2012年11月21日水曜日

キラキラネーム-北海道新聞―【私の論評】さすが左翼系低劣地方紙、目のつけどころが違う!!

キラキラネーム-北海道新聞

反日地方紙、北海道新聞の記事
生まれた子に当て字を使ってアニメの主人公などの名前を付ける親が増えているという。判読が難しい、こうしたニュータイプの名前を「キラキラネーム」というそうだ。今年の「新語・流行語大賞」の候補語にも挙がっている。

「今どきの若い親は」と眉をひそめる人もいるだろう。「個性的でかわいい」と共感する人もいよう。多様な受け止め方があっていいと思うが、この人は「キラキラ」を許せないらしい。

自民党総裁の安倍晋三さんが先日、東京都内の講演でこう述べた。「キラキラネームをつけられた多く(の子供)はいじめられている。ペットではないのだから、そういう親も指導しなければいけない」(16日読売新聞)。

まるで「いじめられるような名前は付けるな」と言わんばかり。違うだろう。「いじめる側」が悪いに決まっている。“異質”を理由にいじめるような者をいさめるのが教育だ。これが政権を奪回し、得意と自負する“教育改革”に再び乗りだそうかという人の見識とは、あきれる。

「於菟(おと)」(オットー)「茉莉(まり)」(マリー)「不律(ふりつ)」(フリッツ)「杏奴(あんぬ)」(アンヌ)「類(るい)」(ルイ)。あの森鴎外が3男2女に付けた名だ。明治時代にしては「キラキラ度」はかなりのものといえそう。

世が世なら安倍さんの指導対象?天上の文豪も「ぜひ、ご指導をいただきたかった」と残念がっているかも。2012・11・20


【私の論評】さすが左翼系低劣地方紙、目のつけどころが違う!!

森 樊須先生

この記事を読んでいて、思い出したのは、森 樊須(ハンス)先生のことです。この方は、文豪森鴎外の孫にあたる方です。森先生が、北海道大学農学部教授であったとき、確かいくつかの講義を受けた覚えがあります。私自身は、農学部出身ではなく理学部の生物学科でしたが、森先生の研究に興味があったので、いくつかの講義を履修させていただきました。その内容は、もう忘れてしまいましたが、先生の印象としては、上品で、物静かな方という感じでした。私達の学科にも関係が深く、研究室などにもおでましになることも良くあり、いろいろとお話をうかがう機会がありました。学問のことよりも、他の事で、いろいろなこと教えていただきました。

以下に、簡単な経歴を掲載させていただきます。

北大名誉教授 森樊須氏は、平成19年9月21日脳梗塞のため79歳をもって逝去されました。ここに先生の生前のご功績を偲び謹んで哀悼の意を表します。 先生は,昭和3年8月28日東京市に生まれ、昭和27年3月北海道大学農学部農業生物学科を卒業、北海道大学農学部助手、助教授を経て、昭和46年4月教授に昇任し、応用動物学講座担当となり、昭和61年6月から農学部附属博物館長を兼任、平成元年4月から平成3年8月まで北海道大学評議員を務め、平成4年3月に停年退職され、同年4月に同大学名誉教授の称号を授与されました。 先生は、応用動物学、寄生動物学及びダニ学に関して意欲的に取り組まれました。

これに、関連して、私が子供のときに、父から聴いた逸話があります。

北海道大学農学部
私の父が、北大の学生だったとき、おそらく、森先生の奥さんの父にあたる方が、ドイツ人で、北大のドイツ語の先生をしていたようで、その方に父がドイツ語を習ったそうです。あまり予習をしないで、講義を受けて、質問に応えられないと、「勉強しなくちゃしなさい(「しなくちゃ、しなさい」ではなく、一気に「しなくちゃしなさい」と語っていたとのこと)」とこっぴどく叱られたことなども語っていました。そうして、時期的に推察すると、森先生のお子様にあたると思しき方を乳母車にのせそれを押しながら、このドイツ語の先生が北大構内を良く散歩されていたそうです。そうして、そのときにそのドイツ語の先生が、その赤ちゃんに語りかける言葉はすべて、ドイツ語だったそうです。

「あれなら、すぐにドイツ語ができるようになっただろう」と父が話しているのを何となく覚えています。森先生には、何度もお目にかかる機会があったのですが、その逸話のことをうかがってみようと思いつつ、結局その機会を失い、私の推察が正しかったのかどうかは、今に至るまで、わかりません。ただし、先生が森鴎外のお孫さんなのかどうかは、うかがったことがあります。そうして、その答えはむろん「そうです」というもてのでした。どなたか、事実関係をご存知の方がいたら、教えていただきたいものです。

それは、さておき、なぜこのようなことを掲載させていただかというと、無論のこと、キラキラネームの事例として、森鴎外が、自分の子供の三男二女につけた名前である、「於菟(おと)」(オットー)「茉莉(まり)」(マリー)「不律(ふりつ)」(フリッツ)「杏奴(あんぬ)」(アンヌ)「類(るい)」(ルイ)を出していたからです。

森鴎外
 「キラキラネーム」とは、今年の流行語大賞候補にもなった、当て字で作る読みづらい変わった名前のことです。ネット掲示板では「DQNネーム」とも呼ばれています。

このような「キラキラネーム」は、ネット上では「奇抜な名前は親の自己満足であり、おかしな名前のせいで子供がいじめられる」と、かねてから批判を呼んでいました。これに関して、私が思い出すのは、これが、キラキラネームなのかどうかはわかりませんが、あの悪魔ちゃん事件です。

悪魔ちゃん事件とは、覚えていらっしゃる方もいるかもしれませんが、1993年8月11日、東京都昭島市の役所に「悪魔」と命名した男児の出生届が出されたというものです。「悪」も「魔」も常用漢字の範囲であることから受付されたが、市が法務省民事局に本件の受理の可否に付き照会したところ、子供の福祉を害する可能性があるとして、親権の濫用を理由に不受理となりました。

「キラキラネーム」にもこれにすれすれのものがあり、私は、安倍総裁は、これに類するものに対して批判をしたのであって、決して、森鴎外の子供たちの名前や、その孫である、森樊須氏のような名称まで、批判したわけではないと思います。

しかし、「卓上四季」では、明治時代の作家・森鴎外が「於菟(オットー)」「茉莉(マリー)」「不律(フリッツ)」「杏奴(アンヌ)」「類(ルイ)」といった名前を子供につけていたことを例に挙げ、「世が世なら安倍さんの指導対象?天上の文豪も『ぜひ、ご指導をいただきたかった』と残念がっているかも」と安倍氏の“キラキラネーム”への苦言を逆に批判しています。


森鴎外は、ご存知のように、ドイツやドイツ文学にかなりの影響を受けています。そうして、ドイツ文化に敬意を表して、自分たちの子供や、孫にドイツ風の名前に漢字を当てているだけでいわゆる、キラキラネームとは異なると思います。そうして、森鴎外という父、祖父を持つ子供達や、孫達も、無論森樊須先生も子供のころ、そのいわれを聴かれたならば、そのことに誇りを持って、周りの人々に自らの名前のいわれを語ったことでしょう。けっして、そのことでいじめられたなどということはなかったと思います。

何か、この北海道新聞のこの記事は、何やら私の上記のような想い出が汚されたようで、非常に不愉快な面持ちがしました。


北海道新聞は、北海道では一番読まれている地方紙です。それも、他の地方紙とは異なり、北海道民のかなりの人が読んでおり、朝日、読売などの大手新聞を読む人は、北海道では、少数派です。これだけ、読まれているのですから、本来は、中立公正の立場を貫くか、あるいは、少なくとも自らの立場を明らかにして、報道すべきと思いますが、そうではありません。


函館新聞と北海道新聞の争いを伝える朝日新聞の紙面
それに私は今函館にいますが、函館には、館新聞という函館の地方紙があります。この新聞が発刊直前から、直後の北海道新聞の姑息なやり方は、今でもはっきり記憶に残っています。函館では、一時今でも残っている函館で発刊している「函館新聞」と、北海道新聞が出す「函館新聞」の二つが、函館市内に出まわっていたことがあります。

どういうことかというと、wikipediaから一部下にコピペしておきます。詳細は、wikipediaを御覧ください。
函館新聞社が設立される前の1994年、ブロック紙の北海道新聞社(道新)は函館市で夕刊の地域新聞が創刊される動きがあったことを察知して、「函館新聞」をはじめ、「函館毎日新聞」「函館日日新聞」「函館タイムス」「夕刊函館タイムス」「夕刊函館」「新函館」「南北海道新聞」「道南新聞」の9つの題字商標登録の出願を行った。 
しかし、函館新聞社はこうした商標の集中出願に対して新たな新聞の創刊を阻害させられる恐れがあるとして商標申請の取り消しを求めた。これに対し道新は「商標は国民に認められた権利」のほか「日本新聞協会加盟141社のうち、新聞またはタイムスの文字をつけない題号の新聞社は53を越える」と主張。その後、函館新聞社が「函館新聞」での題号で創刊することを決めたあと、道新側がこの題号に関係の薄い、函館毎日など5つのタイトルについて自主的に出願を撤回した。 
これを受け、特許庁は函館新聞など4つの題号について審査。その結果、北海道新聞は道内の代表的ブロック紙であり、函館地方の新聞創刊構想、気運、動向を知りうる立場にあった地方紙の題字として採択される可能性が高い商標を集中的に、しかも自ら使用することが極めて低いにもかかわらず出願したこの出願により、函館地方の新聞創刊の途を狭くしたことを目的といわざるを得ない公正な競業秩序を乱すとして、北海道新聞社が出願した4つの題号すべてについて拒絶査定の判断をした。その際、函館新聞社が主張していた、新聞のタイトルには地名+新聞、日報、タイムスなどのきわめて制限されたものしかない、同一地区で同じ新聞社が別の題字の新聞を発行していることは認められないといった主張を全面的に認定した。
私の見方では、北海道新聞は、完璧に左翼系新聞であるにもかかわらず、あたかも、中立公正を装って報道しているように見え、前から鼻についていました。そうして、記者の質も悪く、特に、経済記事など明らかな誤りか、意図的な歪曲がかなり多く、読めば読むほど、経済も、日本もわからなくなるような内容ばかりです。

特に、基本的な日本の歴史や、経済もほとんど理解していないようで、あまりの低劣さに、ここ10年以上は、読まないようにしています。本日は、たまたま、サイトで上のような記事をみたので、本当に久しぶり読みました。

本当に、森 樊須先生も、この記事には、あの世で忸怩たる思いをされているのではと思います。本当に、やりきれない思いがします。

それにしても、なぜこのようなエッセイを掲載するかといえば、無論安倍総裁叩きのためです。おそらく、前々から、そのための材料を目を皿のように探していたのだと思います。ただし、政治や、経済の本質に関わる問題に関しては、勉強不足なので、掲載すれば、すぐに矛盾が露呈し、あちらこちらから指摘されることになるので、派手に実施することもかなわず、たまたま、上のような事実を見つけ、半分こじつけで、無理やり記事にしたというところなのだと思います。それにしても、対象も、話題としても、間違っています。

本当に困ったものです。やるなら、こんな姑息なことをせず、どうどうと左翼的戦後体制の擁護論を主張すべきと思います。そう思うのは、私だけでしょうか?



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2012年11月20日火曜日

安倍晋三氏の無責任な経済政策 - 池田 信夫氏−【私の論評】安倍総裁を無能呼ばわりしたつもりでしょうが、矛盾点が露呈してますが?!

安倍晋三氏の無責任な経済政策 - 池田 信夫

池田信夫氏
・・・・・・<前略>・・・・・・・
  中でも重要なのは、金融政策だ。安倍氏は『インフレ目標の達成のためには無制限に緩和をしてもらう』というが、こういう無責任な政策を公言するのは危険だ。日銀が無制限にマネタリーベースを増やせば、ハイパーインフレが起こることは自明である。それは通貨の信認が毀損されるからだ。安倍氏は『マネーを増やしていけばどこかでマイルドなインフレになる」と信じているのかもしれないが、残念ながらそういうことは起こらない。次の図は各国の中央銀行のバランスシートのGDP比だが、日銀はECBと並んで世界最大である。安倍氏の賞賛するFRBの2倍近い。

なぜそういうことが起こらないかも理論的に説明できる。金利がゼロに貼りついた流動性の罠では、マネタリーベースを増やしてもマネーストックが増えないからだ。これは大学1年生の試験問題なので、安倍氏が自分で考えることをおすすめしたい。

・・・・・<後略>・・・・・・・

この記事の詳細はこちらから!!

【私の論評】安部総裁を無能呼ばわりしたつもりでしょうが、矛盾点が露呈していますが?


さて、上の記事、随分そっけないです。それに、矛盾点が露呈しています。特に上の文章は、経済や金融のことを理解していなくても、十分看破できます。ただし、言葉の意味を正確に理解していなと、理解できないかもしれません。言葉の定義をしつつ、矛盾点を掲載していきます。

結論からいうと、池田氏は、安倍総裁が、「インフレ目標の達成のためには無制限に緩和をしてもらう」という金融政策を行えば、「ハイパーインフレが起こることは自明である」と述べているにもかかわらず、その直後に、「金利がゼロに貼りついた流動性の罠では、マネタリーベースを増やしてもマネーストックが増えない」、要するにいくら金融緩和しても、インフレにならないと語っているわけです。これは、完璧に矛盾しています。

もっと簡単にいえば、「安倍総裁の言っているような金融緩和をすれば、ハイパーインフレになる。現在日本経済は、流動性の罠にはまっているので、いくら金融緩和をしても、インフレにはならない」ということを言っているということです。酷い矛盾です。

さらに、最後で、憎々しげに、「なぜそういうことが起こらないかも理論的に説明できる。金利がゼロに貼りついた流動性の罠では、マネタリーベースを増やしてもマネーストックが増えないからだ。これは大学1年生の試験問題なので、安倍氏が自分で考えることをおすすめしたい」と述べています。これは、意見というよりは、個人攻撃に近いです。

東京大学1年生!!
本当に大学1年生になったつもりで、この試験問題を考えてみます。マネーストックとは、世の中に流通している預金通貨を含むお金の総量と考えていいのです。池田氏は、日本経済は、流動性の罠にはまっているので、どれだけ日銀がマネタリーベース、つまり、日銀券を発行しようとも、市中に出回るお金の総量が増えることはないと言っているのです。

では、「流動性の罠」とは何かといえば、wikipediaによれば、「金融緩和により利子率が一定水準以下に低下した場合、投機的動機に基づく貨幣需要が無限大となり、通常の金融政策が効力を失うこと」となっていますが、これだけ読むと何やら良くわからなくなります。確か、古典派経済学者のりカードが最初に言い出したものだと思います。過去の日本の経済状況に対して、あのポール・クルーグマンが著書で指摘していたと思います。


池田氏の記事にそって、説明すると、流動性の罠にはまった状態では、 名目金利がゼロの状況であり、一般企業が、金利がゼロであっても銀行からお金を借りようとはしない状況です。だから、そのような状況では、日銀がいくら金融緩和を行なってお金を市場に提供したとても、市中に出回るお金の量は増えないということです。

なぜなら、一国の経済が流動性の罠にはまっている状態では、、本来あるべき名目の金利水準はマイナスであってしかるべきで、そしてマイナスの金利であれば、一般企業の資金需要も起こり、世の中に流通するお金の量が増えることになりますが、現実の世の中では名目金利をゼロ以下に引き下げることができず、従って、一般企業の資金需要を引き起こすことができないので、世の中に出回るお金の量は増えないということです。

名目金利をゼロ以下に引き下げるとは、現実世界においては、銀行からお金を借りると、利子を払うのではなく、逆に銀行から利子分のお金をさらに上乗せしてもらえるということです。そんなことは、銀行だって、商売でやっているので絶対にできません。だから、銀行はお金をかせなくなるということです。であれば、いくら、中央銀行がいくら市中銀行にお金を提供しても、銀行は企業にお金を貸すことはなく、よって、市中に出回るお金も増えないということです。


そうして、現実に今の日本では、銀行がお金を貸すことができず、大量のお金が滞留しているのも事実てす。あの維新の党の石原元東京知事は、知事時代に都営銀行を設立しましたが、そのときの設立趣旨は、「中小企業は、銀行からお金を借りようにも借りられないから、困っている。だから、都営銀行を設立して、中小企業お金を借りやすくする」というものでした。しかし、この銀行ご存知のとおり、大失敗です。現実には、不良債権だらけになっています。


池田氏は、こうした回答を求めているのだと思います。これで、満点かどうかはわかりませんが、流動性の罠だけではなく、ケーススタディーも出しているので、少なくとも及第点はいただけるものと思います。

では、日本経済は、この流動性の罠からは、永遠に逃れることはできないのでしょうか。そんなことは、ないと思います。確か、リカードが流動性の罠を発表して以来、かなりの間、そのような事例がなくなり、日本が流動性の罠にはまったのは、百年数十年ぶりのことだったはずです。全く久しぶりに、そのようなことが起こったので、最初は何が起こっているのかクルーグマン博士どころか、誰も気付かなかったというのが実情です。リカードの時代に流動性の罠にはまった国があったのは確かです。だからこそ、このような事例が残ったのだと思います。しかし、どこの国かは知りませんが、流動性の罠から抜けだしたことだけは間違いありません。だから、日本がこの罠にはまったのは、久しぶりだったのです。一度流動性の罠にはまったからといって、永遠に抜け出せないということはないはずです。

そういわれてみれば、この流動性の罠から抜け出すための、処方箋を上にも出てきた、クルーグマン博士が出していたはずです。それが、インフレターゲット理論です。

ポール・クルーグマン氏
これは、流動性の罠にはまった、国の中央銀行(日本では日銀)が、長期的なインフレ目標を設定して、それに向かって断固たる姿勢を取り続けるというメッセージを出すことで、さしもの流動性の罠も解消の方向に動くのではないか、それを期待しようというものです。

クルーグマン博士がこの政策提言をしたときには、侃侃諤諤の議論が沸き起こりました。そもそも中央銀行の最大の使命は、貨幣の流通をコントロールして、物価を安定させることだ。それなのに自らインフレを引きおこそうとは、どういう了見だ、という批判が巻き起こりました。

しかし、現在では、アメリカのバーナンキもインフレターゲットを設定していますし、他の先進国でも、当たり前に実施する金融政策の手法のうちの一つになりました。こうして、インフレターゲットを設定するやり方を今ではリフレ政策と呼びます。

これについては、インフレ期待そのものについての、経済学的あるいは倫理的な批判が依然としてあるほかに、果して緩やかな、インフレが実現できるのか、危ぶむ声も未だにあります。日本では、池田氏が、その代表格です。

しかし、古くは、日本では、昭和恐慌(世界恐慌の日本版)での、高橋是清による、リフレ政策を実行したことにより、いち早く恐慌から脱出できたことがわかっています。高橋 是清 自身は、インフレターゲット理論とか、リフレ政策など知らなかったと思いますが、いわゆる世間一般の常識に従い、結果としてリフレ政策を実施したのだと思います。リフレ政策を実行しなかった他国が不況から脱出できたのは、戦争が始まってしばらくしてからでした。要するに、戦争を遂行するためには、膨大な戦費が必要であり、これを可能にするため、インフレなど無視して、大幅増刷などの思い切った金融緩和政策、積極財政政策をとらざるをえなかったためです。要するに、しぶしぶリフレ政策をとらざるをえなくなってから、恐慌から脱出できたということです。

高橋是清
それに、1990年代の研究により、世界恐慌の根本原因がデフレであることがはっきりしました。今では、デフレから脱出するには、リフレ政策がかなり有効な手法の一つであることが実証されています。それに、最近では、不況時に大規模な金融緩和をすると、ハイパーインフレになるとする池田氏等の主張は、イギリスの事例が裏付けているように見られていましたが、これも、そうではないことが明らかになりました。

イギリスの事例とは、不況に喘いでいた、イギリスが、財政赤字を解消するため、2010年に付加価値税の大幅増税を行いしまた。その後まもなく、イングランド銀行(イギリスの中央銀行)が、大増刷を含む、大規模な金融緩和をしました。その後、イギリスのインフレ率は、4%を上回り、それたみたことかと、池田氏をはじめとする世界の反リフレ派が、「不況時に大規模な金融緩和をすれば、ハイパーインフレになる」ことの実例だとしていました。しかし、これは、今年に入って、2%台の穏やかなインフレとなり、そうではなかったことが実証されました。これについては、以前のブログにも掲載しましたので、その記事のURLを以下にコピペしておきます。詳細は、こちらを御覧ください。

【五輪閉会式】景気後退、将来への懸念は消えず 政争の予感も―【私の論評】イギリスの今日の姿は、明日の日本の姿である!!


収束したイギリスのインフレ
それに、クルーグマン博士は、デフレ解消への処方箋としてのほかに、雇用を作り出すためにも、一定のインフレは許容すべきだとかねがね考えていました。そうして、今では、世界中の中央銀行が、雇用情勢の調整を自らの、主要な任務とするに至っています。いずれにしても、どうも、池田氏の論考は、問題ありです。イギリスのインフレにしても、4%台を超えなかったわけですから、もともとは、ハイパーインフレなどとはいえません。ハイパーインフレというには、4%内外では小さすぎます。

安倍総裁が最近打ち出しているのは、まさにリフレ政策であり、クルーグマンが昔提唱し、今では、多くの国で実施されている、金融政策、財政政策をしようとているだけです。何も、安倍氏独自の突飛で、珍奇方法ではんく、他国でうまくいった方法を日本にも適用しようとしているだけです。

それに、最近では、日銀白川総裁も、野田総理も、安倍総裁の提唱する金融政策、特に日銀の建設国債引受に反対しているようですが、復興の財源などもともとの、復興税にするのでなく、建設国債にすべきでした。財務省は、復興税でうまく行った例を古今東西にないかをかなり調べたようですが、結局そのような事例などあるはずもなく、結局増税のための理論的根拠にすることはできませんでした。それに関しては、以前のブログにも掲載したことなので、以下にその記事のURLを下にコピペしておきます。詳細は、こちらを御覧ください。

まだ生々しい震災の記憶

「日本再生」というばらまきに群がった官僚や政治家たち!「復興予算の乱用」を自民や公明、そしてメディアがいまごろになって批判する資格はあるのか−【私の論評】復興税法案と日本再生シナリオは、日本国解体の一里塚!!何でも増税すれば良いという愚かな考えがこのような事態を招いた!!


それに、経済が安定しているときや、インフレ気味のときではなく、こんな"デフレ"とも呼べるような経済状況の最中に、日銀が引き受けたとしても何の問題もないと思います。

それにしても、こんな安倍批判をするくらいなら、日銀総裁も、野田総理(この方、もう半分総理大臣ではないので、かわり財務省)も、なぜ現状のようなデフレ状態がかくも長い間放置されてきたのか、その合理的な説明をすべきです。そうして、それに対する対策を速やかに行うべぎです。

もう日本は、デフレ傾向になってから20年、誰もが認めざるをえない統計上でもしっかりとデフレになってからも、14年目に突入しています。この間、小渕氏と、麻生氏だけが、積極財政を行いました。そうして、それなりに成果をあげていました。小泉政権だけが、金融緩和措置を行いました。これも、それなりに成果をあげていました。この時期には、あの懐かしい、ライブドア事件や、村上ファンド事件などがおこりました。今では、酷いデフレなので、こんな事件が起こりえる余地すらない状況です。

それに、過去20年間にわたって、日本では、金融緩和と、積極財政を同時に実施したことは一度もありません。もうそろそろ、いろいろ、反論があったにしても、これを同時実施する時期に来ていると思います。それに、池田氏は、大々的に金融緩和を実施しても、大学1年生の問題を通してインフレにならないと、確約してくれています。実際にリフレをやってみても、インフレにはならないそうなので、ましてや、ハイパーインフレなどにはならないということで、安心して実行できるではありませんか!!リフレ政策を実施すると、うまくいくか、何も変わらないかのいずれかということです。何も変わらないということは、悪いこともないということです。そうして、安部総裁は、それを実行しようと主張しているわけです。では、過去20年間政府・日銀やってきたことの真逆をやってみる価値は十分にあると思います。

そう思うのは、私だけでしょうか?





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2012年11月19日月曜日

『朝ズバッ!』が痴漢ニュースで安倍晋三氏の映像を流す / 悪質なサブリミナル効果を使った世論操作? 安倍氏「またかとの思い」−【私の論評】安部総裁ネガティブ・キャンペーンは、中国による反日デモと本質は同じ、国民の目を他にそらすためのものである!!

『朝ズバッ!』が痴漢ニュースで安倍晋三氏の映像を流す / 悪質なサブリミナル効果を使った世論操作? 安倍氏「またかとの思い」:

『朝ズバッ!』が痴漢ニュースで安倍晋三氏の映像を流す / 悪質なサブリミナル効果を使った世論操作? 安倍氏「またかとの思い」

テレビ番組『みのもんたの朝ズバッ!』が痴漢事件のニュースを報じる際、まったく関係のない自由民主党・安倍晋三氏の映像を映した件。すでにいくつかのニュースサイトで話題になっているので、ご存じの方も多いと思われる。

痴漢事件のニュースで、2~3秒ほど安倍氏の映像が流された。女子アナが「さきほど関係のない映像が出てしまいました」と謝罪したが、安倍氏に対しての謝罪はないままだという。痴漢というネガティブなニュースを報じるなか、まったく関係のない自分の画像が流されたら誰だって不愉快である。安倍氏もこの出来事を知ったようで、自身の公式facebookで以下のように言及している。

・安倍晋三氏の苦言コメント
11月16日放送のTBS『みのもんたの朝ズバ!』で、NHKキャスターの痴漢行為を、ニュースとして流す中で、なんと私の顔写真が写し出されたそうです。ネットの指摘で明らかになりました。その日はまさに解散の日。ネガティブキャンペーンがいよいよ始まったのでしょうか? もし事故なら私のところに謝罪があってしかるべきですが、何もありません。「はい、先ほど、あの関係のない映像が出てしまったという事ですが、大変失礼しました。」と番組内で女性アナウンサーが言ったきりです。かつてTBSは、私が前回の総裁選に出た際、「731細菌部隊」の報道のなかに私の顔写真を意図的に映り込ませる悪質なサブリミナル効果を使った世論操作を行いましたが「…またか。」との思いです。これから1ヶ月こうしたマスコミ報道との戦いです。私は皆さんと共に戦います(引用ここまで)

上記のコメントからすると安倍氏は、今回の放送事故は意図的なネガティブキャンペーンではないかと感じているようだ。前回にも同じようなことがあったらしいので、そう考えると意図的だと思われても仕方がないのかもしれない。

365日ずっと番組を流している以上は、放送事故は避けられないもの。笑いが止まらなくなった女子アナの放送事故はあまりにも有名だ。しかし今回は、ミスの内容が内容だけに問題視されても仕方がない事故といえよう。はたして今回の放送事故は意図的なのか? それとも単なる事故なのか? 皆さんはどうお思いだろうか。

参照元: 安倍晋三オフィシャルfacebook

【私の論評】安部総裁ネガティブ・キャンペーンは、中国による反日デモと本質は同じ、国民の目を他にそらすためのものである!!


なにはともあれ、上記の記事で指摘していた「朝ズバリ!」が痴漢事件のニュースを報じる際、まったく関係のない自由民主党・安倍晋三氏の映像を映した際のキャプチャー画像掲載しました。これは、安部総裁のFBから転載させていただきました。これは、悪意のあるサブリミナル効果を狙ったものとしか、私には思えません。みなさんは、どう思われますか?本当は、こんな写真掲載したくはなかったのですが、「百聞は一見に如かず」ということわざもあることから、やはり証拠は、証拠として、はっきりわかるように掲載させていただきました。本当に不快です。自分がこんなことをされたら、放送局や、みのもんたにも、直接謝罪を求めると思います。

それに、こうした姑息なやりかたは、他にもあります。


上の動画で、すぎやまこういち さんは、以下のように証言しています。

「安倍晋三さんのスピーチの時だけ、僕が聞いて感じたのは、中音部以下のやや低音域にちょっとイコライザーをかけつつエコーをつけて、リバーブをつけて、もやもやっと聞こえにくくしている。僕は見てて商売柄、やってるなと思いました。音楽やって録音の作業はプロとしてやってますから、ハッキリそれは分かりました」。

また、民放でも反日報道のため、サブリミナル効果は、しばしば用いられてきました。NHKでも随分前から、同効果が用いられています。下にその例の動画を掲載します。


オープニングタイトルの工作[チャンネル桜 H21/4/15]

上の動画では、2009年4月5日に放送されたNHKスペシャル・シリーズ JAPANデビュー「アジアの一等国」という番組に関して、その内容構成の偏向ぶりが問題となっているが、実はオープニングにもある意図が隠されていたことを報道しています。「サブリミナル効果」という禁じ手を使ってまでNHKが刷り込もうとしたメッセージとはいったい何だったのでしょうか?水島総氏が映像の専門家としての立場から解説しています。

マスコミは、直裁的に反日報道を意図して、意識して行うことは、恒常的であり、多くの人々は、これに関しては、作為的なものを感じて、あまり影響を受けなくなりつつあります。政治に関しては、あまり関心のない人の場合、そもそも、反日報道をしても、全く関心がないので、せっかく報道しても、あまり自分だちに益がないため、10年くらい前からは、いわゆるサブリミナル効果に着目して、政治に無関心な集団に対して刷り込みをしています。


そうして、政治的に無関心な層に関しては、サブリミナル効果は、かなり効き目があります。特に政治に関心がない人は、何かテレビを見ていて、全く関心のない政治の話題になっても、そのまま見続けていたとして、政治に関心がないので、無意識に見ているので、政治の話題など、すっかり忘れています。しかし、潜在意識に反日的メッセージが埋め込まれれば、投票に行ったときに、本人は、ただの思いつきで、その場で、何気なく、ある候補者に投票しないで、 他の候補者に投票してしまい、これは、自分のただの思いつきでそういう行動をしたと思っていても、実際は、サブリミナル効果にかなり呪縛されている場合もあります。

多くのマスコミは、最近かなり増えている政治や、選挙に対する無関心層に対して、このようなサブリミナル効果に訴え、支配しようとしているのです。そうして、最近でも、上記のような報道をしていることから、やはり、それなりに効果があるのだと思います。こうした、サブリミナル効果をシャットダウンするには、自から選挙に関心を持ち、意図して意識して、自分で判断して、選挙に臨み自分の意図で投票する以外に方法はありません。もう少しで、選挙です、普段政治に関心のない人でも、投票するなら、他の選挙のときには、無関心であっても、今のように選挙が近づいていていて、しかも選挙次第で次の日本が相当変わる分水嶺にあたるような今回の選挙には、ある程度関心をもち、自分なりに情報を集め、思いつきではなく、自分で判断して、投票すべきです。そうでなければ、サブリミナル効果の餌食になるかもしれません。

このブログでは、前々からマスコミの反日的な変更報道に対して、警鐘を鳴らしてきました。安部総裁に関するものも、あのカレーライス事件についてとりあげています。これに関しては、何と二度も掲載しています。

【きょうの名言】3500円のカレー―【私の論評】ますます劣化する売国5流薄バカ低脳KYマスコミに喝!!

この記事は、詳細については、当該記事をご覧いただくものとして、あまりに稚拙で、低劣なマスコミのやり口に対して、怒りの声をあげたという内容です。


【きょうの名言】3500円カレーで日本経済動かしすぎ−【私の論評】「売国5流薄バカ低脳KYマスコミ」も期せずして、日本経済を浮揚!!安部総裁が総理になれば、この動きは加速する!!

この記事では、マスコミによる安部氏高級カレーの報道が、期せずして、日本経済に良い影響を及ぼしたことを掲載しました。詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部コピペさせていただきます。
「安倍氏高級カツカレー食べる→『庶民感覚がない!』との報道→ネットでは報道に対する批判的な意見が騒がれる→ソーシャルがカツカレーだらけになり食べに行く人多数→CoCo壱の株が値上がり これはどう見ても功績だろ たかが3500円でどんだけ日本の経済動かしてんだこの人」
ソーシャルメディア上は、「カレー」だらけとなり、これは株価にも反映し、壱番屋の株価は25日の引けあたりから上昇が続いている。
この話題は、とにかくカレーが食べたくなる衝動を揺り起こす。
この記事で、こうした観点とは、別の視点もあげています。 この記事の最後は、以下のように締めくくっています。
しかし、空気の読めないマスコミはそんなことには、全くそんなことはお構いなしに、またぞろ、馬鹿な安部叩きをしようとしています。しかし、安部氏このようなことで、挫かれることはないと思います。しかし、それにしても、上記のカツカレーや、病気を揶揄する連中、国賊といっても良いと思います。安部氏病気は克服しましたし、それに、一度総理を中途で降板しながらも約1年間経験しました。その間一度も失政はありませんでした。この経験を十分に活かすことができるでしょうし、今の安部氏は、マスコミなどで叩かれたとしても、それが、かえって上記のカツカレーや薬のように、安部氏の活躍を助け、日本を再度まともにする端緒をつくることになることでしょう。いずれにせよ、今回は、安部氏の応援団、かなり層が厚いので、マスコミも太刀打ちできないでしょう。
この記事でも予測したとおりに、あらかじめ用意しておいた、安部叩きの極秘兵器が、16日の解散の日に意図して、意識して起動されたということだと思います。そうして、安部氏のいうとおり、これから、大ネガティブキャンペーンがはじまります。全マスコミの全知全能を絞った、あらん限り、ありとあらゆる手法を駆使したキャンペーンの始まりです。安部総裁が、安部総理になれば、従来などと比較すれば、最大のもっと凄まじい反安部メガ・ネガティブキャンペーンがはじまります。



なぜ、そのようなことをするかといえば、それは、簡単なことです。安部総裁が、総理になれば、自分たちの存続の基盤が脅かされるからです。そうして、安部政権が長期化すれば、さらに強烈に脅かされることになるからです。日本には、同じ日本人でありながら、大まかにいって、二つの層があります。これは、保守派、革新派、右翼、左翼、右派、左派、中道、親特ア、反特ア派、反自民、親自民、親米、反米を問わず、一方は、戦後体制を守る側です。終戦直後に、今では明らかになった、馬鹿とソ連のスパイの集まりであった、GHQがつくりだした、戦後体制(安部総理のかつての言葉では、レジーム)を守ろうとする側です。これは、保守対、革新とか、左翼対右翼などという単純な二項対立ではないのです。右翼であっても、左翼であっても、戦後体制を温存する側にまわる人はいるのです。

もう一方は、これを脱却しようとする側です。そうして、いうまでもなく、安部総裁は、これを脱却することを目指しています。私も無論戦後体制は脱却すべきと思っています。戦後体制を守ろうとする側は、本来は、戦後体制の枠組みを守ることを全面に打ち出せば良いのですが、これに関しては、戦後60年も経て、誰の目からみても、綻びだけが目立ち、一般人ならいざしらず、マスコミや、政治家や、評論家などの素人ではない立場からは、真っ向から擁護することは、非常に分が悪いのです。

だから、戦後体制擁護という立場を強調するのではなく、安部叩きという個人攻撃にすりかえているのです。安倍氏を叩くことにより、自分たちの本当の意図は隠して、自分たちは直接手を汚さす、自分たちの思うように、国民の目をそちらにそらし、旧体制および、自分たちを守ろうとしているのです。そうして、かなり危機感を感じているのだと思います。そもそも、強者ならば、このような姑息なことはしません。どうどうと、自分たちの主義主張を公表して、論陣を張るはずです。

このやり方、何かに似ていませんか、そうです。中国の直近の反日デモや尖閣上陸です。両方とも、権力闘争の一環として、習近平が、指揮したとされますが、これらは、中国人民の憤怒のマグマが今や頂点に達しており、いつどこで噴火してもおかしくはない状況となっているため、国民の怒りの矛先を日本に向けるという意味合いで、江沢民派も、胡錦濤派も許容したということです。

不死鳥のごとく蘇った、安倍総裁
安部叩きも、同じことです。戦後体制を温存し続けることは、すでに多くのまともな国民が疑問を呈しています。怒りを感じている人も多いです。とくに、まともに日本のことを考える人々にとっては、いつまでも戦後体制が崩れないことを対して怒っています。戦後体制温存派は、これらの人たちは、無理しにしても、政治に無関心な層は、中国人民のように容易に操作できるだろうと思い、強烈な安部叩きや、サブリミナル効果まで総動員して、なるべく自分たちに有利になるよう行動しているのです。前回のように安倍氏が、失脚すれば、自分たちは安泰というわけです。実際に今までは、安泰でした。しかし、少し前までは、誰しも考えも及ばなかった、安倍氏復活により、彼らはかなり脅威を感じているはずです。

しかし、日本人は、中国人民のように、厳重に情報封鎖されてはいませんし、中国にはない世論を形成することもできます。こうしたなかでは、戦後体制温存の守旧派はかなり不利であると思います。しかし、選挙というものは水ものです。戦後体制温存派が、思ってもみなかった、伏兵を配置していたり、秘密兵器などを忍ばせているかわかりません。

間近に迫った選挙は、有権者が意識していようといなかろうと、戦後体制温存派と、脱却派の剣が峰となります。この戦いには、絶対に勝利しなければ、私たちは、日本の弱体化を防ぐことはできなくなります。そんなことにもならないためにも、私たちは、まともな世論を形成していく必要があります。だからこそ、私たちは、先のカレー事件や、上のようなネガティブキャンペーンが、起こった場合、SNSでその背景を拡散したり、ブログなどで背景を解説して、まともな世論形成に関与し、寄与していくべきです。

ロンドン五輪で、日章旗を掲げて後進する福原愛選手

ただし、はっきりと、戦後体制を軸にして、温存しようと考える層も、脱却を考える層も数的には、まだまだ全体からみば、少数派です。多くの人は、前回の選挙のように、子供手当てなどで、左右されてしまうのです。このような、政治に無関心な層に対しては、もしその本当の意味が理解できれば、デフレ脱却が最も魅力的であるし、しかもデフレ解消は、官僚組織の壁などの戦後体制一部である障壁をある程度崩さないと達成できないし、実際達成すれば、すぐに効果が現れるものです。

デフレ脱脚なしに、議員総数を削減するとか、他の瑣末な何かをしても、国民生活の好転などには、全く結びつきません。ここは、できることから、優先順位をつけてる実行するため、デフレ脱脚を強調しつつ、本命は戦後体制からの脱脚という安部総裁の路線がもっとも合理的で、戦後体制の脱脚の早道だと思います。それに、デフレ傾向になってからは、20年、統計上で誰もが否定できないデフレ状況になってからも、14年です。この状況は、古今東西に見ないほど、異常です。この病気が治らない限り、いくら、戦後体制から脱却しても、国民生活の安寧は訪れません。

それに、思うに、これは、戦後体制にどっぷり漬かった連中が、このデフレを容認したり、促進したのだと思います。 戦後体制から抜けだそうとするということは、自主独立した、強い日本をつくるということです。戦後体制脱却派が、デフレを容認したり、促進したりするようなことなど考えられません。

結局は、この日本のデフレは、従来はアメリカ経済の、最近で中国経済も含めた両国の経済のアンカーのような役割を果たし続けたが故に温存されてきたということです。両国の経済が悪くなりそうになっても、日本が最後の砦となり、アメリカや中国の経済が安定することに日本が国内のデフレ・円高を許容してまでも、寄与してきたということです。そうでなければ、こんな古今東西に例をみない、デフレの長期化などあり得ません。

日本は戦後体制の中で、特に経済発展してからは、アメリカ経済のアンカーの
役割りを果たしてきた。最近では、中国に対してもその役割りを果たすようになった。
デフレなど、金融緩和すれば、ほとんど収まるし、それでも駄目なら、政府が積極財政をすれば、確実に収まります。こんな簡単なことができなかったのは、背景に日本が両国経済のアンカーの役割をしなければならかったということがあったためです。アメリカに対しては、ある程度寄与するのも理解できますが、中国に寄与する必要などないです。中国は、過去にさんざんぱら支援をしてきました。もう、ひとり立ちさせるべきです。

日本が、金融緩和、積極財政を行いデフレ・円高を解消したならば、中国の経済は、ズタボロになります。世界第二の経済大国などということは、言ってはいられなくなります。アメリカもかなり影響を受けます。しかし、日本が自主独立すれば、アメリカは、日本の防衛に対して膨大な軍事費を割く必要はなくなります。そうすれば、アメリカ経済もマクロ的にみれば、さほど影響は受けないはずです。これは、日本にとっても、米国にとっても良いことです。中国にとっては、良くないこのようにも見えますが、長い目でみれば、本当の意味で自主独立しなければならないということで、その過程で、中国の社会構造の転換をせざるをえなくなり、人民にとっては良いことです。いつまでも、日本が中国経済のアンカー役をしていれば、いつまでたっても、中国の遅れた社会構造が温存され、中国自民の憤怒のマグマがたまり続けるばかりとなります。

これは、戦後体制がどうのこうのという前に、速やかに解消すべきだし、できる問題です。そう思うのは、私だけでしょうか?いずれにせよ、次の選挙、戦後体制からの脱却派に是非とも勝利してもらいたいものです。そうでなければ、戦後体制擁護派が、それこそ、第二の戦後体制という新たな社会秩序を構築してしまい、それこそ、日本の自主独立が、さらに遠のいてしまうことになります。



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2012年11月18日日曜日

「存在に値する」会社の必要条件は何か? それは過去を健全に否定し、世の中に新しい価値を送り出し続ける「起業家精神」だ!―【私の論評】顧客価値の創造をすることが「存在に値する」会社の必要条件であることは、間違いないが、今の経済状況は、十分条件を満たしてはいない!!

「存在に値する」会社の必要条件は何か? それは過去を健全に否定し、世の中に新しい価値を送り出し続ける「起業家精神」だ!:

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[ 井上久男「ニュースの深層」 ]

「存在に値する」会社の必要条件は何か? それは過去を健全に否定し、世の中に新しい価値を送り出し続ける「起業家精神」だ! 

雑誌でも紹介された日本家電メーカーの危機
[井上 久男]

本コラムでは2回連続でパナソニックやシャープの大赤字と経営責任の話を書いた。「もっと厳しく書け」「批判して書き過ぎだ」といった声が読者や知人から寄せられた。物書きである以上、自分が書いたことに様々な批評が加えられるのは当然であると思っているし、耳を傾けるものもあれば、無視するものもある。

【私の論評】顧客価値の創造をすることが「存在に値する」会社の必要条件であることは、間違いないが、今の経済状況は、十分条件を満たしてはいない!!

私のは、上記の記事の論考に関しては、ある条件を満たせば、諸手をあげて賛成したいところですが、その条件をみたしていないので全面的に賛成はできません。上記では、「存在に値する」会社の必要条件という言い方をし、その必要条件は、"過去を健全に否定し、世の中に新しい価値を送り出し続ける「起業家精神」である"としています。これは、必要条件としては、正しいと思いますが、十分条件は、満たしてはいないと思います。



さて、必要条件と十分条件とは、そもそもは、数学で用いられる用語であり、日本の教育では、中学校で教えられるものです。私の論考を正しく把握していただくため、ここで、このことについて若干説明させていただきます。これに関しては、私のつたない説明よりも、佐藤 信正(さとう・のぶまさ)氏の素晴らしい論考がありますので、以下では、それを参照させていただきます。必要条件、十分条件に関して、ご存知のかたは、これは、読み飛ばしていただいて結構です。
数学では、命題「p⇒q(pならばq)」が真である時、「pはqであるための十分条件」であり、「qはpであるための必要条件」であると定義されます。これだけだと、あまりにそっけないので、実用的な例をあげてみます。

事例1.

「自動車を走らせるにはガソリンを入れておく必要がある」ですから、「ガソリンを入れておくこと」は「自動車を走らせること」の必要条件です。しかし、ガソリンを入れただけでは自動車は走らせることはできない場合もあります。ほかにも「ドライバーがいて、そのドライバーが免許証を持っている」といった必要条件もあります。厳密に調べれば、他にもあるかもしれません。こうした必要条件をいくつか集めると自動車を走らせるのに十分な条件になります。必要条件が一定数集まると十分条件になり、自動車を走らせることができます。ただしこの命題、後にも述べますが、命題そのものが意味不明なところがあります。

事例2.

学校で、教える教科が、6教科があり、その内の4教科が合格点になると卒業できるとしましょう。さて、卒業できるための必要条件は何でしようか? 
「6教科があり、その内の4教科が合格点になると卒業できる」。この状況の必要条件を、「4教科が合格点に達すること」と答える人は意外と多いのではないかと思います。しかし、これは「必要十分条件」です。 
必要条件(necessary condition)とは「欠かしてはいけない条件」という意味です。もとはラテン語で、Sine qua non(シーネ・クァ・ノン:ありえないことなしに)と言い、そのまま、"A sense of humour is a sine qua non.(ユーモアのセンスは不可欠)"と英語でも使えます。 
だから、1教科でも合格することは必要条件になります。3科目合格も必要条件であります。4科目だと必要十分条件になり、5科目合格は昇給に十分な条件なので十分条件(sufficient condition)になります。6科目合格も十分条件です。 
必要条件、十分条件の考えかたは、数学のみではなく、普段ものを考える上でも重要です。特に、調査や企画の過程においては、重要です。必要条件を満たしていても、十分条件を満たしていなくて、十分な調査にならないとか、企画を実行に移して失敗することは、良くあることです。 
ところで、上の事例1の命題が意味不明になってしまったのはなぜでしょうか?これは、真とする命題がよくなかったのです。真とすべき命題は、「自動車が走っているならば、ガソリンが自動車に入っている」とすべきだったのです。 
こんなことは当たり前の真ん中であり、考えてもせんないことだと思われるむきもあるかもしれませんが、、論理というのはそれだけでは新しい情報をもたらすものではないし、時間的な推移も表現しません。論理は、着想の道具ではなく、思考を点検するための道具とみるべきです。
さて、こうした観点から、上の記事のそもそもの命題はどんなものかといえば、"過去を健全に否定し、世の中に新しい価値を送り出し続ける「起業家精神」のある企業は、「存在に値する」"というものです。こうやってみると、確かに必要条件は完璧に満たしています。しかし、十分条件はいかがなものでしょうか。

この場合十分条件は、"「存在に値する企業」は、「過去を健全に否定し、世の中に新しい価値を送り出し続ける「起業家精神」のある企業である"ということになります。これは、いかがなものでしょうか?いつの世でも起業家精神溢れる企業とは少数派だと思います。少数派だからこそ、価値があります。それに程度問題ということもあります。それに、たとえば、上の記事で、ファブレス企業(生産設備を持たない企業)のことを言っていますが、すべての製造業がファブレスになった場合、日本国内では、何も製造できず、製品はすべて外国から輸入しなければならないことになります。


そういうことで、本当に良いのでしょうか?製造ラインがすべて外国に行ったとすれば、そもそも、製造業での雇用は激減します。それに、日本の製造業の強みは、元々トヨタ方式などを筆頭にして、現場からの発想が多かったと思います。こういうものも、過去を健全に否定し、世の中に新しい価値を送り出し続けるため、割り切って捨て去るべきなのでしょうか?私自身は、これから車を作るという産業も変わってくるので、何もトヨタ方式など、現場主義をそのまま何も変えずに温存しろというつもりはありません。

しかし、現場主義は、何も車を生産するにおいて、顧客など完全に無視して、現場だけの発想でやれということではなく、その根底には間違いなく顧客主義があると思います。だから、現場主義の良いところは残すべきと思います。ただし、現場主義などといっても、多くの人が曲解しているところがあります。正しい意味での、現場主義です。それに関しては、以前このブログにも掲載しましたので、ここでは、詳細を説明することはしません。以下にその記事のURLをコピペしておきます。詳細を知りたい方は、これをご覧ください。

「怒鳴っても人間は変わらない!」史上最悪の工場を変えたシンプルな教え―【私の論評】同じような問題が何度も繰り返し起こる場合は、最早人の問題ではなく、システムの問題である!!

そうして、今後、車作りに限らず、製造業そのものが変わってくることが指摘されてます。それに関しては、クリス・アンダーソン氏の新作『MAKERS―21世紀の産業革命が始まる』という著書をご覧いただければ良く理解できます。アンダーソン氏は、最近では、ネットワークに結合した、CADそれに、3Dプリンターがあるので、メイカーズと呼ばれる家内工業に毛が生えたような、地域の小規模製造業者が、自ら試作を行い、大量生産は、外注することにより、年間数百台も車をつくれば、十分に採算のたつ時代がくるし、日本では、地域に様々な技術や、技能が眠っているので、日本の製造業の再起動する可能性が高いというのです。

すでにメイカーズと呼ばれる人々がとてつもないものを作り始めている

もし、そのような時代が来たとしても、メイカーズの現場主義にトヨタ方式はかなり役立つものと思います。それに、メイカーズが台頭したとしても、メイカーズの大量生産に柔軟に対応できる製造業も必要不可欠です。特に技術水準が高まれば、コミュニケーションの問題もありねすべて外国の製造業を利用するというわけにはいかないと思います。

それから、現在の日本の上場会社でも、そのうち半分は成長企業です。それは、以前にもこのブログに掲載しました。

上場会社の半分はダメ会社だけど、半分は成長企業だって知ってますか?「日本の未来が暗いからぼくの未来もお先真っ暗」なんて発想は大間違いだ!−【私の論評】日本駄目論に惑わされるな!!日本の未来は明るい!!

この記事をご覧いただければ、上場企業の半分は、成長企業です。ただし、これらの企業は新たな市場に向けに新たな新製商品やサービスを提供している会社がほとんどです。既存の市場で勝負しているところは、ほとんどないです。
日本でも成長企業への労働力の移動がはじまっている

それに、最近では、デフレの最中にあっても、ずっと業績を伸ばしてきた、あのマクドナルドでさえ、業績を落としています。マックの原田会長は、カウンターメニューの取り扱いや、新商品に拘りすぎたことを原因にあげていますが、私は、景気指標が今年の9月あたりから下がっていることから、やはり、長引くデフレへの対応がマックですら限界にきていることを示しているのだと思います。

これに関しては、以前にもこのブログで掲載していますので、そのURLを以下に掲載します。

マック、崩れた「勝利の方程式」:日経ビジネスオンライン―【私の論評】民間のデフレ対策もそろそろ限界、潔さではどうにもならない状況に!!

詳細は、上の記事をご覧いただくものとし、現在の日本は、デフレ傾向になってからは、20年、統計上で誰もが認めざるを得ない完璧なデフレになってからは、14年目です。それに、デフレに伴う、強烈な円高です。このような状況では、まともな企業でも、維持するのが精一杯で、業績を伸ばすなどということはほとんど不可能です。そうして、デフレの原因は、政府(財務省)による緊縮財政、日銀による金融引き締めです。しかし、多くの企業経営者、特に大企業の経営者などは、財務省や、日銀に対してほとんど、批判することもなく、環境の悪さにもめげず、いじましく頑張っています。

 

これは、アメリカ企業などとは、対照的です。ビッグスリー(アメリカの三台自動車メーカー)など、すぐに、政府やFRB批判をします。なんだ、こいつら、こんなことまで、政府やFRBのせいにするのかと思ってしまうくらい、すぐに批判をします。こんな姿勢だからこそ、いっとき窮地に陥ったのだと思います。たとえば、ビッグスリーは、TPPに猛反対です。TPPが批准されると、日本車に関税がかからなくなり、自分たちが脅かされることを懸念してのことです。また、日本の軽自動車の国内規格について、やり玉にあげていました。なにやら、自分たちは、日本の商慣行にはあわせる必要はなく、自分たちの規格を押し通そうとしているようにしか見えませんでした。外国のやりかたまで、批判するんですね。日本では、考えられないことです。日本では、詳しい年月日は、忘れましたが、昔アメリカ政府が厳しい排ガス規制をだしたところ、あまりの厳しさにビッグスリーは、自分たちですら、困難なので、他の国のメーカーもできないだろうと、たかをくくっていたところ、トヨタがいちはやく達成したので、大慌てしたなどという話もあります。


しかし、今の日本のデフレ・円高状況は、古今東西に例をみないほど異常です。日本の主だった経営者たちも、経済が正常な範囲での落ち込みであれば、それを批判すべきではありませんが、現状の異常状況では、徹底的に批判すべきと思います。このような普段しないことをすれば、多くの人々も今が、けして正常ではなく、異常中に異常であることに気付くはずです。そうして、良い世論形成の端緒ともなると思います。

そうして、上の記事での命題の設定の仕方は、"ある企業が、今まで存在し続け、これからも存在し続けそうならば、そうして、実体経済がまともであれば、その企業は過去を健全に否定し、世の中に新しい価値を送り出し続ける「起業家精神」のある企業である確率が高い"などとすべきだったと思います。これなら、全く矛盾はありません。そうして、実体経済がまともという意味は、景気は、循環するものであり、悪いときも良いときもあります。しかし、20年間デフレが続くということは、古今東西に例をみないほど、異常なことです。この異常を抜きに命題をたてれば、必要条件は満たすかもしれませんが、十分条件は満たせません。

それに、新しい価値を届け続ける企業だけが、存在価値があるということはないです。昔からあるスーパー、私達が慣れ親しんた、マクドナルド、ケンタッキー、コンビニ、牛丼チエーンとか、それに古くからある老舗の商店、飲食店、旅館などがすべてなくなって、新しいものに置き換わってしまったとしたらどうしますか。あるいは、消えはしなくても、いわゆる老舗が全部新しい商品・サービスになって、昔からの良さが全くなくなってしまったらどうしますか?私は、そんな日本は嫌です。無論、古くからあるところでも、商売のやり方を頑なに全く全部変えないというのなら、失格ですが、現在にあわせながらも、基本は昔のままほとんど変えないというやり方は、今でも十分通用すると思います。それに、日本は、世界で最も老舗の多い国でもあります。

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日本最古の企業金剛社の本部
そもそも、人間は、長くても100年未満しか生きないわけですから、いくらITが発達したといえ、全人生で直接経験できることも、限られています。人間の根本的な考え方や情念は、昔も今も変わりないと思います。昔と、現在の違いは、技術や、素材の進歩によるものが大きく、それ以外の日本人の心や、考え方は、昔とそう変わっているわけではありません。それは、万葉集などの歌を読んでみると良く理解できます。万葉の心は、今でも本人が気づいているいないにかかわらず、多くの日本人の心に息づいています。こうした企業や老舗がある一方で、新しい価値を届け続ける企業があるというのが、まともな世界なのではないかと思います。全部が新しい価値を届けるというのなら、それが、当たり前になってしまい、新しさといことも識別することも、理解もできなくなります。

うなぎの老舗「辻屋」
シャープだって、パナソニック、トヨタ、ソニーだって、あのエルピーダさえ、この異常なデフレ・円高の最中では、最初から手枷、足枷をして、勝負に挑んでいるようなものです。経営者だって、神様ではないので、いつも正しいとはいえず、間違えることもあります。いつも間違えないことにだけ気を配るような経営者など信頼に値しません。経営の失敗や、成功は、野球にたとえれば、打率のようなものであると思います。そもそも、失敗しないことだけを考えるような輩は信用できず、経営者に限らず、単なる臆病者です。これらの企業だって、日本がこれだけ異常なデフレ・円高の状況になければ、もっとまともな経営ができたと思います。

手かせ足かせでは、身動きもとれない
このデフレ状況は、すぐに改善すべきです。また、既存の企業でも、よほどやり方が古くて、時代遅れでない限り維持していける、努力次第では少しずつでも発展していけるという経済状況が普通なのであって、このような企業も存在しなければ、新しい企業の魅力も発揮できません。今は完璧に異常です。この異常な状況を語ることなく、一方的に経営者の責任だけを追求するのは、バランス感覚に欠けると思います。これらの企業だって、景気が落ち込んでいたとしても、これほど酷いデフレではなくまともな経済環境にあれば、失敗してもさほどではなかったろうし、そもそも、違った道を選択していたかもしれません。

しかし、私は、上の記事の作者を全面否定するというわけではなく、言いたいことは、良く理解できます。企業の経営者が、起業家的でなければならないということには、大賛成です。この作者は、文末にドラッカー氏のことを引用しています。私も以下に起業家精神についてドラッカーの言葉を引用します。

起業家、デザイナーでもあるキム・カーダシャン、起業家であるばかりでなく、見事な容姿!

起業家精神の原理は変化を当然のこととする行動であり姿勢である

起業家精神とは、個人であれ組織であれ、独特の特性をもつ何かである。気質ではない。実際のところ私は、いろいろな気質の人たちが、企業家的な挑戦を見事に成功させるのを見てきた。(ドラッカー名著集(5)『イノベーションと企業家精神』)
 企業家精神というと、100人に1人が持つという感覚である。100人に1人の気質、100人に1人の才能としかねない。ドラッカーは、そこがそもそもの間違いだという。それは、気質でも才能でもない。
 ただし、一つだけ企業家精神に向かない気質がある。確実性を旨とする気質である。それはそれで立派な気質だが、企業家には向かないという。
 しかし、意思決定を行なうことができるならば、学習を通して、企業家として企業家的に行動することができるようになる。企業家精神とは、気質ではなく、行動であり、同時に姿勢だからである。
 イノベーションは、才能とも関係がない。企業家精神の才能などはなく、方法論が必要なだけなのである。それが今、ようやく各所で開発中である。
ドラッカーは、起業家精神はインスピレーションとも、ほとんどあるいはまったく関係ないといいます。逆にそれは、厳しく、組織的な作業でもあります。

企業家に天才的なひらめきがあるというのは、神話にすぎません。ドラッカー自身、60年以上にわたっていろいろな起業家と仕事をしてきて、ベンチャーを立ち上げた人もいれば、社内起業家もいとしています。どの人も働き者だったといいます。しかし、天才的なひらめきを当てにするような人は、ひらめきのように消えていったといいます。

イノベーションは、変化を利用することによって成功するのであって、変化をもたらそうとすることによって成功するのではありません。

ということは、イノベーションとは、変化を当然のこととして受け止めることです。古から、諸行無常を旨とする日本人にとっては、良く馴染む考え方です。
本人が自覚しているか否かにかかわらず、あらゆる仕事が原理にもとづく。企業家精神も原理にもとづく。企業家精神の原理とは、変化を当然のこととすることである」(『イノベーションと企業家精神』)
起業家の中には、セクシーな人も!!?
こうして、ドラッカー氏のこの主張は、いつの時代であろと変わらないと思います。そうして、ドラッカー氏は、企業の目的は、「顧客の創造」としていますから、ただ変化すれば良いのではなく、無論顧客価値創造をすることを旨としていることは、いうまでもありません。顧客価値ということになれば、新しいもの、古いものもあり、古いものがリバイバルしたりすることもあり、全部新しいことということにはなりません。結局、自分の顧客、あるいは潜在顧客に対して価値を提供し続けることができれば、それで良いということです。本質的には、新しさ、古さなど関係ないのです。古いものでも、今の顧客が求める物やサービスも多いのです。そうして、これは、起業家的な企業が成長している一方で、特に日本では150年以上も、続いている老舗企業が世界で一番多く存在しているということで、十分査証されていると思います。それにそんな企業は、数は日本よりは少ないですが、外国にも存在しています。

リーバイスのジーンズは、デザイン・製法とも創業以来あまり変わっていない!!
私は、日本の企業が、古今東西に例をみない、デフレ・円高の中では、不平もいわず、頑張っているほうだと思います。そうして、現在業績を落としている企業の中にも、次の飛躍に向かって、身をかがめている企業も相当数あると思います。それは、人間が跳躍するときに、一旦身をかがめないと、大きな跳躍ができないのと同じことだと思います。このデフレ状況は、次の選挙で新たな政党が、政権の座につき、新たな経済対策をすれば、克服される確率が高いです。実際為替市場は、安倍総裁が、日銀インフレ目標3%、日銀法を改正について、言及した直後野田首相が、解散の旨を党首討論で発表した直後から円安傾向にあります。私は、デフレ状況が克服されれば、多くの企業が大きな跳躍して、世界に範を示すことになると思います。そうして、日本そのものが、再起動して、世界のトップリーダーになると確信しています。為替市場は、そのような期待感だけで、円安に振れているのだと思います。


現在の政権やその政権からあたかも独立しているように思い込んで我が世の春を謳歌しているようにみえる日銀や、日本を貶めて異国の為政者たちに力を貸すものどもも、所詮歴史の悠久の流れの中に咲いた一時の徒花に過ぎません。現在の古今東西にみない、異常なデフ・円高、それに、1,000年に一度の震災や津波、原発事故でさえ、悠久の歴史を持つ我が国の歴史からみれば、ほんの一時のことに過ぎません。朝廷をはじめとする私たち日本人の日本の伝統文化、それに勤勉で実直な国民性は、古から今に至るまで、継承されてきましたが、これからも悠久の歴史の中に燦然として輝き続けるどころか、さらに輝きを増すことでしょう。そうして、こうした勤勉と実直さを強く継承してきた東日本の人々も近いうちに、復興をなしとげ、悠久の歴史の中で共に燦然と輝くことになることでしょう。このような国日本が、次なる大飛躍をせず、そのまま萎んでいくことなど考えられません。皆さん、次の飛躍に備えましょう!!その日は近いです!!





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2012年11月17日土曜日

若者の雇用を奪うのは一体誰なのか?−【私の論評】根本原因は、デフレであってこれを解消しなければ何も解決されない!!

若者の雇用を奪うのは一体誰なのか?:

 新卒大学生の就職内定率の低下がおびただしいものになっている。2011年度(2012年春卒業)は改善されたというものの、それまでは下落する一方であり、ニュース等でも内定が取れない学生たちの悲哀の声を耳にしたものだ。

 この新卒採用を取り巻く厳しい状況は、これからも改善されていくのだろうか? それとも別のシナリオが待ち受けているのだろうか。

 『若者はなぜ3年で辞めるのか?』(光文社... 続きを読む

■著者データ
新刊JP
ウェブサイト: http://www.sinkan.jp/



【私の論評】根本原因は、デフレであってこれを解消しなければ何も解決されない!!

長い間のデフレで賃金が減り続けているの世界でも先進国では日本だけ
最近確かに、就職内定率は、低下しているようです。このようなときには、上の城氏のような論調が必ずでてきます。上の記事での城氏の語っていることを以下にコピペします。
 こうした状況を打破するために、城さんは賃下げや解雇といった不利益変更のルール化が必要だとしている。新卒採用カット以外のアプローチでも雇用調整できるようになるから、新卒の就職難は緩和されることになるという考えだ。
 しかし、ここにも大きな溝がある。
 若者の雇用を改善しようとしても、当の政治家たちが動くとは考えられないというのだ。
 日本は民主主義国家であり、有権者一人一人に投票権が与えられているが、票を獲得するために、若者たちよりも数が多い高齢者の声のほうが優先されるだろうし、若者の投票率が低いこともそれに拍車をかけている。 
この中で、城氏が言うように、「賃下げや解決といった不利益変更のルール。若者の飛躍的な投票率の向上」を完璧に実現したとしても、それだけでは若者の雇用問題は、解消されません。なぜなら、若者の雇用を奪っている根本原因は、デフレだからです。世代間の社会保障費の格差も、結局はデフレによるところが大きいです。

就活女子。特に、女子の内定率は低い
ご存知のように、デフレは、物価が下げ、賃金が下げ、雇用も削減するからです。デフレは経済の癌とも呼ばれ、インフレなどとは違い、徐々に悪影響をを及ぼしていくため、なかなか認知されにくいところがあります。インフレの場合は、狂乱物価などといわれたように、物価が一気にかなり上昇したりするため、かなり認知しやすいです


GDPデフレーターの推移(1980~2012年) - 世界経済のネタ帳
国内総生産(GDP : Gross Domestic Product)とは、国内の生産活動による商品・サービスの産出額から原材料などの中間投入額を控除した付加価値の総額のこと。
GDPはその国の経済規模を示す際の、最も重要な指標のひとつである。
GDPデフレーター = 名目GDP ÷ 実質GDP × 100
消費者物価指数が国内で消費される商品・サービスの価格の変化を示すものであるのに対し、GDPデフレーターは国内の企業の利益や労働者の賃金など所得の変化を示す指数である。
しかし、デフレの場合、ハイパーデフレなどは古今東西の例などなく、最高でも、年率で2%くらいの物価下落が普通なので、意外と単年度などでは理解できず、長期にわたって、グラフなどをみて始めて認知できるものです。だから、デフレの真っ最中にあるときには、多くの人がなかなか認識できないというのが普通です。

インフレは、直裁的に認識しやすいが、デフレはそうではない!!
そうして、このブログでも、再三にわたり掲載させていただいたように、日本ではすでに、デフレ傾向になってからは、20年、統計上ではっきりと誰もが認めざるを得ないデフレになってからも、14年も経過しています。これは、古今東西に例もなく全く異常なことです。これに関して、以前このブログにも掲載したことがあるので、下に当該記事のURLと、関連部分のみ掲載しておきます。

マック、崩れた「勝利の方程式」:日経ビジネスオンライン―【私の論評】民間のデフレ対策もそろそろ限界、潔さではどうにもならない状況に!!
ちなみに、国際通貨基金(IMF)のデータベースをもとに、1980年以降に消費者物価が前年と比べて2年以上続けて下落した国を「デフレ経験国」とすると、ブルキナファソやマリ、中央アフリカなど、ほとんどが開発途上国です。先進国で、日本のようにデフレが続いた国はありません。 
リーマン・ショック後の消費者物価をみると、2009年は米国やスイス、台湾、ポルトガルなどでマイナスでしたが、10年にはアイルランドと日本だけが「デフレ経験国」になりました。そのアイルランドも11年には物価が上がり、デフレから抜け出しています。最早、デフレは、主要な先進国では、日本特有の現象になりました。デフレとは、このブログにも過去に何度か掲載してきたように、経済の癌とも呼ばれるような、経済の病です。日本では、このようなデフレを過去20年にもわたって、放置してきたということです。 
デフレを前提として、経済や、金融、そうして、企業活動などを考えるなどということは、根本的な誤りです。デフレ下では、企業がいくら努力しても、業績があげられない面があります。
マクドナルドなどの企業がいくら努力しても、なかなか業績があげられない状況に陥っているわけですから、多くの企業が、当然採用も控えるわけです。だから、若者の雇用がなくなるのも当然のことです。特に、新卒ということになれば、経験もなく、企業に入ってから再訓練・再教育をしなければならないので、なおさらです。

さらに、日本では、中央銀行(日本では、日銀)による、雇用枠の調整ということがほとんど理解されていません。これに関しては以前このブログにも掲載したことがあります。

若者雇用戦略のウソ―【私の論評】雇用と中央銀行の金融政策の間には密接な関係があることを知らない日本人?!

詳細は、上昇の記事をご覧いただくものとして、以下に一般的な雇用に関する中央銀行の役割に関するところだけコピペしておきます。
アメリカでは、雇用問題というと、まずは、FRB(管理人注:アメリカの中央銀行)の舵取りにより、大きく影響を受けるということは、あたりまえの常識として受け取られていますし。雇用対策は、FRBの数ある大きな仕事のうちの一つであることははっきり認識されており、雇用が悪化すれば、FRBの金融政策の失敗であるとみなされます。改善すれば、成功とみなされます。 
この中央銀行の金融政策による雇用調整は、世界ではあたりまえの事実と受け取られていますが、日本だけが、違うようです。日本で雇用というと、最初に論じられるのは、冒頭の記事のように、なぜか厚生労働省です。 
このブログでも、前に掲載したと思いますが、一国の雇用の趨勢を決めるのは、何をさておいても、まずは中央銀行による金融政策です。たとえば、中央銀行が、インフレ率を2〜3%現状より、高めたとしたら、他に何をせずとも、日本やアメリカのような国であれば、一夜にして、数百万の雇用が生まれます。これに関しては、まともなマクロ経済学者であれば、これを否定する人は誰もいないでしょう。無論、日本に存在するマクロ経済学と全く無関係な学者とか、マルクス経済学の学者には、否定する人もいるかもしれませんが、そんなものは、ごく少数であり、グローバルな視点からすれば、無視しても良いです。
上の内容をご覧いただければ、中央銀行、日本では日銀の金融政策が雇用に大きな関わりを持っていることが良くお分かりになると思います。一般に、日本では、雇用というと、すぐに厚生労働省の政策であると考えられがちですが、厚生労働省のできることは、すでに決まっている雇用枠の中で、雇用のミスマッチを是正することくらいしかできません。雇用枠に直接それも、速やかに影響を及ぼすことができるのは、日銀です。日銀の金融政策によって、その時々の雇用枠が定まります。上の城さんの論調も、心情的には良く理解できるのですが、雇用のミスマッチを是正するだけであり、雇用枠を変えることはできず、根本原因を取り除くことはできません。
日本だけが、マネタリーベースが異常に低い、これではデフレになるのが当たり前
それに、政府による、財政出動なども、雇用に大きな影響を及ぼします。デフレなどの最中には、政府は積極財政を行い、公共工事など積極的に行い、雇用を創出すべきなのです。にもかかわらず、政府は、この20年間もの間わずかの例外を除き、緊縮財政ばかりやってきました。公共工事なども、いまや、世界の他の先進国と比較すると最低水準にまで落ち込んでいます。デフレの最中に増税などすれば、さらに、緊縮財政を推進することとなり、さらに、デフレを推進し、物価が下がり、賃金が下がり、雇用も減少するだけです。この流れは、民主党政権になってから、「コンクリートから人へ」のスローガンによりますます、加速されました。

公共投資も80年㈹り低い状況、これではデフレになるのが当たり前
過去20年間、日銀は、金融引き締めばかりやり、政府もほとんど緊縮財政ばかりやってきました。これでは、デフレになるのが当たり前です。だからこそ、他の先進国が一時デフレになっても、すぐに抜け出したのに、日本だけが、デフレから抜け出すことができませんでした。

このようなことを20年も続けため、本来異常であるはずのデフレが、多くの人々にとって、当たり前になり、多くの人々がデフレを前提でものを考えるようになりました。これは、政治家はもとより、一般の人々も同じことです。ですから、若者の雇用を考えるにしても、デフレを前提として、上記のような論調がでてくるのです。しかし、これでは、何の解決にもならないということです。

根本的には、デフレを解消するしかありません。雇用問題を語るには、デフレ抜きでもの語ったり、考えたりしても根本的な解決にはなりません。

アメリカの投票を呼びかけるポスター
そうして、最近の政局をみてみると、デフレからの脱却、日銀のインフレ目標を3%にする、日銀法を改正するなどのことをはっきりあげて、デフレ解消をはっきり打ち出しているのは、安部自民党のみです。自民党の中でも、先日の総裁選で、こうしたデフレ脱却を謳っていたのは、安部総裁のみでした。そうして、不思議なことに、これだけ日本は、デフレに苦しめられているというのに、なぜか過去の選挙においては、デフレ脱却は、ほとんど選挙の争点にはなってきませんでした。安部総裁ですら、過去の選挙では、これをはっきりと争点にはしていませんでした。だから、過去の選挙においては、若者がかなり投票したとしても、雇用や賃金などとはあまり関係ありませんでした。しかし、今回は、少なくとも安部総裁は、はっきり争点にしています。

右安倍総裁、左は最近亡くなった政治評論家の三宅久之さん。三宅氏のご冥福をお祈りします。
次の選挙では、デフレ脱却を公約にする政党が勝利すれば、かなりの確率で本当に脱却できると思います。選挙も間近です。日銀に関しては、安部自民に限らず、他の多くの政党も、日銀法改正などに積極的です。上記のようなことも考え合わせると、若者の雇用を考えた場合、現状では、安部自民党に次の選挙で勝ってもらい、安部総裁になっていただき、上記のような政策を強力に推進していただくことが一番だと思います。

来月はいよいよ、衆議院議員選挙
太陽の党と、維新の会は、両方とも、平成14年4月からの増税に賛成しています。みんなの党は反対です。太陽の党と、維新の会は、みんなの党ぬきで、合流することを決めました。みんなの党は、やはり、増税など反対ということで、この点は譲れなかったのだと思います。当然のことと思います。

私は、次の選挙では、若者の雇用、日本国内の景気を考えた場合には、今のとろ安部自民党に勝っていただき、安部総理大臣を実現するほかはないと思います。次の選挙では、安部自民党が勝利する率がかなり高いようです。しかし、選挙は水ものです。やってみなければわからないものです。意外と伏兵があるかもしれません。

トリンプのキャンペーンブラ「投票率向上ブラ」こんな投票箱だったら、若者の投票率が向上するかも?
選挙での投票率が低いといわれている若者も、次の選挙は、自分たちの雇用や賃金が今後どうなるか、今まさに分岐点にあることをしっかり認識して、デフレ脱却を公約に掲げる候補者に投票すべきと思います。皆さんは、どう思われますか?

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