2016年1月4日月曜日

【韓国】朴大統領「10年後の韓国は何で食べていくのか。若者たちはどんな仕事をしているのか。考えるたびに恐ろしい」―【私の論評】やりようはあるはずだが、慰安婦問題で食っていけないことはだけは確か(゚д゚)!


朴槿恵大統領出席の新年会
パク・クネ大統領は4日、「10年後、韓国が何で食べて生き、我らが青年たち??がどのような仕事を持って生きて行くのか、考えるたびに恐ろしい気持ちになる」と述べた。

朴大統領はこの日、チョン・ウイファ国会議長をはじめとする5部要人とセヌリ党キム・ムソン代表ら与党指導部、経済5団長らが出席した中で開かれた新年会でこのように言いながら「そのたびに経済革新3カ年計画を成功的に終えて4大構造改革を必ず仕上げなければならない切迫感が生じる」と強調した。

朴大統領は「そうでなければ、国民が望む経済活力の炎が起こらず、我らが青年たちが懇願する仕事と未来30年の成長の基盤を用意するということは空虚なこだまにとどまるだろう」と述べた。

朴大統領は今年の対内外経済環境について「世界経済が依然として低迷から抜け出せずにいて、特に中国をはじめとする新興国の経済の鈍化が懸念している」とし、「青年雇用、企業競争力の弱体化、人口崖など、すぐに私たちが克服しなければならない内部の課題も山積しており、朝鮮半島をめぐる外交安保も少しも安心できない困難な状況だ」と説明した。

続いて朴大統領は「このような状況であるほど、私たちが変化と改革を成し遂げないならば過去へと戻り、国家的な困難から抜け出せないだろう」とし、「経済改革と国家革新の課題は私たちの未来がかかっているものであり、子孫のために必ず結び目を作らなければならない」と呼びかけた。

それとともに朴大統領は「私たちは戦争の廃墟という最悪の状況の中でも一緒に力を合わせて世界が驚いた発展を成し遂げた」とし、「私たちはできる」と強調した。

また「精神を集中して矢を撃てば岩も貫通できるという古い言葉がある」とし、「今私たちの前に多くの難関と挑戦があるが、私たちが心と力を一つに集めた場合はできないことはないと思う」と付け加えた。

【私の論評】やりようはあるはずだが、慰安婦問題で食っていけないことはだけは確か(゚д゚)!

韓国の産業通商資源省は1日、2015年の輸出額(速報)が 前年比7.9%減の5272億ドル(約63兆円)になったと発表しました。

新興国の景気が鈍化する中、原油安や中国勢の過剰生産の問題などが影響。品目別では
鉄鋼やディスプレー、自動車、一般機械などが減少しました。一方で輸入額が原油安の影響で 16.9%減の4368億ドルと輸出額を上回る減少幅となった結果、貿易黒字は91.5%増の904億ドルと過去最高を記録しました。

この状況では、確かにブログ冒頭の朴槿恵大統領の嘆きはもっともなことだと思います。それにしても、日本ではなぜか貿易黒字が大きいと、何やら良いことのように報道する無知な報道機関が多いように感じますが、韓国の現状をみれば、貿易黒字が大きければ良いなどということはないということは十分お分かりいただけるものと思います。

昨年の韓国では、輸出額は減少しているものの、原油安の影響で、輸入額が大幅に減少したため、空前の貿易黒字になったわけです。この今の状況が韓国にとって良いはずがありません。

そもそも、貿易黒字とか、国際収支黒字という現象は、家計や企業業績などとは異なる指標です。黒字だから良い、赤字だからダメなどということはありません。この韓国の事例のように、黒字の要因や、赤字の要因がわかって、はじめて、それが良いことなのか、悪いことなのか判断できます。

これは、韓国経済に限らず、日本経済だろうが、米国経済だろうが、他の国の経済にもあてはまる真実です。

さて、少し横道にそれてしまいましたが、この似たようなな思い込みが、韓国をダメにしてしまったということはいえそうです。

さて、その思い込みとは何でしょうか。そうです。いわゆるグローバリズムというか、輸出偏重の考え方です。ご存知のように、韓国はここ10年以上、とにかくグローバリズムの名のもとに、政府ぐるみで輸出の振興を徹底的に図ってきました。

とにかく、輸出が増えさえすれば、韓国は豊かになるという誤った思い込みです。日本でも、そのような考え方をする人が多いどころか、国内資源が乏しい日本は、とにかく外国から資源を輸入して、その資源を工業製品などにつくりあげて、輸出することにより、成り立つ、輸出立国の国であるとの信念を持っている人が大勢います。

しかし、これは、本当にそうでしょうか。では、日本のGDPに占める輸出の割合はどのくらいなのでしょうか。それを知るために以下に資料を掲げておきます。

世界の輸出依存度 国別ランキング・推移

以下、GDPに占める輸出の割合を示したものです。データは平成14年度のものです。

【単位:%】
順位国名2014年
1香港179.88
2シンガポール145.17
3アラブ首長国連邦91.41
4赤道ギニア85.70
5スロバキア83.43
6ベトナム80.38
7ブルネイ77.90
8ハンガリー72.87
9チェコ71.35
10マレーシア70.44
11オランダ66.00
12オマーン65.85
13リトアニア65.52
14バーレーン63.20
15カタール63.04
16スロベニア62.09
17ベルギー60.95
18クウェート60.69
19コンゴ共和国59.60
20台湾58.80
21エストニア58.38
22アイルランド57.81
23スワジランド57.70
24ボツワナ55.95
25タイ55.42
26アンゴラ52.82
27ブルガリア50.06
28ガボン49.40
29モンゴル49.34
30パプアニューギニア49.13
31トリニダード・トバゴ48.63
32ベラルーシ46.94
33ナウル45.781
34スイス45.71
35カンボジア45.44
36ザンビア45.26
37サウジアラビア45.24
38イラク44.43
39ツバル44.04
40リビア43.95
41韓国43.87
42レソト43.00
43トルクメニスタン42.61
44パラグアイ42.41
45ラトビア41.97
46ソロモン諸島39.95
47ガイアナ39.64
48カザフスタン39.53
49ルクセンブルク38.79
50ドイツ38.70
51シエラレオネ38.63
52スリナム38.38
53ポーランド38.17
54アゼルバイジャン38.14
55オーストリア37.63
56ウクライナ37.31
57ソマリア37.171
58コートジボワール37.12
59ナミビア36.67
60セーシェル36.39
61コンゴ民主共和国36.30
62ボリビア35.51
63ベリーズ34.91
64モーリタニア34.88
65パナマ34.85
66ガーナ34.63
67チュニジア34.56
68南スーダン34.37
69マーシャル諸島33.87
70マルタ32.86
71リベリア32.67
72マケドニア32.50
73デンマーク32.40
74チャド31.74
75スウェーデン31.35
76メキシコ31.10
77ルーマニア31.02
78フィジー30.48
79アルジェリア30.45
80セルビア30.05
81トーゴ30.00
82ニカラグア29.74
83チリ29.29
84ノルウェー29.24
85アイスランド28.82
86フィンランド28.22
87ブータン27.43
88エクアドル27.37
89ポルトガル27.09
90カナダ26.75
91ロシア26.68
92南アフリカ26.44
93ギニア26.30
94キルギス26.02
95マラウイ25.98
96ボスニア・ヘルツェゴビナ24.85
97北朝鮮24.581
98モーリシャス24.49
99ジョージア(グルジア)24.12
100イラン23.86
101イタリア23.83
102ヨルダン23.73
103クロアチア23.55
104ベナン23.10
105モザンビーク23.08
106ラオス22.71
107スペイン22.57
108モルドバ22.32
109グリーンランド22.31
110中国22.28
111マリ22.15
112ウズベキスタン22.10
113ブルキナファソ21.34
114イスラエル21.16
115インドネシア21.15
116ホンジュラス21.13
117トルコ21.09
118蘭領アンティル20.984
119ニュージーランド20.75
120カメルーン20.67
121フランス20.41
122イエメン20.32
123マダガスカル20.01
124キュラソー19.97
125ジンバブエ19.62
126ペルー19.47
127モロッコ19.01
128ウルグアイ18.82
129グアテマラ18.40
130コスタリカ18.33
131ニジェール18.31
132キプロス18.08
133セネガル18.03
134バングラデシュ17.24
135エルサルバドル16.78
136フィリピン16.75
137イギリス16.48
138ドミニカ共和国16.39
139オーストラリア16.36
140ニューカレドニア16.17
141インド16.14
142スリランカ15.77
143アルメニア15.30
144日本15.24
145ナイジェリア14.91
146コロンビア14.82
147ギニアビサウ14.53
148パレスチナ14.31
149ベネズエラ14.31
150ガンビア13.60
151セントルシア13.50
152アルゼンチン13.49
153エリトリア13.34
154カーボヴェルデ13.29
155ギリシャ13.11
156ミャンマー13.10
157蘭領セント・マーチン島12.67
158ミクロネシア連邦12.65
159ハイチ11.46
160バルバドス10.93
161モンテネグロ10.63
162ジャマイカ10.51
163タンザニア10.43
164ケニア10.31
165ブラジル10.21
166モルディブ10.14
167バハマ9.68
168パキスタン9.57
169米国9.32
170アルバニア9.31
171ウガンダ9.14
172ジブチ8.92
173エジプト8.92
174アルバ8.57
175ドミニカ8.20
176バヌアツ8.16
177セントクリストファー・ネイビス7.61
178ルワンダ7.59
179スーダン7.348
180レバノン7.11
181キューバ7.071
182セントビンセント・グレナディーン7.07
183エチオピア6.28
184シリア6.23
185クック諸島6.02
186モントセラト5.87
187タジキスタン5.65
188キリバス5.46
189グレナダ5.46
190トンガ5.20
191ネパール4.66
192サントメ・プリンシペ4.58
193英領ヴァージン諸島4.251
194ブルンジ4.16
195アンティグア・バーブーダ4.10
196サモア4.06
197タークス・カイコス諸島4.05
198マカオ3.59
199中央アフリカ3.54
200コモロ3.27
201アフガニスタン3.01
202アンドラ2.92
203仏領ポリネシア2.57
204パラオ2.41
205アンギラ1.27
206ケイマン諸島0.73
207東ティモール0.47
208バミューダ0.22
999世界計24.12
注)
1前年のデータ
44年前のデータ
8南スーダンを除く


韓国は、世界41位で、43.87%です。日本は、144位で、15.24%です。中国は、110位で、22.8%です。米国は、169位で9.32%です。

このように見ると、輸出が多いからといって、必ずしも経済が良いともいえないことがわかります。

実際そうです。日本は、デフレになってから10%台を超えましたが、デフレになる以前は、8%程度でした。アメリカも以前は7%程度に過ぎなかったものが、最近はその比率があがっています。

先進国でめだって、輸出が多いのは、ドイツの50位くらいなものです。それでも、38.7%です。

結局、米国や日本のような比較的GDPの大きい国では、内需が大きいということです。日本は過去20年近くもデフレに悩まされ続けてききたにもかかわらず、個人消費がGDPに占める割合は60もありました。米国は、70%くらいです。

韓国のように、輸出が多ければ、それだけ外国の影響を多大に受けやすくなります。さらに悪いことに、最近では朴槿恵政権は、中国よりの路線をうちだし、中国向けの輸出を増やしていました。ところが、ご存知のように、中国の経済はかなり悪化しています。韓国にとっては、本当のに弱り目にたたり目です。

上のグラフをご覧いただければいかに韓国の対中依存度が高いか、よくおわかりになると思います。

そうして、現在、世界は貿易の成長率が経済成長率を下回る、スロートレードという問題を抱えてしまっています。IMF(国際通貨基金)のデータによると、1990年代は世界の実質GDP(国内総生産)成長率が平均3・1%だったのに対し、貿易量は6・6%も拡大しました。貿易の成長率が、実質GDPの2倍以上に達していたのです。

それが、2000年から11年までは、GDP4%成長に対し、貿易量が5・8%成長と、倍率が下がりました。ところが、直近のデータを見ると、世界のGDP成長率2・2%に対し、貿易成長率は2%に過ぎなません。

もはや、グローバルに輸出を増やすことで国民経済を成長させるという手法は、維持困難になりつつあります。それにも関わらず、韓国はスロートレードに突入する以前に、あまりにも輸出依存度を高めてしまっていました。それだけではなく、さらに経済が失速する中国への輸出依存度を深めてしまったのです。

しかし、この韓国経済立ち直りのための処方箋は、あります。それは、このブログに何度かすでに掲載しています。要するに、グローバル一辺倒から、内需拡大に転ずるのです。

しかし、そのためには様々な難題があります。まずは、経済的な中間層を多く輩出する政策をとるのです。多数の中間層が、様々な社会・経済活動を活発化にできるように基盤を整備するのです。ここで、経済・社会ではなく、社会・経済として、社会のほうを先にもってきたのは、それなりに理由があります。

それは、経済優先で社会をなおざりにしてはいけないということです。社会をなおざりすれば、たとえ一時、経済が栄えたように思えても、いずれ限界が来るということです。それは、今の中国をみればわかります。

そのためには、さらなる民主化と、政治と経済的の分離、法治国化をさらに推進するのです。これが出来ないと、多数の中間層が、社会・経済活動を活発化させることはできません。

いずれにせよ、今後慰安婦問題では食っていけないのは確かです。いかに困難な道であろうと、これを実行しない限り韓国は、先進国になれなかった中進国として、歴史に名を刻むことになるでしょう。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2016年1月3日日曜日

【南シナ海情勢】中国の試験飛行、米「緊張高めた」と批判 新たな対抗措置の可能性―【私の論評】南シナ海で米国の報復を受けると、中国は尖閣で報復する!これに備えよ(゚д゚)!

【南シナ海緊迫】中国の試験飛行、米「緊張高めた」と批判 新たな対抗措置の可能性

米海軍が昨年5月に公表した、P8対潜哨戒機が撮影した南沙諸島のファイアリクロス礁の画像
中国が南シナ海のスプラトリー(中国名・南沙)諸島に建設した飛行場で航空機を試験飛行させたことについて、米国防総省当局者は2日「試験飛行が(地域の)緊張を高めたことを懸念している」と表明した。米政府が新たな対抗措置に踏み切る可能性もある。

米軍はオーストラリアなどと連携して圧力をかけ続ける構えだが、南沙諸島の実効支配を強める中国が既成事実を積み重ねる中、問題の解決は「ますます難しくなっている」(オーストラリアの専門家)との見方も広がっている。

国防総省当局者は「さらなる土地の造成や新たな施設の建設を中断し、中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)が(南シナ海での紛争回避に向けた)行動規範を速やかに策定する必要性を示している」と強調した。

米政府は中国が造成した人工島を中国領とは認めない立場で、昨年10月には「航行の自由」を行動で示すため、中国が「領海」と主張する海域にイージス駆逐艦を派遣した。同12月には海域上空をB52戦略爆撃機が飛行。意図的ではないとされるが、中国は軍事的挑発と反発した。

【私の論評】南シナ海で米国の報復を受けると、中国は尖閣で報復する!これに備えよ(゚д゚)!

この海域では、1日にも物騒な出来事がありました。それに関する記事を以下に掲載します。
【南シナ海緊迫】越漁船、体当たり受け沈没 中国船か 
 3日のベトナム国営紙タインニエン(電子版)などによると、同国中部クアンチ省沖の南シナ海で1日、10人乗りのベトナム漁船が中国船とみられる外国船に体当たりされ、沈没した。10人は近くにいた別のベトナム船に救出された。 
 国営紙トイチェによると、船長は中国船に体当たりされたと説明。ベトナム漁業当局は中国側に調査を要請した。 
 船長によると、体当たりした船の船体には中国語が書かれており、乗組員は中国語を話していたという。 
 ベトナムや中国などが領有権を争う南シナ海では、操業中のベトナム漁船に対する中国船からの放水や体当たりなどが相次いでいる。
このようなことが、1日に起こったので、米国としても、中国の試験飛行に対して対抗措置に踏み切る可能性を示唆したのだと思います。

それにしても、こうした前触れは以前からありました。それは、昨年の暮れに尖閣付近に機関法を装備した中国の公船が現れたことです。

第11管区海上保安本部(那覇市)によると、昨年12月22日午後3時現在、沖縄県石垣市の尖閣諸島・南小島沖の接続水域(領海の外側約22キロ)内を、中国海警局の公船4隻が航行していました。

うち1隻は機関砲のようなものを四つ搭載しているのが確認されていました。

この船は同日午前8時20分頃に接続水域内に入りました。機関砲のようなものを搭載した中国公船が接続水域で確認されたのは初めてでした。海上保安庁の巡視船が領海に近づかないよう呼び掛けましたが、応答はありませんでした。

これに関する動画を以下に掲載します。



確かにこのようなことは、ありませんでした、カバーで覆われた連装機関銃と思しきものを一つを装備した公船が、尖閣付近に現れたことは以前もありましたが、機関砲を4つ、それもむき出しではっきりわかるようにして、現れたのは初めてのことです。

これに関して、日本の報道機関はあまり報道しませんが、かなり重要な変化です。中国がこのような行動に出るその理由に関して、参考になる記事をこのブログに以前掲載したことがあります。その記事のURLを以下に掲載します。
中国海軍、尖閣接近のウラ 米爆撃機の威嚇に習政権“苦肉の策”か ―【私の論評】日本と戦争になれば、自意識過剰中国海軍は半日で壊滅!東シナ海で傍若無人ぶりを働けば撃沈せよ(゚д゚)!
B52を空母に搭載するとこんな感じです 合成写真
これは、去年11月16日の記事です。詳細はこの記事をご覧いただくものとして、この記事では、中国海軍のドンディアオ級情報収集艦が、尖閣付近を単なる通過ではなく、1日で東西に反復航行したのは特異な航行な航行をしたことを掲載しました。

そうして、この記事では、中国艦船が尖閣付近でこのような異常な行動をした背景も掲載しました。その部分についてのみ以下に掲載します。

中国といえば、南シナ海の岩礁を国際法を無視して軍事基地化したことをめぐって、米国と緊張関係にある。
米軍は「航行の自由」と「法の支配」を守るため、先月27日、イージス駆逐艦「ラッセン」を派遣したうえ、米原子力空母「セオドア・ルーズベルト」をマレーシア沖で航行させて中国をけん制した。 
今月8~9日(ブログ管理人注:昨年11月)には、グアムから飛び立った、核爆弾搭載可能なB52戦略爆撃機2機が、南シナ海の人工島近くを飛行するなど、圧力を強めている。中国軍は、こうした米軍の攻勢に目立った動きをみせていない。 
こうしたなか、少し離れた東シナ海で特異な航行をしたのはなぜなのか。
軍事ジャーナリストの世良光弘氏は「情報収集艦の航行は、南シナ海での動きと連動しているとみて間違いない」といい、続けた。 
「中国は、米国が艦船だけでなく、戦略爆撃機まで投入するとは思っていなかったはずだ。対抗措置を取らなければ、中国のメンツが立たないうえ、国内世論の反発を食らう。といって、緊迫する南シナ海で下手に動けば、軍事力で歴然の差がある米軍と衝突する事態になりかねない 
「苦肉の策として導き出したのが、東シナ海への艦艇派遣だったのだろう。『自衛隊が相手ならば、大きな事態にならない』と考えたのではないか。それだけ、米軍の『フリーダム・オブ・ナビゲーション(航行の自由)作戦』で追い詰められているということだ」
そうして、昨年12月には、米軍のB52戦略爆撃機が、南シナ海のスプラトリー(中国名・南沙)諸島で、中国が「領海」と主張する人工島周辺12カイリ(約22キロ)内上空を誤って飛行したことを明らかにしました。中国側から「2カイリ内」だったと抗議を受けたとしています。これは、無論誤って飛行したということは、あり得ないと思います。

怒り心頭に達した米国が、意図して意識してB52を飛行させたのだと思います。もし中国側が主張する「2カイリ内」というのであれば、これは真上を通過したと言ってもいいくらいです。その後12月22日に、機関砲4丁を装備し、しかもそれをむき出しにした公船を尖閣付近に航行させています。

この図式は、もうはっきりしました。南シナ海で米国が中国に対して、報復措置とると、中国としては、もともと手も足もでない、恐ろしい米国に対しては直接行動が取れないので、尖閣付近で何かをやらかして、牽制するという動きに出ているということです。

今後、南シナ海で米国と中国の対立が深まれば、日本としても、これに直接は無関係であるとみなすのは大きな間違いです。

日本の海上自衛隊なども、中国海軍にとっては、まだまだ手も足も出ない相手であり、軍事的に日本が負けることなど当面考えられませんが、それにしても、法整備がきちんなされていません。

もし、尖閣で中国の傍若無人な行動がエスカレートしても、日本としては、満足に武装もしていないような、海上保安庁の船が、中国側に向かって、自制を呼びかけるように促すことくらいしかできません。

こんなことでは、いずれ南シナ海での米国の中国に対する報復がエスカレートした場合、習政権は、中国の国内対策として、苦し紛れに尖閣上陸などの冒険に出るかもしれません。

そうならないためにも、中国の公船が日本の領海を侵犯したり、中国の航空機が日本の領空を侵犯した場合、国際プロトコルに従い、警告したり威嚇したりなどの手続きを踏んだ後でも、侵犯行為をやめない場合は、撃沈、撃墜ができるように、法整備をしておくべきです。

撃沈、撃墜などというと、そんなことをすれば、戦争になるなどと語る人もいるかもしれませんが、明らかな領空、領海侵犯をした場合、国際てきには侵犯したほうが非難されるし、それをもって戦争に理由にはならないし、実際それだけで、戦争になったということもありません。これは、侵犯された国の権利として、認められている当然の権利です。

だから、侵犯された場合は、最終的には撃沈、撃墜をするというのは当然のことです。それは、日本のように平和憲法を持つ国々でも当然の権利とされていることです。日本だけが、その例外ということはあり得ません。

憲法9条の隅から隅まで読んでみても、国際紛争のために武力を用いることは、はっきりと否定していますが、自衛ための戦争や武力に関しては、否定していません。実際、そのようなことは一言も書かれていませんこれは、憲法学者でも少数派の京都学派による解釈です。

京都学派の憲法解釈に従えば、尖閣付近で中国の公船が領海侵犯を繰り返したり、航空機が日本の領空を侵犯して、日本側の警告を無視した場合は、防衛戦争の一環として、これを撃沈、撃墜しても憲法違反などにはなりません。私は、この憲法解釈を支持するものです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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中国海軍、尖閣接近のウラ 米爆撃機の威嚇に習政権“苦肉の策”か ―【私の論評】日本と戦争になれば、自意識過剰中国海軍は半日で壊滅!東シナ海で傍若無人ぶりを働けば撃沈せよ(゚д゚)!

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沈むハリウッド、日米コンテンツ産業逆転の理由 ―【私の論評】ポリティカル・コレクトネスに蝕まれたハリウッド映画の衰退と日本のコンテンツ産業の躍進

沈むハリウッド、日米産業逆転の理由 ■ Forbs Japan日本編集部 まとめ 日本のコンテンツ産業、特にアニメが国際的に人気を博しており、非英語番組の需要が増加中。 米国のZ世代は日本のアニメを好み、動画配信やゲームの普及がブームを加速させている。 日本のコンテンツ全体が注目...