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2019年9月25日水曜日

中国、崩壊への警戒感高まる…共産党独裁体制が“寿命”、米国を敵に回し経済停滞が鮮明―【私の論表】中国崩壊で、世界経済は良くなる可能性のほうが高い(゚д゚)!

中国、崩壊への警戒感高まる…共産党独裁体制が“寿命”、米国を敵に回し経済停滞が鮮明
文=相馬勝/ジャーナリスト

中国の習近平主席

 中国は10月1日、建国70周年記念日を迎え、大規模な軍事パレードが北京市の天安門広場を中心に行われ、習近平国家主席は中国の共産革命の偉大さを高らかに世界に宣言することになるのだが、実は、そのような中国共産党の一党独裁体制はここ数年のうちに大きな危機にさらされるとの見方が急浮上している。

 しかも、このような不気味な予言は、中国問題の国際的な権威であり碩学である米クレアモント・マッケナ大学ケック国際戦略研究所センター所長(教授)のミンシン・ペイ氏と、米ハーバード大学名誉教授のエズラ・ボーゲル氏の2人が提起している。両氏とも、その最大の原因として、習氏の独断的な政策運営や独裁体制構築、さらに米中貿易戦争などによる中国経済の疲弊を挙げている。

一党独裁時代の終焉

 ペイ教授は「中国共産党の一党独裁統治は終わりの始まりにさしかっている」と題する論文を香港の英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストに寄稿。そのなかでペイ教授は、習氏が2012年の党総書記就任当初、「次の2つの100年」を目標に中国の国力を拡大し世界一の大国を目指すと宣言したが、1つ目の中国共産党創設100周年の2021年は極めて厳しい環境のなかで祝賀行事を行うことになると予言。その理由として、米中貿易戦争が激しさを増すことを根拠としている。

 そのうえで、ペイ教授は「2つ目の100年」である2049年の中国建国100周年には「(中国共産党による)一党独裁政権は生き残ることができないかもしれない」と大胆な予言を明らかにしている。

 ペイ教授は歴史的にもみても、一党独裁体制は「寿命に近づいている」と指摘。具体的な例として、74年にわたるソビエト連邦(1917~91年)の崩壊、73年にわたる中国国民党(27~49年の中国大陸での統治と49~2000年までの台湾での一党独裁体制)の統治が終わりを告げていること。さらに、メキシコの71年におよぶ革命政権(1929~2000年)である制度的革命党の一党独裁時代の終焉を挙げて、70年を迎える中国の一党独裁体制はすでに崩壊の兆しが見えていると分析する。

 ペイ教授は習指導部が米国を敵に回して、経済、軍事、安全保障、政治体制などの面で争っていることを問題視している。毛沢東時代の中国は米国を敵対視したものの、極力接触することを避け、直接的にやり合うことはほとんどなかった。その後のトウ小平時代において、中国は「才能を隠して、内に力を蓄える」という韜光養晦(とうこうようかい) 政策を堅持して、外交・安保政策では米国を敵対視することを極力回避した。

 しかし、習氏はこれら2人の偉大なる先人とは違って、牙をむき出しにして、米政権と争う姿勢を露わにした。これによって、中国経済はいまや成長も低迷しつつあり、習氏の独裁的な政治体制もあって、民心も離れつつあるようだ。

民間企業の成長を阻害

 一方、ボーゲル教授は近著『リバランス』(聞き手:加藤嘉一、ダイヤモンド社刊)のなかで、習氏について「予想外の事態といえば、習近平の政策がここまで保守的で、社会全体をこれほど緊張させていることもそうだ」と指摘しているほどだ。そのうえで、「昨今の中国を襲う最大の問題」として、経済悪化と自由の制限を挙げる。まず、前者については「中国の既存の発展モデルは持続可能ではない」と断言している。

 ペイ教授も同様の指摘をしている。これまでの驚異的な中国の経済成長は、若くて安い労働力が豊富にあったことや、農村部の急速な都市化による広範なインフラ整備、大規模な市場原理の導入や経済の国際化などが要因として挙げられるが、いまやこれらは減退しており、いずれ消滅すると分析している。

 さらに、両氏ともに、今後も中国経済が発展するには、民間企業の成長が不可欠だが、習政権は逆に、国有企業の肥大化、権限集中に力を入れ、民間企業の活性化を妨げていると強調。これに加えて、米中貿易戦争の影響が、ボディブローのように徐々に大きなダメージを与えることになる。

 ところで、ボーゲル教授が掲げる2つ目の問題点である自由の制限には、知識人を中心に多くの人が不満を抱えているほか、習氏の独裁的な体制についても、「仮に、習近平がこれから数年内に政治的局面を緩和させられなければ、中国が“崩壊”する可能性も否定できなくなるだろう」と結論づけている。

 このような折も折、中国共産党の理論誌「求是」が最新号で、習氏が5年前に行った指導者層の任期制度を重視する演説を掲載。習指導部は昨年の憲法改正で、習氏の長期独裁政権に道を開いているだけに、まさにボーゲル教授が懸念するように、指導部内で習氏批判が高まっており、「中国が“崩壊”する可能性が否定できなく」なっていることを示しているようだ。

(文=相馬勝/ジャーナリスト)

【私の論評】中国崩壊で世界経済は良くなる(゚д゚)!

冒頭の記事では、中国問題の国際的な権威であり碩学である米クレアモント・マッケナ大学ケック国際戦略研究所センター所長(教授)のミンシン・ペイ氏と、米ハーバード大学名誉教授のエズラ・ボーゲル氏の2人が提起した中国共産党の一党独裁体制はここ数年のうちに大きな危機にさらされるとの見方を解決していますが、以下に彼の書籍や、著作物などからさらに詳細に二人の見方を掲載します。

米ソ冷戦と比較しながらの新冷戦の行方(ミンシン・ペイ)

ミンシン・ペイ氏

米ソ冷戦初期のころ、ソ連がやがて米国を追い越すことになると考えられていました。共産主義が欧州に浸透し、ソ連経済は今の中国のように年6%近い成長でした。ブレジネフ時代には550万人の通常兵力を持ち、核戦力で米国を追い抜き、ソ連から東欧向けの援助が3倍に増えました。
ところが、おごるソ連システムに腐食が進みました。一党独裁体制の秘密主義と権力闘争、経済統計の水増しなど現在の中国とよく似た体質です。やがてソ連崩壊への道に転げ落ちていきました。

ソ連共産党が91年に崩壊したとき、もっとも衝撃を受けたのが中国共産党でした。彼らはただちにソ連崩壊の理由を調べ、原因の多くをゴルバチョフ大統領の責任とみました。しかし、ペイ教授によれば、党指導部はそれだけでは不安が払拭できず、3つの重要な教訓を導き出しました。

中国はまず、ソ連が失敗した経済の弱点を洗い出し、経済力の強化を目標としました。中国共産党は過去の経済成長策によって、一人当たりの名目国内総生産(GDP)を91年の333ドルから2017年には7329ドルに急上昇させ「経済の奇跡」を成し遂げました。

他方で中国は、国有企業に手をつけず、債務水準が重圧となり、急速な高齢化が進んで先行きの不安が大きくなりました。これにトランプ政権との貿易戦争が重なって、成長の鈍化は避けられなくなりました。しかも、米国との軍拡競争に耐えるだけの持続可能な成長モデルに欠く、とペイ教授はいいます。

第2に、ソ連は高コストの紛争に巻き込まれ、軍事費の重圧に苦しみました。中国もまた、先軍主義の常として軍事費の伸びが成長率を上回っています。25年に米国の国防費を抜き、30年代にはGDPで米国を抜くとの予測まであります。ところが、軍備は増強されても、経済の体力が続いていません。新冷戦に突入すると、ソ連と同じ壊滅的な経済破綻に陥る可能性が否定できないのです。

第3に、ソ連は外国政権に資金と資源を過度に投入して経済運営に失敗しています。中国も弱小国を取り込むために、多額の資金をばらまいています。ソ連が東欧諸国の債務を抱え込んだように、習近平政権は巨大経済圏構想「一帯一路」拡大のために不良債権をため込んでいます

確かに、スリランカのハンバントタ港のように、戦略的な要衝を借金のカタとして分捕りましたが、同時に焦げ付き債務も背負うことになりました。これが増えれば、不良債権に苦しんだソ連と同じ道に踏み込みかねないです。

かくて、ペイ教授は「米中冷戦がはじまったばかりだが、中国はすでに敗北の軌道に乗っている」と断定しています。
中国は民主化に進むのか? (エズラ・ボーゲル)

エズラ・ボーゲル氏

中国は数年後には、中国には今より政治的に緩和された体制、具体的に言えば、上からの抑圧があまりにも厳しい現状よりは、いくらか多くの自由が許される体制になっているのではないでしょうか。

中国共産党が、米国人が納得するほどの自由を人々や社会に提供することはないでしょうか、それでも数年以内に少しばかりは緩和されるでしょう。私はこう考える根拠の一つを、歴史的な法則に見出しています。

1949年に新中国が建国されて今年(2019年)で70年になりますが、この間、中国の政治は緩和と緊張を繰り返してきました。昨今の状況はあからさまに緊張しすぎていて、上からの引き締めが極端なほどに強化されています。

歴史的な法則からすれば、これから発生し得るのは緩和の動きだと推測できます。中国問題を思考し議論する際は、歴史の法則を無視することがあってはならないです。

中国も、司法の独立や宗教、言論、結社、出版などにおいて一定の自由を享受し、形式的だとしても選挙を実施しているシンガポールのようなモデルや、制度と価値観として自由民主主義を築いている台湾のようなモデルを試しつつ、一部の養分を吸収するかもしれないです。

シンガポールも台湾も、同じように華人が統治しているのです。どうして中国に限って不可能だと言えるでしょうか。彼らの間には、文化的に共通する部分が少なくないです。もちろん、中国はより大きく、国内事情は複雑で、解決しなければならない課題も多いです。ただ不可能ではないはずです。

私は少し前に台湾、北京、中国の東北地方を訪れたのだが、やはり台湾の政治体制のバランスは良いと感じました。そこには中国の文化が根づいている一方で、人々は自由と安定した社会を享受できているからです。

昨今の香港は、北京による抑圧的な政策もあり、緊張しすぎています。北京の中央政府の対応に問題があると思います。習近平がみずからの意思と決定に依拠して、全体的な局面を少しでも緩和できるかどうか、私にはわからないです。

以前と比べて楽観視できなくなった、というのが正直なところです。ただここで強調したいのは、中国の歴史の法則に立ち返って考えたとき、不可能ではない、という点です。習近平が政治状況を緩和させ、政治社会や経済社会に対してより多くの自由を供給する可能性はあります。

習近平が国家主席に就任した2013年の頃、私は彼に改革を推し進める決意と用意があり、「反腐敗闘争」に関しても、まずは権力基盤を固め、そのうえで改革をダイナミックに推し進めるという手順を取るのだと推察していました。

習は「紅二代(毛沢東と革命に参加した党幹部の子弟)」とはいえ、江沢民や胡錦濤とは違い、トウ小平によって選抜されたわけではありません。そうした背景から、権力基盤を固めるのに一定の時間を要することはやむを得ず、自然の流れと見ていました。ただ現況を俯瞰してみると、当時の推察とはかなり異なるようです。

習近平は憲法改正を通じて、国家主席の任期を撤廃してしまいました。これは近代的な政治制度に背反する行為です。習近平も人間であるから、いつの日か何らかの形で最高指導者の地位から退くことになりますが、誰が彼の後を継ぐのでしょうか。習近平が長くやればやるほど、後継者問題は複雑かつ深刻になるでしょう。

私には、習近平が誰を後継者として考えているのかはわからないし、現段階でその人物を予測するという角度から中国政治を研究してもいません。

ただ、仮に習近平が二期10年以上やるとしたら、相当な反発が出ることは容易に想像できます。三期15年あるいはもっと長くやることで、逆にみずからの権力基盤が弱体化し、結果的に共産党の統治や求心力が失われるのであれば、習近平は二期10年で退き、福建省、浙江省、上海市から連れてきた“自分の人間”を後継者に据えることで「傀儡政権」を敷く選択をするかもしれないです。

いずれにせよ、習近平は後継者に自分が連れてきた人物を指名すべく動くでしょう。

一方で、習近平が頭脳明晰で、能力のある人間ならば、トップ交代に伴って混乱が生じるリスクに気づいていた場合、彼は二期目(2017~2022年)の任期中に政治状況を緩和させるでしょう。

もちろん、私には習近平が心のなかで実際に何を考えているのかはわかりません。薄熙来(1949~)事件(注:重慶市共産党委員会書記だった薄のスキャンダルや汚職疑惑などが噴出し失脚した事件)や多くの軍隊内部の案件を含め、かなり多くの役人や軍人が捕まってしまいました。このような状況下だからこそ、習近平は、事態を緩和させられないのかもしれないです。

習近平みずからだけでなく、能力のある同僚に頼りながら、全体的な政治環境を緩和させられるのかも、一つの注目点です。習近平に、果たしてそれができるかどうか。いずれにせよ、私がこのような点から、現状や先行きを懸念しているのは間違いないです。

仮に、習近平がこれから数年内に政治的局面を緩和させられなければ、中国が“崩壊”する可能性も否定できなくなります。

現在の中国の体制が崩壊すればどうなるか

中国の崩壊、あるいは中国共産党の崩壊に関して悲観的な予想をする人が多いです。私は、そうは思いません。現在の中国が崩壊すれば、世界経済は今よりは良くなると考えています。

その根拠となるのは、なんと言っても中国の過剰生産です。中国は国内でも過剰生産をしていますが、海外でも過剰生産を繰り返しています。それが、世界に及ぼす悪影響は計り知れません。

これについては、以前もこのブログに掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
世界が反緊縮を必要とする理由―【私の論評】日本の左派・左翼は韓国で枝野経済理論が実行され大失敗した事実を真摯に受け止めよ(゚д゚)!

野口旭氏

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事より、野口旭氏の世界が反緊縮を必要とする理由について述べた部分を以下に一部引用します。
一つの仮説は、筆者が秘かに「世界的貯蓄過剰2.0」と名付けているものである。世界的貯蓄過剰仮説とは、FRB理事時代のベン・バーナンキが、2005年の講演「世界的貯蓄過剰とアメリカの経常収支赤字」で提起したものである。バーナンキはそこで、1990年代末から顕在化し始めた中国に代表される新興諸国の貯蓄過剰が、世界全体のマクロ・バランスを大きく変えつつあることを指摘した。リマーン・ショック後に生じている世界経済のマクロ状況は、その世界的貯蓄過剰の新段階という意味で「2.0」なのである。 
各国経済のマクロ・バランスにおける「貯蓄過剰」とは、国内需要に対する供給の過剰を意味する。実際、中国などにおいてはこれまで、生産や所得の高い伸びに国内需要の伸びが追いつかないために、結果としてより多くの貯蓄が経常収支黒字となって海外に流出してきたのである。
このように、供給側の制約が世界的にますます緩くなってくれば、世界需要がよほど急速に拡大しない限り、供給の天井には達しない。供給制約の現れとしての高インフレや高金利が近年の先進諸国ではほとんど生じなくなったのは、そのためである。
上の文書から中国に関する部分を抜書します。

『1990年代末から顕在化し始めた中国に代表される新興諸国の貯蓄過剰が、世界全体のマクロ・バランスを大きく変えつつあることを指摘した。リマーン・ショック後に生じている世界経済のマクロ状況は、その世界的貯蓄過剰の新段階という意味で「2.0」なのである』

中国の過剰生産は、国営・国有企業などによってもたらされています。これらの企業は、普通の国であれば、過剰生産でとうに倒産したような企業がほとんどです。しかし、国が強く関与しているため、倒産しません。倒産せずに、さらに過剰生産を継続するのです。

最近の中国は国内だけではなく、「一帯一路」などの名目で海外でも、過剰生産を繰り返す有様です。中国が崩壊しない限り、この過剰生産はなくなることはなく、多くの国々をデフレで苦しめることになるだけです。

中国の体制が変わり、国営・国有企業がなくなり、全部民間企業になれば、過剰生産すれば、倒産するだけなので、中国の過剰生産がなくなります。

現在では、旧共産圏や発展途上国(後進国)の大部分が供給過剰の原因になっていますが、その中でも最大の元凶は共産主義中国です。

WTOなどの自由貿易の恩恵を最大限に受けながら、自国内では、外国企業に対する恫喝を繰りかえす「ルール無用の悪党」が世界の市場から退場し、ルールを遵守するようになれば、世界の供給過剰=デフレは一気に好転し、日本や米国の経済は繁栄することになるでしょう。

無論一時的な混乱は避けられないかもしれませんが、長期的にみれば、このように考えられます。

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2019年2月11日月曜日

韓国、通貨危機への警戒感高まる…日本と米国は支援せず、北朝鮮と経済逆転も―【私の論評】日米にとってどの程度韓国を飼い殺しにするかが重要な課題(゚д゚)!

韓国、通貨危機への警戒感高まる…日本と米国は支援せず、北朝鮮と経済逆転も

軍事境界線を越え、北朝鮮側に入る金正恩氏(左)と文在寅氏=4月27日、板門店

米中貿易戦争で中国経済はおろか、徐々に日本経済への影響も懸念され始めているが、日本よりも先に韓国経済が大きなダメージを被っており、1997年に韓国を襲った通貨危機再来への警戒感が高まっている。

 かつて韓国の経済危機では、米国や日本が助けの手を差し伸べたが、文在寅政権に対して日米両政府は抜きがたい不信感を抱いているという構図は、97年の通貨危機の際の日米韓3国関係と同じ状況だけに、韓国が経済的に没落するなか、今月27、28日の米朝首脳会談の結果次第では、米国の経済支援を受けた北朝鮮が経済的に韓国を凌駕する可能性も出てきている。

悪化する日韓・米韓関係

 韓国産業通商資源部が今月1日に発表した2019年1月の貿易統計(通関ベース)によると、輸出は463.5億ドルで前年同月比5.8%減となった。輸出の20%前後を担う半導体の市況悪化に加え、米中貿易戦争のあおりを受けて総輸出の4分の1を占める中国向けの輸出額減少が大きな要因だ。

 しかも、輸出の減少は2カ月連続だけに、マーケットでは再び通貨危機への懸念が高まっているようだ。韓国は97年の通貨危機以外でも、2008年の貿易赤字の際も経済危機が囁かれたほか、11年にも輸出不振と欧州の金融危機の2つの大きな要因が重なり、通貨危機に陥りかけている。

 しかし、韓国が08年と11年に通貨危機を回避できたのは、日米両国が韓国にドルを融通したことが大きい。逆に97年の通貨危機では、「米韓関係が悪化していたため、米国は日本にもドルを貸さないよう指示し、韓国はIMF(国際通貨基金)に救済されるという不名誉を被った」と元日本経済新聞の鈴置高史が著書『米韓同盟消滅』(新潮新書)のなかで指摘している。

 今回も日米の支援は期待しにくい。なぜならば、日韓、米韓関係が悪化しているからだ。
 
 米国のトランプ大統領は韓国の文大統領が北朝鮮の核放棄を待たずに経済支援を急ごうとする姿勢を強く批判しており、米政権内では場合によっては米韓同盟の打ち切りを主張する声も出ているほどだ。
 
 また、日本は米国以上に文政権に強い不信感を抱いているが、これは言わずもがなだろう。文氏は1月の年頭の記者会見で、徴用工をめぐり韓国最高裁が日本企業に賠償を命じた判決について、「徴用工問題は韓国がつくったものではなく、不幸な歴史のため生じた問題」などと断じており、1965年の日韓請求権協定を度外視しており、まさに一国の大統領が2国間協定を無視するという極めて無責任な態度を示したからだ。

 さらに、ここにきて韓国の文喜相国会議長が米メディア「ブルームバーグ通信」のインタビューで、従軍慰安婦問題に関して「日本を代表する首相か、あるいは間もなく退位する天皇が(謝罪するのが)望ましいと思う」と述べたうえで、「(天皇は)戦争犯罪の主犯の息子ではないか。その方が一度(慰安婦だった)おばあさんたちの手を握って『心から申し訳なかった』とひとこと言えば(慰安婦問題による確執は)すっきり解消されるだろう」と指摘したのだ。まったく日本の国民感情を理解していない暴言といえるだろう。

 日本の自民党内では駐韓大使の一時帰国や訪日ビザの免除停止、韓国製品の輸入関税引き上げ、日本にある韓国企業の資産差し押さえなどの対抗措置を求める声も出ているのだが、さまざまな制限があり、実行は難しい。

 現在、文政権の支持率は低迷しており、その最大の原因が景気低迷だ。さらに先にも指摘したように、通貨危機の可能性も出ている。
 
 だが、日本国民の対韓イメージは確実に悪化しており、韓国が通貨危機に陥ろうが、かつてのように支援の手を差し伸べようとは思わないだろう。それはトランプ米政権も同じだ。

北朝鮮の経済成長

 トランプ氏は今月27、28日にベトナムのハノイで、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との首脳会談を行う予定で、自身のツィッターで「北朝鮮は金委員長のリーダーシップのもとで経済大国になるだろう。北朝鮮は経済のロケットになるだろう」と書き込んだ。これは会談が順調に進めば、米国が北朝鮮への経済支援を進める可能性を示唆したものとも受け取れよう。

 そうなれば、韓国が景気低迷状態をさまよっているうちに、北朝鮮の経済成長が進展すれば、南北経済の逆転現象が現実のものとなることも考えられる。それは、社会主義国の中国、ベトナムが急成長をした例からも否定できない。そして、もし逆転が現実のものとなれば、北朝鮮による韓国併呑もまったく可能性がないとはいえないだろう。
(文=相馬勝/ジャーナリスト)

【私の論評】日米にとってどの程度韓国を飼い殺しにするかが課題(゚д゚)!

海上自衛隊のP1哨戒機が韓国海軍の駆逐艦に火器管制用レーダーを照射された問題は、日本国民を激怒させただけではなく、米国との関係悪化にもとどめを刺し「韓国崩壊」を決定づけました。

2015年に起こった、リッパート駐韓米国大使襲撃事件は、あと1~2センチ傷がずれていれば死に至ったかもしれないという深刻なものであり、入院先の病院で大使は「これは私個人への攻撃ではなく米国への攻撃である」と語りました。

2015年のリッパート駐韓米国大使襲撃事件

そもそも、この事件の犯人は10年に日本の駐韓大使だった重家俊範氏襲撃事件で捕まっていました。しかし、同行していた女性が負傷したにも関わらず、収監されずに野放しにされました。韓国政府(裁判所)の責任です。

当時はオバマ政権であったため、穏便な処理が行われましたが、今回のレーダー照射事件はトランプ政権下での事件です。

少なくとも安倍晋三首相とトランプ大統領のコンビになってからは、日本は米国にとっての最重要同盟国の一つであり、ドイツや、マクロン政権になってから急速に関係が悪化しているフランスよりも戦略的に重要です。

その米国の最重要同盟国に「攻撃」を仕掛けたのですから、米国と韓国の同盟関係は事実上終了したといえまう。「現場の暴走」と思われますが、その背景には北朝鮮あるいは共産主義者の工作活動があるはずです。日米韓の絆に亀裂が入って一番得をするのは共産主義国家です。

この韓国の悲惨な様子を見ていると、ベトナム戦争時の南ベトナム・サイゴン政権の姿と重なります。米国がベトナム戦争で「負けた」理由はいくつかあります。

サイゴン政権の腐敗・堕落ぶりが激しく、米国の若者の命を犠牲にして助けることが疑問視されただけではなく、サイゴン政権よりは共産主義・北ベトナムの方がまだましだという南ベトナム国民が多数を占めたのです。彼らの破壊工作活動によって内部から崩壊せざるを得なかったのです。

韓国で北朝鮮を賛美する人々が多いのも、自国の大統領が代わるたびに敵対勢力によって投獄・処刑されるような南米の軍事政権と大して違わない国情があります。

さらに、米国の機密情報が韓国を通じて北朝鮮にダダ漏れであったり、平気で制裁破りをしたりなど、米国の若者の血を流して守るに値しない国とみられるのは当然といえば当然です。

それよりも、北朝鮮の「悪の帝国」である金王朝の方が、きちんと仕込めば共産主義中国に対する番犬としては役に立つと米国は考えるでしょう。番犬は獰猛(どうもう)で主人に忠実なほうが役に立つし、実際米国は、南米や中東では、民主主義政権よりも独裁政権を飼いならすことが多いです。

それに以前からこのブログにも掲載しているように、韓国は元々中国に従属しようとする国ですが、北朝鮮はあくまで中国からの独立を希求しています。これは、様々な筋から明らかです。

そうして、結果として北朝鮮と北朝鮮の核が、朝鮮半島全体に中国の影響が浸透するのを防いでいます。これは逆に考えると、良く理解できます。北がもし、核を開発していなかったとしたらどうなっていたでしょう。

おそらく、朝鮮半島に対する中国の浸透は今よりももっと深く広範囲に行われ、今頃北朝鮮は中国の傀儡政権が樹立されていたかもしれません。金一族は抹殺されていたかもしれません。そうして、もうすでに朝鮮半島は中国の自治区か省になっていたかもしれません。

「ムスダン」発射直後

しかし、北朝鮮があることで、朝鮮半島はそうならないで現在に至っているのです。これを考えると、北朝鮮がすぐに核を全部放棄することは考えられません。

であれば、米国が韓国はあきらめて、北を中国に対する番犬にする可能性は十分あります。ただし、北朝鮮は人権問題が深刻であり、金正恩は権力を掌握するため、叔父や血の繋がった兄を殺すということまでしています。

その意味では、北朝鮮は番犬どろこから、猛獣です。この猛獣を使いこなすのは、容易なことではありません。トランプ大統領はそれこそ、猛獣使いにならなければ、北朝鮮を容易に従わせることはできないでしょう。

しかし、それでも、米国が対中経済冷戦を挑んでいる最中にも、中国に従属する韓国は、米国にとっては全く当てにならない存在です。それでも、韓国が存在する事自体は、日米にとって有利なことにはかわりありません。

ただし、韓国自体はあくまで、中国に従属しようとしています。しかし、韓国のすぐ北には、中国に対する敵愾心をむき出しの北朝鮮が控えていて、中国はなかなか韓国に対して直接影響力を及ぼすことはできません。最早、韓国は安全保障上では日米にとって単なる空地に過ぎなくなっています。

北朝鮮側も、あくまで中国従属しようとする韓国や文在寅を心の底では軽蔑しているでしょう。ただし、制裁を受けている現在、韓国を自分たちにとって都合の良いように利用しているだけです。

しかし、いずれサイゴンのようにソウルが北朝鮮によって陥落させられた後、当然生まれるであろう難民は、日本にとって脅威となるでしょう。日本を含めた世界中の国々には必ず一定割合の犯罪者が存在し、彼らも当然、というよりは、たぶん善良な人々よりも我先に、日本にやってくるかもしれません。

「韓国が崩壊したのは日本のせいだ!」と主張し暴れる人も出てくるかもしれないです。

韓国の人口は約5000万人であり、その1%でも50万人、5%なら250万人である。大挙して日本に押し寄せてきた際の対応策を真剣に考えるべきです。

やはり、一番良いのは、韓国が日米にとって安全保障上の空地になっていることが最上だと思われます。北をうまく御して、韓国は生かさず殺さず程度にして空地を維持することが、今の日米にとっては最上の戦略だといえます。

日本に関しては、米朝交渉で米国に到達するICBMの撤去が先に行われ、短・中距離核ミサイルの撤去が廃棄されるのが、後回しされるととんでもないことなると騒ぐ人もいますが、こういう人はすでに中国の核ミサイルが日本を照準にしていることを忘れています。

中国の核ミサイルは日本を照準にしている

いずれにせよ、今更ながら北朝鮮の核が恐ろしいなら、中国の核もその数倍恐ろしいのであり、日本も何らかの形でこれに対処すべきなのです。これについては、以前もこのブログで触れています。以下にそこから引用します。
ドイツには、昔から米国が置いている「戦術」核弾頭が今でも数十発ありますが、これはDual Keyと言って、実戦に使用する時にはドイツ、米国両国政府の合意が必要になっています。ドイツ政府も、これの使用を積極的に米国に発議できるようになっているのです。そして米政府はドイツ政府の了解なしには、これを使用できないです。日本もこのような権利を得ることを検討すべきです。 
そして将来的には、日本も核兵器を開発する可能性の余地を残すのです。その「可能性」自体が抑止力になります。インドが、核ミサイルを保有していながら米国と原子力協力協定を結んでいることを念頭に置くべきです。
このようなことを検討する事自体が、中国や北朝鮮に対する牽制になります。それとともに、日米にとって、どの程度に韓国を飼い殺しにするかが重要な課題となります。言葉はエゲツないですが、そう仕向けたのは韓国ですから、これは致し方ないです。

現在、中国は米国の経済冷戦を真っ向から受けているので、韓国を支援することはほとんどできないでしょう。そうなると、かなり低い水準で良いのかもしれません。

冒頭の記事では、北朝鮮と経済逆転とありますが、これもあながち有りえないことではないかもしれません。実は、大東亜戦争直後からしばらくは、北朝鮮のほうが経済は良かったということがあります。

日本の統治時代に、北には様々な産業があり、それを北は受け継いだのですが、南のほうはさしたる産業もなく農業地帯でした。韓国のほうが経済が良くなったのは、1960年代に日本の支援で、韓国が漢江の奇跡を成し遂げ、経済的に発展してしばらくしてからの1970年代に入ってからです。日米の手によってこれを元に戻すのは意外とたやすいのかもしれません。

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2018年10月16日火曜日

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欧州の驚くほど直截的な中国への警戒感と批判

岡崎研究所

仏警察、中国企業所有のワイン醸造所10軒を差し押さえ 脱税などの容疑。写真はフランス
南西部ボルドー近郊のブドウ畑、フランスでも中国に対する警戒感が高まっている。
写真はブログ管理人挿入 以下同じ

9月12日、欧州議会は「対中関係報告書」を採択、EU中国関係は、人権、法の支配、公正な競争の尊重の上に成り立つべきことなどを強調、中国の一帯一路等を通じた欧州の戦略的インフラへの投資にも警戒感を表している。欧州議会のプレスリリースに従って、ごくあらましを紹介すると、次の通り。

 EU対中関係報告書は、中国がEUの戦略的パートナーであり、さらなる協力の大きな余地があることを認めるが、課題がある。欧州議会は、EU加盟国が結束して、中国の影響力に対抗できるよう、中国の政策に対し結束を強めることを求める。

 人権、法の支配、公正な競争は、EUの対中関与の中核であるべきだ。中国における、人権活動家、弁護士、ジャーナリスト、その他一般市民に対する嫌がらせや逮捕を非難する。中国が外国人ジャーナリストの立ち入りを拒否したり制限する姿勢を強化させるなどしていることは大変懸念すべきことである。

 「一帯一路」を通じた欧州の戦略的インフラへの中国の投資の取り組みは、自由貿易を妨げ、中国企業を優位にしている。こうした投資は、銀行、エネルギー部門、その他のサプライチェーンをコントロールしようとする、中国の戦略の一環である。中国には透明性を改善し、環境的・社会的基準を守るよう求める。 

 世界で25の最も人気のあるウェブサイトのうち8つが中国によりブロックされている。現在進んでいる中国によるインターネットの自由への弾圧、大規模なサイバー空間監視を非難し、法的強制力のある私権の保護を導入するよう求める。

出典:‘Chinese investment in EU infrastructure: MEPs urge EU countries to act together’(European Parliament, September 12, 2018)
http://www.europarl.europa.eu/news/en/press-room/20180906IPR12110/chinese-invstment-in-eu-infrastructure-meps-urge-eu-countries-to-act-together

 この報告書は欧州議会で、賛成530、反対53、棄権55の圧倒的多数で採択されたという。一読して分かる通り、驚くほど直截的な中国への警戒感と批判の表明である。欧州においても、中国の影響力の増大、それが自由、人権、法の支配、公正な競争などと言った西側が立脚してきた価値を損ね得ることを的確に認識しつつあることの証左であると言えるだろう。オランダ出身の欧州議会議員バス・ベルダー氏は「EUと中国との強固な関係の原則は、市場アクセスから報道の自由に至るあらゆる分野における相互主義である。相互主義が相互信頼を強化し、EUと中国との間の強固な戦略的パートナーシップを作ることになる」と述べている。

2016年台湾軍のカレンダーより、4月の人物は空軍司令部所属の方稜溶中尉

 報告書では、台湾についても以下のような注目すべき記述がある。欧州において台湾に対する関心も高まっていることが分かる。

・一方に権威主義を強める一党独裁国家、もう一方に多党の民主国家が存在することは、両岸関係のエスカレーションを高める危険がある。

・2015年の対中関係報告書ではEUと台湾との2国間投資協定の交渉開始を求めているが、遺憾なことにまだ始まっていない。

・EUと加盟国は、中国の台湾に対する軍事的挑発をやめるよう最大限求めるべきだ。両岸のあらゆる紛争は国際法に則り解決されるべきだ。中国が台湾海峡上空で新たな航空ルートを一方的に開始する決定をしたことに懸念を表明する。中台間の公式対話の復活を勧奨。台湾のWHO,ICAO(国際民間航空機関)等の国際機関への参加を支持し続ける。台湾が国際機関から排除されることはEUの利益にならない。

 台湾は最近、考え方を同じくする国々が連帯して中国に対抗することを外交政策の基本に据えている。欧州の上記のような姿勢は、台湾にとっても心強いであろうし(台湾政府は欧州議会に感謝を表明している)、民主主義陣営全体にとってもプラスとなろう。

【私の論評】我が国も中国共産党独裁政権が推進する経済活動に対して警戒を緩めてはならない(゚д゚)!

このブログでは、「ぶったるみドイツ」という表現で、EUの盟主であるドイツが、中国と自由貿易を進めようとしたり、国防では主力戦闘機のユーロファイターが数機しか稼働しなくなったとか、Uボートに至っては一隻も稼働しなくなったこと等を厳しく批判してきました。

このようなことは、他の国でもおうおうにしてあることなのかもしれません。日本でも、同じ自民党の中でさえ、中国に対して警戒感を露わにする政治家が存在する一方、あいかわらず親中派・媚中派の政治家も存在します。

ドイツも同じで、一方ではぶったるんでいるように見えるのですが、もう一方ではそうではないドイツの姿があります。

ドイツ政府は欧州連合(EU)域外の企業がドイツ企業に投資する場合、従来は出資比率が25%に達した場合、政府が介入できる規制を実施してきましたが、その出資比率を15%を超える場合に政府が介入できるように、規制を更に強化する方向で草案作りに入っているといます。ドイツ日刊紙ヴェルトが8月7日報じました。ズバリ、中国企業のドイツ企業買収を阻止する対策です。

外国投資の出資比率に対する政府介入の強化に乗り出したアルトマイヤ経済相

ドイツでは2016年、中国の「美的集団」がアウグスブルクで1898年に創設された産業用ロボットメーカー、クーカ社(Kuka)を買収して話題を呼びました。それ以降、ドイツ政府は昨年、EU域外企業のドイツ企業への出資比率を25%としたのですが、今回はさらに規制を強化しました。ペーター・アルトマイヤ経済相は今年4月26日、出資比率の引き下げを既に示唆していました。

ドイツ政府はそれだけ中国企業の活動を恐れ出してきたわけです。ヴェルト紙によると、アルトマイヤ経済相は、防衛関連企業や重要なインフラ、ITセキュリティーなど市民の安全に関わる技術への投資については、将来をしっかりと見極める必要があると警告を発しています。ズバリ、中国企業のスパイ活動です。ドイツの先端科学技術を企業の買収を通じて習得するやり方です。

中国企業の欧州市場進出への懸念はドイツだけではないです。例えば、スイスでも同様の懸念が聞かれだしました。スイス・インフォ(8月14日)によると、ドリス・ロイトハルト通信相は、スイス紙(同13日)とのインタビューで、中国企業がスイスの「戦略的に敏感な」企業を買収する可能性について懸念を表明し、「ドイツが行ったように、我々も中国企業による企業買い漁りの対応策を議論しなければならない」と強調し、「スイスにとって戦略的に重要な企業の場合は、スイス競争委員会はそれぞれのケースを検討し、また所有権の大部分をスイスが所有すべきだ」と述べています。

ドリス・ロイトハルト通信相

ちなみに、2016年には中国化工集団(Chem China)が農薬大手シンジェンタを433億ドル(436億スイスフラン)で買収しています。

ドイツのシンクタンク、メルカートア中国問題研究所とベルリンのグローバル・パブリック政策研究所(GPPi)は今年1月5日、欧州での中国の影響に関する最新報告書を発表しましたが、その中で「欧州でのロシアの影響はフェイクニュース止まりだが、中国の場合、急速に発展する国民経済を背景に欧州政治の意思決定機関に直接食い込んできた」と指摘し、「中国は欧州の戸を叩くだけではなく、既に入り、EUの政策決定を操作してきた」と警告を発しています。

海外の中国メディア「大紀元」(8月19日)は米セキュリティ会社サイバーセキュリティ会社ファイア・アイ(Fire Eye)の報告を報じ、「中国共産党政府は世界規模の経済圏構想「一帯一路」を利用して、スパイ活動を拡大させている。諜報はプロジェクト建設地域のみならず、海外現地の中国の電子商取引プラットフォームや孔子学院を通じて、情報収集や世論操作が行われている」と指摘しています。(「米大学で『孔子学院』閉鎖の動き」2018年4月13日参考)。

ジグマ―ル・ガブリエル氏(当時外相)は2月17日、独南部バイエルン州のミュンヘンで開催された安全保障会議(MSC)で中国の習近平国家主席が推進する「一帯一路」(One Belt, One Road)構想に言及し、「民主主義、自由の精神とは一致しない。西側諸国はそれに代わる選択肢を構築する必要がある」と述べ、「新シルクロードはマルコポーロの感傷的な思いではなく、中国の国益に奉仕する包括的なシステム開発に寄与するものだ。もはや、単なる経済的エリアの問題ではない。欧米の価値体系、社会モデルと対抗する包括的システムを構築してきている。そのシステムは自由、民主主義、人権を土台とはしていない」と明確に指摘しています「独外相、中国の『一帯一路』を批判」2018年3月4日参考)。

ジグマ―ル・ガブリエル氏(当時外相)

習主席は昨年秋の共産党大会で権力基盤を一層強化し、シルクロード経済圏構想「一帯一路」などで覇権主義的な動きを強めてきたましたが、ここにきて反習近平派の巻き返しを受け、党内の権力基盤が揺れ出しているという情報が流れてきています。

一方日本はといえば、中国の地方政府幹部による「日本詣で」が再び増えています。日本企業の誘致を目的に幹部級が来日する投資説明会が相次いでおり、日本貿易振興機構(ジェトロ)などによると2018年度は17年度の2倍程度に増える見込みです。日中関係が悪化した時期に急減したのですが、外交関係の改善が徐々に進んでいることが背景にあります。

なぜ中国が日本との外交関係を最近改善してきたかといえば、それは明らかです。米国をはじめとして、EU諸国も中国に警戒を強めてきたからです。中国としては、外資が逃げ出していく中、日本企業を騙して沈もうとする舟に誘い込む魂胆です。甘い言葉に乗せられて一旦入ってしまったら、それこそ地獄の始まりです。

我が国も中国共産党独裁政権が推進する経済活動に対して警戒を緩めてはならないです。

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2016年5月1日日曜日

日本のアニメに怯える習近平政権 歴史観が日本に“洗脳”されてしまう!「進撃の巨人」の“排除”を指示―【私の論評】古代中国の徳や知恵の継承者は日本、現代中国ではない(゚д゚)!

日本のアニメに怯える習近平政権 歴史観が日本に“洗脳”されてしまう!「進撃の巨人」の“排除”を指示

閉幕する中国全人代に臨む(左から)習近平国家主席と李克強首相=3月16日、北京の人民大会堂

今から1800年ほど前の中国大陸で魏、呉、蜀が覇権を争った三国時代。日本でも劉備、曹操、孫権らが登場するこの時代は「三国志」として親しまれている。しかし、中国では三国時代などを題材にした日本のアニメやゲームが伝統的価値観を崩壊させてしまうとの指摘が出ている。日本のアニメやゲームの文化が中国人青年を“洗脳”し、自国の歴史への「正しい認識」をゆがめてしまうというのが彼らの主張だ。支配秩序を乱す恐れがあるという観点から中国共産党に狙い撃ちされる日本のアニメも出始めた。

■「5000年の歴史を持つ大国のメンツは!」と憤慨

 中国メディアの騰訊網は4月11日、「文化侵略?日本のアニメ・ゲームが『三国』に対する認知を破壊した」と題した記事を掲載した。記事は日本のアニメやゲーム業界で三国時代を題材にした作品が次々と出ていると指摘。「史実に基づかない多くのシーンが、中国の若者の頭に浮かぶようになった」と現状を説明したうえで、「われわれはすでに、日本のアニメ・ゲーム文化によって洗脳された世代の人間なのだ」と嘆いた。

日本のスマゲー『三国志ロワイヤル』
記事は三国時代をテーマにしたアニメやゲームとして「一騎当千」「龍狼伝」「SDガンダム三国伝」「恋姫†無双シリーズ」など取り上げ、「中国の古典名著が異邦人によって書き改められている。5000年の歴史文化を持つ大国のメンツはどこにあるのか」と憤慨してみせた。

■中国社会にすっかり浸透した日本のアニメ

 中国の古代をテーマにした日本のアニメやゲームは多く、秦の始皇帝の死による大乱から漢王朝樹立への道を描いた「項羽と劉邦」、宋の時代を舞台に宋江(そうこう)ら108人の豪傑が活躍する「水滸伝」、戦国時代にやがて秦の始皇帝となる秦王・●(=亡の下に口、下に月女迅のつくりを横に並べる)政(えいせい)と、大将軍を目指す少年・信(しん)の活躍を描く「キングダム」など枚挙にいとまがない。

中国ではテレビの普及とともに1980年代以降、日本からさまざまなアニメ番組が輸入された。「一休さん」、「ドラえもん」、「ドラゴンボール」、「聖闘士聖矢」など日本国内でもおなじみの作品を中国の子供たちは観て育ち、その作品は今はすっかり大人となった中国人の脳裏に刻み込まれている。2000年以降はインターネットで作品の配信も行われるようになり、日本のアニメやゲームは中国社会に大きな影響を与えている。

■危機感募らす習近平政権が日本アニメを“攻撃”

騰訊網が記事の中であらわにした危機感は、中国社会の中に日本のアニメやゲームの文化がすっかり根付いてしまったことを逆に裏付けるものだが、こうしたなか習近平政権は日本のアニメやゲームなどを狙い撃ちし始めている。

 昨年6月に上海で開かれ国際映画祭に合わせて日本の作品が紹介されたが、日本国内でも人気が高い「進撃の巨人」は上映できなかった。この時は、その理由が明らかにされなかったが、中国文化省は映画祭に先立って、「進撃の巨人」や「寄生獣」など38作品のリストを公表。インターネットでの配信を禁止する措置を取っており、この影響を受けたとみられている。

38作品をリスト化した表向きの理由は「未成年者の犯罪や暴力、ポルノ、テロ活動をあおる内容が含まれる」というものだが、中国政府や共産党の見解を額面通りに受け取るような人はよほどのお人好しだろう。


■「ドラえもん」にまでかみつく

を捕食する「巨人」が支配する世界で、築いた壁の内側で戦きながら暮らす人類がやがて「巨人」との戦いを決意する「進撃の巨人」は、中国共産党の支配力が着実に浸透している香港に重ね合わせることもできる。巨人=中国共産党であり、人類=香港の人々という具合に。「進撃の巨人」は世界中でファンを獲得したが、香港でも大きな反響を呼んだ。

昨年春には北京テレビが「名探偵コナン」を取り上げ、「アニメ作品の旗を掲げた、あからさまな犯罪の教科書だ」と批判。また、2014年9月には成都市共産党委員会機関紙の成都日報が「ドラえもん」にかみついた。成都日報は「ドラえもん」が2020年東京五輪招致の際に招致スペシャルアンバサダー(特別大使)に就任したことなどに触れ、「ドラえもんは国家としての価値観を輸出し、日本の文化戦略で重要な役割を果たす」と主張。むやみに親しみを持たないように呼びかけた。

これだけ中国政府や共産党が日本のアニメやゲームの文化に対して警戒感と敵愾心を示すのは「たかがアニメやゲーム」と侮れない発信力があると認識している明らかな証拠だろう。

【私の論評】古代中国の徳や知恵の継承者は日本、現代中国ではない(゚д゚)!

上の記事では、「これだけ中国政府や共産党が日本のアニメやゲームの文化に対して警戒感と敵愾心を示すのは「たかがアニメやゲーム」と侮れない発信力があると認識している明らかな証拠だろう」と結んでいます。

それでは、なぜ中国の共産党(=中国共産党)は「たかがアニメやゲーム」と侮れない発信力があると認識するのでしょうか。無論、中国のアニメやゲームと比較すれば、日本のそれのほうが、格段に優れていて、中国の人民をも惹きつけるからでしょう。

これに比較して、中国のアニメやゲームなど、日本ではほとんど見られたりとか、プレイさたりという話は聞いたことがありません。あまりの低水準のため、日本のテレビで放映されたり、ゲームがダウンロードされるということもないのだと思います。

しかし、それだけのことであれば、なぜ中国共産党(中国政府)が警戒心と敵愾心を示すのか説明がつきません。

日本であれば「たかがアニメやゲーム」であり、それをすぐに現実と結びつける人などいません。日本人は、西欧とは異なり、青年や大人もアニメを見たり、ゲームをしたりしますが、その人たちのほとんどがアニメや、ゲームの世界を現実世界とダブらせることはありません。というより、現実世界から全くかけ離れたアニメやゲームのほうが非日常的であるからこそ、面白いし楽しいのだと思います。

しかし、中国では異なるようです。上の記事では、「『進撃の巨人』について、中国共産党の支配力が着実に浸透している香港に重ね合わせることもできる」としていますが、これを最初に語ったのは、香港の芸術家・ケイシー・ウォン(黄国才)です。

黄国才氏の作品「ベンチ」 廃材を利用したものです
彼は、香港で本作が評判を生んでいる要因として、1997年まで英国植民地として「壁」に守られていた香港が、中国返還後は中国資本メディアの台頭や、中国人移民の激増という「巨人」に脅かされ、自由な空気が損なわれている、という香港の時代背景を挙げ、本作のプロットとの共通性を指摘していました。

なお2011年3月11日以降はこの作品は内容上、東日本大震災に絡めて評されることが多くなりました。『ダ・ヴィンチ』2011年6月号掲載の特集では、「作中に登場する“前に巨人に襲われてから100年経っていたため脅威を忘れていた人々”や“自分の財産を守ろうとして人々の避難を邪魔した商人”などのキャラクター、そして“巨人”そのもの。これら全てが震災前に描かれたにもかかわらず震災を連想させるものばかりであり、震災後の日本と同じく本作も巨人から世界を取り戻すという“復興”を目指す作品である」とした上で、「ますます時代に関わる重要な作品になっていくだろう」と紹介しています。

震災については作家諫山自身も映画評論家・町山智浩との対談記事にて「作品内容に影響は無い」としながらも、別のインタビュー記事では「以前の日本には閉塞感が漂っていたが、震災を境に変わってしまった。今後は目の前にある脅威に対してどうやって勝ち得るのかを描いていきたい」と述べています。

私自身は、この作品は最初から、日本の安全保障を暗喩するものであると感じていました。しかし、見方によれば、この漫画の設定は、すべてフィクションであることから、日本以外の国でもあてはまるといえば、当てはまるので、無論香港に当てはめることもできるし、他のどのような国にも当てはめて考えることもできるわけです。

この作品は、それだけスケールの多い作品だということです。日本のアニメや、ゲームなど大人が見たり、プレイすることも念頭に入れて作られているので、大人を飽きせないためでしょうが、かなりスケール大きな内容のものが多いです。

その中には、人類としての普遍的な価値観を含むものもあります。この人類の普遍的価値観の中には、中国の最高統治機関である中国共産党にはなじまないものもあります。

そうして、なぜ中国共産党がこれに、警戒感と敵愾心を示すかといえば、やはり中国共産党の統治の正当性が脆弱であるということです。

どの時代のどの為政者も、特定の地域を長期間にわたって統治できるのは、統治の正当性があるからです。しかし、中国共産党は日本政府と比較すれば、統治の正当性がかなり脆弱です。

彼らは、昨年抗日70年記念軍事パレードを挙行しましたが、これ自体が中国共産党の統治の正当性の脆弱性をものがっています。そもそも、中国共産党は日本と直接戦争や、戦闘などしたことがありません。小さな小競り合いなど程度ならあったかもしれませんが、まともに戦ったことはありません。

日本が大東亜戦争時に戦ったのは、中華民国であり、今日の中華人民共和国は建国すらされていませんでした。中華人民共和国が成立したのは、1949年であり、大東亜戦争が終了してから4年後のことです。

彼らが戦ったのは、日本軍ではなく、中華民国の国民党軍です。そうして、中国共産党は、国民党軍に勝利をおさめ、彼らを台湾に追いやり、その結果中華人民共和国が建国されたのです。

にもかかわらず、中国共産党が抗日記念軍事パレードを行うのには、それなりの理由があります。その理由とは、中華民国と戦ったこと自体は、同じ国の同胞同士が戦った単なる内乱・内紛であり、それに勝利した事だけでは、中国共産党の統治の正当性を主張できないからです。

なぜ主張できないかといえば、中国共産党は、現状の中国版図を軍事力で奪いとったのであり、そこには、多くの人民の同意も何もなく強制的に中華人民共和国を建国したからです。そもそも、現中国では、建国前後も、その後にも選挙など一度も行われておらず、建国以来毎年平均2万件もの暴動が起こったとされています。さらに、2010年あたりからは、毎年平均10万件の暴動が発生しているといわれています。

昨年5月に発生した四川省での大規模な暴動
中国共産党に統治の正当性があるというのなら、これだけの毎年これだけの暴動が発生するはずもありません。日本でも、過去の暴動がなかったとはいいませんが、近年は滅多にみられなくなりましたし、そもそも、日本政府は選挙という民主的手続きで選ばれた政治家が構成するということで、それで政府の統治の正当性は十分主張できます。

そもそも、中国共産党の統治の正当性があまりに脆弱であるため、中国共産党は、日本製のアニメや、ゲームでさえ、それを脅かす存在として、怯えるのです。

これに対して、日本の政府は国内においては、中国共産党などよりははるかに、統治の正当性があるので、中国文化などを恐たりはしないのです。それは、過去においてもそうで、過去においても、古代中国の考え方など取り入れて、自分たちの血と肉として、さらに統治の正当性を高めていって、今日に至っているのです。

中国の過去の歴史は、大帝国を築いても、結局分裂し、また新たな帝国ができるのですが、過去の帝国とは全く分断され、文化や伝統など継承しませんでした。過去の中国は、何の反省もなく、それを繰り返しました。

そうして、今日の中国も同じことであり、過去とは断絶しています。古代中国と現代中国は全く別物です。だから「5000年の歴史文化を持つ大国のメンツ」などというのは、まさに噴飯物です。

現代中国は、文化大革命で、過去の中国の知恵からは完璧に断絶されました。文化大革命(プロレタリア文化大革命とも呼ばれる。簡体字:无产阶级文化大革命 繁体字:無產階級文化大革命)、通称文化大革命(ぶんかだいかくめい)は、中華人民共和国で1966年から1976年まで(終結宣言は1977年)続いた、社会的騒乱です。略称は文革(ぶんかく)。

名目は「封建的文化、資本主義文化を批判し、新しく社会主義文化を創生しよう」という政治・社会・思想・文化の改革運動でした。しかし実際は、大躍進政策の失敗によって政権中枢から退いた毛沢東共産党主席が自身の復権を画策し、民衆を扇動して政敵を攻撃させ失脚に追い込むための、中国共産党の権力闘争でした。

これにより1億人近くが何らかの損害を被り、国内の大混乱と経済の深刻な停滞をもたらしました。

この文革、ハチャメチャな権力闘争であり、その中でも、1973年8月から1976年まで続いた「批林批孔運動」は酷いものでした。その内容は、林彪と孔子及び儒教を否定し、罵倒する運動でした。

幼少の頃に文化大革命に遭遇し、後に日本に帰化した石平氏は、「この結果、中国では論語の心や儒教の精神は無残に破壊され、世界で屈指の拝金主義が跋扈するようになった」と批判しています。

中国では、文化財などの保存もいい加減であり、とても、過去の先達の知恵を継承しようなどという考えがあるとは思えません。

古代中国の知恵を自分たちの血とし、肉として、それを現代に至るまで継承してきたということでは、日本のほうが現代中国よりも、古代中国の知恵の継承者として、数段上にあると言っても良いくらいです。誰でも、一度は漢文に接したことがあることでしょうし、習字をしたこともあると思います。さらに、私達の生活習慣の中にも、古代中国の知恵や文化が息づいています。


これに関しては、上の写真を見ても理解できます。上は、日本の安倍総理による習字と、習近平のものを対比したものです。

これを見ても、どちらが古代中国の文化や知恵、徳の継承者であるか良く理解できます。そうは、言っても、日本でもとても古代中国の文化を継承しているとは思えない人もいます。それは、以下の写真をご覧いただければ、おわかりいただけるものと思います。


このような例外は、除いて、普通の日本人なら、古代中国の徳や、知恵が体に染み付いています。日本のアニメや、ゲームも作者は意識していなくてもそうなので、それが意識しなくても、作品に現れてしまうのです。それを中国共産党は、自分たちの統治の正当性を脅かすものとして、警戒感と敵愾心を示すのです。

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