2015年2月21日土曜日

日本マクドナルド、原田氏が会長退任へ―【私の論評】 マックの業績悪化の大部分は、デフレによるもの、日本の経営者もエリートとしての自覚を持ちアメリカビッグスリーのように、政府・日銀にどんどんイチャモンをつけるようにすべき(゚д゚)!


原田泳幸取締役会長

日本マクドナルドホールディングスは2月20日、原田泳幸取締役会長が3月25日の定時株主総会後に退任する役員人事を発表した。原田氏は日本マクドナルド取締役会長も退任し、同社グループから退く。

原田氏は2004年に米Apple日本法人の社長から日本マクドナルドのCEOに転じた。昨年6月からはベネッセホールディングス会長兼社長を務めている。

原田氏は「私のマクドナルドでの歩みは常に変革・改革の連続でしたが、マクドナルドは“ピープル・ビジネス”、常に人材を礎としビジネス基盤を強固にしてきたことで成長してきたものと確信しております」とするコメントを発表した。

コメント全文は以下の通り。
 退任のご挨拶 
 私、原田泳幸は3月25日(水)をもちまして、任期満了に伴い、日本マクドナルドホールディングス株式会社並びに日本マクドナルド株式会社の取締役を退任する運びとなりました。 
 皆様におかれましては、在任中、格別のご高配を賜りまして、誠に有難く、厚く御礼申し上げます。 
 2004年の2月に就任し、8年間のビジネスの成長の後、新たな成長に向けて、後継者の育成及びサラ・カサノバのサポートを行ってまいりました。11年にわたりお世話になった皆さまへ、心から感謝の思いをお伝えさせていただきます。 
 私のマクドナルドでの歩みは常に変革・改革の連続でしたが、マクドナルドは“ピープル・ビジネス”、常に人材を礎としビジネス基盤を強固にしてきたことで成長してきたものと確信しております。 
 幾度のビジネスの危機も、「お客様第一」であり、目の前のお客様に誠心誠意対応させていただくことを肝に銘じてまいりました。 
 「お客様第一」を徹底して追求していく事こそがお客様への価値向上につながり、企業を成長させる最も重要な事であると考えております。 
 日本マクドナルドは真摯な気持ちでふたたびお客様の店舗体験の価値を高めることと私は確信しております。 
 今後とも日本マクドナルドホールディングス株式会社を何卒よろしくお願い申し上げます。 
日本マクドナルドホールディングス株式会社 取締役会長
日本マクドナルド株式会社 取締役会長
原田 泳幸
【私の論評】 マックの業績悪化の大部分は、デフレによるもの、日本の経営者もエリートとしての自覚を持ちアメリカビッグスリーのように、政府・日銀にどんどんイチャモンをつけるようにすべき(゚д゚)!

原田会長には、長い間本当にご苦労様ですと言いたいです。そうして、今後はベネッセでの活躍を期待させていただきたいところです。

ご存知のように、現在マクドナルドの業績は良くはありません。しかし、私も長い間飲食業界に携わってきたので、良く解りますが、飲食業界ほどデフレの悪影響を受けた業界はないと思います。

以下のグラフをご覧下さい。

     
1975年から1997年までの22年間で、外食産業の市場規模は約3.4倍になりました、同年間の広義の外食産業は3.7倍に拡大しました。しかし、97年をピークとして、98年からは減少に転じました。

1997年といえば、4月1日には、消費税が3%から5%に引き上げられました。また、6月には日銀法が改悪され、同年6月18日に公布、平成10年4月1日から施行されました。

増税と、日銀による金融引締めにより、日本は98年から完璧にデフレに突入しました。この外食産業の市場規模のグラフは、飲食業界がまさにデフレの悪影響をまともに受けたことを示しています。


マックの業績の悪化は、やはりデフレによる影響が大きいでしょう。これを理解しなければ、正しい判断はできません。飲食業界全体が、98年からはデフレの影響で、右肩下がりで下がる状況でした。最近では、景気の回復にともない上昇傾向でしたが、昨年の8%増税の悪影響に直撃されました。

この間、飲食業はどん底で、中小規模の飲食業などかなり多くが廃業に追い込まれました。この間、海外から日本に様々な飲食チェーンが、参入してきました。しかし、多くが敗退しました。その中にあって、マクドナルドは業容を維持してこれたわけですから、良しとしなければならないでしょう。

これから、景気が回復し、緩やかなインフレに向かうにつれて、業績は安定して成長していくことも夢ではないと思います。

長年経営者として、飲食業にかかわってきたものからすれば、そう思います。

今朝は、NewsPicsでこのニュースを見ていたのですが、何やら読者のコメントがマックの業績の悪化は原田会長のせいであるかのようなコメントが多く、これは少し問題があると思い本日はこのことをブログに掲載することにしました。

マックといえば、確かに2012年あたりから業績が悪くなりました。しかし、その前までは、デフレのなかでそれなりにかなり頑張っていたと思います。

飲食業に携わるものからすれば、マックのあの頑張りと奮闘ぶりは希望の星でした。デフレでも頑張れば、マックのように業績を伸ばすことも可能だと思えたからです。

しかし、さすがのマックも2012年あたりからは、業績を落とすようになってしまいしまた。これは、無理からぬところがあると思います。

マックが、デフレに陥ってもしばらくの間は、業績を維持することができたのは、メニューがどうのマーケティングや、販促がどうのということは、無論ないがしろにはできませんが、それらは瑣末なことで、大きな点は以下の二点に絞ることができると思います。

まず第一は、何といってもチェーン店としてすでに、店舗数がかなり多かったことです。現状では、3000を超えていますが、デフレに入る前から、1000店舗を超えていました。

デフレに対処するには、チェーン化などしても、中途半端であれば、かなり対応が難しいです。やはり、1000店舗は超えていないと困難です。

店数が少なくて、100店舗以内なら、デフレ圧力には耐えられません。100店舗を軽く超えて、デフレの直前までに、数百店舗までいっていれば、デフレに入ってから店数を減らしても何とか持ちこたえることができたでしょう。実際、これ以下の店舗数のかなりのチェーンが、デフレの最中に廃業しました。上場企業などは、廃業すると大きく報道され目立ちますが、100店舗以下のチェーンであれば、ほとんど報道されませんから、目立ちはしませんでしたが、かなりのチェーンがデフレの最中に廃業に追い込まれています。

このように店舗数は、多いほうが良いですが、逆に中途半端な店数ではなく、一店舗とか、他店店舗化しても、数店舗くらなら、これもまたデフレ対応はしやすいです。この程度だと、大きな市場は必要なく、特定の小さな市場向けでも、十分商売が成り立つからです。一番どうしようもないのが、100店舗に満たないチェーンだったと思います。

飲食関係のチェーンで、1000店以上であれば、そのスケールメリットは計り知れないほど大きいです。セブンイレブン、ローソンなど、現状では1万店を超えていますが、デフレの最中でも店舗数を伸ばしていました。飲食チェーンで現状で3000を超えている日本マクドナルトは、基礎体力があります。

まずは、これで最大限のスケールメリットが得られるということです。原材料もかなり低価格で仕入れることができます。その他、チェーンオペレーションの徹底で、人材育成も他の業態から比較するとかなり迅速にできます。

次に、円高メリットというのがあったものと思います。特に、マクドナルドは、世界各地からその時々で、もっとも低価格で、原材料を仕入れる仕組みを構築しており、さらに円高ということで、低価格で原材料を仕入れられるという大きなメリットを享受することができました。

こういう大きな2つの強みがあり、これにプラスして、マーケティングや販促手法の開発ということで、業績を伸ばすことができていました。そうして、見事にデフレ対応できていました。

マクドナルド期間限定の「ル・グラン ソーセージ」
しかし、ご存知のように、13年からは、日銀が金融緩和をしたため、デフレは解消傾向となり、円安傾向になり、円高には終止符が打たれることになりました。デフレが解消気味となりきらず過去のデフレの悪影響が残っているうちに、円高傾向に振れた、これもマックにとって災いしたと思います。

そうして、昨年4月から8%増税がなされ、それがマックを含む飲食業界を直撃しました。このような大きな環境変化には、さしものマックも対応できなかったものと思います。これは、誰が経営していたとしも、ある程度は業績を落とすのが当たり前です。

しかし、これからは、デフレが解消され緩やかなインフレに転ずることになれば、飲食業界もさらにやりやすくなることでしょう。無論、マクドナルドもその例外ではありません。日本の飲食業界のピークは97年でしたが、それは本当のピークではないかもしれません。本当は、もっと拡大するはずたったものが、デフレにより拡大できなかったということかもしれません。

そうだとすれば、97年の市場規模を超えてさらに飲食業界が伸びる可能性があります。もし、そうでなかったとしても、ここ十数年分で落ちた分をとりかえすだけの伸びしろがあることは確実です。

最近ローソンで購入したお弁当 500円以上の価格

それにしても、デフレは飲食業をはじめとする様々な産業に悪影響を与えてきました。

私自身は、飲食業に携わってきたので、これは実感として味わうことができました。200円台のお弁当がスーパーで売られているときに、飲食業それもある程度以上(数百店舗以上)にチェーン化したところは、どこも大変だったと思います。実際、100店舗もなかったような、弱小チェーンは、デフレ期間どんどん消えていきました。

原田会長は最後まで、そのようなことはいいませんでしたが、やはり日本の飲食業界にかぎらず、大きな企業のトップは、デフレを放置する政府や日銀に対して徹底的にイチャモンをつけるべきだったと思います。

そもそも、経済の癌ともいわれる、デフレを放置しておいて、いくら頑張ってみたところで、それは水道管が破裂したときに、一生懸命に水を汲み出しているようなものです。やはり、水道管の破裂箇所を直さなければどうにもなりません。

中小以下の企業のトップなどが、政府にイチャモンをつけても残念ながらあまり大きな話題にはなりませんが、日本で一位、二位を争うような大企業のマックなどの会長あたりが日銀の金融政策、政府の財政政策にイチャモンをつければ、それなりに影響力が大きいです。

それも、一人二人ではなく、各業界の最大手あたりの企業のトップがこぞって、日銀の金融政策や、政府の財政政策にイチャモンをつければ、それなりにかなり影響力があると思います。トヨタ、マック、資生堂などの有名どころのトップが、こぞって日銀の金融政策や、政府の財政政策にイチャモンをつければ、かなりの話題になり世論が盛り上がったはずです。

実際、アメリカあたりでは、ビッグスリー(車の製造業の大手三社のこと、GM,フォード、クライスラー)がことあるごとに政府の財政政策や、FRBの金融政策にかなりイチャモンをつけます。

アメリカ ビッグ・スリー

場合によっては、自分たちの経営責任は棚にあげて、ここまでいうのかという「イチャモン」もありましたが、あれはあれで良かったのかもしれません。

というのも、原田会長をはじめ、日本の経営者は、政府や日銀の政策運営にイチャモンをつける人があまりに少ないからです。たまには、いますが大手企業ではあっても、多くの人にとった知名度の高い企業のトップがそのようなことを言っているのを私は、聴いたことがありません。

それどころか、日本の大企業のトップの中には、デフレの真っ最中に、増税推進を容認するような発言をした者も多くいました。それも、どう考えても、デフレでメリットを享受できるような業種でも、業態でもないような会社のトップがそのような発言をしていました。それに経団連の会長などは、はっきりとデフレの真っ最中にデフレ容認の発言をしていました。このような経営者は、本当の意味での経営者ではなく、典型的なサラリーマン社長なのだと思います。

政府や日銀の政策が極端にまずいときに、苦言を呈するようなことは、日本では恥ずかしいことなのでしょうか。しかし、大企業のトッフであれば、その企業に勤めている従業員の数もかなり多いですし、さらには、お客様や取引先の数やその下請けも膨大なはずであって、政府や日銀がとんでもない経済・金融運営をすれば、企業そのものも大変でしす、従業員や、取引先だってとんでもないことになります。

だから、私は、日銀や政府がとんでもない金融政策や財政政策をやって、デフレを放置し続けるような場合は、まずはお客様に高品質の商品やサービスを提供し続けるために、そうして取引先企業やそのに下請け、自分たちの従業員を守るという意味合いでも、恥も外聞もかなぐり捨ててでも、日銀や政府にとことんイチャモンをつけてほしいと思います。クルーグマンなみの辛辣な批判を展開してほしいです。

それ以外のことでも、どう考えても政府・日銀のやり方がまずくて、顧客や従業員や自分たちにとって悪いことがあれば、どんどん批判すべきです。ただし、大手新聞社のように自分たちだけ、軽減税率を適用してもらいたいがために、増税は容認するし、増税推進キャンペーンを恥ずかしげもなく実行するというような、公序良俗に反するとんでもない行為は謹んでいただきたいものです。

大企業の経営者は、自らの企業のことだけではなく、それをはるかに超えた重い責任があります。日本では、偏差値の高い大学を出た人やその中でも、偏差値がより高い人をエリートと認識する人も多いようですが、これは全く間違いです。本当のエリートは、自分の命よりも責任が重い人のことをエリートといいます。無論、そもそも、偏差値が低すぎる人は責任を負うことができず、そもそもエリートにはなれませんが、それだけではエリートになれるわけではありません。一流大企業のトップは、エリートです。エリートには、エリートとしての自覚を持っていただきたいものです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2015年2月20日金曜日

天皇関する記述 市教委「断定的」 一宮・校長のブログ注意―【私の論評】教育にとって、百害あって一利なしの教育委員会という無責任、無駄組織は日本の教育行政から消滅させるべき(゚д゚)!

天皇関する記述 市教委「断定的」 一宮・校長のブログ注意
【私の論評】教育にとって、百害あって一利なしの教育委員会という無責任、無駄組織は日本の教育行政から消滅させるべき(゚д゚)!

上のツイート、全国的にいろいろいと物議を醸しているようです。私も、上の記事の市教委の対応は、酷いものだと思います。

では、当のブログがどのような内容であったかといえば、以下のようなものです。
2.9 朝礼講話(校長室)
仁徳天皇 民のかまどの話 ブログ管理人挿入
  2月11日は建国記念日です。 
 そこで、今日は日本のルーツ、日本の起源について、お話をしたいと思います。
日本の建国は、今から2675年前の紀元前660年2月11日、初代、神武天皇が即位した日が始まりです。 
 世界一広いお墓、大仙古墳で有名な、16代仁徳天皇が、ある日高台に登って遠くをご覧になられました。すると人々の家からは、食事の準備のために煮炊きする煙が少しも上がっていないことに気付いたのです。 
 仁徳天皇は「民のかまどより煙がたちのぼらないのは、貧しくて炊くものがないのではないか。都がこうだから、地方はなおひどいことであろう」と仰せられ、三年間、税を免除されました。 
 税を免除したために朝廷の収入はなくなり、宮殿は大いに荒れました。天皇は衣を新調されず、茅(かや)葦(ぶき)屋根が破れ、雨漏りがして、星の光が屋根の隙間から見えるという有様でした。 
 三年がたって、仁徳天皇が同じ高台に出られて、遠くをご覧になると今度は、人々の家々から煮炊きする煙が盛んに立つのをご覧になり、その時、仁徳天皇がこのように言われたということです。 
「高き屋に のぼりて見れば煙立つ 民のかまどは賑わいにけり」 
そして、一緒におられた皇后に「私は豊かになった。喜ばしいことだ」とおっしゃったということです。 
 皇后はそれを聞いて「陛下は変なことをおっしゃいますね。衣服には穴があき、屋根が破れているのに、どうして豊かになったといえるのですか」 
 すると「国とは民が根本である。その民が豊かでいるのだから、私も豊かということだ」と言われ、天皇は引き続き、さらに三年間、税をとることをお許しにならず、六年が経過して、やっと税を課して、宮殿の修理をお許しになりました。 
すると人々は命令もされていないのに、進んで宮殿の修理をはじめ、またたくまに立派な宮殿ができあがったといいます。 
 この話は神話であり、作り話であるという説もあります。しかし、こうした神話こそが、その国の国柄を示しているとも言えるのです。 
 こうした天皇と国民の関係性は、何も仁徳天皇に限ったことではありません。 
 敗戦直後の1945年9月27日、124代昭和天皇はマッカーサーと会見をしました。そして、その会見で昭和天皇はこのようにマッカーサーに話したのです。 
  「今回の戦争の責任はすべて自分にあるのであるから、東郷や重光らを罰せず、私を罰してほしい。ただし、このままでは罪のない国民に多数の餓死者が出る恐 れがあるから、是非食糧援助をお願いしたい。ここに皇室財産の有価証券類をまとめて持参したので、その費用の一部に充ててほしい」と述べたのでした。 
  それまで、天皇陛下が、多くの国王のように、命乞いに来たのだろうと考えていたマッカーサー元帥は、この言葉を聞いて、やおら立ち上がり、陛下の前に進 み、抱きつかんばかりにして陛下の手を握り、『私は初めて神のごとき帝王を見た』と述べて、陛下のお帰りの際は、マッカーサー自らが出口まで見送りの礼を 取ったのです。 
 このように、初代、神武天皇以来2675年に渡り、我が国は日本型の民主主義が穏やかに定着した世界で類を見ない国家です。 
 日本は先の太平洋戦争で、建国以来初めて負けました。しかし、だからといってアメリカから初めて民主主義を与えられたわけではありません。 
  また、革命で日本人同士が殺しあって民主主義をつくったわけでもありません。 
 古代の昔から、日本という国は、天皇陛下と民が心を一つにして暮らしてきた穏やかな民主主義精神に富んだ国家であったのです。 
 私たちは日本や日本人のことを決して卑下する必要はありません。皆さんは、世界一長い歴史とすばらしい伝統を持つこの国に誇りを持ち、世界や世界の人々に貢献できるよう、一生懸命勉強に励んで欲しいと思います。

この記事のどこに問題があるというのでしょうか。この市教委のボンクラどもは、マッカーサーが、日本からアメリカに帰って、公聴会で日本の戦争のことを「彼らの戦争は、侵略戦争ではなく、防衛戦そうだった」と証言していたことも知らないのではないでしょうか。

この酷い仕打ちに対するツイートに対して、様々な返信が多数ありました。その代表的なものを以下に掲載しておきます。
このツイートに見られるように、一宮市教委に対して非難轟々です。しかし、この教育委員会という組織、もともと胡散臭いものなのです。本日は、それを知っておいていただきたいと思います。

まずは、教育委員会なる組織の歴史に触れたいと思います。教育委員会が設置されたのは先の大戦後のことで、連合国軍総司令部(GHQ)の要請で、米国の教育使節団が昭和21年に来日し、教育委員会の設置を勧告したのがきっかけです。これを受けて、文部省は23年に教育委員会を設置しました。

米国が教育委員会を設置する大義名分としたのは、教育行政の地方分権化、民主化、自主化、中立性の確保でした。しかし、本音は戦前の日本の教育を否定し、日本を弱体化するということが真の目的でした。

日本弱体化のための組織である教育委員会は各地方公共団体、つまり都道府県、市町村ごとに設置されている行政委員会です。ちなみに行政委員会とは、行政機構からある程度独立して、行政に関する職務を行う合議制の機関のことで、国でいうと公正取引委員会や国家公安委員会などが、これにあたります。

《教育委員会の組織のイメージ》

教育委員会の委員の数は地方公共団体によって多少異なりますが、標準的には5人程度で、議会の承認を受けて首長が任命します。教育委員会のトップである委員長は委員の互選によって選出されます。そして、その教育委員会には学校の存廃や教職員の人事、教育方針、教科書の採択など多岐にわたる教育行政案件を決定する権限が与えられています。

しかし、その絶大な権限を持つ教育委員会には、それにに見合った責任はありません。仮に都道府県、市町村内で教育に関する重大な問題が生じれば、本来なら教育委員会が責任をとるべきでしょうが、そういうことありません。強力な権限を持ちながら、責任はとらないというのであれば、そういう組織は教育委員会にかぎらず、堕落するのが当たり前です。

いじめ問題に関する大津市教育委員会の会見はあまりに無責任だった
さらに、悪いことに、仮に責任をとるといっても、その職を辞する、あるいは解かれるだけの話ですから、別に職業を持っている委員本人にとっては痛くもかゆくもないでしょう。そうした教育委員会に形式上、教育行政の決定権限が与えられているため、首長はそれを「隠れみの」にして責任をとらなくていい、つまり、だれも責任をとらなくてすむシステムになっているのが、日本の教育の現状なのです。


教育委員会の現状をみてみると、教育委員会は形骸化していて、行政の事務局が作成した案を追認しているにすぎません。実質仕事など何もしていないのです。

教育に関する、「公平性」や「中立性」という重要な観点もありますが、何も教育委員会組織など必要性が全くなく、他にに「監査組織」のようなチェック機関を作れば問題ないと思います。そもそも地方公共団体には議会があるのですから、議会がしっかりチェックすればいいだけの話です。

こう説明してくると、こんな教育委員会制度はなくして、有権者から選挙で選ばれている首長が、教育行政についても権限を持ち、責任をとるようにすべきだというのが、本筋であることがおわかりなると思います。

このようなあってもなくても良いような組織など、必要ありません。このようないい加減な組織は、はやく消してしまうべぎてす。

素晴らしい校長先生の談話の価値も理解できず、このような反応を示す教育委員などこの日本に必要ありません。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?


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2015年2月19日木曜日

【田母神事務所不明金】「ショック。会計責任者に少なくとも3千万円横領された」…政治資金の使途不明問題で田母神氏が記者会見―【私の論評】戦後保守の終わりの始まりか?田母神氏と、水島氏の両氏にみる現代人に必要不可欠な"虚実皮膜の間"の真実(゚д゚)!


事務所スタッフによる政治資金横領について、
厳しい表情で語る田母神俊雄氏=19日

昨年2月の東京都知事選や12月の衆院選に出馬した元航空幕僚長、田母神俊雄氏(66)の政治資金の一部が使途不明となっている問題で、田母神氏は19日、都内で記者会見し「少なくとも3千万円が会計責任者に横領されていた。信頼していただけにショックだ」と話した。

田母神氏側の説明によると、田母神氏の政治団体「田母神としおの会」には都知事選後に約6千万円の残金があったが、衆院選前には約1千万円に減少。調査の結果、会計責任者の50代男性が横領を認めた。横領したカネは高級クラブでの遊興費や生活費などに充てていたという。

横領額について田母神氏は「詳細は調査中だが3千万~4千万円」とし、「(買収などの)不正に使われたことはないと考えている」との見解を示した。さらに男性は弁済を約束しているが、弁済が滞るなどした場合は横領罪などでの刑事告訴も検討するとしている。

田母神氏は「男性は、自衛隊で先輩だった(田母神としおの会)事務局長が連れてきた人間で、信頼し任せっきりになってしまっていた。寄付を頂いた皆さまには申し訳なく、監督責任を感じている」と話した。

【私の論評】戦後保守の終わりの始まりか?田母神氏と、水島氏の両氏にみる現代人に必要不可欠な"虚実皮膜の間"の真実(゚д゚)!

上記の出来事については、様々な方面で波紋を呼んています。まずは、水島氏が動画でこの件について語っています。その動画を以下に掲載します。


この動画の説明は、以下の様ものです。

本日、政治資金の使い込みが発覚した田母神俊雄事務所が釈明の記者会見を行いましたが­、残念な事に、この期に及んで嘘と保身と責任転嫁の姿勢が露わになりました。記者会見­の模様を逐次振り返りながら、彼等がどんな嘘をついて事件を糊塗したのか、水島より具­体的に指摘させて頂きます。

さて、この動画の内容、まだ真偽ははっきりしません。しかし、いずれこの問題は明らかになっていくものと思います。新聞やテレビでどの程度報道されるかは、わかりませんが、おそらく週刊文春あたりで明るみに出ると思います。

以下に、会見の模様のみまとめておきます。
19日午前、田母神俊雄氏が会見し、政治資金の一部が使途不明になっていると報じられたことについて説明を行った。 「選挙が初めてだったので、通帳も印鑑もカードも渡しっぱなしにしていた。うかつだった。」「ご心配をおかけし、ご寄付いただいた皆様にも申し訳なく思っています」と陳謝した。

田母神氏によると、団体「田母神としおの会」(都知事選後「東京を守り育てる都民の会」から名称変更)の会計責任者が、資金を赤坂のクラブなどで私的に使い込んでいたことを認めたという。具体的な金額については現在調査を進めているとしたが、田母神氏は「3000万円から4000万円程度使い込んでいるのではないか」とした。

昨年2月の都知事選時点では、供託金や寄付金などを合わせ約1億3500万円の資金があり、12月の衆院選後もなお残ると考えていたというが、支払いの遅滞が発覚。田母神氏本人が弁済する状況になったため、今年に入って会計責任者を問い詰めたところ、使い込みを自白したという。使途については、「 選挙で不正に使われたことは無いと思っている。生活費や遊興費に使われた」と述べた。

会計責任者に対し、田母神氏は「かわいそうだから名前は調べたらわかると思いますので控えせていただきます」としながらも、「本人の証文も取っており、一部は弁済をし、残りはこれから弁済をしていくとしているが、弁済ができないと思われる場合には刑事告訴をせざるを得ない」とした。

今後の政治活動については、「私にとって大変な問題。ショックですけれども、潰れないように早く処置を終えて、なんとか来年の参議院を目指して頑張りたい」とコメントした。

今回の会見は、ネット番組「チャンネル桜」(2月17日放送分)で「頑張れ日本!全国行動委員会」の水島総会長が指摘したこともきっかけの一つ。都知事選では支援を受けていた水島氏について問われると、田母神氏は「信義違反だと感じている。都知事選では私が彼の手のひらの上で踊るということになっていたが、だんだん私が彼の言うとおりにならないということになり、あまりいい感情をもっていなかったのではないか。都知事選後の活動についてもこき下ろされた。ずいぶんひどいことをするなと感じていた」とコメントした
さて、いずれに転んだとしても、水島総氏の田母神氏の見方、田母神氏の自分の会計責任者に対する見方など、人物の見方について問題がありそうです。水島氏は、田母神氏を大嘘つきと語っていますが、ではなぜそのような大嘘つきの人物の選挙応援をしたのか、それも遠い過去のことではなく、つい最近のことです。選挙が終わった途端、田母神氏が大嘘つきに突然変身するというのは、考えられないことです。これも本当に疑問です。

私は、もともと田母神氏は、政治家向きの人ではないと思っていました。無論言論人としての田母神氏を否定するつもりは毛頭ありません。現在の日本において、一定の役割を果たしているということでは、敬意を払っています。しかし、政治と言論活動は別物です。

次世代の党に関しては、期待感はあったのですが、何というか、経済政策に関してはかなり理解し難い内容のものだったので、次世代の党には経済通はいないと思います。長くデフレの続き、塗炭の苦しみを味わった多くの国民が存在する今の日本では、国民の関心事からいえば、経済であって、天下・国家論は二の次だと思います。

しかし、次世代の党は、天下・国家論を中心に訴え、経済に関しては明確な路線の打ち出しが足りなかったように思います。私としては、次世代の党の知名度が足りなかったことと、経済対策の軽視が、大きな敗因だったと思います。

政治家にとって、一番大切なのは金庫番です。金庫番が駄目だと、政治資金規正法や選挙違反で足元すくわれることになります。だから、金庫番は最も信頼できる人をあてなくてはいけないです。金庫番の人は、不適切な人物を排除する意味でも重要なはずです。しかし、田母神氏がこのようなことができなかったということで、今回の事件は、やはり政治家向きではないということの査証になったのではないかと思います。

こういう話題になると、私は「虚実皮膜の間」という言葉を思い出します。これは、原典は詳しくは知りませんが、もともとは芸は実と虚の境の微妙なところにあることを指し。事実と虚構との微妙な境界に芸術の真実があるとする論です。江戸時代、近松門左衛門が唱えたとされる芸術論だそうです。

近松門左衛門の肖像

そこから発展して、現在では、「虚実」はうそとまこと。虚構と事実。「皮膜」は皮膚と粘膜。転じて、区別できないほどの微妙な違いのたとえとされています。「膜」は「にく」とも読みます。

この言葉、非常に含蓄があるもので、現在正しいとされていることであっても、条件や状況が変われば、正しいとはいえない場合もおうおうにしてあります。だから、「これが絶対に何が何でも正しい」などということは、この社会ではあり得ません。

これは、企業などの組織の中でも同じことです。会社の中で職位が何であれ、私たちは、組織の中で一人ひとりが独立していなければなりません。自分の足で立っていなければなりません。自分の考えを持たなければなりません。しかし会社組織には、多数決という考え方がないことも事実です。責任範囲の狭い人と、責任の範囲の広い人の考え方が最終的に異なった場合、どんなに反対者が多くても、責任範囲の広い人である職位の高い人の意見が優先するのは言うまでもありません。

ただし、だからといって組織人として、自分の意見がないということも許されるものではありません。だから、上司を信じることは良いのですが、上司に頼りすぎるのも良くありません。また、部下をみる場合には、性善説でみる場合と、性悪説で見る場合とを臨機応変に変えていかなければなりません。性悪説でのみ部下と接すれば、そこには信頼関係がなくなります。そのような見方だけをする上司には、部下は誰もついていきません。

かといって、性善説だけで見れば、管理上のリスクが常について回ることになります。時と場合によって、臨機応変に変えなければなりません。片方の見方しかできないようであれば、管理者失格です。管理者や経営者の立場においては、いずれの立場からでも見られるようにしておかなければなりません。

だから、組織人は、組織と個、善と悪に関して、いつもこれらのバランスを図っていく必要があります。そうして、虚実皮膜の間という言葉どおりに、場合によっては個と組織、性悪説と性善説の間を揺れ動きつつ、その場、その場で判断をしていく必要があります。どんな場合にも、全体のためだけとか、個のためだけということはあり得ず、絶対善、絶対悪もないわけで、このバランスをとるという意味合いもこめて、私は「虚実皮膜の間」という言葉を座右の銘の一つとしています。



私は、組織や人を見るときにはいつもこのように見るようにしています。これは、組織人にとっては必要な視点です。これができないような人は、人を管理する立場にたったり、ましてや経営者や政治家などの重要なポストについてはいけません。

現代は組織の時代ですから、このような資質にかけた人は、社会人としても未熟だということです。

このような見方を常にこころがけて、絶対善、絶対悪などということはあり得ないということをいつも念頭においていれば、水島氏のように人を見限ぎらざるをえないとか、田母神氏のように人に裏切られるとなどということになってしまうことの確率をかなり低減することができると思います。

これができない人は、いつも人を見限り続けるか、人に裏切られ続けることになります。

現状を振り返ってみると、左右上下問わず、このような見方のできる人が戦後日本、特にここ最近は減っているように思われます。これについては、現在ではとても革新などとは呼べない、戦後体制利得にしがみついているいわゆる左派という人たちに顕著でしたが、この田母神騒動をみていると、右派といわれる人たちも例外ではないと思えてきます。

戦後70年の本年、長期にわたって継続されてきた異常ともいえる戦後体制下において長い間築かれてきたいわゆる戦後革新派が、革新などとは呼べなくなり、とうの昔に堕落してしまいましたが、戦後保守にも制度疲労が発生し、再編する必要があるのではないかと思います。

日本の古来からある伝統を引き継ぎつつ、「虚実皮膜の間」を理解しつつ、現在の変化に柔軟に対応し続けることのできる新たな保守の確立が急務だと思います。そうして、今の日本、幸いなことに若い世代の人々にそれを期待できそうです。

私はそう思います。皆さんは、どう思いますか?

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2015年2月18日水曜日

【イスラム国】残虐行為の裏には“処刑の教科書"― 【私の論評】残虐の限りを尽くすのは、何故? 統治の正当性や軍事力が脆弱であるため、余裕がなく切羽詰まっているからこそだ(゚д゚)!

【イスラム国】残虐行為の裏には“処刑の教科書" 


ネット上に公開されている“処刑の教科書”

リビアでキリスト教の一派、コプト教徒のエジプト人21人を一斉に斬首する映像をインターネットに公開したイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」。イスラム過激派に伝わる“テロの教典”に基づいて殺戮を繰り返す彼らだが、その戦略が逆効果になっている可能性がある。エスカレートする残虐行為で、「イスラム諸国の反発を招き、逆に追い詰められつつある」(専門家)というのだ。(夕刊フジ

地中海沿岸とみられる浜辺で一斉に21人ものエジプト人を虐殺したイスラム国。怒りに震えるエジプト軍は16日、このテロ集団の軍事訓練施設や武器庫など複数の拠点を空爆、報復措置をとった。エジプトはこれまで米国が主導する対イスラム国への軍事作戦に参加していなかったが、堪忍袋の緒が切れた格好だ。

「イスラム国」が公開したコプト教徒の処刑映像

イスラム国は13日までに、クルド人部隊の兵士17人を檻(おり)に入れて市中を引き回す映像も公開。兵士が入れられた檻は、ヨルダン軍のパイロットが火あぶりにされたものと酷似しており、英紙デーリー・メールは、「全員を焼殺する可能性がある」などと報じている。

火あぶりに首斬り、引き回し。行為を激化させるイスラム国だが、無軌道にもみえる行動の背景に、イスラム過激派の間で知られる「野蛮の作法」という指南書の存在が指摘されている。

中東情勢に詳しい世界平和研究所の松本太・主任研究員は「2004年にアブ・バクル・ナージと名乗る人物がネット上に投稿したもので、イスラム過激派が目指すべき戦略を提示している。そこでは、イスラム諸国で民族的・宗教的な復讐心や暴力を恒常的に作り出すことの必要性が説かれている」と解説する。

軍事ジャーナリストの世良光弘氏は「これまでイスラム過激派にシンパシーを抱くムスリムも一部にいたが、イスラム国の登場で、そうしたシンパも離れた。特にムスリム社会でタブー視される火刑への反発が大きい。過激派と一般のムスリムの間には決定的な断絶が生まれ、イスラム国は影響力を急速に失っている」と語る。

エジプトやヨルダンが報復攻撃に出るなど周辺国の包囲網が強化される一方で、最高指導者とされるアブバクル・バグダーディ容疑者をはじめとする組織中枢の結束も危うくなっている。

松本氏は「イスラム国はフセイン政権下のイラク・バアス党に所属していたスンニ派のイラク人が中心となって築き上げた組織。中枢を古参のイラク人幹部が牛耳っていて、サウジアラビアや西アフリカ諸国、チェチェンなどから入ってきた新勢力と緊張関係にある。緊張が高まれば、組織が内部崩壊する可能性もある」と話す。

非道なテロ集団は自壊への道を歩んでいる。

【私の論評】残虐の限りを尽くすのは、何故? 統治の正当性や軍事力が脆弱であるため、余裕がなく切羽詰まっているからこそだ(゚д゚)!

テロ組織「イスラム国」には、「野蛮の作法」という指南書があるそうですが、それにしてもこのような残虐の限りを尽くすには、それなりの理由があると思います。

上の記事でも示されている通り、2つに集約されます。

一つ目は、イスラム諸国で民族的・宗教的な復讐心や暴力を恒常的に作り出すことの必要性からです。

二つ目は、これまでイスラム過激派にシンパシーを抱くムスリムも一部にいたが、イスラム国の登場で、そうしたシンパも離れたからです。

もし、このテロリストグループに余裕があれば、いくら「野蛮の作法」という指南書があったにしても、実際にこれを適用するようなことはしないと思います。

テロ組織「イスラム国」の統治
もともと、残虐の限りを尽くすのは、自分たちの脆弱な統治能力を恐怖によって、補完し安定継続させるためのものです。以下に、現状のテロ組織「イスラム国」の統治方式のあらましを掲載します。


テロ組織「イスラム国」は、イラクとシリアにまたがる地域で勢力を拡大するイスラム教スンニ派の過激派組織。国際テロ組織アルカイダ系組織などから派生し、2013年にシリア内戦に本格参戦した「イラク・レバント・イスラム国」(ISIL)が14年6月に「イスラム国」に改称、イスラム教教義に厳格に従った国家樹立を宣言しました。アルカイダは2月に関係を断絶する声明を発表しています。

イスラム国の最高指導部はバグダディ指導者と2人の元将校で構成され、イラクとシリアに分けて戦闘や支配地域の統治などを総括。最高指導部の下には10人前後からなる評議会を設置し、集団指導体制を敷いています。

評議会メンバーは戦闘や戦闘員の勧誘、広報など部門別の責任者を兼ね「内閣」のような役割を持っています。全てイラク人で、元将校のほか政治・行政の経験を持つフセイン政権与党バース党の元党員もいます。さらに支配地域を区分けして十数人の「知事」を置いています。

フセイン政権の残党がイスラム国と結びついたのは、イラク戦争後に政府軍が解体され、バース党幹部が公職から追放されたためです。フセイン元大統領は自身と同じイスラム教スンニ派を重用していたのですが、新政権への移行は人口の約6割を占めるシーア派が主導。不満を募らせた元政権幹部が、スンニ派のイスラム国に流れる土壌ができたのです。

その一人が、バグダディ指導者の「右腕」だった元将校のハッジ・バクル氏です。バグダディ指導者は10年に前指導者が米軍に殺害された後、イスラム国の前身組織を率いました。この時、バグダディ氏を推挙したのが、軍事・情報部門を率いていたバクル氏で、組織内のライバルを暗殺し、バグダディ指導者が権力基盤を固めるのに貢献しました。

「ナンバー2」の地位を獲得すると、12年に本格化したシリア内戦への介入や、新国家建設計画を主導しました。対立組織にスパイを送り、戦闘員の取り込みを図るなど組織拡大のキーパーソンでした。バクル氏は昨年1月の戦闘で死亡し、現在は側近で同じ元将校のアブ・アリ・アンバリ氏が後を継いでいます。さらにシリアとイラクの管轄を分担するため、別の元将校が指導部に加わっています。

それにしても、このような統治方式を採用したとしても、彼らの統治にも、ある程度正当性があれば、統治能力の脆弱性を補完するにしても、その補完はわずかのものですみますが、あまり正当性がない上に、最近ではかえて反発をかって、正当性がさらに薄れつつあります。だから、さらに残虐性を極めることになっているのです。

統治の正当性の脆弱性に加えて、テロ組織「イスラム国」には、さらに脆弱な面があります。それは、彼らの軍事力です。

そもそも、彼らの有する軍事力は、他の中東地域にみられる民兵に毛が生えたようなものです。民兵は、軍隊ではありません。彼らは、短期間で養成された素人の集まりであり、とても、現代の組織化され、高度に知識化された軍隊には刃が立ちません。しかも、彼らが拠点としているのは、ベトナムのようなジャングルではなく、砂漠です。これでは、早晩限界がくることは、最初からわかりきっています。

それに関しては、評論家の古谷経衡氏が非常にわかりやすい記事を書いていますので、その記事のURLを以下に掲載します。
所謂「イスラム国」の壊滅は案外早いかもしれない
詳細はこの記事をご覧いただくものとして、この中で、古谷氏は以下のようにテロ組織「イスラム国」の軍事力を看破しています。

古谷経衡氏
テロ組織「イスラム国」は、3個師団相当の地上戦力を持っていることから数の上だけからみれば、決して侮れない存在としています。しかし、イスラム国の戦車は、まともに運用されておらず、単なる宣伝のための戦車になってしまっていること、さらに、保有する100機のミグ戦闘機もただの飾りでこれも運用することができない状況でです。戦闘機や、戦車などは、機体・車輛そのものよりも運用ノウハウが重要であり、彼らにはそのノウハウがないことを示しました。そうして、数の多い民兵でしかない、所謂「イスラム国」の軍事力の実力を示しました。

宣伝のための戦車

その上で、以下のように結論づけています。
 所謂「イスラム国」には、有志連合の空爆や、(万が一の)地上侵攻に対抗する軍事力は無い。アフガニスタンと違って、所謂「イスラム国」の支配地域は遮蔽物や山岳の少ない砂漠地帯なので、いざ西側の地上部隊が包囲すれば総崩れとなり、掃討戦は容易に行われるだろう。 
 所謂「イスラム国」を過大評価し、「近代の終わりを告げた」とか「今後も世界中の若者が続々とイスラム国へ向かう」だのという人もいるが、軍事的な見地からすれば少々お門違いの見識のように思う。 
 所謂「イスラム国」の壊滅は、案外早いかもしれない。
統治の正当性が低く、軍事力も脆弱であるため、テロ組織「イスラム国」の壊滅は、意外と近いと彼ら自身も考えているからこそ、さらに残虐の限りを尽くしているのです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2015年2月17日火曜日

高卒就職内定率88.8%=バブル崩壊前水準まで回復―文科省―【私の論評】私達は反リフレ派や自称市場関係者らの狼藉者共に翻弄され続けた結果、とんでもないデフレ・円高、それに伴う雇用状況の酷い悪化に20年も翻弄され続けたことを忘れるべきではない(゚д゚)!



 今春卒業予定の高校生の就職内定率は昨年12月末時点で、前年同期より3.5ポイント高い88.8%だったことが16日、文部科学省の調査で分かった。5年連続の上昇で、バブル崩壊前の1980年代後半以来の高水準となった。同省は「景気の回復傾向で求人が増え、希望者が順調に内定を得ている」と話している。

 同省によると、就職希望者約19万1000人のうち約17万人が内定を得た。男子は前年同期比2.7ポイント増の90.7%、女子が4.4ポイント増の85.9%。男女それぞれ約1万1000人が内定を得ていない。 

【私の論評】私達は反リフレ派や自称市場関係者らの狼藉者共に翻弄され続けた結果、とんでもないデフレ・円高、それに伴う雇用状況の酷い悪化に20年も翻弄され続けたことを忘れるべきではない(゚д゚)

高卒の就職率が良くなり、高校生も明るくなった(゚д゚)!

高校生の就職内定率が、バブル崩壊前の1980年代後半以来の高水準になりましたか。わずか数年前はどうだったのでしょうか? マスコミはなぜか数年前の酷さに関しては、報道しないこともありますし、人の世の常として、喉元すぎれば暑さを忘れという格言どおり、忘れてしまっている方も多いのではないでしょうか。

このブログでは、高校生の就活がひどい状況だったときに、その内容を掲載しています。その記事のURLを掲載します。
来春高卒者の全国求人倍率 半減の0.71倍 北海道内0.26倍 -産業構造の転換と新たな職業訓練の機会を!!
この記事は、2009年9月12日のものです。民主党鳩山政権成立直前のことです。鳩山政権成立は、2009年(平成21年)9月16日のことです。

政権交代を伝える新聞記事
 当事私自身は、民主党政権に関しては、危機感を感じていましたが、経済政策に関しては、場合によっては、第一次安倍内閣以後の自民党政権よりはましになる可能性もなきにしもあらずと淡い期待を抱いていました。しかし、その後日銀の金融引締め状況は変わらず、政府も積極財政を実施するどころか、「人からコンクリート」へのスローガンのもと、緊縮財政が推し進めらていきました。

最も酷かったのは、民主党は政権交代の選挙のときには、民主党が政権の座にある限り、増税はしないという公約を出していたにもかかわらず、結局野田政権のときに三党合意で増税を決めてしまいました。

このような民主党の経済運営の不味さもあって、大卒の内定率も落ちましたし、高校生の内定率は最悪でした。

しかし、第二次安倍内閣が成立し、日銀による金融政策が金融緩和に転じたため、雇用状況の改善がみられ、今日に至っています。


過去を振り返れば、安倍政権以外の政権は、結局のところどの自民党や、民主党にかかわらずそうして、誰が総理大臣だったかにかかわらず、すべての政権が、日銀の金融引締め政策を黙認してきました。

過去20年間をふりかえってみると、ほとんど全部の政権において、景気が悪いのに金融引締め、緊縮財政を繰り返してきました。中には、緊縮財政をしなかった政権もありましたが、それでも金融引締め路線は変えることができませんでした。そのため、雇用の改善はみられませんでした。

安倍政権においては、金融緩和路線に転換しましたが、まったく残念なことに本来は、減税などの積極財政をすべきだったものが、8%増税という緊縮財政に走ってしまい、消費が落ち込みマイナス成長になってしまいました。

ただし、高卒の内定率を見ている限りでは、消費税の悪影響はあまりなかったようです。やはり、金融緩和が効いていたのだと思います。ただし、本当は増税しなければ、もっと内定率があがっていた可能性があります。

それにしても、マスコミは安倍政権に関して、このように良い成果に関してはあまり報道をしません。そもそも、金融政策と雇用との間には密接な関係があるという経済上の常識についてはほとんど報道しませんでした。これについては、このブログでも過去に解説したことがあります。その記事のURLを以下に掲載します。
若者雇用戦略のウソ―【私の論評】雇用と中央銀行の金融政策の間には密接な関係があることを知らない日本人?!
 

日本やアメリカで、インフレ率を2~3%も上昇させることができれば、その他は何もしなくても、一夜にして数百万の雇用が発生します。これは、経済学上の常識です。しかし、過去においては、この常識は無視され、雇用の改善はされないまま内定率など最悪になりました。

しかし、安倍政権になってからは、日銀が金融緩和に転じたため、どんどん雇用状況が改善して、今日に至っています。

しかしこのような良いことは無視して、実質賃金が下がったことなどをマスコミや、識者や、政治家などが、問題にしています。これは、全く出鱈目であり、首相もそうだし与野党、マスコミ、識者、政治家などすべてが8%消費増税を決断していjました。

昨年の実質賃金の低下は消費増税によるものです。それがなければいわゆるアベノミクスで実質賃金は上昇していました。

それに、雇用状況が改善すれば、まずは最初はパート・アルバイトの雇用が増えるのが普通で、そうなれば平均賃金は下がるのが当然のことです。これは、いずれ雇用状況がさらに良くなっていけば、改善していきます。

しかし、そんなことは、マスコミや似非識者には全くのおかまいなしで、安倍批判を続けました。彼らにとっては、実質賃金の低下は安倍政権の批判の道具にすぎません。実質賃金の一時的低下が、一時的なことであるとの認識が広まり安倍政権批判の道具にならなくなれば、彼らは、次々と新たな道具を開拓するだけです。

いずれ、マクロ経済政策では改善できないレベルの雇用問題がより顕在化してくることになります。もちろんいまでも実質賃金のような問題もありますが、経済が回復するにつれて、いずれマクロ経済政策では改善できない問題以外は目立たなり社会で注目されるようになります。

そのとき嫌安倍派や、反リフレ派たちは、マクロ経済政策では解決できない問題の解消までリフレ政策に求めるようになることでしょう。そうして、安倍政権や、アベノミクスではそれができないから、無効だと言い出すようになることでしょう。

なぜそんなことがいえるかといえば、もう嫌安倍派や、反リフレ派たちにはすでにこのようなことが、常態化しているからです。

金融政策の否定がその典型です。金融政策に関して、マルクス経済学派の松尾匡さんが、左派こそ金融緩和重視すべきという主張をされているのを昨日このブログに掲載しました。

松尾匡氏
左派こそ金融緩和を重視するべき 松尾匡・立命館大教授
しかし、過去の経験則から、現状の日本のリベラルや左派の多数派がこれからリフレ政策を肯定的に理解する可能性は全くありません。

また、多くの自称アナリスト、エコノミスト、ストラテジスト、メディアなどの「市場関係者」は「商売優先」で、時代遅れの反インフレ目標政策で凝り固まっています。リフレで株価が、上昇したことや、雇用情勢が良くなったことなど一切認めません。

彼らは、これらが改善したのは、アベノミクスとは一切関係ないと主張し、経済指標で何か一つでも悪化すると、それは何でもアベノミクスのせいだと、一斉に言い立てます。

円安倒産などその典型中の典型です。それに関しても、このブログで掲載したことがあります。そのURLを以下に掲載します。
【高橋洋一氏TW】報ステでバカな報道(円安倒産前年比2.7倍)があったようだが―【私の論評】これが報ステの手口!誤解招く報道「円安倒産急増」に騙されるな 全体は減少傾向続く (゚д゚)!
ISLI報道も酷かったが、経済報道も酷いテロ朝「報ステ」

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、何万件もある企業の中でのたった21件の円高倒産をさも円安倒産が蔓延しているかのような印象操作をする超低能番組「報ステ」の実体を暴露しました。これは、本当に重箱の隅をつつくのたとえを通りこしています。

要するに商売と政治的イデオロギーで凝り固まり現実を拒否し、無視している狼藉者共は、これからも変わらず、事あるごとに、鵜の目鷹の目で、経済指標など見回し、なにか少しでも悪いことがあれば、それを新たな切り口として、安倍批判、アベノミクス批判、リフレ批判をし続けます。

これかもこれら狼藉者共の嘘を見抜き、叩き続けなければなりません。これら狼藉者に惑わされることがあってはなりません。

私達は、これら狼藉者共に翻弄され続けた結果、とんでもないデフレ・円高、それに伴う雇用状況の酷い悪化に20年も翻弄され続けたことを忘れるべきではありません。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われまますか?

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2015年2月16日月曜日

NNN世論調査 安倍内閣支持率51.0%―【私の論評】その時々でありながらも、少なくとも10年や20年継続して、「心の底から信じ込める価値観」がなければ手段と目的を履き違えるという愚行をすることになってしまうと心得よ(゚д゚)!

NNN世論調査 安倍内閣支持率51.0%


NNNが13~15日に行った世論調査によると、安倍内閣の支持率は51.0%で50%台を回復した。

世論調査で安倍内閣を「支持する」と答えた人は、前の月より4.8ポイント高い51.0%で、去年9月以来、5か月ぶりに50%台を回復した。一方、「支持しない」と答えた人は、前の月より5.8ポイント下がり32.2%となった。

イスラム過激派組織「イスラム国」による日本人殺○事件への安倍内閣の対応については「評価する」が43.3%に上り、「評価しない」は33.6%だった。また、シリアに渡航しようとしたフリーカメラマンに対し政府がパスポートを返納させたことについては「妥当である」が27.9%、「問題は残るがやむをえない」が58.9%となり、合わせると86.8%に達した。「行き過ぎた措置だ」は8.4%だった。
http://www.news24.jp/articles/2015/02/15/04269309.html

[ 問1] あなたは、安倍晋三連立内閣を支持しますか、支持しませんか?
(1) 支持する 51.0 %
(2) 支持しない 32.2 %
(3) わからない、答えない 16.8 %
[ 問4]あなたの支持している政党を教えて下さい。(支持政党がないとき→強いて挙げればどの政党ですか?)
(1) 自由民主党 45.7 %
(2) 民主党 9.9 %
(3) 維新の党 4.2 %
(4) 公明党 3.6 %
(5) 日本共産党 3.4 %
(6) 次世代の党 0.1 %
(7) 社会民主党 0.6 %
(8) 生活の党と山本太郎となかまたち 0.1 %
(9) 日本を元気にする会 0.0 %
(10) 新党改革 0.1 %
(11) その他 0.2 %
(12) 支持政党なし 26.6 %
(13) わからない、答えない 5.7 %

[ 問5]民主党は、代表選挙を行い、新しい代表に岡田克也議員が就任しました。あなたは、これからの民主党に期待しますか、期待しませんか?
(1) 期待する 28.9 %
(2) 期待しない 60.7 %
(3) わからない、答えない 10.4 %
この世論調査の集計結果の、詳細ははこちらから(゚д゚)!

【私の論評】その時々でありながらも、少なくとも10年や20年継続して、「心の底から信じ込める価値観」がなければ手段と目的を履き違えるという愚行をすることになってしまうと心得よ(゚д゚)!



日本では、最近理屈の通らない政権叩きをすればする程、相対的に支持率が上がると云う現象がおきているようです。最近のマスコミは、ISIL報道でも劣化報道を行い、まるでテロリスト集団を代弁するような行動しつつ、安倍政権をバッシングしていました。

こんなバッシングにはのらないということで、日本人は愚かでは無いということかもしれません。

自称フリー・ジャーナリストのパスポートを返納させたことについては「妥当である」、「問題は残るがやむをえない」合わせると86.8% マスコミがいくら煽り立てても国民は冷静です。 そろそろマスコミは、気づかないのでしょうか?

上記の世論調査の結果は、日本国民の意見は直近でメディアや左派の方々とは、離れている証だと思います。

そのようなことはいろいろ散見されます。

たとえば、上念司氏は以下のようツイートをしています。
本当に最近は、マスコミも劣化、左派の人たちも頭をつかわなく(つかえなく?)なったせいか、主張そのもが何やら安倍政権を叩くことが目的のようになってしまっていて、手段と目的をはきちがえ、それも上念氏が語るように、ディテールのつくりこみが甘すぎます。かつてのように、「なにがなんでもソ連絶対勝利」という絶対的な価値観がなくなってしまったからでしょうか。

かつての「ソ連」のような存在に、「中国」はなりえないのかもしれません。心の中が、フラフラしてるので、緊張感もなくディテールの精緻なつくり込みもできず、以下のような大間違いをしてしまうのだと思います。
民団幹部が、国籍を自由に変更して、反日工作を活動していることをツイッター(拡声器)で暴露しています。これって、やはり緊張感も何もなしにやっているからこんな馬鹿真似をするのです。旧ソ連のコミンテルンであれば、こんなことをすれば、粛清されてしまいます。

それから、左派系が頭をつかわなくなってしまったため、このような指摘もされています。
左派こそ金融緩和を重視するべき 松尾匡・立命館大教授
詳細はこの記事をご覧いただくものとして、立命館大学教授の松尾さんはマルクス経済学者を名乗っています。この記事で松尾さんは、左派の立場こそ本来、金融緩和を重視するべきだと主張しています。

本来なら、これは当たり前のど真ん中であり、EUなどでは左翼・左派がが金融緩和政策を重要視しています。しかし、日本の左派・左翼、新聞などのマスコミもそうではありません。

やはり、良い悪いは別として、かつての「ソ連」とか、「共産主義革命」などが単純に信じ込めなくなったため、左派や左翼系の人々が行き場を失って、フラフラして目標を見失い、手段と目的を履き違えて、安倍政権叩きをしているということだと思います。

「絶対的な価値」はときには教条主義や原理主義を生み出しとんでもないことになるのでそもそも最初から信奉するのが間違いです。だからあくまで「相対的価値」であったにしても、その時々でありながらも、少なくとも10年や20年継続して、「心の底から信じ込める価値観」がなければ手段と目的を履き違えるということになってしまうのだと思います。

数年で変わる価値を信奉するのは、そもそも間違いです。かといって、永遠不変の価値などを信奉するのも大きな間違いです。そこが難しいところです。やはり、根底には宗教や美意識などの不変の価値があり、それ以外は臨機応変に変わっていくというのが正しいあり方だとは思いますが、どこまでが根底でどこから変わって良いものなのか、そこの線引が、これも難しいところです。

私は、そう思います。皆さんはどう思いますか?

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2015年2月15日日曜日

世界各国も金融緩和へ 「通貨戦争」ではなく「デフレ戦争」―【私の論評】とんでも経済論は、日本だけではないが、過去の日本はデフレが20年も続いたという現実があることを肝に銘じよ(゚д゚)!


写真はブログ管理人挿入 以下同じ

 米連邦準備制度理事会(FRB)や日銀の後を追う形で、欧州中央銀行(ECB)が1月に量的緩和導入を決めたが、カナダやインドなど世界の国々も金融緩和へ向かっている。メディアでは「通貨戦争」という言葉が見られるようになったが、本当に「戦争」といえるようなことなのだろうか。

「通貨戦争」という言葉を使う人は、1930年代の大恐慌は各国の通貨切り下げ競争によって激化したという神話を信じていることが多い。

しかし、この神話は、経済理論的に間違っていたことが最近の研究で明らかになっている。戦間期の為替切り下げ競争が生み出したものは壊滅的な結果ではなく、各国とも好ましい結果になった。

為替レートは原則としてそれぞれの通貨の相対的な存在量で決まる。相対的に希少な通貨ほどレートが上昇するので、金融緩和すれば確かに通貨安になる。

しかし、世界の先進国ではほとんど2%前後のインフレ目標を設定している。そのため、各国は、インフレ目標を超えて金融緩和することはない。つまり、各国のインフレ目標の上限までしか金融緩和しないという限界があるわけだ。

ドルをデザインしたビキニ

インフレ目標が各国に浸透した現代では、各国ともに、自国経済を一定のインフレ率と失業率に抑えようと経済運営すれば、おのずと為替切り下げ競争にはならないのだ。

通貨切り下げによる「近隣窮乏化」は一時的なもので、実際には各国経済が良くなることで、逆に「近隣富裕化」となり、世界経済全体のためにもなる。こうしてみると、自国経済を無視した「通貨戦争」はありえないということになる。

では、なぜ、各国ともに金融緩和なのだろうか。今の時代、モノの生産技術が大幅に進歩して、モノが安価に大量生産されるようになった。しかし、金融政策は旧時代のままで、相変わらず過度なインフレ恐怖症である。このため、カネがモノに対して相対的に過小になって、逆にモノはカネに対して相対的に過大となっている。モノの価値が安くなるため、世界的にデフレ傾向にある。

多くなりすぎたモノと少なすぎたカネのバランスを保つために、カネを増やす金融緩和が必要となって、各国ともにデフレにならないようにしているのだ。このため、「通貨戦争」ではなく、「デフレ戦争」というのが正しい。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

上の記事は要約です。詳細はこちらから(゚д゚)!

【私の論評】とんでも経済論は、日本だけではないが、過去の日本はデフレが20年も続いたという現実があることを肝に銘じよ(゚д゚)!

各国の通貨をデザインした水着

通貨戦争なる幻想は、最近でも広く流布されています。その典型的なものをあげてみます。以下は、「通貨戦争」というキーワードで、過去一ヶ月間のものをグーグルで検索したものです。ごく一部を掲載したものですが、とにかく「通貨戦争」を前提として言説が多いのには正直いって驚かされました。

米ゴールドマン社長、世界は「通貨戦争のさなか」 

「通貨戦争」の先の副作用を警戒(加藤出)東短リサーチ社長チーフエコノミスト

円安阻む「第2次通貨戦争」の壁 編集委員 小栗太 

宣戦布告ない「ステルス」通貨戦争、ボラティリティ急騰がとどめ

「スイスフラン上限廃止で通貨戦争の新たな局面…韓国製造業に危機も」

日本もいわゆる「とんでも経済論」が流布されていて、これでもかこれでもかと、似非識者や新聞などが、新たな「とんでも経済理論」で、日本の国民さんざん引っ掻き回してくれているのですが、こうやってみると他国も似たようなものと思えてしまいます。

通貨戦争については、このブログでも掲載したことがあります。
「円安で近隣窮乏化」という誤解 デフレ対策の緩和、堂々主張を―【私の論評】まともな国にとっては、まずは国民経済をきちんと運営することが、世界経済もうまく運営していく前提となる!!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、ある国が本気で、「通貨戦争」と称して徹底的にどこまでも金融緩和を継続したらどうなると思いますか? 行き着く先はあまりにもはっきりしすぎています。ほとんど頭をつかわないでも、答えはすぐにでます。そうです。お金が増えすぎるわけですから、確かに通貨安にはなるものの、ハイパーインフレになってしまいます。

ハイパーインフレになりかけか、最悪ハイパーインフレになってしまえば、どの国でも、必ずこれを収拾しようとするはずです。これを収拾するには、金融引締を行うことになります。

だから、「通貨戦争」なるものは、単なる幻想にすぎないのです。

ECは、デフレ傾向が続いていて、金融緩和をすべきなのに、ECBが、なかなか金融緩和政策をしなかったので、あの経済学者クルーグマン氏は、日本への謝罪を表明したことがあります。それについては、このブログでも取り上げたことがあります。

その記事のURLを以下に掲載します。

クルーグマン教授“日本に謝りたい…” 教訓生かせぬEUのデフレ危機を嘆く―【私の論評】同じ内容の記事を読んでも、受け取る人によって様々、EUも日本の既存マスコミも黄昏時をむかえたか?
クルーグマン博士
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事は昨年11月のものであり、ポール・クルーグマン氏の主張を掲載しました。その部分のみ以下に掲載します。
世界経済の低迷が続く中、海外メディアでは特にユーロ圏の経済危機に警鐘鳴らす記事が目立ちはじめている。多くは、1990年代後半以降の日本を例に挙げ、デフレスパイラルに陥る危険性を論じている。中でもノーベル賞経済学者のポール・クルーグマン教授は、ニューヨーク・タイムズ(NYT)紙上で「欧米は日本以上に深刻なスランプに陥った」と悲観的だ。
クルーグマン教授は、日本の「失われた20年」は、「反面教師として、先進国経済が進むべきではない道を示してきた」とNYTに寄せたコラムで述べている。そして、自身も日本が取った政策を批判してきた一人だと記している。しかし、「我々は今、日本に謝らなければならない」と心情を告白。批判そのものは間違ってはいなかったが、認識が甘かったとしている。
それは、欧米が日本の教訓を全く生かすことなく、「起きるはずではなかった」数々の失敗を積み重ね、日本よりもさらに深刻な状態に陥ったからだという。
 しかし、これだけ辛辣にクルーグマン氏に批判されていたEUも結局は、金融緩和に踏み切ったわけです。

ブログ冒頭の記事で、高橋洋一氏は「多くなりすぎたモノと少なすぎたカネのバランスを保つために、カネを増やす金融緩和が必要となって、各国ともにデフレにならないようにしているのだ」と述べています。

これは、実は昔から「ワルラスの法則」として知られています。これについても、このブログで掲載したことがあります。その記事の中で、これに関する上念司氏の動画を紹介しました。これは、非常に理解しやすいので、以下にその動画を再掲させていただきます。


この動画をご覧いただければ、おわかりになるように、「ワルラスの法則」は本当に簡単で、誰にでも理解できるものです。多くなりすぎたモノと少なすぎたカネのバランスを保つために、カネを増やす金融緩和が必要ということです。

EUもこのことに気づいて、ようやっと金融緩和に動き出したということです。

しかし、過去の日本においては、このことが理解されず、デフレ気味になっても金融緩和がなされず、結局デフレを阻止できず、15年以上も完璧にデフレ状況に陥ったという現実があります。

そうして、日銀は、こんな簡単なことも理解できずに、デフレ・円高政策を性懲りもなく長期間にわたって継続させてしまったのです。

ドルをデサインしたビキニ
それだけではなく、マスコミも似非識者もそうして多くの政治家もこぞって、とんでも経済理論で、結果としてし日本のデフレを長期化させてしまいました。

私達は、「通貨戦争」なる幻想にとりつかれることなく、ましてやデフレ・円高政策を正当化するような「とんでも経済理論」にとりつかれることなく、正しい認識をすべきです。

そうでないと、また「とんでも経済理論」が幅を効かせ、実体経済とは関係なしに、増税や金融引き締めが行われて、「失われた20年」が、「失われた40年」になりかねません。

マスコミや、似非識者、マクロ経済音痴の政治家などの言説にだまされないようにしましょう。このことは、このブログでも過去何回も主張してきましたが、何回主張しても良いことだと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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