2014年11月2日日曜日

クルーグマン教授“日本に謝りたい…” 教訓生かせぬEUのデフレ危機を嘆く―【私の論評】同じ内容の記事を読んでも、受け取る人によって様々、EUも日本の既存マスコミも黄昏時をむかえたか?

クルーグマン教授“日本に謝りたい…” 教訓生かせぬEUのデフレ危機を嘆く

クルーグマン博士

世界経済の低迷が続く中、海外メディアでは特にユーロ圏の経済危機に警鐘鳴らす記事が目立ちはじめている。多くは、1990年代後半以降の日本を例に挙げ、デフレスパイラルに陥る危険性を論じている。中でもノーベル賞経済学者のポール・クルーグマン教授は、ニューヨーク・タイムズ(NYT)紙上で「欧米は日本以上に深刻なスランプに陥った」と悲観的だ。

◆クルーグマン教授「我々は今、日本に謝るべきだ」
クルーグマン教授は、日本の「失われた20年」は、「反面教師として、先進国経済が進むべきではない道を示してきた」とNYTに寄せたコラムで述べている。そして、自身も日本が取った政策を批判してきた一人だと記している。しかし、「我々は今、日本に謝らなければならない」と心情を告白。批判そのものは間違ってはいなかったが、認識が甘かったとしている。

それは、欧米が日本の教訓を全く生かすことなく、「起きるはずではなかった」数々の失敗を積み重ね、日本よりもさらに深刻な状態に陥ったからだという。「特に2008年以降の失態は、日本の失敗が霞むほどに大きなものだった」と嘆く。その例として、ドイツをはじめとするヨーロッパの緊縮政策や、「2010年以降のアメリカのインフラ支出の崩壊」を挙げている。また、欧州中央銀行がインフレを予防するために行った2011年の利上げは、「積極的に成長を破壊した」致命的なミスだったと指摘する。

欧米が日本の教訓を生かせなかった理由については、「我々の社会に巣食う根深い格差のためだと思う」と述べている。

この記事は要約です。詳細はこちらから(゚д゚)!

【私の論評】同じ内容の記事を読んでも、受け取る人によって様々、EUも日本の既存マスコミも黄昏時をむかえたか?

上の記事は、NewsPicsというニュース・サイトにも掲載されていて、このサイトでは、SNSも使えるようになっていて、このニュースを見た人がどのような感想をもったのか、書き込むことができます。

その内容は、以下のURLからご覧になれます。
https://newspicks.com/news/681080/?topnews=true
同じニュースをみても、受け取る人によって、様々です。中には、クルーグマン氏が、過去の日本のデフレ対策に対する批判をを誤りだと認めたように受け取る人もいます。しかし、それは全くの間違いです。

クルーグマン氏は、一昨日の日本での講演でも「謝罪」しています。しかし、誤った政策提言はしていないと語りました。氏の主張は、講演でも、この記事においても、特にEUは、日本のような間違いはしないと、クルーグマンしが語っていたにもかかわらず、同じような失敗をしてしまったというニュアンスです。そもそも、過去の日本に対する批判そのものが誤りと認めるなら、アベノミクスを好意的に評価するはずもありません。

クルーグマン氏は欧米特にEUは、日本よりもっとまともか、ましなデフレ対策をするに違いないということを前提として、日本の過去のデフレ対策を辛辣に批判してきました。しかし、実際には、特に直近では、EUのデフレ対策は、日本以下であることが明らかになってきました。

EUはメルケルの緊縮政策によって成長力、競争力も明らかに落ちています。自国で赤字国債を発行しない事に満足しているドイツ政府。フェデラル・ファンド金利が0,05%なのに消費者物価指数は思ったほど上昇していません。PIIGSの政府総債務残高(対GDP比)は悪くなる一方です。ユーロ圏の経済危機再燃が懸念されてもおかしくない状況に陥っています。一言で言えば、愚かです。

このような常軌を逸した状況なので、クルーグマン氏は、日本に対して、謝罪をしています。

かつて、日本の失われた10年は欧米からの揶揄の対象ともなったが・・・・・・

いずれにせよ、この記事は引用が断片的にすぎます。できたら、原典にあたりましょう。 以下にURLをあげておきます。
http://nyti.ms/1wKCZks 
この中では、欧米が見習うべき、日本で今起きている事を近々書くと、クルーグマン氏は語っています。楽しみです。

なお、クルーグマン氏が日本に対しての批判を謝罪するのは、今回が初めてではありません。過去に何度か行っています。この謝罪に関して、日本のマスコミは断片的に誤解を招くような報道をしてきました。

これに関して、解りやすく解説しているサイトがあります。

タイトル『クルーグマン「日本に謝罪」の断片的引用にはうんざりですよ』
http://d.hatena.ne.jp/optical_frog/touch/20120527/p1
ここまでご覧になれば、どう考えても、クルーグマン氏が、過去の日本のデフレ対策に対する批判を誤りであったと語っているわけではないことが良くご理解いただけるものと思います。

しかし、上の記事も、虚心坦懐に読めばこのブログにはクルーグマン氏の発言の引用部分しかあげなかったものの、エコノミスト誌や、 カナダの経済紙『フィナンシャル・ポスト』の内容をあげて、EUの経済対策のまずさを指摘しているわけですから、クルーグマン氏の発言の真意を十分汲み取れると思うのですが、一部の人には、そうではないようです。

いかに、思い込みとか、他の情報源の刷り込みによる影響が大きいか、愕然としてしまいます。

EUは日本がかつて歩んだ道を踏襲しようとしている・・・・・・・

それにしても、クルーグマン氏の態度には、潔さを感じます。自らの、経済理論に間違いはないと確信しているものの、その正しい理論で、日本に対して間違った論評・批判をしてしまったことにはすぐに謝っています。この人の、批判はかなり辛辣なこともありますが、こうした謝罪をするということで、誠実さが感じられ憎めません。そうして、こうしたことができるのは、自分の理論は正しいとの自信のあらわれです。

朝日新聞などとはえらい違いです。無論、これはただ謝っているだけではなく、EUに対する強烈な皮肉でもあるのですが・・・・・・・。

日本のエコミストや、識者、政治家、官僚など、後からどう考えてみても明らかに間違いであるようなことを発言しても、全く謝罪の言葉がありません。日銀の元総裁白川氏などその典型中の典型と思います。こういうのを傍若無人とか、鉄面皮というのだと思います。

それにしても、次にNYTに日本への謝罪を寄稿すべきは誰でしょう。それは、当然NYTに寄稿する日本人の反日カルトでしょう。あとは安倍首相の歴史認識や、首相・閣僚の靖国参拝などを批判したNYT編集部と過去20年のNYT東京特派員でしょう。

それはさておき、そもそも、ヨーロッパの人々には、ローマ帝国への憧憬があって、昔から一つにまとまって、強くなろうという意識がありました。古くは神聖ローマ帝国から、ナポレオンの野望、ヒトラーの野望、そうして今日のEU。そもそも、たとえばポルトガルと、ドイツ、スゥエーデンなど各国の経済はあまりにも違い過ぎます。言語と、習慣もかなり違います。宗教も一様ではありません。私自身は、EU統合は、最初から無理があったものと思います。

ヨーロッパの人々には未だローマ帝国への憧憬がある


上で述べたように、同じ内容の記事を読んでも、受け取る人によって様々です。これは、このような内容を報道するには断片的引用だけでは駄目という格好の事例といえるでしょうか?

私は、断片的引用も駄目ですが、日本では朝日新聞が典型的な例であるようにのあまりにも酷い報道がまかり通っていて、それに多くの人が惑わされたり、扇動されているところがあるという点も考慮しなければならないと思います。

日本のマスコミも、EUや米国のマスコミのように、少なとくも自社が自国の利益と信じる事柄に立脚して報道すべきものと思います。

日本のマスコミは、日本を否定することに立脚して報道しているところがほとんどです。だから、最近では、朝日新聞のように明らかに存立基盤が危うくなってきているだと思います。これは、何としてでも是正すべきものと思います。

それにしても、従来のメディアとは全く異なる、NewsPicsのようなメディアが出てきたことは素晴らしいことと思います。このようなメディアがなければ、私は冒頭のクルーグマン氏の記事を読んで納得するだけで終わってしまったのでしょうが、このサイトの他の人のコメントを読んで、あたかもクルーグマン氏が過去の日本のデフレ対策のまずさへの批判に関して謝罪していると思いこむ人が存在していることを認知して、それに対する反論をコメントしたり、このようにブログに掲載しているわけです。他の人も、大勢そのうようなことをしています。

日本の既存のメディアも、EUももう黄昏時を迎えたのだと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2014年11月1日土曜日

習政権の陽動作戦か 小笠原沖で“不審船”が急増 サンゴ密漁はダミー?―【私の論評】猿芝居には、日本としては、神経質にならず、もっと大雑把に対応しても、国際法などを遵守していれば、何の問題にもならない(゚д゚)!


2014年10月31日 17時12分

ZAKZAK(夕刊フジ)

伊豆諸島の須美寿島(東京都)周辺海域で確認された中国のサンゴ
漁船とみられる多数の外国漁船=30日(第3管区海上保安本部提供)
    小笠原諸島沖などで30日、中国船とみられる不審船が計212隻も確認された。「日本を揺さぶる陽動作戦の面もあるのではないのか」と専門家は指摘している。あちらこちらで不審船が現れれば、警備にあたる海保が疲弊するとも・・・・・・・。

東京・小笠原諸島沖などで30日、中国船とみられる不審船が計212隻も確認された。中国で高値で取引されているサンゴを狙った密漁という見方が有力だが、別の観測もある。沖縄・尖閣諸島周辺での海上保安庁の警備を手薄にさせるため、中国当局が陽動作戦を仕掛けているという見方だ。経済は墜落寸前といわれ、香港のデモで厳しい立場にある習近平指導部が、なりふり構わぬ攻勢に出ているのか。

「大型巡視船や航空機を集中的に投入し、特別な態勢で臨む」

海上保安庁の佐藤雄二長官は15日の定例会見で、小笠原周辺海域の取り締まり強化に乗り出す方針を明らかにした。

中国船とみられる外国漁船は9月から増え始めた。200トン級などの大型船が大挙して現れるのが特徴で、第3管区海上保安本部(横浜市)は30日、同諸島周辺や、約400キロ北に位置する伊豆諸島の須美寿島や鳥島(いずれも東京都)周辺の領海および排他的経済水域(EEZ)内で、中国のサンゴ漁船とみられる計212隻の外国漁船を確認したと発表した。

さらに、横浜海上保安部は同日、小笠原諸島・北之島(東京都)沖の日本のEEZで違法にサンゴ漁をしたとして、漁業主権法違反(無許可操業)の疑いで、中国漁船の中国人船長、張財財容疑者(45)を現行犯逮捕した。中国人船長の逮捕者は今月5人目。日本政府は逮捕を受け同日午後、中国側に「遺憾の意」を伝え、再発防止を求めた。

ただ、国際政治学者の藤井厳喜氏は「小笠原まで航行してくるには高額の燃料代がかかる。必ずサンゴが獲れる保証もない。ここまで大挙して押し寄せるのは不自然だ」と指摘し、こう続ける。

「中国当局が漁業者に対し、『(燃料代などを)補償する』と言って差し向けていることも考えられる。サンゴ密漁だけではなく、日本を揺さぶる陽動作戦の面もあるのではないのか。あちらこちらで不審船が現れれば、警備にあたる海保の疲弊は避けられない」

海保では、小笠原周辺は第3管区海上保安本部、尖閣周辺は第11管区海上保安本部(那覇市)が担当しているが、不審船が急増すれば、別の本部から応援を受けることがある。ある海域に不審船が集中すれば別の場所が手薄になることもあり得る。「モグラたたきをやらされているような状態」(藤井氏)だ。

この記事は要約記事です。詳細はこちらから(@_@;)

【私の論評】猿芝居には、日本としては、神経質にならず、もっと大雑把に対応しても、国際法などを遵守していれば、何の問題にもならない(゚д゚)!

上の記事で、藤井厳喜氏は、小笠原付近への中国船の侵入は、日本を揺さぶる陽動作戦の面もあるのではないのかとの指摘をしていました。

私も、そのように思っていた時期もありました。私自身は、藤井氏よりももっと具体的に中国の意図を感じました。それについては、このブログにも掲載したので、その記事のURLを掲載します。
小笠原に押し寄せる中国船、「宝石サンゴ」密漁か 「守るすべない」「島民は不安」―【私の論評】これは第二の尖閣問題に発展するかもしれない!尖閣問題は中国の第一次列島線に関係するが、小笠原侵入は、第二列島線の下準備かもしれない(゚д゚)!
この記事では、中国が第二列島線の下準備に入ったのかもしれない可能性を指摘しました。

第二列島線とは、中国が自分の都合で決めた、中国の防衛ラインの海域を指します。

これについては、この記事にも掲載したので、その部分のみ下にコピペします。



第一列島線とは、上の図の緑の線であり、中国の海域における軍事的防衛ラインの一つで、九州・沖縄から台湾・フィリピン・インドネシアの諸島群などを結ぶ線。中国海軍は1980年代半ばに提唱された「近海積極防衛戦略」などに基づいて軍事力を増強し、それまでの沿岸防衛から近海・外洋へと展開してい。この軍事戦略において近海と外洋を分ける目標ラインとされる。 
第二列島線とは、上の図の紫の線であり、中国の海域における軍事的防衛ラインの一つで、伊豆・小笠原諸島からグアム・サイパンを含むマリアナ諸島群などを結ぶ線。中国海軍は1980年代半ばに提唱された「近海積極防衛戦略」などに基づいて軍事力を増強し、それまでの沿岸防衛から近海・外洋へと展開している。この軍事戦略において外洋の範囲を示す目標ラインとされる。
第二列島線には、小笠原諸島も含まれていることから、私は、中国は第二列島線の確保に入ったのではないかとの懸念を抱いたのです。

しかし、これはどうも私の勇足であったようにも思います。

なぜなら、現在の中国の状況を考えるとそのような状況にはないことが良くわかります。まずは、経済の状況がそのようなことを許しません。

それに関しては、このブログにも掲載したので、その記事のURLを以下に掲載します。
中国経済、崩壊か…中国版アベノミクス不発 社会主義国家を待ち受ける“2つの罠”とは―【私の論評】『保八』も確保できない中国は、本当は雇用状況もかなり悪化しているのに、金融緩和政策も実行できない、その理由は「金が消えた」という驚愕の真実(゚д゚)!
7~9月期のGDP速報値を発表する中国国家統計局の盛来運報道官=先月21日、北京

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、 この記事では、中国は「保八」も維持できなくなったばかりか、2000年から2011年統計で、中国からの海外逃避資金のトータルが3兆7900億ドルとなると、史上空前の新記録になったことを掲載しました。これは、邦貨換算で417兆円弱。日本のGDPの80%にあたります。これは中国の金融が空洞化していることを示して余りあります。

ちなみに、「保八」とは、「8%以上の成長率を保とう」という意味合いですが、2009年の全国人民代表大会(全人代)においても、温家宝首相は「保八」への決意を高らかに宣言し、政府の経済運営の最大の数値目標として設定していました。

経済の成長率が8%以下に落ちると、失業がさらに拡大して社会的不安が広がり、体制安定の基盤が根本から脅かされかねない。そういう切実な不安と恐怖感があるからこそ、党と政府は「保八」という政策目標の実現に執念を燃やしていました。

しかし、直近の中国は、この「保八」も継続できなくなってしまいました。10%以上の経済成長率を維持してきた時でさえ、中国では毎年数万件以上もの暴動が起こっていました。「保八」が継続できないということなれば、中国の雇用状況は最悪となり、暴動はますます増えることになります。

このような状況では、経済が悪くなったからといって、昨日日銀がやったような、追加金融感もままらないということで、本当にとんでもない状況にあります。

このような状況で、官僚などの腐敗も日本と比較すれば、それこそ、日本の官僚の不正行為が、天使の戯事にみえるほど酷いです。

このような状況においては、中国人民の習近平体制に対する不満はますますつのるばかりです。党内の権力闘争もすさまじいです。


そうして、これは、当時の胡錦濤・温家宝体制と、習近平派との権力争いの一環として行なわれたものです。

このような過去と、現在の中国の状況を考え合わせると、小笠原近辺への中国船の出没は、中国内の権力闘争の一環であり、習近平が仕掛けているかどうかまではわかりませんが、習近平一派と、これに対抗する他の派閥の中での、抗争の一環であるとみて良いと思います。

習近平側が仕掛けたとすれば、最近の尖閣問題は、そもそも権力闘争の一環として行ったまでのことであり、最初から日本と戦争するつもりもないし、できるほどの能力もないですから、現在以上に進展することもないし、よって、中国人民の目をひきつけることもできないです。

であれば、新たな火種を起こして、反習近平派に対しての示威行動と、人民の習近平体制への不満を日本に向けさせるという意図であると考えられます。

習近平反対派によるものであれば、このあたりで、騒ぎを起こし、統治能力のなさを演出するという目的かもしれません。

いずれにせよ、私は、最近の中国には、かつてのように、南シナ海で派手な示威行動をする等のような、大規模な陽動作戦に打って出る余力はないとにらんでいます。

結局、小笠原沖で“不審船”が急増している背景としては、中国には、最早大規模な陽動作戦に打って出る余力はないことから、中国内部の権力闘争の一環か、人民の怒りのマグマを日本に向けさせるための猿芝居であるか、あるいは両方であると結論づけて良いのではないかと思います。

しかし、いずれにしても、中国の都合で、日本が振り回される必要など毛頭ないですから、ここは、日本としては、徹底的に取り締まりをして、取り締まり妨害などあれば、日本側も対抗して、場合によっては撃沈などしても良いと思います。

そうなったとしても、もともと、中国の都合によるものですから、確かに吠えまくるかもしれませんが、だからといって、戦争はおろか何もできないと思います。それに、きちんと国際法的な手順を踏んでさえいれば、国際的にも何の問題にもなりません。

日本は、こうした中国漁船の侵入などには、神経質にならず、もっと大雑把に対処すべきと思います。それは、尖閣周辺でも同じことです。

たとえ、間違って中国漁船や、公船を撃沈したり、航空機を撃墜したりして、人が死んだにしても、きちんと国際法など守って対処すれば、自国の領海、領空であれば、何の問題にもなりません。

こんなことは、逆の立場になればすぐに理解できることです。このような問題は、世界中でおこってますが、侵犯されだ側が、国際法を守っていれば、侵犯した側が、撃沈されようが、撃墜されようが、死人が出ようが、何ら問題になりません。ましてや、戦争になど絶対になりません。


日本においても、平成13年には北朝鮮の工作船とみられる船を射撃して、工作船が自爆したということがありました。その時の動画が上のものです。自爆していなかったら、撃沈したかもしれません。しかし、これが大問題になったでしょうか。これは、相手国が中国であろうと、韓国であろうと、ロシアであろうと変わりません。そもそも、日本の領海・領空の問題なのですから、他国にあれこれいわれる筋合いなどないです。

この種の問題は、過去の政府が、神経質に及び腰で対応してきたからこそ、中国側に便利に利用されただけです。現在のままの対応であれば、いつまでも都合よく利用されるだけです。

神経を尖らせたり、疲労困憊するというのなら、きちんと国際法を守って、一隻でも撃沈すれば、いくら燃料を支給されようとも、いくら金を積まれても誰も来なくなります。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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「沖縄は日本が武力併合」中国共産党機関紙が論文―【私の論評】歴史地図と長期国家戦略地図が示す、侵略国家中国!!弱れば、攻めこまれ領土を奪われるだけ!!

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2014年10月31日金曜日

日銀 追加の金融緩和を決定―【私の論評】日銀が、追加金融緩和を実行し、政府が積極財政に踏み切れば、数十年ぶりの快挙になるのは間違いない。そうなれば、安倍政権支持率はかつてないほどに上昇することだろう(@@)


追加の金融緩和を発表した日銀黒田総裁
日銀は31日に開いた金融政策決定会合で、目標としている2%の物価上昇率の達成を確実にするために、日銀が市場に供給するお金の量を年間80兆円まで増やす追加の金融緩和に踏み切ることを決めました。日銀が去年4月に大規模な金融緩和を導入して以降、追加の金融緩和は初めてです。

声明の中で、日銀は、国内の景気について基調的には緩やかな回復を続けているとしつつ、物価面では消費税率引き上げ後の需要の弱さや原油価格の大幅な下落が下押し要因になっているとしています。そのうえで、これまで着実に進んできたデフレマインドの転換が遅延するリスクがあるとして、追加の金融緩和に踏み切ったとしています。日銀が去年4月に大規模な金融緩和を導入して以降、追加の金融緩和は初めてで、今回は9人の政策委員のうち、賛成が5人、反対が4人という異例の投票結果になりました。

追加緩和策の内容

日銀が今回決定した追加緩和では、まず、マネタリーベースと言われる日銀が市場に供給する資金の量を拡大することを決めました。日銀はこれまで、年間60兆円から70兆円増やすとしていたマネタリーベースを、今回の追加緩和では10兆円から20兆円追加し、年間80兆円増やすことにしました。資金を供給するにあたっては、市場から買い入れる国債などの資産の額を増やします。具体的には、市場から買い入れる資産のうち長期国債については、これまで保有残高が年間50兆円増えるペースで買い入れるとしていましたが、これを30兆円増やし、年間80兆円にします。また、ETFやREITと言われる投資信託を買い入れる額についても、それぞれこれまでの3倍とし、ETFは年間3兆円、REITは年間900億円まで増やします。日銀は、去年4月に今の大規模な金融緩和策を導入した際、黒田総裁自身が「これまでと次元が異なる」としていましたが、今回の追加緩和で、それをさらに上回る資金を市場に供給することになります。

2%物価目標と民間予測

日銀は、目標としている2%の物価上昇率について、これまで、今の大規模な金融緩和の効果で来年度を中心とした時期に実現する可能性が高いとしてきました。その一方で、公益社団法人の「日本経済研究センター」が毎月行っている民間のエコノミストを対象にした調査では、来年度の物価上昇率は消費増税の影響を除いたベースで1.18%にとどまり、日銀はいずれ追加の金融緩和に踏み切ることが必要になるという見方が大勢を占めていました。

この記事は要約記事です。詳細は、こちらから(*_*;

【私の論評】日銀が、追加金融緩和を実行し、政府が積極財政に踏み切れば、数十年ぶりの快挙になるのは間違いない。そうなれば、安倍政権支持率はかつてないほどに上昇することだろう(@@)

まずは、私の上記の記事に関する、論評の結論を書いておきます。

少し遅れましたが、まあまあの内容。あとは、増税しないことと、第三の矢である、成長戦略など余計なことをしないことで、日本はデフレ脱却に一歩近づきます。

できたら、減税や給付金対策など実行すれば、さらに近づきます。公共工事は、現状では、人手不足などによる、公共工事の供給制約があるため、現状では有効な経済対策とはなり得ません。

政府主導による成長戦略など、どこの国でも成功したためしはないです。政府主導で成長戦略ができるなら、共産主義も大成功していたはずです。現実は、周知のとおりです。

それから、最近日銀黒田総裁の増税推進派的な発言が気になっていましたが、これはトーンダウンしたことも報じられています。

その記事のURLとその内容を以下に掲載しておきます。
〔BOJウオッチャー〕黒田日銀総裁の増税タカ派度、トーンダウン
[東京 31日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁の消費税をめぐる発言が変化した。昨年の夏以来、財務省よりタカ派と呼ばれるほどに消費増税による財政再建の重要性を繰り返し発言してきたが、31日の会見では「関与するところでない」とトーンダウンした。政府の増税判断をめぐる動きと関連した事象なのか注目される。 
黒田総裁は今年4月の増税の是非が議論された昨年夏以来、「消費税引き上げを行った場合のリスクに対しては財政・金融政策で対応が可能だが、行わなかった場合のリスクが顕現化した場合、なかなか対応しがたい」と繰り返してきた。 
今年9月の定例会見では、増税を見送る場合「確率は低くても、その影響は甚大なものになる可能性があるという意味では、リスクが大きい」と断言した。 
増税判断は政府の専権事項で、日銀がみだりに口をはさめばリスクがあるとの見方が、政府・与党や日銀周辺にあったのも事実。そうした中で黒田総裁の発言は、目立つ存在でもあった。 
一方、安倍晋三首相周辺では増税延期論がくすぶっており、首相の経済ブレーンである内閣官房参与の本田悦朗・静岡県立大教授は、黒田総裁の増税発言について「日銀総裁の矩(のり)を超えている」と痛烈に批判していた。 
31日の会見では、政府が消費税率10%への再増税を決断する前に追加緩和に踏み切った経緯と、増税への見解を求められ、「再引き上げは、政府で経済動向を見極めて決定するということになっており、それはまさに政府で決定されることであり、わたくしどもの関与するところではまったくない」と発言。「従って、(政府の増税判断に)影響を与えようとか、どうこうしようと言うつもりもないし、そのようなことにもならない」と述べた。
この黒田総裁の増勢タカ派発言は、前から気になっていました。現状はどう考えても、日本はデフレのど真ん中であり、このようなときには、金融政策でも、財政政策でもできることは何でも実施して、なるべくはやく、デフレ状況から脱するべきにもかかわらず、なせあのような発言をするのか、非常に疑問に思っていました。

そうして、増税するしないは、あくまで安倍総理の専権事項です。政府の一下部機関に過ぎない、日銀の長がそのような発言をするのは、非常におかしなことです。日銀のトップは、日銀のやるべき事に集中すべきであり、増税判断などに口をはさむべきでありません。

日銀の今回の、追加金融緩和に関しては、多くのマスコミが、増税支援などと掲載していますが、黒田総裁は、そのような発言はしていません。マスコミは相変わらず馬鹿です。いくら今回追加金融緩和をしたところで、また増税してしまえば、日本は再びデフレ・スパイラルの底に沈んでしまうことは明らかです。

このブログにも掲載したように、最近では、安倍総理は増税見送りに関わる発言をするようになりましたし、総理の周辺でも、

それに関しては、このブログにも掲載していますかので、その記事のURLを以下に掲載します。
消費再増税、アベノミクス成功のため冷静に判断=安倍首相―【私の論評】安倍総理は、長期政権樹立のため増税パスの政治的な賭けを実行する可能性が高まってきた!しかし、日本のマスコミはこれをスクープできないだろう(・・;)
安倍首相が消費増税の延期示唆、経済への影響踏まえ判断=FT―【私の論評】安倍総理は、外国の新聞社には増税見送りの示唆をするが、殺人マシーンと化した財務省に諜略された日経・朝日新聞をはじめとする大手新聞にはそのようなことはしない。しかし、本当にそんな事で良いのだろうか(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、本日また安倍総理は、増税見送りを示唆するような発言をしました。その記事を以下に掲載します。
<衆院予算委>安倍首相「財政健全化目標は国際公約と違う」2014年10月30日(木)20:47

安倍晋三首相は30日、衆院予算委員会の集中審議で、借金以外の歳入で政策経費をどれだけまかなえるかを示す基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)の赤字を2015年度にGDP(国内総生産)比で10年度から半減させる財政健全化目標について、「国際公約とは違う。何が何でも絶対という約束は果たせない」と述べた。今井雅人氏(維新の党)への答弁。 
 首相が「国際公約」を否定したのは、消費税率を10%に引き上げるかどうかを年末
首相はまた、再増税に向けた経済環境について「(4月の消費増税後の)反動減は想定していたが、想定の中では最も悪い数字に近い」と述べ、消費増税後の景気回復の厳しさを認めた。【葛西大博】
少し前までだと、増税するのがあたり前のど真ん中ような雰囲気でしたが、女性2閣僚の相次ぐ辞任などもあり、最近では安倍内閣支持率も加工気味です。

日銀は、追加金融緩和を決めました。ここで、政府が財政出動に踏み切れば、それこそ、数十年ぶりに、日銀の金融緩和と政府の積極財政による、両方の経済対策により、かつてない勢いで、経済が回復します。それにしても、数十年ぶりというのが情けないです。本来ならば、ずっと前に実行していなければ、ならないことです。



今の政府は、デフレの最中に増税するという大きな間違いをしてしまいました。とんでもないことです。

もし、再増税を見送ったとすると、直近では、多数の増税派が、安倍総理を大批判するかもしれませんが、ほんのすこしの間で、経済対策がすぐに効果を表すので、市場も好感し、国民も安倍総理をかつてないほどに支持することになると思います。

確かに、これは大きな政治的賭けですが、安倍総理が、金融緩和と積極財政に踏み切った場合、景気は、急速に回復基調に向かい、また怒涛の勢いで、安倍政権への支持率が増し、長期政権樹立の道はかなり容易になることでしょう。支持率は、かつてなかった程上昇すると思います。

増税してしまえば、逆の道をたどるでしょう。もし、それで安倍政権が崩壊することにでもなれば、自民党は下野する可能性もあります。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2014年10月30日木曜日

消費再増税、アベノミクス成功のため冷静に判断=安倍首相―【私の論評】安倍総理は、長期政権樹立のため増税パスの政治的な賭けを実行する可能性が高まってきた!しかし、日本のマスコミはこれをスクープできないだろう(・・;)


国会答弁する安倍総理 昨日

[東京 30日 ロイター] - 安倍晋三首相は30日午前の衆議院予算委員会で、消費税率10%への引き上げ判断について、7─9月に成長軌道に戻ることができるかだと指摘。消費税率の引き上げがデフレ脱却に与える影響も含め、「アベノミクスを完全に成功させるために、冷静に判断していきたい」と語った。

河村建夫委員(自民)の質問に答えた。

安倍首相は消費税率引き上げについて「社会保障制度の水準を次の世代に引き渡す責任があるなかで、3党合意で決定したものだ」とする一方、「消費税を上げた結果、経済が腰折れすれば税収は減る。元も子もなくなるのは当然のことだ。財政健全化にもつながらない」との認識を示した。

そのうえで「4月から消費税を上げた(ことによる)マイナスがあった。(4─6月に)マイナス7.1%という反動減があった」とし、「7月、8月、9月に成長軌道に戻ることができるかということだ。消費税は消費者の購買力を減少させる効果があるのも事実だ。デフレ脱却に影響を与えるかを含めてみていきたい」と語った。

安倍内閣の2閣僚の辞任という事態に対しては「申し訳ない思いだ」とし、「任命者である私の責任だ」と語った。さらに「わが国の前には問題が山積している。デフレ脱却は道半ばで、アジアの安全保障環境は厳しさを増している。山積する課題にしっかり立ち向かい、解決のために全力を尽くす。政治に遅滞があってはならない」と述べた。

(石田仁志 編集:山川薫)

【私の論評】安倍総理は、長期政権樹立のため増税パスの政治的な賭けを実行する可能性が高まってきた!しかし、日本のマスコミはこれをスクープできないだろう(・・;)

上の記事、非常に重要な内容だと思うのですが、日本のマスコミはほとんど報道しません。ちなみに、「消費税 安倍総理」というキーワードで、24時間以内のものググってみました。その結果が、以下です。


何と、この内容を伝えていたのは、ロイターとニューズウィークのみでした。ニューズウィークは、ロイターのものを転載していました。そのほかは、ロイターの報道していた内容とは異なる、森永卓郎氏のエッセイだけでした。

一体日本の報道機関はどうしたというのでしょうか。毎日新聞もこれに近いことは掲載していましたが、これでは、安倍総理の真意は全く伝わっていません。

その記事を以下に引用します。
みんな:首相に消費税増税凍結求める 
毎日新聞 2014年10月29日 20時14分 
 安倍晋三首相は29日、みんなの党の浅尾慶一郎代表と首相官邸で面会した。浅尾氏は消費税率の10%への引き上げの凍結を求め、海外の有識者から意見を聞くよう要請。首相は「今年4月の消費増税後の景気状況について注意深く見ていきたい」と述べるにとどめた。会談には米国の資産運用会社会長が同席した。
これでは、全く安倍総理の真意は伝わりません。まるで、 浅尾慶一郎氏が、増税凍結を求めたのに、安倍総理は、あまり乗り気でないように受け取ることのできるような内容です。

これでは、全く報道の意味がありません。

このような報道姿勢では、安倍総理も日本のマスコミなどには、あまり話をしたくなくなるのが当然ともいえます。

これについては、以前もこのブログに掲載しましたので、その記事のURLを以下に掲載します。
焦点:首相周辺で消費増税延期が優勢、景気腰折れ懸念―【私の論評】恥ずかしくはないかい!日本のマスコミ、政治家、官僚、左翼、似非識者諸君!安倍総理に愛想づかしをされ、本音で話すのは外国のメディアのみになってしまったことを(゚д゚)!
この記事では、増税一色で凝り固まっている、日本のマスコミ、政治家、官僚、左翼、似非識者などに安倍総理が愛想をつかし、こと増税に関しては、海外メディアを使うようになった背景を掲載しまた。詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下にこの記事の締めくくりの部分のみ以下に掲載させていただきます。
そうです。安倍総理は、再増税一色に固まっている、日本のマスコミ、政治家、官僚、左翼、似非識者たちには、何を話しても無駄であると判断したのです。平たくいえば、彼らに愛想をつかしたのです。
愛想をつかされた、彼らにこういいたいです。「一国の総理大臣から、完璧に愛想をつかされて、恥ずかしくないのかい!そのうち、全国民からも愛想をつかされることになるよ」と・・・・・・・・・。
確かに、安倍総理は、増税に関しては、ファイナンシャル・タイムズなどのインだピューは、受けても、日本のメディアなどのインタビューは受けていません。

それに、今回の安倍総理の国会での増税に関する考えの表明に関しては、ロイターのみがまともに報道している事実を考え合わせると、日本のメディアは最早まともな報道ができないと考えても差し支えないと思います。

とにかく、メディアは、増税推進派に与して、昨年のように大増税キャンペーンを繰り返し、増税を押し切ろうとう腹です。

しかし、これで、本当にまともな報道ができるのでしょうか。

先に、あげた森永卓郎氏は、興味深いエッセイをサイトに掲載していました。その記事の一部を以下に引用します。
森永卓郎の「経済“千夜一夜”物語」 消費税再増税凍結?
森永卓郎氏
安倍総理が来年10月からの消費税再増税に踏み切るのかどうかを判断する期限が、あと1カ月あまりに近づいてきた。
賛成の人は、一体経済のどこをみているのだろうか。8月の家計調査で、実質消費は前年比マイナス4.7%、勤労者世帯の実質収入はマイナス5.4%だ。消費税引き上げ前の駆け込み需要の反動で消費が落ちたのではなく、所得減で消費が落ちているのだ。
そのことは、景気動向にも明確に表れている。景気動向指数(一致指数)は、一昨年11月の101.6から今年3月の114.6まで急上昇したが、そこをピークに、今年8月は108.5へと急落している。日本経済は、消費税引き上げをきっかけに、まさに「逆V字失速」をしているのだ。 
これだけひどい状況でも、多数の有識者が消費税を再引き上げすべきと言っているのだから、普通に考えたら安倍総理は再引き上げの判断をせざるを得ないだろう。
ただ、私の頭からは、どうしても安倍総理が消費税引き上げ凍結を断行するシナリオが消えない。安倍総理が経済の専門家だからではない。政治家だからだ。
圧倒的支持率を誇ってきた安倍総理も、ここのところの景気失速で人気にかげりが出てきた。さらに、今後は支持率を落とす要因が目白押しだ。自民党候補の苦戦が予想される沖縄県知事選、川内原発の再稼働、TPP交渉での大幅譲歩、拉致被害者の帰国難航など、難題続出なのだ。当然内閣支持率はずるずると落ちていくだろう。
そうした中で、年末に安倍総理が突然「消費税引き上げを凍結します」と宣言する。支持率は急上昇するだろう。しかも、この作戦には大きな副産物がある。それは、盟友の麻生財務大臣斬りだ。
実は、安倍総理の座を狙う男が2人いた。石破茂氏と麻生太郎氏だ。石破氏は、地方創生担当大臣として座敷牢に入れた。あとは、麻生氏の息の根を止めれば、安倍総理の長期政権がみえてくる。政治家はそれくらいのことをするものだ。
森永氏の論評など、マクロ経済は知らないようだし、かなり頓珍漢なこともあり、私自身は読む価値などないと思うのですが、こと増税パスに関する森永氏の読みだけは意外と正しいかもしれません。最近、年末衆院解散という話も持ち上がっています。安倍総理は、年末解散総選挙で、支持率を高め、安倍長期政権の樹立を狙っている可能性は十分あります。

現状では、4月の増税でも消費がかなり落ち込み、とんでもない状況に陥っています。しかし、これは、たとえば増税分に相当するか、あるいは増税分を上回るような所得税減税や、給付金を実施すれば、十分に挽回可能です。公共工事は、現状では人手不足などの、公共工事の供給制約があるので、すぐに効果的な経済対策とはなりません。

しかし、来年の10%増税をしてしまえば、このような方策をとってもなかなか挽回できない可能性も高いです。所得税減税や、給付金対策を行ったにしても、かなり大規模にしなければならないし、効果が出るまで時間がかかる可能性が高いです。その間に安倍政権の支持率が急落するのは間違いないです。

上の記事には、書いてはありませんでしたが、女性2閣僚の辞任もかなり影響して、最近では内閣支持率を上げるような要素はありません。

このようなことをいろいろ見ていくと、 昨年は確かに、安倍総理が増税見送りをすると、政治的にかなり危険であり、諸事情を考えると政治的賭けに打って出る事はできませんでしたが、今年は違います。

いくら増税派が騒いでみたからといって、増税の最終判断は安倍総理が実施します。

このような状況の中での、ブログ冒頭の記事の内容のような安倍総理の発言です。しかし、日本のメディアはほとんどこれを報道しません。

こういうことから考えると、増税一色に固まっている日本のメディアは、安倍総理の真理を読みとることができず、増税キャンペーンばかり繰り返し、安倍総理の増税見送りのサインを見逃し、ロイターあたりにスクープされて、梯子を外されてしまうかもしれません。

その可能性は、高まりつつあります。

それにしても、増税を見送りして、新たな経済対策をして、経済が良くなれば、安倍政権の支持率はかなり高まることでしょう。

そうなったら、増税派をこてんこてんに批判しまくって、梯子を外して、奈落の底に落としてやろうではありませんか。

私は、そう思います。皆さんは、どう思いますか(*_*)

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2014年10月29日水曜日

堀 義人 日本を変える「100の行動」―【私の論評】今日本に100の問題があれば、デフレから脱却すれば、50くらいの問題は自動的に解消する!脱却できなければ何も解決できずモグラたたきになるだけ。今の日本の最優先課題はデフレからの脱却であるはず(゚д゚)!

堀 義人 日本を変える「100の行動」
Writing by フォーブス ジャパン 2014年12月号 : P.22 〜 27
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「批判より提案を」「思想から行動へ」「リーダーとしての自覚を醸成する」─。
政界、財界、学界、文化人などが、毎年冬に集まる会合がある。日本版ダボス会議と呼ばれる「G1サミット」だ。討論に終わらず、変革のために「100の行動」を始めるという。


「G1サミット」をご存じだろうか。2009年、冬景色の福島県アルツ磐梯で1回目が開かれて以来、毎年、地方のリゾート施設で開催されているが、一般メディアではほとんど報じられていないため、国民に広く認識されているわけではない。しかし、「日本版ダボス会議」と呼ばれている通り、参加者の顔ぶれからいったい何が話されているのか、興味をもたない者はいないだろう。

 iPS細胞の山中伸弥はノーベル賞を受賞する前からG1のボードメンバーであり、参加者には、安倍晋三、現役閣僚、与野党の政治家、霞が関の官僚、民間からは若手起業家に、名だたる企業の経営者たち、学者など大物から新進気鋭までがそろう。文化人やオリンピック選手もいて、第一線で活動中の人ばかりだ。(中略)

 G1の中から「100の行動」というプロジェクトが動きだしており、日本の100の課題を見つけて、解決していくという。

 まるで政府主催のような大がかりな取り組みだが、民間団体の取り組みに官僚を含めて政権内の人間までもが参加するのはどうしてだろうか。その理由は、G1サミットが生まれたプロセスに関係あるだろう。

 安倍内閣で官房副長官を務める世耕弘成は、辰巳と同じく創設時からのボードメンバーで、「100の行動」に参加している。政策提言を行う民間シンクタンクや社会変革を目指す民間団体と何が違うのか。世耕が言う。

「立派な提言や答案を書くのは簡単なんです。問題は実行すること。実現させなければ意味がない。『100の行動』に期待しているのは、これまで政権内で仕事をした人たちが参画している点です。提言を実行しようとすると、不利益を被る人たちがいるし、反発する人もいる。政治家はどこに障壁があるかを知っています。『そんなのは政治家が突破してよ』と、政治家だけに期待されても現実には合意形成は難しく、簡単にはいかないのです。だから、私は問いかけています。『政治の力だけではなく、民間はどう動くんですか。世論を動かすには、政治の力だけでなく、民間の皆さんの力も必要なんです』と」

 20年前だったら、こんな仕掛けをつくる必要はなかっただろう。政治は、プロレスのように役割が決まっていて、批判する人と批判される人が舞台の上で役割を演じる一方、社会システムはうまく動き続けていた。

 しかし、経済が右肩上がりではなくなると、合意形成は困難になり、停滞の時代になった。すると、こんな世の中に誰がしたとばかりの「犯人探し」に世間は懸命になる。(中略)

「犯人探し」が一巡したとき、「批判よりも提案を」と呼びかけたのが、G1の創設者、堀義人だった。
 賛同する人が多いのは時代の変化だろう。みな、イナゴの大群に辟易し、いい加減に停滞から脱したかったのだ。提案を呼びかける堀は、「100の行動」をこう言う。

「これは静かなる革命です」
(以下略、)
【私の論評】今日本に100の問題があれば、デフレから脱却すれば、50くらいの問題は自動的に解消する!脱却できなければ何も解決できずモグラたたきになるだけ。今の日本の最優先課題はデフレからの脱却であるはず(゚д゚)!

ブログ冒頭の記事は、NewsPicsに掲載されていたものですが、日本を変える「100の行動」という表題なので、非常に気になってしまったので、記事内容を読んだり、リンク記事なども読んでみたのですが、デフレに関しては何も掲載されていないので、どうしても一言言いたくなって、この記事に対するコメントをしました。

そのコメントの内容を以下に掲載します。
何か、こういう記事をみていると、がっかりします。水を差すようで、悪い気もしますが、今の日本の一番の課題は、どう考えてみても、デフレからの脱却でしょう。こういうこと言うと、ニヒリストのように思われてしまうかもしれませんが、現実はそうでしょう(゚д゚)! 
日本に100の問題があったとして、デフレから脱却すれば、半分の問題は自動的に片付きます。残りの50もある程度目処もたちます。しかし、デフレから脱却できなければ、どの問題も解消せずにモグラたたきになるだけです。 
マクロ的には、そうです。ただし、そうはいっても、ミクロでの努力を否定するつもりはありませんが、水道管が破裂しているときに、それを修理すれば良いのであって、水を汲み出してばかりいても、根本的な解決にはならないことも事実です。
 これは、本当に私の偽らざる本心です。本当にそう思っています。デフレを解消せずに、日本国内でイノベーションやら何やらを実行したとしても、デフレが解消されなければ、日本の社会は良くなりません。

日本では、あまりにもデフレが長い間続いてしまったため、デフレがあたり前になっている人が多いような気がします。多くの人が、デフレを前提として物事を考えるようになっています。

しかし、デフレは、好景気と、不景気を繰り返すという、正常な経済循環から逸脱した経済の病です。あってはならない状況です。この事が理解されていないような気がします。

多くの人が、「デフレ=不景気」くらいに考えているのではないでしようか。しかし、この考えは全く誤りです。ただし、デフレは純然たる貨幣現象であり、人口減などとは全く関係ないものであり、金融政策によって是正されるものです。ましてや、日本国が駄目とか、日本人が駄目になったということでは決してありません。

デフレは社会に悪影響を与えます。これは、社会に大きな歪をもたらすものです。企業活動から、個人の活動にまで、あらゆる面で、悪影響を与えます。日本国が駄目になった、日本人が駄目になったように見えるのはこのためです。

これについては、このブログでも良く掲載することですが、最近では、自殺者が増えるということを事例として掲載します。

最近では、このことをツイートしましたが、かなり多くの人々にリツイートされましたので、そのツイートを以下に掲載します。


このブログを読まれている方にはご理解いただけると思いますが、何か、このツイートだけをご覧いただくと、非常に過激に思われるかもしれませんが、こうしたツイートをしたことについては、それなりの背景があります。

その背景を理解していただくため、このブログを購読されていないかたのために、以下にこのブログの過去の記事を掲載させていただきます。
若年者死因トップは自殺 先進7か国で日本のみ―【私の論評】若者の死因の第一位が自殺になったのは、デフレ退治をしなかったことによる大きな罪ということを理解しない人が多いためますます、悲劇が続く?

この記事では、日本においては若年者死因トップが自殺であることを中心に掲載ました。そうして、その原因がデフレにあることも掲載しました。
【週間現代】全国民必読 日本経済「隠された真実」安倍官邸と大新聞「景気は順調」詐欺の全手口―【私の論評】増税するしないはもう経済理論を超えた、殺人・詐欺マシーンと化した財務省と、それを粉砕しようとする勢力との政治・言論抗争である(゚д゚)!
佐藤慎一 官房長 '80年入閣

この記事では、財務省の増税推進のなりふり構わない、姿勢に関して批判しました。

再増税をすると、またさらに消費が落ち込み、デフレからの脱却が遠退き、自殺者が増えます。

この記事では、経済学者の田中秀臣氏の勇気あるツイートを掲載し、財務省の何が何でも、増税に走る姿勢を厳しく批判しました。

以下に、この記事にも掲載した田中秀臣氏の勇気あるツイートを掲載します。






田中秀臣氏もそうですし、私もわざわざ、「殺人」という言葉まで出して、批判するのは、生半可なことをしていては、本当に再増税が実行されてしまい、景気が落ち込み、また自殺者が増えるという最悪の事態を避けたいがためです。また、最悪の事態が発生しても、責任の所在が曖昧になることを避けるためです。

デフレは、個人ベースでもこのような惨禍をもたらすものです。

企業にとっても、デフレは悲惨な結果をもたらします。10%増税をすると、消費が落ち込み、日本は再びデフレスパイラルの底に沈み、とんでもないことになります。

たとえば、消費税「10%」なら新車販売は年50万台減という試算もあります。その記事を以下に掲載します。
消費税「10%」なら新車販売は年50万台減 政府・自工会試算 増税判断に影響
デフレでかなり悪影響を被っている自動車産業
 消費税率を10%に引き上げた場合の平成28年度の国内新車販売台数について、政府と日本自動車工業会が最大で年間50万台減少すると試算していることが27日、分かった。年間の総販売台数の約1割に相当する。国内の製造業出荷額の約2割を占める自動車産業の業績が落ち込めば、安倍晋三政権が最優先で取り組む景気回復の大きな足かせとなるだけに、年末の消費税再増税の判断にも影響を与えそうだ。
日本の自動車業界も、再増税に関してはさすがに根をあげて、このような資料を公開しているのだと思います。

飲食業界も酷いものです。この業界では、収益が最大だった頃に比較すると、:現在では5兆円も減っているそうです。いろいろな分析もありますが、原因の最たるものは、デフレでしょう。

たまたま、自動車産業や飲食業の事例をあげましたが、ほとんどすべての産業が、デフレの悪影響を被っています。

個人にも、企業にもデフレは悪影響を及ばし、社会に様々な歪みをもたらします。

アメリカのビッグスリーは従来から、経済が不振だったり、その他の理由で、自分たちの車が売れなくなると、エゲツないほどに、政府に圧力をかけていました。

このやり方に、私は、昔は「そこまでやるのか」とエゲツないと考えていましたが、今の日本では、このエゲツなさが重要だと思います。これだけ、過去の日銀の政策がまずかったり、政府の財政政策がまずければ、大きな声をあげないほうがおかしいです。

まずは、デフレを退治しなければ、マクロ的な視点からみれば、モグラたたきになるだけです。

それなしに、様々なイノベーションを実行したり、改善をしてみても、日本の社会は良くはなりません。一部の人が一時潤うだけのことで、その潤いもつかの間で終わってしまうだけです。だから、ブログ冒頭の記事をみると、何やら虚しさを感じてしまうのです。

せっかく、先端医療で、多くの人々の命を助けることができても、自殺者が増えては帳消しです。ただし、先にも述べたように、このような努力を否定するつもりはさらさらありません。

それに、堀 義人氏を個人攻撃するつもりもないですし、G1サミットを否定するつもりもありません。ひよっとしたら、G1サミットの中でも、デフレについて、語られているのかもしれません。私の、勉強不足、認識不足なのかもしれません。それにしても、ブログ冒頭の記事を読んだり、リンクをみてもそのようなことは、全くでてきません。

しかし、今は、政治家、官僚、民間、個人レベルでも、まずは一致協力して、デフレからの脱却を図ることが、日本の最優先課題だと思います。これだけは、絶対に譲ることはできません。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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「子どもが生まれたら10人に1人、離婚したら半分以上が貧困になる時代を生きる」―【私の論評】ちょっと待ってくれ、貧困の大きな原因の一つとして、個々人の努力や社会制度の問題の前にデフレがあるのでは(゚д゚)!

【田中秀臣氏TW】財務省は「人殺し」の機関の別称だといって差し支えない―【私の論評】政治主導を実現するため、財務省殺人マシーンは分割して破壊せよ!日銀殺人マシーンの亡霊を蘇らせないために、日銀法を改正せよ(゚д゚)!

この国は俺たちのためにある そこどけ!財務省「花の54年組」4人衆のお通りだ 加藤勝信・木下康司・香川俊介・田中一穂―【私の論評】アベノミクスを完遂するために、安部総理が財務省対策の深謀遠慮を巡らしてそれを実行できなければ、この国は終わるかもしれない(゚д゚)!

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2014年10月28日火曜日

潘国連事務総長に高まる疑問の声 ソウル前支局長起訴に沈黙 韓国世論優先? ―【私の論評】国連の事務総長が反日的であるのは、歴史からみて、ある程度あたり前だが、やはり報道の自由に関しては、連合国側の常識に従うべき(゚д゚)!


国連の潘事務総長は、韓国や中国にすりよる一方反日的発言をする

国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長に対し、その資質を問題視する声が強まっている。産経新聞の加藤達也前ソウル支局長が、韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領への名誉毀損で在宅起訴された問題について、一切の態度表明を見送っているためだ。出身国・韓国の世論を気にかけるあまり、「基本的人権」や「言論・報道の自由」を軽視しかねない姿勢に、「史上最低の事務総長」という評価も定着してきた。

「われわれは普遍的な人権を擁護するため、報道の自由を尊重する側に立っている」

国連のステファン・ドゥジャリク事務総長報道官は8日の定例記者会見で、加藤前支局長の起訴への懸念を表明した。ただ、この発言は「あくまで一般論に過ぎない」(日本政府関係者)との見方がもっぱらだ。

今年8月、アフガニスタン大統領選の記事に絡み、米ニューヨーク・タイムズの記者がアフガン政府から出国禁止にされた際、国連は「記者を脅かす行為を懸念する」という声明を発表(同月20日)している。ところが、加藤前支局長の件では国連声明が出ていないのである。

国連の動きが鈍いのは、潘氏が高い人権意識や中立性が求められる立場ながら、韓国に配慮しているためとみられる。

ネットメディアの「インナーシティ・プレス」を主宰し、米各紙に国連に関する記事を寄稿しているマシュー・リー記者は「国籍やその他の事情に基づいた、記者に対する異なった取り扱いが許されるべきではない」と韓国当局を批判し、潘氏の沈黙が「際立っている」と指摘した。

国際政治学者の藤井厳喜氏も、潘氏を「史上最低の事務総長だ」と断じ、「韓国内の評判を気にして、沈黙を続けているのは明らかだ。本来、出身国と一線を画すことができる人でなければ、事務総長という立場に就くべきでない」と切り捨てた。

もっとも、事務総長としての中立性に疑問符がつく潘氏の言動は、今に始まったことではない。

昨年8月には、ソウルの韓国外務省での記者会見で、安倍晋三政権の歴史認識や憲法改正の動きに絡み「日本の政治指導者は極めて深く自らを省みて、国際的な未来を見通すビジョンが必要だ」「正しい歴史認識を持ってこそ、他の国々から尊敬と信頼を受けられるのではないか」と語った。

国家間で主張が対立する問題について、国連事務総長が一方の国への否定的見解を示すのは極めて異例で、「国連関係者の中立性堅持」を定めた国連憲章100条に違反する可能性もある。


潘氏がここまで露骨に韓国世論におもねたり、韓国に影響力を持つ中国に気兼ねするのは、次の韓国大統領職に意欲を示しているからだとみる向きもある。

新著『ディス・イズ・コリア』(産経新聞出版)がベストセラーとなっているジャーナリストの室谷克実氏は「潘氏は、自身を大統領に推す声が起きるのを待ち望んでいるのではないか」といい、こう続ける。

ただ、これまでの言動から明らかなように、もし、潘氏が韓国大統領になれば、「世論に流されるばかりで、韓国はさらに悪い方向に行くだろう」(室谷氏)、「統治能力がないため(内政面でも)韓国は破綻する」(藤井氏)。

史上最低の事務総長の天下りは、韓国国民にとっても不幸な結果を招くに違いない。

【私の論評】国連の事務総長が反日的であるのは、歴史からみて、ある程度あたり前だが、やはり報道の自由に関しては、潘基文は連合国側の常識に従うべき(゚д゚)!

国連の事務総長が、反日的発言をするのは、許容されるものの、韓国におもねるのはどうかと思います。

このように書くと、驚かれる方もいらっしゃるかもしれませんが、国連の事務総長という立場であれば、反日的発言をするのは当然のことです。

たまたま、今の国連事務総長が韓国籍ということで、話が複雑になってしまいますが、これは事実です。

『国際連合』というと、日本では世界の殆どの国が属した平和目的のための組織と思われているようです。そうして、多くの日本人が、国により力の強弱はあれ、’正義’というモラルに反しない、反することを許さない拘束力がそこにはあるはずという思い違いをしているようです。

そもそも、国際連合を英語で何というのかを知れば、その実体は自ずと分かるはずです。

ニューヨークの国連本部 クリックすると拡大します

国際連合は、英語では『United Nations 』―直訳すると「連合した国家」ということです。 この言葉には、InternationalとかGlobal という日本語でいう「国際」という単語は入っていません。

そうして、第二次世界大戦の『連合国』も、英語で『United Nations 』です。
 
なぜ、わざわざこのような名称にしたのか考えてみれば明らかです。"United Nations"には、何のための連合であるかということすら示されていません。

日本人の感覚からすれば、United Nations for International Peace 略してU.N.I.P であれば、受け入れやすいかもしれませんが、現実はそうではありません。

歴史的にいうと、日本では戦中は『United Nations』を『連合国』と訳していましたが、戦後に『国際連合』と訳を変えています。

中国では現在も「聯合國(連合国)」と呼んでいます、日本以外の国では、『連合国』と意味で国際連合をとらえています。

今更、「日本人は『国連』と『連合国』を別物だと思ってましたなどと言えば、外国人、特に戦勝国の人間には、笑われてしまうかもしれません。特に英語圏の人に笑われてしまうかもしれません。

彼らにとっては、"United Nations"は、そのままであり、昔から今に至るまで、『連合国』であり、変わりようもないからです。

そうして、第二次世界大戦の『連合国』と『国際連合』が英語では同じというのが、まさに実態を表しています。

安保理の常任理事国5か国(米、英、仏、露、中)は第二次世界大戦の戦勝国で国連憲章が改正されない限り恒久的にその地位にあり、拒否権も与えられています。
日本やドイツが常任理事国入りするためには、国連憲章の改正が必要で、5常任理事国すべてが賛成しなければならないのです。そうして、国連憲章には敵国条項があり、日本は敵国であるという条項が今でも生きています。

そんな、国連の事務総長が反日的な発言をするというのは、ある意味当然といえば当然です。

世界は今も第二次世界大戦の戦勝国のルールで動いている。日本がいかに世界平和に貢献しようとどんなに多く国連分担金を納めようと(世界2位、下表)常任理事国入りを目指そうと、中国が反対するから無理です。

国連分担金の多い国
順位国名分担率(%)分担金額
(百万未満四捨五入)
1アメリカ合衆国(米国)22.0006億1,850万
2日本10.8332億7,610万
3ドイツ7.1411億8,200万
4フランス5.5931億4,250万
5英国5.1791億3,200万
6中華人民共和国(中国)5.1481億3,120万
7イタリア4.4481億1,330万
8カナダ2.9847,600万
9スペイン2.9737,580万
10ブラジル2.9347,480万

(単位:%、米ドル 出典:外務省 「2011-13年 国連通常予算分担率・分担金」(2013年))

日本の常任理事国入りを認めると、日本を許す、反日を解除しなればならなくなり、中国共産党の正当性が崩壊してしまうことになります。「5常任理事国すべての賛成が必要」という国連憲章も、
改正するには5常任理事国すべての賛成が必要です。だから、中国が自滅するまでは、ほとんど不可能です。

とは、いいながら、実はこれも確かなことではありません。そもそも、日本と現在の中国、中華人民共和国とは、戦争をしたことがありません。

日本が正式に戦争をしたのは、あくまでも、現在の台湾である、中華民国です。そもそも、戦争中には、中華人民共和国など存在しませんでした。中華人民共和国が建国したのは、1949年10月1日であり、終戦後のことです。

であれば、現中国は、戦勝国ではないわけです。それが、"United Nations"という組織の矛盾です。

1942年1月1日,国連宣言を表象する世論形成
ポスター「連合国:自由のために戦う国際連合」

ましてや、朝鮮人は、戦争中は日本に併合されていましたから、戦勝国ではありません。中国も、韓国も戦勝国ではないのですから、今の国連のあり方は、本当に矛盾しているわけです。

しかし、このような背景を考えてみても、やはり、今の国連事務総長の潘基文が、産経新聞の加藤達也前ソウル支局長が、韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領への名誉毀損で在宅起訴された問題について、一切の態度表明を見送っているというのは疑問です。

本来であれば、連合国側の常識に従って、韓国に対して苦言を呈するくらいのことはすべきです。

しかし、そうしないのは、やはり韓国世論を考えてのことでしょう。特に、韓国大統領になりたいという下心があるに違いありません。

韓国紙中央日報は、潘基文にインタビューをしていますが、潘自身は、以下のように答えています。
潘基文「身を政治と外交の半々に置くのは間違っている」
国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長が次期大統領選挙に関して「身を政治と外交の半々に置くのは間違っている」と明らかにした。兪奇濬(ユ・ギジュン)国会外交統一委員長が27日、明らかにした。
何やら、この発言もおかしいと思います。そもそも、事務総長の仕事は、外交でしょうか。違うと思います。ちなみに、国際連合憲章より、事務総長の任務に関す条項をあげておきます。

国際連合憲章

第98条〔事務総長の任務〕
事務総長は、総会、安全保障理事会経済社会理事会及び信託統治理事会のすべての会議において事務総長の資格で行動し、且つ、これらの機関から委託される他の任務を遂行する。事務総長は、この機構の事業について総会に年次報告を行う。
第99条〔平和維持に関する任務〕
事務総長は、国際の平和及び安全の維持を脅威すると認める事項について、安全保障理事会の注意を促すことができる。
これを一口に外交というには、無理があるように思います。それに、このような任務を実行するためには、相当の政治力が必要とされると思います。

やはり、そもそも、潘は国連の事務総長の仕事を理解しておらず、資質が問題視されるのも、当然なのかもしれません。

最後に、日本では、国際連合というと、何やら平和のための崇高な組織を連想しているようですが、それは全くの誤りであり、所詮連合国のための連合国の組織であり、戦勝国とはいっても、戦争があったのは70年も前のことであり、その当時の戦勝国ということであり、もう随分昔のことです。

当然国連事態も制度疲労をおこしており、そもそも、何の強制力もなく、国連が行った事業でまともに成功しているものなど一つもありません。その、一つの原因として、やはり国際舞台は、国と国とのエゴのぶつかり合いであり、いくつかの強力な国々の均衡のもとに平和が成り立っているからです。

世界情勢は、複雑です。第二次大戦の戦勝国だけで、世界の平和を守るなどということは、事実上できません。

その意味では、国連など世界の平和には何も貢献しておらず、今となっては無意味な組織ということもてきます。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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