2021年5月9日日曜日

スペイン、非常事態を解除 対コロナ、国内移動自由に―【私の論評】感染者数はスペインよりも、日本のほうがはるかに少ないという事実をどうみるべきか(゚д゚)!

スペイン、非常事態を解除 対コロナ、国内移動自由に

スペインのビーチ

 スペイン政府は9日、新型コロナウイルス対策で昨年10月下旬に全土に再宣言した非常事態を約半年ぶりに解除した。流行は抑制傾向にあるが、各自治州間の移動が原則自由となることで、専門家は感染の再増加の恐れもあると指摘。規制は各州ばらばらとなり、一部は夜間外出禁止を継続する。 

 スペインでは昨年11月に流行「第2波」のピークがあった後、年末年始に一時的に移動規制を緩めたことなどで第2波を上回る「第3波」が到来した。公共放送によると、今月7日発表の1日当たり新規感染者は約8200人。感染状況には地域差も大きい。

【私の論評】感染者数はスペインよりも、日本のほうがはるかに少ないという事実をどうみるべきか(゚д゚)!

スペインでは、上の記事のように、今月7日発表の1日当たり新規感染者は約8200人だそうですが、日本は本日はね7,249人の感染者が出たそうです。1周間平均では、5,188人だそうです。これだと、日本とスペインの感染者数はあまり違いがないようにも思えます。


ここで、思考が止まってしまう人は、何かを見過ごしています。そうです、人口です、日本の人口は1億2千万人です。スペインの人口は何人なのでしょうか?


2019年の人口は、4694万人です。これは、日本の1/4です。そうであれば、今月7日発表の1日当たり新規感染者は約8200人という数字を日本と正確に比較するには、4倍しなければなりません。4倍すると、32,800人です。

これは、5月8日の感染者数7,249、7日間の平均5,128と比較しても格段に多いのです。にもかかわらず、スペインでは非常事態宣言を取り消し、日本では一部の地域が非常事態宣言をされているのです。

このように正確に海外と日本のコロナ感染状況を比較すれば、日本がさほどでないことはすぐにわかります。

マスコミは、このような正確な国際比較をしないばかりか、比較するにしても、今年のはじめと現在の比較という、誤解を招きやすい比較をしています。以下に大阪の感染者数の推移の約1年分を掲載します。


大阪では、昨年の5月28日(第一波)のときには、1782人の感染者が出ていました。最近は、かなり感染者が増えてきたように報道されていますが、その実数は今日で、1021人です。

昨年の5月のほうが、はるかに多いです。この傾向は、東京や他の地域でも似たりよったりです。マスコミは、このことをほとんど報道しないため、一年前をすっかり忘れている人も多いようです。

昨年の5月に医療崩壊の危機が起こりそうになり、その後第2波、第3波も起こったわけですから、大阪はなんとかこれに対処できなかったのでしょうか。

本来ならば、少なくとも昨年の第1波くらいの想定をして、病床や医療スタッフを増やすべきでした。無論すぐには増やせませんが、昨年の5月のような状況を想定しておけば、その後1年以上もの期間があったわけですから、準備できたはずです。

いや「お金がかかる」という人もいるかもしれませんが、政府は世界的にみても、かなりの財政支出をして、コロナの財政的な措置は世界的にみてトップクラスでした。

さらに、政府は地方自治体がコロナ対策のために、自由につかえる「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」を準備していました。これを使えば、時間的にも、経済的にも、今頃は十分に対応できたはずです。無論医療スタッフも準備できた可能性が大きいです。

にもかかわらず、この交付金は足りなくなることもなく、全部使われることもなく余っているというのですから、驚きです。

この交付金は、イカのモニュメント(写真下)で一時有名になりました。石川県能登町越坂(おっさか)の観光交流施設「イカの駅つくモール」で、町が制作した巨大なイカのモニュメントが完成しました。設置を巡っては財源に新型コロナウイルス感染症対策の国の地方創生臨時交付金約二千五百万円を充てることに疑問の声もありました。


その後、この町には、このモニュメントを見に来る人が増えたといいます。だから、それなりに効果はあったのかもしれません。私自身は、この町の状況については、良くは知りません。人口は1.8千人くらいです。

この町では、コロナ対策よりは、こうしたモニュメントを設置することのほうが、良いことなのかもしれません。

それはともかく、この交付金は先にも述べたように、各自治体がコロナ対策に自由に使えるというそうですから、無論この資金を用いてコロナ対策もできるのです。それが余っているというのですから、どういうことかといいたくなります。

これで、コロナ対策の不備をで政府を突き上げることには、かなり無理があると思います。何しろ、政府は直接各自治体のコロナ対策に関わっているわけではなく、その主体は、地方自治体なのです。これは、何も大阪だけにあてはまることではありません。全国の自治体、特に今頃医療崩壊の危機を言う自治体にあてはまることです。このような状態で、自衛隊などに支援を要請するのは全くの筋違いです。

高橋洋一氏は、以上のような状況をツイートしたり、様々な媒体で記事として書いたり、動画で配信していました。

これに対して、一部SNS等で批判が巻き起こっています。本当に他人や政府の足引っ張ることが快感で生き甲斐にしている層は、一定数存在しているようです。

特に、こういう人には中高年に多いようです。それは、最近まで社会的地位により周りが与太話でも拝聴してくれたからかもしれません。現状では、ネット民が『いいね』してくれるのでそれが生きる喜びになっているようです。

そうして、そういう中高年層には、『自分の意見』が『皆の意見』と思い込んでいる人も多いようです。自分たちが、特異な醜い少数派に過ぎないことを自覚していないようです。

晩節を汚すとは、まさにこのことです。自分は、こうはなりたくないです。


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2021年5月8日土曜日

池江璃花子“五輪辞退”求める声受け長文ツイート「選手個人に当てるのはとても苦しいです」―【私の論評】東京五輪開催は、コロナ後の世界の希望となる(゚д゚)!

池江璃花子“五輪辞退”求める声受け長文ツイート「選手個人に当てるのはとても苦しいです」

最近の池江璃花子さん

 競泳の東京五輪代表に内定した池江璃花子(20=ルネサンス)が7日、自身のツイッターを更新。新型コロナウイルス感染拡大の収束が見えない状況の中、自身のSNSに五輪出場辞退や五輪開催反対に賛同を求める声が寄せられていることについて、意見を述べた。

 池江は「いつも応援ありがとうございます」と書き出し、「Instagramのダイレクトメッセージ、Twitterのリプライに『辞退してほしい』『反対に声をあげてほしい』などのコメントが寄せられている事を知りました」と様々な意見がSNSに寄せられていることを明かした。

   そして「もちろん、私たちアスリートオリンピックに出るため、ずっと頑張ってきました」と前置きし、「ですが、今このコロナ禍でオリンピックの中止を求める声が多いことは仕方なく、当然の事だと思っています」と五輪中止を求める声に理解も。「私も、他の選手もきっとオリンピックがあってもなくても、決まったことは受け入れ、やるならもちろん全力で、ないなら次に向けて、頑張るだけだと思っています」とアスリートとして率直な気持ちを記した。

池江は2019年2月に白血病を公表。闘病生活を経て、20年8月に実戦復帰すると、今年4月の日本選手権では4冠を達成し、16年リオデジャネイロ五輪に続く2大会連続の五輪切符を手にした。五輪本番では、女子400メートルリレーと女子400メートルメドレーリレーに出場予定で、女子100メートル自由形など個人種目に出場する可能性もある。

闘病中の池江璃花子さん

  「1年延期されたオリンピックは私のような選手であれば、ラッキーでもあり、逆に絶望してしまう選手もいます。持病を持ってる私も、開催され無くても今、目の前にある重症化リスクに日々不安な生活も送っています」と自身も不安と隣り合わせの日々を送っていることを明かした池江。そして「私に反対の声を求めても、私は何も変えることができません。ただ今やるべき事を全うし、応援していただいてる方達の期待に応えたい一心で日々の練習をしています。オリンピックについて、良いメッセージもあれば、正直、今日は非常に心を痛めたメッセージもありました。この暗い世の中をいち早く変えたい、そんな気持ちは皆さんと同じように強く持っています。ですが、それを選手個人に当てるのはとても苦しいです」と思いを吐露した。
 
 そして「長くなってしまいましたが、わたしに限らず、頑張っている選手をどんな状況になっても暖かく見守っていてほしいなと思います」とつづり、5連続投稿による長文のメッセージを締めくくった。

【私の論評】東京五輪開催は、コロナ後の世界の希望となる(゚д゚)!

このブログでは、つい最近「オリンピックの政治利用は厳に慎むべき」という内容を掲載しました。なぜそのよう内容を掲載したかといえば、最近のマスコミはまるで、五輪中止が規定路線でもあるかのような報道していたからです。

現在東京オリンピック不参加を申し入れてきている国は、北朝鮮だけです。北朝鮮は、医療がかなり遅れていて、重症患者が出れば実質対応できません。この国が不参加を申し入れるのは当然のことです。

ただ、北朝鮮以外の多くの国々が、オリンピック不参加を申し入れてきているとか、多くの国々の選手が不参加表明をしているというのなら別ですが、そうではないのに、オリンピック開催中止を叫ぶのは、政治利用以外には考えられないからです。

以下に池江璃花子さんのツイートを掲載します。


池江璃花子選手に対する、「反対の声をあげてほしい」というツイートはこうした政治利用の流れから来ているのではないかと思います。無論、政治利用する主体が直接ツイートしているとは限りませんが、そうした流れに感化された人がツイートしているということは十分に考えられることと思います。

池江さんご本人に「五輪辞退を求める」といった趣旨の投稿をした人たちは、有名アスリートを自分の政治的要求の広告塔にしようとしたか、あるいは無意識にその流れに乗った時点で、見下げ果てた下衆の極みだと思います。

大病を患っても東京五輪を見据えて諦めずに努力してきた池江璃花子選手に五輪辞退しろだの反対しろだのと迫る連中には人面獣心という言葉を送りたいです。

五輪開催の有無について意見があれば決定権のあるIOCや、また開催国、開催都市である国や東京都に向けるべきです。最もやってはいけないのはアスリートにその矛先を向けることです。

発言切り取りで森喜朗氏を辞任させ、コロナワクチンで執拗に危機を煽り、五輪中止を執拗に迫り、池江璃花子選手にまで辞退を迫る人々が存在するのは、実に嘆かわしいことです。

最近では、人としての情や常識が欠如した勢力が仕掛ける#付きのツイデモ等の異常な“煽り運動”は珍しくもなくなりました。こういう流れに簡単に乗って、碌でもないことをしでかす人たちは、自分が政治利用されているという考えなど一つもないのかもしれません。早く気づいて欲しいものです。

都内で行われる東京オリンピック・パラリンピックのテスト大会は緊急事態宣言が延長される今月末までに7つの大会が予定されていて、大会組織委員会によりますと、いずれの大会も無観客で予定どおり実施するということです。

具体的には、新体操、陸上、パラ陸上、スケートボード、バスケットボールの3x3、自転車BMXフリースタイル、射撃の7つで、このうち、9日に国立競技場で行われる陸上のテスト大会は当初、観客を入れる計画でしたが、無観客とすることがすでに決まっています。

それ以外の6つの大会は、もともと観客を入れずに行われる計画で、組織委員会によりますと、いずれも感染対策を取ったうえで予定どおり実施するということです。

このブログにも掲載したように、先日は札幌で東京オリンピックのテストとしてハーフマラソンが実施されました。何の混乱もなく、実施されました。オリンピックに一歩近づいたといえます。

「札幌チャレンジハーフマラソン」の女子で、1時間8分28秒をマークして優勝した一山麻緒

都内で行われる東京オリンピック・パラリンビックのテスト大会が成功すれば、さらに一歩近づくわけです。

竹田恒泰氏は以下のようなツイートしています。
そうしてChamge.orgで署名活動を行っています。竹田氏は、Change.orgで以下のように語っています。
 昨年の1月や2月は、世界的な警戒状態にあったにもかかわらず、政府の対策が後手に回ったため、毎月200万人を越える外国人を受け入れ、しかも、その筆頭が、コロナの震源地である中国からの観光客でした。中国人観光客から多少の感染は見られましたが、その後も日本では米国、欧州、インドに見られるような規模の感染爆発は回避しました。これだけ対策が万全な状態で最大9万人程度の選手と関係者を短期間受け入れたところで、感染爆発が起きるとは到底考えられません。

 そもそも、東京五輪中止を要求する意見は、科学的根拠に基づいていません。むしろ、三蜜を避けることで、クラスターを回避できることは科学的根拠により明らかになっていることです。テニスやゴルフなどは、コロナ禍でも世界大会が開催されています。必要な対策を講じれば東京五輪も開催可能なのです。

こうも述べています。

 東京五輪が開催されれば、きっと多くの日本人の心に乗る名場面が生まれることでしょう。ひきこもり生活が長引き、多くの日本人が疲れを感じています。自殺者数が高止まりしていることも見過ごすことはできません。ともすれば、芸術やスポーツは「不要不急」でくくられてしまいがちですが、テレビを通じた東京五輪の観戦は、多くの日本人に希望と勇気を与えるでしょう。それは、必ず、コロナ禍を乗り切る一助になるはずです。そしてそれは、日本だけでなく、東京五輪を楽しみにしている世界中の人々にとっても同じことなのです。

私も、そう思います。昨年の1月や2月は、世界的な警戒状態にあったにもかかわらず、毎月200万人を越える外国人を受け入れてしまったことは、確かに政府の不手際でした。このときに、速やかに外国人をシャットアウトしていれば、現在の日本の感染状況は台湾並になったと考えられます。

ちなみに、台湾は自ら早めにシャットアウトしたということと、一昨年の8月から、中国が中国人の台湾旅行を禁じたという幸運も重なっています。これは、意外と知られていません。

しかし、その後の感染状況を他国と比較すると、日本は桁違いに少ないですし、死者数もかなり少ないです。

このブログに過去にも掲載しましたが、今回の第4波も他国との比較においては、さざなみ程度です。

そのような中で、五輪中止を規定事実であるかのように語るのは間違いだと思います。ましてや、アスリートに個人攻撃するなど考えられません。このような方々は、マスコミなどのコロナ禍報道などで煽られて、脅威を抱いているのでしょう。

しかし、一時の感情や脅威で、何事にもネガティブに対応するようになってしまえば、それは長く尾を引くことになりかねません。

私自身は、コロナ禍の収束は目前にせまっており、昨日も述べたように、今回の新型コロナウイルスによる病も、既存のコロナウイルスによる風邪症状に近いものになる可能性も大きいです。そうして、五輪開催で、日本の閉塞感に満ちた現状が大きく変わると期待しています。

そうして、これは世界中の人々を勇気づけることになるでしょう。

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2021年5月7日金曜日

「東京五輪中止を」22万筆超 コロナ下開催に不安の声―オンライン署名で―【私の論評】現時点での五輪中止の動きは、五輪の政治利用、厳に慎むべき(゚д゚)!

「東京五輪中止を」22万筆超 コロナ下開催に不安の声―オンライン署名で


 東京五輪・パラリンピックの開催中止を求めるオンライン署名が、7日午後7時時点で22万筆超集まった。呼び掛けたのは元日弁連会長の宇都宮健児氏(74)。新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからないままの大会実施は「『平和の祭典』であるはずの五輪の理念から大いに逸脱する」などと訴えている。

「安心な態勢づくり重要」 五輪中止のネット署名―小池都知事

 署名集めはネット署名サイト「Change.org(チェンジ・ドット・オーグ)」で5日正午に開始。運営団体によると、2012年の日本語版開始以来、最速のペースで賛同者数が伸びているという。

 宇都宮氏は、不足する医療資源を五輪に割くことは「コロナ禍で疲弊している医療従事者をさらに苦しめ、住民や参加者の命と暮らしを危険にさらすことになる」と指摘。五輪を中止して感染拡大を防ぎ、人々の命と暮らしを守るべきだと訴えている。

 賛同者からは「オリンピックより命のほうが大事」「アスリートの気持ちを思うとやりきれない。けれど、(開催予定の)7月になっても、何かが改善するとは到底思えない」といったコメントが寄せられている。

 宛先は国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長や菅義偉首相、東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長らで、英語での署名ページも開設した。

 宇都宮氏は取材に、「国民が歓迎する五輪になるのかを国や東京都、組織委は真剣に議論すべきだ」と述べた。

【私の論評】現時点での五輪中止の動きは、五輪の政治利用、厳に慎むべき(゚д゚)!

欧米から見れば日本のコロナ禍は、さざ波の中といえるものです、これについては、以前のこのブログにも掲載しましたが、これに関する現時点での最新情報は、以下の高橋洋一氏の記事を参照していただきたいです。
日本は本当にコロナ封じ込め「失敗国」なのか?データから「客観的事実」をお伝えしよう
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、高橋洋一氏はこの記事で、以下のような結論を示しています。

こうしてみると、世界の中では、日本は新型コロナ対策と経済の両立をもっとも上手くやっている国であるといえるだろう。

ちなみに、経済パフォーマンスがいいことは、失業率の動向にも表れている。昨年1月と今年3月の1年間の失業率の推移をみると、日本は世界の中でも失業率上昇の少なさはトップクラスだ。

 テレビワイドショーではでてこない世界のデータで見ると、世界の優等生である。

確かにに、テレビのワイドショーでは、随分前から、ほとんど、他国のコロナ感染情報や経済などの国際的な比較データなど公開しません。ひたすら、日本国内の1周間前がどうだとか、せいぜい数ヶ月前との比較を報道しています。本来は、国際比較データを出すべきです。

しかし、それをしてしまうと、日本のコロナ対策も経済対策も非常に優秀であることが、わかってしまうので、そうなるとあまり危機を煽ることもできないし、コロナ、ワクチン、オリンピックで、政府を批判して、あわよくば倒閣に結びつけようとという試みも成就できないからでしょう。

そうして、言っていることが、昨年の今頃と代わり映えせず、何も新しいものがないので、見ていると疲労感を感じます。もう、なんらかの形で変えないと、テレビだけが情報源の中高年層以外の誰も見なくなると思います。

そうした中で東京オリンピックの開催は、①日本が数千億円の違約金を払って中止、②無観客を最低ラインで実施の二択の状況です。

まともに考えれば、合理的には②なので、①は政治利用だといえます。もう一択加えても良いかもしれません。①のオンライン署名をした人が一人数百万円負担するというのはいかがですか。無論きつい冗談ですが・・・・・。

欧州連合(EU)欧州委員会は新型コロナウイルスワクチンについて、3日までに45カ国・地域向けに約1億7800万回分の輸出を承認しました。欧州委が6日の記者会見で発表しました。日本向けが約7200万回分で全体の4割超を占める最大の輸出先です。2位は英国で約1850万回分、3位はカナダで約1840万回分です。

もともとさざなみ程度の、日本のコロナ禍ですが、ワクチン接種が軌道にのれば、さらに感染者は少なくなります。この状況であれば、日本のほうから五輪開催を中止すれば、世界中から奇異の目でみられることになりそうです。

やはり五輪開催を中止するとすれば、IOCからの申し出や、世界中の他の国々から中止の申し出があった場合にそうするべきでしょう。

COVIDに関しては、日本のマスコミは感染者数ばかり強調し、最近わかってきたその症状などを客観的に報道することはありません。そのため、結果として不安を煽るだけになっています。最近わかってきたことを以下に掲載します。

COVID-19 による症状は、人によって異なりますが、ほとんどの感染者では軽度から中等度の症状であり、入院せずに回復します。


以下に、COVID-19の具体的症状を掲載します。

最もよくある症状:
発熱
空咳
倦怠感
時折みられる症状:
痛み
喉の痛み
下痢
結膜炎
頭痛
味覚または嗅覚の消失
皮膚の発疹、または手足の指の変色
重篤な症状:
呼吸が苦しいまたは息切れ
胸の痛みまたは圧迫感
言語障害または運動機能の喪失
症状が重篤な場合は、直ちに治療を受けるべきです。 かかりつけ医師または医療機関にかかる前に必ず事前に電話で連絡をとって下さい。

症状が軽度であり、他に疾病がない人は、自宅療養を行う必要があります。

ウイルスに感染してから症状が現れるまでの期間は平均 5~6 日ですが、長い場合は 14 日程度までかかることもあります。

以上のようなことを、本当はテレビなどのマスコミはもっと伝えるべきです。それと、これからのコロナ感染そのものがどうなるのかもマスコミは伝えずいたずらに国民の不安をさらに煽っています。

以下にこれから、コロナ感染がどうなっていくと考えられるかを確かな筋から入手した内容を掲載します。

現時点で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する残念なニュースがあるのは事実です。今後も長い間、新型コロナウイルスがいなくなる可能性は低いとする分析結果を、米エモリー大学などの研究グループが発表しています。

一方、良いニュースもあります。同グループの分析では、今後ウイルスがいなくなることはないが、感染しても入院や死に至ることはまれで、煩わしさや不快感をもたらすだけの軽い病気になる可能性が高いことも分かったというのです。詳細は、「Science」に1月12日掲載されました。

この分析結果は、一般的な風邪の原因ウイルスである4種類のヒトコロナウイルスが辿った疫学的パターンに基づき得られたものです。これらのウイルスはいずれも、すでに長期間、世の中に残り続けており、普段から継続的に罹患する人がいる「エンデミック」の状態にあります。

エンデミックの段階では、ほとんどの人が小児期にウイルスに感染して免疫を獲得し、成人期には重症化リスクから守られるといいます。

現在でも、実はコロナウイルスが風邪症状の10~15%を占めているといわれていますが、そのほとんど重症化しません。

研究論文の筆頭著者である、同大学生物学部のJennie Lavine氏は、「成人の風邪の約15%は、これらのエンデミックの状態にあるヒトコロナウイルスによるものだ。ヒトコロナウイルスに感染しても、大多数の人ではよくある風邪の症状、つまり上気道感染の症状が生じるだけだ」と説明しています。ただし、低年齢児や高齢者など一部の人では、まれに重症化することもあるといいます。

Jennie Lavine氏

研究グループは今回、これら4種類のヒトコロナウイルスと同様、ほとんどの人が小児期に新型コロナウイルスに曝露した場合に、将来的に予測される状況をモデル化しました。

その結果、COVID-19がエンデミックの状態に達すれば、感染者致死率は季節性インフルエンザと同程度(0.1%)にまで下がり、最終的にはヒトコロナウイルスを原因とする風邪と同じようなものになる可能性が高いと予測されました。

ただし、それがいつになるのかに関しては、1年とする見方がある一方で、10年はかかるとする見方もあり、現時点では予測困難だとしています。

また、新型コロナウイルスが、いずれは軽症の風邪の症状をもたらすだけになるというこのシナリオは、小児や若者のほとんどは感染しても軽症、あるいは無症候であることを前提としたものです。

それゆえ、今後、このウイルスに感染した小児でも重い症状が現れるようになった場合には、「長期的なシナリオは暗いものになる」とLavine氏は言います。ただし、この論文が公表されてから現在まで、小児の重症化例は少ないです。そうして、日本で最近何かと話題の変異株ですが、小児の感染リスクは従来型と変わらずという、報告をしています。

Lavine氏は、今後COVID-19が辿る経過を左右し得る複数の要素を挙げています。その一つは、この先の新型コロナウイルスが広がるスピードです。また、今後、数カ月間にどれだけの人がワクチンを接種できるかも関わってくるといいます。

さらにLavine氏は、強力かつ持続的な免疫を獲得するために必要な感染者数とワクチン接種者数は現時点では不明だと話っています。そのほか、自然感染あるいはワクチン接種でウイルスの伝播をどの程度封じ込めることができるのか、これらによって感染後の重症化リスクをどの程度の期間、低減できるのかも解明されていないとしています。

ただ、エンデミックの段階に至る道のりに、人々が影響を与えることは可能だといいます。「例えば、ワクチンの接種が広がるまでの間、できる限り感染率を低く抑え、死亡者を減らすとともに医療崩壊が生じないようにする、また、重症化リスクが高い人を中心にワクチンを接種する、といった対策が今後を左右する」とLavine氏は話しています。(HealthDay News 2021年1月14日より)

これから、ワクチンの接種が本格化することと、新コロナ感染症が将来現在の風邪のようになる可能性が大きいことなど、コロナに関しては、明るい話題もあります。

ここで、日本がなんとか踏みとどまって五輪を開催すれば、世界にとっても明るい希望となるのではないかと思います。

世界の多くの国々から中止を要請されているというのなら別ですが、現時点での日本国内での五輪中止の動きは、五輪の政治利用に過ぎません、厳に慎むべきです。


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2021年5月6日木曜日

台湾が日米首脳会談へ示した期待と懸念―【私の論評】台湾は元々反中、日台は協力して「赤狩り」時代の到来に対処せよ(゚д゚)!

台湾が日米首脳会談へ示した期待と懸念

岡崎研究所

 4月16日の日米首脳会談の共同声明について、台湾の蔡英文総統は歓迎と感謝の気持ちを述べつつ、「民主主義や人権などの価値を共有する台湾は、平和で繁栄したインド太平洋を作り上げるため、われわれのパートナーたちと一緒に取り組んでいきたい」と述べ、「日米両首脳が台湾海峡の平和と安定の重要性を改めて確認したことを評価する」と述べた。


 これに関して、4月18日付の台湾の英字紙Taipei Timesは、台湾海峡の平和と安定へのコミットメントを強調した日米共同声明を歓迎する解説記事とともに、尖閣諸島に関する台湾独自の立場や福島第一原発の処理水の海洋放出といった懸念もあるとする社説を掲載している。

 台湾の総統府報道官は、今回の日米首脳会談が「インド太平洋地域の平和と安定に役立つ」と歓迎の意を示しつつ、その上で、台湾海峡問題がすでに両岸(台湾と中国)の範囲を超え、世界の関心を集めているとの認識を示し、「北京当局が地域の一員としての責任を果たし、プラスの貢献をする」ことに期待を寄せた。台湾外交部は、台湾は中国の防衛ライン「第一列 島線」(九州―沖縄―台湾―フィリピン)の中枢に位置しており、地域の安定と繁栄の鍵となる役割を担い続けていると指摘している。自由で民主主義的な制度を持ち、2300万人の人口を擁する台湾は、すでに主権の確立した独立国家である、というのが蔡英文政権(民進党)の立場である。ただし、それを強調することによって中国をいたずらに挑発することなく、対話を通じ平和的に現状を維持したいとの方針を堅持している。今回の日米首脳会談の共同声明が、台湾海峡の平和と安定の重要性を強調するとともに、中台間で平和的に台湾問題を解決するよう促したことを高く評価したのも理解できる。これに対し、中国は「一つの中国」の原則に基づき、外交、軍事、経済など諸方面において台湾を威圧・併合しようと腐心している。

 最近、岸信夫防衛大臣が、沖縄県与那国島を訪問し、日本の最西端に位置する同島で、駐屯する自衛隊の陸、海、空の隊員たちを視察したことをTaipei Timesはとりあげている。この論評は、「台湾有事」が「日本有事」に直結していることを含意しているのだろう。同論評は、同時に、台北にある日本駐台湾代表(大使に相当)の住む公邸に今年初めから、日本の国旗が掲揚されていることを記述 している。北京からの圧力に抗した形で、日台関係が進展していることを記述するものである。 

 Taipei Timesの社説が尖閣諸島について述べている点は、台湾当局の旧来の立場である。尖閣諸島の領有権の問題については、台湾側としては、尖閣諸島が自らの領土であるとの立場を崩していない。2013年に日台間で漁業取り決めが円満に結ばれてからは、尖閣諸島が日台間で政治・外交上の問題となることはほぼなくなったが、台湾の旧来の主張は変わっていないというのが本社説の言わんとするところである。日台関係を考える際に、潜在的問題点として日本側としても念頭に入れておく必要がある。 なお、蔡英文(民進党)政権は本件を日本側との間で取り上げることによって問題を表面化させたくないとの立場をとっているように見えるが、国民党の立場は必ずしもそうではないという点にも注意が必要だろう。

【私の論評】台湾は元々反中、日台は協力して「赤狩り」時代の到来に対処せよ(゚д゚)!

昨年7月3日夜、台湾の野党、中国国民党の地方議員ら十数人が、沖縄県石垣市議会が尖閣諸島の住所地表記を変更する議案を可決したことに抗議し、北東部・宜蘭(ぎらん)県の漁港で漁船に乗り込み尖閣に向かおうとしました。ところが、出発直前、海洋委員会海巡署(海上保安庁に相当)に船員証の不所持などを理由に阻止されました。

台湾・宜蘭 外澳ビーチ

尖閣諸島の領有権を主張する台湾では、石垣市が昨年6月下旬、同諸島の住所地に「尖閣」を明記すると決めたことで波紋が広がりました。国民党は、謝長廷(しゃ・ちょうてい)駐日代表(大使)の召還を求めるなど強硬姿勢を示しました。

一方、与党の民主進歩党は冷静に対応しています。蔡英文総統は「一方的な行為の停止を望む」と口頭で日本側に抗議しましたが、総統府の報道官は「大陸(中国)公船による関連海域での長期の活動が今回の波風を引き起こした」と語り、中国にも非があるとの見方を示しました。

宜蘭の漁民の間では従来、尖閣周辺は日本統治時代からの伝統的な漁場という理由から対日強硬姿勢への支持が多かったのですが、2013年の日台漁業取り決めの締結で漁業権が確保され、抗議活動に参加する人は激減したといいます。

昨年なくなった李登輝元総統

尖閣をめぐっては、戦前から台湾で暮らす「本省人」と第二次大戦後、中国大陸から渡ってきた「外省人」との間で温度差があります。本省人の李登輝元総統は、退任後に「尖閣は日本の領土だ」と主張しました。

同じく本省人の呂秀蓮(ろ・しゅうれん)元副総統も「この問題で日本ともめるべきでない」と強調しました。中国からの脅威に対抗するため、尖閣の領有権の主張を棚上げにして、日本と良好な関係を築きたいという考えです。

昨年1月の総統選で蔡氏が再選された後、外省人系の支持が多い国民党の影響力は急速に低下しています。李氏や呂氏の考えが今後、台湾で広がることを期待したいところです。

台湾では、対中強硬路線を持つ与党・民主進歩党(民進党)と親中派で最大野党の国民党という二大政党が戦ってきくした。世界が急激に変わるなか、台湾のこの政治構図が奇異でさえありました。

今年1月の台湾総統選で、国民党の公認候補として出馬し、現職の蔡英文総統に大敗した韓国瑜・高雄市長は後日、リコール(罷免)投票で職を追われました。反中に大きく傾いた台湾国内の民意に答えられずに、国民党は大やけどをしました。

中国共産党に中国大陸から追い出された国民党はなぜ、親中なのか、多くの人は理解に苦しむところだと思います。

戦後の国共内戦で毛沢東率いる中国共産党に敗れて1949年に台湾へ移った蒋介石は反共でした。当時の国民党は、中国共産党を匪賊扱いで「共匪」と呼んで、大陸反攻を国是とする反共政党でした。

大陸反攻を国是としたのも、台湾はあくまでも仮住まいでいずれ中国大陸を奪還し、正統政権として全土支配する意志があったからだ。蒋経国総統時代になっても、中国共産党とは「接触しない、交渉しない、妥協しない」という「三不政策」が基本方針でした。

変化が生じ始めたのは80年代後半でした。台湾と大陸の通商・経済交流が徐々に拡大していきました。国民党と共産党のイデオロギーにおける本質的な相違を棚上げして経済的利益を先行させました。その結果、経済の中国依存が進み、中国大陸をなくして台湾は生きて行けない段階にまで至ったのです。

ただ問題は、「中国依存」の恩恵が広く全国民に行き渡らなかったことです。中国共産党政権の「統一戦線」は決して、相手国の一般国民を対象にしているわけではありません。政財界のいわゆるキーパーソンを味方につける手法が取られるため、結果的に一部の特権階層が利益を手にしただけで、全体的国益が軽視・無視されてきたのです゜。

トランプ政権下では、「ドレイン・ザ・スワンプ」という標語が打ち出されました。「スワンプ」とは、悪臭を放つ沼のことです。

腐敗した穢い黄濁な泥水が溜まっている。その中に蛭やトカゲや毒蛇がうじゃうじゃにょろにょろと這い回って棲息しています。そこで排水溝やバキュームカーのような排水設備(ドレイン)を用いて汚水を抜き取り、排出させることです。


そうすると、いよいよ穢い沼底に棲息していた蛭やトカゲや毒蛇が姿を現し、これらを太陽の日差しに当てて天日干しにして日光消毒を行い、すべて殺してしまうということです。

泥沼の傍で、トランプがバキュームカーで泥水を抜き取っているという政治風刺画があります。チャイナマネーによって汚染されたワシントンやウォール街の既得権益層にトランプがターゲットを絞ったのです。

皮肉にも、自由民主主義国家の政財界が社会主義独裁国家によって汚染されたのです。それは社会主義や共産主義に赤化されるのではなく、資本主義制度下で増殖・変異した「唯物的」な拝金主義ウイルスが巧妙に利用されたのです。

このメカニズムは長きにわたりグローバリゼーションという大義名分の下で温存されてきました。誰もが気付かなかったし、気付こうとしなかったのです。いや、気付いても口に出して言えなかったのです。

米国では、バイデンが大統領になってからは、このキャンペーンは下火になっているようですが、台湾では、逆にこの機運が高まっています。そこで、親中本家の国民党はこのままいけば、政権奪取が夢のまた夢だけでなく、そのうち泥水を抜き取られた沼底から蛭やトカゲが姿を現し、「赤狩り」に遭遇したところで、党が沈没しかねません。

そうした危機感に駆られて、この際、思い切って親共から反共へと180度の方向転換しようと決心したようです。

とはいいながら、国民党内は決して一枚岩ではありません。既得権益層がおとなしくこの大転換についていけるのでしょうか。ぶつぶつ文句を言いながらも、いざ議決になれば、賛成票を投じざるを得なかったようです。

そうして、『米台国交回復を推進する』『中国共産党に対抗するよう米国の援助を求める』という2本の決議案が全会一致で可決されたことにより、まさに台湾では「ドレイン・ザ・スワンプ」キャンペーン、つまり「赤狩り」時代の到来がきたといえます。

このような潮流の中では、尖閣問題が日台間の大きな問題になることは考えられないです。2013年に日台間で漁業取り決めを粛々と実施すれば良いだけです。そのようなことよりも、中国漁船の違法操業を両国で厳しく取り締まるべきです。

国民党にとってはすべて悪い話ではありません。なんといっても台湾に中華民国を移し、根を下ろしたときからの本流与党であり、豊富な「人」「財」の資源をもっています。基本的な立場を「反中国共産党」に切り替えたところで、むしろ重荷を下ろしての原点回帰といえます。そうすれば、民進党との戦いを本格化させ、政権奪還に挑むこともできます。

そうして、米台国交回復は決して机上の空論ではなくなったようです。トランプは本気でこれを検討していたようです。米台国交が回復すれば、習近平の中国共産党政権が発狂することになります。

ただし、バイデン政権は、そこまでは考えてはいないようですが、それにしてもバイデン政権ですら、現状変更は絶対に許さないという姿勢で中国に対峙しています。それに、米国がまた政権交代して、再び共和党政権になった場合、米台国交回復が再び検討される可能性は大きいです。

様々なシナリオが描かれるなか、世界中で「反中国共産党」の潮流が勢いを増し、その先に中国共産党政権の崩壊・交替があるかもしれないです。そうなれば、蒋介石が夢見ていた「大陸反攻」が単なる夢ではなくなり、実現する可能性も出てきます。

無論蒋介石の夢がそのまま実現するということはないでしょうが、いざ大陸に民主主義の政体ができた時点で、国民党が民主主義国家運営のノウハウや豊富な党内人材を生かせば、与党としての貫禄を世界中に見せつけるという可能性もでてきます。

このように見方を変えれば、国民党は、目先の利益よりも長期的利益に着目し、より大きなビジョンを掲げることができます。李登輝元総統は、「反攻大陸」のスローガンを下ろしたものの、台湾の民主化を推進した国民党の政治家であり、蒋介石を補佐していたことを思い起こすべきです。

そうして、蔡英文率いる民主進歩党も、紛れもなく、民主化の産物なのです。国民党がまともになれば、台湾にまともな二大政党制が根付くことになるかもしれません。そうなれば、米国の二大政党制よりまともなそれが、台湾に出来あがることになるかもしれません。

実は日本も同じような状況に置かれています。中国共産党に取り込まれて商売上の利益を得てきた既得権益層には、その利益が白であれ、グレーであれ、あるいは黒であれ、いよいよリセットする時がやってきたようです。

少なくとも現時点では、米国の昨年のビューリサーチセンターの調査でも明らかになったように、86%の国民が中国に対して否定的な感情を抱いています。

あからさまに親中・媚中的な発言や、行動をすれば、多くの国民からバッシングされるようになってきました。日本も原点に立ち返り、日本国家の長期的利益を見据えて、台湾とも連携しながら、新たな一歩を踏み出すべきです。

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2021年5月5日水曜日

東京五輪へ札幌でハーフマラソン大会 女子は一山選手が優勝―【私の論評】「世論」で五輪不開催を決めることは避けるべき!瞬間的な「感情」で決められる軽い問題ではない(゚д゚)!

東京五輪へ札幌でハーフマラソン大会 女子は一山選手が優勝

東京オリンピックのマラソンのテスト大会となるハーフマラソンが5日、札幌市で行われ、女子では代表に内定している一山麻緒選手が自己ベストとなる1時間8分28秒のタイムで優勝しました。

テスト大会は本番と同じコースで行われ、マラソンの代表に内定している男女6人の選手のうち男子の服部勇馬選手、女子の前田穂南選手、鈴木亜由子選手、一山選手の4人が出場しました。


大会は新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、沿道での観戦を控えるようレース前から主要駅や沿道で呼びかけが行われるなどの対策がとられ、本番を想定した感染予防策や警備など運営面の確認が行われました。

女子のレースは代表に内定している一山選手と鈴木選手、補欠となっている松田瑞生選手の3人がスタート直後からトップを併走し、終盤に鈴木選手が遅れる中、一山選手が松田選手を突き放して自己ベストとなる1時間8分28秒のタイムで優勝しました。

2位は松田選手でこちらも1時間8分32秒の自己ベストの走りでした。
鈴木選手が1時間8分53秒で3位、前田選手は1時間10分50秒で5位でした。
一方、男子の服部選手は順位やタイムよりもコースを確認することを重視して大会に臨み、自ら設定したペースより速いペースの1時間2分59秒でフィニッシュし24位でした。
男子の優勝はケニアのヒラリー・キプコエチ選手でタイムは1時間46秒でした。

【一山選手“走りやすかった”】
女子で自己ベストをマークし優勝した一山麻緒選手は「ほっとしています。苦しい場面もありましたが、風も押してくれましたし、走りやすかったです」とオリンピック本番のコースを走ったレースを振り返りました。
その上で開幕まで79日となった東京オリンピックに向けては「まだ万全な状態まで持ってこれていないので、残り3ヶ月で状態を少しずつ上げていって本番ではみなさんの前で私らしい元気な走りをしたいです」と意気込んでいました。

「札幌チャレンジハーフマラソン」の女子で、1時間8分28秒をマークして優勝した一山麻緒

【鈴木選手“現状の力確認できた”】
けがからの復帰レースを3位で終えた鈴木亜由子選手は「オリンピックの実際のコースを走ってみて、細かなアップダウンや現状の力を確認できた」と冷静に振り返りました。
その上で3か月後に迫った本番のレースに向けて「しっかりとスピードと持久力を養えるように今できることに集中して、いい状態でスタートラインに立てるよう頑張りたい」と意気込んでいました。

【前田選手“ポイントつかみながら走った”】
前田穂南選手は「思った以上に曲がり角が多く、位置どりなどのポイントをつかみながら走りました。オリンピックでも重要になってくると思うので、いいレースになったと思います」と振り返りました。
その上でオリンピックに向けては「きょうのレースでイメージを作り、あと残り3ヶ月で強化していきたい」と話していました。

【服部選手“よいレース運びに”】
男子で代表に内定している3人の選手のうち唯一、テスト大会を走った服部勇馬選手は「風が強かったが、しっかりペースを維持することができた。レースの流れに乗りながら、よいレース運びができたと思う」と本番のコースを走ったレースを振り返りました。
その上で「レースという形で走ることができ本当に自信になった。本番に向けてしっかり準備していきたい」と3か月後の本番に向け意気込んでいました。

【橋本組織委会長“安全安心を立証”】
テスト大会の視察に訪れた東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長は「大会がより安全、安心だということを立証してもらった。札幌市や北海道の皆様には非常にご迷惑をおかけしたが、今回の開催が非常に意義があったと言ってもらえるような大会になったと思う」と評価しました。
その上で「オリンピックの機運を高めるためには新型コロナウイルスの対策をしっかりやらないと安心感を得られない。国や北海道、札幌市などの関係者とコロナの感染を抑え込んで、安心と安全を実感してもらったなかで8月の本番を迎えたい」と話していました。

【運営責任者“沿道で感染対策理解”】
札幌市で行われたオリンピックのマラソンのテスト大会について大会の運営責任者が会見し、沿道の観客数を少なく抑えられたことを成果としてあげ感染対策を理解して沿道での応援を控えた人たちに感謝の意を示しました。
テスト大会ではオリンピックの代表に内定しているトップ選手も出場して本番のコースでハーフマラソンが行われ、選手への給水やコースの安全対策など運営のテストに加え感染対策の確認などが行われました。
大会のあと運営を取りしきった組織委員会大会運営局の森泰夫次長が会見を行い、大きなトラブルはなかったとした上で、今回の成果として沿道での感染対策をあげ、「非常に少ない観客で実施できたと感じている。みなさまのご理解によるもので、感謝しかありません」と述べました。

その上で、「どういうポイントが多くなるのかわかったので、そういうところはあらかじめ周知を強くうながすのか、ハード的に対応できるのか、検討していきたい」と改善を加える考えを示しました。

また、今回は参加した選手の感染対策として給水所に体を冷やすスポンジは置かれませんでしたが、レースに参加した代表の服部勇馬選手から「きょうのコンディションでは必要ないが、夏場は必要だと思う。暑さ対策は自分でも用意するが、スポンジと氷はMGCの時も用意されていたので、大会側で用意してもらいたい」という意見が寄せられました。

これに対し森次長は「選手からの貴重な意見だ。暑熱対策をどういうもので行っていくか、コロナの対応の中で決定していきたい」と述べ、感染対策と安全なレースに必要な対策とをどう両立させていけるか検討していく方針です。

また、外部との接触を極力制限した海外選手の感染対策について、「選手にある程度、ストレス与えていると認識しているが、選手もある意味容認し、『レースができてよかった』というコメントをいただいた。その点はよかった」と振り返りました。

その上で、感染防止に必要なルールをまとめた「プレーブック」の内容の周知徹底が課題だという認識を示しました。

【世界陸連会長“運営力示した”】
テスト大会には、2012年のロンドン大会で組織委員会の会長を務めた世界陸連のセバスチャン・コー会長が視察に訪れました。
コー会長は大会のあと会見し、「オリンピックにとってテスト大会を繰り返すことが大事だというのは、ロンドン大会の組織委員会の会長として身にしみてわかっている。きょう、札幌と北海道が最高レベルの大会を運営する力があるということをまさに示した」と評価しました。
また、海外選手が外部との接触を極力減らしたことなど新型コロナの感染対策については、「厳しい条件で選手のみなさんも参加してくれた。この状態の中で最高の成功を収めるためには受け入れなければならない条件だと理解していると思う。私たちは競技の責任だけでなく、地域社会に対しても責任を持っている」と述べました。
一方、議論が続いているオリンピックの観客の規模については、「選手にとってはオリンピックが開催されることが重要で、観客を入れるか入れないかは組織委や関係者がウイルスの状況を見て判断すると思う。選手が観客を入れてほしいと思うのは当然だが、もしそれが無理であっても大会はすばらしいものになる」と自身の考えを示しました。

【私の論評】東京五輪開催中止を当然とするのは、現時点では感情論!科学的・理論的な対応をすべき(゚д゚)!

私は、このハーフマラソン、テレビで観戦しました。自分の見慣れた街でのマラソンは、やはり素晴らしいです。

いくら、選手の数が制限されたとか、観戦もできない状況で行われたとはいえ、この大会、さしたる混乱もなく終了しました。これにより、東京五輪開催に一歩近づいたといえると思います。

それにしても、最近では「東京五輪開催中止」は、マスコミなどではあたかも規定事実の語られています。そうして、「東京五輪開催」そのものが暴挙のように語る人も多いです。


確かに、日本と世界のスポーツ界が、完全に動きを止めているなら、オリンピック開催はありえない暴挙かもしれないです。しかし、昨年の初夏以降、多くのスポーツが少しずつ活動や大会開催を再開しています。昨年秋以降は国際大会も活発に行われています。

そうして、札幌のハーフマラソンも、開催され、混乱もなく終了しました。

プロ野球は昨年6月に遅れて開幕し、日本シリーズまで実施しました。今年も開幕されています。Jリーグも中断したのですが再開しシーズンを終えました。体操は海外からトップ選手を招いて国際親善大会も実施しました。このように、コロナ禍の中でどうすればスポーツが安全に実施できるかの模索が続き、一部でクラスターも発生しましたが、大会を遂行できる安全性は一般的に認められています。

にも関わらず、「オリンピックはダメだ」と強硬に主張するのは、感情的すぎではないでしょうか。

確かに、「オリンピックは感動的でいいよね」という漠然とした世論で招致の支持を広め、スポーツやオリンピックの意義について国民が深い意識や価値観を共有するプロセスをほとんど取らずに来た面は否めません。そのため、コロナ禍になれば「スポーツどころじゃない」と叫ぶ世論が高まってしまっているようです。しかし、スポーツはそんな「どうでもいい活動」なのでしょうか。

私はそうは思いません。なぜなら、オリンピックの開催が、「重要なコロナ対策の一環にできる」と思うからです。

いまのところ、コロナ対策とオリンピックは正反対を向いているように理解されています。「コロナ禍に対応すべきなのに、オリンピックなどやる気か!」といったフレーズがそれを表しているようです。

そうではありません。オリンピック開催を模索し、スポーツを安全に推進する環境づくりを目指すことが、コロナ禍への具体的な対策の発見や開発にもつながります。それが、今後のオリンピック開催にも、おおいに参考になります。人類はこれからも、様々な感染症と戦うこになる可能性は大です。

その度にオリンピックを開催東京オリンピックを開催することをやめるのか、あるいは開催を可能にするノウハウを積み上げていくのか、現在はその分岐点にあるといえると思います。

そのことをもっと多くの人が理解し、着目してほしいです。

スポーツは言うまでもなく、最先端の人間科学の分野です。米国のNASAのアポロ計画が、宇宙を目指した副産物として日常生活に応用できる無数の新素材や技術を生み出したことはよく知られています。

スポーツも同様に、コロナ禍にあって、これを乗り越える手がかりを得るためのチャレンジができる領域です。そこにこそ、スポーツの社会的意義のひとつがあるといえるでしょう。

「スポーツをすればコロナにかからない」とまでは言いません。ところが、心身の基本的な健康と活力を育み、免疫力を高める効果がスポーツにあることは証明されています。ステイホームが求められ、「コロナ鬱」といった新しい苦悩が生まれている中で、スポーツの果たす役割は大きいはずです。スポーツを止めてはいけないです。無論どのような方法なら許されるのかという試行錯誤は必要です。

ただ、頭ごなしに「オリンピック中止」を叫ぶのでなく、上に挙げたように、スポーツがコロナ禍に貢献できる可能性も含め、アイデアを出し合い、不安の種をひとつひとつ消していく努力が先になされるべきと考えます。

五輪を開催する意義は他にもあります、無論五輪を目標に血のにじむような研さんを積んできたアスリートのためです。東京五輪開催に反対でも、池江璃花子選手が白血病から奇跡的に復活し、五輪代表権を獲得したことに、拍手を送った人は多いでしょう 。

また、それは我々のためでもあるのです。大坂なおみ選手、松山英樹選手、大谷翔平選手らの活躍に我々がどれだけ励まされているかを考えるべきです。アスリートの活躍の場を確保することこそが、コロナ禍に苦しみ、荒れがちになる我々の心を支えることになるでしょう。 

アスリートたちにとっては、五輪が東京で開催されるかどうかは、突き詰めると大きな問題ではないでしょう。それよりも、4年に一度の、偉大な王者を決定する競技会があり、そこでベストのパフォーマンスを披露できることが大事です。そこに彼らの「人生」があるのです。

自治体の「聖火リレー中止」という動きにも苦言を呈したいです。これは、科学性、論理性を欠き、感情的で世論に迎合した意思決定だと思えるからです。

愛媛県の中村時広知事が「聖火リレー中止」を発表する際に涙を流しました。中村知事の行為は、非科学的・感情的で五輪中止の世論をあおりかねないものでした。知事が取るべき態度ではありません。 



さらに「聖火リレー」そのものが感染を拡大することはありません。ランナーは、検査を受けて陰性であり、その後二週間程度発症することがなければ、走ること自体で感染を広げることはあり得ないです。 

感染拡大が起きるとすれば、リレーを見る沿道の人たちが「密」を作ってしまうことです。だから、感染防止のためには、札幌で開催されたハーフマラソンのように、沿道に観衆を入れなければいいのです。「聖火リレー」そのものを中止する必要性はまったくありません。 

だから、自治体が「聖火リレー」の中止を決定するのは、度を越した越権行為だといえると思います。現時点では、五輪は開催されると決まっていて、自治体はそれに従って、「聖火リレー」を実施することを前提にして、感染対策を万全にすべきです。 

世論の反発という「空気」を恐れて、「聖火リレー」そのものが感染を広げることがないのに中止を決定をすることは、国民の五輪中止の感情をさらに高めてしまいかねないです。それは自治体の行動としてはやりすぎです。 

 「世論」で五輪不開催を決めることだけは避けるべきです。五輪は世界最大のイベントであり、その開催は「国家事業」でもあります。その時の瞬間的な「感情」で無責任に決めて良いような軽い問題ではありません。あくまで科学的、論理的に決定されるべきです。

最後に、私は東京五輪開催については、以上のような認識をしているのですが、北京五輪に関しては否定的です。ボイコットをすべきであるとさえ主張しています。それは、無論のこと中国には人権問題があるからです。

私達のような民主主義国のアスリートがこれに何の抵抗も示さずに北京五輪に参加することは、中共に私達が中共の人権問題を認めたという誤ったサインを送りかねません。

だからこそ、ボイコットすべきと主張しているのです。ただし、ボイコットにも様々な方法があります。単純にアスリートを送り込まないことだけが、ボイコットではありません。

他にも経済的・外交的ボイコットの方法もあります。たとえば、日本国民は日本にとどまり北京オリンピックの観客にならないこと、日本企業は顧客をオリンピックに招待することを止めること、政府高官が参加することは控えること、TV放送権を有する テレビ局が開会式や閉会式の好戦的愛国主義の場面の放映を控えることなどです。

アスリートを送り込まないなどという過激なことはしなくても、中国共産党の人権問題に抗議の意思を示すことはできるのです。

このあたりについては、長くなりそうなので、また時期をあらためて、このブログに掲載しようと思います。

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2021年5月4日火曜日

【日本の解き方】2021年後半の景気回復実現へ“財政と金融の発動”が必要だ 5月中旬に補正予算準備を―【私の論評】コロナ禍でのマクロ経済政策は、本当はとてつもなく簡単(゚д゚)!

【日本の解き方】2021年後半の景気回復実現へ“財政と金融の発動”が必要だ 5月中旬に補正予算準備を

麻生太郎財務相は新たな財政出動に踏み切るか

 コロナ禍で厳しい経済状況が続くが、本格的な景気回復はいつごろになるのか。そのためにどのような政策が必要となるだろうか。

 1~3月期の国内総生産(GDP)速報値は5月18日、4~6月期速報値は8月16日に公表予定だ。日本経済研究センターが4月に公表した景気予測調査では、1~3月期の実質GDPが前期比年率で6・1%減、4~6月が5・6%増となっている。

 昨年後半は、経済活動が回復して景気が一時良くなったのは確かだ。それでも10~12月期時点で、筆者の試算によるGDPギャップ(潜在GDPと現実のGDPの差)は30兆円程度あった。

 今年1~3月期は2度目の緊急事態宣言もあり、経済活動が落ち込んだ。4~6月期はやや回復するとみられるが、1~3月の落ち込みをカバーする程度だろう。3度目の緊急事態宣言も懸念材料で、GDPギャップは引き続き30兆円程度あると思われる。

 なお、筆者の試算する潜在GDPは、失業率2%半ば、インフレ率2%程度に対応したものだ。つまり、GDPギャップがあるということは、失業率は2%半ば、インフレ目標2%にも達しない経済状況を意味する。

 前述の日本経済研究センターの予測でも、2021年の失業率は3%を超えている。インフレ率も7~9月にはプラスになるが、それでも21年内には1%にも達しないとしている。

 景気変動からみると、直前の景気の「山」は18年10月(政府暫定見解)だ。その後の「谷」がいつなのか正式見解はないが、20年5月だろうと多くのエコノミストは思っている。その意味で、最悪期の「谷」はすでに越えており、今は「景気回復」の途上だといえる。

 しかし、今年1~3月期、4~6月期の経済状況についてそう見るべきだろうか。筆者は判断の基準を雇用状況に置いている。マクロ経済政策において最優先すべきは雇用であるからだ。雇用を達成した上で、給料が上がれば満点という立場だ。

 その立場からみると、失業率3%台というのは満足できない。せめて2%台を目指すべきだろう。そのためには、財政政策と金融政策を発動すればいい。幸か不幸かインフレ目標2%にも達しないような状況であるので、同時発動してもインフレ目標を大きく超えることはないだろう。

 しかも、国債発行による財政出動と、日銀による国債購入による金融緩和の同時発動により、財政負担がないものとできる余地がある。

 1~3月期と4~6月期の経済停滞が見えている。内閣府試算でもGDPギャップは20兆円程度はあるだろう。5月の1~3月期GDP速報値発表と前後して補正予算を準備すべきだ。

 そうしたマクロ経済政策、さらに東京五輪・パラリンピックの開催、国民へのワクチン接種がかなりの程度整えば、年後半には良い経済状況になるだろう。(内閣官房参与・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】コロナ禍でのマクロ経済政策は、本当はとてつもなく簡単(゚д゚)!

高橋洋一氏が、マクロ経済政策を解説する場合には、高橋氏が作られたグラフを思い浮かべていただきたいと思います。このグラフは過去にこのブログでも何度か掲載しましたが、以下に再掲します。


このグラフについて、説明します。これは、元々は経験則から作成されたものですが、これはいずれの国の経済にも当てはまります。いずれの国もこのような形になります。まずは、インフレ率と失業率は逆相関になります。無論、NAIRUやインフレ目標はそれぞれの国によって違います。ただ、これらの値が違ったとしても、いずれの国でも上のグラフ通りの動きをします。

日銀はインフレ目標を2%としていますが、幅がある国も多いです。多くは目標プラスマイナス1%です。インフレ目標国は、このレンジに7割程度収まるのが通例です。

インフレ目標の数値自体は、失業率の下限であるNAIRU(インフレを加速しない失業率:ブログ管理人注:構造的失業率とも言われる。現状では2.5%程度と見積もられている)に対応するものとして設定されています。

インフレ目標の下限を設定するのはデフレを放置しないためです。そして上限は金融緩和で失業率を下げたいのですが、やりすぎて必要以上にインフレ率を高くしないように設定します。

マクロ政策のうち、財政政策は公的部門の有効需要へ直接働きかけるので即効性があるものの、持続性には欠ること、他方、金融政策は民間部門の有効需要へ実質金利を通じて働きかけるので、波及範囲は広いのですが、効果は即効的ではありませんが持続的であることを理解していれば、マクロ政策のほとんどは理解できます。

現状は、失業率が3%を超えているし、インフレ目標2%も達成できていないのですから、当然のことながら、グラフでいえば、増税不可の✖のあたりか、さらに左にあると考えられ、物価目標も達成はできていませんから、当然のことながら、実施すべき経済対策は、積極財政と金融緩和策ということになります。マクロ経済学的には、全く何の迷いもなくそういう結論になります。

このようなことを知らなかったのか、日銀の前総裁の白川総裁までは、実体経済とは全く関係なしに、ことあるごとに金融引締ばかりやっていました。愚かなことです。まさに、白川氏は「日本の貧乏神」と謗られても、甘んじてそれを受けてしかるべきです。

白川総裁最後の金融政策決定会合(13/03/07)を報じるテレビ


現状は、非常にわかりやすい状況です。これ以外の政策は、全部が間違いです。麻生太郎財務相は新たな財政出動に速やかに踏み切るべきです。

そうして、日銀も速やかにさらなる金融緩和に踏み切るべきです。何も難しいことは、一つもありません。

コロナ増税をすべきなどという人もいますが、それはインフレ率が目標2%はっきり超えて、失業率が2.5%にまで低減した場合なってはじめて検討すべきことです。それ以前に、コロナ増税をしていまえば、東日本大震災後の復興税と同じく、大失敗し日本経済を毀損するだけです。

このように、マクロ経済政策は非常に簡単なことです。無論現状で、どのくらいの量や期間の財政出動や金融緩和をするのか、そうして、どのような具体政策をすることが効果的なのかを事前に計量的に知ることは難しいところもあります。

ただし、経済対策自体は、過去の経験則などから意外と簡単です。実際に実行してみれば、やりすぎなのか、やり方が悪いのかは、失業率やインフレ率の推移をみていれば、すぐにわかり、修正することができます。岩石理論などという無茶苦茶な人もいますが、これは嘘っぱちです。

積極財政と金融緩和をやりすぎれば、失業率がNAIRU(2.5%前後)下がらずインフレ率があがり続けることになって、すぐにわかります。

このような簡単なことが、実施されなかったからこそ、日本では平成年間のほとんどがデフレだったのです。

財務省大田次官

日本の財務官僚や日銀官僚は、思ったほど頭は良くないようです。それに、いわゆるエコノミストや経済評論家にも碌なものが居ないようです。

皆さんは、上のグラフを頭のすみに置いて、マスコミや識者に騙されないようにしましょう。

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2021年5月3日月曜日

なぜ「女系天皇」は皇室を潰すのか 「皇室そのものの正当性の根拠は消え…内側から解体されていく」との見方も 門田隆将氏特別寄稿―【私の論評】皇統を守り抜かなければ、日本は日本でなくなる(゚д゚)!

なぜ「女系天皇」は皇室を潰すのか 「皇室そのものの正当性の根拠は消え…内側から解体されていく」との見方も 門田隆将氏特別寄稿

門田隆将氏


 秋篠宮ご夫妻の長女、眞子さまのご婚約をめぐる最近のメディア報道の過熱ぶりを見ると、改めて、「日本国民の誰にとっても皇室は、敬愛すべき存在であってほしいと願う気高きものなのだ」と気付かされる。これまで「男系」だけで世界に類を見ない長い歴史を紡いできた中で、「女系天皇」を認めてしまえば皇室はどうなるのか。人気作家でジャーナリストの門田隆将氏が、女系天皇の危うさについて緊急寄稿、警鐘を鳴らした。

 4月8日、安定的な皇位継承の在り方を検討する有識者会議の第2回会合が官邸で開かれた。

 ここでは、ジャーナリストの櫻井よしこ氏や八木秀次麗澤大教授をはじめ、皇室や男系継承の意味を深く理解している方々が意見を陳述したので、まずは安堵(あんど)した。

 だが、私はそもそも「安定的な皇位継承の在り方を検討する」との会議の趣旨に首を傾(かし)げている。男系の正統な継承者・悠仁さまがいらっしゃるのに、なぜそんな会議が必要なのか疑問だからだ。

 悠仁さまご誕生前に議論されていた「安定的な皇位継承」そして「女系天皇」が、親王ご誕生で消えたはずなのに、なぜ令和の御代(みよ)が来ても必要なのか、ということだ。

 男系は皇統唯一のルールである。代々の天皇は父方を遡(さかのぼ)っていくと神武天皇に辿(たど)り着く。これが皇統だ。歴史上、8人10代の女性の天皇も、いずれも父方に天皇、もしくは皇太子らを持つ男系天皇だ。つまり、父方を遡っても神武天皇に辿り着かない「女系天皇」は1人も存在しない。

 このたった1つのルールによって日本は「世界最古の国」となった。エジプトも、中国も、国家の興亡がくり返され、その度に新しい独裁者が生まれた。だが、日本は違う。昔も今も日本であり、いつの間にか世界最古の国となった。天皇は令和の今も脈々と続いている。

 その理由こそ男系にある。父系を辿れば神武天皇に辿り着く皇統は時の独裁者にも覆せない。平家や源氏、あるいは足利、織田、豊臣、徳川…どの時代の権力者も天皇になり代わることはできず、せいぜい娘を天皇に嫁がせ、外戚として振る舞うことしかできなかった。

 これは「権威」と「権力」を分離した先人の智慧(ちえ)による。6世紀に武烈天皇が後嗣(こうし)を残さず崩御した際、5代上の応神天皇まで遡り、越(こし)の国から5代孫の継体天皇を即位させた。

 江戸時代には、3宮家では皇位が危ないと感じた新井白石が東山天皇の6男の直仁親王に閑院宮家を創設させた。懸念は現実となり、白石の死後70年を経て、後桃園天皇が後嗣を残さず崩御。その際、閑院宮家から光格天皇が即位し、皇統が維持されたのである。

 どの国でも、権力と権威は一致している。独裁者は常に両方を持っており、国が滅ぼされれば新たな独裁者が生まれる。だが、日本は天皇の存在によって「国が変わること」は1度もなかった。

 悠仁さまご誕生によって、男系は維持されることになった。しかし、「安定的な継承」のために女系天皇を認めようという不遜(ふそん)な動きが起こった。悠仁さま廃嫡論だ。

 共産党の理論的支柱・奥平康弘東大教授が雑誌『世界』の2004(平成16)年8月号に寄稿した論文にヒントがある。

 女系天皇は〈天皇制(ブログ管理人注:共産党用語、正しくは朝廷)のそもそもの正当性根拠であるところの『萬世一系』イデオロギーを内において浸蝕(しんしょく)する〉と記したのだ。正統性が消えた天皇はやがて滅ぶとの見解である。

 なぜ女系天皇になれば皇室は滅ぶのか。女性天皇が結婚され、生まれたお子さまが即位すれば女系天皇だ。どこの血筋の人かわからないが、いずれにしても父方を遡っても神武天皇に辿り着かない。つまり正統性なき天皇である。萬世(ばんせい)一系の皇統が途絶すれば、皇室そのものの正当性の根拠は消え、内側から解体されていくと奥平氏は分析している。

 仮に国際結婚で父親が中国人なら中国系になり、韓国人なら韓国系になる。それが女系天皇だ。皇統と関係のない天皇が続いた場合、やがて皇室は消え去るという見方だ。

 確かに、長く朝廷打倒を掲げてきた共産党は19(令和元)年6月、志位和夫委員長が「赤旗」で女系天皇容認を打ち出し、立憲民主党も追随。朝日新聞や毎日新聞がこれを評価した。面子を見れば「何のために?」ということが分かる。

 男系では、母親が昭和天皇の長女、祖母は明治天皇の第9皇女という東久邇家には、今も男系継承者が何人もいる。皇室典範を改正し、皇族が養子を迎えることができるようになれば皇統は何の心配もないのである。

 有識者会議の人々がどういう国家観を持ち、知識と常識を備えているのか。私はそのことに限りない関心を抱くのである。

 ■門田隆将(かどた・りゅうしょう) 作家・ジャーナリスト。1958年、高知県生まれ。中央大学法学部卒業後、新潮社入社。元「週刊新潮」デスク。歴史、司法、事件、スポーツなど、幅広いジャンルで活躍する。『なぜ君は絶望と闘えたのか』(新潮文庫)、『死の淵を見た男』(角川文庫)、『疫病2020』(産経新聞出版)など、ベストセラー多数。『この命、義に捧ぐ』(角川文庫)で山本七平賞受賞。最新刊は『新・階級闘争論』(ワックBUNKO)。

【私の論評】皇統を守り抜かなければ、日本は日本でなくなる(゚д゚)!

上で、門田氏が書かれていることは、ごく当たり前で常識的な事柄です。まともな日本人なら、上のことは誰もが知っていることでしょう。私自身は、これくらいのことを知らないようでは、本当の意味での日本人とはいえないのではないかと思います。

万世一系の皇室は世界でも貴重な存在です。皇室は日本の象徴でありこれなくして日本は成り立ちません。天皇陛下はすべての国民の父で在りわれら国民は天皇の赤子です。別に時代錯誤な事を言っているつもりはありません。言葉に出さなくても日本人は心の奥底に皇室に対する信頼を持ち続けています。

皇統

皇統が続く限り日本は不滅です。たとえ、国が実質的に滅びるようなことがあったとしても、そこに正当な皇統が継続され、天皇陛下を頂いた国ができれば、それが正当な日本国なのです。

これが皇統が継続されていないような、他の国だと難しいです。ある国が実質的に滅びて、新たな権力者が滅びた国と同じ版図や領域と、滅びた国の国民を治めることになったとして、この新しい国は以前の国と同じ国といえるでしょうか。難しいところがあると思います。

しかし、日本の場合は、皇統を正しく引き継ぐ天皇が、ある地域を治めるか、統合の象徴になれば、それが日本なのです。他は、国民のほとんどが日本人であろうが、軍事力や経済力が飛び抜けて強かったとしても、それは日本ではないのです。

皇統さえ維持できれば、日本は滅ぶことはないのです。たとえ、国土や国民が多数失われたにしても、天皇を統合の要としていただくところこそが日本なのです。

皇統を持たない特亜三国と、それに結託する在日勢力、反日左翼どもはそれが気に入らないのでしょう。そのため女系天皇という言葉を持ち出し皇室を廃止し日本の国体そのものの破壊を企んでいます。

その証拠に女性天皇と女系天皇の区別も曖昧にしたまま無知な人を騙し女性天皇ひいては女系天皇を容認させようとしています。確かに、歴史上女性の天皇は何人かいました。ただしそれは上の門田氏の記事にもあるように、あくまで男系の女性天皇です。

女系天皇はもはやそれだけで、皇室とは呼べません。別系統の天皇です。仮に眞子内親王が即位したら男系の女性天皇。そして小室圭が万が一眞子内親王と結婚してその子供が即位しまえば男女関係なく女系天皇の初代になります。

これは従来の皇統ではなく新たな小室朝の初代ということになります。これをいったい誰が尊重するでしょうか。まともな国民は相手にしなくなり皇室そのものが価値を失います。

最終的には皇室が廃止され日本社会は大混乱に陥るでしょう。そうなれば、日本は日本でなくなります。これが反日勢力の狡猾な策略です。マスゴミはその尖兵として愚民を騙し女系天皇の誕生を画策しているのです。

現在の皇統を守るためには、旧皇族の皇籍復帰しかないでしょう。皇族教育など後ですればよいのです。旧皇族と小室圭、どちらが皇室にふさわしいか常識ある日本人ならば選ぶまでもありません。

マスゴミの卑劣なミスリードは決して許されることではありません。心底から大きな怒りを感じます。旧宮家が何百年も前に枝分かれしているから血が薄くなっているというのも事実ではありまません。

歴史上何度も宮家と皇室は婚姻を重ね血統を保っています。東久邇家には男子が7人もいらっしいます。(下図参照)


東久邇家以外の旧宮家にはさらに男のお子様がいらっしゃいます。

現在、旧宮家の男系の血を引く子孫には、少なくとも11人の独身男子がいるとされます。内訳は、久邇家と竹田家に1人ずつ、賀陽家に2人、そして東久邇家の系統に7人というものです

この方々と小室圭氏、皆さんはどちらが皇室にふさわしいと思われますか。

日本の未来を守ることは万世一系の皇統を守ることと同義です。歴史上何度も皇統の危機はありましたが、現在の危機が一番深刻かもしれません。一人でも多くの国民が目覚めマスコミをはじめとする反日勢力の悪辣な策謀を打ち砕かなければならないと確信します。

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2021年5月2日日曜日

バイデン大統領の議会演説の視聴人数がトランプ演説の最低視聴人数を約2400万人下回る―【私の論評】国家レベルの危機に関しては、米国議会が超党派で米国の政治を主導すべき(゚д゚)!

バイデン大統領の議会演説の視聴人数がトランプ演説の最低視聴人数を約2400万人下回る

<引用元:デイリー・コーラー 2021.4.29

ジョー・バイデン大統領の議会演説は、ドナルド・トランプ前大統領の一般教書演説で最も視聴率の低かったものより約2400万人少ない視聴人数だった。

4月28日夜の議会合同会議に対するバイデンの初の演説は、未調整の関連データによると米国東部時間の午後9時に1160万人の視聴人数を記録したとDeadlineが29日に報じた。演説はちょうど1時間を超えたが、近年では最も視聴されなかったものの1つだ。Univisionの108万人の視聴者とTelemundoの88万4千人の視聴者が、ABC、CBS、NBC、そしてFOXを含む放送局の合計に加算されると、視聴人数は1350万人にまで増える。


トランプが下院議会で2017年4月40日に行った初の演説と比較すると、49パーセント低かった。全放送局が最終の数字を集計すると、トランプのその演説の視聴者は4800万人となったとDeadlineは指摘した。

昨晩の大統領の演説をより深い文脈でとらえると、昨年のトランプの最も低い視聴率だった演説でも視聴人数は3720万人となった。トランプの就任中の視聴者数は、2020年の3720万人から2017年の4800万人に及んだ。 

【私の論評】国家レベルの危機に関しては、米国議会が超党派で米国の政治を主導すべき(゚д゚)!

視聴人数がこれだけ低いということは、何を意味しているのでしょうか。多くの米国民は、バイデンの政策がどうのこうのとか、バイデンの人柄がどうのというのではなく、とにかくトランプを落とせば良いと考えたからかもしれません。

あるいはバイデン勝利は不正選挙によるものと考えているのかもしれません。あるいは、この両方があいまって、視聴人数を低くしているのかもしれません。

日本では、不正選挙があったかもしれないというと、まるで陰謀論に与しているかのようにもいわれますが、当の米国でも、多くの国民が不正選挙を疑っています。

バイデン次期米大統領について、ワシントン・ポストとABCニュースは1月17日、米国民の世論調査で、32%が「大統領選で正当に勝利しなかった」と答えたことを明らかにしていました。

この真偽について、述べてももう意味はないかもしれませんが、保守派もリベラル系も注意しなければならないことがあります。

保守系派に関しては、もしバイデン氏が大統領の職務を全うできなくなれば、左翼系のカマラ・ハリスが自動的に米国大統領になるということです。

リベラル系に関しても、同じことがいえると思います。リベラル系の民主党の主流派も、これだけは避けたいと考えているでしょう。

この危機をさけるためには、米国議会が超党派で、米国の政治を主導していくべきです。特に、バイデン氏が左翼系の政策に引きづられないように、協力すべき思います。

さて、以下にバイデン大統領の議会演説の動画(日本語訳つき)を掲載します。


議会演説の全文(英語)は以下からご覧になれます。


この動画をご覧いただければ、おわかりになるように、日本のメディアではこの演説の中国への言及部分だけをピックアップして、拡大し、いかにもバイデン大統領が主に中国について語った「中国政策演説」のように提示したものが多いです。

実際には、演説全体では中国への言及はきわめて短く、演説全体としてはコロナ対策、経済対策、共和党批判、人種問題など国内の諸課題が圧倒的な重みと分量を占めています。

この長い演説のなかでバイデン大統領があえて触れなかった重大課題がありました。それはメキシコ国境から怒涛のように侵入してきた大量の違法入国者によるアメリカの社会や国家の危機でした。国境沿いの各州はもちろんアメリカ全体にとっても国家の危機と呼べる状態にまでなっています。

バイデン政権の誕生以来、米国のメキシコ国境に中米からの入国の希望者が巨大な流れとなって押し寄せてきました。大多数が違法の入国希望者、つまり米国側の入国の規則を無視する不法の移民、難民、亡命者とされます。そうして、とくに幼い子供たちが単身で送りこまれる事例が多いことがこの危機の特徴です。

       メキシコからアメリカに入国しようとする子供の移民の数が、2021年初頭と比べて9倍に
       増加していると、国連児童基金(ユニセフ)が19日に発表


しかしバイデン大統領は議会演説ではこのようなことには一切、触れていません。

国境地帯にはバイデン政権の登場直前から違法入国を試みる男女がそれこそ奔流のように多数、押し寄せてきました。

中米グアテマラ、ホンジュラス、エルサルバドルなどからの多数の人間がメキシコを経由してアメリカ国境に集まってきたのです。目的はただ一つ、違法合法にかかわらず、とにかく米合衆国の領土内に入ることです。

その理由は簡単です。バイデン大統領がトランプ前政権の国境の壁の建設を停止し、米国への移民や難民の受け入れ制限を緩和する政策を打ち出したことでした。その中米の人たちは、その新政策に奨励され、われもわれも、米国へ、という動きをとり始めたのです。

トランプ政権では未成年者だけの違法入国者は米国側で身柄を拘束すれば、原則としてみなメキシコ領内に追い返し、その場で改めて米国の入国手続きなどを審査するという措置をとっていました。

ところがバイデン政権では未成年者が成人の保護や同行なしに密入国してきても、そのまま米国領内への臨時の滞在を認めて、その後の審査をするという寛大な措置へと変えたのです。

ただ、バイデン大統領もこの状態を重視して3月24日にはハリス副大統領を国境難民殺到問題への対処の最高責任者に任命しました。ところがその後の1ヵ月、ハリス副大統領もバイデン大統領も国境地帯の現地視察を一切、実行していません。

カマラ・ハリス

その結果、共和党だけでなく一般からも批判されるようになりました。4月末の世論調査ではバイデン政権の移民政策への不支持は52%と、コロナ対策、経済対策など主要政策の中では最も不人気でした。

一方、共和党側ではテッド・クルーズ上院議員らが国境調査団を組織して、テキサス州の国境や難民収容所の現地視察を重ねてきました。その結果、バイデン大統領に対していまの国境の違法入国者殺到の状況を「国家危機」と認めることを求めました。

同大統領は4月17日、地元のデラウェア州のゴルフ場での記者団との簡単な質疑応答で、いまの国境地帯の状況を「危機」と呼びました。

ところが同19日にはサキ大統領報道官は「この言葉は大統領の真の意図ではない」と述べ、事実上の発言撤回をしました。その結果、共和党側からは「この政権では大統領よりも報道官の言葉が権限を持つのだ」(マコネル上院院内総務)と皮肉られました。

この国境の違法入国者の大波の侵入はいまの米国にとって国家レベルの危機となったのです。

このような問題については、先程も述べたように、米国議会が超党派で、米国の政治を主導していくべきです。国家レベルの危機を招いてまで、リベラル・左翼の主義主張を貫く必要性など全くないのです。これは、日本も同じことだと思います。

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2021年5月1日土曜日

日米共同訓練、空自とB52が中国空母「遼寧」牽制 尖閣諸島周辺接近…日米関係にくさび打ち込む目的か―【私の論評】中国が本当に恐れているのは、日本が中距離弾道ミサイルを配備し、中国の海洋進出の野望が打ち砕かれること(゚д゚)!

日米共同訓練、空自とB52が中国空母「遼寧」牽制 尖閣諸島周辺接近…日米関係にくさび打ち込む目的か

共同訓練する空自の戦闘機(中央下)と米空軍のB52戦略爆撃機(航空自衛隊提供)

 日米両国が、沖縄県・尖閣諸島を断固死守する構えを見せた。航空自衛隊の戦闘機計15機と、米空軍のB52戦略爆撃機2機が4月27日、東シナ海と日本海で共同訓練を実施したのだ。同日、中国海軍の空母「遼寧」から早期警戒ヘリコプターが発艦し、尖閣諸島・大正島周辺の日本領空に接近していた。日米は、尖閣・台湾周辺で軍事的覇権拡大を進める中国を牽制(けんせい)する狙いがあったようだ。


 空自の発表(4月30日)によると、共同訓練には、千歳(北海道)と、小松(石川)、新田原(宮崎)、那覇(沖縄)各基地のF15戦闘機が13機と、百里基地(茨城)のF2戦闘機が2機。米空軍からは、核兵器搭載可能で「死の鳥」と恐れられる戦略爆撃機B52が2機の計17機が参加した。編隊を組んでの飛行と、相手の航空機を迎え撃つ内容だったという。

 防衛省統合幕僚監部は同月26日、空母「遼寧」など艦艇6隻が、沖縄本島と宮古島の間を抜け、太平洋から東シナ海に入ったのを確認したと発表。27日午前、遼寧からヘリコプター1機が発艦して大正島周辺の領空に近づいたため、空自戦闘機が緊急発進(スクランブル)したと発表していた。

 この後、中国の国営メディア「グローバル・タイムズ」(=環球時報の英語版)は4月28日付の記事で、遼寧などの動きについて、「日本への警告と抑止の役割を果たしている」「人民解放軍は今後の中日関係の状況によって該当海域での活動を定例化するだろう」という、中国軍関係者のコメントを掲載していた。さらに、中国の立法機関、全国人民代表大会(全人代)の常務委員会は4月29日、海事当局の権限を強化する海上交通安全法の改正草案を可決した。交通運輸省所属の海事局の権限を強化するもので、海警法施行で、外国船舶への武器使用が認められた海警局と連携する危険性が懸念される。

空母遼寧

 尖閣周辺での、日米と中国のにらみ合いをどう見るか。

 軍事ジャーナリストの世良光弘氏は「東・南シナ海における中国軍の活発化と、米軍の対応を見ると、『台湾有事』はそう遠くない時期にも起こり得るのではないかという印象を受ける。今回、中国軍から日本への圧力とされる動きが続いたのは、米国と良好な関係を築く日本にくさびを打ち込む目的ではないか。中国に強硬な姿勢をとれない韓国は、米国にとっても同盟国という認識が薄まっている。中国は、日本も同じ状態に陥るよう狙っているはずだ」と分析している。

【私の論評】中国が本当に恐れているのは、日本が中距離弾道ミサイルを配備し、中国の海洋進出の野望が打ち砕かれること(゚д゚)!

日米は、上記のように共同訓練をするなどして、中国に対峙しています。日米が本格的に協同して、中国に対峙する体制が整えば、中国は長期にわたって台湾を奪取することができなくなるばかりか、海洋進出の野望が打ち砕かれることになるのです。

このブログでは、中国が圧倒的な軍事力を持つかのような「中国脅威論」は間違いであることを何度か掲載してきました。インドはともあれ、米軍との比較では、中国の軍備ははるかに劣ります。

米有力シンクタンク・戦略国際問題研究所の推定では、中国の防衛予算はおよそ2000億ドルで、米国の予算9340億ドル前後の4分の1にも満たないのです。米国は、中国が攻撃的な姿勢を強める事態を深刻に受け止めていますが、こうした現実を忘れるべきではありません。

 米国にとって中国の軍備が厄介なのは、その規模と能力のためではありません。問題は、米国が「接近阻止・領域拒否」と呼ぶ中国軍の海上戦略であり、中国周辺の海域への米軍の介入を妨害することを目的としてミサイル・電子兵器を配備していることです。

「接近阻止・領域拒否」概念図

 例えば、中国が沿岸部の基地からミサイルを発射すれば、米軍の艦船が紛争海域に接近することはほぼ不可能になります。中国が台湾に武力行使をちらつかせるなか、この状況は米軍の戦略を深刻に脅かします。

ただし、このブログでも何度か掲載したように、米軍の対潜哨戒能力は世界最高であり、それとは対照的に中国軍のそれは全く及びません。以前にもこのブログに掲載したように、中国は対潜哨戒能力を引き上げなければ、中国の海軍力は軍事力ではなく単なる「政治的メッセージ」にすぎなくなります。

有事となれば、米軍は中国の潜水艦を排除し、米軍の潜水艦を思いのままに自ら配置したいところに配置できます。そこから、対空ミサイル、対艦ミサイル、魚雷を発射し、中国の「接近阻止・領域拒否」と呼ぶ中国軍の海上戦略を破ることができます。また、米軍のステルス戦闘機も、米軍は探知できないため、これも中国軍の海上戦略を破ることができます。

米海軍は通常は潜水艦の動向を具体的には明らかにしていません。ところが昨年5月太平洋艦隊所属の潜水艦の少なくとも7隻が西太平洋に出動中であること同司令部か明らかにしました。

その任務は「自由で開かれたインド太平洋」構想に沿っての「有事対応作戦」とされています。これは、当時はある空母打撃群がコロナ感染で動けなくなっていたこともありますが、米軍が原潜をそれにかえることができると認識していたと考えられます。

空母打撃群と代替えが効くと、思わせるほどに、米軍の原潜は攻撃力が強いのです。かつて、トランプ元大統領は、「米国には空母打撃群に匹敵する潜水艦がある」と自慢していました。

これには、日本の潜水艦隊も参加すればより効果的です。なぜなら、このブログにでも何度か述べているように、日本の対潜哨戒能力も米国に次ぐほどすぐれており、さらに日本の通常型潜水艦は、ステルス性(静寂性)に優れていて、これを中国側は探知できないからです。

これで一件落着といえそうです。では、米アジア太平洋軍のフィリップ・デービッドソン司令官はなぜ「米軍は中国軍より弱いし、中国は6年以内に台湾を武力攻撃する」と言い、米国が、自国軍が弱いと主張したのでしょうか。

これには、よほどの目的があると考えるべきです。

2020年9月1日、アメリカ国防総省(DOD)が「中華人民共和国を含めた軍事・安全保障に関する2020年版報告書」を発表した(DOD Releases 2020 Report on Military and Security Developments Involving the People's Republic of China)

報告書はミサイルと造船技術に焦点を当て、ミサイルについては、中国軍が射程500~5500キロメートルの中距離弾道ミサイルを1250発以上保有しているのに対し、米軍は全く持っていないと指摘しました。米国は元ソ連時代からロシアと締結してきた中距離核戦力(INF)廃棄条約に拘束されてきたからです。

まず昨年の国防総省(ペンタゴン)リポートは、そもそも「議会用」に発表されたものなので、米軍側が「国防費の予算を獲得するために、議会に向けて発信したもの」と解釈することもできます。実際これが主目的なのでしょう。

ただ、今年3月9日6年以内に中国が台湾を侵攻する可能性があると証言したデービッドソン司令官が、公聴会で「(中国が)やろうとしていることの代償は高くつくと中国に知らしめるために、オーストラリアと日本に配備予定のイージス・システムに加え、攻撃兵器に予算をつけるよう議会に求めた」という発言には注目すべきでしょう。

これは、「中距離弾道ミサイルの日本配備」を求めているということに他なりません。

米露間にはINF廃棄条約があったため、中国軍が中距離弾道ミサイルを1250発以上保有しているのに対し、米軍は全く持っていませんでした。そこでトランプ元大統領はINF廃棄条約から脱退し(2019年8月2日)、米国も自由に製造することができるようにして、中距離弾道ミサイルを配備してくれる国を探していました。

韓国の文在寅大統領は習近平に忖度して断ったのですが、オーストラリアの首相は親中派のターンブル氏から嫌中派のモリソン首相に替わったので、候補地としてはオーストラリアと日本ということになったのです。

米軍全体の軍事力は中国軍より強かったとしても、第一列島線の戦闘において中国は、いざとなれば全ての軍事力(中国人民解放軍200万人以上)を投入することができるのに対して、有事の時にアメリカが投入できる軍隊は30万人にも満たないです。

それも在日米軍や在韓米軍および第七艦隊も含めてのことです。これは全米軍の20%程度で、中国が100%の兵力を使えることと、中国には航空母艦からでなく「陸地にあるミサイル全てを使うことができる」というメリットがあることを考えれば、たしかに米軍は弱いことになります。

とはいいながら、米軍は世界最高水準の対潜哨戒能力を用いて、中国の潜水艦を無効化して、強大戦闘能力をもつ攻撃型潜水艦を用いれば、中国の艦艇を大量に沈めて中国軍を無効化することができます。中国国内にある中距離ミサイルも、潜水艦や航空機で叩けば完璧です。

さらに、たとえ中国が尖閣や、台湾に人民解放軍を上陸できたにしても、潜水艦隊でこれを囲み艦船による補給を断ち、ステルス戦闘機で航空機による補給を絶てば、人民解放軍は食糧・水、弾薬が尽きてお手上げになります。

その後に、米軍を送り込めば、最終的には、米軍は勝利を収めることになるでしょう。

さらには、中国に対峙しているのは米軍だけではなく、QUAD諸国が対峙しているという事実も忘れるべきではありません。韓国は全く当てにはならいものの、QUAD諸国は信頼できますし、中国は国境を接しているロシアへの警戒も怠ることはできません。無論、中距離ミサイルを持つ台湾を無視することもできません。

ただ問題は、中国軍が射程500~5500キロメートルの中距離弾道ミサイルを1250発を持っていることを過信して、台湾や尖閣を攻撃する挙に出る可能性は現時点では完全否定はできないということです。

そのときには、日本国内や米軍基地、日米の艦艇も攻撃を受ける可能性もあります。たとえそうなっても、日米の潜水艦隊の多くは無傷で反撃できますし、そうなる前に中国軍を攻撃することも可能です。ただ、今のままだと、中国が過信をして、台湾・尖閣を奪取の挙に出る可能性は否定できないということです。

中国の過信を打ち砕くには、日本にある程度以上の中距離弾道ミサイルを配置する必要があるということです。無論、これは在日米軍が配置するということもあるでしょうが、無論それだけではなく、日本が独自で配備することも念頭に入れているでしょう。

準中距離弾道ミサイル MGM-31 パーシング

日本は、イージス艦8隻体制、潜水艦20隻体制はすでに構築し、中国の野望を挫く体制はかなりできたといえますが、中距離弾道ミサイルを配備すれば完璧となり、中国の台湾・尖閣への武力攻撃を長期にわたって(おそらく数十年)完璧に防ぐことができるのです。

また、米軍としては、日本の潜水艦隊もいざというときには、尖閣防衛や台湾有事に積極的にかかわってほしいと考えていることでしょう。これが、米国潜水艦隊と制約なしに密接に協同すれば、ステルス性に優れ、攻撃力も世界一の世界最強の潜水艦隊ができあがります。

これに対抗する術は、中国どころか、全世界にありません。さらに、日本が中距離弾道ミサイルを配備すれば、まさに、蟻の一穴天下の破れということもなくなるのです。中国の海洋進出の野望が完璧に打ち砕かれるのです。中国が本当に恐れているのはこれなのです。

米アジア太平洋軍のフィリップ・デービッドソン司令官としては、日本に対して当事者意識を持ち、中国と対峙するべきとの、強いメッセージを送ったというのが妥当な見方だと思います。何よりも、いざというときには米国に頼るだけではなく日本が矢面で戦う覚悟を持つことを促したといえます。

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