緒に食事をすることについて、考え直してみる価値がありそうです(必要であれば、上司とも一緒に)。

【私の論評】テンフォー(オーディンフーズ)の社食ランチは300円でかなりリーズナブル、コミュニケーションの円滑化にもかなり役立っている、ありがとう佐々木シェフ(゚д゚)!

上の記事に出ていたようなランチは、もううちの会社では随分前から実施しています。昼ごはんは、業務の都合で外食する人は別として、社内の会議や打ち合わせスペースで皆で一緒に食べるようにしています。

当社社屋は、三階建てですが、3階の役員会議室、その他2階、1階の打ち合わせスペースを用いて食事をします。三階は、役員会議室で、ぎゅうぎゅう詰めにすると、25人くらいは食事ができます。2階の打ち合わせスペースでは9人、1階のスペースでも、6人くらい、テーブルを増やせば、もっと大人数で食事ができます。このどのスペースで食事をするかは各人の自由ということにしています。

そうして、昼食は外から購入たり、お弁当だけではなく、当社内でつくっています。もともとは、レストランも運営していましたから、そのレストランのシェフが毎日ランチをつくります。手の空いている人は、お手伝いをします。ランチ代は、一食300円となっており、後でランチの写真をおみせしますが、かなりリーズナブルです。それから、お弁当を持参した人や、外部で購入した人も、原則としてこれらのスペースで食事をすることにしています。特に強制はしていないので、必ず社食でなくても、お弁当や場合によっては外食も可です。

ただし、社内で食事をするときは、自分の机ではなく、必ず役員会議室か、打ち合わせスペースでいただくようにしています。これによって、社内の人とは、すくなくとも週に1~2回くらいは、誰とでも話しができるという貴重な機会になっています。

また3階では、日々創業者でもある会長が食事をされますので、創業者の話しを直接聴いたり、質問できるようになっています。だから、何か創業者の話しを聴きたいと思えば、3階で食事をすれば、その機会は誰にでも公平にあるということです。私などは、いつも3階なので、今では、会長の隣は会長秘書、その隣は私という具合に定例化されてしまい、少し遅れて行っても、他の席は満杯でも、そこの席だけは空いているという状況になっています。       

下の写真は、日々料理を作っていただいている、佐々木シェフです。

佐々木シェフ リストランテ・ル・ブォンにて

この佐々木シェフ、このブログを長い間ご覧の方々は、ご存知でしょうが、以前当社が運営していた、イタリアンレストラン、リストランテ・ル・ボンのシェフです。

リストランテ・ル・ブォンはこのブログにも掲載したように、閉店しましたが、佐々木シェフは、現在では、ピザ・テンフォーの商品開発ならびに、社食をつくるので大忙しです。

社食といえば、カレーライス、カツどん、親子丼などシンプルなものを思い浮かべがちでしょうが、そうではありません。これは、言葉で説明するよりは、現物をご覧いただいたほうがご理解いただけると思いますので、下に写真を掲載させていただきます。

昨日の社食
上の三皿は、左から鶏肉(下はコロッケ)、真ん中は牛肉,右はなぜか熊肉はちみつ漬けです。なにやら、佐々木シェフがどこからいただいたものです。

12月6日の社食
カルボラーナと、右の皿は鶏肉グラタンです。

12月3日の社食
右下の汁物は、若鶏半身の濃厚スープです。

11月26日の社食
右下汁物は、鮭三平汁です。

11月23日の社食
寒い日だったので、一番左下は、おかゆです。

11月22日の社食
この日のメイン・ディッシュは左上の皿のロースト・チキンです。

11月17日の社食
いくら丼です。上の真ん中の鉢に入っている、いくらを左下のどんぶりに入っているご飯にかけて食べました。これは、ちなみに、たまたま社長が釣ってきた、鮭のお腹に入っていたものです。社食ですから、このようなことが時々あります。

11月16日の社食
鮭ステーキです。これは、上の写真のいくらと同様、社長が釣ってきたものです。ごちそうさまです。社食では良く、うちでとれた米だとか、野菜だとか、イカだとかとか、社員などがもってきたものが、食卓にのぼったりします。

11月10日の社食
右上の皿は、鶏肉のシチューです。黒いお椀は、デザートがわりの、お汁粉です。この日は、茶碗蒸しもついています。

10月22日の社食です
カレーライズです。カレー以外にもいろいろついているのが嬉しいです。

10月12日の社食
ステーキのワンプレート・ランチです。

10月6日の社食
いろいろなものが少しづつついた、ワンプレート・ランチです。いろいろついていますが、アップルパイや、アスパラの下は、スペアリブです。

9月6日の社食
たまには、幕の内弁当なんてのもあります。

さて、上記は適当にピックアップしたもので、特に美味しそうなものを選んだわけではありません。それにしても、昼に毎日このような昼食をとれる、それもかなりリーズナブルなお値段で食べられるということは本当に幸せなことだと思います。

それに、多数のおかずを少しづつ盛り付けるために、ワン・プレートにしたり、場合によってはお弁当形式にすることもありますが、日々ほとんどが、一つのおかずは一つの鉢というように、手間のかかる和食の基本を踏襲しています。

さて、上の記事では、「長テーブルに座った社員は、その日のランチ後に、36%多く他の人とコミュニケーションをしました。また、長テーブルに座った人同士の結びつきも強くなりました。この会社でリストラが起こった時、長テーブルに座っていた人は30%多く抵抗しました」としていますが、当社の場合はどうなのでしょうか。

当社の場合、長い間このような習慣を続けていますから、前の状態がどうだったのか、あまり覚えていないですが、確かにコミュニケーションは良くなったと思います。それに、同じ釜の飯を食うという諺どおりに、連帯感も生まれると思います。これを、普通の会社のように元に戻してしまえば、コミュニケーションも低下し、生産性も落ちると思います。他の会社での、社員のコミュニケーション不足をなげく酷い内容の記事など、サイトでも良くみますが、当社にはそれほど酷い事例はありません。

当社の人事では、社食について、採用が本決まりになった状態では教えてはいるようですが、応募したばかりの学生さんに教えていないようです。これだけのことをしているということで、知らせるべきと思います。食に携わる会社である当社が、日々昼食に注力を注いでいるということは、おそらく多くの学生さんに好感をもっていただけるものと思います。

300円で、日々これだけ食べられるということになれば、魅力を感じる学生さんもいらっしゃるかもしれません。それに、実際会社に入って、ひとり暮らしなどすれば、日々この昼食を食べていれば、夜などあまり食べなくても、栄養不足になるということはないと思います。実際、当社の若手社員で、には栄養不足と思われるような人はいません。

それにしても、日々こうしたメニューを提供している佐々木シェフには、本当に有難うございますといいたいです。いくら同じ釜の飯を食うとはいっても、あまり美味しくないものでは、良い効果がでるとは思えません。しかし、当社の社食は、美味しくないものどころか、これだけ日々手間をかけて作っていただけるのです。彼は、あまりスピーチ能力等が長けた人ではありませんが、それを補って余りあるほどの愛情を感じます。

いくらもともと、プロだとはいえ、食べる人たちに対する愛情がなれければ、日々これほどのことができるはずがありません。そうして、これは何にも増して、素晴らしいコミュニケーションです。コミュニケーションというと、スピーチ能力が長けているとか、説得力があるとかなどを思い浮かべがちですが、これはコミュニケーション能力のほんの一部でしかありません。話がうまくても、実はコミュニケーション能力がない人など大勢います。話を聴いた、感動しただけでは何も変りありません。

話術は、情報の伝達方式の巧拙をいうだけであって、必ずしもコミュニケーション能力の巧拙をいうわけではありません。コミュニケーションとは、情報の伝達ではなく、その結果として、人々の行動や心の持ちようそのものを変えることです。コミュニケーションがどうのこうのと言っている会社が多いようですが、このコミュニケーションほど誤解されているものはありません。

コミュニケーションは、いわゆる報告・連絡・相談をまめにやれば、良くなるということはありません。コミュニケーションが成り立っていなければ、いくら報告・連絡・相談をまめにやっても、人々の行動を変えたり、心を変えたりすることはできません。そもそも、コミュニケーションとは、一人の人間から、他の人間に一方的に伝わるものではありません。それは、私たちの中の一人から、私たちの中のもう一人に伝わるものです。

コミュニケーションを深めるためには、何よりも経験の共有が不可欠です。そうして、その経験の共有として、もっとも身近でわかりやすいのは、やはり、同じ釜の飯を食うということだと思います。コミュニケーションを小難しく捉えるのではなく、深めたかったら、一緒にお酒を飲むとか、それが難しければ食事をするとか、それも難しければ、一緒にお茶でも飲めば良いのです。そうして、それ一回こっきりすませるのでなく、出来うる限り何回も一緒にするのです。これで、コミュニケーションが深まらないはずがありません。そうして、どんな話しでも、くだらない話でもして、そうはいいながら、自分や相手の主義・主張、考え方を理解し、理解したならば、それだけではなく、行動や心のありようを変えることが本当にコミュニケーションが成立したということです。

本日は、番外編もあります。

以下の写真は、今夜のうちの食事です。


これは、親戚が送ってもらった、牡蠣と北寄貝を料理したものです。牡蠣は酒蒸しにしました。北寄貝は、サラダにしました。サラダのドレッシングは、自宅で作ったもので、バルサミコ・バター・ソースです。このほかにも、お酒も少々いただきました。牡蠣と日本酒の相性は抜群です。無論、酒蒸しにする前の、生牡蠣もいただきました。

とても美味しかったです。人間の幸せなんて、意外とこのようなところにあるのかもしれません。日々特に、コミュニケーショを通じるべき人々と一緒に食事をして、たまには、美味しいものを食べて、それもなるべく大人数で食べられるということが、人間にとって最も幸福なことではないかと思います。

私は、日本の人々が、日々このような食事ができるように、日々努力するのが私たち飲食業にあるものの責務であり、使命だと考えています。自分が本当に幸せな食事をしていなければ、本当の意味でお客様の気持ちなど理解できるものではありません。意図して、意識して、なるべくこうした機会を多くするのが、飲食業に従事するものの努めであると思います。

これからも、当社ではこのような昼食をさらに、より大きな実りのあるものへと日々繰り返していこうと思います。

そうして、一人でも多くのお客様に、飲食を通じて幸福感を味わっていただきたいものです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2013年11月17日日曜日

海洋秩序でASEANと連携=安倍首相、中国をけん制―【私の論評】妄想中国に覚醒のためのショックを与え続ける安倍総理大臣、顔をあわせない効果的なコミュニケーションもある!馬鹿共につける薬はこれしかない(゚д゚)!

海洋秩序でASEANと連携=安倍首相、中国をけん制

安倍総理でビエンチャンでの演説

【ビエンチャン時事】安倍晋三首相は17日、訪問先のビエンチャンで内外記者会見に臨んだ。東南アジア諸国連合(ASEAN)について「日本の経済再生に欠かせない友人だ」と表明。同時に「アジアの海を、自由で開かれた安定的なものにするための重要なパートナーだ」と述べ、「法の支配」に基づく海洋秩序の構築に向けて連携を強めていく考えを示した。

首相の発言は、沖縄県・尖閣諸島の領有をめぐって対立する中国が念頭にある。フィリピンなどASEAN加盟国の一部と中国の間には、南シナ海の領有権問題があり、「行動規範」の策定を協議中。首相としては、ASEANと経済、安保など幅広い分野で結び付きを強め、中国をけん制したい考えだ。 


【私の論評】妄想中国に覚醒のためのショックを与え続ける安倍総理大臣、顔をあわせない効果的なコミュニケーションもある!馬鹿共につける薬はこれしかない(゚д゚)!

今回のアセアン諸国外遊により、安倍総理は前ASEAN諸国を歴訪したことになりました。素晴らしい成果です。こ以前のASEAN諸国外遊のときに発言した安倍総理に対して、中国馬鹿共は不快感を示し、安倍総理の言質をとろうとしました。その内容を以下に掲載します。
安倍首相発言に不満=中国 
 【北京時事】中国外務省の秦剛報道局長は11日の記者会見で、安倍晋三首相が8日に中国を名指しし「(日本の)安全保障環境が厳しさを増している」と発言したことに対し、「公然と中国脅威論に言及した」と批判、不満を表明した。 
 秦局長は「日本は再三中国を挑発して一体何がしたいのか。もし中国をライバルにしたいなら、それは相手を間違っており、計算違いだ」と非難。一方で「中国は防御的な国防政策を堅持しており、適当な防衛力を保持するのは国家主権を維持するためだ」と訴えた。 
このくらいの不快感を示すと、民主党政権も、その前の自民党政権も結構オタオタしていたのですが、安倍総理は全くそんなことは意に介せず、今回も冒頭の記事にも記載されているような、発言をして、中国を牽制しました。

一方的に自己主張する人とのコミュニケーションは難しい
これは実は、立派なコミュニケーションです。コミュニケーションというと、そもそも、安倍総理と中国の首脳会談は実現しておらず、だから、全くコミニケーションが成り立っていないと考える方もいるかもしれません。しかし、それは違います。そもそも、コミュニケーションとは直接会って言葉をかわさなくても、とれるものです。コミュニケーションの原理原則をドラッカー氏は、4つにまとめています。以下に、本当に簡単に概要だけ掲載します。
■コミュニケーションの4つの原則 
1.コミュニケーションは知覚である
受け手の分かる言葉で話す。立場を考える。例えば日本語が苦手な外人に話す時を考えましょう。その相手の立場に立ったスタンスが重要です。 
2.コミュニケーションは期待である
人間は自分が知覚しようと期待するものだけを知覚できます。例えば街で薬屋を探しているとき、八百屋の存在は目に入らないものです。 
3.コミュニケーションは要求である
伝える方には要求があります。伝えられる方も要求が強ければ深く伝わるでしょうし、弱ければ(もしくは聞く気がなければ)伝わりません。 
それには、その人の人生観、倫理観、包容力、愛情、使命感など、多くの精神の力を借りて、相手と会話していくことが必要になるのです。 
4.コミュニケーションは情報とは違う
前述のとおりです。コミュニケーションは人間的です。情報と大きく違うことを理解してください。
ドラッカー氏の若い頃の写真、いつも晩年の写真なので本日はこれを掲載

ドラッカーの、この原則の中には、報告・連絡・相談はもとより、直接顔をあわせるとか、そのようなことは一切書かれていません。これらは、コミュニケーションの本質ではありません。あくまで、上の4つが、コミュニケーションの本質であり、原則です。

安倍総理以外の歴代の総理大臣は、直接会うことによって、中国とコミュニケーションを深めようとしました。しかし、過去の結果をみると、このコミュニケーションはうまくいきませんでした。いくら会って何回も話をしたところで、こちら側の意図は、全くつたわりませんでした。これは、上の原則1.コミュニケーションとは知覚であるという原則からみれば、完璧な失敗です。

結局中国は、自分の立場を一方的に押し付けるだけであって、日本側の真意を知覚しませんでした。

いくら、対話をしても、相手がどうしても知覚しないというのであれば、やり方を変える必要があります。そうして、安倍総理が用いた、手は、2.の原則、コミュニケーションは期待であるという原則と、3.原則、コミュニケーションとは要求であるという原則です。

特に2.原則を行使しています。

コミュニケーションが期待であるということは、コミュケーションをしようとする相手の期待を知ることによって、その期待を利用することがはじめて可能になります。相手の期待を知って、さらに、相手がそれをどのような手段を用いても知覚できないということなれば、どういうことになるでしょうか?

それは、相手の期待を木っ端微塵に打ち砕くしかありません。それもゆっくりとではなく、迅速にしなければなりません。ゆっくりと、やれば、相手はこちら側が言っていることが、自分の期待の枠組みに沿ったものであると誤解し、自らの期待をさら強化して、さらにコミュニケーションを交わすことができなくなるだけです。期待を打ち砕く、覚醒のための大ショックが必要です。

これでは、何のことかわからないでしょから、もっと解りやすくいえば、たとえば、新入社員の仕事似対する考え方の間違いに気づかず、不祥事を頻繁に引き起こしていたとします。このようなときに、ゆったりと話あいをしたり、相手の言い分を聞いて話し合いをしているだけではこれは永遠に解決しません。新入社員は、此方側の言い分を受け取ることができず、自分の期待の枠組みをさらに強化するだけです。そんなときには、新入社員の期待の枠組みを木っ端微塵に打ち砕く、激しい叱責が必要だということです。

中国側は、自分の考えを日本に対して伝えるためのコミュニケーションにおいて、いつも、この叱るという行為に近い、罵詈雑言をならべたてるという方式で対処して、過去においては成功してきました。

これに対して、安倍総理は、こち側も罵詈雑言を並べ立てるということではなく、同じコミュニケーションで覚醒のための大ショックを与えるにしても、より効果的に、安全保障のダイヤモンドを提唱し、それに沿って着々と外遊をして、ASEAN諸国を見方につけ、さらにそこで、上記のような発言をして、中国側に意図を伝えるという戦術をとりました。

そうして、今のところ、中国側に対して十分すぎるほどの覚醒のためのショックを与え続けてきました。今回の発言も、十分中国に対しては、中国に対する覚醒のための大ショックになったものと推察します。

そのため、安倍総理式コミュニケーションはかなり効果をあげつつあります。少なくとも、中国側には、安倍総理は今までの総理とは異なり、一筋縄ではいかないという認識を持たせることには大成功しています。それに、最近中国の態度が明らかに変わってきています。その証として、以下のような、報道がなされています。
人民日報コラム、日中関係改善呼びかけ 
 中国共産党機関紙、人民日報(海外版)の電子版は20日までに、民間交流をベースに日中関係の改善を呼びかける署名コラムを掲載した。 
 「中日の国民感情を袋小路に追い込むな」と題する高望氏のコラムは、日本の対中円借款や天安門事件後の制裁解除などを評価した上で、日中の国民感情が急速に悪化した現状を反省すべきだと指摘。両国のマスコミ報道が互いにナショナリズムを刺激してきたとして、関係改善に向けた政策の選択肢を確保するため、過剰な報道の抑制を訴えた。(中国総局)
実は、安倍総理は第一次安倍内閣のときから、中国に対するコミュニケーション方式を従来の路線から変更しています。それは、中国との間で取り交わした、戦略的互恵関係というものです。

戦略的互恵関係とは、安倍首相が2006年10月に初外遊先として訪中し、胡錦濤国家主席らとの間で合意した。政治体制が異なる日中の関係を初めて「戦略的」と表現。政治・経済の「二つの車輪」を動かし、両国関係を「さらに高度な次元に高めていく」としたものです。

ただし、この関係の本当の意味するところは、戦略的互恵関係という言葉で、これからの中国との関係は、日本側にとっても利益なることでは、長期的にでもお付き合いしますが、そうでなければ、いっさい関わりをもちませんといういうことです。その意図の表明です。

しかし、馬鹿な日本の左翼などは、先の言葉を額面通りに受け取っています。それは、馬鹿でコミュニケーション能力の低い中国の共産党幹部にも理解できませんでした。

安倍総理としては、第一次安倍内閣時のこの発言は、中国側に知覚されていないことを悟り、第二次安倍内閣ではやり方を変えたのです。それが、安全保障のダイヤモンドであり、ASEAN諸国歴訪の旅であり、旅先での発言です。

着々と、推し進める安倍首相の「安全保障のダイヤモンド」構築と、その過程での中国を意図した、発言の連続により、中国はキリキリ舞されられています。素晴らしい、安倍コミュニケーションの成果です。

しかし、安倍総理は、それなりに下調べをしてこのような行動をしています。日本では、コミンテルンの刷り込みにより中国に対する間違った認識を持っている人が大勢います。

中国は実は日本にとって付き合っても意義ある国ではありません。そもそも中国から輸出も、輸入も、日本のGDPのほんの2%くらいしか占めていません。しかも、これらのほとんどは中国でなくても、十分に代替のきくものばかりです。いままでの日中関係は、全く一方的に中国に利益があっただけです。実は、日本が中国と全く縁を切ってもその影響は日本にとって、軽微、中国にとっては甚大な影響を受けるということなのです。

それからら、反日は、中国共産党に対する非難を日本にかわすためのものであり、全く人為的なもの過ぎません。それに世界の常識では、隣国同士はどの国でも仲が悪いのが普通です。国境を接しながら、仲が悪く無い関係といえば、世界でアメリカとカナダくらいなものです。それ以外、多かれ少なかれ、対立しているのが普通です。

こんなことを総合的に勘案すれば、安倍式コミュニケーションを実施したとして、最悪中国と国交を断絶したとしても、日本はほとんど影響を受けず、中国だけが甚大な被害を被るだけであり、それは、いくら中国共産党幹部が、世界常識を知らない私腹を肥やすことにだけ頭がまわる、愚鈍な馬鹿揃いといっても、実際ある程度の窮地においこまれれば、そのことをはっきり認識するに違いありません。

安倍総理はこのことをしっかり認識して、計算づくで、安倍式コミュニケーションを発動して着々と成果をあげつつあるのです。したたかです。従来の総理大臣や政権幹部にはみられないことです。

安倍総理の判断は全くただしいです。以下に、このブログに以前掲載した、中国共産党幹部どものキリキリ舞いぶりを掲載します。
安倍首相を東南アジアの各メディアが“援護”、「太陽が再び日本から昇る」「中国の挑発を受けて立とうとしている」―中国紙―【私の論評】中国の共産党機関紙ですら伝える安倍首相の快挙を伝えないどころか、麻生発言偽装までするニッポンマスコミの反日ぶり!ただ大醜態を国民に見破られただけか(゚д゚)!
詳細はこの記事をご覧いただくものとして、この記事では、安倍総理にキリキリ舞させられている中国の実体を示す、内容を以下にコピペさせていただきます。
安倍政権は東中国海の向こうでステップを踏み、中国をそのステップに合わせて踊らせようとしている。そうなれば中国は疲労困憊し、馬鹿げて見えることだろう。中国の正確な手法は「傍観者」になることだ。せいぜい安倍政権には踊らせておこうじゃないか。我々はひまわりの種をつまみながらお茶を飲み、彼らが踊りに疲れて全身汗だらけになる様子を楽しめば良いのだ。
汗だくは、日本ではなく中国だ(゚д゚)!
これは、「環球時報」7月に掲載された内容です。環球時報といえば、中国共産党機関紙です。これが、このような内容をわざわざ掲載したということは、中国共産党幹部どもは、安倍総理の行動にキリキリ舞させられていることを示しています。そうでなければ、わざわざこのような記事を掲載する必要性は全くありません。

もうこの時点で中国側は、苛つきを隠せないレベルにまで達していたということです。現実には、安倍政権は、ステップを踏み、中国をそのステップに合わせて踊らせていたということです。そうして、中国は疲労困憊して、馬鹿げて見られていたということです。安倍政権は、敢えて首脳会談もすることなく、「傍観者」を決めこみ、ひまわりの種ではなく、ピーナツを食べながら、お茶を飲み中国が踊りに疲れて全身汗だらけになる様子を楽しんでいたということです。そうして、現在はさらに中国の疲労困憊はさらに進んでいるということです。

ちなみに、ひまわりの種は、日本では食べ物という意識ありませんが、実際食べてみると、美味しいです。中国では広くスナック菓子などとして利用されています。日本でいえば、ピーナツという感じです。

外国では普通に売られている食用のひまわりの種

人と人との間でも、国と国との間でも、いくら頻繁に会ったとしても、肝心要の本当の意味でのコミュニケーションは成り立っていない場合があります。コミュニケーションの究極の目的は、ただ単に情報を伝え合うということではありません。それは、最終的には片方もしくは、両方の心を変えるということです。

だから、安倍総理流対中国コミュニケーションが他のどの手法よりも、効く場合もあり得るのです。

私は、そう思います。皆さんはどう思われますか?

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2013年9月15日日曜日

菅直人氏 台湾で原発について語り注目・歓迎される―【私の論評】菅総理を招いた台湾の市民団体とは、もちろんプロ市民団体!この馬鹿の勘違い人生はまだまだ続く(゚д゚)!ドラッカーのコミュニケーションの有り様を示す格好の事例か?

菅直人氏 台湾で原発について語り注目・歓迎される

台湾を訪れた菅直人元首相

菅直人元首相が15日、訪問先の台湾から帰国した。菅氏は台湾の原発反対グループの招きで台湾を訪れ、福島原発事故や、再生可能エネルギーについて語ることを宣言していた。

菅氏は15日に更新したブログで台湾における原発の関心レベルについて言及。「台湾では福島原発事故について話をするために訪問した私の言動について、連日新聞やテレビが大きく報道してくれた」とのことで、菅氏への注目度は高かったようであり、歓迎されたようだ。

この背景には、台湾で原発反対の世論が盛り上がっていることもあるという。台湾ではこの半年以上、反原発の集会が毎週行われており、中心は映画監督、作家、俳優など幅広い文化人だという。

菅氏が13日の集会でスピーチを行ったところ、大きな拍手を受け、テレビや新聞などのメディアから報じられたようだ。菅氏は参加している人気俳優に「仕事を干されることはないか」と聞いたところ、「それはない」と言われたようだ。これを受け、「日本より民主的で自由な社会の雰囲気を感じた」と感想を述べている。

【私の論評】菅総理を招いた台湾の市民団体とは、もちろんプロ市民団体!この馬鹿の勘違い人生はまだまだ続く(゚д゚)!ドラッカーのコミュニケーションの有り様を示す格好の事例か?

菅元首相が台湾を訪れたそうですが、この人の勘違い人生も相当なものです。もともと、菅さんのせいで、福島原発の惨劇が大きくなったということではありませんでしたか?なんで、わざわざ、官邸をあけて、福島までヘリコプターで乗り込む必要があったのでしょうか?これに関しては、あの枝野ですら、現地視察をやめるべきだということを進言していたことがわかっています。


余計なことをしたので、現地での対応が遅れてしまったということは否めません。

日本では、なぜか報道されませんが、台湾で菅さんを招いた市民団体とは、無論プロ市民団体です。それも、左翼系です。

こうした動きに対しては、当然台湾でも大反対の動きもありました。これに関しては、なぜかほとんどのメディアが無視です。まあ、そもそも、もと総理大臣とはいえ、今民主党の一国会議員にすぎないですし、それも、主流派ではなく亜流の政治家です。だから、報道しないのでしょうが、それだったら、最初からこんなものの台湾訪問など、報道すべきではありません。

しかし、以下のような反対運動の写真もあります。


台湾だって、メディアがありますし、それにインターネットもみることができます。それに、台湾では日本語が読める人もかなりいます。菅の原発事故での不手際も知っている人は大勢います。


菅は、日本では、メデイアがほとんど報道しないですし、台湾の報道はみないでしょうから、歓迎されていると思いこんでいるのです。菅さんは、総理大臣だったときに、政権の末期でも、現地に行くと、歓迎されたので、民主党も自分の政権も、まだまんざらではないと思い込んでいたようです。

以前コミュニケーションについて、このブログに掲載したことがあります。そのURLを以下に掲載します。
消費税増税に7割が賛成 結論見え見えの有識者会議の意味 - 高橋洋一の俗論を撃つ!―【私の論評】確かに、これだけ増税賛成派ばかりだと作為的である。最終的には安倍総理はこれを吹き飛ばし、官僚を震撼させ覚醒のための大ショックを与え政治主導を勝ち取る腹か?
詳細はこの記事をご覧いただくものとして、ドラッカーはコミュニケーションについて以下のように語っています。
人の心は期待していないものを知覚することに抵抗し、期待しているものを知覚できないことに抵抗する。コミュニケーションの発する側が、何かを話したとしても、受け取る側は、自ら既知の枠組みの中に、あてはめて受取り、既知のものとして受け取ってしまう。  
菅さん、まさにドラッカの言っているように、「期待していないものを近くすることに抵抗し、期待しているものを知覚できないことに抵抗」しているのだと思います。 そうして、コミュニケーションの発する側が、何か話したとしても、菅さんは、自らの既知の枠組みの中に、あてはめて受取り、既知のものとして受け取っているだと思います。

ようするに、いくら批判されても、自分の既知の枠組みの中にあてはめて受取、既知のものとして受け取っているのです。要するに、批判は一切受け取れず、自分の都合の良いように解釈をしてしまうとうことです。

上の菅さんの事例は、ドラッカーのいう「人は期待するものしか受け取らない」というコミュニケーションの最大の障害を如実に示す格好のケース・スタディーではないかと思います。

ドラッカーは、こういうときには、相手の期待を木っ端微塵に打ち砕く、覚醒のためのショックが必要としています。要する、「叱る」ということです。

しかし、叱って言うことを聴かせることも、あらがじめある前提をクリアしておかないと不可能だとしています。

それは、何かといえば、「経験の共有」です。これをクリアしておかないと、コミュニケーションは成立しないのです。しかし、菅さんや、民主党の幹部などと「経験の共有」をするというのは本当に難しいことです。大学で学生運動をやってみたり、「プロ市民」をやったり、プロ市民のデモにでも参加すれば、「経験の共有」ができるかもしれません。

しかし、そんなことはやりたくないです。であれば、もともとコミュニケーションなど成り立たないのかもしれません。

ドラッカーは、コミュニケーションの本質をコミニケーションとは私からあなたへ一方的伝えるものではないし、あなたから私へと一方的に伝わるものでもないとしています。

そうして、「コミュニケーションとは私たちの中の一人から、私たちの中のもう一人に伝わるもの」としています。このためには、普段からコミュニケーションをかわさなければならない人々と、「経験の共有」をしておかなければならないとしています。

そうなると、民衆党の人々とはなかなか「経験の共有」などできませんから、結局本当の意味でのコミュニケーションはなりたたないということです。

そうでしょうね。これに関しては、民主党のほうから、他の人たちに歩み寄る必要があるのだと思います。そうしなければ、彼らいつまでも多くの人々のコミュニケーションを交わすことができないということです。それに彼らは気づいてません。菅さんも全く気づいていません。

これは、民主党に限らず、最近では、いわゆる増税派の人々のも同じことなのだと思います。彼らが、気付くのは、増税が見送られ、景気が良くなり、本当にデフレから脱却できたときだと思います。そうなれば、増税の間違いが誰にでも理解できるようになります。

しかし、増税派にもそういうまともな人も少数かもしれません。やはり、なんだかんだと理由をつけて、自ら既知の枠組みの中に、あてはめて受取り、既知のものとして受けって、いつまでたっても、増税見送り派とコミュニケーションをまともに交わすことはできないのだと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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上の三冊は、有害図書です。良い子は買って読んではいけません。

2012年12月19日水曜日

武器としてのコミュニケーション〔その3)−【私の論評】コミュニケーションの本質に触れられていませんが?

武器としてのコミュニケーション〔その3〕

良くいわれる、報国・連絡・相談をこま目にやれば、コミュニケーションが深まるとは限らない
職場で仕事をスムーズに進めたいなら、まず相手に対する態度や姿勢も考えて「自分を正す」ことが重要です。なぜなら、親しき仲にも礼儀が大事だからです。 具体的には、背中をピンと伸ばして「これからちゃんと話すますよ」というスタンスを示すことで、相手に対話したい意欲が伝わるはずです。さらに、お互いの目線が合うような体勢を心掛けてください。たとえば、席に座っている上司に対して、 立ったままで業務報告=× で...

このニュースの続きはこちらから!!


【私の論評】コミュニケーションの本質に触れられていませんが?

最近コミュニケーションが重要だと、色々特集されています。上の記事もその類型に漏れないものです。特にテレビで見ていて、いろいろな会社の人事採用をする方々のいう、いわゆる欲しい学生のほとんどが、「コミュニケーション能力が優れている学生」というものです。2〜3類型をあげて語られることが多いですが、その中にまるではんを押したように、ほとんどの人事採用担当の方が「コミュニケーション」という言葉をあげています。


そうした話を聴いたり、上の記事を読んだりすると、いつもこれでいいのかと思ってしまうことがしばしばあります。本日は、その話題について掲載します。ちなみに、このブログでも、良くとりあげるドラッカー氏はコミュニケーションの四つの原理について、以下を提示しています。
1.コミュニケーションを成立させるのは「話し手」ではなく「受け手」であること。
2.人は知りたい、感じたいと期待しているものだけを知覚すること。
3.「話し手」は常に「受け手」に対し何かを要求すること。
4.コミュニケーションと情報は別物であり、依存しあっているということ。

この四つに関して、わざわざ、ここで説明するようなことはしません。詳細は、ドラッカーのマネジメントに掲載されていますし、それに、"ドラッカー,コミュニケーション"というキーワードでググっていただければ、すぐにでてくると思います。

そうして、ドラッカーのコミュニケーションといえば、ドラッカーの書籍を結構読んでいる方でも、この四つであるとしてしまう人が多いです。しかし、ドラッカーの書籍など、良く読んでいただければ、わかることですが、ドラッカー氏は、これを原理とはしていますが、本質とはしていません。上の「武器としてのコミュニケーション(その3)」となっていましたので、その2、その1も読んでみましたが、結局ドラッカーの本質については語ってはいませんでした。
結局上の原理を手を変え品を変え、言っているという具合です。それは、それで結構なことです。悪いとか、間違いであるなどとはいうつもりはありません。

しかし、人事採用担当とか、会社でも、職位の高い方々には、知っておいて頂きたいと思うのが、ドラッカーのコミュニケーションの本質です。この本質は、単純に聴くと、「なーんだそんなことか」となってしまいますが、かなり意味深長です。軽く受け止めるべきではないと思います。

その本質とは、「コミュニケーションとは、私たちの中の一人から、私たちの中の他のもう一人に伝わるものである」というものです。そうして、ドラッカー氏自身が、このことに気づくのに、随分失敗した上で、この境地にたどり着いたことをマネジメントの中で告白しています。

コミュニケーションの四要素
コミュニケーションを円滑にするには、まずは、上の原理も大切ですが、まずはコミュニケーションを交わさなければらない人々が「私たち」という関係になっていなければならないということです。それなしに、いくら上の四原則に従いコミュニケーションをしたとしても、さほど効果は、あげられないということです。

そうして、「私たち」といえる関係になるためには「経験の共有」が不可欠ということです。経験の共有などというと、私は、何を最初に思い出すかといえば、ドラッカー氏は、そのようなことは語っていませんが、「セックス」ですね。本当に愛し合っている男女であれば、性行為などで、これ以上は、近づけないというくらい密着して合体するわけですが、これを何回も重ねたり、それだけではなく、会話をしたり、一緒に住んだりすれば、これ以上の「経験の共有」はないと思います。中には、男女ではなく、男同士とか、女性同士で関係をもつユニークな方々もいらっしゃいますが、そういう方々同志でも、男女間に劣らない、密接な「経験の共有」ができるのだと思います。


そういう意味では、「セックス」は最高のコミュニケーション手段なのかもしれません。そういわれてみれば、長年連れ添った夫婦など、他の人には、入り込めないし理解できない壁があるのも当然です。そうはいっても、職場においては、すべての女性とセックスするわけにはいかないし、ましてや、男性すべてするわけには毛頭いきませんから、「セックス」に変わる経験の共有をしなければなりません。

だからこそ、職場でのコミュニケーションは、難しいのです。これを上記の四原則をただ適用したり、上の記事の内容など適用するだけでは難しいのです。そうして、本当に職場や、会社で、コミュニケーションをなりたたせることができれば、そのような職場や、会社は、最強の組織になると思います。


ドラッカー氏は、これに対する処方箋を出しています。それは、いわゆる「目標管理」です。これによって、部下は、上記の複雑な立場を理解できるし、上司も部立場が理解できるようになり、コミュニケーションが深まるとしています。長い間、企業のマネジメントにかかわってきて、マネジメントの大家である、ドラッカー氏は、いうことですから、正しいのだと思います。



ただし、これらを査定の資料にしてしまったり、おざなりになってしまっては、効果が出ないのだと思います。やはり、丹念に、丁寧に、そうして、熱心に、継続して、改良を続け、それをやるのが当たり前になるほど、高めたところだけが、コミュニケーションに成功するのだと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われるすか?




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2012年7月23日月曜日

相手の話を聴くときの9つのスキル~朝の読書『上から目線の扱い方』―【私の論評】組織内外のことはドラッカーに原点がある!!



職場の困った「何様」上司&部下には、こう対処しろ!本書の帯には、こんな言葉が躍ります。『「上から目線」の扱い方』(榎本博明著、アスコムBOOKS)は、会社において誰しもが経験するであろう人間関係にひとつの解を与えてくれる一冊です。部下に対して、または上司に対してどう接するべきか。手助けのつもりで声をかけた部下から「偉そうに」と陰口を叩かれたり、はたまた上司に威張り散らされ辟易としたり...。いずれの場合にも人間関係を阻害する一因となるのが「上から目線」であるとして、それに対し、いかに対応していくべきか書かれています。本書より一部紹介します。円滑なコミュニケーションのために必要な、「相手の懐に飛び込んで、話をしっかり聴く」ための9つのスキルです。 

【私の論評】 組織内外のことはドラッカーに原点がある!!

プレゼンスキルだけで、人を感動させることはできない
上の記事では、以下の9つのスキルを掲載しています。
相手に興味をもつ 
相手の話に意識を集中する 
うなずきを多用する 
あいづちを打ちながら聴く 
共感しながら聴く 

相手の言葉の一部を繰り返す(反映の技法) 
はっきりつかみきれないところは確認する(明確化の技法) 
質問をすることで、関心をもって聴いていることを暗に示す 
似たような経験が自分にもあれば、それを簡単に話す
この書籍は、あくまで、比較的若い人を対象として、自己の立場から、どのように話を聴けば良いのか、そのスキルを掲載したものだと思います。だから、対象の人が読むには、これは、これで良いことだと思います。また、この書籍の著者もそれを意図しているのだと思います。しかし、コミュニケーションを深めるという立場からは、これだけでは不十分です。

もし、この書籍に書いてあることを部下が実施すれば、たちどころにコミュニケーションが成立すると考える管理者や経営者がいるとすれば、それは愚かなことです。



上記のスキルは、スキルという言葉が示すように、所詮ツールにすぎません。ツールがどんなに優れていたからと言って、それで良しということはありません。どんなに優れたツールをもっていようとも、それで仕事がうまくいくとは限りません。たとえば、切れ味の良い素晴らしい包丁を持ったからといって、素晴らしい料理ができるとは限りません。素晴らしいグローブや、バットを持ったからといって、野球に勝てるわけではありません。では、どうすれば、良いのでしょうか?





ドラッカーは、コミュにーションを深めるためには、目標管理を導入せよと主張しています。
目標管理を導入せずして組織の円滑なコミュニケーションはない 「耳を傾けることはコミュニケーションの前提である。だが、耳を傾けるだけでは、効果的なコミュニケーションは実現しない」(『マネジメント[エッセンシャル版]』) 
耳を傾けることは、上の者が下の者の言うことを理解できて初めて有効となる。ところがドラッカーは、下の者は当然のことながら、上の者であってもコミュニケーション能力を持ち合わせているとは限らないという。 
そこでドラッカーは、組織におけるコミュニケーションの近道を教える。しかも、近道であって王道である。それはドラッカーが開発した目標管理(MBO)だ。 
ドラッカーは目標管理を導入して初めて組織の円滑なコミュニケーションが成り立つという。なぜなら部下は、会社もしくは自らの部門において、いかなる貢献ができるのかを明らかにすることが求められるからである。 
部下の考えが上司の期待どおりであることは稀である。事実、目標管理の最大の副産物は、上司と部下のものの見方の違いを明らかにすることにある。 
同じ事実を違ったように見ていることを互いに知ることこそが、コミュニケーションの第一歩である。 
「コミュニケーションは私からあなたへ伝達するものではない。それは、われわれのなかの一人から、われわれのなかのもう一人へ伝達するものである。組織においてコミュニケーションは手段ではない。それは組織のあり方そのものである」(『マネジメント[エッセンシャル版]』)
ドラッカーは、コミュニケーションは「われわれのなかの一人から、われわれのなかのもう一人へ伝達するものある」としています。まさしく、そういうことです。これは、コミュニケーションをかわす人たち、かわさなければならない人たちは、「私とあなた」「私と大勢」「大勢と私」という関係ではなく、「われわれ」という関係になっていなければならないことを言っているのです。


これが、コミュニケーションの本質です。そうして、「われわれ」「私たち」「俺たち」という関係にならければならないということです。そうして、ドラッカーが目標管理が友好であるというのは、無論こうした文脈においての話です。ただ、目標管理をやりさえすれば、すぐにコミュニケーションがなりたつということではありません。しかし、こういう文脈の上で、目標管理管理を実施すれば、コミュニケーションがより深まるということです。

実際に、目標管理を導入しても、いっこうにうまくいかない企業があります。このようなことをせずとも、コミュニケーションが良い企業もあります。「われわれ」という関係になるのは、どういうことかといえば、様々な「経験」を共有するということです。


仕事をただ機械的にするだけではなく、うまくいけば皆で喜ぶ、失敗しても、皆で残念に思い反省し、次に生かすようする。たまには、飲みに行ったりしたり、飲みだけでなく、趣味の集まりとか、会社でも、様々な行動をともにするこによって、「われわれ」という関係が生まれます。そういう下地ができているところで、目標管理を実施するとますます、コミュニケーションが深まるということです。そうして、さきほどのスキルも生きてきます。


スキルや、ツールをよくしただけでは、何も変わらないということです。本日のように、コミュニケーションに関することでも、こと、企業内外というより、組織内外ということで考えてみた場合は、やはり、どのようなことでも、原点はドラッカーにあるといっても過言ではありません。できたら、やはり、ドラッカーを読んで考えてみることが、近道だと思います。「上から目線」に関することも、ドラッカーの書籍をみれば、多くの書籍に、宝石のようにあちらこちらに、智慧がきら星のごとく、輝いて見えることでしよう。とにかく、いわゆる組織内外のマネジメントに関わることなど、まずはドラッカーの書籍を読むのが一番と思います。

皆さんは、どう思われますか?




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時代遅れの偵察衛星システムで日本は隣国からのミサイル攻撃を防げるのか?―【私の論評】シギント(信号諜報)の重要性と日米台の宇宙からの監視能力 - 中国の脅威に備えるべき課題

時代遅れの偵察衛星システムで日本は隣国からのミサイル攻撃を防げるのか? ■ 江崎 道朗   茂田 忠良 書籍『シギント 最強のインテリジェンス』より まとめ 日本が「反撃能力」の保有を決定したが、具体的にどの武器をどう使うかが曖昧 トマホーク巡航ミサイル購入、国産ミサイル射程延伸...