2014年10月7日火曜日

消費再増税 国民から総スカン 与党からも「延期コール」―【私の論評】さらなるデフレの惨禍をもたらす消費税再増税が前提の内閣府の出す経済資料は、その中身を知れば最早誰の目からみても信用できる代物ではなくなった(゚д゚)!



2015年10月に予定される消費税率の10%への引き上げが、報道各社の世論調査で総スカンとなっている。市井の“空気”を察知してか、政権担当時に消費税増税を主導した民主党が「ちゃぶ台返し」(枝野幸男幹事長)をほのめかし、安倍晋三政権を揺さぶり始めた。自民党内でも、引き上げ慎重派が勉強会を開催するなど、動きが活発化している。

 フジテレビ「新報道2001」が5日公表した世論調査によると、税率引き上げを「先延ばしすべきだ」と答えたのは51・6%で、「予定通り引き上げるべきだ」の15・4%を大きく上回った。「軽減税率を設けて引き上げるべきだ」(29・4%)を合わせても、先送り派が多数派だ。

 読売新聞が6日報じた調査では、来年10月の引き上げへの「反対」は68%、「賛成」は28%。日経新聞が先月末に報じた調査でも、「反対」66%、「賛成」28%だった。

 枝野氏は9月29日のBSフジ番組で、再増税反対もあり得ることを示唆した。

 維新の党をはじめ、民主党以外の野党は再増税には慎重姿勢だ。

 一方、自民党の山本幸三衆院議員は1日、引き上げに慎重な議員による勉強会を開いた。山本氏が所属する岸田派の若手約10人が参加し、安倍首相の経済政策のブレーンで、増税延期を唱える本田悦朗内閣官房参与が講師を務めた。賛同者を募り、今後も開催する考えという。

この記事は、要約です。詳細は、こちらから(゚д゚)!

【私の論評】さらなるデフレの惨禍をもたらす消費税再増税が前提の内閣府の出す経済資料は、その中身を知れば最早誰の目からみても信用できる代物ではなくなった(゚д゚)!

ようやっと、再増税に対する反対意見が出揃うようになってきたようです。これは、あたり前のど真ん中であり、デフレの最中に増税するなどは、政治的な駆け引きを抜きに純粋な経済政策として考えれば、あり得ない世迷い事に過ぎません。

そもそも、7月~9月の景気の落ち込みは、増税が主たる原因であり、それ以外に理由は見当たりません。にも関わらず、来年の10%再増税を実行するなど、完全に常軌を逸しているとしかいいようがありません。

増税派にとって、増税は快感なのか・・・・・・・・・(アニメ・カイジより)

しかし、政府はあくまでも増税路線を崩さないかのようにみえます。

その査証として、内閣府の経済トンデモ分析があります。内閣府の分析によれば、7~9月期の景気の落ち込みは、増税によるものでなくて、天候によるものだとしていますが、これはどう考えてもおかしいです。かなり無理があります。

確かに、東日本大震災のような大災害の場合には、景気にも明らかに影響を及ぼしましたが、今年の天候不順がそれ程の大打撃を与えたとは思えません。

これに関しては、私などが分析したものより、高橋洋一氏の分析したもののほうがよりわかりやすいので、それに関する記事のURLを以下に掲載します。
「天候不順で景気低迷」なんて大ウソ!消費増税の影響無視した内閣府の「素人分析」を暴く
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に要旨を掲載させていただきます。
内閣府が、経済財政諮問会議に報告した資料は公開されている(→PDFはこちら)。それによれば、基本的には、①気温が夏物商品等(気温による影響が大きい品目)に与える影響試算と、②降水量が消費に与える影響試算によっている。この両者で影響額は▲0.7兆円なので、最大影響になっている。
資料では、①の影響額は▲0.5兆円、②は▲0.2兆円となっている。両者の推計方法は異なっており、①は〈総務省「家計調査」等により、平均気温が、飲料、酒類、アイスクリーム、外食、白物家電、電気代の消費支出に与える影響を推計。それぞれの影響額を積み上げ〉とミクロ的な手法で、②は〈内閣府「国民経済計算」等により、降水量が個人消費に与える影響を推計〉とマクロ的になっている。
なお、別の方法でも、天候の消費に与える影響を試算しているが、消費減少をすべて天候のためとみなすなどいささか乱暴なものであるので、①と②に絞ってみよう。
まず、①の手法はまずい。というのは、ある品目が気温の影響を受けて消費量が変わると、その代わりに他の品物の消費量が変化することを考えていないからだ。内閣府の資料にも、注として小さく「各品目の消費減を受けた他品目の代替需要増は考慮していないことに留意が必要」と書かれているが、役所の資料では、小さな注が重要な意味を持つことが多い。要するに、はっきりいえば意味のない推計だ。
②は一応、マクロ的な手法である。実質家計最終消費支出(前年比)を、実質雇用者報酬(前年比)と降水量(前年比) で回帰分析している、だったら、同じ手法で、①をやらないのか不思議だ。担当者は、当然①もやっていると思われるが、あまり都合のいい結果でなかったのだろう。それで、①はミクロ的な手法になっていると思う。
次に、データで今年の7-9月の天候を振り返っておこう。この種のデータは気象庁に豊富にある(→こちら)。上記②では、北日本、東日本、西日本で天候データを使用しているので、7-9月におけるそれらの気温と降水量の平均を調べよう。
気温は平年との差であり、以下のように、今年は平年並みだった。特に低温ではないが、前年と比べると1℃程度低かった。
降水量は平年に比べた割合(%)であり、以下のように平年に比べると14%程度多かった。ただし、前年も8%程度多かったので、前年と比べると6%程度の増加だけだ。
いずれにしても、今年7-9月の気温と降水量を見る限り、特別に低温・多雨というわけではない。
さて、気温が消費にどのような影響を及ぼすかを調べよう。手始めに、気温の前年との差と消費伸び率の関係を見てみよう。
気温と消費には、相関係数0.39と弱い相関があるが、正直言って、この弱い相関をもって、気温が消費に影響を及ぼしていると断言するのはやや無理があるだろう。②のように、実質雇用者報酬(前年比)を説明変数に加えれば、多少全体の説明力は高くなるが、どうにも気温の消費への影響は弱いままだ。
上の図での気温と消費の関係は弱いものの、あえて気温の1℃の変化に対応する消費の変化は年率換算で0.7%程度、GDPの年率換算で0.5%程度である。したがって、今年の気温変化1℃の低下では、7-9月期のGDPは年率換算で▲0.5%程度の押し下げだ。
次は、降水量と消費だ。降水量の前年比、消費伸び率の関係を見れば、以下のとおりだ。

降水量と消費の相関係数は▲0.18、これは相関がないと言っていい。というわけで、降水量の消費への影響は無視できる。 
以上をまとめると、今年の気温は平年並で、昨年より1℃程度低いが、その消費へ与えるは軽微で、せいぜい7-9月期のGDPを年率換算で▲0.5%程度押し下げるかもしれない。もっとも、その確度はかなり低い。 
また、今年の降水量は平年より14%程度多かったが、降水量と消費には明瞭な関係は見出されず、7-9月期のGDPについて影響は無視できる。
以上が高橋氏による分析です。私も分析してみようとは思ったのですが、先にも述べたように、今年の天候不順など、東日本大震災などに比較すれば、微々たるものであり、最初からほんど影響ないことは判りきっているのでやめました。

それにしても、相関係数が0.39とか▲0.18ということでは、そもそも何の相関関係もないということです。

ちなみに、相関係数(そうかんけいすう、: correlation coefficient)とは、2 つの確率変数の間の相関(類似性の度合い)を示す統計学的指標です。原則、単位は無く、−1 から 1 の間の実数値をとり、1 に近いときは2 つの確率変数には正の相関があるといい、−1 に近ければ負の相関があるといいます。

こんなことは、大学などで統計学を学んだ方や、大学院などで実験や観察などを行い統計データ実際にとった方ならどなたでもご存知でしょう。

まともな大学や大学院で、学生がデータ解析などを行い、この程度の数値をもとに論文を書いたとすれば、そんなものはとうてい教官がパスはしません。

相関係数が0.39とか▲0.18程度のものをあたかも関係があるかのように述べれば、それは虚偽以外のなにものでもありません。

はっきりいえば、内閣府が虚偽資料を出しているということであり、とんでもないことです。

これについては、高橋洋一氏も、元記事の結論部分で、「そもそも、この天候の消費への影響試算は、高市早苗総務相が要請したものである。高市総務相は、かねてより消費増税を予定通りに上げたいと主張していた。そこで、内閣府は無理矢理「影響あり」との結論ありきで試算したのではないか。推計手法の稚拙さ等から、そう思わざるを得ない」としています。

高市総務相 
それにしても、内閣府も酷いものです。まともであれば、いくら高市総務相の要望とはいえ、実際に試算してみて、天候や雨量と消費の間には何の相関関係もないことがはっきりすれば、それを高市氏に示して、こんな資料は偽資料に過ぎず出せば詐欺になるので、やめましょうというべきでした。

こんな資料を公にすれば、高市総務相はもとより、内閣府自体も信用が毀損されます。誰にも信用されなくなります。

しかし、今の内閣府はそうではないようです。実は、内閣府がこのような虚偽資料を出すのは、今回だけのことでありません。

以前にもそのようなことがありました。それに関しては、このブログにも掲載したことがありますので、以下にその記事のURLを掲載します。
【メディアの嘘を見抜け】酷すぎ、今年の経済白書はバカか工作員の未来日記なのか―【私の論評】マスコミがその巣窟になつている現在、せめて役所それも内閣府だけは馬鹿とスパイはお断りにしていただきたい!
詳細は、この記事をご覧いただくもの、この記事は昨年の7月のもので、この月に経済白書が公表されているのですが、その内容が酷いものでした。

要約していいますと、昨年の経済白書では、イギリス、イタリア、 スペイン、ポルトガルなどEU諸国では、増税をしたということを掲載しているのですが、その事実だけを掲載して、増税後の惨状については掲載していないのです。

これは、著しくバランスを欠いています。

なお、これについては、高橋洋一氏も詳細を解説していました。これも、このブログに掲載したことがありますので、その記事のURLを掲載します。
増税と成長の関係は分析不足 経済財政白書は全文を読もう―【私の論評】内閣府にも日経にも、大規模な経済シミレーターがありかなり正確なシミレーションができるというのに、せっかくの素晴らしい資産を役に立てられない愚かな人々!!
 これも、詳細はこの記事をご覧いただくものとして、要点だけを以下にコピペさせていただきます。
 ただ、欧州の例を挙げ、「消費増税は成長を阻害しない」との見方を示しているのはおかしい。これも経済財政白書を読むと、どこに分析があるのかと首をかしげてしまう。 
 本来であれば、(1)消費税増税前(2)増税時(3)増税後、それぞれの実質GDP成長率について、3つの資料がないとダメだ。もし、経済財政白書の主張を言いたいなら、(1)の成長率が、駆け込みの反動で(2)の成長率に落ち込むが、その後は(3)で成長率が戻るといわなければいけない。 
 ところが白書には、(1)と(2)の図が載っているが、(3)がない。これでは、結論に至る分析がないので、結論ありきだ。経済財政白書は内閣府がまとめているが、財政のところは財務省の意向なのだ。
結局は、今の内閣府の出した『経済白書』における、財政の部分に関しては、増税ありきの財務省の意向が掲載されているということです。

内閣府ができる前には、経済企画庁という組織がありました。経済企画庁とは、2001年(平成13年)1月5日まで存在した日本の中央省庁の一つであり大臣庁でした。

総理府の外局として設置され、長期経済計画の策定、各省庁間の経済政策の調整、内外の経済動向に関する調査・分析、国民所得の調査等を所掌した。長は国務大臣経済企画庁長官でした。

元々は、この経済企画庁が『経済白書』を出版していました。経済企画庁が出していたころの、『経済白書』は、至ってまともなものでしたし、その他の資料もまともで、今回の内閣府出した「天候不順で景気低迷」などというような、とんでもない資料を出すようなことはありませんでした。

内閣府本庁舎

しかし、この経済企画庁は、2001年(平成13年)1月6日、中央省庁再編の実施に伴い総理府本府、沖縄開発庁などと統合され内閣府が発足、経済企画庁の業務は内閣府政策統括官(経済財政運営担当・経済社会システム担当・経済財政分析担当)、内閣府国民生活局などに承継されることとなりました。

実は、この経済企画庁には素晴らしく精度の高い、大規模な経済シミュレーターがあり、このシミュレーターにもとづき、経済企画庁は、あの日本の高度成長などを主導してきました。

このシミュレーターも、内閣府に引き継がれているはずなのですが、上でも掲載したように、とんでもない資料を出すような不始末をしでかすようになってしまいました。

結局、今の内閣府は、経済に関して独自に資料を出すというのではなく、こと財政に関しては、 政治家や財務省の意向にかなり左右される組織に落ちぶれたということなのだと思います。

今の内閣府の官僚どもには、あの経済企画庁だった時代の気概はもうないのでしょうか、本当に困ったものです。

日銀が、昨年金融引き締め一辺倒から、異次元の包括的金融緩和に華麗に転じたように、内閣府もかつての経済企画庁のような組織に華麗に変身していただき、日本財政をリードするような存在になっていただきたものです。

そうして、金融政策+財政政策により、一刻もはやくデフレから脱却できる体制を整えていただきたいものです。

今のままでは、とてもじゃないですが、日本はデフレという無限地獄から抜け出すことはできません。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2014年10月6日月曜日

デフレは、若者世代への「経済的虐待」である―【私の論評】日本の将来を担う若者に対して、これ以上経済的虐待を加え続けることは一刻もはやくやめるべき!そのためにも、消費税再増税などすべきではない(@_@;)

デフレは、若者世代への「経済的虐待」である
性急な消費増税の後に、何が待ち受けるのか

村上 尚己 :アライアンス・バーンスタイン マーケット・ストラテジスト
2014年10月06日

大型増税で低迷気味の消費。このままデフレへ逆戻りすることは、若者世代に対して経済的虐待をしているのに等しい

アベノミクス発動による金融緩和の強化によって、日本経済は2013年初から順調な回復を辿っていた。しかし、大型増税というデフレ圧力を高める政策によって、2014年4月から日本経済は失速、夏場になっても消費を中心に不調なままで、製造業の生産活動も減衰している。

日本経済は本当にスタグフレーションなのか

2014年7~9月GDP成長率(11月17日に第一次速報発表予定)は、前期の落ち込みからの反動増で、表面的には高い成長率になるとみられる。しかし、日本経済は増税をきっかけに「軽微な景気後退」に陥るシナリオも無視できなくなっている。

日本経済は、長期にわたり経済活動を蝕んでいた「デフレ」から脱却する途上にあり、本来インフレ率2%を安定的に実現するまでは、金融・財政政策による景気刺激策が求められる。

こうした経済状況に直面し、メディア等では不思議な論調が目立ち、「日本経済がスタグフレーションに陥った」などと言っている。9月8日のコラム「消費増税先送りで、アベノミクスは復活する」でも、海外メディアによるこうした論調を紹介したが、本コラムでも再度これについて批判的に論じる。

世界標準のインフレを好まない、「目に見えない声」

スタグフレーションとは、金融、財政政策により景気が過熱し過ぎて、インフレ率が加速し、それが企業や家計の経済活動を委縮させ成長率が停滞する状況である。

インフレ目標を実現できず、かつ脱デフレの途上にある日本経済はそのような状況とはほど遠い。つまり、今の日本経済の状況を表す言葉として、スタグフレーションは、用語の使い方として間違っている。

メディアでスタグフレーションが誤用されているのは、金融緩和によってインフレ率が世界標準の伸びに上昇することを好まない、「目に見えない声」があるためだ。インフレという自然な経済現象を暗に批判する、「印象操作」として使われているのである。

インフレを好まない、目に見えない声がマスメディア等を通じてなお無視できない力を持っていることを、投資家は冷静に認識し、スタグフレーションなどという言葉に惑わされないことが重要である。

そして、経済成長を逆噴射させる政策対応は時期尚早で、仮に政策対応の不出来が続けば、再び景気停滞とデフレに舞い戻り、そして財政赤字と公的債務が再び増えるという、最悪シナリオすら想定できることを、頭の片隅に置いておきたい。

デフレは、若者世代への「経済的虐待」である

文部科学省の調査によれば、平成24年度(アベノミクスが始まる直前)に大学などを中退した若者は約8万人と、全学生に占める割合は2.65%に増加した。

ただでさえデフレ不況が始まり、就職氷河期が恒常化していたわけだが、就職活動に入るその前段階において、不況による金銭的な事情から卒業を諦めざるを得ない若者が増えていたわけだ。こうした若者は、残念ながら、スキルを身に着ける職につくチャンスを得ることが難しくなってしまう。

長期の経済成長率は、人的資本がもたらす技術革新の影響が大きく左右する。これまで、デフレ不況が長引いたことで、就業の機会が狭くなりスキルを高めることができない労働者が増えた結果、日本経済は長期的な経済成長率を低下させかねない状況になっていた。

こうした意味で、デフレは若者世代への「経済的虐待」だが、デフレと低成長(=「人余り」の長期化)からの脱却をしっかりと実現することが、長期的な観点からみても日本経済再生の第一歩になる。

この記事は、要約です。詳細は、こちらから(@_@;)

【私の論評】日本の将来を担う若者に対して、これ以上経済的虐待を加え続けることは一刻もはやくやめるべき!そのためにも、消費税再増税などすべきではない(@_@;)

上の記事、スタグフレーションの言葉遣い間違いと、デフレは、若い世代への「経済的虐待」という二つのテーマが盛り込まれていて、少し盛りだくさんだと思います。どちらかの話題で、一つの記事にまとめていただきたかったです。

スタグフレーションに関しては、言葉の意味を良く理解しないメディア関係者が無責任にそのようなことを報道しているということだと思います。これは、これで無責任なことですが、メディア関係者がバカということで、問題は片付きます。

せっかく若者が就職できても、奴隷扱いするようなブラック企業が増えている

しかし、もう一方の、デフレは若者世代への「経済的虐待」という内容は、なぜか日本ではほとんど理解されていません。こんなことは、当たり前のど真ん中のはずなのに、なぜかメディアや識者などはほとんど触れてきませんでした。

こういうことから、上記の村上直己氏の記事は、日本では非常に珍しく、注目すべきものであると思います。だからこそ、掲載させていただきました。

それにしても、なぜ日本では、ほとんどこのことが認識されないのか、本日はその背景を探っていきたいと思います。

日本においては、いわゆる新卒定期採用という独特の雇用慣行があるので、日本以外の国から比較すると、若者の雇用問題は比較的軽いとも思われてきました。

日本には新卒定期採用という他国にはない雇用慣行がある
日本以外の国では、新卒の大量採用などという慣行はないため、企業の採用は必要の都度行うというのが普通です。ですから、高校や大学、大学院などを卒業しても、たまたま募集がなければ、すぐに就職できるとは限りません。

卒業した年が運悪く、不景気やデフレだった場合、いくら優秀であっても、卒業してから何年も就職できない場合もあります。まったくもって理不尽な話しです。デフレや不景気が長引いた場合には、就職できない若者がかなり増えます。貧困や犯罪が増え、これは、深刻な社会問題をもたらします。

だから、不景気や、ましてやデフレになれば、若者世代は大変なことになるということを多くの人々が認識しています。人間長い間生きていれば、自分が学校卒業時に不景気で大変な思いをしなかったとしても、自分の子どもや、身内などの親しい人のなかに、大変な目にあった人が必ずいて、嫌がおうでも、その認識は高まるわけです。

だから、日本以外の欧米などでは、不景気やデフレは、このように若者に対してかなり犠牲をしいる大変なこどてあるとの認識があります。そうして、こうした雇用問題の元締めは、中央銀行であり、景気が悪くなった、デフレ気味になった、雇用条件が悪化したとなれば、真っ先に中央銀行が糾弾されます。

このように、日本以外の欧米などでは、若者の雇用などは、中央銀行の金融政策の良し悪しにより、かなり左右されるということが、当たり前になっています。しかし、日本ではそのような認識はむまだまだ広まっていません。

これに関しては、このブログでも、掲載したことがありますので、その記事のURLを以下に掲載します。
若者雇用戦略のウソ―【私の論評】雇用と中央銀行の金融政策の間には密接な関係があることを知らない日本人?!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下にその要旨だけ掲載させていただきます。
アメリカでは、雇用問題というと、まずは、FRBの舵取りにより、大きく影響を受けるということは、あたりまえの常識として受け取られていますし。雇用対策は、FRBの数ある大きな仕事のうちの一つであることははっきり認識されており、雇用が悪化すれば、FRBの金融政策の失敗であるとみなされます。改善すれば、成功とみなされます。 
この中央銀行の金融政策による雇用調整は、世界ではあたりまえの事実と受け取られていますが、日本だけが、違うようです。日本で雇用というと、最初に論じられるのは、冒頭の記事のように、なぜか厚生労働省です。

このブログでも、前に掲載したと思いますが、一国の雇用の趨勢を決めるのは、何をさておいても、まずは中央銀行による金融政策です。たとえば、中央銀行が、インフレ率を2〜3%現状より、高めたとしたら、他に何をせずとも、日本やアメリカのような国であれば、一夜にして、数百万の雇用が生まれます。 
これに関しては、まともなマクロ経済学者であれば、これを否定する人は誰もいないでしょう。無論、日本に存在するマクロ経済学と全く無関係な学者とか、マルクス経済学の学者には、否定する人もいるかもしれませんが、そんなものは、ごく少数であり、グローバルな視点からすれば、無視しても良いです。
日本では、やはり新卒採用という雇用慣行があったからこそ、若者の雇用はさほど深刻にならなかったという側面は否めません。15年くらい前までは、とにかく学校を卒業さえすれば、なんとわなしに就職先はある、特に贅沢をいわなければ、どこかには必ず勤められるという考えが多くの人々にありました。

実際に、そうでした。しかし、日本はデフレに突入してから15年以上も経過するという、とんでもない状況に陥ってしまいした。そうした中では、新卒雇用もかなり減って、ご存じのように学校を卒業してもなかなか就職できないのが当たり前になってしまいました。

これでは、せっかくの世界に誇る日本の新卒定期採用という若年層に対する優しい雇用慣行がありながら、それが機能せず若者世代を経済的に虐待する結果となっています。

これは、若者にとっても、日本という国にとっても、不幸なことです。そうして、日本以外の欧米の国々のように、新卒雇用という雇用慣行がないからこそ、当たり前になっている、若者の雇用は中央銀行の責任という認識を多くの日本の人々にも持っていただきたいものです。

政治家、官僚、識者はもとより、多くの一般の人々にこのような考えが、認識されれば、そもそも若者を塗炭の苦しみに追いやるような、デフレがこれほどまでも長い間放置されることはなかったと思います。

日本の無限地獄 デフレはいつまでたっても克服されそうにない

そうして、若者雇用は中央銀行の責任という考え方が定着していれば、せっかく日銀が異次元の包括的金融緩和をやっているにもかかわらず、政府が緊縮財政の一環である、消費税増税など実施するなどということは、考えおよびもつかないことであり、本来は減税すべきであったということも、受けいられられるに違いありません。

とくにかく、これから日本の将来を担っていく若者に対して、これ以上経済的虐待を加え続けることは一刻もはやくやめるべきです。そのためにも、金融緩和の腰を折るような、消費税再増税などすべきではありません。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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若者雇用戦略のウソ―【私の論評】雇用と中央銀行の金融政策の間には密接な関係があることを知らない日本人?!

若い頃は経験すべき?それとも貯金すべき?-【私の論評】ちょっと待ってくれ、貯金と経験がトレード・オフの関係になってしまったのはデフレのせいではないかい?若者はデフレ脳から脱却しもっと政治・経済に関心をもて、選挙に行け(゚д゚)!

40歳未満の非正規社員57%が「自活できない」 9割が年収「300万円未満」-【私の論評】ちょっとまってくれ、非正規社員の多くが自活できないのは、デフレのせいではないのかい!朝日新聞をはじめとするメデイアの虚偽報道によって創作されたもう一つの歴史問題に注目せよ(゚д゚)!


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2014年10月5日日曜日

【高橋洋一氏TW】もう成長出来ないという人が見たくない図―【私の論評】金融緩和と積極財政をあまりにもしてこなかった日本が経済成長をしなかったのは当たり前、まずは経済成長をすることがもっとも重要(@_@;)

【高橋洋一氏TW】もう成長出来ないという人が見たくない図
【私の論評】金融緩和と積極財政をあまりにもしてこなかった日本が経済成長をしなかったのは当たり前、まずは経済成長をすることがもっとも重要(@_@;)

上のグラフを見て、みなさんはどう思われるでしょうか。このグラフの横軸はマネー伸び率であり、縦軸はGDP成長率です。

結論からいうと、このグラフを見て、その内容を理解すれば、来年10%増税などすべきことではないということです。それを声高に叫ぶ人々は単なるどバカかエゴイストであるということです。

このグラフの期間は、1994年~2013年です。世界の中では、日本はGDP伸び率最低、マネーの伸び率も最低です。

昨年の4月から異次元の包括的金融緩和を実行していますが、それでもまだまだ、マネーの伸び率が低い状態にあるということです。あまりにも長い間、金融引き締めをしてきたので、マネーがまだまだ足りないということです。

それに、これだけ成長率が低いということは、政府も緊縮財政ばかり繰り返してきたということです。あまりにも長い間、日銀は金融引き締め、政府は緊縮財政ばかりやってきたので、日本はデフレに陥ったということです。

政府が行うべき経済対策 クリックすると拡大します

本来、不景気になったり、ましてや、デフレに陥った場合には、通常なら、中央銀行は金融緩和を大々に行い、政府は積極財政を行い、素早くデフレから脱却するのが当たり前のど真ん中です。しかし、日本ではなぜかそのような政策が実施されずに、長期間にわたって、デフレが放置され続けてきました。

経済対施策における金融政策は、かなり時間がかかります。それに比較すると、財政政策は、長続きはしないものの、短期的にすぐに効果が現れます。

だから、日本以外の普通の国では、デフレから脱却するためには、金融緩和はもちろんのこと、積極財政も併用して、なるべくデフレから脱却できるようにするというのが普通です。

しかし、ここ日本においては、過去20年間にわたり、なぜかこれを実行せず、金融引き締めと、緊縮財政を繰り返してきました。

その結果1998年からは、不景気どころむか、本格的なデフレに陥ることになりました。それでも、金融引き締め、緊縮財政を繰り返したため、経済成長もしなくなるどころか、デフレが長期間にわたって続くことになりました。

第一次安倍内閣のときには、日銀は金融緩和策を実行していて、景気はかなり回復していましたが、デフレが解消しないうちに、日銀は再び金融引き締めに転じてしまい、結局日本経済はデフレから脱却することなく、再びデフレスパイラルの底に沈んでしまいました。

そうして、昨年4月からは上でも掲載したように、異次元の包括的金融緩和を始めたので、昨年度はかなり経済が回復しました。

しかし、残念なことに、未だ日本経済は、デフレから脱却していないというのに、今年の4月から8%増税が実施され、4~6月期はかなり消費が落ち込みました。

おそらく、これからも消費は落ち込み続けて、なかなかデフレから脱却できないのは目に見えています。

現状の日本は、どう考えても、本来は増税などすべきではなく、減税すべきであったものを、増税してしまったため、デフレ脱却は遠のいてしまっています。

今後、さらに8%から10%に増税した場合は、さらに景気は落ち込み、デフレ脱却はかなり困難になります。失われた20年どころか、失われた40年になってしまう恐れも十分にあります。

にもかかわにず、増税を声高叫ぶ愚か者が大勢います。マスコミも、政治家も、官僚もほとんどが増税賛成派が大勢を占めます。これは、本当に異常な状況です。

そうして増税賛成派の論理は、全部全くまともな根拠がありません、。

これは、経済評論家の上念司氏も指摘しています。それについては、以下の動画をご覧いただくと良く理解できると思います。




財務省を筆頭とする増税を推進するバカもしくは、エゴイストどもは、上念氏が語っているように、全く脆弱な根拠しかなく、ことごとく論破されてしまうものばかりです。

そもそも、こんな言い訳を平然と言えるというのが、全く非論理的であり、幼稚ですらあります。

そうして、財務省をはじめとするバカもしくは、エゴイストがなぜこんな幼稚な言い訳をしてまで、増税を強行しようとするのか、それについては以前もこのブログに掲載したことがあります。

その記事のURLを以下に掲載します。
消費増税スキップしても実体経済に影響なし!リスクは「増税利権に群がる人々」のみ―【私の論評】まともな企業なら日々直面するトレードオフという考え方ができない官僚の単細胞頭が国民を苦しめる(゚д゚)!
詳細はこの記事をご覧いただくものとして、この記事の月論は、"増税をスキップするリスクは、実体経済の話ではなく、増税利権に群がる人々を激怒させるという政治的なものだけになる"。というものでした。

結局のところ、増税を見送り、デフレから早期脱却を目指すような政策をとると、財務省は目の前の、自らが他省に対して配分できる税金が少なくなってしまい他省に対する優位性を損なうなどという、財務省益を損なうことは絶対にしたくないでしょう。

政治家や、他省庁の官僚らは目の前の、増税による利権は、絶対に手放したくありません。

マスコミ、特に新聞は、自らの生き残りのため、軽減税率を財務省に適用してもらいたいため、増税を後押しするような記事ばかり掲載します。

他のテレビなどのマスコミも、財務省が実際にOBなどを送り込んだり、さまざまな手法を用いて、テレビの報道を増税賛成のほうに持っていく努力は、欠かしていません。

このような、官僚・政治家・マスコミなど国民を全く無視したバカでエゴイスティック目の前の利益だけで、増税が誘導されているというのが実体です。

目の前の利益とは、結局増税したとすれば、消費は落ち込み、税金の源泉であるGDPが大幅に減ります。そうなると、財務省が他省などに配分できる税金は減ります。そうなると、結局利権も減ってしまうので、増税は、政治家や官僚にとっても、本当に目の前の利益に過ぎないということです。

この図が示すのは、経済成長すれば財政もよくなるということを示している

デフレの前と、深刻なデフレに見舞われてからを比較してみれば、財務省が他省に配布できる金は、無論のこと、政治家の利権もかなり減っていると思います。

これから増税すれば、さらにデフレがより深刻になり、増税利権はほんの一時のものになります。そんなことは、当たり前のど真ん中なのですが、目の前のことしか考えない彼らにはそれが見えないのだと思います。

いずれにせよ、このようなことは、このブログ冒頭に掲載したグラフの意味を良く理解すれば、すぐに了解できることなのですが。我欲で、目のくらんだバカなエゴイストどもにはそうした判断はつかないようです。

そうして、エゴイストどものうちバカはそうではありませんが、バカではない連中は、今日本にとって一番重要なのは、経済成長をすることであることは、重々承知なのでしょうが、目の前利益だけに目がくらんでいるのだと思います。特に財務省の高級官僚たちはそうなのだと思います。

だから、上のグラフの意味するところなど、もちろん知っているのでしょうが見たくない図というよりは、他の多くの人々に見せたくない図であると考えているに違いありません。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか(@_@;)

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2014年10月4日土曜日

香港、デモ反対派が学生と衝突 暴行で警官出動―【私の論評】香港のデモでみえてくる日本のメディアのお粗末さ、私たちはまだネットでしか真実を知ることができない(@_@;)

香港、デモ反対派が学生と衝突 暴行で警官出動
2014/10/3 21:33

突然、デモ拠点の九竜地区のモンコック(旺角)に現れた3千人以上のデモ反対派

2017年の次期香港行政長官選挙への民主派参加を求める大規模デモが続く香港で3日、デモ反対派3千人以上が突然、デモ拠点の九竜地区のモンコック(旺角)に現れ、学生デモ隊と衝突、暴行を加えた。警官隊が出動し、学生らを退去させた。香港島にある別の拠点のコーズウェイベイ(銅鑼湾)にも反対派が現れた。

デモ主催者は危険な状況になったとして、両拠点から退去し、最大拠点のアドミラリティ(金鐘)に集結するようデモ隊に呼び掛けた。反対派が自発的に行動を起こしたのか、動員されたのかは不明。

大規模デモが始まってから4日で1週間。香港政府は学生との対話を打ち出したが、学生らは反対派に暴行される事態を受け、政府が直ちに暴力をやめさせなければ対話は行わないと表明した。1997年の香港返還後最大の混乱となった今回のデモはさらに緊迫の度が高まった。

上の記事中太線は、ブログ管理人によるものです。

この記事は要約記事です。詳細はこちらから(@_@;)

【私の論評】香港のデモでみえてくる日本のメディアのお粗末さ、私たちはまだネットでしか真実を知ることができない(@_@;)

上の記事の太線の部分「デモ反対派3千人以上が突然、デモ拠点の九竜地区のモンコック(旺角)に現れ、学生デモ隊と衝突、暴行を加えた」。は、本当にかなり不自然です。反対派が多数いるというのなら、デモの当初から出でくるはずであり、かなり人為的なものを感じました。

そこでネットで検索してみるとやはりからくりがありました。以下の石平氏のツイートをご覧になって下さい。
石平中国情報は、まともなものが多いので、このツイートの内容は、信じて良いものと思います。この二つツイートで、反対派は香港マフィアであるということで、要するに中国政府が金で雇った連中ということです。

これなら辻褄はあいます。それにしても、反対派の妨害はすさまじいものがあります。下の動画を見ていただくと゜わかりますが、人数もかなりのものですし、やりかたもある程度統制されており、とても普通の市民には見えません。ただし、下の動画は日本のテレビのものですが、このテレビでも、反対派を市民としています。


中国政府としては、表だって弾圧すれば、国際社会から非難されたり、最悪の場合何らかの制裁を加えられることもありうるので、このようなやり方をとっているのだと思います。

一方このデモに関しては、日本国内では、不思議な報道をする新聞もありました。その新聞紙面の写真を以下に掲載します。



産経新聞ですら3面の一部の記事としてしか扱っていない香港の民主化デモを、何故か琉球新報が1面トップ記事として大きく扱っています。これは、どうしたことでしょうか。

要するに、独立反対派が大勢いることを印象付けたのでしょうが、これもかなり矛盾しています。

琉球新報は、沖縄においては、沖縄独立派が多数であるかのような印象操作をし、香港に関しては独立反対派が多数であるかのような、印象操作をしています。

この背景にあるのは、中国共産党としか考えられません。流通新報は、完全なる中共のアジビラ以外のなにものでもないということです。

それにしても、日本ではテレビでも、新聞でも、デモの反対派を市民扱いしています。それにしても、日本のメディアは、この件に関して、不自然さや、人為的なものを感じたりしないのでしょうか。

日本のメディアは、まだまだ、中国の言いなりなのだと思います。

デモの反対派が、香港マフィアであるという事実を日本のマスコミはいつになったら報道するのでしょうか。これによって、どこのメディアがまともで、どのメディアがまともでないかを、見分けることができるかもしれません。

それにしても、日本のメディアのお粗末さはまだまだ是正されておらず、結局私たちはまだネットでしか真実を知ることしかできないのかもしれません。

本当に困ったものです。

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2014年10月3日金曜日

香港行政長官、デモ隊との対話方針示す 辞任は拒否―【私の論評】香港独立が、中国に侵略された国々と虐げられた民族の希望の光になる(@_@;)

香港行政長官、デモ隊との対話方針示す 辞任は拒否

香港(Hong Kong)政府本部前に集まった民主化を求めるデモ隊

香港(Hong Kong)で民主派デモ隊が5夜連続で政府本部を包囲する中、辞任を求められている梁振英(Leung Chun-ying)行政長官は2日、辞任要求には応じない構えを改めて示した一方で、デモ隊との対話のため政府高官を派遣すると発表した。

1週間におよぶ座り込みで香港中心部を封鎖した大規模なデモ隊は、梁長官の辞任と、中国政府による完全な民主主義の保証の期限を3日午前0時(日本時間同1時)としていた。

しかしその期限が切れる直前に梁長官は記者会見を行い、「選挙に向けた作業を継続しなければならないため、辞任するつもりはない」と述べて、デモ隊からの要求には断固応じないという方針を示した。ここでいう「選挙」とは、2017年に予定されている梁氏の後任となる次期行政長官の選挙で、デモ隊と中国政府に支援を受けている香港当局との衝突を生んだ直接の原因となった。

一方で梁長官は譲歩も見せ、今回のデモに参加している複数の組織の一つ、香港大学生連合会(学連、Hong Kong Federation of Students)との対話の担当者として、林鄭月娥(Carrie Lam)政務官(閣僚)を任命すると発表した。

この記事の詳細はこちらから(@_@;)

【私の論評】香港独立が、中国に侵略された国々と虐げられた民族の希望の光になる(@_@;)
香港情勢が緊迫しています。当局は住民鎮圧のため催涙弾やゴム弾を搬入したようです。しかし、「一国二制度」の約束を反故にして「民主主義を弾圧」しているのは中国です。台湾出身のテレサ・テンさんも、生前、香港の民主が失われていくのを、涙で訴えていたそうです。

生前のテレサ・テンさん
石平氏は、上のようなニュースに対して以下のようなツイートをしていました。
確かに、石平氏個人の経験もそうですが、他のことから見ても、中国が対話などと称する場合単に既成事実を積み上げようとしているのに過ぎない場合がほとんどです。

たとえば、尖閣問題などもその典型例で、ずいぶん昔のことですが、鄧小平氏が棚上げにしようとした話があったということですが、そのような記録はまったく残っていません。

だから、所詮中国側の創作に過ぎないのですが、この棚上げ論、結局日本政府も、外務省も誰も認めないので、これを中国側に利用されるということはありません。

しかし、この棚上げ論をもしも日本がまともに受けていれば、尖閣問題は別として扱われ、中国にとって都合のよいことについては、日中間で話がすすめられ、尖閣問題についても、いずれ棚上げを解除して、中国に都合の良い交渉をしたのは明らかです。

しかし、安倍総理はこの棚上げ論など歯牙にもかけず、総理大臣に就任してから年月が経つというのに、いまだ日中首脳会談はしていません。

これは、本当に良いことだと思います。この安倍総理の出方に関しては、中国側はかなり焦っているものと思います。

安倍総理は、この方針を貫き、たとえば、中国側が、日中首脳会談を開催するための条件として、尖閣問題の棚上げや、その他の条件をつけてくるというのなら、今まで通り拒否すれば、それで良いのです。

そうして、安倍総理もその腹づもりだと思います。結局日中首脳会談が開催されなくても、日本は
なんら困ることもありませんが、中国にとってはかなりの痛手です。

香港の学生もこのような、安倍総理のやりかたを見習えば良いと思います。

やはり、香港の学生らは、まだまだ経験が少ないため、結局のところ、対話に応じて自らの立場を弱らせていくことになるのだと思います。

これに関しては、西村幸祐氏が以下のようなツイートをしています。
学生たちが、香港独立を望まないというのなら、確かに三島由紀夫氏の論考と同じく、今回の出来事はプラハの春と同じようになり、本格的な独立はソ連崩壊後になったように、中国崩壊後になるでしょう。

プラハの春事件

もし学生たちが、対話に応じず、あくまでも香港独立にこだわり続ければ、多くの国々が味方になるものと思います。それは、どのような国かといえば、中国に侵略されて、今は中国の版図に組み入れられてしまった、チベット、ウィグル、内モンゴル、満州などの国々です。

香港の学生たちの出方一つで、今後の中国のありかたは、大きく変わってくるかもしれません。学生たちが、あくまで、香港の独立にこだわれば、中国の侵略によって中国の版図に組み入れられた国々の分離独立がはやまる可能性があります。

香港が独立すれば、これら侵略された国々も理屈上独立できないのは、理不尽ということになります。

このように香港の学生らの今回の活動は、本人たちが思っている以上に世界を変える可能性が大きいです。

香港のデモ

もし、今回のデモなどが、まかり間違って天安門事件のような虐殺事件にまで発展した場合は、日本としては、徹底的に非難するとともに、間違っても天皇皇后両陛下の中国訪問のようなことはしないことです。

天安門事件以後、天皇皇后両陛下が中国を訪問したことにより、世界各国の制裁が解けて中国は世界に復帰をすることができました。

しかし、最近の中国などこの時の日本に対する恩なと全く忘れているようです。恩知らずの国家は、いずれ破綻します。中国はすでに、そうなりかけています。

いずれにせよ、香港の学生の考え方ひとつで、中国の崩壊が急激に早まる可能性もありますが、たとえ、今回の出来事が学生側の敗北に終わったとしても、最早大きな流れを変えることはできません。

中国はいずれ分裂して、中国が建国したばかりの版図に戻ると思います。

だからこそ、香港独立が、中国に侵略された国々と虐げられた民族の希望の光になります。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2014年10月2日木曜日

エコノミストは予測のいい人を選べ―【私の論評】そもそも昨年消費税増税に肯定的だった人の意見など聴いても百害あって一利なし、今は増税できるような状況ではないことは明らか、政府は自ら意思決定せよ(@_@;)

エコノミストは予測のいい人を選べ 

高橋洋一・株式会社政策工房 代表取締役会長


 筆者は、文系が多い霞ヶ関の中で、理系出身だ。理系の中でも数学なので文系からいれば、とんでもなく「理系」だろう。その理系から見た経済政策での不思議を述べよう。
 
 昨年、政府に呼ばれて意見を述べた人の氏名や資料は、ここ(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/tenken/)にある。おそらく日本を代表する学者も含まれている。ところが、彼らの予測は、消費増税しても経済に対する影響は軽微ということだったが、ほとんど当たっていない。それが意味するところは、経済理論を使わずに単なる願望を述べただけか、予測するまでに経済理論を使いこなせてないか、正しく経済理論を理解していないかだろう。

 経済予測を商売とするエコノミストの予測能力も低い。興味のある方は、ここ(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/40156)をご覧いただきたい。3ヶ月先の予測について、デタラメにサイコロを振ったのと大差ないくらいだ。この人たちのの多くも消費増税賛成であるが、やはり1年前には消費増税しても経済への影響は軽微であると言っていた。結果としては間違いだった。

 いずれにしても、予測を外した人たちの意見をきいたところで、時間のむだ使いだ。

 ところが、政府は、来年10月からの消費増税を決断するために、再び昨年意見を聞いた有識者に聞こうとしている。

 間違った有識者の意見を聞けば、再び間違う可能性は高い。そのとき、政府はどう言い訳するのだろうか。一度間違った人の意見の逆をした方が、ひょっとしたらいい結果になるかのしれない。ということは、有識者に意見を聞くというのは、消費増税を見送るサインかもしれない。これはちょっと楽観的すぎるかもしれないが。

この記事は要約記事です。この記事の詳細はこちらから(@_@;)

【私の論評】そもそも昨年消費税増税に肯定的だった人の意見など聴いても百害あって一利なし、今は増税できるような状況ではないことは明らか、政府は自ら意思決定せよ(@_@;)

いわゆるエコノミストといわれる人々、GDPはもとより、ありとあらゆる予測を外している人が多いです。

高橋洋一氏は、予測を外した人たちの意見をきいところで、時間の無駄としています。これは、実際そうだと思います。

このブログでも過去にそのようなことは、すでにいくつか掲載してきました。それらの記事のURLを以下に掲載します。
消費増税の影響軽視は危険 エコノミストの根拠なき楽観―【私の論評】民間エコノミストには日本の過去の経済史も、イギリスの先行事例も知らない人が多数存在。そもそも、こんな人たちに先の見通しがたつのか、直近の動向だけで判断して本質は理解していないのではないか(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、高橋洋一氏が、8%増税に関する、民間エコノミストの見方があまりにも楽観的のにすぎることを批判していました。

そうして、以下の記事では、高橋洋一氏が指摘したように、全く楽観的で、8%増税後のGDP予測がもののみごと外れたにもかかわらず、熊谷亮丸氏・木下智夫景気はいずれ回復するし、だからこそ10%増税をすべきことを主張しています。
まったくはずした熊谷亮丸氏・木下智夫氏「今度こそ当とに!年末までは絶対V字回復!なにがなんでも増税だ!」WBS-TL不満大爆発!―【私の論評】無責任民間エコノミストの戯言は、捨て置け(゚д゚)! 

詳細は、この記事をごらんいただくものとして、この記事では、熊谷亮丸氏・木下智夫ともに、消費税増税後のGDPの予測をすっかり外してかなり高く予測していていました。

その彼らが、再び増税しても、WBSで景気は落ちないから、絶対に再増税すべきなどと予測したため、多くの人々から反発をかっていることを掲載しました。

まあ、当然といえば当然です。一度外した人の予測などは、よほどの根拠がない限り、信じるべきではありません。

しかし、上の記事で高橋氏が指摘してるように、政府は、来年10月からの消費増税を決断するために、再び昨年意見を聞いた有識者の意見を聞こうとしています。

この意見聴取は、ほとんど意味を持たないことでしょう。それに、現在の状況であせれば、一部の正しい予測のできなかエコノミストなどを除いて増税すべき状況ではないことは誰の目にあきらかです。

今回、こそは、政府自ら増税見送りを決めていただきたいものです。しょっちゅう予測が外れる人々の意見など聴いても時間の無駄です。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?


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インフレで日本人の9割が貧乏になる、経済学者を信じるな―【私の論評】インフレになって、日本人の多数が今より金持ちになったら腹を切れ!!過去は現在に、現在は未来につながっている、過去を精査すればおのずと答えがでてくるはず!(◎_◎;)

ポール・クルーグマンの新著『さっさと不況を終わらせろ』−【私の論評】まったくその通り!!

話題沸騰! あの『デフレの正体』の著者・藻谷浩介「里山資本主義」で日本は復活する―【私の論評】藻谷ファンタジー炸裂!増税推進派を含むアベノミクス反対派の思想的背景は結局空想的社会主義によるファンタジーか?そんなことでは、何も解決できない(゚д゚)!


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2014年10月1日水曜日

沖縄知事選立候補者が唱える“琉球独立論”の不可解 沖縄出身・兼次映利加氏―【私の論評】沖縄独立を語るなら、その1000倍香港、チベット、ウイグル、内モンゴル、満州の独立を語らなければ、全くバランスを欠く発言となる(@_@;)

ジャーナリスト・兼次映利加氏

 英国からのスコットランド独立の是非を問う住民投票が注目されたが、日本でも沖縄県知事選(11月16日投開票)に絡み、2人の立候補予定者が「琉球独立論」を取り上げている。それぞれ主張は違うが、違和感を持つ県民も多いようだ。沖縄出身のジャーナリスト、兼次映利加(かねし・えりか)氏が考察した。

 独立論を取り上げているのは、元郵政民営化担当相の下地幹郎氏と、経営コンサルタント会社代表、大城浩氏だ。

 下地氏は8月26日、石垣市での講演で、普天間問題について県民投票で決着させる考えを説明し、県民投票の結果を踏まえた日本政府との交渉が決裂した場合には「琉球独立を問う住民投票をやる」と表明した。

 大城氏は4月末に立候補表明した際、「平和と繁栄のため、沖縄は琉球として日本から独立するべきだ」と訴えた。

 私は沖縄で生まれ、大学入学まで沖縄で育ち、現在も頻繁に行き来しているが、地元の知人や友人らの口から直接、「沖縄は独立するべきだ」という意見を聞いたことがない。今回の独立論にも困惑している人は多い。

 チベット生まれの国際政治学者、ペマ・ギャルポ氏は夕刊フジの集中連載「暴走中国」で今年5月、琉球独立論に触れて、「沖縄県民の反基地感情をあおって、沖縄から米軍を追い出すことは、中国が東アジアの海洋覇権を握る戦略の第一歩だ。そして、次にチベット自治区のような『琉球特別自治区』をつくることを狙うだろう」と記している。

 下地、大城両氏の考えとは関係なく、琉球独立論は中国に利用される危険性が高いというのだ。

 ただ、沖縄県民は中国に対する警戒心も強い。

 県知事選に絡んで浮上した琉球独立論だが、前出のペマ氏は「チベットの悲惨な現状を、日本国民、特に沖縄県民には教訓にしてもらいたい」と訴えている。

この記事は要約です。詳細はこちらから(@_@;)
【私の論評】沖縄独立を語るなら、その1000倍香港、チベット、ウイグル、内モンゴル、満州の独立を語らなければ、全くバランスを欠く発言となる(@_@;)

沖縄独立など、あり得ようもありません。これについては、以前のこのブログにも掲載したことですので、その記事のU}RLを以下に掲載します。
「スコットランド独立」は他人ごとでない 沖縄の日本からの分離独立、法的に可能か―【私の論評】日本にとって、沖縄独立は虚妄に過ぎず、スコットランド独立は対岸の火事。しかし、台湾独立それに続く他の中国自治区等の独立は十分にあり得る話(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとしてこの記事から以下に要点のみを掲載させていただきます。

スコットランドの民族衣装を着た女の子
スコットランドの場合は、イングランドと力が拮抗していた頃もあり、過去においては、二度もスコットランド独立戦争がありました。
沖縄と、日本とは過去にさかのぼってもこのような戦争はしたことはありません。そもそも、沖縄独立のアンケートを住民にしたところ、上の記事にもあるように、独立派は4.7%に過ぎず、半数前後にものぼる、スコットランドとは異なり、ほんの少数派に過ぎません。
これでは、独立など考えも及ばないというのが、実体です。それでも、上記の松島泰勝のような馬鹿者もでてくるわけです。
スコットランドの場合は、司法も、教育制度も独自ですが、沖縄はそうではありません。まさに、スコットランド独立問題は日本にとって、対岸の火事に過ぎません。
このブログでは、ギリシャの破綻は、日本にとっては対岸の火事であるという記事を掲載したことがありますが、沖縄独立もまさにそうです。
こんなことを語れば、どこが喜ぶかははっきりしています。無論、中国です。
しかし、沖縄独立などという妄想は、中国にとっても悩ましいところです。なぜなら、上の記事には「日本の承認がなくても諸外国がこぞって独立に賛成すれば成功するかもしれませんが、多くは国内に分離独立運動を抱えており、よほどの大義がないと二の足を踏むはずです」ということがかかれていますが、これは中国にもあてはまることだからです。
中国の、チベット、ウイグル、内モンゴル、満州、台湾はもともと、言葉も、文化も習慣も違う他国であり、これを中国が後から侵略して奪い取り、チベット自治区、新疆ウィグル自治区、内モンゴル自治区、中国東北部としたものです。
中華人民共和国設立後の支那
もうここまで、掲載すれば、私の言いたいことなどおわかりでしょう。そうです。沖縄の独立を語るというのなら、それをはるかにしのぐ1000倍程度は、チベット、ウイグル、内モンゴル、満州の独立について語らなければ、バランスを欠くということです。

それと最近では香港における、中国側による弾圧が明らかとなっており、これでは香港も中国とおなじになってしまうということで、そんなことはさせじと、香港市民がででデモを繰り返しています。

これについては、以下の記事をご覧ください。
香港民主化デモの背景、「一国二制度」に不信強まる
香港は、1990年代まではイギリスの領土であり、中国に返還されてからも、香港の独自性はたもたれてきましたが、これも中国政府によって、終止符が打たれそうです。



しかし、これだって、本来は香港市民の声を良く聞いてから、判断すべきことです。

これは、当たり前のど真ん中です。そもそも、沖縄の独立を望む人など、沖縄住民の中にはほとんど存在しないわけですし、香港、チベット、ウイグル、内モンゴル、満州に関しては、もともと中華人民共和国とは別の国です。

それらを、香港以外は、中華人民共和国が、武力によって侵略し現代の中国の版図に無理矢理におさめてしまったものです。そうして、まさに今香港の独自性、独立性が中国政府によって、毀損されようとしています。

下地幹郎氏と、大城浩氏と、その他沖縄の独立を語る人たちは、こうした国々の中国からの独立について、沖縄独立の1,000倍語って、はじめて、バランスのとれた発言になります。

それをしないで、沖縄独立だけを語るというのなら、著しくバランスを欠いており、外患誘致罪とか、支那のスパイあるいは、ど変態などと言われても仕方ないと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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