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2012年9月21日金曜日

ちょっとイイ話! 愛から生まれた世界的ヒット商品の開発秘話−【私の論評】愛は社会を変革する!!

ちょっとイイ話! 愛から生まれた世界的ヒット商品の開発秘話:


世の中にはたったひとりの愛する女性のために作ったもの大ヒット商品となることがあります。

そこにはピュアな愛と思いやりで溢れ、商売根性な計算はありません。
そんな世界的ヒット商品のエピソードをまとめてみました。
■マスカラ
ある薬剤師トーマスが妹メイベルのためにワセリンと石炭粉をブレンドし、世界初のマスカラを開発。目が小さいことが悩みだった妹は、兄が考案したマスカラ... 続きを読む

■著者データ

マイスピ

ウェブサイト: http://www.myspiritual.jp/news/



【私の論評】愛は社会を変革する!!

メイベルへの愛がなければ、メイベリンは生まれなかった?!
上の記事、ちょっとイイ話としていますが、これは「かなり良い」話だと思います。「マスカラ、医療用ゴム手袋、原動機付自転車、バンドエイド」これらの製品が、すべて身の回りの本当に親しい人のために生まれたというのは、全く偶然でありません。これは、どれも起こるべくして起こった、イノベーションだと思います。(本日は、インパクトのあるマスカラ美人の写真とともに、掲載させて頂きます【笑い】!!)

さて、イノベーションとはなんでしょう。ドラッカーは以下のように言っています。
イノベーションは企業家の道具−イノベーションに成功するには3つの心得がある 
「企業家はイノベーションを行う。イノベーションは企業家に特有の道具である。イノベーションは、富を創造する能力を資源に与える。それどころか、イノベーションが資源を創造する」(ドラッカー名著集(5)『イノベーションと企業家精神』) 
 ドラッカーは、イノベーションに成功するには、3つの心得が必要だという。いずれも当たり前のことでありながら、しばしば無視される。 
 第一に、集中しなければならない。複数の異なる分野でイノベーションに成功することはほとんどない。あのトーマス・エジソンさえ、発明を発明したといわれるほど発明の方法論に通暁しながら、電気の分野でしかイノベーションを行なわなかった。 
 イノベーションには、勤勉、持続、献身を必要とする。集中することなくして、これらのものを手にすることはできない。知識は多分野のものを必要とするであろう。だが、目指すものについては、集中がなければならない。 
 第二に、強みを基盤としなければならない。あらゆる人、あらゆる組織に、得意と不得意がある。イノベーションに利用できるのは、得意とする能力である。あらゆる機会を検討し、自らの能力を最も生かしてくれる機会を探す。 
 相性も必要である。狙いとするものの価値を心底信じていなければならない。さもなければ、忍耐を必要とするイノベーションの仕事はできない。 
 ありがたいことに、多くの場合、強みと価値観は一致する。 
 第三に、世の中を大きく変えるものでなければならない。イノベーションとは、あくまでも市場志向たるべきものである。誰かが買って、使ってくれなければ、イノベーションとはならない。イノベーションとは、市場に発し、市場で花開き、市場で実を結ぶべきものである。 
 イノベーションのためのイノベーションは、珍奇なものは生んでも、イノベーションとはならない。 
「企業家として成功する者は、その目的が金であれ、力であれ、あるいは好奇心であれ名声であれ、価値を創造し社会に貢献しようとする。その目指すものは大きい。すでに存在するものの修正や改善では満足しない」(『イノベーションと企業家精神』)
クリックすると拡大します。拡大するとマスカラの凄さがわかります!!
さて、上の記事の、身近な愛する人への贈り物としてのイノベーションは、まさに、この三つを満たしています。第一の集中というこでは、これらを実施した人たちは、まずは、身近な人の嫌がること、大変なことに、集中しています。集中しなければ、これらのことはなし得なかったことでしょう。

第二の強みを基盤とすることでも、これらの偉業を成し遂げた人たちは、すべて自分の強みを基盤としてこれらをなしとげています。メーベリンは、薬剤師という能力を最大限に活かしています。その他の事例もまさにそうです。

第三の、世の中を大きく変えるものということでも、確かに、すべての事例が、大きく変えています。メーベリンも、世の中、社会をずいぶん変えたと思います。無論世の中を大きく変えようと思って、着手したわけではないのですが、どの試みも、自分の身近な愛しい人のために、努力したのですが、結局世の中には、自分の身近な人だけではなく、同じことで悩んでいる人がたくさんいたので、結局社会を大きく変えることにつながっていました。

「ドラッカーは、企業家として成功するものは、価値を創造し社会に貢献しようとする」としています。まさに、これこそが、企業家がイノベーティブになる最短の近道だと思います。ただし、社会とはいっても、広範囲ですから、まずは身近な人に着目するということが、大きな社会貢献につながる可能性が高いです。まずは、身近な人のことに、関心を持たない人は、多くの人たちで構成されている社会にだって関心を持てるはずがありません。

まずは、身近な人に焦点をあてて、その人が困っていること、あるいはもっと便利にしてあれげることなどを考え、さらに、それが、本当に社会に貢献するかまで見通すことによって、はじめて、イノベーションが可能になります。



ドラかーは、さらに同じ『イノベーションと起業家精神で』イノベーションでやってはいいなことを述べています。
イノベーションの三つのタブー 
「企業家たる者は、体系的にイノベーションを行わなければならない」(ドラッカー名著集(5)『イノベーションと企業家精神』) 
 イノベーションは思いつきではない。地道な作業である。 
 しかもドラッカーは、イノベーションに成功するには避けるべきタブーが3つあるという。それはちょうど、イノベーションに成功するための心得を反対側から見た注意事項でもある。 
 第一に、凝り過ぎてはならない。凝り過ぎは失敗の元であり、生産者側の自己満足にすぎない。懲り過ぎた財・サービスに大事な時間とおカネを使う者はいない。博物館で見せてもらえばよい。 
 大きな事業にしたいのであれば、時間もおカネもさほど余裕のない人たちが、気軽に買って気軽に使えるものでなければならない。ドラッカーは、組み立て方や使い方の凝ったイノベーションは、ほとんど例外なく失敗してきたという。 
 第二に、多角化してはならない。これは、イノベーションに成功するには集中しなければならないとの心得と同義である。核のないイノベーションは、雲散してアイディアにとどまり、イノベーションには至らない。 
 イノベーションの成功には大勢の人たちの参画が必要である。共通の核がなければ、参画に必要な理解も不可能となる。 
 第三に、明日のためにイノベーションを行なってはならない。イノベーションはすべて、今日のために行なわなければならない。 
 イノベーションが完成するには日にちを要するかもしれない。しかし、「20年後には大勢の高齢者がこれを必要とする」といえるだけでは十分ではない。「これを必要とする高齢者はすでに大勢いる。20年後にはもっと大勢いる」といえなければならない。
医薬品の開発では、10年を要することが珍しくない。しかし今日、医療上のニーズがない開発に取りかかる製薬会社はない。 
「成功したイノベーションのほとんどが平凡である。単に変化を利用したものにすぎない。したがって、イノベーションの体系とは、具体的、処方的な体系である。すなわちそれは、変化に関わる方法論、企業家的な機会を提供してくれる典型的な変化を体系的に調べるための方法論である」(『イノベーションと企業家精神』)

身近な人たちに対する愛によって、イノベーションを行った人たちも、見事にこのタブーは破っていません。第一の凝り過ぎてということは、ありませんでした。一番最初のメーベリンだって、今のマスカラと基本的には変わりません。もし、凝ってつくっていたら、一部のお金持ちしか使わず、結局珍奇な発明として、博物館入りしていたかもしれません。そうして、他の人が開発した現在あるようなマスカラが、主流になっていたことは間違いありません。

第二の多角化もしていません。すべて自分達の持てる力を最大限に活かして、新しいことに挑戦しています。またったく新しい技術や、考え方を投入して行っていることは一つもありません。

中国の女の子のメイク前と、メイク後、落差が激しいですな!!これも偉大な社会変革?

第三の明日のためのイノベーションも誰も行っていません。メーベリンは、妹の現在のニーズにあっていたものでしたが、将来数多く女性たちが使うことは十分予想することができました。他のイノベーションも同じことがいえました。だからこそ、大成功したのです。

それにしても、身近な愛しい人に着目した人たちがイノベーションに大成功しているということです。以上で、私が最初に掲載した、これらのイノベーションは起こるべくして起こったという意味がお分かりいただけたち思います。このような事上記の記事に経済されているのは、ほんのわずかであり、探せばまだまだあります。

では、私たちは、このような事実からどのような教訓を読み取るべきでしょうか?

私は、企業家のやることは、確かに、社会に貢献することなのですが、結果としてそうなることは良くわかります。しかし、社会というとあまりに広く茫漠としています。社会に対して、感受性が高い人などは、最初から社会に着目して、社会貢献できるのでしょうが、普通の人は、なかなかそういうわけにはいきません。


であれば、まずは、自分の本当大切な人から、その人たちのニーズや困っていること、シーズなどを注目するということからはじめては、いかがでしょうか。そうしつつ、広げていくのです。会社の同僚とか、町内会の人などから始めるのです。であれば、やりやすいし、かなり具体的にイメージできます。こうしたことを日常的に行えるようになれば、いずれ、新聞や、テレビでみたような社会の大きな動きも、さらに、具体的に見えるようになるはずです。

そうして、その根底にあるのは、「愛」です。「愛」という言葉が、重すぎるとか、気恥ずかしいと思う方などは、無理に「愛」という言葉を遣わなくても良いと思います。「思いやり」、「良い意味での関心を持つ」とか、そんな言い方でもかまわないと思います。

そうして、それが、本当に当人たちにとってイノベーションになるようなことが発見できたとすれば、それが、本当に社会に大きく影響を与えて、社会貢献になるかどうかを考えて、市場に投入することを決めればよいのです。

私は、そう思います。皆さんは、どうお考えになりますか?

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2012年7月19日木曜日

誰でも無料で一流大学の講義が受けられる!?オンライン授業「コーセラ」は教育で社会変革を起こせるか - ビジネスモデルの破壊者たち―【私の論評】社会変革を大成功させる新たな「ビジネス・モデル」を打ち立てよ!!

誰でも無料で一流大学の講義が受けられる!?オンライン授業「コーセラ」は教育で社会変革を起こせるか - ビジネスモデルの破壊者たち:

Coursera
スタンフォード大学から生まれた無料のオンライン授業「コーセラ」が話題を呼んでいる。今までも大学の授業を公開するオンライン授業はいくつかあった。だが、コーセラは他とは全然違う。なんと、宿題もあり、しかも質問を投げかけることも可能なのだ。 (画像はブログ管理人掲載)

提供されているカリキュラム

この記事のつづきはこちらから!!


【私の論評】社会変革を大成功させる新たな「ビジネス・モデル」を打ち立てよ!!

「コーセラ」なかなか、良さそうです。これに類したものは、過去にもいくつかあったと思います。たとえば、iTunes Universityなども含めて結構いまでもあるのですが、結局どれも中途半端で、実際に受講したことはありません。


特に提供している内容が良いと思います。これらの内容など、社会人にも興味が持て、やってみようという気になるものが多いです。それに、英語の勉強にはかなりなりそうです。変に、英会話の勉強するよりははるかに実践的な英語が身につきそうです。

これらなら、どれかのコースを選んで私も受講してみたいと思ったので、実際に登録してみました。そうして、あるコースも登録しました。そうして、気づいたのですが、これは一般に良くeラーニングにみられるように、いつでも受講開始ができるというものではなく、普通の大学のように、講義がスタートし、そこに一斉に受講者が受講を開始し、中間には中間試験もあるし、期末には、期末試験もあります。個々の講義の後には、質問や、課題もあります。最終的に教授からの評価もあります。もし登録して、実際に受講をはじめたら、このブログでもその内容など、掲載させていただきます。そうして、本日は、セクシーな先生の画像とともに掲載させていだきます。それにしても、こんなセクシーな先生ばかりだと、あまり勉強が身につかないかもしれません。やはり、eラーニングのほうが、良いかも(笑)!!


それにしても、このような教育システムいまこそ必要だし、重要だと思います。

ドラッカー氏は、かつて、成人の教育に関して以下のようなことを語っています。

学習が、大人になれば止めるものでなく、生涯継続すべきものとなったからには、学校もまた継続学習に向けて組織されなければならない。(『断絶の時代』)

まもなく、あらゆる人が、数年ごとに学校に戻ることが当然となることも語っていました。成人が学校に戻ることが常識になるとも言っていました。ただしこの書籍を読んだ時には、「そうなれば確かに良いのだか、本当にできるのだろうか?」という半信半疑な気持ちがありました。しかし、今日のeラーニングの興隆や、この「コーセラ」を見ていると、今日では、可能であると確信するに至りました。

現在なら、SNSもあり、SNSでは、動画は見られるものの、ビデオチャツトもできるわけですから、可能性は無限です。ただし、やはり、何らかの形でスクーリングも実施すべきと思います。ただし、ビデオチャツトなどで、普段から話をできるようにしておけば、スクーリングの時間もかなり密度の濃い実りのあるものにできる可能性が高いです。

それから、ドラッカーは、18歳で学校に行くのをやめたからといって、知識労働に必要な知的資質を欠いていると見なすべき理由はないと語っています。むしろ逆だと言っています。

10年もすると、誰もが学校に戻りたくなる。そのとき彼らは、その強い動機づけのゆえにきわめて意欲的な学生となる。

確かにそうです。今では大学はおろか、中学、高校でさえ、勉強することの意味を見いだせない人間で溢れています。そんな人が大学に行っても、あまり学問など身につかないと思います。ただし、このブログにも以前紹介したように、いわゆる、中学・高校時代にある程度以上の詰め込みをしておかないと、その後リーダー的な資質を持つことは困難になるようです。ただし、すべての人が、リーダーになるわけではないので、リーダー教育は別として、多くの人が、学びたい時に学べる環境を整えることは良いことだと思います。


知識社会における現在では、人生のいかなる段階にあろうと、さらに高度な知識労働への道を開くことができなければなならないと思います。そして社会は、年齢にかかわりなく、いかなる人をも受け入れなければならないのです。そのようにして、組織の多様性も確保されます。

知識が仕事に不可欠になったからには、継続学習、すなわち成人を何度も学校に帰らせることが必要です。日本でも、社会人学生が増え、専門職大学院が次々に設立されています。

今日すでにあらゆる分野の人たちが、自らの再教育のために学校に戻り始めています。


知識社会では学校と生活は切り離されたものではありえない。学校と生活は相互にフィードバックしあうという有機的なプロセスとして結合される。これこそが、継続学習が目指すものである」(『断絶の時代』)
さて、上ではドラッカーの『断絶の時代』のなかから、いくつか言葉を選んで掲載させていただきました。この著作が出版された時代には、無論、eラーニングなど存在していませんでした。しかし、その後の著作の中には、無論でてきて、ドラッカーもこれ成人教育に大きな役割を果たし大きな社会変革になるであろうことを語っていました。そうして、eラーニングが、今世紀の大きな産業になるであろうことも語っていました。

 
上の記事にも、「無料でオンライン授業を提供するとは言っても、コーセラは営利目的の企業である。一体、収入を上げるためのビジネスモデルは何か」と掲載されていました。この「コーセラ」今のところ、ユーザーを増やすことに集中しているのだと思います。そのため、まだ、何によって利益を得ていくのか明らかではありません。しかし、何らかの方法で利益をあげることも考えているのだと思います。それに、大きなムーブメントとなれば、政府からの補助金や、企業や、個人からの献金も期待できます。NPOにするということも考えられます。

欧米では、営利企業だろうが、非営利企業だろうが、いわゆる事業はビジネスと呼び、そのモデルは、ビジネス・モデルと呼びます。ぜひとも、この社会変革を大成功させる新たな「ビジネス・モデル」を打ち立てていただきたいものです。そうして、私たちも、このようなモデルをみならって、ビジネス・モデルの破壊者をめざしたいものです。

そうして、この「コーセラ」のやりかたは、このブログでも、しばしば述べている現在アメリカで、大潮流となっている「スペンド・シフト」という消費動向に適合した動きであります。



スペンド・シフトは、以前このブログにも掲載したことがありますので、ここでは詳細は述べませんが、簡単に触れておくと、以下の様なものです。

自分を飾るより ⇒ 自分を賢くするためにお金を使う。

ただ安く買うより ⇒ 地域が潤うようにお金を使う。モノを手に入れるより ⇒ 絆を強めるためにお金を使う。

有名企業でなくても ⇒ 信頼できる企業から買う。

消費するだけでなく ⇒ 自ら創造する人になる。

コーセラは、自分を賢くするために時間を使うことになりますし、受講者どうしで絆を深めることもできるし、自ら創造する人になるための手助けをしてくれるものともなるということで、この潮流にも十分のっているものと思います。いずれゴーセラも、何らかの形で利益などをあげて、このような事業を継続できるようにするビジネス・モデルの全貌が見えてくると思います。素晴らしいチャレンジだと思います。実際に評価するのは、それからになるとは思います。しかし、私たちも、このようなチャレンジを見習いたいものてす。




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2012年6月7日木曜日

Facebook新機能『宣伝広告』の可能性!―【私の論評】宣伝広告機能は、社会的イノベーションを加速するか?

Facebook新機能『宣伝広告』の可能性!:

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先月末、Facebookは、企業やブランドのFacebookページからの投稿を、もっと効果的に拡散する新しい機能を発表しました。この機能は宣伝広告(promoted post)と呼ばれ、一定の料金を支払うことによって、投稿をより多くのユーザーに届けるというものです。日本語版Facebookは今のところまだこの宣伝広告に対応していませんが、英語版に続いてすぐにサービスが始まるのではと予想されます。

最近のFacebookの発表によると、ブランドによる投稿はファンの僅か12%にしか届かないとのことです。この数字はあくまで平均的なもので、もちろん投稿の内容によってユーザーへのリーチの幅は大きく変わります。投稿内容が平凡で退屈なものであれば、ファンは拡散する価値がないと判断し「いいね!」もコメントもくれませんが、一方で内容が面白く魅力的であれば喜んで「いいね!」やコメントをくれます。するとその投稿はソーシャル・メディア空間でどんどん拡散されて、より多くのユーザーの目に触れることになります。

Facebookは、しばらく前からブランドからの投稿がもっと簡単にもっと効果的にユーザーへ届くようにするにはどうすればいいかと考えてきました。それに加えて先月には株式公開があり、これからはしっかり利益を上げて、株主にそれを還元していかなければならなくなったのです。今回の新機能は、そんなFacebookの企業としての、満を持しての発表というところでしょう。

それでは宣伝広告という機能を少し詳しく見ていきましょう。

例えばあるお店が全品20%引きのセールを行うとします。このお店はFacebookで繋がっている全てのユーザーにセールのことを知ってほしいと思うのが自然です。そこでFacebookにいくらかの料金を払い、ファンの近況フィードにその情報が優先的に流れるようにしてもらうのです。

その際、投稿内容の言語を限定したり、特定の場所のユーザーだけをターゲットにしたりと、従来のターゲッティング広告と同様にキメ細かいマーケティングも可能になっています。また、その広告を何人のユーザーが目にしたのかという数字も正確にトラッキングできます。しかし注意点として、アップロードから既に3日以上経っている投稿は新たに宣伝広告として登録することはできません。

日本語版のFacebookに新機能が対応するようになったら、メイン・ページの投稿、公開ボタンに続いてFacebook広告を出すというボタンが付きます。そのボタンを押すと下にウィンドウが表示され、料金を選ぶことができるようになります。この料金によって投稿がリーチするユーザー数が変わるのです。多くのユーザーに届けたい場合はたくさんの料金を払い、少数のユーザーでよければ少しの料金を払います。宣伝広告は、ユーザーの近況フィードに「広告」というタグを付けて流れます。

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宣伝広告はFacebookでのマーケティングに新しい風を巻き起こすと言われています。中小企業や有名ブランドは、本格的なキャンペーンに今までのような労力と時間を使わなくても、素早く簡単に多くのユーザーにメッセージを届けることができるようになるからです。

新機能の発表が米国で話題を呼んでいるもう一つの理由は、今はページ・オーナーにしか許されていないこの機能が、将来的に個人アカウントでも利用可能なるかもしれないからです。その場合、どういう使い方ができるのかという質問に対してFacebook側は、「例えば新しい仕事を探していて皆に紹介口があるか教えてもらいたい場合、車を売りたいという個人がそれを多くの人に知ってもらうためになど様々な利用法があります。」と答えました。

個人ユーザーからの広告投稿が可能になったら、Facebookはただの広告掲示板になってしまうのではないかと心配する人々がいます。一方でそうなることでFacebook側が提唱する活用法のように、個人の可能性をもっと広げてくれるという前向きな意見もあります。

株式公開を果たしたFacebookが今後どのようにビジネスの幅を広げていくのか、目が離せませんね。

【私の論評】宣伝広告機能は、社会的イノベーションを加速するか?


Facebookは、最近上場しましたが、株価は下落しています。まあ、蓋を開けてみれば、やっぱりなあ、と思います。非論理的な空騒ぎのバブルを市場が嫌ったということです。これに関しては、以前も、ITを背景とした「ニューエコノミー」なるものの幻想を実体験した投資家がほとんどですから、もはや、ニューエコノミー幻想は、すっかり払拭されたということです。SNSバブルなど起こらないとみているというわけです。

当初の時価総額1040億ドルという見方が、ニューエコノミー幻想が消えた現在では、異常だったと思います。facebookは、現在これに見合う利益は今のところ全く出していません。現状のフェイスブックのままでであれば、市場の評価と実利のギャップを今の年収のペースで埋めようとしたら1世紀以上かかってしまいます。


そもそも、フェイスブックを一番良く知る大口初期投資家からしてほぼ全員(マーク・ザッカーバーグ本人も)、金曜の上場前に何千万株という株を売っています。当分は上がる見込みもないから売っているのであって、もっと上がると見込んでいたならなら誰も売らなかったはずです。

ともあれ今回の上場でフェイスブックの懐には160億ドル転がり込みました。評価を気にする投資銀行からの買い支えがとれた月曜についた株価、これが今のフェイスブックの実像です。広告主導のソーシャルメディア会社、モバイル分野などではまだ実績がないのですが、とりあえず黒字は手堅く見える。まだまだ、これからということです。

普通の株と同じように、上がったり、下がったりしながら、じょじょに独り立ちしていくということになると思います。歩き始めの一歩を飾り過ぎた、というだけのことです。

こういう背景もあることから、宣伝広告(promoted post)という機能を付け加えるということだと思います。しかし、私自身としては、この機能は、上の記事にもあるように諸刃の剣だと思います。


私自身は、「ファンの近況フィード」に優先的に流れるという仕組みに関して、多少抵抗感もあります。確かに、企業や個人が、この宣伝広告を大量に使うことになれば、facebook自体が広告宣伝版になってしまうかもしれないからです。しかし、これは、あくまで、ファンになっていなければ、関係ないことなので、あまり神経を尖らす人もいないかもしれません。そもそも、自分にとって関係のないところからは、何も流れてこないのですから、実際に、優先的に流れてきたとしても、さほど気にはならないと思います。

そうして、これは、確かに、個々のユーザーにとっては、かなり便利かもしれません。特に自分が住んでいる地域のお店や企業などによるものであり、しかも、それが自分の気に入ったものであれば、かなり有用です。特に、この"自分の気に入った"というところが、うまくかみ合えば、場合によっては、革新を巻き起こすことができるかもしれません。

この機能に関しては、たとえば、以前述べた、スペンドシフトという消費の潮流にあわせて使うことができれば、確かに革新的になりうると思います。


ちなみに、スペンドシフトに関しては、このブログにも何回か掲載したことがあります。アメリカでは、911あたりから、あらわれ、リーマンショック以降顕著になった消費動向であり、日本でも、最近顕著になりつつあり、震災以降は、かなり顕著になった傾向です。以下にその核心な部分のみコピペしておきます。
自分を飾るより ⇒ 自分を賢くするためにお金を使う。
ただ安く買うより ⇒ 地域が潤うようにお金を使う。
モノを手に入れるより ⇒ 絆を強めるためにお金を使う。
有名企業でなくても ⇒ 信頼できる企業から買う。
消費するだけでなく ⇒ 自ら創造する人になる。
Facebookに関しては、もともと、私がこのブログで主張してきたように、「身の丈にあった情報」が得られやすいということで、「自分を賢くするためにお金を使う」というこには寄与してきたと思います。:現在ある、ブランドのページなども、大企業から個人企業のものまで数多くあり、好きなページを選んで、たとえば、環境問題に力を入れている企業に対して応援するなどのこともできます。


そうして、この宣伝広告機能は、「地域で潤うようにお金を使う」「絆を強めるためにお金を使う」「信頼できる企業から買う」というというところに大きく寄与することになるかもしれません。同じお金を使うにしても、このような要求を満たすためには、既存のマス広告などは、ほとんど役にたちません。しかし、この新機能は、自分のお金をどのように使うべきかを考える人たちにとっては、多いに役に立つ可能性が大です。

それと、宣伝広告機能が、上記のように機能するようになった場合、それを頻繁に見るようになった、facebookのユーザーの中で、社会問題などに興味があり、それを何とか解消しようと真剣に考えていた場合、facebookのタイムラインなど、本当に生きた事例集になる可能性が大です。そうして、いままでは、なかなか実行に移せなかったユーザーが、自ら、何かを販売して、地域が潤うようにするとか、絆を高めるためのイベントを実施するだとか、あるいは、自分のできて他の人にはできないことにより、何らかの価値を創造して、それらを宣伝広告機能により、多くの人に知ってもらい販売し、継続できる機会を増やすなどのことによって、消費するだけではなく、自ら創造する人になるということも考えれます。


従来のような、マス宣伝広告の変形に過ぎないものに終始すれば、現状のGoogleの広告宣伝とあまり変わりないと思います。しかし、上記で私が掲載したような運用のされ方をすれば、これは、社会を変革するきっかけとなるかもしれません。皆さんは、どう思われますか?


【私の論評】

「棚が回る冷蔵庫のCM」に呆れる若者の話−【私の論評】本当の意味でのソーシャルが注目される時代






2012年4月4日水曜日

どんどんとクリエイターは失敗すればいい... ジェームズ・ダイソン、苦労と成功の人生を語る!−【私の論評】確かに、ダイソン氏の言うとおり!!だが、一つだけ満たしておかなければならない、条件がある!!

どんどんとクリエイターは失敗すればいい... ジェームズ・ダイソン、苦労と成功の人生を語る!


【私の論評】確かに、ダイソン氏の言うとおり!!だが、一つだけ満たしておかなければならない、条件がある!!

詳細は、上の記事をご覧いただくものとして、ダイソン氏は、以下のような結論を出しています。

いまでも私は常に失敗していますね。物事とは失敗を繰り返さねば進まないものなのです。だからこそ、失敗しても構わないという寛容な環境を作り出しておくことが大切であり、たとえ社会に出て何年も過ぎた大人であっても、やはり失敗を犯せる自由度が許容されねばならないと私は信じていますよ。
私は、この結論に関して全く反論するわけではないし、全くその通りだとは、思うのですが、ただしというのがあります。多くの人々が、ダイソン氏の上記でいうことを無邪気に信じ込んで、開発現場などに参集し、次から次へと失敗を重ねたら大変なことになるかもしれません。個人にとっても、不幸になる場合もあるかもしれません。そもそも、会社自体が潰れてしまうかもしれません。


そのようなことにならないために、一つだけ、満たしておかなければならないことがあります。それは、いわゆる、"社会性"というやつです。これに関しては、当然ダイソン氏も、あのエジソンも満たしていたことと思います。そうして、あのスティーブ・ジョブスもそうでしょう。彼らも、"社会性"というやつが、あったから、あのような素晴らしいことを成し遂げたのだと思います。(写真上は、エジソン、下は、スティーブ・ジョブズ)


もし、社会性が低ければ、かれらは、あのような偉業を達成することはできなかったでしょうし、さらに、社会性の低い人がが、ダイソン氏やエジソンのように、失敗に失敗を重ねたらとしたら、それこそ、惨憺たる結果を招くと思います。


そうして、無論、ダイソン社の開発の人々も、社会性が低いということはないでしょう。あまり、高くない人もいるかもしれません。社会性がかなり低いという人は、いないと思います。これは、断言できます。そうして、ダイソン社も、他の部署には、多少社会性が低い人をまわしても、開発には、全く低い人を回すようなことはしていないと思います。

このような条件を満たす人、あるいは、満たす会社が、はじめて、ダイソン氏の語っている、繰り返し失敗ということを許されるのです。そうして、ダイソン社の開発をしている人々も、おそらく、その条件は、クリアした人々でしょう。ちなみに、あの電話という当時としては、画期的な発明をしたグラハム・ベルは、事業家としては、失敗して、その後を聾者の救済ということに捧げました。これに関しては、私自身は、ベル氏は、他の成功者と比較すると、社会性があまり高くはなかったことが背景にあるのではないかと思っています。それから、エジソンは確かに大発明家であるには、違いありませんが、彼も、事業家としては、思いのほか成功していません。これも、背景には社会性があるのだと思います。

ただし、社会性とは、いってもかなり茫漠としています。ただ、社会性とは、いっても、つきあいの多いと人々が、社会性が高いとか、KYでない人が、社会性が高いとする人もいるかもしれません。そのため、以下にまた、マインドマップで、その定義のようなものを掲載しておきます。

このマインドマップ、このブログでも過去に紹介したように、「なたもだ」でまとめてあります。これは、「なぜ」、「たとえば」、「もし」、「だから」の頭文字であり、論文など書くときに非常に役にたつものです。これに関しては、以前このブログに掲載したことがあります。それか、マップは、今回は、以前ブログにも書いたように、縦長にしてみました。クリックすれば、大きな画面でごらんいただけます。
さて、マップだけだと理解しにくいところもあると思いますので、多少説明を加えます。社会性といっても、範囲をはじめ、いろいろあります。まずは、近い社会があります。これは、本当に身の回りの社会のことをいいます。それから、遠い社会があります。これは、世界とか、日本とか、身の回りからは、かなり遠い社会という意味です。そうして、これらの社会の丁度真ん中くらいの、中の社会があります。

そうして、中の社会が、最も重要だということです。この社会に対して、関心があり、興味があり、対策を考え、対策を打つことにより、私たちは、はじて実務家になる得るということです。そりゃそうです。遠い社会のことばかり考えていては、ただの、夢想家、夢見る人にすぎないわけです。近い社会ばかり考えているような人は、その日暮らしで、大きな流れが見えなくなります。だからこそ、この中くらいの社会に対して感受性が高いとか、その単位でものを考えて実行する人が社会性が高いということになります。

これに関しては、下の写真の書籍『"かかわり"の知能指数 Social Quotient』の、巻末についている、SQのセルフチェック用紙がはいっていたので、それを用いてうちの会社の人をチェックしてみたところ、その設計思想(書籍には、そこまでは掲載していなかった)を良く理解することができたので、それを私なりにまとめたものです。マインドマップを見て、良く理解できないとか、質問があるかたは、是非コメントをお寄せください。また、SQは、社会性を図る尺度として、十分機能するものであることが理解できました。


それと、マップの中の、「マクドナルドのコーヒー、コンビニのコーヒー」とは、マックでプレミアム・ローストコーヒーを2008年に導入して以来、コーヒーもマックの主力商品となっていること、これについで、コンビニでも、いわゆる、いれたてコーヒーを販売するようになったことを示しています。これは、中くらいの社会、要するに、マックのある地域の顧客など注目したからこそ、このようなことができたというケーススタディーとして掲載したものです。なお、このケーススタディーは、このブログに過去に掲載したものです。詳細をお知りになりたいかたは、そちらをご覧になってください。


さて、社会性について、述べてきましたが、最初に述べたようにやはり、社会性が欠如する人が、失敗しても、それは、ただの無駄になってしまう確率が高いと思います。逆に、社会性がある程度以上ある人は、失敗を糧としながら、挑戦し続け、最後には、成功を収めるのだと思います。まあ、クリエーターは、社会性が高くないとなれないとまではいえないまでも、社会性が低くては、なれないでしょう。それに、社会性が低い人は、いくら頭が良くても社会では、なかなか成功できないことでしょう。

特に、イノベーションともなれば、社会性の低い人は、技術やアイディアにばかり、目が向いてしまい、肝心要の、イノベーションとは、社会の変化に対応したり、社会変革そのものをおこさない限り、最終的に成功はしないということを理解できずに、失敗を繰り返すこととなることでしょう。イノベーションに関わる失敗のほとんどは、これが原因だと思います。


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『イノベーション』というキーワードを含むこのブログの過去の記事はこちからから!!

2012年3月28日水曜日

特報!グーグル、初の月額課金制度を4月にも開始:日経ビジネスオンライン:−【私の論評】月額課金によって、タブレットやスマホは、クラウドを駆使して、世の中を変えていく!!

特報!グーグル、初の月額課金制度を4月にも開始:日経ビジネスオンライン:

 


米グーグルが、スマートフォンやタブレット端末向けのアプリ配信で、初めての月額課金サービスを導入することがわかった。アプリ1本ごとに売り切りにしている現在の課金モデルだけでなく、毎月少額の料金を利用者から徴収できるようにする。 コンテンツの月額課金は、NTTドコモのiモードなどが成功させたビジネスモデル。アプリ開発会社は、毎月継続的な収入が見込めるため良質なコンテンツを開発できる一方、月ごとの課金が少額になるため、利用者の心理的負担も軽くなる。 グーグルが主導するアンドロイド陣営のスマートフォンは台数では
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20120327/230313/

【私の論評】月額課金によって、タブレットやスマホは、クラウドを駆使して、世の中を変えていく!!

 

私自身は、iPadに、iPhoneを利用しているので、この記事は一見関係もないようにみえましたし、他のAppleを使っている人たちも同じように思われているかもしれません。しかし、これは、当面は関係ないかのようにみえて、関係してくることが多いに考えられるので、本日はこの話題にしようと思います。

 

 

詳細は、上記の記事をご覧になっていただくものとして、この方向性は、懸念材料があるももの、我々ユーザーにとっても、開発サイドにとっても良いことになるのではないかと思います。

 

 

まずは、課金に関することですが、前から気になっていたのですが、AppleのApp Storeでは、開発側が、課金のことまで考えたり、管理しなくても、良かったものが、Android Market(現在では、Goole Place)では、これを開発側がやらざるをえず、これが、負担にもなっていたと考えられます。これで、Google側の規制はあるものの、課金に関しては、Googleまかせということになり、開発者にとっては、良いことだと思います。

 

それにしても、現在のAndroidのAppの開発は、ほとんど利益が出ず、かなり開発側のモチベーションは下がっているようです。実際最近あるゲーム開発会社が、Android版のゲーム開発をやめるということを発表しています。AppleのiTunesでのApp販売も、よほどダウンロードされない限り、開発会社にとっては、ほとんど利益が出ていないというのが現実です。これに関しては、以前も掲載したことがあります。なんと、25万ドルもするという話もあります。iPadのアプリなど、数千円もすれば、かなり高いくらいです。であれは、ほとんど利益が出ません。これでは、開発側のモチベーションも下がります。

 

私は、Android端末は、所有していませんが、Android Market(現在のGoogle Place)など何度かみたことがありますが、AppleのApp Storeでかなり豊富なAppを見ていると、かなり貧弱に見えます。それに、Androidならではの、Appというのも見当たらないので、購入したいと思ったことはありません。だからこそ、端末を購入したいということもありませんでした。

 

 

しかし、今回のGoogleの措置によって、これから、良いAppが提供されることにでもなれば、この考えを変えるかもしれません。実は、iPad用でも、月額課金のAppというか、サービスがあります。ただし、これらは、AppleのApp Storeから販売されているわけではありません。たとえば、このブログでも紹介したことがある、ONLINEDESKTOPです。これは、アクセスして、月額使用量を支払うようにすると、iPadで、MicroSoft Officeの仮想デスクにアクセスできるようになり、編集その他をまるでOfficeをインストールしてあるパソコンのようにできるという、優れものです。

 

 

さすがに、これだけのサービスということになれば、App Storeで高くても数千円などという価格帯では、その後の運用を考えた場合できなかったのだと思います。だからといって、数万円の価格にしても、このAppが売れ続けるとは限らず、そうなると、顧客に対して末長くサービスを提供できなくなるというリスクがあります。だからこそ、月額課金という形で、自ら提供しているということだと思います。

 

 

さて、Googleが、月額課金ができるにしたということとで、何が変わるかといえば、AndoroidのApppでも、ONLIVEDESKTOPのように、クラウドを用いた、仮想化技術なども含む高度なサービスが提供できるようになるということです。私は、以前、iPadや、iPhoneなどのAppで、多少高くても、良いから、クラウドや、仮想化技術などのかなり高度な技術を使ったAppがあればと思ったことがあります。無論、今でも、クラウドを使ったゲームもあります。しかし、それ以外では、意外とそのようなものは、ないというのが、実情です

 

しかし、今回のGoogleの措置をみて、なぜそうなのか、良く理解できました。ストーレージ系のクラウドであれば、運用するのにさほど、投資もいらないのでしょうが、高度な技術を駆使する、クラウドのうよな場合、やはり運用に経費がかかりすぎ、できないというのが、実体だったのだと思います。

 

そうして、先日このブログでも、紹介した、MetaStormなどの空戦ゲームが、クラウドで高度な技術を要するのに、なぜ、提供できるのかが理解できました。このゲームなど、やってみればすぐわかることですが、最初は、無料であっても、習熟していると、新しい機体を購入したり、新たな兵器などを購入しなくてはなりません。そうです。この購入ということによって、クラウドが運用できるのです。このようなやりかたをすれば、確かにクラウドを運用できます。そうして、末長くユーザーにサービスを提供できます。

 


今後、Androidのアプリで、月額課金ができるようになれば、空戦ゲームなどでも、習熟するごとに、新たな機体を購入させるとか、新たな兵器を購入させるということもなくなるのだと思います。それから、Androidでも、ONLIVEDESKTOPのように高度な技術を用いたクラウドを提供できるということです。クラウドというと、Googleは、おてものですから、今後こうした月額課金を契機に、Googleは、App制作会社に、様々なクラウドを用いた高度技術を提供していくようになるのではないかと思います。

 

このような高度クラウド技術を用いた、Appがでてきたら、私も是非Android端末を購入して、それらを試してみたいと思います。それから、Googleがこれを実施して、成功すれば、Appleのほうも、月額課金を適用するようになるかもしれません。

 


そうして、この月額課金は、タブレットや、スマホで、ごく当たり前のことになると思います。無論いずれ、Appleでもこの方式を導入することになります。これが、実現されることにより、さらに、タブレットやスマホは、クラウドを最大限に活用できるようになり、今まで思っても見なかったほどの、高機能になり、世の中に浸透していくことになると思います。

 

そう考えると、これも、社会的なイノベーションだと思います。IT企業のイノベーションというと、多くの人は、技術的なものばかり思い浮かべてしまうようですが、あの経営学の大家ドラッカー氏は、イノベーションは、社会変化への対応と、社会変化そのものと語っています。技術だけあっても、これが伴わなければ、イノベーションとはいえないということです。月額課金は、これから、多くの人が思ってもみないほど、社会を変えていくと思います。これから、どのように進展していくのか、考えるだけでもワクワクするのは、私だけでしょうか?

 

 

 


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コーヒー戦争が熱い! セブン−イレブン、ローソンも本腰−【私の論評】イノベーションが、社会の変化を利用したり、社会変革そのものであると考えれば、世の中にはチャンスが無限にある!!

 

2012年3月26日月曜日

コーヒー戦争が熱い! セブン−イレブン、ローソンも本腰−【私の論評】イノベーションが、社会の変化を利用したり、社会変革そのものであると考えれば、世の中にはチャンスが無限にある!!

コーヒー戦争が熱い! セブン−イレブン、ローソンも本腰:


外食やコンビニがコーヒーの販売に力を入れている。日本マクドナルドは2月に「プレミアムローストコーヒー」を刷新した。Sサイズで140円と低価格ながら、従来より豆の焙煎を深め、味わいを向上させたという。 コンビニも店頭で販売する1杯150円前後のコーヒーを強化している。サークルKサンクスは約4000店にコーヒーマシンを導入しており、8月までに全6300店に導入する見込みだ。 セブン−イレブンは200...

【私の論評】イノベーションが、社会の変化を利用したり、社会変革そのものであると考えれば、世の中にはチャンスが無限にある!!

詳細は、上の記事をご覧になっていただくものとして以下に、香りやテーストまでは、掲載できないのが残念ですが、マックと、ローソンの実際の商品の写真を掲載します。

まずは、マックのプレミアムトーストコーヒーです。マックでは、上の記事にもあるように、2008年から、このコービーを投入していますが、先月にはさらに、改良も行いました。

旧プレミアムローストコーヒー(ホット)は、ブラジル、コロンビア、グアテマラの3種類の産地の豆を5種類の焙煎法によってバランス良く豆の味わいを引き出す、3オリジン5スペックが特徴だったのですが、リニューアル版では、この方法はそのままに、新たな焙煎法として深入りのフレンチローストをプラスしたこともポイントです。それによって、アロマとボディを強調し、深みのある味わいに仕上げたといいます。


下は、ローソンの「MACHI cafe」です。「MACHI cafe(マチカフェ)」は、ローソンが全国 約750店(2月末現在、今後拡大予定)で展開している挽きたて淹れたてコーヒーのブランドです。マチの中のいつものお店で、本格的なコーヒーと一緒に本物の焼菓子を楽しんでもらいたいという想いから、同じブランド名称を使用しています。これは、昨年の11月に導入されたばかりです。


両方ともなかなかのものです。私は、両方とも飲んだことがありますが、やはり、従来とは一味違います。たとえば、マックなど、新しいコービーを入れる前には、一応コービー色をしたまずい飲み物くらいの印象しかありませんでした。そうして、マックのコービーは安いからまずいのが当たり前、どうしても、美味しいコーヒーを飲みたければ、スタバか、専門喫茶店に行くというのが当たり前になっていました。


コンビニでも似たような状況にあったと思います。コンビニといえば、あのあまり美味しくない缶コーヒーとか、紙容器に入ったコーヒーが当たり前で、温かいのは、缶コーヒー、冷たいのは、清涼飲料水感覚で、冷たい紙容器入りのものが販売されていました。どちらも、いれたてのものではないので、やはり、味には限界がありました。


そうして、このような状況は長い間続いていました。これを打ち破ったのか、日本のマックでした。これは、たとえば、コービー豆はどうするとか、提供時のカップはどうするなどの細かいことは、開発の人がやっているようですが、いれたてコービーを導入すること自体の決断は、社長兼会長の原田氏がやっていることには変わりありません。


日本マクドナルドは、外食産業としては、日本日本屈指の、大企業ですが、とにかく、この会社原田氏が入ってから、様々な改革を行ってきたと思います。外食産業なので、いわゆる、IT企業のように一見新しいイノベーションはないようには、みえますが、この外食ほどイノベーティブなところは、ないかもしれません。

多くの人は、イノベーションというと、います今でも、技術的なものを思い浮かべる人が多数いるようです。しかし、それは、間違いです。どラッカーは、イノベーションとは、技術的なものだけではない、社会的なものであるということを語っています。社会の変化にあわせた、変革を行うこと、あるいは社会そのものを変えてしまうことが、イノベーションと語っています。

であれば、まさしく、マクドナルドはイノベーティブな会社ということになります。なぜかと、いえは、ファストフードやコンビニでは、美味しいコーヒーが飲めないというそれまで、常識をくつがえして社会を変えてしまったからです。

さて、ドラッカー氏は、「イノベーションと起業家精神」という書籍で、イノベーションの7つの機会を掲載しています。それを以下に掲載します。
1.予期せぬ成功と失敗を利用する
2.ギャップを探す
3.ニーズを見つける
4.産業構造の変化を知る
5.人口構造の変化に着目する
6.認識の変化をとらえる
7.新しい知識を活用する
8.アイディアによるイノベーション

これに関しては、もともとの書籍を読んでいただくのが一番なのですが、てっとりばやくこれを知りたい方は、こちらのブログをご覧になってください。


ドラッカーは、番外編として、上記のアイディアによるものをあげています。多くの人は、イノベーションというと、アイディアを出すこととしている人が多いようですが、ドラッカーは、これは、数が膨大で成功の確率が、低いとしています。だからこそ、番外編なのです。

確かにマクドナルドのコーヒー導入に関しては、単なるアイディアではなく、マクドナルドのコーヒーは、不味い、美味しいコーヒー飲みたいというのなら、他に行くしかないという、ギャップを活用したものと思います。それに環境変化もありました。ファストフードも、コンビニも、創業からしばらくは、店の数も少なく、その少ない店で、美味しいコーヒーを店で従業員が一杯一杯丁寧に入れて販売していては、経費倒れに終わってしまったのだと思います。だからこそ、当初は、缶コーヒーとパック入りのコーヒーを販売していたのだと思います。しかし、現在なら店数も増え、コーヒー豆も従来から比較すると大量販売で仕入れ値が低くなっています。にもかかわらず、美味しいコーヒーは、ファストフードや、コンビニではなく、スタバか珈琲専門店で、というギャップが存在していたのです。

ドラッカーのこの書籍を読んで、イノベーションの原理原則を知っていれば、知らないよりは、はるかに、イノベーションを起こしやすいと思います。そうして、マクドナルドの原田社長社長は、この原理原則を知っていると思います。

それにしても、ファストフードや、コンビニで、美味しいコーヒーが飲めるということは、まさしく、社会を変えたといっても良いと思います。それの、先鞭をつけたのが、原田社長ということです。私たちも、このようなイノベーションどんどん実践していきたいものです。

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