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2019年2月20日水曜日

米国務省が警笛を鳴らす中国の人権問題―【私の論評】中国を「法治国家化」するには、経済を弱体化させ中共を崩壊させるしかない(゚д゚)!

米国務省が警笛を鳴らす中国の人権問題

岡崎研究所

 2019年1月29日付で、米国務省は、中国の人権派弁護士、王全璋(Wang Quanzhang)氏に対する判決に関して、以下のようなプレス・リリースを発表した。

中国の人権派弁護士、王全璋(Wang Quanzhang)氏

 「1月28日に中国天津で、人権派弁護士の王全璋氏に対して「国家転覆罪」で4年半の禁固刑が言い渡されたことに、米国は深く憂慮している。王氏は、2015年7月9日(「709」)の中国政府による法の支配提唱者や人権擁護者に対する取り締まりによって最初に拘留された者の一人であり、判決を下された最後の者の一人である。

 中国が王氏を判決前に3年半も拘留、監禁し、彼が選定した弁護士は認められず、その弁護士は報復にあったことを、我々は問題視する。

 我々は、王氏が即時に釈放され、彼が家族のもとに戻れることを、中国に要求する。中国において、法の支配、人権及び基本的自由の状況が悪化していることを、我々は憂慮している。そして、中国が国際的人権ルールを守り、法の支配を尊重することを、引き続き要請する。」

参考:Department of State‘Sentencing of Wang Quanzhang’January 29, 2019
https://www.state.gov/r/pa/prs/ps/2019/01/288664.htm

 2015年7月9日に開始された「709」キャンペーンでは、2-3週間の間に、300名もの人権擁護や民主主義、法の支配を訴えていた弁護士や法律顧問等が逮捕、抑留され、弁護士資格を剥奪されたり、仕事を失ったりした。

 この中で、上記に掲げた王氏のほか、少なくとも 4 名が収監された。2016年 8月、周世鋒(Zhou Shifeng)氏と胡石根(Hu Shigen)氏は、それぞれ7年と7 年半の禁固刑を言い渡された。2017年11月には、江天勇(Jiang Tianyong)弁護士が2年の刑に処せられた。その翌月2017年12月には、人権活動家の呉淦(Wu Gan)氏が8 年の刑を言い渡された。

 また、上記のプレス・リリースで指摘されている、王氏の弁護士に関しては、そのうちの一人、余文世(Yu Wensheng)弁護士とは連絡が付かず、 彼は1年以上拘束されているとも言われている。

 なお、この問題に関しては、1月31日付の米ワシントン・ポスト紙が社説で取り上げている。

 中国については、共産党が大きな役割を果たし、はたして市場経済であるのか否かとか、世界標準を外れた行いを中国の特色として正当化する傾向があるとか、いろいろな問題があるが、人権無視の問題はその中でも中国を尊敬できない、恐ろしい国にしている主要な問題である。このことについては、不断に注意喚起をしていく必要がある。

 中国で人権のために勇敢に戦っている人々は、民主主義世界の支持に値する。

 旧ソ連でも、1975年まで人権はひどく無視されていたが、ヘルシンキでの全欧安保会議でヘルシンキ宣言が採択された後、状況は徐々に変わっていった。中国に関しては、もちろんヘルシンキ宣言のようなものはないが、人権規約のうち社会権規約は締結済みであり、自由権規約についても署名済みである。自由権規約の批准、締結を求めていくことが適切である。

 また、中国の人権問題を、ウイグル、チベットの問題を含め問題にしていくことは大切である。それが中国を異形の大国である度合いを低めることになる。国内での法の支配の強化につながるし、国際的な場での法や規則の尊重にもつながると思われる。

 日本の人権活動家も、もっと中国の人権状況に関心を払うべきであろう。

【私の論評】中国を「法治国家化」するには、経済を弱体化させ中共を崩壊させるしかない(゚д゚)!

中国が掲げる「法治」は、共産党独裁を支える強権の追認でしかありません。法治に名を借りた人権弾圧を、決して見過ごしてはならないです。

中国は先進国のように「法治国家」されていません。そもそも、中国では憲法は中国共産党の下に位置づけられており、まさしく共産党は何でも意のままにできるというのが実態です。

法律体系もある程度は整えられているのですが、細かなところはあまり決まっていません。細かなところまで決めてしまうと、これに共産党が足を引っ張られて、意のままに動けないから、決めないのです。

天津の地裁にあたる裁判所は、ブログ冒頭の記事にもでてくるように、人権派弁護士の王全璋(おう・ぜんしょう)氏に懲役4年6月の判決を言い渡した。

「国家政権転覆罪」の適用にあたり裁判所は、家族や支援者らの傍聴すら認めませんでした。王氏が法廷で裁判批判を展開し、傍聴者を通じて王氏の主張が広まることを恐れた措置とみられています。

文化大革命で「反革命犯」とされた共産党の女性幹部、張志新は銃殺前にのどを切り裂かれました。刑場で不都合な言葉を叫ばせないための措置だったといいます。

張志新

裁判所の発想は、文化大革命当時のままではありまんせんか。

支持者の傍聴を認めず、判決理由すら示さない裁判が存在すること自体が現代の奇観です。裁判そのものが不当であり、王氏の即時釈放を強く求めます。

王氏と同じく、人権派弁護士や民主活動家を狙った2015年7月の摘発では、320人以上が連座しました。王氏の拘束は3年半あまりと最長に及びます。王氏が転向を拒み続けたためです。

拘束された者の多くが肉体的、精神的な拷問を受けたとの証言があります。夫との面会を求めた王氏の妻、李文足さんも治安当局の嫌がらせを受け続けました。

権力強化を進める習近平政権には、弁護士らが進める自由民主の価値観や権利意識の広がりが目障りだったのでしょう。改めて、中国共産党とは価値観を共有できないことを印象づけました。

国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは、王氏の裁判そのものを「ひどい茶番」と断じています。

ドイツのメルケル首相は昨年の訪中時に北京で李文足さんと面会し、写真が公表されました。国際社会は中国の人権弾圧を注視しているという重要な取り組みです。

北京で李文足さん(左) と面会したドイツのメルケル首相

習国家主席との米中首脳会談を予定するトランプ大統領も、通商だけではなく中国の人権問題に言及してもらいたいものです。

それにしても、中国がまともに「法治国家化」できないのにはそれなりの理由があります。

先日新聞を読んでいると「中国の農村でも法治が進んだ」という趣旨の記事が目に入りました。大意を記せばこのような話です。

河北省のある農村で土木工事の請負を生業にしている自営業者がいました。2014年に用水路掘削の仕事を受注、完工したのですが、一向に代金が支払われないのです。こうした話は過去にもあり、泣き寝入りのケースも多かったそうです。

そこで自営業者氏は町のゴロツキ連中を雇い、発注者を脅かして一部を取り立てました。しかしその後、この人物は「このやり方は間違っている」と改心し、政府を頼ることにしました。役所の相談窓口に通って法的手続きを申し立て、司法機関の介入の下、見事に工事代金を手に入れたそうです。何事も「法治」で解決することが重要だという内容です。

たわいのない話ではありますが、中国社会で「法治」という言葉がどのような意識で使われているかがうかがわれます。まさに、多くの中国人が、私的な実力で問題を解決するのではなく、公的機関に訴えて自己の利益を守ることが「法治」であると考えているようで、実際政府もそのような行動を奨励しているにです。

もちろんこれらも「法治」の一部には違いないですが、日本をはじめとする先進国などの社会の「法治」の概念とはズレがあります。

私たちが日常的になじんでいる「法治」は「法律という一つの体系の下、社会的地位や属性などに関係なく、すべての参加者が同じルールでプレーすること」という考え方です。一方、中国社会の「法治」は「法律という道具を社会の管理者(権力者、政府)がしっかりと運用し、社会正義を実現すること」という意味合いが強いです。

こうした中国社会の「法治観」には一つの前提があります。それは社会には必ず国民の上に立つ「統治者(権力者、政府)が存在している」ということです。

日本を含むいわゆる議会制民主主義の国々では、社会を管理しているのは国民、つまり私たち自身です。うまく管理できているか否か、その実態はともかく、理屈の上では私たちは自ら代表を選び、その人たちに国の方向づけと管理を行ってもらっているすなわち信任していると考えます。

代表が十分な仕事をしていないと考えれば、人選を変えることができます。つまりこの社会を管理し、社会正義を実行するのは私たち自身の責任である。社会がうまくいかなければ自分たちで何とかするしかない。そういう大原則があります。

ところが中国の社会はそうではありません。現在だけでなく、中華民国時代の短い一時期、国内の一部で議会制民主主義が行われたことがある以外、古代から今に至るまで、中国には常に「支配者」が存在し、実力で世の中を制圧し、民草の意志とは無関係に「自分たちの都合」で統治を行ってきました。

法律とは支配者が「自分たちの都合」を実現するために作るものなのです。これは「良い、悪い」の問題ではなく、天地開闢(てんちかいびゃく)以来の現実としてそうであったし、現在の体制も例外ではないのです。

だから中国社会で暮らす人々にとって統治者の存在は水や空気のように当たり前であり、「自分たちで社会を管理する」という発想はほぼないのです。社会を統制し、「良い」世の中にするのは天から降ってきた「偉い人」の仕事であり、統治者がその仕事をうまくできなければ不満を言うのです。

ただ、あまり強く文句を言うと身に危険が及ぶから、周囲の空気を忖度しながら要求を出したり引っ込めたりするのです。要は「社会を良くする」「社会正義を実現する」のは民草の責任ではなく、統治者の義務であるという点がポイントです。

そして、そのような状態を中国の普通の人々は、「喜んで」ではないのですが、受け入れているのです。それは、そのような状況しか体験したことがないから比較のしようがないこと、さらには統治者に対する不満はあれども、間違いなく「無秩序よりはマシ」だからです。

5年に一度開催される全国人民代表大会。最新のものは2017年に開催された。
その時の写真。習近平が演説している。この大会は最早実社会から乖離している。

そして、統治者が仕事の遂行のために作る道具が「法」であり、それを使って世の中の秩序を維持することが「法治」です。人々は、統治者がそれを実行してくれるが故に、嫌々ながらも「税」という名の対価を払います。そういう構造が明らかに存在しています。

このような考え方を根本から変えなければ、中国は法治国家できません。

ただし、西欧の先進国でも近代になって国民国家が樹立されるまでは似たような考えでした。しかし、いくつかの国がさきがけて、民主化、政治と経済の分離、法治国家化を推進し、多くの中間層を輩出し、それらが自由な社会経済活動を行い多くの富を生み出し、経済的にも軍事的にも強国になりました。これに負けじと多くの国々がこれを実行して強国になりました。

なぜ、このようなことになったかといえば、自分の国も強国にならなければ、他の強国に潰されてしまい、多くの国民の生命、財産が奪われ、国民も他国に従属せざるをえなくなるという恐怖があったからです。

ただし、中国はこのような体制を整えることなく、海外から多くの資金が流入して、経済だけが発展するという歪な発展を遂げました。先進国は中国が豊かになれば、自然と民主化、政治と経済の分離、法治国家化がすすみ、先進国と同じようになると期待していましたが、その期待はことごとく裏切られ今日に至っています。

今のままであれば、中国が「法治国家」することなど考えられず、人権問題はいつまでも放置されることになるだけです。

やはり、米国等よる経済制裁等で、中国を経済的に弱体化させ、中国共産党を崩壊させ、そこから再構築するしか道はないようです。

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2014年8月25日月曜日

消費税10%「予定通りに」3割 本社世論調査 ―【私の論評】再増税すれば、安倍政権への支持率はかなり下り、やがて安倍おろしの嵐が吹き荒れる。共産党の党勢拡大は安倍政権への警鐘であるとみなすべき(゚д゚)!

消費税10%「予定通りに」3割 本社世論調査 


日本経済新聞社とテレビ東京による22~24日の世論調査で、消費税率を予定通り2015年10月に10%に引き上げることに関して「反対」が63%で「賛成」の30%を上回った。7月の前回調査より賛成は6ポイント下がり、反対は4ポイント上昇した。内閣支持率は7月の前回調査より1ポイント上昇の49%で、ほぼ横ばいだった。



4月の消費税率の8%への引き上げによる影響で、4~6月の実質国内総生産(GDP)は前期比年率で6.8%減少した。安倍晋三首相は7~9月の景気動向をみて判断する考え。今後は景気の下支え策が必要になる可能性がある。

安倍政権の経済政策を「評価する」は47%で前月より3ポイント上昇した。「評価しない」は34%で3ポイント下がった。経済政策を評価する人のうち、52%は予定通りの消費増税に反対と答えた。

15年10月の消費増税に反対と答えた人にどうすべきかを聞くと「引き上げるべきでない」が50%で最も多かった。「時期を遅らせるべきだ」が25%、「引き上げ幅を見直すべきだ」は21%だった。

内閣を支持する理由(複数回答)は「安定感がある」が35%で最も多い。支持しない理由(同)は「政策が悪い」が4ポイント上昇して39%で最多になった。

この記事の詳細は、こちらか(゚д゚)!

【私の論評】再増税すれば、安倍政権への支持率はかなり下り、やがて安倍おろしの嵐が吹き荒れる。共産党の党勢拡大は安倍政権への警鐘であるとみなすべき(゚д゚)!

安倍内閣の支持率と、増税には密接な関係がある。それは、そうだろう。まずは、有権者は例外をのぞいて、まずは経済的安定ほ望み、その後で天下国家を論じるというのが普通です。

まずは、日々の生活が安定してこそ、天下国家に目を向けます。

これについて、古谷経衡氏は以下のようなツイートをしています。
古屋氏のツイートにもある、産経新聞の記事のそのさわりだけを以下に掲載します。
安倍政権の「暴走」に感謝?! 共産が空前の党勢拡大産経新聞8月24日(日)13時35分 
 日本共産党が党勢拡大に向けて全党に号令をかけた党創立92周年をめぐる「躍進月間」(5月15日〜7月31日)で、「空前の前進」(党関係者)を果たした。集団的自衛権の行使容認はじめ安倍政権の政策をことごとく「反動的暴走」と決めつけ、それにブレーキをかけようと喧伝(けんでん)するキャンペーンが奏効したとみられる。しかし裏を返せば、党勢拡大を続けるには同党がいう「暴走」を安倍政権に続けてもらわなければ困るわけだ。
党勢拡大で大感激の志位委員長


集団的自衛権の容認、特定秘密保護法の導入など確かに、現在の我が国にとって、必要不可欠のものであり、私自身は反対はしません。多くの、保守系の人々でこれに異議を唱える人はいないでしょう。また、政治的に左でも右てもない人々は、これを頭から反対する人々はいないてじょう。

安倍総理が、2012年に総裁になった直後に行なわれた衆議院議員選挙や、昨年夏の参議院議員選挙で、安倍自民党は大勝利を収めました。

そうして、これらの二回の選挙で安部総理は、二回とも、集団的自衛権の容認や特定秘密保護法の導入などについて、選挙公約ではっきり明言しました。

だから、これらを実行しないということは、公約違反です。だから、実行すのは当然のことと思います。これについて、マスコミや野党は、国民への説明が不十分などとしています。

しかし、これらについては、安部総理は第一次安倍内閣のときもその必要性を主張してきましたし、上で述べてきたように二回の選挙でも主張してきました。そうして、安部総理になったのですから、もしこれを実行しないというのであれば、その自体が非難の対象となります。

それこそ、結局何もできなかった民主党政権のように、マニフェストをほとんど何も実行せずに、ただただ、3年間漂流して、国民から大避難を浴びたようになってしまいます。

しかし、現実的に考えれば、天下国家論を論ずるためには、先ほども述べたようにまずは、経済が安定していなければなりません。

だから、本来は、経済を悪化させる懸念のある増税などすべきではなかったのです。

このことを査証するものとして、以下の2つをあげておきます。

まず一つ目は、上でも述べたように、2012年年末の衆議院議員選挙において、安倍自民党は大勝利しました。

その原因は、はっきりしています。それまで、日銀は、ずっと金融引き締め政策をしてきましたが、安部総理は金融緩和をすると明言しました。

この明言を市場は好感して、まずは株価があがりました。その後、実際に4月から異次元の包括的金融緩和をしました。これに対して、野党や、マスコミ等一斉にこれを批判しましたが、にもかかわらず、経済指標はのきなみ良くなりました。

一時、株価は少し下がりましたが、それも落ち着き、安定した後に、参議院銀選挙が行なわれ、これでも安部自民党は、大勝利でした。

そうなんです。市場関係者はもとより、国民の多数もやはり、実体経済を良くする政党を指示するのです。

第2は、過去の池田勇人総理大臣による、所得倍増計画です。

国会で演説する池田隼人氏


所得倍増計画(しょとくばいぞうけいかく)とは1960年池田内閣の下で策定された長期経済計画です。閣議決定された際の名称は国民所得倍増計画(こくみんしょとくばいぞうけいかく)といいます。この計画では翌1961年からの10年間に名目国民所得国民総生産)を26兆円に倍増させることを目標に掲げましたが、その後日本経済は計画以上の成長に至りました。立案は経済学者の下村治氏です。

この所得倍増計画は、大成功し、10年を待たずして、本当に国民の所得は倍増しました。

この過程で何が起こったかといば、終戦直後より当時のソビエトは、戦前から日本国内にいわゆるコミンテルンというスパイを送り込み、日本国内で暗躍させ、日本国内の様々な勢力がソビエトにとって都合良く動くように様々な工作をおこなっていましたが、これが全く無力になってしまったのです。

1960年より前の時点では、国民の大多数が貧乏であり、ソビエトのコミンテルンに扇動ざれる人も大勢いましたが、経済が発展するにおよび、国民のほとんどはコミンテルンの工作にものらなくなり、やがて、日本国内におけるソビエトの力も地に落ちました。

やはり、経済がよくなって、明日への希望が生まれてしまうと、これを実現した政府に対して、反対して、わざわざコミンテルンの甘言に乗る必要もなくなってしまってのです。

この2つの事柄を思えば、やはり国内の経済対策はかなり重要です。経済か良くなれば、時の政権は安定して、様々政策を実行しやすくなるのです。

これを考えた場合、やはり、4月からの増税は大失敗でした。だからこそ、共産党のそうして、さらに来年の10%増税を決めてしまえば、かなり支持率は低下します。

私自身は、古屋氏の主張である、「保守派が天下国家論ばかりを取り上げ、格差や労働問題をなおざりにしてきたことが、共産党を利する結果になった」ということには、全面的に賛成ではありません。

私は、どちらかというと、「格差や労働問題」をなおざりにしてきたことが、その主な原因であると思います。そうして、格差、労働問題というと多くの人は、経済に目を向けず、なにやら、この問題は厚生労働省管轄の問題であると考えがちですが、そうではありません。

いくら厚生労働省が頑張ったとしても、できることは、雇用のミスマッチを是正することだけで、それ以上のことはできません。特に、雇用自体を増やすことはできません。

そうして、雇用を改善するのは、なぜか日本ではほとんどに認識されていませんが、まずは第一に日銀による、金融政策によって達成することができます。

デフレでは、雇用状況が悪化するのは当然のことです。緩やかなインフレにすることができれば、雇用は黙っていても増えます。ほんの数パーセント、インフレ率があがっただけで、日本のような国では、数百万の雇用が生まれます。

これは、事実てず。そうして、第二は、政府による積極財政です。これは、公共工事を増やすとか、減税するとか、給付金を支給するとか、いくつかの方法があります。

この二本柱が、経済を良くして、それによって、格差や労働問題はかなり改善されます。ただし、いくら経済が良くなっても、様々な社会システムの不備などがあれば、格差・労働問題は完璧には解決されず、そこで、厚生労働省の出番となるわけです。

無論、これには、民間の努力も必要ではあります。厚生労働書だけではなかなかできることではありません。しかし、厚生労働省としては、規制緩和をしたり、新たなシステムを構築したり、新たな法律を制定したりして、民間の力も借りながら実行していけばかなり良くなります。

ただし、デフレのときに日銀や、財務省抜きで、厚生労働省だけが何かを実行したとしてしても、そもそも、雇用がないわけですから、どうしようもないわけで、「格差や労働問題」を解消することはできません。何かやっても、必ず他の何かが悪くなり、結局モグラたたきにおわります。

これを考えると、やはり、増税は完璧な間違いでした。今後このままだと、8%増税の悪影響が来年
3月まで続きます。そうなると、安倍政権の支持率は確実に落ちていきます。

東京オリンピック招致を決めた安部総理


そうして、来年の10%増税を実行したとしたら、安倍政権の支持率は坂道を転がり落ちるように低下していきます。それでも、何もしないとか、対処療法的な対策をしなければ、さらに景気は落ち込み、かなり落ち込み、挙句の果ては、安倍おろしがはじまり、第一位安倍内閣が崩壊したときと同じような状況に見舞われることになります。

このようなことを防ぐには、まずは、10%増税は絶対にやめること。そうして、8%増税の悪影響をなくするために、積極財政を実行することです。

積極財政とはいっても、現状では、公共工事を増やそうにも、人手不足などにより、公共工事の供給制限があるので、これは今のところ、経済対策に大きく寄与することはありません。

であれば、特に多くの人々を集めて工事をする必要のない、所得税減税や、給付金対策を行えば、かなり効果があります。

さて、共産党が党勢拡大をしたからといって、共産党が次の政権を担うことはないでしょうし、そこまでいかなくとも、大きな影響力を持つには至らないでしう。

しかし、かつてないほどの、党勢拡大ができたのは、やはり無党派層などの一部が取り込まれているとみるべぎてす。そうして、これ自体が安倍政権に致命傷を与えることはありませんが、それにしても、これはある意味、安倍政権への警鐘であると受け止めるべきであると思います。

私は、そう思います。

皆さんは、どう思われますか?

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2014年7月8日火曜日

30年以上前、現代に警鐘を鳴らした男がいた。その人の名は……【私の論評】糸井重里氏をはじめとするコピーライターはもとより、変化を厭う、変化したくないというのなら、誰もが第一線から退くべきだ(゚д゚)!

30年以上前、現代に警鐘を鳴らした男がいた。その人の名は……

今、30年以上前に作られたキャッチコピーがTwitterやネット上で話題になっています。どうして今頃になって? と不思議に思われるかもしれません。その理由は、キャッチコピーをご覧になればすぐにお分かり頂けるでしょう。



これは、雑誌『広告批評』1982年6月号に収録された作品。作者はあの有名なコピーライター、糸井重里さんです。確かにこの内容、集団的自衛権の閣議決定などが物議をかもしている最近の世相にあったものと言えます。

昔の王様は戦争の際、最前線に立って指揮を執ったり、戦ったりするのが当たり前でした。だからこそ一介の兵士の痛みが分かり、だからこそ兵たちは王を信じて付いていけたのです。命の重みというのは、自らが命を危険に晒している者にだけ理解できるものでしょう。エアコンの効いた安全な部屋では、決して命の重さは分かりません。

『まず、総理から前線へ。』  このキャッチコピーを読んで、あなたはなにを考えますか?

【私の論評】糸井重里氏をはじめとするコピーライターはもとより、変化を厭う、変化したくないというのなら、誰もが第一線から退くべきだ(゚д゚)!

上のキャッチコピーを見ていると、隔世の感がします。当時といえば、まだ冷戦時代で、米ソともに超大国で、ある意味では世界秩序は単純でした。しかし、この世界秩序も長続きはしませんでした。ソ連崩壊とともに、この秩序は崩れ、現在の世界は新たな秩序を求めて模索している段階です。

糸井重里氏

糸井氏も現在なら、このようなコピーは世には出さないでしょう。キャッチコピーは、多くの人々の耳目を寄せ付けなければなりませんが、多くの人々の反感をかってはいけないからです。現在なら、まず間違いなく反感をかってしまうことでしょう。

上のキャッチは、30年前には日本国内では、物議を醸し多くの人々の耳目を寄せ付けたにしても当然と受け止められていたと思います。ツイッターでは、上のキャッチをもじって、以下の様なキャッチが流布されています。私も、このキャッチをリツイートしました。



糸井氏のあのキャッチから30年経過した現在、特にこの5年ほどで、随分日本も変化しました。

そもそも、集団的自衛権の行使など、いくら導入したくてもできなかったのが30年前であり、この状況はこれからもずっと続くと思われていました。

それに、当時はソ連など永遠に崩壊することなどはないと考えられていたと思います。私が大学を卒業した直後にソ連は崩壊しました。大学の卒業式の時に、卒業後はJICA(国際協力機構)のボランティアをすることが決まっていた友人となぜかソ連の話になり、私が「ソ連は近いうちに崩壊する」という話をしたところ、その友人は「そんなことは絶対にあり得ない」と語っていました。

その友人は、ソ連不滅を頑なに信じていたので、私はこの話をしても無理だと思ったので、適当にお茶を濁して話題を変えました。ソ連崩壊に関しては、当時様々な情報が飛び交っており、その頃あまりものを知らなかった私でさえ、少なくとも20世紀中には崩壊すると思っていました。

この友人以外にも周りの人に話を聴いてみても、ソ連崩壊を本気で考えていた人はあまりいませんでした。

ソ連崩壊にともない撤去されたレーニン像に向かい語りかける人

しかし、現実のほうがはやく、すぐにソ連は崩壊してしまいました。

しかし、ソ連崩壊などあり得ないと大多数の人が思っていたまさにその時に崩壊したという事実を忘れるべきではありません。

いわゆる戦後体制(戦後レジーム)もあれから随分時が経っています。ソ連が崩壊し、世界秩序は随分と塗り替えられました。東欧諸国の共産主義体制もすべて崩れました。

しかし、ソ連崩壊後において結果として日本は何もしなかったためというかできなかったため、アジア地域の冷戦体制はそのまま温存されてしまいました。中国、北朝鮮の体制は何も変わらず、アジア地域の不安定要因になっています。

日本は、戦後70年もたっているというのに、未だに戦後体制(それも第二次世界大戦の戦後体制)にがっちりと組み込まれていて身動きができない状態にあるように見えます。

30年前であれば、集団的自衛権の許容などということを言い出した総理大臣は国民からも糾弾され、アメリカなどを含む第二次世界大戦戦勝国からもかなり糾弾されたと思います。しかし、もうそうではありません。

この変化を見逃すべきではありません。

いわゆる戦後体制もソ連のように、崩壊しはじめたら、意外にその完全崩壊はやくなる可能性が大です。

その、条件は揃いつつあります。まずは、ソ連は崩壊して、現在では小国になってしまったこと、アメリカもアメリカ一極体制を目論見大失敗しており、巨大な軍事費に悩まされるようになってきました。

ソ連崩壊により、ソ連の脅威がなくなった中国は、海洋に進出しつつあり、それが東シナ海や、南シナ海での衝突につながっています。

現状では、中国では、経済が破綻しかけていますし、暴動が毎年平均10万件も発生すると推定する専門家もいるくらいで、このままの状態が続けは、中国も旧ソ連と同じように崩壊すると思います。

中国の海洋進出

日本には、中国幻想によった人々が大勢いますから、これからも、ますます経済や軍事力を拡大し続けると信じて疑わない人々が大勢います。そうして、中国が崩壊したら日本もとんでもないことになると考える人も大勢いまなす。

しかし、そんなことありません。ソ連が崩壊したときを思い出して下さい。ソ連崩壊後の日本はどうだったでしょうか。ソ連に対して過大な投資をしていたなど、ごく一部の人や企業を除いてほとんど影響はなかったです。これは、ソ連崩壊をリアルタイムで経験した人は誰もが納得する事実だと思います。

ソ連が崩壊したから、経済的に困窮したとか、株で大損したとか、直接投資でとんでもないことになったなどという人はごくわずかで、大多数の人はほとんど関係はありませんでした。

ソ連がなくなって、体制が変わっても、そこには相変わらず人が住んでおり、経済活動や社会活動を続けます。体制が激変しても、人々はそれに順応し、働いて生計を立てていかなければなりません。国家体制が崩壊しても、その後に新たな国家が生まれて、新たな秩序をうみだすか、アフリカ諸地域に見られるような内戦が継続する不安定な地域になるかのいずれかです。

元々、ソ連は徐々に経済が落ち込み、崩壊直前には外部には情報閉鎖をしていたため、多くの人が知りませんでしたが、実は経済は崩壊状況になっていました。崩壊状況になっていたからこそ、国も崩壊しました。しかし、ソ連が崩壊する前から、経済は実質上崩壊していたので、その影響はあまり大きくはなかったということです。

内戦の続く国ですら、そこに暮らす人々は、窮乏するものの、それでも何らかの形で生計をたてて、地域を維持し生活を維持していかざるを得ません。確かに、その地域の人々お気の毒ですが、だからといって、日本など他の主権国家がこれに甚大な影響を被るかといえばそうではありません。

ただし、特に日本に関しては、それには二つ条件があります。それは、まず第一に旧秩序、新秩序にかかわりなく、国家主権を維持することです。第二に国民国家を維持することです。そうして、秩序を維持することです。

そのためには、今の日本は、先日もこのブログに掲載したように、短期的には、集団的自衛権行使の容認、長期的には中国に隣接する国々のランドパワー増すことです。

これについては、昨日このブログに掲載しましたので、以下のそのURLを以下に掲載します。
北朝鮮の崩壊シナリオ、米中と「二股」かける韓国…アジアの安全保障を考えれば集団的自衛権は当然だ―【私の論評】日本の安全保障は、長期的観点である中国周辺国のランドパワーの拡張と、短期的観点である正当防衛を確実にできるようにするすることが正しい選択肢である(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、マスコミがこれらのことをほとんど報道しない中、安倍政権は着々と、短期的観点である正当防衛を確実にする集団的自衛権の確保と、長期的観点である中国周辺国のランドパワーの拡張を実行しつつあります。

日本は、今のところ安全保障について正しい選択をしました。将来この選択が維持・発展されることになれば、中国が崩壊しても、日本にとっては旧ソ連の崩壊と同程度の軽微な影響しかありません。

しかし、そうでなければ、どうなるかはわかりません。それこそ、紛争の絶えないアフリカの地域のようになる可能性も十分あります。

ソ連崩壊のときは、アメリカは世界唯一の超大国であり、戦後体制は強固でしたから、日本はソ連が崩壊してもさほどの影響はありませんでした。しかし、今日では、世の中は変わり、アメリカは弱体化し、戦後体制も強固ではありません。

どちらの道を選ぶかといえば、選択の余地はないと思います。

それにしても、30年前のキャッコピーの時代とは、世界情勢も日本も随分変わったということです。しかし、日本にはまだまだ、30年前の頭から変わらない人が大勢います。

30年前から頭が変わらない人?

変化を厭う、変化したくないというのなら、第一線から退くべきです。いつまでも、若い時代の気分で、政治活動やその他の活動を続けるべきではありません。左翼であっても、右翼であっても、中間派であっても、あるいは年齢がどうであれ、30年前の頭であってはいけないはずです。時代が変わっているのですから、新たな道を模索すべきです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2014年2月6日木曜日

比大統領、国際社会に警鐘 「中国は第二次大戦前のヒトラー」―【私の論評】オバマのおよび腰は、宥和政策でヒットラーの野望を成就させたチェンバレンの二の舞になりかねない(゚д゚)!

比大統領、国際社会に警鐘 「中国は第二次大戦前のヒトラー」

フィリピンのアキノ大統領

【シンガポール=吉村英輝】フィリピンのアキノ大統領は、4日の米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)のインタビューで、南シナ海の領有権を主張し海洋進出を強める中国を、第二次世界大戦前のヒトラーになぞらえて批判した。

大統領は、「過ちだと信じていることをそのまま認めてしまえば、(中国の)誤った意思が一線を越えかねない」と指摘。「世界は中国に『いいかげんにしろ』と言うべきだ」と、国際社会に警鐘を鳴らした。その上で、1938年に当時のチェコスロバキアのズデーテン地方がナチス・ドイツに併合された歴史を挙げ、「ヒトラーをなだめて大戦を防ごうと割譲されたことを忘れたか」とし、融和策の危険性を訴えた。

中国はフィリピンと領有権を争うスカボロー礁を2012年に実効支配。フィリピンは昨年、国連海洋法条約に基づき国際仲裁裁判所に中国を提訴、反発した中国が参加を拒否したまま審理が続いている。

一方、中国国営新華社通信は5日、大統領を「無神経に隣国をナチス・ドイツと比較した」と批判。「歴史と現実を無視した未熟な政治家」とし、南シナ海での中国の領有権主張に正当性があると繰り返した。

【私の論評】オバマのおよび腰は、宥和政策でヒットラーの野望を成就させたチェンバレンの二の舞になりかねない(゚д゚)!

フィリピンのアキノ大統領のこの話は、最もです。このブログでも紹介したように、中国はすでに第一列島線、第二列島線と日本と近隣諸国の海域をわが物するという野望を持っているからです。

アキノ大統領が言うように、ドイツ1938年に当時のチェコスロバキアのズデーテン地方を当時のナチス・ドイツが併合しました。その理由は、ズデーテン地方にはドイツ系市民が多いというものでした。

これに関して、以前このブログでも紹介したことがあります。その記事のURLを以下に掲載します。
歴史に学ぶ-(1)ミュンヘン会議(1938年9月29日~30日)、チェコスロバキア解体(1939年)
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部を抜粋してコピペさせていただきます。
ミュンヘン会議の裏切り 
1938年9月29日~30日、ヨーロッパ列強(英仏独伊)がチェコスロバキア問題を話し合った会議。この会議で、8項目からなる協定書、付属協定、3つの付属宣言が1938年9月29日付けで署名された。 
当時、領土拡張を目論むドイツは、ドイツ系住民が多数住むズテーテン地方の割譲をチェコスロバキアに強要したが、チェコスロバキア政府はこれを断固として拒否し、動員令を発令し戦争を辞さない姿勢をとった。また、フランスとソ連(当時)はそれぞれ1924年、 1935年にチェコスロヴァキアに対する援助条約を結んでいたので、ズデーテン・ドイツの問題が大きな戦争に発展する危険が生まれた。 
戦争拡大をおそれたヨーロッパ列強は、戦争回避の方法を模索し、イタリアの仲介でミュンヘンでチェコ問題を話し合った。参加国はイギリス(ネヴィル・チェンバレン首相)、フランス(ダラディエ首相)、ドイツ(アドルフ・ヒトラー総統)、イタリア(ベニト・ムッソリーニ首領)。 
併合したズデーテンを訪れドイツ系市民から歓迎されるヒトラー
会議は終始、ヒトラーの独壇場となり、また戦争回避を望む英仏の思惑もあって、この会議で取り決められたミュンヘン協定には、チェコスロバキアの国家主権・領土保全を条件にドイツへのズデーテン地方割譲を認めるというヒトラーの主張がそのまま盛り込まれた。しかし、この協定は、当事国チェコスロバキア(この時、参加が許されず、会議の隣室で結果を待つ身であった。)と、隣国の大国ソ連抜きで行われたこと(このことは後に英仏と、ソ連、チェコスロバキアの間に大きなしこりとなって影響していく)、なにより英仏の譲歩的な態度がヒトラーを増長させる結果となった。 
領土割譲を英仏から強いられたチェコスロバキアは当てにしていた国際的な支援の道が絶たれたことに落胆し(1938年9月30日午前2時15分チェンバレンは隣室で待っていたチェコスロヴァキア代表に結果を報告。そのとき代表は落涙したという。)、この要求を受け入れた。これは、同様に領土拡張の野心を持った近隣諸国、ポーランド、ハンガリーを刺激し、チェコスロヴァキア政府に自国民が多数を占める地方、ポーランドはテッシェン地方(1938年8月併合)、ハンガリーは南部スロヴァキア(1938年11月併合)とルテニア地方(1939年3月併合)の割譲を要求した。これに対し、チェコスロヴァキア政府は抗することもできず、唯々諾々とこれを認めてしまう。 
さらに1939年3月、ヒトラーは、チェコスロヴァキア大統領ハーハをベルリンに呼びつけ、チェコスロヴァキア政府に対し、ボヘミア、モラヴィア地方をドイツ領とする協定への署名を強要し、署名されない場合は、チェコスロヴァキアの首都プラハを空襲すると脅した。ヒトラーによって周到に仕組まれた国内の民族運動で国内の統一も失われ、ズデーテン要塞地帯を失い丸裸となったチェコスロヴァキア政府はこれに抗することはできず、大統領ハーハは署名し、1939年3月15日~16日、ドイツ軍はチェコに進駐した。同年5月16日にベーメン・メーレン地方はドイツ保護領に、 9月1日にドイツに併合され、チェコスロヴァキアは地図から消滅した。
ズデーテン地方のドイツへの割譲をすべての国が拒否し、戦争も辞さないという態度を示し、実際にそのような行動をとっていれば、あるいはヨーロッパは第二次世界大戦に突入しなかったかもしれません。あるいは突入したとしても、あれほど拡大しなかった可能性は大きいです。

しかし、当時はこの宥和策によって、ドイツも戦争はしないだろうという空気がありました。しかし、それは、その後全く間違いであることがわかりました。イギリスでも、そのような空気があり、ミュンヘン会議から帰国した、当時のネヴィル・チェンバレン首相はイギリス国民から英雄としてむかえられました。その時の動画が以下のものです。



この動画を見ていただければ、いかに当時チェンバレンが、イギリス国民に英雄視されたかがお分かりになると思います。このチェンバレンの行動を批判したのが、あのウィンストン・チャーチルです。チャーチルは、ナチスの本質を見抜いていました。

上の文書にもある通り、"1938年9月30日午前2時15分チェンバレンは隣室で待っていたチェコスロヴァキア代表に結果を報告。そのとき代表は落涙したという"という記述があります。何のことはない、チェンバレンは、チェコスロバキアに最後の引導をわたしたようなものです。

今から振り返ってみると、本当にとんでもないことです。戦争を忌避するあまり、ヒトラーの野望を手助けしたようなものです。これにより、ヒトラーを増長させたようなものです。

この時点で、世界中の国々が、戦争も辞さずという強い態度を示し、実際に軍備を拡張して対峙していれば、いずれヒトラーのことですから、戦争には突入したかもしれませんが、あれほど大きなことにはならなかったかもしれません。

この過去の歴史を振り返り、人類は真摯に反省し、このようなことが起こらないようにすべきです。

そうして、そのようなことはすでに起こっています。それは、中国による南シナ海の領有権を主張であり、日本では、尖閣問題です。特に、尖閣問題は、日本に直接関わる問題です。これに関しては、あの石平氏も懸念を表明しています。

以下に、懸念を表明する石平氏の記事のURLを掲載します。
習主席の強硬一辺倒路線 反乱と革命機運で政権崩壊早める
詳細は、この記事を直接読んでいただくものとして、以下にこの記事の最後結論部分のみ掲載させていただきます。
 習主席のやっていることは結果的に、政権にとっての敵を増やしていくばかりだ。前述の許氏の場合も、今は穏健派である彼が4年後に出獄したとき、「過激な革命派」となっている可能性は大であろう。 
 つまり習主席の強硬一辺倒路線はむしろ、反対勢力のよりいっそうの拡大と、政権と民衆との対立の先鋭化をもたらす結果となるが、その行き着くところはすなわち「革命」の発生である。 
 歴史的に見ても、政権末期になると、権力者が余裕を失ってむやみな強硬路線に傾倒していくことがよくある。一方では、権力者の強硬一辺倒路線が逆に反乱と革命の機運を作り出し、政権の崩壊を早めるのも歴史の常である。 
 強硬路線で猪突(ちょとつ)猛進中の習主席はすでにこのような出口のない袋小路に突入しているように見える。 
 心配なのは、対日外交においても同じ強硬一辺倒路線を突き進める習政権が、国内の混乱と反乱を力ずくで抑えきれなくなったときに、国民の目を外に向かわせるため、矛先を日本に向けてくることだ。安倍政権に対する中国の全面対決の姿勢はその前兆であるかもしれない。習政権の暴発を防ぐためには、日本はこれからあらゆる備えを固めていくべきだ。
当時のナチスドイツは、ズデーテン地方を得てからわずか6年で、ナチス・ドイツそのものが消滅しています。わずか6年とはいえ、その間にヨーロッパは大災厄に見舞われました。中国も当時のドイツのようになるかもしれません。もう、中国は崩壊の危機にあるのですが、この中国に米国を含む世界各国が、宥和政策をとってしまえば、アジアは当時のヨーロッパのように大災厄を被ることなるかもしれません。

そうして、オバマ政権は、中国に対してあまりにも弱腰であり、このままでは、オバマは第二次世界大戦直前のイギリスのチェンバレンのようになりかねません。本日も、オバマの弱腰を懸念する記事が掲載されていましたので、その記事のURLを以下に掲載します。
【スクープ最前線】狡猾かつ執拗な中国の反日工作 手玉に取られるオバマ政権 
これも詳細はこの記事を読んでいただくものとして、この記事結論部分だけ以下に掲載しておきます。

「反日」で共闘する中国の習国家主席(左)と、韓国の朴大統領
 「CIA元職員有志が今年初め、1971年にCIAが作成した秘密文書を全文公開した。そこには、『米国が尖閣諸島の主権は日本あると認定してきた事実』が明記されていた。彼らは、米政府に対して『尖閣諸島をめぐる日中両国の緊張は、主権は日本にあると、米国が早く言わないのが原因だ』と進言した。だが、これを米政府は無視している」
 「オバマ政権は、中国との経済関係を重視しており、腰が定まらない。最近も、中国筋から『日本が尖閣諸島上陸を企てている。われわれは断固戦う』というデマ情報を吹き込まれ、だまされた米情報当局が慌てる一幕があった。中国にいいように手玉に取られている」
 米国の態度が、尖閣諸島の問題や、中国が一方的に設定した防空識別圏の問題、慰安婦の問題を、複雑化させているのは事実だ。
 安倍首相は先月30日、参院本会議で「靖国参拝が及ぼした米中韓への影響」を問われて、おおむね、こう答弁した。
 「中国と韓国の人々には誠意をもって真意を説明していく」「日米同盟は揺るぎない」
 その通りだが、やや楽観的というしかない。朴槿恵(パク・クネ)大統領が幼稚な「告げ口外交」を繰り返している韓国はどうでもいいが、狡猾極まる中国に対しては、まだ後手に回っている。
 オバマ大統領は今年4月に来日する見込みだが、それまで待ってはいられない。時間の余裕はない。一刻も早く、日米同盟の真の深化を確認し、新たな対中戦略を構築・実行に移さなければならない。
オバマの及び腰は、以前からこのブログに掲載しています。昨日も掲載したばかりです。そのURLを以下に掲載しておきます。
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、中国がアジアのリーダーになれば、暗黒アジアになりとんでもないことになること、日本がアジアのリーダーになれば民主アジアになりアジアには平和と安定がもたらされることを掲載しました。そうして、オバマはグズグズせずに、日本がアジアのリーダーになる道を選択すべきことを掲載しました。

いずれにせよ、尖閣や、南シナ海が、第二次世界大戦直前の、チェコスロバキアのズデーテン地方のようになってしまえば、アジアの安定と繁栄は脅かされ、場合によっては、アジアが大災厄に見舞われることなどが予想されます。

そうならないためにも、オバマは、ヨーロッパ大戦の前夜のチェンバレンのように中国に対する宥和政策をとるような馬鹿真似はすべきではありません。

まずは、世界に向かって、尖閣は日本固有の領土であり、日中に領土問題はないとはっきりと表明すべきです。そうして、中国幻想などすっぱり忘れて、アジアのリーダーは、日本にすべきと腹をくくるべきです。

アジアのリーダーなどというと、それに対して反対するのは、中韓ぐらいなものです。第二次世界世界大戦に関しては、日本をナチスドイツ並に扱う人もいますが、それは全くの間違いです。ドイツの場合は、戦争というよりも、ユダヤ人虐殺が大問題なわけであり、日本は、大東亜戦争により、結果として、アジアから西欧列強を追い出し、多くの国々の独立をはやめたということで根本的に異なります。

もう、アジアの中では、日本をナチス・ドイツなみに罵倒する国は、中韓のみになりました。その他のアジアの諸国は、日本の再軍備を歓迎さえしています。

フイリピンの首相も日本の再軍備を歓迎しているとはっきと声明を発表しています。それに関しては、このブログにも掲載したことがありますので、その記事のURLを以下に掲載します。

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、フイリピンの国防大臣が日本の再軍備を歓迎している旨を発表したという部分のみを以下にコピペさせていただきます。
アジアは広大ですが、この広い地域で、強制連行を含む、従軍慰安婦問題をいいたてるのは、韓国だけです。これ自体が非常におかしいです。その他の広大な地域に日本軍は、大東亜の理想を打ち立てるために、進出しました。多くの国々が、日本が戦争をしたために、独立運動がはやまり、前世紀には、白人植民地から脱しています。そのことに感謝する国は多数ありますが、韓国のように、従軍慰安婦問題が持ち上がっているところはありません。フイリピンも、以前は反日的なところもありましたが、最近では、随分変わって、日本の再軍備を心待ちにしています。しかし、この国は、昔から従軍慰安婦問題などいいたてたことはありません。
日本の再軍備を歓迎する発言をしたフィリピンのガズミン国防大臣
ということは、現在の韓国に駐留した日本軍は、その他の日本軍とは異なる軍隊だということでしょうか。そんな馬鹿な話はありません。同じ軍隊で特定の地域に進出した軍隊だけが、強制連行を含む純軍慰安の招集に関与して他の軍隊はそうではないなどということはあり得ません。少し知恵を巡らせれば、すぐに理解できることです。
そもそも、中国は最近では毎年暴動が年平均で8万件も発生し、毎年周辺諸国と衝突して問題を起こしていますし、それどころか、第一列島線、第二列島線などを設定して、海洋進出を企てています。そうして、アメリカには、ハワイの西半分を中国が、東半分を米国が支配するという考えをアメリカ側に打診して蹴られたということもあり、日本を含む諸外国の領海に対する野心があることははっきりしています。

この中国に対して、オバマのような及び腰では、第二次世界大戦直前のヨーロッパがヒトラーの野望をとどめることができなかったように、中国を増長させ、他国の領海への進出を許し、それをきっかけに、アジアに大災厄をまき散らすことになることは必定です。

幸いなことに、今の日本は、第二次世界大戦直前のチェコスロバキアのように、経済的に恵まれているだけではなく、人口もはるかに多く、軍事力も大きいです。日本は、たとえ、オバマの及び腰が続いたにせよ、日本のためアジアのため、やすやすと中国の野望を許すことはあってはなりません。

日本国民も、場合によっては戦争になることを畏れて、過去のヨーロッパのようになるような馬鹿真似は繰り返すべきでありません。

尖閣は、寸土の土地の侵略も許さない、中国の人間が尖閣に上陸すれば、全員殲滅するという覚悟を決めるべきと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思いますか?

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